2009年11月17日火曜日

Just a demonstration! Chinese real size aircraft carrier mockup. 見栄以外の意味はあまりない中国の空母実物大模型


※写真上は、朝日新聞サイトから転載
写真下は、china-defense-mashup.comから転載

中国空母、全長300メートル 武漢に実物大の模型

中国の内陸部、湖北省武漢市にある中国艦船設計研究センターに、実物大の空
母の模型が造られた。中国初の国産空母の建造に向けた動きだ。

同センターは、中国軍が2015年を目標に進める空母建造の6拠点の一つ。
軍関係者によると、模型の建設は08年末に始まり、全長は約300メートル。
レーダーや電気配線が設置され、実際の運用に備え電波の混信を調べるなどの
テストをしている。甲板部分にはシートで覆われたロシア製戦闘機スホイ33
とヘリコプターの模型が置かれている。

訓練用空母として大連で改修している旧ソ連軍のワリャーク(6万トン級)と
同型で、実際に建造する空母もこれと同じになる可能性が高い。

中国軍は空母建造計画を公表していないが、香港在住の軍事評論家、平可夫氏
は「この模型によって空母建造が完全に裏付けられた」と指摘。ロシアの軍関
係者は「取り付けられたレーダーは本物で、建造が順調に進んでいることを示
している」とみている。

(朝日新聞 2009/11/17)


一見、如何にも空母建造の為の準備を行っていますよと言わんばか
りの様に見える空母実物大模型ですが、空母建造にそれ程役に立つ
のか眉に唾をつけた方が良さそうです。

この様な実物大の模型を作った似たような事例は、中国以外でも見
る事ができます。例えば映画製作用の実物大模型です。尾道に作ら
れた「男達の大和」の実物大セットは、一時、話題に上りました。
それ以外にも「タイタニック」や「トラ・トラ・トラ」用にも実物
大や実物大に近い模型が製作されています。

また、博物館等の用途で実物の船を模して建設されたものがありま
す。晴海にある「船の科学館」がその一例ですが、中国にもニミッ
ツ級空母の略実物大の建造物を博物館にしている例があります。
(実際に使われた戦艦、空母、客船を博物館等の施設に利用したも
ありますが、実物大模型ではありませんので、除きます。)

では、船舶の設計を行う上で、この様な実物大模型を作成する事は
意味があるのでしょうか?
部分的な実物大模型やRCSをチェックする為の縮小模型を作成す
る事はありますが、実物の艦船を建造する為に、ここまで大きな模
型を作った例は、私の知る限りではありません。(勿論、私の知ら
ない例が存在する可能性はあります。)
部分的な実物大模型というのは、艦内機器等の配置を確認する為の
モックアップです。新型艦の場合は一番艦の建造時にモックアップ
を用いて機器配置の適切さの検証が行われています。
また、イージスシステムの実戦配備に先立って、イージス巡洋艦の
上部構造物を模した建造物をNY州近郊に建造し、それにイージス
システムのプロトタイプを設置して、全米でも一番と言われる航空
交通量を利用し、航空機の探知・追跡実験を継続的に実施した事が
あります。

モックアップに共通しているのは、実物大模型でしか出来ない実験
を目的的に製作される事です。実験目的に合わない部分は、通常は
徹底的に簡略化されます。ハリボテと言っても良い位です。

今回の中国の空母実物大模型の最大の疑問は、建設目的が良く判ら
ないという一点に尽きると思われます。
空母用の艦橋に設置する電子機器のモックアップとするならば、飛
行甲板部分は不要ですし、空母艦載機のSTOBALの訓練に使用するの
であれば、ビルの屋上に作るのではなく、地上にスキージャンプ部
分を作れば良いだけです。実際にロシアはそうしています。空母に
設置するエレベータの試験施設としては、格納庫の高さが足りません。

という事で、写真をよく見ると、朝日新聞のサイトから転載した写
真では如何にも実物大模型と言う感じですが、この施設を後方から
写した写真では、実物通りではない事が判ります。つまりこの建物
は、右舷前方からは実物の様に見えますが、艦尾と左舷は、実物と
は違い特に艦尾は実物以上に大きさが取られていると思われるので
す。記事では、「実際の運用に備え電波の混信を調べるなどのテス
トをしている」と書かれています。実際に、そういうテストが行わ
れたのかも知れませんが、実態としては、空母研究センターとして、
諸外国に対するデモンストレーションとして、見栄で空母としての
外観を整えている様に思えてならないのです。


球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年11月16日月曜日

NASA LCROSS crushlander probe found water in the Moon. 月の水を確認したエルクロス探査機

※CGは朝日新聞サイトより転載

月にまとまった量の水 NASA、体当たり探査機で確認

米航空宇宙局(NASA)は13日、無人探査機L(エル)CROSS(クロ
ス)による観測で「月の南極に近いクレーターに凍った水が存在することがわ
かった」と発表した。「かなりまとまった量」といい、将来、月面基地を建設
したときに宇宙飛行士の飲料水として期待されるほか、電気分解によって呼吸
用の酸素やロケット燃料の水素を作れる可能性がある。

10月9日に探査機から切り離したロケットを秒速2.5キロでクレーターに
衝突させた。舞い上がった土砂などの噴出物を分光計と呼ばれる装置で探査機
本体が観測した結果、水蒸気と氷の存在を示す特徴的な光が確認された。

水蒸気はクレーターに存在する氷が衝突時の熱で昇華してできたと考えられ、
90リットル程度の水に相当する氷がクレーターから噴き上がったとみられる。
月全体でどれだけあるかはさらにデータの分析が必要だが、研究チームは衝突
地点について「極端に乾燥した地域である南米チリのアタカマ砂漠よりは少し
湿潤なのではないか」と話した。

月面は乾燥した世界だと考えられてきたが、月面の極域近くのクレーターの底
には、太陽の光が当たらない陰の部分があり、例えば、氷の核を持つ彗星(す
いせい)の衝突でもたらされた氷などが解けずに残っている可能性が指摘され
てきた。

インドの周回探査機などの観測で、月面の広い範囲の砂の表面に水が結合して
存在していることが確認されているが、まとまった量の水が確かめられたのは
今回が初めて。

(朝日新聞 2009/11/14)


エルクロスについては、10月9日のエントリーで取り上げましたが、
そのデータ分析が終わり、その前のインドの月探査機チャンドラヤ
ーンが検出したのと同様、月の南極の永久影の領域に水の存在する
事が証明された様です。二つの別の方法で証明されたのですから、
これで水の存在は確実になったと言えます。

チャンドラヤーンは、NASAが提供した月面鉱物マッピング装置(Moon
Mineralogy Mapper)を搭載していましたが、この観測によって、月
の南極のかなり広い地域から少量ですが、水の分子を検出しました。

これに対しエルクロスは、自身を打ち上げたセントールロケットを
先に月面に衝突させ、それを観測すると共に自身もその直後に月面
に突入し、先のセントールの衝突と合わせ、月面物質をクレータの
縁より高く吹き上げる事で、今度は地上から直接観測を可能とし、
水の検出を確実に行うという目的を持っていました。その点で、エ
ルクロスは、そのミッションの期待通りの成果を確実に達成したと
言えます。

今回検出された水の分量そのものについては、記事にもある通り、
「アタカマ砂漠より少し湿潤」といった程度なので、微量でしかあ
りません。これをどの程度、有効に活用できるかは、月面でレゴリ
スを収集し、そこから水分を抽出するコストと、地球から持ち込む
コストとの見合いと言う事になります。勿論、両者ともに、技術進
歩によって変動する数字になりますから、現時点で評価しても、あ
まり意味はありません。

また、月面全体でどの程度水が存在するかについても、今後の月探
査の成果待ちと言えますし、その評価の為にも、有人月探査が必要
となるかも知れません。

しかしながら、先日から取り上げている有人探査計画諮問委員会は
今回の発見に関して重要な発見ではあるが、月を有人探査の目標か
ら外すと言う委員会の勧告を変更するものではないと述べています。

しかし、それにしても、将来、月面基地を建設した時に宇宙飛行士
の飲料水として利用可能で、電気分解すれば、呼吸用の酸素やロケ
ット燃料になる水素を作る事ができる水を地球から運ぶ必要がなく
なる可能性があるというのは、今後の人類の月面での活動に計り知
れない利益を齎すものです。その意味でも、エルクロスミッション
は、極めて重要な意味と価値があったと考える処です。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年11月13日金曜日

DPJ see more importance to normalize relation with North Korea than abduction issue. 拉致問題を棚上げにしても良いと考える民主党


小沢幹事長、在日韓国人への地方参政権付与に意欲

民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は12日、東京で日本の民主党の小沢
一郎幹事長と会談した。在日韓国人を含む外国人への地方参政権付与に積極的
な小沢幹事長は「
参政権問題はわたしが民団に約束したことだ。約束は必ず守
られるべきだ
」と述べた。

最近日本では、民主党政権による外国人への地方参政権付与方針が党内外で反
対に直面し、年内の法制化は困難との見方も出ている。しかし、民主党政権の
陰の実力者である小沢幹事長は「政府立法で実現するように努力している」と
意欲を示した。

また、丁代表が「北朝鮮と日本の関係は改善されるべきだ。北・日(日朝)首
脳会談や特使派遣などを検討すべきだ」と述べたのに対し、小沢幹事長は個人
的見解だと前置きし、「
北朝鮮による日本人拉致問題の解決にこだわらず、日
本と北朝鮮の関係改善について結論を出すべきだ
と考えている」と応じた。

鳩山由紀夫首相も最近、韓国の崔相竜(チェ・サンヨン)元駐日大使と会談し
た際、
日本人拉致問題と核問題がすべて解決しなければ、日朝国交正常化交渉
に入らないという立場ではない
と表明していた。

来年が韓日強制併合100周年に当たることに関連し、丁代表が「日本の過去の
歴史に対する反省を基に、新たな韓日関係の希望が芽生えることを望む」と述
べたのに対し、小沢幹事長は「わたしは日韓関係にあまりに積極的であるため、
日本の内部で非難されるほどだ。日韓関係は外交的表現である友好という言葉
よりも、真に親密な関係へと発展すべきだ」と指摘した。同日の会談には文喜
相(ムン・ヒサン)国会副議長、宋永吉(ソン・ヨンギル)最高委員らが同席
した。

丁代表は同日午後、岡田克也外相とも会談した。丁代表は「(韓国で)10年間
の政権担当後に野党になった。政権奪還に向け、日本の民主党を参考にしてい
る」と述べると、岡田外相は「われわれも野党だったころ、韓国の野党(当時
のヨルリンウリ党)をよく研究した」と答えた。

無所属の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員も13日に岡田外相と会う予定だ。

(朝鮮日報 2009/11/13)
http://www.chosunonline.com/news/20091113000009


何故、この件が日本で報道されないのか疑問に思わせる程、衝撃的
な小沢民主党幹事長の発言です。

日本のマスコミが批判的に大きく報道すれば、政権維持が難しくな
る程のインパクトがある筈ですが、日本のマスコミは積極的に報道
しないのが目に見えているのが、本当に歯がゆく感じられます。

これが報道統制でなくて何が報道統制なのでしょうか。まさに平成
の大政翼賛報道であり報道機関の自殺であると言わざるを得ません。

ブログ読者の皆さん、できるだけ多くの人に、この小沢幹事長の発
言を知らせて下さい。民主党政権は日本の為になりません。民主党
は、正当に選挙された政権ではありません
マスゴミと二人三脚で
国民を騙して政権を盗み取った
言うべきなのです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年11月12日木曜日

North Korea will retaliate within few years. 南北海上衝突 北は面子を守る為に報復攻撃を行う

黄海銃撃、北朝鮮メディア「南が計画」主張・警告

北朝鮮・朝鮮労働党機関紙の労働新聞は12日、このほど黄海で発生した南北軍
当局の銃撃戦について「計画された挑発」と主張しながら、警告を加えた。朝
鮮中央通信が伝えた。

労働新聞は「高い代価を支払うことになるだろう」と題した論評で、「黄海で
の武装衝突は、何らかの単純な偶発的事件ではなく、朝鮮半島の緊張激化を狙
う南朝鮮(韓国)軍部の故意的で計画的な挑発行為」とし、あらかじめ戦闘隊
形を取って待機していた複数の韓国軍艦艇のほうが先に、正常な警戒勤務を遂
行中の北朝鮮海軍警備艇に対し発射したと主張した。

同紙は、北朝鮮の主導で南北和解と協力ムードができ、国際的に朝鮮半島問題
を対話で解決するための前向きな動きがあったのに対し、不満を抱いた韓国の
反統一保守勢力とこれに操られた軍部の好戦者が、良好な雰囲気を壊し、朝鮮
半島の軍事的対決と緊張を激化させようとあがいていると主張した。
その上で、対決と緊張を望まないが北朝鮮の領海侵犯と発砲は見逃すことがで
きないとしながら、「正義の鉄ついで無慈悲に懲罰することは、われわれの変
わりない対応方式」と警告した。

また、内閣機関紙の民主朝鮮も同日発表した論説で、オバマ米大統領の訪韓と
ボズワース米特別代表(北朝鮮政策担当)の訪朝計画に触れ、「こうした時に
南朝鮮の軍当局は、黄海で武装挑発事件を起こしその責任をわれわれに押し付
けるやり方で、米国の主人に対し、われわれに対する敵対感を吹き込み、対朝
鮮(北朝鮮)敵対視政策は変えず、朝米対話もすべきでないということを懇願
しようとした」と主張した。

(聯合ニュース 2009/11/12)

}}}

今回の南北海上衝突事件では、二分間という短時間の交戦でしたが、
明らかに、北朝鮮が敗北しました。
韓国側は、威嚇射撃を行った後、北朝鮮の応射に対して素早く対応
した事で(一説では、200発を発射しています)、北の哨戒艇に反撃
の隙を与えなかった様です。

南北ともに150㌧程度の大きさの哨戒艇の交戦でしたが、装備の質
が違いますので、そういう事も可能になります。結果、北朝鮮側に
4名の死傷者が出たのに対し、韓国側に人的損害はでませんでした。
もともと仕掛けたのは北朝鮮ですから、それに対し、一方的に反撃
されて、尻尾を巻いて逃げたのですから金正日の面子も丸つぶれで
す。それが、上記の過激な反応になったと言えます。北朝鮮海軍は
報復せざるを得なくなりました。

前回、同様の海上衝突が起こった時も、北朝鮮による報復が行われ
ています。
つまり、1999年の第一次延坪海戦で、今回同様仕掛けながら敗北し
た北朝鮮が、2002年の第二次延坪海戦では、奇襲的な銃撃で韓国側
の哨戒艇を撃沈しているのです。

今回の衝突は、第一次延坪海戦と比べても小規模なものですが、こ
の反応では、第四次延坪海戦は必至と言える様に思います。但し、
そうは言っても、北朝鮮は、政治が優先するお国振りですから、韓
国側に報復しても南北関係でも国際的にも影響がない時期を選ぶも
のと思われます。前回は二年間、報復の時期を待っています。その
様に考えれば、北朝鮮の韓国への報復は、ここ数年の内に、南北の
緊張が緩和している状態の中で、偶発的衝突に見える様な形で行わ
れると思われます。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年11月11日水曜日

Inflexible North Korea. オバマの訪日スケジュール変更に対応できなかった北朝鮮


※交戦した韓国と北朝鮮の警備艇。
上は韓国のチャムスリ型戦闘艇。下は北朝鮮は上海型哨戒艇(但し、中国の同型艦)。
「日本周辺国の軍事兵器」(http://www6.atwiki.jp/namacha/)から転載。

黄海で南北海軍が銃撃戦

朝鮮半島西方の黄海上で2009年11月10日午前11時半ごろ、北朝鮮の
警備艇が海上の軍事境界線である北方限界線(NLL)を越えて南下し、阻止
しようとした韓国海軍艦艇との間で銃撃戦となった。北朝鮮警備艇は破損し、
北朝鮮側に戻った。韓国側に死傷者はいなかった。
韓国合同参謀本部が発表した。南北艦艇間で銃撃戦が起きたのは2002年6
月以来。米国が核問題で北朝鮮との対話に乗りだそうとしているタイミングで
の北朝鮮による挑発とみられ、対話の行方にも影響を与える可能性がある。
韓国政府関係者によると、北朝鮮の警備艇がNLLを越えて韓国側に侵犯、韓
国海軍が警告射撃した。しかし、北朝鮮の警備艇が応射し、韓国側も応戦した
という。同関係者は「状況を注視している」と語った。
聯合ニュースによると、現場海域では当時、韓国の漁船9隻が航行していたが、
安全海域への移動措置を取った。
NLL近海では1999年と02年に北朝鮮と韓国の艦艇による銃撃戦が起き、
双方に多数の死者が出ている。

(時事通信 2009/11/11)


北朝鮮は、独裁国家ですから、指導者の一言で、緊張を激化させる
事も緩和する事も容易にできます。特に、軍に対しては指揮権を一
手に握っている訳ですから、どの軍を、どの程度動かすか、正に金
正日の手の中にあると言っても過言ではありません。

今回の海上での軍事衝突ですが、北朝鮮の警備艇がNLL(北方限
界線)を越えて南下したのを、韓国の警備艇に見咎められ警告射撃
を受けたのに対し、北側が応戦したのが原因になっています。北朝
鮮の警備艇は、南からの警告射撃に対し、自艇の位置を確認した上
で避退しても良かったのに、わざわざ応戦したのは、応戦許可を得
ていた(あるいは、応戦を指示されていた)からに他なりません。つ
まり、北朝鮮が、軍事的に警備艇同士が砲火を交わす程度にエスカ
レーションする事件を望んだから、今回の事件が発生した事になり
ます。

本来の予定であれば、11日にオバマ大統領は、日本に到着するスケ
ジュールになっていました。日本にエア・フォース・ワンが到着し
て最初に機内に運び込まれる新聞の一面に、南北艦艇銃撃戦のヘッ
ドラインが踊っている筈だったのです。しかしながら、オバマ大統
領の訪日スケジュールが一日ずれた事。また、北朝鮮内でそれへの
対応が取れず、当初予定のスケジュールで銃撃戦が発生した事で、
オバマ大統領は、緊迫した報告を、日本で聞く代わりに、CIAの情
報官から冷静な報告を得られた事になります。

この様に考えれば、今回の事件が、北朝鮮が期待する米朝二ヶ国協
議に積極的でないオバマ大統領への心理的圧迫を目的にした政治的
な意図の下に行われた事は明白である様に思われるのです。

それにしても、オバマ大統領の訪日スケジュールが一日伸びたので
あれば、それに応じて事件発生を一日延ばせば、意図通りの政治的
効果を得られた筈であり、それに対応できなかった北朝鮮の体制の
柔軟性の欠如を露呈した事件であるとも言えるのかも知れません。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年11月10日火曜日

オバマ置き去り!外交下手を露呈する鳩山政権。

鳩山首相、米大統領残しAPECへ

鳩山由紀夫首相が13日に来日するオバマ米大統領と同日中に首脳会談を行っ
た後、大統領を日本に残し、同日深夜にアジア太平洋経済協力会議(APEC)
首脳会議出席のためシンガポールへ出発する日程が9日、固まった。複数の日
本政府関係者が明らかにした。
首相としては「アジア重視の姿勢を示すため、14日の首脳会議開幕に遅れる
ことはできない」(政府関係者)という。ただ、来日中の外国首脳を残して、
首相が外遊に出発するのは極めて異例。 
一方、オバマ大統領は14日も日本に残り、天皇陛下との会見やアジア外交に
関する演説などの日程をこなしてからシンガポールに向かう見通しだ。

(時事通信 2009/11/10)


鳩山政権は、発足当初から米国に対する、外交的平手打ちを連発し
ていますが、これは極めつけの一発と言えるものです。しかも、外
交上全く意味が無い単なる非礼であり、愚劣以外の言葉が見つかり
ません。これでは鳩山政権に摺り寄られる側の、中国も避けようと
するのではないかと思えるほどです。

勿論、米軍人の銃乱射事件の影響で、直前に、オバマ大統領の訪日
スケジュールを一日延期したのが影響しているのが原因となってい
るのは間違いありません。しかし、それも含めてスケジュール変更
を了承している筈です。

鳩山政権が外交上無難な出足を見せているのであっても、行く先は
同じなのですから、オバマ大統領と一緒にシンガポールまでエア・
フォース・ワンに同乗するパフォーマンスを見せ、親交を深めるチ
ャンスとする位の事をやっても良かったのです。
恐らく、小泉元首相であれば、それを嫌味に見せる事なく自然にや
ってのけたと思われます。

実際には、鳩山政権は、米国相手に外交的平手打ちを連発している
のですから、こういう場合には、余計に気を使って、日米一体感を
演出すべきであるのは、外交に関する素人でもわかる事です。

誰の助言を得たのか判りませんが(恐らく寺島実郎だろうと想像し
ますが)、今回の処置を含め、日本のアジアにおける発言力の多く
が、日米同盟と言う基盤の上になりたっている事を意図的に無視す
るという非常に子供っぽい行動をとっている様にしか見えないので
す。しかし、そんな事で、米国と対等な関係が構築できる訳もあり
ませんし、鳩山政権が志向する東アジア共同体が実現できる訳でも
ないのです。どの様なものであれ日本が、外交的意思を実現したい
と本気で思っているのなら、米国を如何に上手く活用するかが鍵に
なるのは言うまでもないのです。

言い換えれば、APEC開幕に一日遅れた処で、米国大統領とエア・フ
ォース・ワンで一緒に来る日本の首相の方が、米国大統領を置き去
りにして、APEC開幕に間に合わせた首相よりも、余程、APECで影響
力を行使できるというのが現実なのであり、今回の件で、鳩山政権
は、東アジアの外交コミュニティの中で、ますます相手にされない
存在(ピエロ)となったと言えるのです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





Mainichi, Japan's most biased newspaper. 地方参政権付与法案に反対するものは右翼と断定する毎日新聞

<民主党>山岡国対委員長にSP

民主党は9日、山岡賢次国対委員長に10日から警視庁の警護官(SP)を随
行させることを決めた。山岡氏は先週、臨時国会に永住外国人への地方参政権
付与法案を提出する意向を表明し、同氏の事務所などに右翼関係者とみられる
人物らからの抗議が殺到したためだ。山岡氏本人も「困った」と漏らし、警視
庁側も「警護が必要」と判断した。

民主党でSPがついているのは、代表兼任の鳩山由紀夫首相を除けば、小沢一
郎幹事長と輿石東参院議員会長のみ。自民党政権当時の国対委員長にも随行し
ておらず、異例の待遇となる。

(毎日新聞 2009/11/10)


民主党の山岡憲次氏のWebサイトは以下のURLである事は、Yahooで
も、googleでも簡単に検索する事が出来ます。
http://www.yamaokakenji.gr.jp/

山岡氏のサイトにには、ブログはありますが、コメント欄はありません。
その代わり、Web頁の表紙に、連絡先が載っています。
ちなみに国会事務所の連絡先は、
電話 03-3502-8888
FAX  03-3502-8855
となっています。
また、「お問い合わせ」というメニューで、山岡氏へのコメントを残
す事が可能となっていますが、その為には、コメントをする人の個
人情報を記載する様になっています。

今回、地方参政権付与法案に対する抗議が殺到したのは、時間的に
見て、このコメント欄かあるいはFAXという事になると思います。

では、何故、地方参政権付与法案に対する抗議をした人が、右翼関
係者になってしまうのでしょうか?また、右翼関係者と判断したの
は誰なのでしょうか?
現時点で朝日新聞は、ニュースサイトを見る限り、このニュースは
掲載されていません。一方、読売新聞と産経新聞は報じており、そ
の両者ともに右翼関係者というコメントはありません。従って、民
主党は事実を公表した段階で、右翼関係者とはコメントしていない
と思われます。
つまり、「右翼関係者」という表現は毎日新聞の記者が追加したコ
メントと言えます。それでは、毎日新聞はどの様にして、抗議のコ
メントが右翼関係者とみられる人物らからの抗議しかないと断定出
来たのでしょうか?

外国人の参政権については、現在までの判例では、国政参政権を与
える事は、違憲となっていますが、地方参政権付与については、違
憲の疑いがあると言う意見もありますが、必ずしも違憲とが言えな
いという意見もあり、法曹の世界でも結論は出ていません。
その様な争点ですから、民主党支持者や、民主党員、あるいは民主
党議員の中にすら地方参政権付与法案に反対する一定の勢力があり
ます。

民主党は、政府案として今国会に地方参政権付与法案を提出しない
事にしていたのは、その様な、党内意見に配慮しての事です。しか
し、今回、山岡氏は、民主党の他の議員には禁じている議員立法と
して地方参政権付与法案を国会に提出しようとしています。それも、
小沢幹事長の了承をとったからと言う良く判らない恣意的且つ密室
の議論で、日本国の国益を侵害する可能性のある法案を提出しよう
としています。政府、与党としての通常の立法プロセスを経ない点
でも、異例の扱いと思われますし、常識的には、法案の内容以外に
プロセスに対する反対論も予想されます。しかし、この記事では、
そういう反対論も含め、反対者は、すべからく「右翼関係者とみら
れる人物」という悪質なレッテルが貼られている事になります。

その様な視点からすれば、毎日新聞の「右翼関係者と見られる」と言
うコメントは、必ずしも、根拠のあるものではなく、毎日新聞自体
が、地方参政権付与法案に反対するものを貶めようとする悪質
な意図を持っていると断定せざるを得ないのです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年11月9日月曜日

Last oil supply flotilla sailed to Indian ocean. 最後のインド洋給油艦隊を見送ったのが、防衛政務官とは...

※写真は、産経新聞サイトから転載

インド洋給油 海自補給艦と護衛艦が出港、最後の派遣に?

新テロ対策特別措置法に基づくインド洋での補給支援活動のため、海上自衛隊
の補給艦「ましゅう」(乗員約150人)と護衛艦「いかづち」(乗員約190
人)が9日午前、それぞれ海自舞鶴基地(京都府舞鶴市)と横須賀基地(神奈
川県横須賀市)を出港した。来年1月で期限切れとなる同法について政府は「
単純延長しない」としており、最後の派遣となる可能性が高い。

出港前、ましゅう艦長の品川隆1等海佐は「最後までしっかりと任務を遂行し
たい」とあいさつ。いかづちの出港前には楠田大蔵防衛政務官が乗員約190
人に「補給支援活動は国際社会の中でも高く評価されている。わが国の代表と
してしっかりと活躍することを期待します」と訓示。乗員の家族らに見送られ、
ゆっくりと岸壁を離れた。

両艦は7月下旬に派遣された補給艦「おうみ」、護衛艦「すずなみ」と現地で
交代し、多国籍艦船への給油にあたる。

(毎日新聞 2009/11/09)


やはりと言えば、やはりと思わせる扱いです。最後の補給支援艦隊
の出航を見送ったのは、防衛政務官でしかないというのは足掛け8
年に及ぶ自衛隊の地道な活動に対する酷い評価を反映したものとし
か言い様がありません。それにしても政治家の命令により、大変な
苦労を重ねた自衛隊員に対する労に報いる言葉が最高司令官から与
えられてしかるべしであったと思うのです。

民主党政権は元々、海上自衛隊のテロ対策補給支援活動を評価して
いません。その理由は「自衛隊の活動」であるからと言う反軍思想
に基づくものですが、実際には、自衛隊は政治の道具に過ぎません。
戦後の自衛隊はシビリアン・コントロールの名の下に下される理不
尽そのものな扱いに良く耐える組織になっていますが、余程、民主
党は、正しく命令を出す自信がないのか、給油活動と言う米国のテ
ロ対策支援としては最もコストパフォーマンスの高い活動を放棄し
ようとしています。

その代わりに、自らの手を汚さないと悪名の高い小切手外交と、民
間人(?)による警察官訓練ですが、今やアフガニスタンから、各国
は支援活動を行っている民間人を避難させている最中ですから、タ
イミングが悪い事、この上ないとしか言えません。

小泉自民党政権は、それまでの日本の政治の殻を破って、郵政民営
化や、テロ対策支援活動への自衛隊の積極活用で、米国の同盟国と
しての日本の国際的地位の向上につくしたと思うのですが、今、民
主党政権がやろうとしているのは、日本郵政への官僚天下りもそう
ですが、失敗確実な小泉以前の自民党政治への回帰としか見えませ
ん。それに加え、放漫財政と、日米同盟軽視ですから、これで日本
がよくなれば奇跡の様なものでしょう。

有権者の皆さん、あなた方はいつまで民主党のアナクロニズムを後
押しし続けるのですか?


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年11月5日木曜日

SpaceX Picks Launch Date for New Rocket. SpaceX社新型ロケットの初打上げ決まる!?

※ケープカナベラルの専用発射台に設置されたFalcon9。SpaceX社サイトより転載

先日は、アレスI-Xの打上げ実験が成功裡に行われましたが、今
度は、ISS(国際宇宙ステーション)への補給を担うCOTS(商業軌道輸
送サービス)の第一号となる、SpaceX社のFalcon9ロケットの初打上
げ日時が決定した様です。(但し、実際の打上げの為には、調整が
必要です。) SpaceX社は、今まで、マーリンエンジン1基を搭載
したFalcon1でこそ衛星打上に成功した事はありますが、今回は、
同エンジンを9基束ねたクラスター構成でH-IIAに匹敵する打上げ
能力を実現しています。

先日のエントリーでも書きましたが、COTSを実現するに当たって、
NASAに選定されたSpaceX社とオービタル・サイエンス社(OBS社)は、
全く異なる開発アプローチを取っています。
SpaceX社が自社開発に拘った開発を行っているのに対し、OBS社は、
既存製品の組み合わせを主体とし、新規開発を最低限度に抑えてい
ます。勿論、SpaceX社も闇雲に開発している訳ではなく、勝算があ
っての開発ではありますが、それにしても、まだまだ、技術的に枯
れていないエンジンを9基もクラスター構成にする事は、技術的に
は冒険と見られても仕方がないと思われます。

それだけに、今回の一号機打上げは、COTSの成否にも係わる重要性
を持っていると言えます。

SpaceX社が、新ロケットの初発射日を決定

米空軍の第45宇宙団の最新の発射スケジュールによれば、SpaceX社は、2010年
2月2日に同社の新しいFalcon9ロケットの初発射を希望しているのが判った。

SpaceX社は、Falcon9のフライトハードウェアをケープカナヴェラル空軍基地
に11月には輸送し、それから、1~3ヵ月後に打上げを予定していると10月に発
表していた。

Falcon9のデビュー打上げは、当初、2007年中に予定されていたが、より小型
の姉妹ロケットであるFalcon1同様、SpaceX社の見込みより開発が長期化した。

しかし、新しい発射目標日には、問題があるのが判っている。SpaceX社の希望
する東部標準時午前11時の打上げは、既に承認済みとなっているNASAの太陽動
態観測衛星を打ち上げるユナイテッド・ランチ・アライアンス社のアトラス5
の打上げ期間と重なっている。

SpaceX社の10月21日の発表では、最初のFalcon9打上げでは、NASAの資金提供
で開発されている再使用可能貨物輸送機のプロトタイプを搭載したデモンスト
レーション飛行となる。また、このミッションでDragonカプセル実証機の空気
力学的な性能データを取得する予定となっている。

SpaceX社によれば、このフライトは、COTS(商業軌道輸送サービス)契約で合意
されている三回のDragon飛行デモにはカウントしない事になっている。この
2006年の協定では、貨物を国際宇宙ステーションに届けるDragon宇宙機の能力
を示す三回のデモ飛行と引きかえに、NASAはSpaceX社に2億7800万ドルを支払
う事を約束している。

当初は、最初のデモ飛行は2008年9月に行われる事になっており、それに続い
て、二回目が2009年6月、三回目が2009年9月に打上げられる事になっていた。
2008年2月に、SpaceX社とNASAはCOTS契約を改定し、最初のDragonデモ飛行を
2009年6月に変更した。

更に、2008年12月には、そのCOTSインセンティブに加えて、SpaceX社は2011~
2016年に宇宙ステーションに約20トンの貨物を輸送する16億ドルの契約をNASA
から受け取った。

SpaceX社が最初のFalcon9をうまく離陸出来る様に取り組んでいる、同社は、
Dragonカプセルを有人輸送用に信頼性を向上する為の改修計画に対し、資金援
助を行う様に、議会とNASAに要請し続けている。

SpaceX社のCEOであるエロン・ムスクは、NASAが、必要な改修を、行うための
資金提供を開始してから3年で、非常脱出システムの開発を含めてドラゴン宇
宙機を有人化できると語っている。

(Space.com 2009/11/02)


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月29日木曜日

Hatoyama is not worth for supreme commander of JDF. 護衛艦衝突 鳩山首相に自衛隊最高指揮官としての資格なし

※内閣総理大臣旗 Wikipediaより転載

首相「日韓関係に配慮を」 護衛艦衝突事故、防衛相と会談

鳩山由紀夫首相は28日、国会内で北沢俊美防衛相と会い、海上自衛隊の護衛艦
と韓国船籍のコンテナ船の衝突事故に関する報告を受けた。韓国籍船が海上保
安庁の指示に従い航路を変更していたことを踏まえて首相は「日韓関係にいさ
さかでも差し障りがあるようなことにならないようなことが大事だ」と慎重な
対応を指示した。

海上保安庁は同日、事故が起きた関門海峡をレーダー監視している海上交通セ
ンターの管制官が、韓国籍船が前方の貨物船を追い越す際に護衛艦の航路に近
づく形で追い越すよう指示していたことを明らかにしている。

(日本経済新聞 2009/10/28)


鳩山首相は、自らが、自衛隊の最高指揮官であるとの自覚が全くな
いというのが、良く判る発言です。
勿論、海上保安庁の関係でも、最終的な責任は首相になるのでしょ
うが、海保の組織図を見ても、国交相や首相の名前は出てきません。
それに対し、自衛隊では、最高指揮官として、指揮官旗まで用意さ
れているという違いがあります。自衛隊は軍ではありませんが、国
の存否を左右する軍というものの性格が首相をその様に位置づけて
いると言えます。

この様な指揮官としての自覚は、恐らく、観閲式や観艦式で、自衛
官が自分に敬礼をしている事などを通じて、醸成されるものだと思
われますが、鳩山首相は、10/24に行われた殉職自衛隊員追悼式に
も、10/25に行われた観艦式にも参加しませんでした。これでは、
指揮官としての自覚が醸成できる訳もないのです。否、自覚の醸成
を自ら放棄しているとすら言えるのかも知れません。

今回の場合、首相がどういうつもりで、日韓関係に言及したのかは
知りませんが、自己の指揮下にある護衛艦が衝突され、且つ負傷者
が出ているにも係わらず、それに全く言及する事なく、日韓関係の
みに言及したのであれば、最高指揮官としても極めて問題であると
考えます。

更に、この発言は海難事件を所管する行政機関の長の発言としても
問題があります。いくら宇宙人であるとは言え、海上交通にはルー
ルがあり、海難事故は海難審判で事故の原因と責任が明らかにされ
る事は、鳩山首相も護衛艦「あたご」と漁船の衝突事故や、その後
の海難審判を通じて常識になっていなければなりません。つまり、
為政者として、その審判に影響を与える様な発言は、避けるべきで
ある事も常識でなければならないのです。

これは通常の刑事事件で、事実が明らかになっていない状態にも係
わらず、韓国人が犯人と目される事を理由に、検察官や裁判所に圧
力をかけている様なもの。つまり指揮権を発動しているのと同じ事
なのです。むしろ、裁判所が三権分立により行政府からの独立を保
障されているのに対し、海保が、行政府の一機関である事を考えれ
ば、首相の指揮権限はより強いと考えるべきなのです。

その様な視点から考えると、鳩山氏は、自衛隊の最高指揮官として
の自覚もなければ、行政府の長としての自覚も見識もない事がこの
事件を通じて明らかになったというべきであり、とりわけ、自分の
立場が判っていないというのは首相としては致命的ではないかと考
える次第です。(阪神淡路大震災での危機管理体制の不十分さを指
摘されて「何分初めての経験でもございます」と述べた村山首相に
通じる為政者としての当事者意識の無さを感じてしまいます。)


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月28日水曜日

護衛艦「くらま」衝突事故 韓国船の無謀な操船が原因?

※関門海峡航行参考図(部分) 衝突地点は●赤丸で表示

護衛艦衝突の韓国船長「別の船を追い越そうと…」

山口県下関市と北九州市の間の関門海峡で、海上自衛隊第2護衛隊(長崎県・
佐世保基地)所属の護衛艦「くらま」と、韓国籍の貨物船「カリナ・スター」
が衝突した事故で、同船の韓国人船長(44)が「前にいた別の船を追い越そ
うとして、対向してきた護衛艦に衝突した」などと説明していることが28日、
海上保安庁の調べで分かった。

第7管区海上保安部は同日、実況見分の予定を強制捜査に切り替え、業務上過
失往来危険容疑で、両艦船を現場検証する。事故当時の双方の位置関係や運航
状況について、説明に矛盾がないか、乗組員らから詳しく事情を聴き、事故原
因の解明を進める方針。

同海峡は右側通行が原則で、海上衝突予防法では、対向してくる船と接近した
場合は、原則として双方が右に舵を切って回避するルール。貨物船が対向して
きたくらまを回避するために右に舵を切った場合、左側面を損傷することになる。

しかし、防衛省によると、貨物船は右船首部分が大破しており、くらまは船首
が大きく損傷している。同保安部では、貨物船が左に舵を切った可能性や、く
らまが左に寄りすぎて航行していた可能性などを慎重に調べる。

一方、衝突事故による護衛艦の負傷者は、消火作業中の煙の吸い込みや脱水症
状を含め、3人増えて計6人となった。韓国船にけが人はなかった。いずれも
症状は軽いという。

事故現場では、政府が派遣した榛葉賀津也防衛副大臣は28日未明、北九州市
側の岸壁から護衛艦を視察。記者団に「目視した感じでは、おそらく5メート
ル以上えぐられたんじゃないか。まだ未確定の情報もあり、われわれなりに落
ち着いて情報を収集したい」と述べ、事実関係の確認に全力を挙げる方針を示
した。

(産経新聞 2009/10/28)


海難審判での結論が出るまではうかつな事は言えないのですが、上
の記事の通りであれば、今回の事故は、かなり明白な韓国船の無謀
操船が原因であると思われます。

そもそも関門航路内は、追い越しが禁止されているのに、むりやり
追い越そうとしたのが問題です。関門海峡の航路帯は可航帯の幅が
狭く、流速は早く、且つ、入り組んだ地形です。この為、事故が多
いので、厳格な航行ルールが決まっています。

今回の事故は、陸上に例えて言えば、狭い交通量の多い二車線道路
で追い越し禁止になっているにも係わらず、無理に追い越ししよう
として対向車線にはみだしたトラックが、折悪しく差し掛かった対
向車と正面衝突した様なものです。

但し、不幸中の幸いであるのは、この場所は、事故が多いので、海
上保安庁の海上交通センター(関門マーチス)の水上レーダーによっ
て監視、管制が行われていた事です。(韓国側では、韓国船は管制
指示に従った事で衝突したと主張している様です。)

海上自衛隊とは異なる政府機関である海上保安庁により、衝突した
双方の航海データが記録されている訳ですから、それに基づいた客
観的な海難審判を期待する事が出来ます。

私は見ていませんが、今朝のワイドショーでは、予想通り、海上自
衛隊を貶める為に、護衛艦乗員の緊張感の欠如を指弾するコメンテ
ーターや解説者が多かった様そうです。

いつもの事とは言え、国民に不正な予断を与える為にする議論は、
決して正しい解決を導かないと悟るべきでしょう。コメンテーター
と解説者は現時点での、自衛隊の最高指揮官は民主党の鳩山首相で
ある事を良く肝に銘じておくべきであると考えます。

あと、ネットの議論で、護衛艦側の脆さを指摘する声がありますが
海上で、船が衝突した場合、あの程度の損害は、大きなものではあ
りません。恐らく衝突した速度が低かった為でしょうが、コンテナ
船の右舷の損傷の度合いは大きなものではありません。もし、速度
が出ていたのなら、もっと深い傷がコンテナ船側に出来ていた筈です。
また、護衛艦とコンテナ船は、ほぼ同程度の大きさですが、コンテ
ナ船の船体の鋼材の厚さの方が、護衛艦に比べ2倍程度ある点も、
損害の違いになっているものと思われます。

なお、「くらま」の損害で一番大きそうなのは、艦首バウソナーです。
艦首部の損傷状態を見ると、水線下にも損傷は及んでいると考える
べきでしょう。「くらま」のバウソナーはOQS-101という長距離探知
性能に優れたバウソナーですが、既に30年物になっています。
今更、この旧型ソナーを新造するのは無理があります。
「しらね」のCIC火災時に退役した「はるな」の設備を流用しましたが、
「はるな」はFRAM改装時にバウソナーを新型のOQS-6に変更しています。
「しらね」は、退役後、舞鶴に係留されていると思われますので、
「しらね」の時と同様、「くらま」にバウソナーを流用する事が可能で
あると思われ、また、それが修復費用の軽減と修復期間を短縮する
上で、望ましいと思われます。

いづれにせよ、「くらま」の一日も早い艦隊復帰を願わずにはいられ
ません。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月26日月曜日

Japanese Venus Climate Orbiter named AKATUKI(Dawn). 金星大気の謎を探る「あかつき」

※CGはJAXAプロジェクトサイトから転載

金星探査機は「あかつき」=搭載メッセージを公募-宇宙機構

2010年度にH2Aロケットで打ち上げ予定の金星探査機「プラネットC」について、
宇宙航空研究開発機構は23日、「あかつき」と命名したと発表した。また、あ
かつきに搭載するプレートに書き込むメッセージの一般公募を始めた。

あかつきは日本初の金星探査機で、打ち上げから約半年かけて金星周回軌道に
到達。460度という高温で、濃い二酸化炭素と硫酸の雲に覆われた金星大気の
謎を調べる。

宇宙機構は、金星探査機の開発に携わるプロジェクトチーム内で、名称を検討。
「明けの明星」として金星が輝く時間帯を示す「あかつき(暁)」がふさわし
いと判断した。
メッセージはあかつきに搭載するアルミプレートに微細な文字で刻印される予
定で、23日から宇宙宙機構のホームページ(http://www.jaxa.jp/event/akatsuki/index_j.html
で受け付ける。

(時事通信 2009/10/23)


今回、愛称が「あかつき」に決まった金星探査機PLANET-Cは、ISAS
(宇宙開発研究所。現宇宙開発研究本部)の正当な惑星探査機の系譜
を受け継いだ最新の惑星探査機です。

ちなみに、PLANET-Aは、ハレー彗星探査機「すいせい」であり、
PLANET-Bは、苦難の運命を辿った火星探査機「のぞみ」のコードネー
ムでした。なお、小惑星イトカワの探査に成功した小惑星探査機
「はやぶさ」は、MUSES-Cという工学実験探査機としてのコードが付
いています。
ちなみに、「のぞみ」「はやぶさ」「あかつき」は、打上げ時重量が
約500kgと略同じ大きさです。

ISASの衛星ですから、「あかつき」も計画時にはM-Vでの打上げを予
定していましたが、M-Vの退役により、H-IIAでの打上げに変更され
ました。その為、打上げ重量に余裕が出た為、「あかつき」の打上げ
時には、小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSや複数のピギーパ
ック衛星が同時に打ち上げられる事になっています。

金星は地球の双子惑星と呼ばれ、地球に一番近い惑星であり、大き
さも略同じですが、厚い雲に覆われ、容易にその素顔が明らかにな
りませんでした。1960年代以降、ソ連と米国の探査機により、二酸
化炭素による究極の温暖化が進行した世界である事が判ってきました。
ちなみに金星大気は、96%が二酸化炭素からなっています。

今回愛称が決まった「あかつき」は、主として、金星の雲の様子を解
析する事を目標に五種類のタイプのカメラで、金星の雲の高度の違
いによる動きの違いを三次元的に同時解析する事を目指しており、
金星の風の動きに同期をとった金星周回軌道に投入される事になっ
ています。

なお、現在、金星には、ESA(欧州宇宙機関)が打ち上げたVenus
Expressが周回軌道上で金星の観測を継続していますが、こちらは
主として金星大気の化学的分析を主要なミッションとしており、
これに「あかつき」の金星大気の気候的分析が加わる事で、金星大気
の一層の立体的な分析が可能になると期待されています。

なお、「あかつき」は来年夏に打上げが予定されています。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月23日金曜日

Utilize everything. Sygnus is here! 日本のISS接近システムを使う事にしたシグナス補給機

※ISSに接近するシグナス補給機。OSC社サイトから転載

日本の宇宙船接近技術、米の無人船に採用

日本で開発された無人宇宙船「HTV」に搭載した技術が、米国で開発中の新
しい無人宇宙船に採用されることが決まった。技術を開発した三菱電機が22
日、発表した。

日本の技術が米国の宇宙船の根幹部分に採用されたのは初めて。人工衛星など
の宇宙関連市場で、日本の技術が国際競争力を増している証左と言え、国際市
場への売り込みに拍車がかかりそうだ。

採用されたのは、国際宇宙ステーション(ISS)に安全に近づくための通信
装置「近傍接近システム」。HTVが先月中旬、ISSとのドッキングに成功
し、その技術が高く評価された。
発注したのは、米航空宇宙局(NASA)の無人宇宙船「シグナス」を開発し
ている民間企業オービタルサイエンス社(米バージニア州)。三菱電機は来年
から2014年にかけ、シグナス9機分にあたる装置を約60億円で同社に納
入する。

この装置はISSと無人宇宙船との間で、互いの速度や距離などの情報を自動
的に交換して安全を確認する技術だ。地上から約400キロ・メートル上空を
秒速7・7キロ・メートルで動くISSに、衝突せずに近づくことができる。

NASAはスペースシャトルを2年以内に引退させる方向で検討しており、そ
の後の物資輸送を担う無人宇宙船開発をオービタル社など2社に発注している。

(読売新聞 2009/10/23)


NASAはISS(国際宇宙ステーション)へのCOTS(商業軌道輸送サービス)
の対象として、SpaceX社、オービタルサイエンス社の二社と契約し
ていますが、この2社のアプローチはかなり違います。

SpaceX社は、打上げロケットはエンジンから自社開発で、COTS向け
に使用するロケットは、エンジン9基を3X3に配置するクラスター構
成を取るユニークなものです。また、カプセルの方も、将来宇宙飛
行士の往還にも使用できる有人宇宙船とする事を考慮した構成とな
っています。

これに対し、オービタルサイエンス社(OSC社)の方は、徹底的に自
社・他社の既存品を利用する事で開発費を抑え、NASAの国産品使用
の要求仕様を満足する事を目的としている様に見えます。

例えば、ロケットは、トーラスIIという自社のものですが、第一段
は、エンジンは旧ソ連のN1ロケットのエンジンとして開発された
NK-33に所要の改修を施したAJ-62を、また、燃料タンクにはウクラ
イナ製のゼニットロケットのものを短縮して使用します。第二段に
は、新設計ですが、ATK社が既存品を改修したキャスター30を使用
します。

補給機についても、サービス・モジュールは、自社の小惑星探査機
ドーンのアビオニクスを流用して開発される他、与圧モジュールは
シャトル用多目的補給機(MPLM)のものを、また、非与圧モジュール
は、NASA/GSFC社のExPRESS補給キャリア(ELC)のものを用いる事に
なっています。

今回の三菱電機の受注も、HTV実証機で実績の出来た、JAXA/三菱電
機のHTV用近傍接近システムをISS側に設置した機器利用の権利を含
めて購入したものです。
シグナスは、HTVと同じハーモニーの共通結合機構(CBM)に接舷(バ
ーシング)するのですから、実績のある同一の接近システムを使用
するのは当然とは言え、誠に合理的な判断であると思われるのです。

なお、独自路線を取るSpaceX社は、このISS接近システムについて
も、DragonEyeという独自のシステムを開発し、ISSに設置していま
す。SpaceX社は、このシステムの実証実験をシャトルを用いて、今
年7月に実施しましたが、OSC社は、そういう実験をする必要なく、
シグナス実証機を2011年に打ち上げる事が出来ます。その点、シグ
ナスの設計コンセプトの正しさを証明するような結果になっている
と言えそうです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月22日木曜日

You want this? Democrats heavily rely on bureaucrats for Japan post president appointment. 民主党に投票した人はこれを望んだのか? 郵政新社長「渡り官僚」天下り

※写真は齋藤次郎氏。産経新聞サイトより転載

脱官僚は看板倒れか 日本郵政新社長人事

政府が日本郵政の次期社長に旧大蔵(現財務)省の斎藤次郎元事務次官を内定
したことで、鳩山由紀夫首相が掲げる「脱官僚依存」「天下り禁止」が看板倒
れになるとの懸念が出始めている。政府が臨時国会に提出する日本郵政の株式
売却凍結法案もあいまって、今後は日本郵政の官業色が強まることが予想され
るためだ。「官から民へ」と訴えた小泉純一郎元首相の構造改革の本丸に乗り
込む斎藤氏。「官僚中の官僚」と呼ばれた人物の登用は、官僚依存から抜け出
せない鳩山政権の実情を象徴しているようだ。(酒井充)

日本郵政社長に斎藤氏が内定したとの一報が駆けめぐった21日、財務省内に
は驚きと歓迎の声が上がる一方、民主党の対応への疑問も広がった。

「あの日銀総裁選びの騒ぎは何だったんだ」

民主党や社民党は野党だった昨年3月、政府が日銀次期総裁として提案した元
大蔵事務次官の武藤敏郎、田波耕治両氏について、相次いで不同意とした。理
由は「財政と金融の分離」の原則に反するから。民主党幹事長だった鳩山首相
も当時、「日銀総裁は財務省の究極の天下りポストだ」と批判していた。

こうした過去もあり、政府は21日、火消しに躍起となった。平野博文官房長
官は記者会見で、「斎藤氏は郵政事業の見直しができる人物だ。(昨年は)日
銀の独立性が担保できないと考えて反対した。今回の人事とは違う」と強調し
た。ただ、民主党関係者は「斎藤氏の場合、『渡り』を経ての天下りだといわ
れても仕方ない」と漏らす。

自民党の大島理森幹事長は21日、「日銀総裁選びでは財務省出身だからいけ
ないと強烈な抵抗にあった。一貫性があるのか」と政府の対応を批判した。

ある財務省幹部は、「斎藤氏を通じて日本郵政とのパイプが太くなるのは悪い
話ではない」と語る。日本郵政は郵便貯金と簡易保険による資金の8割を国債
で運用している。平成22年度予算は50兆円超の国債発行がほぼ確実で、
「今後も国債の買い手として郵政に期待している」(幹部)というわけだ。

政府は民営路線は堅持するとした日本郵政の見直しの基本方針を20日に閣議
決定した。だが、制度設計は定まっておらず、「少しずつ郵政国営化に向かう
のでは」(自民党幹部)との指摘も出ている。

(産経新聞 2009/10/22)

齋藤氏は、東京金融取引所の社長を経験した事をもって、「天下り
という意識はない」と語っているようですが、東京証券取引所であ
ったり東京金融取引所の社長などというポジションは典型的な「天
下りポジション」であり、それ意外の何者でもありません。
そうであればこそ、齋藤氏は最初から社長になれた訳であり、もし、
大蔵事務次官の経験がなければなれた訳でもないのです。
つけ加えれば、東京金融取引所で、どんな経営手腕を発揮されたの
か今日の新聞各社の報道でも、殆ど触れられていません。

批判され辞職に至った西川氏は、メガバンクバンクの一つである三
井住友銀行の合併を成功させる事で、日本の金融システムを発展さ
せた功績があり、巨大な民間金融機関となった日本郵政を運営する
に相応しい実績があったと言えます。
そして、就任後4年の経営の結果は明らかで、郵政公社時代に比べ
政府に対し、二倍以上の税金を納入するに至っています。

注)民間企業の成績は収益で測るのが基本ですし、サービスレベル
が大幅に低下したという事もありません。

批判された「かんぽの宿」の売却にしても、不正が無かった事は明
らかになっています。その功労ある経営者を弊履の如く切り捨てた
のですから、後任者はさぞ実績のある経営者であると思ったら、何
と「渡り官僚」の「天下り」では、脱力感しか感じる事ができません。
何しろ、齋藤氏が差配していた東京金融取引所は、90人の会社に過
ぎないのです。その程度の会社経営しか経験のない人間を従業員24
万人の企業の社長にするというのです。民間の常識では考えられな
いとしか言いようがありません。齋藤次郎氏がそれに何の疑問も感
じないのであれば、正しくそれが民間の常識を欠いている事の証明
であると言えます。

では、齋藤氏は民間企業の社長として登用された訳ではなく、郵政
公社の総裁として指名されたというのであれば、どうでしょうか?
私には逆にとてもしっくりきます。まさしく、郵政民営化に対する
逆転であり、渡り官僚天下りの復活です。また、それが、今回、亀
井静香という元警察官僚がやってのけた事件の本質なのです。
つまり、この人事は、日本郵政が、日本郵政公社に逆戻りした事を
示すものなのであり、それが本質であったという事なのです。
私はこれは、明白な選挙民に対する背信であると思います。

前回の選挙で、民主党に投票した皆さん。皆さんは、郵政民営化を
逆転させたくて、民主党に投票したのですか?官僚の渡りと天下り
の時代に戻したかったから民主党に投票したのですか?
貴方は、これでも、民主党と鳩山政権を支持し続けるのですか?

追記 退任後の齋藤氏の経歴です。
この経歴で渡り官僚でないというのなら、渡り官僚などと言う存在
はない事になります。

1993年6月 - 事務次官。
1995年退任
1995年 - 旧大蔵省 財政金融研究所 顧問
1995年 - 旧大蔵省 社団法人研究情報基金 理事長
1995年 - 旧大蔵省 財団法人国際金融情報センター 顧問
2000年5月 - 東京金融先物取引所理事長就任
2004年4月 - 東京金融先物取引所株式会社化に伴い社長に


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月21日水曜日

First and Last? Ares I-X stood on the launch pad. 最初で最後?アレスIロケット発射台に立つ

※写真はNASAサイトから転載

NASAの新ロケット発射台に立つ

NASAの新ロケットが、来週の試験飛行のために10/20に、39-B発射台に到着し
た。NASAは最終的には月に飛行士を運ぶ事になるこのロケットの為に発射台の
改修を行ったが、この発射台にシャトル以外のロケットが立つのは34年ぶりの
事になる。

しかし、ホワイトハウスはこの計画を廃棄するかもしれない。オバマ大統領に、
宇宙探査計画に関する選択肢を提供する航空宇宙専門家委員会は、今週、その
最終報告の提出を予定している。

自由の女神より高い アレスIロケット実験機(アレスI-X)は、一晩中かかって
格納庫からパッドまで移動した。4マイルの旅に、7時間以上かかった。
実験機は、10/27に発射されるが、第一段ロケットが打上げの最初の段階で、
どのように挙動するかについて示すために、2.5分の弾道飛行を行う。
NASAはこの打上げに445百万ドル(400億円)を費やす。

327フィートの例外的に細長いロケット、アレスI-Xは、おそらく2015年までに、
宇宙飛行士を軌道に運び込むように見える。しかし、その多くはモックアップ
(原寸模型)であり、人や実際のペイロードを搭載している訳ではない。
対照的にシャトルの高さは184フィートである。また、1960年代後期~70年代
初期に人類を月へ運んだサターンVロケットの高さは、記録的な363フィートだ
った。

シャトル・プログラム・マネージャのジョン・シャノンは、たとえスペース・
シャトル アトランティスが1.5マイルしか離れいない他の発射台上にあって
も、アレスI-Xの発射は十分安全であると語った。もしロケットが発射時に爆
発してもアトランティスの発射台は爆発衝撃圏の少し外側に留まっている。
また、アレスIの第一段には動作検証済みの技術が使われていると彼は語った。
それにはスペース・シャトルを推進しているのと同じのタイプの固体燃料が使
われている。

第一段ブースターは大西洋にパラシュートで降下して、分析のために回収され
る。ロケットの残り部分であるおもりで実物と同じ重さにされた原寸模型は、
回収されないので、そのまま海面に激突する。
ロケットには、何百ものセンサーが装備される。

「私の個人的な意見では、試験飛行に関してさえ、我々が本当にI-Xに問題があ
りそうだと思っているのなら、我々は発射する準備ができていないということ
だ。」と、シャノンは先週末に語った。

一方、アトランティスは、国際宇宙ステーションへの補給任務の為、11/16に
打ち上げられる予定となっている。月曜日に、NASAは、アレスI-Xの発射の可
能性を向上させるために、4日間、シャトルの発射を延期した。ケネディ宇宙
センターの同じチームが、両方の発射を取り扱っている。

「我々が、次にどこへいくのか、次のステップは何なのか、また、シャトルが
近い将来に停止される事になっても、それが終わりではなく始まりである事を
見る事ができるのは素晴らしい事だ」とアトランティス指揮官のチャールズ・
ハボウはシャトル発射台で語った。

あと六回のシャトルの飛行が残っており、そのすべてが宇宙ステーション向け
のもので、来年末までには完了させられなければならない。

(Asociated Press 2009/10/20)


結構良い記事ですね。記者の宇宙開発に対する思い入れが少し匂っ
て来る様な文章であると思います。

今回、打ち上げられるのは、アレスI-Xと名付けられた実験機です。
一段目こそ搭載される電子機器も含め本物ですが、固体燃料も本来
の5セクションに対し4セクションしか詰められておらず、また、
二段目より上は、第二段もオリオン・カプセルも、非常脱出システ
ムもみんなシミュレータと言う名前の実寸模型です。(但し、空力
データを取る為に実物と同じ形状、重さにされています。)

第一段は、シャトルの固体ロケットブースターと同様に回収されま
すが、ブースターの全体の大きさが固体燃料1セクション分大きく
なっているので、その分、回収方法も改修されています。また、第
一段のロケットモーターには推力方向制御が行われます。

今回の実験の目的は、この見た目にもアンバランスなロケットの第
一段が打上げ時にどの様に挙動するかを検証する事にあります。
打上げ時の最初の2分間の為のテスト飛行と言えるのかも知れません。

NASAの資料では、少し細かく以下のデータ取得を目的にあげています。
①ロール及び機体全体の制御
②第一段の切り離し
③機体全体の統合性、組立と発射時の運用
④機体の空力、熱的、物理的特性
⑤第一段再突入と回収時の挙動

一見、如何にも出来上がった様に見えるアレスIですが、アレスI-X
はあくまで実験機にすぎません。計画通りに進んだとしても、2015
年のオリオン1打上げまで、これからまだまだ開発が続きます。
今回のテスト打上げは、そのマイルストーンの一つにすぎないので
す。

それに加え、記事にもありますが、オバマ政権になって始められて
いるNASA探査計画の見直し作業があります。その中でアレスIは、
COTS(民間商業有人打上げ)によって代替される事になっており、開
発が中断される可能性が高くなっているのです。

その意味では、今回の打上げは、アレスIの最初で最後の打上げの
機会になるかもしれないという点で、若干の寂しさを禁じえないの
です。

それにしても、シャトルとアレスIが隣の発射台にならんでいるのは
壮観でしょうね。是非、見てみたいと思います。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月20日火曜日

LPD Dokto finally get her own Helo? 最終決着?漸く決まった独島艦搭載ヘリコプター

※搭載ヘリの配備が2018~2022年になりそうな独島艦

独島艦、艦上用機動・攻撃ヘリコプターの確保は不透明
 ~ UH-60の防塩処理できず、貯水池で機動訓練

アジア最大規模の大型輸送艦「独島」が、艦上用ヘリコプターを確保できずに
海軍戦力に損失をもたらしていることが明らかになった。

国会国防委員会の李允盛(イ・ユンソン)議員(ハンナラ党)は、13日に忠清南道の鶏龍
大で開かれた海軍本部国政監査で、「海軍の核心戦力である『独島』が進水し
て4年が過ぎたが、艦上用機動ヘリコプターと攻撃ヘリコプターが未確保の状
態だ」と指摘した。

李議員によれば、海軍は「独島」の訓練時に艦上用機動ヘリコプターの代わり
に窮余の策としてUH-60ヘリコプターを用いているが、防塩処理がされていな
いため「独島」では離着陸訓練だけ実施している。このため、実際の機動訓練
は海でなく貯水池で行なわれている。

李議員は、「海軍の艦上用機動・攻撃ヘリコプター早期確保のための措置が昨
年合同参謀本部と国防部によって黙殺されており、KAIが今年開発した韓国型
機動ヘリコプター(KUH)を改造して2018~2022年に『独島』に搭載される計画
になっている。これでは『独島』は進水してから何と17年も過ぎて戦力化が完
了することになる」と明らかにした。

李議員は、「KUHを艦上用に改造しようとするなら、機体の防塩処理、夜間や
悪天候時の自動方向・距離指示装置(TACAN)の開発、救難装備の開発などが急
務だ」と指摘した。

▽ソース:アジアニュース通信(韓国語)(2009/10/13 10:54)2ちゃんねる訳
http://www.anewsa.com/detail.php?number=37704&thread=11r02

韓国のニュースには、一見すると本当に驚くべき内容が、出てくる
事がありますが、この件も、その中に含めて良い内容であると思い
ます。

事実であれば、何の為に、独島艦を建造したのか、疑問に思わせる
程のものですが、ブルーウォータネイビーとしての海軍力を構築す
る時に、如何にも旗艦然とした有力艦が欲しかったという見栄え重
視なのかも知れません。

海軍の任務の中には「砲艦外交」と言って有力艦や艦隊が存在する
だけで一定の外交的圧力を与えるという要素がありますし、過去に
も、中南米で他国と対抗する為に、国力や必要度と比べ分不相応な
戦艦や巡洋艦、空母を保有していた例もありますから、韓国が、カ
ッコをつけたのもあながち不自然ではないのかも知れません。

ただ、この独島艦については、あまりに泥縄が過ぎる様にも思える
のです。

独島艦は、元々、強襲揚陸艦として構想されましたが、構想が膨ら
んで艦隊旗艦や軽空母としての機能が追加された経緯があります。
揚陸艦としての機能としては、日本のおおすみ型に影響を受け、
LCM(上陸用舟艇)ではなくLCAC(エアクッション型揚陸艇)を搭載す
る事になっていました。
搭載LCACとしては、ロシアから導入されたLSF-1が準備されていま
した。しかし、このLSF-1は搭載能力は20t余りしかなく、韓国の主
力戦車であるK-1戦車(重量50t)を揚陸する能力がありませんでした。
その為、独島艦の完成後に米国から揚陸能力55tのLCACを改めてLSF
-IIとして導入する事になったのです。

注) Wikipediaの「独島級揚陸艦」の項には、LCACの導入コストには
50億ドルを要したと書かれていますが、LCAC一台の値段は50億円程
度であり、その100台分に相当する金額は過大の様に思われます。
(但し、「日本周辺の軍事力」でもLCAC導入費用として50億ドルとい
う数字が出ています。)

また、韓国陸軍では、K-1の後継戦車としてXK-2を開発中ですが、
この戦車の重量は55t~60tと言われており、LCACの搭載能力ギリ
ギリとなる為、場合によっては、またぞろ、LCACの能力向上の為の
改修が必要となる可能性が出てくるものと思われます。

さて、強襲揚陸のもう一方の柱は、ヘリコプターによる兵員の輸送
です。独島艦もUH-60・リンクスなど10機余りのヘリを搭載する事
を前提にしていました。独島艦の完成予想図にもしっかりUH-60が
描かれていました。しかし、実際には、きっちりとは決まっていな
かった様なのです。揚陸ヘリコプターはとして海軍側は陸軍が提供
すると考えていたが、陸軍の方は、防錆対策や、ローターの折畳み
機構を持った特別の機体をわざわざ独島艦用に手当てするのを嫌っ
たのかも知れません。深読みすれば、独島艦という主力艦の建艦を
認められ予算面で優遇された海軍に対する陸軍の当て付け的な要素
があったのかも知れません。

さて、肝心の揚陸ヘリコプターですが、独島艦が完成して以降に、
LCACと同じロシア製のKa-32に決まったというニュースが流れた事
もありましたが、Ka-32の二重反転プロペラを整備するには、独島
艦の格納庫甲板の高さは不足だった事、及び、空軍等に導入されて
いたKa-32の運用実績が芳しくなかった事から、独島艦への配備は
取り止めになったものと思われます。そして、今まさに開発中の韓
国型機動ヘリコプター(KUH)を改造したものを搭載する事に決まっ
たという事ですが、それにしても、独島艦所属の輸送ヘリの配備は、
2018~2022年と独島艦の就役後、17年も経過する訳であり、ちぐは
ぐなレーダー装備と言い、あまりにも、各種の調整が不十分な状態
で、主として日本に対抗する為に、空母型の艦を保有するという、
国家威信に突っ走った建艦政策
となったと思われてならないの
です。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月19日月曜日

Okada, unreliable foreign minister. 核戦略と日本の安全保障に対する無知を露呈した岡田外相


※写真は産経新聞サイトより転載


岡田外相 「核の先制不使用」 米に求める方針



岡田克也外相は18日、京都市内で講演し、核保有国が核攻撃を受けた場合の

報復以外には核兵器を使わないと宣言する先制不使用について「大きな方向性
としての先制不使用は否定できない。日米間で議論したい」と述べ、米国に先
制不使用を求めていく考えを示した。外相は「(日本政府が)核の廃絶を強く
言いながら(日本にかかわる米国の)核の先制不使用は言わないのは矛盾がな
いか議論になる」とも指摘した。


先制不使用は核兵器の果たす役割を限定、核軍縮につながるが、日本政府はこ
れまで、米国の日本に対する核の傘に影響するとして消極的だった。


米国が先制不使用を宣言した場合、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載した生物化学
兵器で日本を攻撃しても、米国は核兵器では反撃しないという保証を与えるこ
とになる。今回の外相発言は日米両政府内で波紋を呼びそうだ。【野口武則】


(毎日新聞 2009/10/18)

何故、米国が核の先制不使用を宣言せず、中国が率先して核の先制
不使用を宣言しているのか、岡田外相が全く理解していない事が判
る発言です。

中国は、善意から先制不使用を宣言している訳では全くありません。
寧ろ、その宣言を行っても不利にならないからこそ、そういう宣言
をしているのです。つまり、中国には、強大な地上軍と13億の人
的資源を背景にした朝鮮戦争での人海戦術の実績があります。

朝鮮戦争で、米国は軍事技術面で優位にあったにも係わらず、中国
の人海戦術に打ち破られた経験があります。勿論、細かく見ていく
と、米国と韓国側の戦術的な誤りも指摘できますし、中国側も単に
兵士が多い訳ではなく、米国が太平洋戦争中に訓練した旧国民党軍
の割合が正面戦力に多かった(逆に言えば、質の高い潜在的な反共
部隊を中共は米軍に磨り潰させたと言える)という話もありますが、
全般的な印象として、中国軍の圧倒的な量の優位は多少の質の優位
を相殺する事が出来るというのが教訓として残ったと言えます。

つまり、中国と米国が共に「核の先制不使用」を宣言すると、例え
ば、中国が人海戦術で台湾を解放しようとした場合、米国は、核を
使用できないので手を拱いて見ているしかないという状況が発生し
てしまいます。一方、米国が核のフリーハンドを持っていれば、米
国は中国に対し、核の先制攻撃を示唆する事で、中国の台湾侵攻を
手控えさせる事ができます。実は台湾の現状はその様な上に成り立
っていると言って過言ではありません。

また、それと全く同じ事が、日本にとっても言えるのです。
つまり、米国の核抑止の実態を担保しているのが、核の先制使用権
(核使用のフリーハンド)なのです。

ここまで来ると、岡田外相のナンセンスぶりが良く判ると思います。
つまり、岡田外相は、米国の核先制使用権を縛る事で、日本の安全
保障を危機に陥れようとしている事になる訳です。流石売国民主党。

如何にも善意そのものの様に見せながら日本の存在そのものを危機
に陥れる策を講じていると唸らざるを得ないのです。

ちなみにロシアに関しては、以下の記事を参照して下さい。
これでロシアが通常戦闘での自国の優位に疑問を持っている事が判
ります。



核先制、局地戦でも 露、新軍事ドクトリン方針


ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記は、策定中の新軍事ドクトリンで、
「核兵器の先制使用」の権利を打ち出す方針を明らかにした。北大西洋条約機
構(NATO)の拡大や米軍の大規模軍事演習などを挙げて「軍事的な危険と
脅威は以前のまま残っている」とし、局地的戦闘でも核使用を辞さない可能性
を示唆した。

同書記は14日付の露有力紙イズベスチヤが掲載したインタビュー記事で、
「2020年までの世界の軍事情勢を予測・分析した結果、大規模戦争から局
地的な軍事紛争へと重点を移す方針だ」と述べた。


これに伴い、核使用の条件についても「通常兵器による大規模な攻撃だけでな
く、局地的な戦争を含めて核使用の条件を見直す」との考えを示した。さらに、
「安全保障上、危機的状況に陥れば、核を先制使用する可能性も除外しない」
と述べた。新ドクトリンは年末にはメドべージェフ大統領に提出される見通しだ。


昨年夏のグルジアとの紛争では、ロシア軍機に対してグルジアの地対空ミサイ
ルが予想以上の優れた能力を示した。通常兵器の技術革新の遅れを指摘された
ロシアは、その埋め合わせに核保有国としての優位性を周辺国に誇示し、関係
が好転しつつある米国や欧州に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。


ロシアは2000年に策定した現行ドクトリンでは、「通常兵器による攻撃で
も、大規模な侵攻であれば核を使用する」と述べるにとどめていた。


(産経新聞 2009/10/15)


環球閑話日々の徒然まとめサイト




Korea plan to add six more aegis destroyers. イージス艦6隻を追加整備する韓国海軍

※アルバロ・デ・バサン級イージス艦
http://military.s8.xrea.comから転載

韓国軍:5600トン級「ミニ・イージス艦」6隻建造へ

海軍が「ミニ・イージス艦」と呼ばれる5600トン級の駆逐艦6隻を建造する。
海軍は13日、鶏竜台基地(忠清南道鶏竜市)で行われた国政監査でこの計画を
公開し、これを将来の海軍機動部隊の主戦力に活用すると発表した。今回、建
造計画が公表された駆逐艦はKDX(韓国型駆逐艦)2Aで、4500トン級のKDX2よ
りは大きいが、7600トン級のイージス艦KDX3よりは小さい。KDX2は現在、「文
武大王艦」など6隻があり、KDX3は「世宗大王艦」のみだ。

海軍はKDX2Aを2019年から26年にかけて建造し、効率的な機動戦隊を運営する
と説明した。この計画には少なくとも3兆ウォン(約2300億円)の予算が必要
となる見通しだ。KDX2AにはSPY系列の高性能レーダー、SM2誘導ミサイル、近
接防御兵器システムなど、最先端の戦力システムが搭載される。

これについてハンナラ党の金章洙(キム・ジャンス)議員は、「海軍の計画に
よると、KDX3とKDX2の各3隻で機動戦隊を構成するが、韓国海軍のKDX26隻のう
ち3隻が整備中か派兵、合同訓練などで不在のため、機動戦隊の構成が不可能だ。
現時点では1隻当たり1兆ウォン(約768億円)かかるKDX3より、ほぼ同じ費用
でKDX2を3隻増やすほうが有効だ」と指摘した。

李衛裁(イ・ウィジェ)記者

(朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2009/10/14)


よく読むと、この韓国版ミニ・イージス艦は、2019年から建造する
事になっています。まだまだ十年先の話ですから、艦の大きさ以外
は殆ど決まっていないと言った方が正しいかも知れません。

実は、これからの10年艦で韓国海軍は、既に耐用年数を経過してい
る大量のフリゲート艦とコルベット艦(及びミサイル艦)の更新を行
わなくてはならないのです。その為に、6隻を建造する予定であっ
た世宗大王級イージス艦の建造を3隻に留めたり、独島級揚陸艦の
建造計画を縮小の上、先送りしたりとやり繰りを行っている訳です。

今回の話は、建造を取り止めたイージス艦に替わり、安価なミニ・
イージス艦を整備する事で、現在、各種目的に使用され艦隊のワー
クホースになっているKDX2の負荷を減少させようという話であろう
と思われます。(なお、韓国型駆逐艦の走りとなったKDX1級の3隻は
残念ながら、海外派遣等には使えないという評価となっている様です。)

感覚的には、ミニ・イージス艦という語感から、19DDの様な艦
を想像される向きが多いかも知れませんが、この記事の通り、SPY
系列の高性能レーダーとSM2を装備するのであれば、19DDよ
りはるかに高性能なイージス艦と言えます。具体的にはスペインの
アルバロ・デ・バサン級やノルウェーのフルチョフ・ナンセン級に
むしろ近い艦であると思われます。

ただ、そうなると、建造費用がこの記事のレベルで収まるかどうか
が問題です。記事では、少なく共、3兆ウォンとなっていますが、
この数字では、一隻当り5000億ウォンにしかなりません。
あたごの場合はイージスシステムだけの費用が570億円しましたから
ミニ・イージスシステムが半分の値段であったとしても、280億円か
かります。上記の記事ではKDX2の価格は大体3300億ウォンだった事
が判りますので、一円10ウォンで計算してKDX2Aは一隻6100億ウォン
程度を要するのではないかと思われます。インフレを考慮すれば、
導入コストは、更に上昇するものと思われます。

あたご型は約1,400億円の調達費用であったのに対し、19DDは、
21年度計画艦で一隻当り、760億円かかっています。為替レートの
マジックで韓国のイージス艦は、日本の半値になっていますが、流
石にそこまで酷くはありませんが、韓国での建造コストは日本の三
分の二程度と思われます。そういう建造コストの差を換算すれば、
上で概算したKDX2Aの価格は、概ね正しいのではないかと思われます。

韓国海軍については、正面装備重視の割に運用がついていっていな
いとか、艦艇整備方針が泥縄であるとか、新造艦が充分な性能を発
揮していない等いろいろな批判がありますが、そういう批判が例え
事実であったとしても、ここ十年程で有力な海軍力の整備が行われ
ており、取り分け近い将来、KDX3級とKDX2A級の合計9隻ものイー
ジス艦が勢ぞろいする事は、極東の防衛環境に大きな変化をもたら
すものであって、過小評価すべきではないと考えます。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月16日金曜日

ROK Navy will build another six Aegis missile destroyers. イージス艦6隻を追加整備する韓国海軍

※アルバロ・デ・バサン級イージス艦
http://military.s8.xrea.comから転載

韓国軍:5600トン級「ミニ・イージス艦」6隻建造へ

海軍が「ミニ・イージス艦」と呼ばれる5600トン級の駆逐艦6隻を建造する。
海軍は13日、鶏竜台基地(忠清南道鶏竜市)で行われた国政監査でこの計画を
公開し、これを将来の海軍機動部隊の主戦力に活用すると発表した。今回、建
造計画が公表された駆逐艦はKDX(韓国型駆逐艦)2Aで、4500トン級のKDX2よ
りは大きいが、7600トン級のイージス艦KDX3よりは小さい。KDX2は現在、「文
武大王艦」など6隻があり、KDX3は「世宗大王艦」のみだ。

海軍はKDX2Aを2019年から26年にかけて建造し、効率的な機動戦隊を運営する
と説明した。この計画には少なくとも3兆ウォン(約2300億円)の予算が必要
となる見通しだ。KDX2AにはSPY系列の高性能レーダー、SM2誘導ミサイル、近
接防御兵器システムなど、最先端の戦力システムが搭載される。

これについてハンナラ党の金章洙(キム・ジャンス)議員は、「海軍の計画に
よると、KDX3とKDX2の各3隻で機動戦隊を構成するが、韓国海軍のKDX26隻のう
ち3隻が整備中か派兵、合同訓練などで不在のため、機動戦隊の構成が不可能だ。
現時点では1隻当たり1兆ウォン(約768億円)かかるKDX3より、ほぼ同じ費用
でKDX2を3隻増やすほうが有効だ」と指摘した。

李衛裁(イ・ウィジェ)記者

(朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2009/10/14)


よく読むと、この韓国版ミニ・イージス艦は、2019年から建造する
事になっています。まだまだ十年先の話ですから、艦の大きさ以外
は殆ど決まっていないと言った方が正しいかも知れません。

実は、これからの10年艦で韓国海軍は、既に耐用年数を経過してい
る大量のフリゲート艦とコルベット艦(及びミサイル艦)の更新を行
わなくてはならないのです。その為に、6隻を建造する予定であっ
た世宗大王級イージス艦の建造を3隻に留めたり、独島級揚陸艦の
建造計画を縮小の上、先送りしたりとやり繰りを行っている訳です。

今回の話は、建造を取り止めたイージス艦に替わり、安価なミニ・
イージス艦を整備する事で、現在、各種目的に使用され艦隊のワー
クホースになっているKDX2の負荷を減少させようという話であろう
と思われます。(なお、韓国型駆逐艦の走りとなったKDX1級の3隻は
残念ながら、海外派遣等には使えないという評価となっている様です。)

感覚的には、ミニ・イージス艦という語感から、19DDの様な艦
を想像される向きが多いかも知れませんが、この記事の通り、SPY
系列の高性能レーダーとSM2を装備するのであれば、19DDよ
りはるかに高性能なイージス艦と言えます。具体的にはスペインの
アルバロ・デ・バサン級やノルウェーのフルチョフ・ナンセン級に
むしろ近い艦であると思われます。

ただ、そうなると、建造費用がこの記事のレベルで収まるかどうか
が問題です。記事では、少なく共、3兆ウォンとなっていますが、
この数字では、一隻当り5000億ウォンにしかなりません。
あたごの場合はイージスシステムだけの費用が570億円しましたから
ミニ・イージスシステムが半分の値段であったとしても、280億円か
かります。上記の記事ではKDX2の価格は大体3300億ウォンだった事
が判りますので、一円10ウォンで計算してKDX2Aは一隻6100億ウォン
程度を要するのではないかと思われます。インフレを考慮すれば、
導入コストは、更に上昇するものと思われます。

あたご型は約1,400億円の調達費用であったのに対し、19DDは、
21年度計画艦で一隻当り、760億円かかっています。為替レートの
マジックで韓国のイージス艦は、日本の半値になっていますが、流
石にそこまで酷くはありませんが、韓国での建造コストは日本の三
分の二程度と思われます。そういう建造コストの差を換算すれば、
上で概算したKDX2Aの価格は、概ね正しいのではないかと思われます。

韓国海軍については、正面装備重視の割に運用がついていっていな
いとか、艦艇整備方針が泥縄であるとか、新造艦が充分な性能を発
揮していない等いろいろな批判がありますが、そういう批判が例え
事実であったとしても、ここ十年程で有力な海軍力の整備が行われ
ており、取り分け近い将来、KDX3級とKDX2A級の合計9隻ものイー
ジス艦が勢ぞろいする事は、極東の防衛環境に大きな変化をもたら
すものであって、過小評価すべきではないと考えます。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月15日木曜日

Ex.LDP President Kono was brain-washed by Chinese Communist Spymaster? 河野洋平はやはり中共の洗脳を受けていた!?

※産経新聞サイトから転載

河野前議長「非常に重要な人」=張香山氏死去

【北京時事】中国・北京を訪れている河野洋平前衆院議長は12日夜、元中国
共産党対外連絡部副部長の張香山氏の死去について、「一番古い友人の一人。
日中関係で非常に重要な人の一人で残念だ」と哀悼の意を述べた。
河野氏はまた、「訪中のたびに(張氏の)長い講義を受けたことを思い出す。
長過ぎてつらいぐらいだったが、いずれもなくてはならないものだった」と振
り返った。

(時事通信 2009/10/12)


元中国共産党対外連絡部副部長の張香山氏の死去に当たって河野
前衆議院議長が述べた言葉が非常に意味深であると思われます。
河野前議長は、自民党の中でもハト派として名高い重鎮であり、外
相として、自らの責任で北朝鮮への食料支援を行うと述べて援助を
実行した事もあり、また慰安婦問題に関して河野談話を出し、根拠
なく日本軍の関与を認めた事で、その慰安婦問題で日本を十字架に
かけた過去があります。また、何故かは不明ですが、日本が中国国
民党に引き渡した化学兵器の処理を理由なく日本が処理に責任を持
つ事を約束し、1兆円とも言われる処理費用の負担を日本政府に押
付けた存在でもあります。既に政界を引退した過去の人ですが、自
民党の権力中枢に、何故、あれだけの親中派が、あれだけ長い期間
存在したのか非常に疑問であったのですが、今回の発言で、その一
端が、はしなくも明らかになったという思いがします。

では、まず、中国共産党対外連絡部というのはどういう組織なので
しょうか、中国共産党対外連絡部という漢字から受ける印象では、
中国共産党の他国の友党との連絡窓口の様な存在と思われる向きが
多いのではないでしょうか?

この組織には共産党組織としては珍しくWebサイトがあるのですが、
そこには、英語名として、International Department, Central
Comittee of Communist Party of Chinaと書かれています。つまり
中国共産党中央委員会国際部という訳の方が適切にこの組織の性格
を現していると思われます。
中国共産党中央委員会が、中国の権力の実体である事は多くの方が
ご存知であると思います。中国では、共産党の方が政府より上位に
あります。つまり、中国の合法、非合法両面の外交すべてを掌握し、
指導している組織が、中国共産党対外連絡部であると言えるでしょう。

河野洋平氏は、まさに中国外交の立役者であると同時にスパイマス
ターでもある存在から中国訪問の都度、直接、長時間に亘って対日
政策について個人講義を受けていたと言う事になります。

どの様な過程を経て河野氏が、その様な特別待遇を受ける様になっ
たかは不明ですが、河野氏が首相の座こそ逃したものの自民党総裁
になり、あるいは、衆議院議長として長く権力をふるった事と中国
との特殊な関係が全く無関係であったとは、私にはとても信じられ
ないのです。

今でも片鱗が残っていますが、河野洋平氏は新自由クラブ創設当時
から極めてエネルギッシュな存在でしたが、エネルギッシュなあま
りに中国の有名なハニーポットに無縁だったかと疑わざるを得ない
のです。無論これは憶測に過ぎません。しかし、中国共産党中央対
外連絡部副部長はいうなれば中国のスパイマスターです。何故、そ
んな立場の人間の話を何度も聞かないといけないのかというのがま
ず浮かぶ疑問です。それと同時に、「長すぎてつらいほどの話」を
半ば強制的何度も聞かされる事は普通は洗脳というのではないかと
いうのが、私の率直な感想です。そして、そういう立場に身を置い
た事そのものが河野氏の大間違いであったのではないかと思うのです。


軍事百科事典タ行 中国の情報機関一覧より抜粋
http://www003.upp.so-net.ne.jp/Zbv/sub05.htm
◎中国共産党対外連絡部
主に外国の共産主義政党・社会主義政党・リベラル系の左派政党などに対して、
その政党または有力議員に対して、中国の影響力拡大を目的とした工作を行な
っている。 2006.06.18更新


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/




2009年10月14日水曜日

Can Obama Overcome the Nobel Prize. オバマ大統領のノーベル平和賞受賞は「位打ち」 

※写真はオバマ大統領のノーベル平和賞受賞を報じる朝日新聞。

ノーベル平和賞、重荷にも=国益守る判断でオバマ大統領-米紙

米ワシントン・ポスト紙(電子版)は10日までに、オバマ大統領のノーベル
平和賞受賞決定について、名声を得たものの、賞に縛られ、米国の国益を守る
判断を下す際に、重荷になるのではないかとの見方を伝えた。
同紙はノーベル平和賞には二つの種類があり、一つは功績を残した者に、もう
一つは平和実現の大志を抱く者に与えられると指摘。「オバマ大統領は後者だ」
としている。
その上で、「オバマ大統領は米国の国益を守らなければならないときに、受賞
が重荷になっていることに気付くかもしれない」との見解を示した。一例とし
て、イランの核問題が最終的に外交手段による解決に至らず、軍事力行使の判
断が求められる事態に陥った場合、平和賞受賞者がイランへの攻撃を認めるこ
とができるだろうかと結んでいる。

(時事通信 2009/10/10)


今ではあまり使われなくなった言葉に「位打ち」というのがありま
す。「位打ち」という言葉の意味は、「相手の能力に見合わないほ
どに出世させて自滅を誘うという方法」のことです。

オバマ大統領は自分をリンカーンに擬える事を好むと伝えられます。
また、高校時代の彼の性格は非常に自己中心的であった事が知られ
ています。

オバマ大統領が、高校時代から性格を一変させ人格者に変身したの
でしょうか?それとも、出世を計る為に表面的なスタイルを変更し
ただけなのでしょうか。

大統領就任前は、非常にラジカルな投票行動で知られた上院議員で
あったオバマ氏が大統領になったとたんに穏健中庸を説くのでは、
一体上院議員としての活動はなんだったのかと言わざるを得ません。

アメリカ大統領に許された国際的には明文化されていない権利の一
つに、世界意思を代表しての軍事力の行使というのがあります。
これは米国が軍事、政治、経済で抜きん出た実力を持つ世界一の国
家G1である事によるもので、他の国は余程の事が無い限り許され
ていません。

今回のオバマのノーベル平和賞受賞は、この軍事力を行使するオプ
ションを縛る目的で、なされたと言えなくもないのです。オバマが
政権にある8年の間に、イランの核武装や、北朝鮮の核武装の更な
る進展などが予想されます。その様に国際的な緊張が高まった時に、
行使すべき軍事力を行使しない事で、逆に、世界をより重大な危機
に陥れる事が考えられます。

例えば、イランのイスラエル核攻撃を阻止できずに、イラン・イラ
クの核戦争を招く事態であるとか、北朝鮮による韓国・日本に対す
る核攻撃を阻止できない様なケースです。

オバマ氏が本当の倫理感を持った人格者であれば、ノーベル平和賞
を受けたとしても必要な時には、必要な力を行使するでしょう。
では、オバマが将来の評価を気にするエセ人格者であればどうでし
ょうか?クリントンは、ケニアでの米国大使館襲撃事件に対し、ス
ーダンのアルカイダキャンプをおざなりな巡航ミサイル攻撃でお茶
をにごした事で、911を招いたと後で批判されました。オバマ氏
が民主党の前任大統領の轍を踏まない事を切に祈りたいと思います。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月9日金曜日

Bombing on the Moon. 月面「爆撃」まで、あと1日

※写真は、セントール・ロケットを放出するエルクロス。APサイトより転載

水の検出目指しきょう月面激突=地上と衛星で観測-NASA探査機

月に水が存在するかどうかを確認するため、米航空宇宙局(NASA)の無人探査
機が米東部時間9日午前7時30分(日本時間同日午後8時30分)ごろ、月の南極
付近に激突する。衝撃で舞い上がる大量のちりから水蒸気の検出を目指す。
NASAは6月に2機の無人月探査機を打ち上げた。1機は周回探査機「ルナ・リコ
ネサンス・オービター」(LRO)で、もう1機が体当たりする「エルクロス」
(LCROSS)。現在、エルクロスはロケットの部分とともに月を周回している。

激突する目標は、日光が当たらない永久影の領域にあり、水や氷が存在する可
能性が高い月南極付近のクレーター「カベウス」。最初にロケット部分(約2
トン)が切り離され、秒速2.5キロの猛スピードで衝突。その様子をエルクロ
ス本体がカメラや分光計などで観測し、地球に送信した後、続いて突入する。

舞い上がるちりの量は計500トンで、その高さは月の上空1万メートルに到達す
る。地球の約20カ所の天文台や人工衛星、ハッブル宇宙望遠鏡などでも観測し、
データを集める。 

(時事通信 2009/10/09)


今日の夜8時半頃に月を眺めていると、月の南極にピカッと光る爆
発が見えるかも知れません。といっても残念な事に、東京での月の
出は20時32分なので、日本の多くの場所では見る事はできない
筈です。それでは、日本では見れないこの爆発は何なのでしょうか?

話は15年前に遡ります。1993年に久しぶりに打ち上げられた月探査
機がありました。米国のクレメンタインです。この探査機は、米国
が冷戦終結で不要となった軍事衛星を科学ミッションに振り替えた
ものでした。その様なミッションだったので、観測装置も限られた
ものでしかありませんでしたが、月の極軌道に投入されたクレメン
タインは大発見をする事になります。月の南極にあるクレーターの
内側に永久に日光が当たらない領域があることが判明し、更にその
場所に浅い角度でレーダー波を当て地球のアンテナで受信した結果、
水の存在を示唆する観測結果が得られたのです。

1998年に打ち上げられたルナープロスペクターでは、より精密な観
測が行われ、今度は分光観測で、水が存在する可能性を示す、水素
が極の上空に検出されました。この水素の由来は、月表面に存在す
る水であると推測されましたが、検出された水素の量から計算され
た月面に存在する水の量は、実に60億トンにのぼる事が判明したの
です。

月面に氷の形で水が存在するのであれば、月面に基地を作る時に、
水を輸送する必要がなくなります。これは、人類が月に足場を築く
上で、非常に有利な条件になります。本当に水が存在しているのか
どうか以降の月探査機がその発見を競う事になりました。
そしてルナープロスペクターを始めとして多く探査機が、予定され
た観測が終わった後、月面に衝突し、月の地下にある氷を探すとい
う最後の任務を果たすことになりました。(衝突目的が氷ではない
ものもありましたが)

今回のエルクロスは、衝突に特化した月探査機です。衝突するのは
これまでと同様ですが、少し違うのは、自身が衝突する直前(4分前)
に、自分を運んできたロケットの一部を衝突させ、規模の大きい衝
突を起こし、その精密観測を行いつつ自身も衝突する事で、同時に
打ち上げられたLRO(ルナー・レコネッサンス・オービター)や地
上からの更なる観測に供するという二段構えの衝突を起こす事にな
っている点です。

エルクロスとセントールロケットの合計重量は2.3トン、衝突ス
ピードはマッハ7.5に及び、この衝突で、350トンの月の塵が舞
い上がると計算されています。衝突によって生じるクレータの大き
さも直径20m、深さ4mになると推測されています。

これまでの探査機の月面衝突では、水の存在を裏付ける観測結果は
得られていませんし、日本の月探査機「かぐや」の観測でも、月面
上の水の存在について否定的な結果になっています。
しかしながら、月面での水の存在を特定する事は、今後の人類の月
面での活動に計り知れない利益を齎すものであり、また、当面、エ
ルクロスを超える月面衝突実験を起こす事が難しい事を考えると、
今度こそ、是非、水を発見して欲しいものだと期待してやみません。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月8日木曜日

Somali pirates attack French military flagship. フランス海軍旗艦を襲ったソマリア海賊

※写真はラ・ソンム。AFPサイトより転載。

ソマリア海賊問題については、派遣に関する政治的な問題が片付い
てしまった事もあり、派遣部隊の交替程度しか、話題に上らなくな
ってしまいましたが、最近の動きを報じている英文ニュースがあり
ましたので抄訳してみました。ソマリア海賊は、ますます意気盛ん
という様子が良く判ります。

ソマリア海賊フランス艦隊旗艦を攻撃

フランス海軍は7日、ソマリア海賊がインド洋で貨物船と間違えて18,000トン
のフランス艦隊旗艦を襲撃しようとしたと発表した。
160mの指揮艦であり燃料補給艦である「ラ・ソンム」の乗組員は、二隻の小型
ボートで襲撃してきた軽武装のソマリア海賊のずうずうしい夜間攻撃を簡単に
追い払うと共に、五人を捕えた。

「海賊は二隻のボートに乗組み、暗闇の為、フランス海軍艦艇を商船と間違え
て、カラシニコフ小銃を発射した。」とプラズー提督は語った。
ラ・ソンムは、インド洋におけるフランス陸海空軍を監督する指揮艦であり、
米国主導の不朽の自由作戦の旗の下で、ソマリア海賊との戦闘やテロリストの
捕獲の任に当たっている。

艦乗組みの士官は、ソマリア海賊に捕えられたフランス人の人質の解放作戦の
指揮に当たっていた。海賊は、間違いに気づいた後、逃走したが、一時間の追
跡の後、一隻の小型ボートが捕獲された。

その海域にいる西側公式筋によれば、海賊の小型船とフランス海軍の間で砲火
が交わされた。ラ・ソンムは一隻のボートとの対応に忙しかったので、もう一
隻のボートは上手く逃げおうせる事が出来た。他の艦が応援に到着したが、二
隻目のボートを見つける事はできなかった。これは他の艦の多くが日曜日にセ
ーシェル諸島沖で貨物船を襲った他のグループの海賊の対応に忙しかった事に
よるものだった。

世界の海軍国は、世界でも最も混雑している海上通商路の一つに対する海賊の
攻撃を抑制するために、昨年来ソマリアの無法海域に、数十隻の軍艦を配備し
ている。ラ・ソンムはソマリア海岸から250海里(約460km)離れた海域で行動し
ており、欧州連合のアタランタ反海賊任務作戦の一部として海上航路をパトロ
ールしている護衛艦に燃料補給を行う途上だった。

ソマリア海賊は過去にも誤ってフランス海軍艦艇を襲撃した事がある。5月に
もソマリア海域で行動中のフリゲート艦に数人の海賊が乗り込もうとして捕え
られた。

ソマリアでは、1991年にモハメド・シア・バレ大統領が倒された後、無政府状
態に陥り、その後、適当な政権が樹立されていない。同国は部族間の派閥争い
によって引き裂かれており、海賊ギャング団は、ソマリアのインド洋とアデン
海岸沿いにあるいくつかの港から自由に活動している。
環境監視団体であるエコテラによれば、2009年だけで、少なく共、163回の襲
撃がソマリア海賊によって行われており、内47回で、ハイジャックに成功して
いる。昨年は、130隻の商船が攻撃されており、2007年に比べ200%の増加とな
っている。

海賊の攻撃は、モンスーン・シーズンの終わりに伴って活発化している。先週、
ソマリア海賊は、インド洋で36人乗組みのスペイン漁船「アラクラナ」を捕獲
した。合衆国連邦海事局は先月末、モンスーン・シーズンの終わりに伴いソマ
リア沖での海賊行為の増加することについて警報を発し、船会社に対し、用心
深く対応するよう促している。海賊はハイジャックした漁船で牽引される小型
のファイバーグラス製ボートを使って襲撃する事が多いので、穏やかな海であ
れば、貨物船、トロール船や個人用ヨットを乗っ取り易くなる。更に、クルー
ズ客船も攻撃されている。

(AFP 2009/10/8)



環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月7日水曜日

2nd Generation IGS will be launched in November. 第二世代情報収集衛星の第一弾11月打上げへ

※写真はスペースイメージング社サイトから転載

情報収集衛星、11月打ち上げ=H2A・16号機で

内閣情報調査室は30日、情報収集衛星(IGS)光学3号機を搭載した
H2Aロケット16号機を、11月28日に種子島宇宙センターから打ち上げ
ると発表した。予定時刻は午前10時から正午の間で、予備期間は同月29日
~12月27日。
IGSは1998年の北朝鮮による弾道ミサイル発射を機に導入された事実上
の偵察衛星。昼間の晴天時に用いる光学衛星と、夜間や曇天時用のレーダー衛
星の2ペア計4基で運用される。

(時事通信 2009/09/30)

秘密主義で悪名の高い情報収集衛星ですが、11月28日に久しぶ
りに発射される事が発表されました。但し、内閣官房のHP見ても何
も書いてありませんし、JAXAのHP見ても何も書いてありません。

上記の記事と今までに発表されている情報を総合すると、今回打ち
上げられるのは、光学三号機であり、60cm程度の解像度を持つ光学
観測を主体とする衛星とされています。光学1号と二号が1m程度
の解像度を持つ衛星であったのに対し、今回の衛星は60cmですから、
詳細度は二倍程度上がったと言えます。

実は、光学三号は、2007年2月にレーダー二号の打上げ時に実証機
が打ち上げられています。打ち上げられてから約2年半が経過して
いますので、今回打ち上げられる光学三号実用機に対して、実証機
の運用に基づく、充分なフィードバックが行われていると期待した
い処です。

光学三号でどの程度詳細な写真が入手できるか興味深い訳ですが、
上掲の写真は残念ながら商業衛星の1m解像度のものです。
以下のサイトで50cm解像度のサンプルを見る事ができます。
参考にして下さい。
http://www.spaceimaging.co.jp/geoeye/tabid/158/Default.aspx

Google MapsやGoogle Earthで使用する写真を得るのに、Googleが
契約しているのは、GeoEyeという名前の衛星の写真ですが、この
GeoEyeは、2008年9月に打ち上げられた最新の商用地球観測衛星で
あり、光学三号よりも高度な41cmの解像度を達成しています。
但し、米国政府の規制により、商用に提供される写真の精度は50cm
とされています。それでも光学三号よりは、高い精度です。
最近の商用地球観測衛星はGeoEyeに限らず、50cm級の精度を持って
いるものが増えているのです。

加えて、GeoEyeは飛行している軌道が、光学三号実証機の490kmに
対し、690kmですから使用している光学観測機器の精度は二倍以上
であり光学系の精度と言う点では、光学三号を遙に凌駕していると
言えます。

勿論、偵察衛星には商業地球観測衛星とは違った特徴があります。
特定の目標を継続観測する為に観測装置の狙いをつけるポインティ
ング機能、あるいは、より詳細な画像を得る為に軌道を変更する機
能を持つものもあります。光学3号にどの様な機能があるかは判り
ませんが、これらの機能の一部は実装していると考えるべきでしょう。

衛星の機能面について、述べてきましたが、偵察衛星と商用地球観
測衛星の違いで一番大きいのは、実は衛星ではありません。どれほ
ど精度の高い写真が入手できても、それが、5年前のものでは利用
価値がないと言うケースがあります。また、精度ではなくタイムリ
ーに狙った場所が分析できなければ、ダメな場合もあります。ある
いは、同じ地域の継続的な変化を見たいという場合もあるでしょう。

これを実現するのは衛星ではなく衛星写真の画像分析蓄積組織なの
です。日本の場合は、本来は内閣衛星情報センターという事になり
ます。このセンターは、2003年に最初の情報収集衛星が打ち上げら
れるのに合わせて設置された組織ですが、既に5年以上運用が行わ
れています。分析された情報収集衛星の撮影画像が、どの様に有効
利用されているかは、外側からは伺い知れませんが、残念ながら、
外交や安全保障の面で、有効に活用されているという話が聞こえて
きません。

その一方で、JAXAの地球観測衛星「だいち」は、解像度2.5mの粗い
画像データではありますが、地震や津波、洪水等の災害時に、タイ
ムリーに画像データや分析された情報の提供を行っており、相応の
成果が上がっていると思われます。専門の組織ではないにも係わら
ずJAXAがこれだけの事は出来ると示している点で、内閣衛星情報セ
ンターも新衛星の打上げに合わせ画像分析情報の一般への提供や情
報公開の方針について再検討を行うべきではないかと考える次第です。



環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月6日火曜日

Chinese New Weapon's Delayed Mass Production 実は量産スピードが鈍い中国製新兵器

※写真は99式戦車。Wikipediaより転載

<軍事パレード>「眠れる獅子ついに目覚める」などと、各国メディアが大々的に報道―香港

2009年10月1日、中国は建国60周年を祝う国慶節を迎えた。この日、北京市の
天安門広場では盛大な祝賀行事が行われ、世界各国のメディアがこのもようを
大々的に報じた。香港紙・中国評論新聞が伝えた。

ロシア紙・モスコフスキー・コムソモーレツは「アジアの眠れる獅子が目を覚
ました」と報道。大規模な祝賀行事は「超大国としての威信を示すのが目的」
と評した。AP通信は「民族復興を示すとともに、中華民族としての誇りを国民
に抱かせることができた」と報道。大多数の海外メディアは軍事パレードや閲
兵式を「壮観」「精彩」「注目の的」などと形容した。

シンガポール華字紙・聯合早報は「今年の市民パレードには指導者4人の肖像
画が新たに加わり、政治的スローガンも増加した」と伝えた。ロイター通信は
ウェブサイト上で国慶節の様子を生中継、CNNもこれに追随した。ドイツの国
際メディア研究所のフォルト教授は中国メディアの取材に対し「今や世界は中
国の時代に突入した」とコメント。AFP通信は「中国は建国60周年関連の映画
やテレビドラマ、舞台を続々と制作するなど、ハリウッドスタイルで祝ってい
る」と伝えている。

(Record China 2009/10/3)


国慶節の軍事パレードは、なかなかの迫力だったとは思いますが、
実際には、本当のピッカピカの最新兵器は出場しなかった様です。
これは、最新の晋級戦略原潜が参加しなかった8月の国際観艦式と
同様の方針であると思われます。

中国の軍事力は強大ですし、西側のマスコミもその様に報道してい
ますが、開発している兵器の数が多い割りには、開発した兵器の実
戦配備は遅れています。例えば、軍事パレードでも目立った99G戦
車ですが、配備数は200輌と言います。日本の基準で言えば、200輌
の戦車の配備は大きな数字ですが、大陸軍国の標準で言えば、それ
程大きな数字ではありません。例えば、中国は59式戦車を、6000輌
配備したと言われています。現在でも5000輌が在籍していると見ら
れていますが、普通に考えれば、配備から40年以上経過し、6種類
の新戦車が開発されているにも係わらず、完全な更新に至っていな
いのは不思議な話です。陸軍では、戦車の他、装甲車でも同様の傾
向が見て取れます。また、この傾向は、海軍でも、顕著であり、同
世代の似たような性格の艦船が複数種類並行して建造されています。
その分、一種類毎の建造数は少なくなっています。

多品種少量生産は、規模の経済が働かない点で調達単価が、どうし
ても上昇します。また、修理や保守と言った整備面でも、種類毎に、
保守用部品を準備しなければならず、兵站に負担をかける点、明ら
かに非効率的であると言えます。

その点、米軍の装備の単純化の度合いと量産の規模の大きさは好対
照と言えます。例えば、戦車は、M1シリーズに統一され、四半世
紀に亘り生産されています。艦艇でも、ニミッツ級空母は半世紀に
亘り生産されましたし、ロサンゼルス級潜水艦も20年以上生産が
続きました。(勿論、同一タイプ内で細かな相違はあります。)

米国に比べ、中国の方が、人件費が安い事は事実であり、兵器開発
や調達が容易且つ安価であろうとは想像できますが、同じレベルの
軍備を整備するコストは、中国人の生活水準向上してくるにつれ、
じょじょに収斂していくと考えられます。国際市場に出ている中国
製のロケットや航空機は西側の同種の製品に比べ安価ではあります
が、既に、半分以上の水準になっている事を考えると、他の中国製
新兵器についても同レベルのコストになっているのではないかと想
像されるのです。

この事について中国が気がついていない訳がありません。開発試作
を頻度高く行う事で、開発力、技術力を向上させながら、大規模な
量産化を行わない事で、米国を安心させると言う中国の高等戦術で
あると言えなくもありません。つまり、本気で米国と対抗する気は
ないというメッセージを送り続けていると言う訳です。

中国の軍事力は、改革開放と歩調を合わせて、陸上兵力の規模の縮
小と兵器の近代化が行われています。毛沢東時代の人民戦争論から
の決別とも言えますが、まだまだ絶対的な兵力は他国と比べ大規模
です。その点で、旧式兵器と同時に、旧世代の軍人も退役させる事
で、じょじょに武器と兵士の近代化を行っているのかも知れません。
そうであれば、兵士を一気に入れ替える事ができないのと同様、兵
器も一気に入れ替える事はないと言う事なのかも知れません。
確かに「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」という言葉は兵器にも
当てはまりそうではあります。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





2009年10月5日月曜日

Mitsubishi, the fifth plane manufacturer 四社寡占の壁を突破したMRJ


※CGはMRJサイトから転載

国産「MRJ」米国の空へ 三菱航空機、海外から100機受注

三菱重工業の子会社、三菱航空機は2日、米航空会社2社から開発中の国産初
の小型ジェット機「MRJ」を100機受注したと発表した。発注したのは、
米大手地域航空会社のトランス・ステーツ・ホールディングス(TSH、米ミ
ズーリ州セントルイス)。2014年以降に5~6年で納入する計画だ。“日
の丸”ジェットと期待されるMRJは、航空不況の逆風で、受注はこれまで全
日本空輸からの25機にとどまっていた。海外航空会社から大量受注を獲得し
たことで、競争が激化している小型航空機市場での受注拡大に弾みがつきそうだ。

会見した三菱航空機の江川豪雄(ひでお)社長は「100機もの受注につなが
り、喜ばしい」と述べた。三菱重工の大宮英明社長も「MRJの環境性能や経
済性が理解してもらえた結果」とのコメントを発表した。

受注額については、競争上の理由で明らかにしなかった。

同席したTSHのリチャード・リーチ社長は「正直、厳しい経済環境下だが、
高い技術や優れた運航性能、乗客の快適さなどをみて決定した」と、選定理由
を説明した。

MRJには70席、90席、100席のタイプがあるが、どの機種にするかは
今後の経済情勢などを見ながら判断するという。

TSHは、傘下にトランス・ステーツ・エアラインとゴージェット・エアライ
ンの2社を持ち、米大手航空会社のユナイテッド航空とUSエアウェイズから、
地方都市への路線の運航を請け負っている。米国内の50都市を結び、現在は、
ブラジルのエンブラエルの機材を使用している。

MRJは、「YS-11」以来40年ぶりの日本独自開発となる小型旅客機で、
価格は1機30~40億円程度。客席数が70~90席程度のリージョナルジ
ェットでは、エンブラエルとカナダのボンバルディアが“2強”の地位にある
ほか、中国やロシアの航空機メーカーも参入し、存在感を高めつつある。

MRJの開発には、1500億円以上が投じられたとされるが、新規参入であ
ることに加え、航空不況も重なり、受注活動は苦戦を強いられていた。また設
計変更に伴い初号機の納入が14年1~3月に当初計画から最大3カ月遅れる
見通しになっている。

不況下でも、高効率のリージョナルジェットへの潜在需要は高いとされ、初の
海外受注を契機にさらなる攻勢をかけていく考えだ。

(フジサンケイ ビジネスアイ 2009/10/3)


中型から大型旅客機については、エアバスとボーイングの二強寡占
体制。リージョナル機から小型旅客機については、エンブラエルと
ボンバルディアの事実上の寡占体制が続いていた航空業界ですが、
今回のMRJの大量受注により、その体制の一角に風穴が開けられ
た言える大きなニュースであると思われます。

AP電によれば、TSHは過去5年に亘りMRJの顧客アドバイザ
ーを勤めていたという事ですから、TSHをアドバイザーに引き込
んだ事そのものが、今回の発注に繋がっていると言えるかも知れま
せん。

記事にもある通りTSHは、トランス・ステーツ・エアラインとゴ
ージェット・エアラインの2社を持ち、米大手航空会社のユナイテ
ッド航空とUSエアウェイズから、地方都市への路線、ユナイテッ
ド・エクスプレスとUSエアウェイズ・エクスプレスの運航を請け
負っています。会社規模は、リージョナル航空として全米10位、
独立系のオペレータとしては、全米五位と、リージョナル航空とし
ては中堅の企業規模と言えます。既存の機体として、MRJがライ
バルとするエンブラエルERJ145を29機とCRJ700を
22機保有しています。

この手のオペレータは、大手から運航を請け負っているが故に、運
航請負契約の更新、新規獲得を目指し熾烈な競争を行っています。
今回のTSHの決定も2014年に予定されるユナイテッド・エクスプ
レスとの契約更新を睨んだものであり、今回の取引で、TSHが、
確定発注50機に加え50機のオプション契約を結んでいる処から
も、MRJがTSHの企業規模を倍に出来る高いポテンシャルと経
済性を持っているとTSHが考えている事が判ります。

今から思えば、9月に発表された、三点の変更とそれによる、初号
機納入の三ヶ月延期は、TSHの要求を三菱が受け入れた事による
ものであったと推測できます。勿論、これらの変更点は米国のリー
ジョナル航空の現実を見据えた競争力向上の為に必須のものであっ
た事は言うまでもありません。

客室高の拡大とハットビンの容量増加により、リージョナル機で一
番不足している客室持込貨物のハンドリングが改善する事で、キャ
ビンクルーの労働効率が著しく改善しますし、前方貨物室を排し、
後部に貨物室を集中する事で貨物の取扱は、大幅に改善し、荷捌き
要員の削減も期待できます。主翼の素材を炭素複合材からアルミ合
金に変更する事で、ファミリー機体毎に主翼を変更可能とする事で、
機種拡大が図れると共に機種毎の主翼設計の最適化を図る事ができ
ます。

これらの改善点に加え、元々MRJが特徴としていたGTF(ギア
ード・ターボ・ファン)の高い燃費効率が、MRJを、米国のリー
ジョナル航空業界で高い競争力を持つ機体にしたと言えます。

今回の取引で、TSHは、一機当り30億円(3000万ドル)に近い価格
で契約したと思われます。(恐らく三菱飛行機側では利益は出てい
ない筈です。) この価格であれば、現時点で計画されている機体
でこれ程の経済性を持っている機体はないと言えます。対抗しよう
とした場合は、ボンバルディアは、Cシリーズで対抗するには短胴
型を開発しなければなりませんが、70席や90席用としては贅沢な作
りです。CRJで対抗する場合は、胴体の改設計とGTF対応が必
要となります。エンブラエルの場合も同様です。

これらを考え合わせるとMRJは5年程度はライバル機に先んじた
と言えます。しかしながら、このリードタイムを有効に使えるかど
うかは、今後のMRJの開発を如何にスムースに進められるかにか
かっています。もし、大きな手戻りなく機体開発を進められた場合
三菱の名は、世界の大手航空機製造会社の一角に刻み込まれる事に
なります。まさにこれからが正念場です。日本の航空機産業離陸の
為にその成功を祈りたいと思います。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/