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2010年7月13日火曜日

韓国哨戒艦撃沈事件 国連安保理議長声明による幕引き

※引き揚げられた「天安」の船体。中央日報Webサイトから転載

哨戒艦撃沈事件 国連安保理 北非難の議長声明採択

韓国哨戒艦撃沈事件をめぐって協議を続けていた国連安全保障理事会は9日
(日本時間同日深夜)、北朝鮮を事実上非難する議長声明を全会一致で採択した。

韓国政府が当初求めていた新たな制裁決議からは数段弱い結論となったものの、
中国が一貫して北朝鮮への厳しい対応に難色を見せてきた中での非難声明採択
は、連携して交渉に当たった日米韓にとって一定の外交的勝利といえそうだ。

事件の実質協議を行っていた5常任理事国と日本、韓国が8日、声明案で合意
に達し、ただちに緊急会合が招集されて全15理事国に同案が配布されていた。
11項目からなる声明は、まず「哨戒艦沈没につながった攻撃を非難する」と
したものの、攻撃の主体は明示せず北朝鮮を名指しする表現は避けた。その一
方で、事件を北朝鮮の攻撃と結論づけた、韓国などの合同調査団の調査結果に
言及し、安保理として「深い懸念」を表明、間接的表現ながら北朝鮮を非難した。

また、事件に関して「無関係」とする北朝鮮の主張についても「留意する」と
の表現で触れ、最低限のバランスをとった。問題の平和的解決の重要性も強調、
北朝鮮を刺激するような強い対応に難色を示してきた中国への配慮を示した。

合意後、ライス米国連大使は「明確で適切な内容の声明案がまとまった」と評
価。日本の高須幸雄国連大使も「われわれの求めた要素が含まれ、韓国も納得
する内容だ」と述べた。

(産経新聞 2010/07/09)


私は5月20日のエントリーで次の様に書きました。

「最終的に北朝鮮を非難する安保理議長声明が気が抜けたタイミング
で行われる程度で、幕引きが行われるのではないかと思われます。」

韓国哨戒艦沈没 中国の非協力で韓国民の恨はどこへ行く
http://ysaki777.iza.ne.jp/blog/entry/1612569/

その予想通りと言うべきでしょうか、それから一ヶ月半を経過して
漸く出された安保理議長声明は何とも気の抜けたものになってしま
いました。

北朝鮮を名指しで非難する事もなく、北朝鮮の言い分にも耳を傾け
るなど休戦協定違反を指摘する事もない、安保理決議でもない単な
る議長声明でしかありません。

これに対する北朝鮮の反応は、「われわれは、議長声明が『朝鮮半
島の懸案問題について直接対話と交渉を再開し、平和的に解決する
ことを奨励する』とした点に留意する」とし「6カ国協議を通して
平和協定と非核化実現に一貫して努力していく」という他人事の様
な反応を朝鮮中央通信が伝えています。北朝鮮にとっては、勝利以
外の何者でもないでしょう。

一国の軍艦が、休戦ラインの自国側で、予告なく、一方的に攻撃さ
れ、46名の死者を出した割には、余りにも軽い扱いであり、亡く
なった方には非常に申し訳ない言い方ですが、「犬死」以外の何者
でも無い様に思えてなりません。これでは、大した報復もできずに
泣き寝入りとなる死者家族の恨だけが残る事になりそうです。上記
のエントリーでは、韓国民の恨だけが残ると書いたのですが、韓国
民は北朝鮮を非難する事すら恐れているように見えます。(その割
には、報復される事のない日本に対する攻撃には熱心です。)

この様な扱いになった理由は明らかです。P5(国連安保理常任理事
国)の一角を占める中国が同盟国たる北朝鮮を擁護したからに他な
りません。その上、当事国である韓国も、本音の処では、北朝鮮と
戦争状態に陥る事、ひいては、崩壊した北朝鮮を再建する義務を負
うのを避けたからであると言えます。韓国内の国論が北朝鮮を支持
する進歩派の影響もあって統一されていると言えなかった事も韓国
の立場を弱くしたと言えます。

元々、北朝鮮との対立を避けたがっていた韓国の李政権は、統一
地方選に現れた事を大きくしたくないと言う世論を踏まえ、取敢え
ず面子が立てばそれで良いという方針をとっていた様に見えます。
また、韓国のパートナーである米国も、それ以上を望みませんでした。
米国はイランとの緊張が高まる中で、北朝鮮との緊張を高める事に
積極的ではありませんでした。(個人的には、そういう米国が動き難
い時期を選び、イランと北朝鮮は結託して米国を挑発している気が
します。)
テロ支援国再指定についても、北朝鮮はテロを支援しているのでは
なく、テロを実行した国であるからという屁理屈で回避しています。

北朝鮮は、テロ行為に加担した事を褒められこそしませんでしたが
名指しで非難もされませんでした。これはある意味で、北朝鮮が軍
事力を使った火遊びを続ける事を奨励している様なものです。
将来、北朝鮮が、核ミサイルを他国に打ち込む様な事態に至った時、
なぜ、それまでに火遊びを止めさせなかったのかと問われる事にな
る事は、確実であり、六ヶ国協議参加国と安保理は、その道徳性の
欠如と欺瞞性を人道の名の下に非難される事になると思われます。
とはいえ、所詮、外交は国益のぶつかる場所であり、もともと、道
徳性を問われる場所ではないのですが、それにしても、今回の結末
は、酷いものと言う印象を拭えません。

強いて、犠牲者の霊に捧げるとすれば、これによって韓国海軍の対
潜戦闘に関する軍備や装備が整備され、将来、北朝鮮が再び、潜水
艦で韓国海軍に挑戦して来た時、それを受け止められる準備を行う
上での礎(いしずえ)になったという点は上げられると思うのです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/











2010年6月16日水曜日

随分安っぽくなった「ソウルを火の海に」という恫喝


「ソウルを火の海に」 北朝鮮、16年ぶり脅迫 「心理戦の拡声器設置は宣戦布告」

北朝鮮軍総参謀部(李英鎬〈リ・ヨンホ〉総参謀長)は12日、「重大布告」を
通じ、韓国側が対北宣伝放送用の拡声器を設置したことについて、「警告通り、
反共和国心理戦の手段を清算するための全面的な軍事的打撃行動に突入するこ
とになる。われわれの軍事的打撃は比例的原則による1対1の対応ではなく、ソ
ウルを火の海にすることまで見越した無慈悲な軍事的打撃である点を肝に銘じ
ておく必要がある」と主張した。北朝鮮当局が「ソウルを火の海にする」と脅
迫するのは、1994年の第8回南北実務接触以来16年ぶりのことだ。総参謀部は
韓国軍に送った布告で、「心理戦は戦争遂行の基本作戦形式の一つであるとい
う点から、反共和国心理戦手段の設置は、われわれに対する直接的な宣戦布告
だ」と表現した。

これに対し、韓国合同参謀本部は「北朝鮮軍の異常な動向はとらえられていな
い。北朝鮮が挑発した場合、その倍以上に懲らしめる準備態勢が整っている」
と話した。

(朝鮮日報 2010/06/14)


「ソウルを火の海に」という北朝鮮の恫喝も随分と軽いものになっ
たものだという感慨を覚えます。普通は相手国の首都を火の海にす
るというのは最大限の威嚇の表現でしょう。そういう表現は安易に
用いては、安っぽくなってしまいます。伝家の宝刀は、なかなか抜
かないからこそ価値があるのです。

今回、北朝鮮総参謀部が伝家の宝刀を抜いて止めさせようとしてい
る韓国の行為とは、たかだか対北宣伝放送用の拡声器を数十箇所に
設置するというものでしかありません。拡声器を設置すれば、戦争
するぞというのは、相手を呆れさせる事はあっても、本気に取らせ
ることは、なかなか困難です。

北朝鮮は、本気である事を説明する必要があります。それが、「心
理戦は戦争遂行の基本作戦形式の一つであるという点から、反共和
国心理戦手段の設置は、われわれに対する直接的な宣戦布告だ」と
いうのでは話になりません。もし、そういうロジックが成立するの
であれば、現在は総力戦の時代なのですから平和的な経済建設競争
ですら、「経済建設は戦争遂行の基本作戦形式の一つである」とい
う事になってしまいます。

北朝鮮がもし、拡声器の設置に対し、ソウルを火の海にする事で本
当に答えた時、それを北朝鮮にとって十分な理由であると理解して
くれるのは「悪の枢軸」仲間しかないに違いありません。その他の
国にとっては顰蹙ものの行為というのが一般的な受け止め方になる
に違いないのです。

今回の件で明らかな事は、北朝鮮が、如何なる情報であれ、自国に
不利な情報を自国民に宣伝されるのは避けたいと思っている事です。
それは、強さを示すものでなく、明らかに北朝鮮の弱さを示すもの
に他なりません。そう考えれば、居丈高な北朝鮮軍人の恫喝も、極
貧国の寡婦の悲鳴に聞こえてくるのです。北朝鮮も随分、落ちぶれ
たものだと言わざるを得ないのです。


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2010年6月11日金曜日

「羅老号」二号機 打ち上げ失敗!

※図は朝鮮日報サイトより転載

燃料調節失敗?配管から燃料漏れ?海に落ちた「5000億ウォンの宇宙の夢」

ロシアが製造した1段目エンジンに異常?
「羅老」空中爆発 なぜ?


人工衛星搭載ロケット「羅老」は離陸から137秒後に通信が途絶えるまです
べてが順調に見えた。10日午前から韓国とロシアの研究陣が総動員され、最
終点検が行われたが、異常はなかった。しかし「羅老」は結局、済州道(チェ
ジュド)南側の公海上に落ちた。羅老宇宙センターから470キロ離れたとこ
ろだ。韓ロ合同調査団はすぐに「羅老」残骸回収作業に着手することにした。

昨年8月の最初の打ち上げでは、韓国が初めて開発した「羅老」2段目を試験
する機会があったが、今回はそれさえも失敗に終わった。科学技術衛星も丸ご
と失った。最初の打ち上げではフェアリング(人工衛星保護カバー)の一つが
分離せず、衛星を軌道に乗せられなかった。最初の打ち上げよりも惨めな結果だ。
「羅老」開発には1・2回目の打ち上げを含めて計5025億ウォン(約400
億円)の費用がかかった。衛星は136億ウォン。

「羅老」の空中爆発原因はまだ確認されていない。しかしいくつかの可能性が
推定できる。通信が途絶えた137秒経過時点の状況は、1段目のロケットが
火を噴きながら上がっている時で、昨年の失敗の原因だったフェアリング分離
段階の78秒も前だ。1段目のロケットには液体酸素と燃料のケロシン(灯油)
を適切に噴き出す噴射口とその量を調節するバルブがあり、関連配管が複雑に
設置されている。発射の瞬間からすべて燃焼するまでエンジンノズルからは瞬
間的に大量の液体酸素とケロシンが噴射される。

140トンの「羅老」を宇宙空間まで送らなければならないうえ、秒速8キロ
の超高速に達する必要があるからだ。この燃料バルブが燃料噴射量調節に失敗
し、問題が生じた可能性がある。

もう一つはエンジン配管に問題が発生して燃料が漏れた可能性だ。漏れた燃料
に火がつき、エンジン内部が過熱され、爆発したということだ。「羅老」の飛
行経路が当初設計されたものより空気の密度が高い低高度をたどり、飛行体内
外部を損傷させた可能性があるというのが専門家らの分析だ。

1段目のロケットはロシアから輸入された。この1段目と国内で開発した2段
目を連結して「羅老」が作られた。まだ空中爆発の原因は把握されていないが、
こうした事故をもたらす兆候はあった。まず1段目のロケットは十分な試験が
行われていない。完全に開発が終わって本格的にロケット市場に投入されたの
ではない。ロシアのロケット製作会社クルニチェフは「アンガラ」という新し
いロケットを開発しているところだ。そのロケットエンジンは推進力が大きく、
「羅老」ではその力を弱めた。このため「羅老」打ち上げはロシア側からすれ
ば、事実上、開発中である「アンガラ」エンジンの飛行試験格ということになる。
「アンガラ」のエンジンはまだ燃焼試験と安定化作業をしている段階だ。

匿名を求めたロケット専門家は「ロケットを開発するには少なくとも3-4回
のエンジン燃焼試験と飛行試験を行うのが常識」と述べた。「羅老」はこうし
た手順の相当部分を省略したまま衛星を搭載した。開発中のロケットの飛行試
験には費用がかかる実際の衛星よりも、衛星の模型を搭載する。こうした過程
をたどらない場合、惨憺たる結果をもたらす場合が多い。

(中央日報 2010/06/11)


前回、2009年8月、最初の打ち上げに失敗し捲土重来を期した羅老
号でしたが、二号機も打ち上げ失敗という事になりました。
前回は衛星フェアリングの分離失敗によるものでしたが、今回は、
ロシア製の第一段の不具合によるものの様に見えます。

失敗原因については未だ調査中ですが、爆発が発生した際のビデオ
映像では、それまでは、一段目の噴射炎が見えていた処に、小爆発
が生じ、白煙が広がり、その後、発射炎は消え(?)進路が90度近く
右に傾き落下していった様子が写っています。

小爆発が発生したのは、発射後137秒後で、最大推力を発生し、
高度も、約90~100kmに達していたと思われます。大爆発を起こし
ていない処から見て、エンジンに燃料と酸化剤を送るターボポンプ
周りの配管が振動で外れ、そこから燃料か酸化剤が洩れて小爆発を
起こした上、燃焼を維持できずに、推力を失った様に見えます。

なお、テレメトリーデータは爆発時点で途切れていますので、小爆
発ではあっても、ロケットのアビオニクスを破壊する程度の爆発規
模であった事が分かります。

羅老号の打ち上げについては、ロシアのクルニチェフ社が開発中の
アンガラロケットの一段目に使用するURM(Universal Rocket
Modules)の推力を若干低下させたデチューンモデルを使用しています。
このアンガラロケットは、まだロシア国内でも打ち上げの実績はな
く、エンジン試験が行われて以外は、羅老号一段目として打ち上げ
が唯一の飛行実験であると言えます。エンジンそのものはエネルギ
アやゼニット他で実績のあるRD-170の系列エンジンですし、ロシア
の次世代ロケットとしては本命と言える機体ですが、単体としての
実績は十分とは言い難いものです。

ただ、これは、不完全なエンジンを選択した韓国の選択の誤りとい
うより最新の技術を使う時に必然的に発生するリスクであるとも言
えます。但し、ロシアのロケットを使用する決定を行った際には、
韓国側は同エンジンの技術導入を期待し、最新技術を採用したので
すが、実際にはロシアはURMのロケット技術を行う意思はなく、
結局、ロシアのロケット開発を有償で支援しただけに終わったとい
う評価もありえます。(美人局の様に、韓国は技術移転の下心をロ
シアに利用されたと言えなくもありません。)

とはいえ韓国は、ロシアとの契約の中で、ロシア側の責任で打ち上
げが失敗した際には、追加で打ち上げる義務があるという条項を入
れている様です。ロシア側からすれば、追加打ち上げ費用も馬鹿に
なりませんが、韓国がロシアに支払った打ち上げ費用2億ドルは、
HーIIAであっても、二基打ち上げが十分可能な金額であり、URM
の信頼性向上の為にも、ここは、追加打ち上げを行っておくべきで
あろうと思われます。

新しいURMの製造と新しい科学衛星の製造には、数ヶ月を要しま
す。韓国は、今まで安易な方法でロケット開発技術の導入を企画し
てきました。しかし、実際には人工衛星打ち上げロケットの熟成に
近道はありません。あらゆる技術開発と同様、開発の失敗と、その
原因追求は開発ノウハウそのものと言えます。韓国は、ロシアの事
故原因追求に協力する事で、ロケット開発のノウハウ蓄積を図るべ
きであろうと思われるのです。


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2010年6月9日水曜日

韓国哨戒艦撃沈事件 戦争を恐怖した世論に負けた李明博政権


対北政策にブレーキ? 韓国地方選、与党敗北


【ソウル=黒田勝弘】2日に行われた韓国の統一地方選挙は、事前の予想に反
し野党が大躍進し与党の実質的敗北となった。野党の勝利は李明博政権に対す
る世論の批判を意味しており、李政権にとっては韓国哨戒艦撃沈事件をめぐる
北朝鮮に対する強硬姿勢など、今後の対北政策でブレーキをかけざるをえない
情勢となった。

地方選とはいえ今回の選挙戦は韓国艦撃沈事件が大きな争点になった。与党ハ
ンナラ党は「北の脅威」を強調し安保重視を訴えた。これに対し野党民主党は
南北対決の危険性を強調し、政権・与党の対北政策を批判した。
結果は「戦争か平和か」を訴えた“平和志向”の民主党が、終盤段階で北朝鮮
に融和的な考えの若い世代の支持を集め、票を伸ばした。政権・与党にとって
は「北の脅威」の強調が裏目に出たかたちだ。

選挙結果は、焦点のソウルなど主な知事・市長16人のうち、ハンナラ党が6
人、民主党7人、自由先進党1人、無所属2人で野党が大勢を占めた。与党は
首都圏でソウル市長と京畿道知事が再選を果たし辛うじて面目を保った。
今回の選挙は「北風」と「盧風」の対決といわれた。保守与党のハンナラ党は
哨戒艦事件という「北風」を利用したのに対し、革新野党の民主党は盧武鉉前
政権の主要メンバーが再起を目指して多数出馬。今も盧武鉉ファンが多い若い
世代に期待をかけた。

結果的には宋永吉・仁川市長、金斗官・慶尚南道知事、李光宰・江原道知事、
安煕正・忠清南道知事をはじめ学生運動出身者など盧武鉉系の若手が相次いで
当選。ソウル市長選でも女性の韓明淑・元首相がハンナラ党の呉世勲市長をわ
ずかな差まで追いつめた。

親北・左派系の「盧風」が、保守派が期待した「北風」を押し返したかたちだ。
これは若い世代を中心に多くの国民がもはや、「北の脅威」にはそれほど動か
されないという韓国の政治状況をあらためて示したものだ。

選挙結果を受け、5年任期の3年目の李政権はハンナラ党とともに体勢立て直
しを迫られている。今後、2012年の次期大統領選を目指した動きも出始め
る。与野党とも“次期政権戦略”を構想することになるが、親北・革新系の政
権奪還に向けた勢力復活に拍車がかかるのか、それとも防戦の反北・保守系が
巻き返しに成功するのか、韓国政局は新たな流動期に入った。

(産経新聞 2010/06/03)


事実上、今回の韓国哨戒艦沈没事件は終了しました。韓国の世論は
北朝鮮との対決姿勢は臨まない事が明確になりました。今後、李明
博政権は、直接的な報復行為は控え、国連での北朝鮮非難決議を出
す事だけに努力を傾注する事になります。但し、ロシアと中国が北
朝鮮を名指しした非難決議を避ける動きを示している処から、また、
韓国自体が対決を望んでいない事からも、安保理議長声明レベルの
対応になる確率がますます高くなってきたと言えるでしょう。

今回の統一地方選で判った事は、進歩派十年支配で、若い世代を中
心に容共派が増加した事と、今現在の豊かさを戦争によって奪われ
たくないと考える層が増加した事です。これが今回、保守派有利の
情勢の中で、戦争の危険を訴えた民主党が勝利した理由になってい
ます。

これは、拉致疑惑を北朝鮮が認めた事で世論が急速に硬化した日本
とは全く逆である事に注目したいと思います。日本では拉致事件に
よって左翼の嘘が暴かれてしまいましたが、韓国では逆に、哨戒艦
を撃沈したのが北朝鮮であるという事実は、多くに国民にとって北
との戦争を招く「不都合な真実」となり、保守が排除される原因に
なってしまったという訳です。これは国難に当たって、最悪の選択
をする朝鮮民族の悪風かもしれません。

従来型の解釈(大韓航空機爆破事件当時の議論)であれば、韓国人は、
首都ソウルを北の長距離砲の射程内に収められているが故に戦争に
対する危険に過敏に反応しているという解釈する処ですが、私は、
そうではなく、朝鮮戦争終了後の50年の平和と繁栄、取り分け、
民主化運動で成立した金泳三政権以降の、左派思想が影響した教育
の浸透により、韓国民の北朝鮮に対する精神的な去勢が行われた結
果であると考えます。その代わりに与えられたのは、自国中心の歪
曲史観と反日思想であり、韓国人の左翼進歩派政権が仮想敵国を積
極的に北朝鮮から日本に転換した事もそれを支える事になったと考
えます。

北朝鮮からすれば、多少の経済制裁さえ我慢すれば対韓政策でいく
らでも強硬な政策を取っても、韓国からの軍事的、政治的な報復は
ないと期待できる事になります。また、韓国内の親北朝鮮勢力によ
る政治的デマゴーグが極めて有効に機能する事が確認できた事にな
ります。軍艦を撃沈され46名が死んだところで、例え、証拠があ
っても、韓国国民は、その責任を北朝鮮に対して問う事がない。あ
るいは、北朝鮮に対して責任を問おうとする政治家を排除する事が
可能な訳ですから、北朝鮮は対韓工作をフリーハンドを得た様なも
のと言えます。これらを若き将軍金ジョンウンの卓越した指導力の
結果として神格化する事も可能なのかも知れません。これで、韓国
国民はひと時の魂の平安を得たのかも知れませんが、北朝鮮人民の
苦難の行軍は、まだまだ終わり無く継続する事になります。


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2010年5月26日水曜日

韓国哨戒艦撃沈事件 北朝鮮の戦闘態勢は、どこまで本物か?

金総書記が戦闘態勢指示 米韓合同演習で牽制へ

北朝鮮による韓国哨戒艦撃沈事件をめぐって、韓国の脱北者団体「NK知識人
連帯」は、金正日(キムジヨンイル)総書記(69)が全軍や人民保安省に万
全の戦闘態勢に入るよう指示したとの情報を明らかにした。一方、米国防総省
は24日、北朝鮮の潜水艦探知や海上封鎖を目的とする米韓両軍の軍事演習を
近く実施する方針を明らかにした。バラク・オバマ米大統領(48)はこの日、
北朝鮮政策の見直しを関係省庁に指示、金融制裁の強化やテロ支援国への再指
定など、独自の制裁措置発動について検討する方針を示した。

■「宣戦布告に当たる」

国防総省が韓国軍と合同で実施すると表明したのは、対潜水艦軍事演習と、大
量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に基づく海上封鎖訓練。韓国が昨年5月、
PSIへの全面参加を表明した際、北朝鮮は「宣戦布告に当たる」と反発して
おり、緊張が一段と高まりそうだ。

米韓両軍の連携をめぐっては、ホワイトハウスが24日未明、オバマ大統領が
北朝鮮の攻撃に備え、韓国軍との協調を米軍に指示したことなどを柱とする声
明を発表した。

国防総省のブライアン・ホイットマン報道官はロイター通信に対し、2012
年に米国から韓国への移管が予定されている朝鮮半島有事の際の作戦指揮権に
ついて、「まだ決定事項ではない」などと述べ、北朝鮮を牽制(けんせい)した。

米国政府は2008年10月に北朝鮮のテロ支援国指定を解除したが、「テロ
対策に協力不十分な国家」の指定は継続し、北朝鮮企業との商取引を禁じるな
どの経済制裁を続けている。

■主敵の概念復活

オバマ政権は国務省や財務省などに、北朝鮮の企業や個人に対する現行制裁の
実効性を洗い直し、さらなる金融制裁の強化に向けた制裁リストの追加を検討
する方針とみられる。

オバマ政権は、韓国政府が表明した国連安全保障理事会への問題提起を全面的
に支援しながら、北朝鮮を揺さぶる効果的な対抗策を模索していく意向だ。

一方、北朝鮮と韓国の南北軍事実務会談の北朝鮮代表は25日、韓国海軍の艦
艇などが黄海の南北境界水域で北朝鮮水域を侵犯する挑発行為を続けていると
主張、「侵犯行為が続くなら、われわれの領海を守るための軍事的措置が実行
される」との通知文を韓国側に送付した。

また、韓国の聯合ニュースはこの日、韓国政府が北朝鮮を国防上の「主敵」と
する概念を復活させる方針を固めたと報じた。政府当局者の話として伝えた。

韓国政府は1995年から国防白書で「北韓(北朝鮮)は主敵」と表現してき
たが、対北朝鮮「包容政策」を取った盧武鉉(ノムヒヨン)前政権時代、公表
する文書で「主敵」と明記するのは避けることにし、2005年に刊行された
04年版の国防白書から「主敵」の記述を削除していた。

(産経新聞 2010/05/26)


韓国の李明博政権の制裁発表に対し、北朝鮮は、南北関係の断絶を
宣言するなどエスカレーションを始めました。

北朝鮮の交渉戦術は、いつもそうですが、自分から緊張関係を高め
る行為を行い、その立場を変更させる為に譲歩を求めるというもの
です。これが上手くいくと、自分の立場を聊かも損ねる事なく相手
側の譲歩を引き出せます。

これが一番成功した例としては、ブッシュ政権のテロ支援国指定解
除があげられると思います。米国が北朝鮮に手玉に取られた一例で
すが、それが外交上の大失敗と米国のオバマ政権の反省材料になっ
ているのですから、短期的な成功事例ではあっても、長期的な成功
事例とは言えないのかも知れません。

さて、例の如く、北朝鮮は、韓国との関係を断絶した上で、上の記
事によれば、戦闘態勢に入る様、金正日が指示を出した様ですが、
どこまで本当なのでしょか。

軍事用語では戦争準備に入る事を動員(Mobilization)と言います。
動員によって軍隊は平時編制から軍時編制に移行します。欠員は召
集され、武器庫は開かれて武器弾薬が配布され、いつでも戦争に移
れる様に準備します。この兵員の召集と軍需物資の配布は、大変な
量の輸送需要を発生させますので国内の交通機関は、全て軍用に利
用される様になります。

北朝鮮は、もともと、動員を行わなくても、完全に兵員が充足され
ていると言われていましたが、実際には、農繁期の応援や施設の建
設に転用されており、実際の動員が行われれば、大量の人員や物資
の移動が発生する上、この移動コストは唯でさえ弱体化している北
朝鮮の経済的な苦境を倍化させる事は確実です。

今回の戦闘態勢の指示が本物かどうかは、北朝鮮の交通機関の動き
を観察するだけで明らかになる筈であり、そういう事実があれば、
即座に報道対象になると考えられます。

私は、北朝鮮の強硬な反応は外交的なポーズ(ブラフ)であると考え
ていますが、そう言い切れない一面もあります。それは、北朝鮮が
南北の関係断絶は、開城工業団地にも及ぶと言った点です。
北朝鮮は、開城工業団地から毎年40億円に相当する外貨収入を得
ていると言いますから、これを失う事は、非常に痛手になる筈です。
李明博政権も、インパクトの大きさから、これを制裁の通商関係断
絶の対象から外した程なのです。

その様な犠牲を払っても、金正日が強攻策をとってきたのは、今回
の一連の動きに政治的に重要な事項が絡んでいると考えられます。
例えば、金正日、金ジョンウンの権力継承に関係があるのかも知れ
ません。

その意味で、金正日がどこまでエスカレーションを計画しているの
か、単に軍事面のみならず、人的、物的な移動を含む各種の情報を
総合して冷静に判断したいものだと思います。

2010/5/26追記
北朝鮮の発表した開城工業団地関連の措置は、「南北経済協力協議事務所の凍
結・閉鎖および南側関係者の全員追放」で、開城工業団地の閉鎖ではありませ
んでした。やはり北朝鮮はへたれてますね。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
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2010年5月25日火曜日

韓国哨戒艦撃沈事件 北は韓国側の宣伝放送再開に報復するか?

軍、北「拡声器照準撃破」→金泰栄長官「自衛権発動」

金泰栄(キム・テヨン)国防省長官は24日、国防部が対北心理戦を再開する
と発表したことについて、北朝鮮軍が拡声器などを照準撃破射撃するとして挑
発した場合、自衛権を発動して直ちに対応するという立場を明らかにした。

国防部はこの日2004年6月15日に中断した対北FM放送である「自由の
声」を6年ぶりに再開した。また25日から対北チラシを風船につけ、北朝鮮
地域に放す予定だ。

北朝鮮人民軍前線中部地区司令官はこれに対し「拡声器のような心理戦の手段
を新たに設置する場合、それをつぶすための直接照準撃破射撃が開始される」
と脅やかした。

(中央日報 2010/05/25)



いつもながら大口を叩く北朝鮮ですが、韓国が今回の事件の報復の
一環として行う、国境地区での拡声器による宣伝放送の再開に対し
拡声器を照準射撃し撃破すると脅しをかけています。

北朝鮮のいつもの手ですが、韓国の出方に脅しをかけて、韓国の対
応策を縛ろうという訳です。ただ、このタイミングで、韓国側が報
復を控える事は政治的にできません。統一地方選挙が近いので、こ
こで報復(注)を延期したり緩和する事は、李明博大統領が漸く打ち
出した対北強行政策が腰砕けである事を示す事になり、世論の離反
を招いてしまいます。

(注)韓国は哨戒艦沈没に関して、以下の7項目の制裁を
行うとしています。
・開城工業団地を除く南北経済協力事業と北朝鮮との交
流を全面的に中断する
・北朝鮮の攻撃への自衛権の発動
・北朝鮮への心理戦を再開
・北朝鮮商船の韓国海域の航行禁止
・韓米の対潜水艦演習
・PSI演習の強化
・国連安保理での協議

一方、野党民主党は、今回の哨戒艦撃沈事件に関して、事件発生以
来、終始、北朝鮮を非難する事を避け、事件発生の責任を李明博政
権の対北政策の誤りを指摘するだけでした。ここへ来て、民軍調査
委員会の結果を受けて、漸く、対北非難の声を上げる様になりまし
たが韓国国民の目からみれば民主党のへたれぶりは全く容認できな
いと言う事になります。

李明博政権とすれば、ここは強攻策をちらつかせていれば、北朝鮮
からの攻撃があっても、民主党との比較で黙っていても、選挙戦の
勝利が得られ、政権基盤を強化できるのですから、弱腰の対応を取
る理由は全くないと言えます。

それでは、北朝鮮は、拡声器に対する報復を行わないのでしょうか?
もし、拡声器に対する照準射撃を行わなければ、今度は、北朝鮮が
実際には、弱腰である事を認める事になってしまい、韓国が、安心
して制裁実施を行える様になってしまいます。そうなっては、折角
細心の注意をはらって実施した哨戒艦撃沈が、薮蛇の結果を招く事
になります。

北朝鮮側は、金正日の威信を守る為にも、弱みを見せられません。
幸い、韓国側のリアクションは予想可能です。攻撃を受けたとして
も、北朝鮮以上にやり返す事は控えるであろう事が予想できます。
つまり、韓国が北側に対して砲撃を返すとしても同程度であると期
待できます。北側からすれば、その程度であれば、国内の体制引き
締めにも有効である上、中国への言い訳や援助の引き出し用に使え
ると考えるかも知れません。現時点に限って言えば、南北双方とも
に砲撃を交換する程度の限定したエスカレーションは好ましいとす
ら言えます。

その様な観点からすれば、今後、南北朝鮮の間で、限定的な砲火の
交換が行われる可能性が大いにあると考えるべきであり、その様な
事態が発生しても、我が国としては、右往左往する事なく、冷静に
対処すべきであろうと思われるのです。


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2010年5月20日木曜日

韓国哨戒艦沈没 中国の非協力で韓国民の恨はどこへ行く

※図は、朝鮮日報Webサイトより転載

哨戒艦沈没:外交通商部の説明に中国大使欠席

哨戒艦「天安」の沈没事件をめぐり、合同調査団による調査結果発表が20日に
予定される中、中国は韓国に対し、さまざまな方法できまりの悪さを表現して
いる。

事件原因が北朝鮮による魚雷攻撃だとの結論を出した韓米が、首脳間の電話会
談やクリントン国務長官の訪韓などで、強固な協調体制を維持していることに
対し、中国が拒否感を表明したと受け止められている。

韓国政府は19日、調査結果を共有してきた米国を除く、中国、日本、ロシア、
英国、フランスなど約30カ国の大使を外交通商部に呼び、事前説明を行う方針
だが、中国の張シン森駐韓大使は欠席を伝えてきたという。

中国は、張大使より格下のケイ海明公使が出席すると外交通商部に伝えてきた
もようだ。張大使本人の判断ではなく、中国政府の考えを反映しているとみら
れる。韓国政府の当局者は「大使の出席が難しければ、公使が出席するのが慣
例だ」と話したが、別の当局者は「張大使に直接調査結果を聞いてもらいたい」
と述べた。

韓国政府は先月30日、韓中首脳会談で事前に調査結果を説明すると中国側に伝
えたが、中国は形式を問題視し、結果通知を拒んだとされる。中国は韓国の玄
仁沢統一相が今月4日、公の席で張大使に「中国政府の責任ある役割が重要だ」
と語った点を挙げ、「完全な非公開形式でなければ、調査結果を聞くことはで
きない」との立場に固執しているという。このほか、中国は外交ルートを通じ、
「北朝鮮による仕業だという確実な証拠はない」「この事件は基本的に南北関
係の問題にすぎない」といった立場を伝えてきたという。

北京の消息筋は「中国がややこしい条件を設け、『天安』の事件調査結果に対
する事前通知を先送りしようとするのは、今回の事件に対する中国の見方と無
関係ではないはずだ」と指摘した。中国は今月15日、韓中外相会談でも、「科
学的かつ客観的調査」を求めるとするこれまでの立場を繰り返すにとどまった。

中国の奇妙な動きは、張大使による17日の国会訪問からも感じ取れた。張大使
は同日、赴任あいさつのため、民主党指導部には会ったが、ハンナラ党は訪ね
なかった。外国大使の就任あいさつは通常、与野党を同時に訪問するか、与党
を先に訪ねるのが慣例だ。張大使は民主党を訪れた席上、「『天安』の事件が
誰の仕業かについては明らかな証拠がないようだ」とも述べた。ハンナラ党は
「正式就任前にあいさつに来るとの打診はあったが、それから特に連絡はない」
と説明した。

在韓中国大使館は、「民主党訪問は、日程の関係で先になっただけだ。ハンナ
ラ党訪問に関しては、特に明らかにすべきことはない」とコメントした。しか
し、中国が意図的に与党を無視し、「天安」事件で立場が似ている野党を先に
訪問したのではないかとの憶測が生じている。

(朝鮮日報 2010/05/20)

日本「天安問題に関して韓国と米国を支持」
中国「客観的な調査が必要」


韓中日3カ国の外相は、15日と16日の二日間にわたり慶州で会談を行い、哨戒
艦「天安」の沈没問題とその対応策について意見を交換した。

天安が北朝鮮の魚雷攻撃によって沈没したという暫定的な結論を下した韓米の
見方に対し、日本は支持と協力の意向を明確にした一方、中国は北朝鮮の関連
性については触れず、3カ国の間で立場の違いがあらわになった。天安問題を
取り巻く各国の立場の違いは、「韓米日VS中国」という形に固まりつつある。

日本の岡田外相は16日の韓日外相会談で、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通
商部長官に対し、「韓国政府は非常に困難な状況の中で、客観的かつ科学的に
調査を行っていることを高く評価したい」と述べたという。これは、外交部の
金英善(キム・ヨンソン)報道官が明らかにした。日本は20日に予定されてい
る事故調査の発表後、北朝鮮に対する韓米の対応策について、経済制裁など日
本の協力が必要な分野があれば、協力を惜しまないとの立場も明確にしたという。

しかし、中国の楊潔チ外相は15日の韓中外相会談で、天安事故に対する哀悼の
意を表しながらも、「科学的かつ客観的な調査を行うことが重要だ」と述べ、
この問題に対する中国の立場を繰り返すにとどまった。また、北朝鮮が関与し
た可能性についても言及しなかった。

(朝鮮日報 2010/05/17)


韓国は、本日、哨戒艦「天安」の沈没原因として北朝鮮の潜水艦
(潜水艇)による魚雷攻撃であった事を公開しました。
この証拠として、
①引き上げられた船体から検出された爆発物を分析した結果、東側
 で広く使用されているRDXという爆薬である事が判明した事。
②現場に残っていた魚雷の残骸が、以前に回収された北朝鮮の訓練
 用魚雷と材質が一致した事。
③底引き漁船が現場から引き上げた魚雷の残骸が発見され、そのス
 クリューシャフトにハングル文字の番号が記載されており、これ
 が訓練魚雷に書かれたそれと同種のものである事がわかった事。
とされています。

李明博政権が、この原因調査を海外の専門家も含めた官民合同調査
委員会にゆだねた事は、原因判断に対する高い透明性を与えたとニ
ューヨークタイムズは評価しています。しかし、過去、北朝鮮から
数度に亘る攻撃やテロを受けている韓国の軍艦が、国境付近で突然
沈没し、状況証拠が十分ある中で、最初は事故として処理しようと
したり、時間がかかる事を承知で、国際的な原因調査チームを組成
した事は、軍事報復のオプションを最初から投げていたと評価でき
ます。その後、46名もの死亡が確認され、その遺族を中心とした
世論が沸騰してきた為、韓国政府も拳を上げざるを得なくなったと
言えます。

李明博政権は、今後、米国や日本と共同で、国連の安全保障理事会
を通じ北朝鮮への追加制裁を行おうとするでしょうが、一番軽い安
保理の議長声明ですら、北朝鮮の同盟国としての立場から振舞おう
としている中国の同意が必要です。しかし、中国が、北朝鮮に対す
る安保理の処置を可能な限り軽いものに留め様としている事は上記
の記事からもほぼ確実であると言えます。

4月に突然行われた金正日の中国訪問が予定より一日早く終了した
事で、中朝交渉の不調の噂もありましたが、金正日は、精力的に中
国諸都市を見学し、改革開放のポーズを取る事で、一番欲しかった
体制の保障を中国が再確認したので、早々と訪問を打ち切ったと考
えるのが正しかった様です。

そう考えれば、北朝鮮が、自国の犯行を認める訳もなく、また、中
国は、韓国の原因調査で北朝鮮の犯行と断定できないと安保理で主
張し続ければ、国連を通じた制裁は骨抜きにならざるを得ません。
米国は、韓国の立場を支持するでしょうが、アフガニスタン安定化
やイラン制裁問題を抱え、更に北朝鮮にまで戦線を広げる事はさけ
たい筈です。

恐らくは、時間だけが過ぎていき、事件は、時の流れの中に風化し、
最終的に北朝鮮を非難する安保理議長声明が気が抜けたタイミング
で行われる程度で、幕引きが行われるのではないかと思われます。
また、李明博政権は、北朝鮮に、G20の邪魔をさせない事を釘を
さす程度で、矛を収めるのかも知れません。最終的に残るのは、攻
撃を受け、大した報復もできずに泣き寝入りとなる韓国民の恨とい
う事になりそうです。


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2010年4月26日月曜日

韓国哨戒艦沈没 魚雷が原因と判っても報復ができない韓国?

哨戒艦沈没:魚雷破片の発見がカギ

金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は25日、沈没原因について、「重魚雷によ
るバブルジェット効果(水中爆発による衝撃波効果)が最も(原因に)近いの
ではないかと思う」と述べ、北朝鮮の重魚雷が「捜査線上」に浮上した。
北朝鮮以外の国による魚雷攻撃は想像できないためだ。また、「天安」の破損
状況からみて、弾頭重量が軽い軽魚雷ではなく、重魚雷が使われた可能性が高
いとみられている。韓国軍によれば、北朝鮮が保有している重魚雷は、魚-3G
型、53-59型、53-56型、ET80-A型の4種類あるという。

消息筋は、北朝鮮の魚雷攻撃が原因との結論が出た場合は、中国製の魚-3G型
魚雷が使われた可能性があると指摘した。同型魚雷は1980年代に中国で開発さ
れたもので、船のスクリュー音、航跡を追跡して攻撃する「受動(パッシブ)
音響魚雷」に分類される。北朝鮮がこの魚雷を使用したとすれば、艦船から出
る磁場を感知して爆発する「近接信管」が搭載されていた可能性が高い。ガス
タービン室下部の船体は最も磁場が強く、その付近で船外爆発が起きたとみら
れるからだ。一部では新型の中国製の対艦魚雷の魚-6型が使用された可能性
も指摘されている。

しかし、音響魚雷を目標に正確に命中させるためには、魚雷を発射した潜水艦
による一定の誘導が必要となるため、北朝鮮のサンオ級潜水艦などの性能から
みて、可能性が低いとの指摘も少なくない。そうなると、発射後に直進する
「直走魚雷」の可能性が高まる。一定の水深で爆発するように設定した直走魚
雷に磁気感応センサーを搭載して発射したとの見方だ。53-59型、53-56型魚
雷は、旧ソ連で開発され、中国や北朝鮮に輸出されたもので、直走魚雷に該当
する。

調査団による次の課題は、状況からみてほぼ確実視される魚雷の物証、つまり
破片を発見することだ。これまで軍は沈没現場から約330点の破片を採集し、
確認作業を進めているが、「天安」の破片がほとんどで、魚雷や機雷の破片は
まだ発見されていないという。

軍当局は24日、「天安」の船体引き揚げ作業が終了したことを受け、25日から
は破片採集を最優先に掲げ、海軍准将の指揮下で作戦を展開している。海軍は
沈没現場の海底を器具で掘り起こすけた網漁船を投入し、破片の採集を進める
ことにした。けた網漁船は長さ40センチの鉤(かぎ)50個を5センチ間隔で取
り付けたけた網を利用し、海底に埋まっている破片を掘り起こす。泥であれば
30センチ、砂であれば10-20センチ下に埋まっている破片も採集できる。海軍
は底引き網漁船も捜索作業に投入する。

(朝鮮日報 2010/04/26)


哨戒艦の沈没原因は、国籍不明の潜水艦から発射された磁気起爆式
長魚雷という見方が強まっています。状況証拠から見て、北朝鮮の
攻撃によるものとほぼ断言できますが、さて韓国は、報復を行う事
ができるでしょうか。

結論を先に述べてしまえば、それは難しいと言わざるを得ません。
それは、沈没原因の証拠として魚雷の一部が、見つかった処で同じ
です。北朝鮮が、使用した魚雷は恐らくは中国製であり、可能性と
言う点では、中国が使用した可能性がゼロではありません。

韓国は、単独で、報復を行う事なく、国連の場に持ち出して多国間
で、北朝鮮を非難するとしていますが、北朝鮮は、自らの関与を否
認している状況では、韓国は、北朝鮮の関与を示す確実な証拠を提
示する必要があります。

国連で安全保障問題を議論する場は、安全保障理事会です。周知の
通り常任理事国五ヶ国が同意しなければ、北朝鮮を非難する議長声
明すら出せません。

中国からすれば、自国産の魚雷の使用をすんなり認めなければなら
ない理由がありません。また、同盟国への制裁に合意する事で、自
国への負担の増加を甘受する理由もありません。中国は、まず確実
に更なる証拠固めの必要を主張し、結論の先送りを狙う筈です。

韓国が本当に報復する必要を感じたのであれば、事件発生後間髪を
入れずに、報復攻撃を行うべきであったし、報復攻撃を行っても、
それをどの国も非難しなかった筈です。韓国国防部は、まず確実に
北朝鮮の攻撃である事を大統領に伝えている事が判っています。韓
国は、理論上、北朝鮮と戦争状態にあり、過去数十年の間、韓国以
外から攻撃を受けた事がなく、両国海軍は過去何度も砲火を交わし
ているからです。

原因が自明であっても、報復を即座に行わないのは、李明博政権に
その気がなかったからに他なりません。その理由は、既に何度か述
べている様に、韓国には、G20のホスト国と言う、事を大きくし
たくない理由があるからです。

亡くなった40名余の水兵には、可哀想ですが、李政権が仇を取っ
てくれる可能性は、限りなくゼロと言わざるをえないのです。


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2010年4月20日火曜日

韓国哨戒艦沈没 対潜装備の見直しを迫られる韓国海軍

※写真は韓国海軍のリンクスヘリコプター。朝鮮日報Webサイトから転載

海軍ヘリ墜落:「事故相次ぐリンクス・ヘリ、部品に問題」
エンジン関連会社が閉業
「ヘリコプター間で部品の使いまわし」


潜水艦の探知を主要任務とする韓国海軍のリンクス・ヘリが相次いで墜落や不
時着の事故を起こしている中、リンクス・ヘリのエンジン部品の調達が正常に
なされておらず、運用に困難をきたしていたことが分かった。軍関係筋は18日、
「リンクス・ヘリのエンジン部品会社が数年前に閉業し、部品調達が難しくな
った。一部ヘリでは、部品を外してほかのヘリの部品として使いまわす“同類
転換”をしていると聞いている」と話した。軍当局は、15日午後に全羅南道珍
島の南東海上で墜落したリンクス・ヘリがこうした問題と関連があるのか、集
中的に調査しているという。

15日の墜落事故に続き、第2艦隊所属のリンクス・ヘリ1機が17日午後10時13分、
西海(黄海)小青島から南22.8キロの海上にレーダーでとらえられた正体不明
の物体を確認するため出動し、韓国型駆逐艦「王建」に戻る途中で海上に不時
着し、乗組員3人が救助された。機体は18日午前7時40分ごろ、救助艦「清海鎮」
によって引き揚げられた。軍関係筋は「17日の事故は、ヘリの飛行高度を表示
する高度計の異常が原因である可能性が高いとみて調査している」と語った。
海軍は相次ぐ事故により、三つの艦隊に配備されているすべてのリンクス・ヘ
リ運用を中断した。

(朝鮮日報 2010/04/20)


泣きっ面に蜂の様な感じですが、哨戒艦の沈没に続き、韓国の対潜
ヘリコプターが連続事故を起こし、問題になっています。

それと同時に、今回の哨戒艦の沈没原因についても、北朝鮮の小型
潜水艦による魚雷攻撃が有力になっており、では、何故、哨戒艦が
潜水艦を探知できなかったという疑問が提起されてきています。

ちなみに、哨戒艦「天安」の沈没後、僚艦「束草」による潜水艦探
査が行われており、一時間後には対潜ヘリコプターによる探査も行
われていますが潜水艦は探知できていません。

元々、無音潜航している潜水艦を発見するのは、非常に難しい上、
今回の沈没事件が発生した場所は、水深が浅く、海岸と島嶼が接近
しており、音響探知が難しいエリアです。

更に、哨戒艦そのものも、船体の大きさに比べ、大砲や対艦、対空
ミサイルと言った砲たん兵器が処狭しと並べられており、潜水艦の
天敵である対潜ヘリコプターは、元々搭載しておりませんでした。
それでも、対潜兵器として、より大型のウルサン級フリゲートと同
様の、三連装短魚雷発射管二基とシグナール社製PHS-32パッシブ・
ソナー、AN/SQS-58ハルソナーを装備していました。

この対潜システムは、韓国国防部が公表した処では、事故当日の白
リョン島付近の海洋環境の場合、ソナーが距離約2キロメートル前
後で潜水艦、半潜水艇、魚雷を探知できる確率は70%だとされて
います。しかし、実際には、探知率は50%ほどにすぎないという
軍関係者の意見もあり、実態は、こちらの方の数字の可能性が高そ
うです。

更に、哨戒艦が沈没した状況は、北朝鮮との海上境界であるNLLに
接近していたものの、特に、戦闘配置は発令されていなかった模様
です。また、ソナーを有効に稼働させる為に、低速航行する事で自
艦の発生騒音を抑制するのが望ましいのですが、その様な対潜戦の
体制をとっていたという情報はなく、ソナーを作動させていたかす
ら疑問が残るのです。

潜水艦への注意も希薄で、対潜装備もそこそこの物であれば、小型
潜水艦が哨戒艦に不意打ちを食らわせる事ができたとしても不思議
ではありません。

韓国の海軍力は、金大中、盧武鉉両大統領によって飛躍的に増強さ
れましたが、対潜戦用の装備は、補給関係の装備と並んで、一番、
増強が遅れている分野です。

それでも、高性能の対潜哨戒機であるP-3Cが8機配備されており、
大型艦艇では、欧州では標準的な対潜装備であるリンクスヘリコプ
ターが搭載されています。

今回連続事故を起こしたリンクスヘリコプターですが、韓国海軍で
は1991年以降、25機が導入され、「広開土大王」級駆逐艦、「忠武
公・李舜臣(イ・スンシン)」駆逐艦、「世宗大王」級イージス艦
と言った、大型の艦艇に搭載されています。導入以降、19年に亘り、
喪失事故はありませんでしたが、ここへ来て連続で事故が発生した
原因として、上記の記事にある通り、一部部品の供給停止によって
とも喰い整備を余儀なくされているという事情があるのかも知れま
せん。(国防部長は、部品供給に問題ないと発言したという報道も
あるが、韓国は従来からとも喰い整備を色々な装備で行っている。)

いずれにしても、今回の事件で、現状の対潜装備では、重装備の哨
戒艦ですら、北朝鮮の小型潜水艦にすら対応できない事が明らかに
なった訳で、且つ、その対潜装備が、哨戒艦とフリゲート艦の標準
装備になっていた事を考えると、今後、韓国海軍は、艦載対潜シス
テムや対潜哨戒機、対潜ヘリコプター、SOSUS網と言った対潜装備
全体の再構築を余儀なくされている様に考えられます。


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2010年4月14日水曜日

韓国哨戒艦沈没 一時的に海面に姿を現した艦尾を見ると


※写真は上は聯合ニュース、下は中央日報Webサイトから転載。

海軍哨戒艦沈没】鉄板が逆V字形に曲がる…切断面から見た沈没の原因

13日に一部のメディアに公開された海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」の艦尾
の切断面は、鋼鉄板が紙切れのように裂けていた。鉄板も逆V字形に曲がって
いた。切断面の上部だ。

切断面の緑色は元士・上士の食堂または機関操縦室に敷かれているウレタンの
床と推定された。下から上がってきた強力な衝撃で甲板が吹き飛び、室内の床
が突き上げられたということだ。

艦尾の上側の切断面が破れたような形になっているのは衝撃が外部からあった
ことを意味する。軍の関係者も「船の下から衝撃があったり(何かが)船内で
食い込んで爆発した場合に生じる現象」と述べた。

内部爆発や疲労破壊の場合はこうした形にならない、というのが専門家らの判
断だ。内部爆発の場合、その爆発力によって切断面がほとんど吹き飛ぶ可能性
が高いからだ。

また疲労破壊なら疲労度が蓄積したところを中心に比較的滑らかに切断される。
暗礁では上部まで切断されない。したがって内部要因ではないということを端
的に表している。

上側の切断面が破れたような形になっているのは衝撃が上部ではなく下部から
あったことを意味する。先月26日に「天安」が沈没した当時、艦艇の下の水
中で爆発があったと推定できる。魚雷や機雷が「天安」の下の水中で爆発した
ということだ。

水中で機雷や魚雷など強力な爆発があれば、「上-下-上」の3回の力が作用
し、艦艇が屈折する。「天安」の下は爆発力が加わって陥没し、相対的にきれ
いに切断されたとみられる。

KAIST(韓国科学技術院)海洋システム工学部のシン・ヨンシク招待教授
は「強力な水中爆発によるバブルジェット効果で破壊されたと考えられる」と
分析した。

(中央日報 2010/04/13)


【海軍哨戒艦沈没】艦尾の上部構造物まで破壊…強力な外部衝撃の反証

17日ぶりに姿を現した海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」の艦尾は予想以上
に損傷がひどかった。12日に民間引き揚げ会社の海上クレーンで引き揚げら
れた「天安」の艦尾は甲板の上部だけが見えた。甲板の上部構造物のうち煙突
とハープーン艦対艦ミサイル2基、魚雷3発がなくなっている。甲板上に固定
された追跡レーダーの一部も落ちている。

艦尾の上部構造の一部が流失したことで、「天安」が疲労破壊や暗礁衝突によ
って沈没した可能性はほとんどなくなった。疲労破壊の場合、鉄板の疲労度が
累積した部位だけが切断される。「天安」が暗礁と衝突したとすれば、艦体の
下の部分が集中的に破損する。艦艇の上部構造物や搭載された装備・武器まで
は影響を与えないということだ。

しかし比較的強く固定された76ミリおよび40ミリの艦砲は損傷がなかった。
艦尾を移動する過程で40ミリの艦砲ははっきりと見え、76ミリ艦砲はしば
らく姿を現し、本来の位置にあることが確認された。これは76ミリおよび
40ミリの艦砲の下に保管されている艦砲弾が爆発しなかったことを意味する。
内部爆発ではないということだ。艦砲弾が爆発すれば甲板が破壊され、甲板上
の艦砲までも落ちる。このため「天安」の沈没原因は外部爆発にほぼ固まった。

艦尾から消えた構造物のうち最も目を引いたのは煙突部分だった。煙突は「天
安」のディーゼルエンジンまたはガスタービンを作動する際に出てくるガスを
排出する装置。この煙突は衝撃当時、相当な損傷を受けたと予想される。「天
安」が沈没した後、軍当局は行方不明者に酸素を供給するために、煙突の後ろ
の亀裂部分から空気を注入したと明らかにしている。しかし水面まで引き揚げ
た時にはその姿が見えなかった。衝撃初期に損傷した煙突部分が、沈没した後、
潮流などによって完全に離れ落ちたと推定される。

軍当局は煙突の破壊の程度からみて、外部衝撃が煙突の下にあるガスタービン
室に加わったと考えている。外部衝撃がガスタービン室の底に加わりながら艦
体を切断し、隣接する煙突にまで影響を与えたという推定だ。この衝撃は「天
安」の下の水中で発生したと解釈される。

「天安」のハープーンミサイル4基のうち2基がなくなっている点も注目され
る。ハープーンミサイルは煙突と追跡レーダーの間に2基、追跡レーダーと
40ミリ艦砲の間に2基が装着されていた。このうち煙突側の2基がなくなっ
ている。

軍当局はハープーンミサイル2基とともに海中に落ちた魚雷3発の回収に入っ
ている。海軍の関係者は「ハープーンミサイルや魚雷は電気激発によって雷管
が作動しなければ爆発しない」と説明した。

(中央日報 2010/04/13)


沈没から今まで、海底での沈没艦の様子は、ダイバーの談話しかな
く、その中で、疲労破壊説を示唆する様なものもあったのですが、
昨日、海底での位置を変更する為に、問題の艦尾部が一時的に海面
上に姿を現した事で、ますます、魚雷や機雷による外部爆発が原因
である可能性が強くなりました。

艦尾には、大きな構造物として煙突と艦尾構造物があり、そこには
大砲や機関砲、ミサイル、魚雷等が設置されていましたが、爆発に
よって、煙突の他、三連装短魚雷発射機一基と、連装対艦ミサイル
一基が脱落していました。その一方で、左舷側の構造物には、凹み
が発生していましたが、レーダー以外の装置は、ほぼ原型を留めて
おり、艦内爆発の場合、その原因と考えられていた弾薬庫の爆発や
搭載魚雷やミサイルの爆発等は、発生していない事が確実になりま
した。

また、艦尾構造の破壊の具合から、逆V字型破断している事が明ら
かになりましたが、「天安」は爆発発生時、ガスタービン主機は、
動かしておらず、ディーゼルエンジンによる巡航状態であった事が
判っていますので、主機爆発説は、成り立たず、これによって、内
部爆発説はほぼ可能性がなくなりました。

ちなみに疲労破壊説についても、上部甲板や構造物の破断面が、引
きちぎられている状態である事から、成立しない事が明白になって
います。

韓国は、これから4ヶ国の百人に及ぶ専門家からなる事故原因調査
を行うとしていますが、原因について、機雷または、魚雷の爆発に
よるものである可能性が極めて高くなっている処から、この事故原
因調査団に対する要求レベルが高くなる事(例えば、爆発した爆発
物や弾薬の特定や出所の特定等)が予想されます。海外からの大規
模な調査団を組成する事は、客観的な調査を行うという命題からす
れば有効でしょうが、調査結果を早期に得るという観点からは必ず
しも適当ではありません。

産経新聞でも指摘されていましたが、ラングーン事件や大韓航空機
爆破事件でも、韓国政府は、北朝鮮に報復を行った事はありません。
それに加え、当ブログでも指摘しましたが、李政権には、G20首脳
会議を11月に主催するという政権の晴れ舞台が待っています。その
様な観点から見れば、大規模な事故原因調査団による調査自体が、
事件の風化を狙った時間稼ぎの一環である可能性は高いものと言わ
ざるを得ないのです


'''環球閑話日々の徒然まとめサイト'''
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2010年4月12日月曜日

韓国哨戒艦沈没 爆発威力はTNT火薬260キロ相当



※図表は朝鮮日報Webサイトから転載

哨戒艦沈没:220キロ離れた地点でも音波観測

先月26日夜に起きた韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没当時、地震波のほか、空中
を伝わる音波が京畿道金浦、江原道鉄原でそれぞれ観測され、爆発の威力がTNT
爆薬換算で260キログラムに達していたことが11日までに明らかになった。こ
れは、当初ペンニョン島で観測された地震波を基準に推定された数値(同170
~180キログラム)を44%上回る数値だ。

韓国地質資源研究院によると、沈没地点から177キロ離れた京畿道金浦観測所
で、26日午後9時30分41秒に5.418ヘルツ、220キロ離れた江原道鉄原観測所で、
同日午後9時32分53秒に2.532ヘルツの音波がそれぞれ観測され、当時強力な外
部爆発があったことを示している。これに先立ち、地震波が観測された1秒後
の午後9時21分59秒にペンニョン島観測所で6.575ヘルツの音波が観測されていた。
音波は1.1秒間隔で2回観測され、「短い時間に爆発音が2回聞こえた」という
生存者の証言とも一致する。

同研究院によると、地震波(マグニチュード1.5)から計算した爆発力はTNT爆
薬換算で180キログラム、機雷または魚雷が水深10メートルで爆発したと仮定
し、音波の規模で計算した爆発力は同260キログラムに相当するとの分析を5時
間後に軍などに伝えたという。また、水深が深いほど、外部に伝わる爆発力は
弱まるため、魚雷や機雷が水深20メートルで爆発した場合の爆発力は同710キ
ログラムに達する。

同研究院の関係者は「音波は人間に聴こえる範囲外の低周波だった。地震波は
さまざまな地質の場所を通じて伝わるが、音波はそうではないため、音波を基
準にした推定値が正確なはずだ」と説明した。

軍の専門家は推定値に基づき、仮に魚雷攻撃だった場合、軽魚雷よりも弾頭が
大きい重魚雷だったと推定している。重魚雷は「天安」のような1200トン級の
艦船だけでなく、7000トン級の艦船も1発で破壊できる。北朝鮮の半潜水艇に
搭載されている軽魚雷は弾頭重量が約50キログラムにすぎない。一方、サンオ
級小型潜水艦(300トン級)に搭載できる口径533ミリ重魚雷は弾頭重量が最大
300キロに達する。発射された後、目標に向かって直進する北朝鮮の直走魚雷
の弾頭重量は150-300キログラムとされる。

こうした点から韓国軍当局は、北朝鮮による攻撃だとすれば、水深30メートル
でも作戦遂行が可能なサンオ級小型潜水艦が使われた可能性が大きいと判断し
ているという。

一部専門家は、北朝鮮が核兵器やミサイルだけでなく、潜水艇、魚雷など水中
兵器でも緊密な協力関係にあるイランから新型魚雷を導入した可能性を指摘す
る。イランは2006年にロケット推進方式を採用し、普通の魚雷よりも3-4倍速
い超空洞現象魚雷「フート」を開発し、北朝鮮と共同でユーゴ級潜水艇の改良
型とみられる「カーディル」を配備している。

(朝鮮日報 2010/04/12)


現在のサルベージ作業の状況では、艦尾の引き上げは、今月17日~
18日になる見込みで、その上で、国際的な原因究明委員会を開く事
になるので、結論が出るのは、まだまだ先になりそうです。

当ブログは、今回の事件の原因は、北朝鮮による、機雷または魚雷
を用いた攻撃であると考えていますが、それを裏付ける事実が、ま
た一つ判明しました。

従来から、沈没の原因となった爆発の発生と同時に地震波が観測さ
れたという発表されていましたが、それに加えて、爆発音も観測さ
れており、その分析によって、爆発力が推定されました。
その結果は、TNT火薬換算で260キロとされ、地震波分析による同180
キロと比べて大きく、魚雷、機雷のいずれであっても、その上限に
近いという結論になっています。

また、魚雷の場合は、弾頭重量から短魚雷ではなく、533mm長魚雷
である可能性が高くなりました。なお、沈没現場は、水深が20m余
と浅い為、通常の潜水艦が行動するには不適当な場所ですが、北朝
鮮のサンオ級小型潜水艦は、行動が可能であり、且つ、長魚雷を搭
載する事が出来ます。


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2010年4月5日月曜日

韓国哨戒艦沈没 魚雷攻撃の可能性高まる。

哨戒艦沈没:高まる魚雷攻撃の可能性
北朝鮮、機雷を意図的に設置?


哨戒艦「天安」沈没の原因は、「外部からの衝撃」で固まりつつあり、またそ
の衝撃についても、地震波の大きさから見て、魚雷や機雷、爆雷など強力な爆
発物によるものと推定されている。金泰栄(キム・テヨン)国防長官による今
月2日の国会答弁で明らかになったように、韓国軍当局は機雷・爆雷よりは魚
雷の可能性を大きくみている。

■魚雷・機雷・爆雷、どう違うのか

魚雷・機雷・爆雷は、いずれも海の中で爆発する。少々乱暴に例えるならば、
魚雷はミサイル、機雷は地雷、爆雷は爆弾に該当する。魚雷と機雷は水の中で
水中の敵を狙い、爆雷は艦艇や航空機など水の上から水中の敵を狙う。魚雷は、
通常はスクリューなどを使って時速60-70キロ以上の高速で走り、数百メート
ル-数キロ離れた目標物を攻撃する。魚雷は、音を探知して攻撃する。敵艦艇
のスクリュー音を聞いて攻撃する受動型(パッシブ)ホーミング魚雷と、艦艇
に向け音を出し、その反響を追っていく能動型(アクティブ)魚雷、誘導され
ずに真っすぐ直進していく無誘導魚雷などがある。

これに対し機雷は、通常は推進装置を持たず、静かに水上を漂って艦艇と衝突
したり、または水中・海底に沈み、敵艦艇の音(スクリュー)、磁場・圧力の
変動によって動き出し、攻撃する。このため、射程距離は魚雷に比べはるかに
短い。爆雷は、魚雷・機雷に比べ、攻撃の方式や対象が制限される。水上艦艇
や航空機から落とされた後、水中数十-数百メートルの深さで、水圧によって
爆発する。

■軍はなぜ魚雷の可能性を大きくみるのか

韓国軍当局は、機雷や爆雷の可能性は低いとみている。まず、天安の船尾に積
まれていた爆雷の場合、爆発しても、船が中央から真っ二つになる結果にはな
り得ない。事故当時、天安の上空や海岸に疑わしい攻撃主体はいなかった、と
いう点から、外部の爆雷の可能性もない。

機雷は、流れてきて偶然天安にぶつかったケースと、天安を狙って設置したケ
ースという二つの可能性を推定できる。まず、韓国側が事件のあった水域に機
雷を設置したことはない、というのが韓国軍当局の説明だ。1950年の6・25戦
争(朝鮮戦争)当時に設置された機雷が海を60年間漂い、天安を真っ二つにし
た可能性は、言及する価値すらない。また1975年ごろ、ペンニョン島一帯に敵
の上陸を防ぐため機雷を設置したことがあったが、金泰栄国防長官は2日の国
会答弁で「電気式雷管が完全に除去された状態で、爆発の可能性はない」と語
った。北朝鮮の機雷が偶然流れてくることも、潮流の方向が南北逆さまなので、
可能性は薄いと分析されている。

北朝鮮や仮想の敵が天安を狙って意図的に機雷を設置した可能性もまた、あま
りにも「偶然に偶然を期待する作戦」であって、確率は小さいと分析されてい
る。天安が沈没した場所は、「天安がこれまで15回通ったことがある」という
程度で、それほど頻繁に行き来していた場所ではなく、むしろ一般漁船の通行
の方が多い。漁船を避け天安だけを狙おうとすれば、天安特有のスクリュー音
にだけ反応するようにした音響感応型機雷が必要だが、北朝鮮がそれほどの先
端情報や技術を持っているかについて、情報当局は懐疑的だ。

このため韓国軍当局は、魚雷攻撃の可能性が大きいと見ているわけだ。北朝鮮
が魚雷攻撃を行ったなら、アクティブ型・パッシブ型ホーミング魚雷などのう
ち、どれを使ったのか、魚雷攻撃を行ったのは小型潜水艦・潜水艇・半潜水艇
のうちどれなのか-といった点は、現段階では断定できない。ある消息通が伝
えたところによると、攻撃の正確さを向上させるため、魚雷発射直後は潜水艇
などから誘導し、目標物に2-3キロまで接近した後は、魚雷自体のソナー(音
響探知装置)を稼働させ攻撃した可能性が大きいという。

事件現場で魚雷の破片が回収されたとしても、攻撃手段の確認はまた別の次元
の問題だ。

韓国政府や軍当局は、「先月24日から27日にかけ、北朝鮮の潜水艇2隻が“行
方不明”になっていたが、今回の事件との直接的な関連性はまだ確認されてい
ない」という立場だ。

(朝鮮日報 2010/04/05)


一時、船体切断面がきれいな直線になっているという潜水士の話を
元に、老朽化による疲労破壊の可能性が高いとする説がありました
が、実際には切断面が、直線ではなくC字型になっていた事もあっ
て、急速にこの説を押す声は少なくなってきています。

実際、疲労破壊を起こした例として上げられるタンカーの例では、
船体延長工事の際に、溶接に不手際があった部分が、船首が波に乗
上げ浮力が増加した際に、切断しています。事故後の調査で、延長
工事の際、納期に迫られ雇用した臨時工主体の溶接が、全く基準を
満たしていなかった事が判っています。そして、それでも、そのタ
ンカーは工事後、13年たって、著しく悪化した海象に遭遇した結
果、船首切断事故に至ったのです。

今回、哨戒艦沈没事故が発生した状況は、波高4mと伝えられてい
ます。この波高は韓国海軍が認めた活動限界に近いのですが、厳し
くはあっても非常に危険な気象条件ではありませんでした。また、
破断した部位は、煙突の後部であり、これも、サギング(船体前後
が大きな波の山で支えられた状態)やボギング(船体中央が、波の山
に持ち上げられ他の支えがない状態)が発生した時しか考えられな
い部分です。しかし、沈没箇所の水深が40mと伝えられている処か
ら、その様な浅海で、太平洋で発生する様な疲労破壊を起こす大き
な三角波が発生するとは考えにくいのです。

哨戒艦の生存者の話では、爆発と思われる衝撃の後、下から10cm~
15cm程突き上げられたと言い、これは、通常の疲労破壊時の状況と
は異なる事が明らかです。

従って、残る可能性は外部衝撃説しかありえず、外部衝撃の原因と
しては、それが魚雷によるものであっても、機雷によるものであっ
ても北朝鮮の関与を疑わざるを得ないのです。

前回のエントリーでも述べていますが、韓国でも、外部衝撃説が有
力になっているにも拘わらず、マスコミや悪名高いネチズンの非難
の矛先は、あろう事か、適切な哨戒艦の救助が行えなかったとして、
被害者である海軍に向いており、加害者である北朝鮮を非難するも
のが誰もいないという状況です。特に、ネチズンの間では、左翼特
有の陰謀論が有力な意見となっており、それが、また、野党民主党
の北朝鮮擁護の主張と一致し、更に、それが、G20を前に事を荒
立てたくない李明博政権の姿勢とも一致するという誠に奇妙な構図
になっているのです。

現状を率直に評価すれば、哨戒艦「天安」の亡くなった将兵と家族
には、誠に申し訳ないのですが、「死に損」という表現が一番適当
である様に思われます。もし、このまま、韓国が北朝鮮に対し、な
んらの行動を起こさないのであれば、韓国海軍は、その士気に大き
な禍根を残す事になるのではと、他人事ながら気になってしまいま
した。


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2010年4月2日金曜日

韓国哨戒艦沈没 北の攻撃よりG20開催を優先する李明博政権

哨戒艦沈没:李大統領「政治的に利用してはならない」
北朝鮮による攻撃説に対し「現在のところ、証拠はない」


李明博(イ・ミョンバク)大統領は、1日午前に開いた非常経済対策会議と、
南米地域へ派遣された与党ハンナラ党の特別視察団との昼食会の席上で、韓国
海軍の哨戒艦「天安」の沈没事故についての心境を述べた。

李大統領はまず、事故の原因に関し、メディアやインターネット上でさまざま
な推測が出ていることに対し、かなり困惑した様子で「望ましくない、危険な
兆候だ。絶対に(今回の事故を)政治的に利用してはならない。6カ国協議の
当事国として、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国として、責任ある
行動が求められている。国内的な発想だけで行動してはならない。少しでも疑
惑が浮上したり、隙を見せたりしてはいけない。そうしてこそ、国際社会から
信頼を得ることができる。最終的な結論が出るまでは、冷静に待ち続けるべき
だ。それが、国を愛する心というものだ」と述べた。

その上で李大統領は、今回の事故が「北朝鮮による攻撃」だとするうわさが広
まっていることについて、「北朝鮮の攻撃だった可能性も排除していないが、
現在のところ証拠は見つかっていない」と説明した。李大統領は「艦艇には
(事故の当日)特に異常はなかったという。あらゆる可能性があると思うが、
北朝鮮が介入したという証拠はまだ見つかっていない。西海(黄海)で交戦が
ぼっ発したときは、北朝鮮側の動きを示す情報(内部の通信記録や交信など)
がもたらされたが、今回はそうした情報はなかった」と述べた。

大統領府のある幹部は、「今回の事故について、政府が慎重な姿勢を見せてい
るため、一部では“北朝鮮による介入の可能性を意図的に低減しようとしてい
るのではないか”という誤解が生じている。北朝鮮による介入の事実が明らか
になれば、むしろ(今回の事故に関する)政府の姿勢はよりはっきりしたもの
になるところだが、慎重な姿勢を見せるということは、まだ証拠がないという
ことを示すものだ」と語った。

一方、李大統領は、事故の原因を解明するには相当な時間を要するだろう、と
いう見解を示した。李大統領はこの日、オバマ米大統領との電話会談で、「ま
だ原因は明らかになっていない。(事故原因の解明には)高度な技術が必要だ。
結論を出すまでには時間がかかると思う」と述べたという。

(朝鮮日報 2010/04/02)


李政権が、今回の哨戒艦沈没事件に関して、早い段階で、北朝鮮原
因説を抑えこもうとしたのが、どういう理由によるものなのか良く
理解できなかったのですが、この記事を読んで漸く理解する事が出
来ました。

上の記事の中で、李明博大統領は、「六ヶ国協議の当事国として、
主要20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国として、責任ある行動
が求められている」と述べていますが、そこには、予定調和を乱さ
れた困惑は感じられても、指揮下の部下50名を殺された韓国軍最高
指揮官の決意や原因究明に対する強い意思を見る事は出来ません。

つまり、李明博大統領の目下の主要関心事は、今年11月に韓国で行
われる予定のG20首脳会議を議長国として主催する事であって、
それを危うくする様な事態が発生する事は、あってはならないと考
えているとしか判断できないのです。

確かに、韓国は、世界の主要国として遇される事に熱望とも言える
願望があります。それは、少しでも、韓国の新聞を継続して読んで
いれば明らかです。世界ランキングに対する異常な関心は、普通の
日本人を辟易させますが、それも、歴史的に属国の地位に甘んじて
いた期間が長かった事の反動と思えば理解できます。そして、ウォ
ン安のお陰とは言え、他の主要国と比べ、リーマンショックを比較
的短期間で克服出来た事を誇る気持ちも納得できます。その実績を
基に、議長国としてG20を主催する事が、李明博大統領にとって
一生で一度の晴舞台である事も充分に理解できます。

ここで、韓国と北朝鮮の緊張関係がエスカレートすれば、G20の
開催場所が変更されてしまうかも知れないと李明博大統領が恐れる
のも分からない訳ではありません。李明博大統領のみならずG20
を主催する事は、韓国国民全体にとっても、悲願の実現に他ならな
いのかも知れません。

それにしても、自国の軍艦が撃沈され、50名近い死者が出ているに
も拘わらず、G20を主催する為に、敢えて北朝鮮関与の可能性を
軽視し、目を瞑ろうとするのは、為政者としては、致命的な失態で
はないかと思わざるを得ないのです。目前の危機から目を背ける事
で危機がなくなる訳ではありません。それは「駝鳥の平和」に過ぎ
ません。この事件に北朝鮮が関与しているかどうかは別にしても、
北朝鮮にしてみれば、G20首脳会議が終わるまで、韓国は、北朝
鮮が何をしても絶対にエスカレートは回避する事がこの事件のお陰
で判ってしまいました。ある意味、この一年は北朝鮮にとって、絶
好の収穫機会と言う事になります。

歴代の韓国の為政者は、面子や体面、大義名分を実質より重視する
事で、亡国の憂き目にあった事が少なからずあったと思いますが、
韓国が今回もその轍を踏むのではないかと懸念する処です。


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2010年3月31日水曜日

韓国哨戒艦沈没事件 マスコミは「不都合な真実」に目をつぶるな!


※図は朝鮮日報より転載

【社説】天安沈没に対し決断の姿勢を

(前略)

今回の問題で当面の課題は二つだ。まず一つは、最後まで生存者を救出する作
業を続けること。二つ目は、沈没原因を徹底して明らかにし、それに応じた対
策に乗り出すことだ。国家としての大韓民国の地位は、この二つを最後までし
っかりとできるかどうかに懸かっている。国を守る任務に就いていた将兵たち
の生死を把握して救助することや、1200トン級の大型艦が目の前で真っ二つに
割れた原因を明らかにすることができないようでは、国際社会で大韓民国は尊
敬を受けることができなくなるだろう。

金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は29日に国会で、「政府は今回の事故に北
朝鮮が介入した可能性がないと言ったことはない。あらゆる可能性について調
べ、検討した上で結論を出したい」と発言した。与野党の議員らは、「天安号
沈没当日に大統領府はなぜ、“北朝鮮が介入した可能性は低い”と断定したの
か」「政府は海軍による事故直後の対応がしっかり行われたと説明できるのか」
などと追及した。

政府は今後、天安号が沈没した原因が明らかになった場合、国の内外に対して
取るべき行動について、徹底した準備を行わねばならない。事故の対策につい
ては、時には大韓民国と大韓民国の国民全体に対して、大きな決断を求める可
能性もある。大韓民国は天安号沈没についての真実が明らかになった瞬間、直
ちに確固とした決断を下し、行動する準備をしなければならない。政府と軍に
よる対応の問題点に関しては、今後も徹底して追及する機会はいくらでもある。

(朝鮮日報 2010/03/31)


韓国では、引き続き、沈没した哨戒艦の捜索や事件の原因の追求が
行われていますが、上の朝鮮日報社説に見る様に、事件発生当初の
段階で大統領府が北朝鮮の関与の可能性を排除した事に対する疑問
が提起されてきました。大統領府も、北朝鮮関与の可能性を排除し
ていない事を明言せざるを得なくなっています。

これは、哨戒艦沈没の状況についての生存者の証言から、内部爆発
説がほぼ排除され、外部からの衝撃説が有力になってきている事に
よるものです。外部からの衝撃が自然に発生する訳はなく、当然な
がらNLLに近接した沈没地点から見て、北朝鮮の関与が一番高い原
因となるのは明らかと言えます。

今や批判の矢面に立ちつつある韓国の李明博政権と同様、今回の事
件については、米国も及び腰の態度が目立っていますし、日本の鳩
山政権は事故である事を前提とした様な、状況に対して極めて鈍感
な姿勢に終始しています。

また、脳天気な民主党政権同様、日本のマスコミも、事件の発生は
報道したものの、最初から事故という認識であった為か、その後の
経過に関しては極めて冷淡な姿勢に終始していますが、これは、報
道をしない事で、北朝鮮に協力しているとすら言えるのです。

月曜日での、エントリーでも述べましたが、この事件は、韓国の有
力な哨戒艦(1200㌧のミサイルコルベット艦)が、突然爆沈すると言
う衝撃的な事件であり、死者・行方不明者も46名に達しています。
北朝鮮による攻撃の結果である事が明らかになった場合、韓国世論
の動向によっては、李政権は北朝鮮に対して強硬な姿勢を取らざる
をえず、北朝鮮がそれに武力で答える可能性がある事は容易に想像
出来ます。

そうであるだけに、事故であるという明白な証拠がないにも拘わら
ず、理論上は戦争状態にある隣国で起きた軍艦の爆沈という事実に
対して、意図的、非意図的に拘わらず、ここまで無視してかかるの
は、自国の安全保障に関してあまりに無関心に過ぎると思われてな
らないのです。

この事件の原因が、私の想像している様に北朝鮮の攻撃によるもの
であった場合、普天間基地機能の県外移転など、もっての他という
事になります。朝鮮戦争で米国率いる国連軍と戦ったのは、中国、
北朝鮮であった事は、決して忘れてはならないのであり、現在、極
東で、この両国に軍事的に対峙しているのは米軍に他なりません。

この様な、日本を取り巻く安全保障環境の大きな変化に対して、無
視していれば足りるとする日本のマスコミの態度は、危険に当たっ
て地面に頭を突っ込む事で、安全を確保できたとする「駝鳥の平和」
を意図している事に他なりません。いくら状況が、民主党政権やマ
スコミにとって「不都合な真実」を示していても、これを無視する
事は、国民の安全に対する関心と言う最低限のニーズすら満足する
事が出来ない事を暴露していると言わざるを得ないのです。


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2010年3月29日月曜日

韓国コルベット艦沈没事件 あえて北朝鮮主犯説を唱える

※ポハン(浦項)級コルベット globalsecurity.orgより転載

哨戒艦、爆発で二つに=船尾の位置確認急ぐ-韓国

韓国軍合同参謀本部当局者は28日、同国が黄海上の軍事境界線と位置付ける
北方限界線(NLL)の南側海域で沈没した海軍の哨戒艦「天安」(1200
トン級)が、直前の爆発で船体が二つに割れたことを明らかにした。船尾部分
はそのまま沈んだが、船首部分は潮で流されているという。
爆発の原因は不明だが、韓国政府は北朝鮮の関与よりも、何らかの事故に遭っ
た可能性が高いとみている。

聯合ニュースによると、船首部分は沈没地点から南東方向に約7キロ流されて
おり、転覆した船体の一部が海上に出ている。しかし、行方不明者46人の多
くが取り残されているとみられる船尾部分は発見できていない。
海軍潜水部隊が同日、周辺海域で捜索を試みたが、潮の流れが速く、本格的な
活動ができなかった。今後、海中の物体を探知できる掃海艦を投入するなどし、
位置確認を急ぐ。

(時事通信 2010/03/28)


今回、沈没したのはポハン(浦項)級コルベット14番艦PCC-772
「チョナン(天安)」です。1200㌧の小さな船体に、オットー・メ
ララ 76mm単装速射砲二門、同じくオットー・メララ 70口径40mm連
装機関砲「コンパクト」二基。ハープーン対艦ミサイル4基。ミス
トラル対空ミサイル単装発射機一基。三連装短魚雷発射機二基。と
いう日本の大型護衛艦にも匹敵する重武装の艦です。また、電子兵
装、やソナーも相応に装備しています。その艦が、哨戒中に乗員の
半数近い46名と共に爆沈したというのです。

流石に、韓国では大きく取り上げられていますが、日本では、隣国
の軍艦が一隻爆沈したのに、マスコミは通り一遍の報道しかありま
せん。その上、この事件について、韓国でも、日本でも、驚く程、
北朝鮮関与説を避けています。本当にそれで良いのでしょうか?
私は北朝鮮が今回の爆沈事件に関与した可能性は、意外に高いので
はないかと考えています。

今の処、原因については、各種の推測が出ている状態です。本日の
報道では、乗組員の約半数と共に、艦首部より先に沈没していた爆
発の起こった艦尾部の所在が確認されたそうです。艦の内部で爆発
があったのか、外部で爆発があったのかは、艦尾部を調査すれば、
判明する筈です。(当然の事ですが、内部爆発の場合は、船体の穴
は、内側から外側にあきますが、外部爆発の場合は、穴は内側に向
かって空くことになります。)

過去、日本海軍も含め軍艦が戦闘によらず停泊中に爆沈した事例は
数多くあります。有名な処では、米西戦争の原因になった、メイン
号事件、日本海海戦後に爆沈した戦艦三笠。太平洋戦争前には当時
の第一級戦艦であった河内が沈没していますし、太平洋戦争中には、
謎の爆沈を起こした戦艦陸奥の例もあります。これらは、古いもの
は、搭載火薬の自然発火が原因とされています。また河内や陸奥の
例では、乗組員による自殺覚悟のサポタージュを原因とする見方が
あります。

第二次大戦後は、爆薬の安定性の改善の管理手法の改善があり、謎
の爆沈事件は世界的に少なくなっています。通常の航行中の爆沈事
件は、衝突に伴なうもの以外では、ロシア原潜クルスクの爆沈事故
程度しか思いつきません。特に、水上戦闘艦については、第二次大
戦以降ダメージコントロールが飛躍的に改善されていますので、平
時の沈没騒ぎは、本当に聞かなくなっています。

そこで出てくるのが、外部要因説です。韓国は理論的には北朝鮮と
戦争状態にあります。今は戦闘を一時停止しているに過ぎないので
す。北朝鮮が、仕掛けてきたとしても全くおかしくはありません。
ですから、北朝鮮による雷撃あるいは、あるいは、北朝鮮が敷設し
た機雷によるものと考えても不自然ではないと思われます。

雷撃の場合は、北朝鮮の魚雷艇あるいは、潜水艦が発射プラットホ
ームと考えられます。北朝鮮は、その両方を保有しています。
ただ、今回事件があった場所は、水深が20~30mと浅いので、潜水艦
の活動には不適です。魚雷艇の場合は、コルベット艦「天安」の対
水上レーダーで容易に探知可能であった筈ですので、これも対象か
ら外れます。

残った原因は、機雷によるものです。日本海海戦で、日露双方は、
旅順港閉塞戦の中で、機雷を積極的に使用しており、特に相手側の
進出経路を予想して機雷敷設を行い成果を上げました。この結果、
日本は、初瀬、八雲の二戦艦を失い、ロシア側も、高名なマカロフ
提督座乗の戦艦ペトロパブロフスクを失っています。

今回の事件で、韓国側コルベット艦がダメージコントロールが出来
ずに沈没した事で明らかになった様に、今まで、南北の衝突が、小
型艦艇同士の戦いに終始していた事もあり、韓国側の、コルベット
艦による哨戒は、ルーチンワークとなっており、その進路を北朝鮮
に容易に推測できるものとなっていた可能性があります。

その場合は、予想進路に事前に機雷を敷設する事は、何の問題もあ
りません。100年前の海軍が出来た事を北朝鮮が、今、やれない訳
がないのです。

それでは、北朝鮮が、食料危機の中で、何故、韓国艦を攻撃せねば
ならなかったのでしょうか?私は、2009年11月12日のエントリー
「南北海上衝突 北は面子を守る為に報復攻撃を行う 」
http://ysaki777.iza.ne.jp/blog/folder/23378/
の中で、以下の様に述べています。

『今回の衝突は、第一次延坪海戦と比べても小規模なものですが、
この反応では、第四次延坪海戦は必至と言える様に思います。但し、
そうは言っても、北朝鮮は、政治が優先するお国振りですから、韓
国側に報復しても南北関係でも国際的にも影響がない時期を選ぶも
のと思われます。前回は二年間、報復の時期を待っています。その
様に考えれば、北朝鮮の韓国への報復は、ここ数年の内に、南北の
緊張が緩和している状態の中で、偶発的衝突に見える様な形で行わ
れると思われます。』

今回の事件は、正しく、この条件を満たすものであると考える次第
です。

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2010年3月4日木曜日

老朽機をとも喰い整備する韓国空軍

※朝鮮日報Webサイトから転載

韓国軍:F5戦闘機は「事故常連機種」
今回の事故原因いまだ不明


2日、一度に2機が墜落した韓国空軍F5戦闘機は、2000年以降だけでも7回事故
を起こしている「事故常連機種」だ。
今回の事故の原因が天候悪化による空中衝突なのか、操縦士の過失なのか、機
体の欠陥によるものなのかはまだ不明だが、事故機はいずれも20-30年以上経
過した古い機種ということで、注目を集めている。事故機のうち、F5E(定員
一人)は1975年に米国から導入されたもので、KF5F(定員二人)は韓国で組み
立て生産、84年に導入されたため、それぞれ35年と26年経過した戦闘機という
ことになる。通常、戦闘機は30年で引退時期と考えられているため、1機はそ
の年数を既に越え、もう1機も間もなく引退しなければならない時期を迎えて
いた。

その上、F5戦闘機2機が空中衝突または同時に墜落するケースもこれまで何回
かあった。2008年11月にF5E戦闘機2機が京畿道抱川市で訓練中、空中で衝突・
墜落。04年3月には西海(黄海)・泰安半島海上で空軍第10戦闘飛行団所属の
F5E戦闘機2機が衝突している。

それより前の03年9月には、忠清北道で空軍第8戦闘飛行団所属のF5E戦闘機2機
が訓練中、突然の天候悪化で山に墜落、操縦士二人が死亡しており、今回の事
故と状況がよく似ている。94年から05年までの11年間に墜落した戦闘機のうち、
F5戦闘機は12件と最も多く、操縦士10人が命を失っている。2日の事故では操
縦士3人が殉職、その中の一人である飛行隊隊長のオ中佐は、空軍士官学校を
首席で卒業したエリートだった。

(朝鮮日報 2010/03/03)


韓国ネチズンの2ちゃんねる攻撃のブーメラン効果の煽りを喰らっ
て墜落したという噂が流れたF-5戦闘機の墜落事故ですが、内容を
よく見ると、韓国軍の派手な正面装備の整備の影で、かなり深刻な
問題が潜んでいる様です。

私は以前から、韓国は、本来は不要と思われる程の、強力な海軍力
を整備する事で、北朝鮮との関係では、本来、整備を必要としてい
る対砲レーダー装備等が疎かになっている事を指摘してきましたが、
今回、事故を起こしたF-5戦闘機も、そういった本来整備しなけれ
ばいけなかったものの一つである様です。

記事でも指摘されていますが、このF-5E/F戦闘機は、2000年以降、
今回も含め、7回墜落事故を起こしており、合計11機が失われてい
ます。韓国はF-5E/Fを輸入または、韓国内でライセンス生産してい
ますが、今回墜落した機体は、各々、製造されてから、35年、26年
が経過しています。飛行機についても耐用年数はありますが、きち
んと整備さえされていれば、製造されてからの年数は関係がないと
いう意見がある反面で、問題の戦闘機の場合は、地上支援を主要目
的としながらも、戦闘機として高G機動をともなう訓練を日常的に
行っている事から、経年劣化が激しいとの意見もあるようです。

ただ、1986年の取得完了から年数がたっており、地上支援目的で、
後継機であるF-15KやF/A-50の導入計画が始まっている事もあって、
既にとも喰い整備に入っていたという指摘があります。その回数も、
同じ朝鮮日報の3/4付社説によれば、2006年だけで1260件に達して
いるようです。本来は、退役までは戦力を維持する為必要があるの
で、機体整備用の部品も整えておく必要があるのですが、正面装備
に優先的にお金をまわす必要から、整備用部品の確保ができず、古
い機種についてはとも喰い整備が行われている訳です。部品を提供
した機体は当然の事ながら飛行できなくなりますから、稼働率は低
下する事になります。

F-5E/F以前に導入された、F-4D/Eについても整備に関する状況は同
じであろう事を考えると、460機に及ぶ、韓国空軍の戦闘機の内、
半数以上に当たる250機(F-5E/F 170機、F-4D/E 80機)が、とも喰い
整備の結果、稼働率が大幅に減少している可能性がある事になります。

この両機種は、北朝鮮の砲兵戦力を迅速に精密攻撃するのを主要任
務としています。停戦ラインに配備された、北朝鮮人民軍の長距離
砲の射程内にあるソウル防衛の為には、この北朝鮮砲兵戦力の破壊
が非常に重要である点からも、両機種の稼働率低下は大きな問題で
あると言えます。

これを、韓国のF-5と導入時期が近いF-1支援戦闘機が既に全て退役
し、機種更新が完了しており、F-4についても後継機種の機種選定
こそ難航しているものの、F-4E自体の近代化改装は完了している日
本の状況と比較すれば、韓国の空軍力整備に問題がある事は明らか
であると思われるのです。


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2009年11月26日木曜日

韓国国産「欠陥」兵器に明日はあるのか?

※今回問題になったと思われるXK-2用トランスミッション(左)とエンジン(右)
http://www6.atwiki.jp/namacha/pages/23.htmlより転載

【社説】最強誇る戦車「黒ヒョウ」に欠陥とは

防衛事業庁は24日、国会に「次世代型戦車『XK2』(通称・黒ヒョウ)の試運
転中、重要部品に深刻な問題が発生し、来年予定されていた量産体制に入るこ
とができないため、来年度予算の審議を中断してほしい」と要請した。エンジ
ンとトランスミッションを結合したパワーパックと呼ばれる部分のベアリング
がひどく摩耗し、火災が発生したという。当局は2003年から黒ヒョウの開発を
始め、昨年からは700億ウォン(現在のレートで約54億円、以下同)を投入し、
従来はドイツの製品を使っていたパワーパックを韓国製で代替する作業を行っ
てきた。

これまで国防当局は、黒ヒョウについて、「ヘリコプターを攻撃できるほか、
主砲の砲弾は敵の戦車の装甲を十分に貫通でき、先端装備によってミサイルも
回避できる世界最強の戦車だ」と誇ってきた。戦車のエンジンは、人間の心臓
のように重要な部分だ。

黒ヒョウの重要部品の欠陥がはっきりしたことに伴い、来年度882億ウォン(約
67億5000万円)を投入して量産体制を整え、2011年に300両を実戦配備、さらに
トルコなどへ輸出するという計画も頓挫することになった。既に結ばれたトル
コとの輸出契約にはパワーパックが含まれておらず、契約の履行には問題はな
いというが、韓国の技術の体面を大きく損なった。そのほかの国との輸出交渉
にも影響するかもしれない。

先端兵器の開発は常に失敗の危険をはらんでおり、思わぬ問題にぶつかること
もあり得る。問題は、当局が問題を隠そうとしたところにある。黒ヒョウのパ
ワーパックは、今年7月にもベアリングに欠陥が見つかり、4カ月かけて改修し
たエンジンを今月15日にテストしたところ、またも欠陥が発生したという。今
月18日に開かれた国会国防委員会で、ある議員が「黒ヒョウのエンジンで火災
が発生したというが、深刻なのか」と尋ねると、防衛事業庁は「煙は出たが、
特に問題はない」と答えた。来年度の黒ヒョウ関連予算は、20日に予算小委、
23日に国防委を通過したが、防衛事業庁は24日になって初めて欠陥の事実を認
めた。予算案の通過のため事実を隠してきた、という非難は免れない。

当局は今からでも、黒ヒョウ開発のどの過程で何が起こったのか、真相を明ら
かにしなければならない。

(朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2009/11/26)


技術発展の進歩が著しい韓国重工業ですが、やはり初物の国産製品
になると初期故障が、発生してしまいます。しかも、それが世界的
にも最先端の性能を持つものであれば、それまでの技術開発の蓄積
がないのですから、故障を生じるのも当然であると言えます。
韓国国産技術の精華と宣伝された花形兵器にも、その様な事例が多
数存在します。以下の様なものです。

「国産対空ミサイル「天馬」は納入の前から全面改良中、携帯対空
ミサイル「神弓」は夜間作戦が不可能、国産対空砲「飛虎」の命中
率は旧型エリコン砲にも大きく劣る、などの指摘が国会で提起され
た。昨年(2005年)には、10年以上かけて開発された長魚雷「白鮫」
と短魚雷「青鮫」に、実戦配備後に深刻な欠陥が発見され、海軍が
開発企業に損害賠償を要求したこともあった。」(韓国日報 2006/10/26)

「金議員は「海軍艦艇は進水後、普通1年ほど後に海軍に渡されて、
戦力化過程(通常1年)を経ることが分かっている。ところが、独島
の場合、2年かかって2007年7月に海軍に引き渡された」と指摘
した後「独島艦には3種類の高性能レーダーがあるが、このレーダ
ーが作動すればレーダーのビームが甲板に反射してレーダーモニタ
ーに反射標的(虚偽標的:ゴースト)が発生する致命的欠陥が試験評
価過程で発見された」と明らかにした。」(ニュースプライム 2008/10/14)

「海軍が誇る最新鋭高速艦尹永夏」に実戦配備後も2ヶ月間に95
件もの欠陥が追加で発見され、再び修理を受けました。ウォーター
ジェットエンジンのタービン翼と冷却装置が腐食し、ディーゼルエ
ンジンからは潤滑油と燃料油が漏れました。また、磁気羅針盤は20
度以上の誤差が出たほか、艦内通信システムは交信が不可能なほど
でした。」(SBSニュース 2009/11/13)


今回、発覚したXK-2戦車のパワーパックに係わる問題も、正に
そうした性格と内容を持つものです。

パワーパックは記事にもある通り、エンジンとトランスミッション
が、一体になったもので、戦車の後部にパッケージとして搭載され
ます。そうする事で、パッケージを簡単、且つ迅速に交換でき、整
備性、保守性が飛躍的に向上しました。世界的にも第三世代戦車以
降は、殆どの戦車がこのコンセプトを採用しています。

韓国でも、K-1戦車では、ドイツ製のパワーパックを使用してお
り、独MTU社製のMB871Ka-501 4ストロークV型8気筒液冷ディーゼル
・エンジン(1,200hp)と、変速機は同じく独ZF社製LSG3000が搭載
されています。

今回のXK-2では、試作車には出力1,500hpの独MTU社製MB-883
12気筒1,500hpディーゼル・エンジン(UAE仕様のトロピカル・ルク
レールと同じエンジン)とレンク社製自動トランスミッションが搭
載されましたが、量産型には斗山インフラコア社(旧大宇総合機械)
がライセンス生産したMB-883エンジンとS&T大宇社(旧大宇精密工業)
製の電子制御式トランスミッションが搭載される事になっています。

MB883は、ルクレール戦車で実績があるエンジンであり、量産用も、
ライセンス生産品ですから、今回問題が発生したのは、S&T大宇社
製の電子制御式トランスミッションであろうと思われます。このト
ランスミッションは「このクラスとしては世界で初めて前進6段、
後進3段の自動変速を可能にした」とされていますが、先進的であ
るだけに、開発リスクも大きかったものと思われます。上記の報道
では、ベアリングに欠陥が見つかったとありますが、単体のベアリ
ングに問題があれば、それを取り替えれば済む話です。予算執行に
影響のある様な大きな問題があるとすれば、ベアリングを想定以上
に摩滅する様な強度設計の誤りが発見されたと考えるのが自然であ
ると思われ、もし、そうであれば、設計の欠陥の解析と、問題の解
決にはかなりの時間を要するものと思われます。

欠陥が発生するのは問題です。しかし、技術発展途上国である韓国
がその製品をものにできるかどうかは、正にその問題点を自力で解
決する事を通じて、兵器と言う特殊な工業製品を確実に仕上げる為
のノウハウが入手できるにかかっているのではないかと考える次第
です。


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2009年11月12日木曜日

North Korea will retaliate within few years. 南北海上衝突 北は面子を守る為に報復攻撃を行う

黄海銃撃、北朝鮮メディア「南が計画」主張・警告

北朝鮮・朝鮮労働党機関紙の労働新聞は12日、このほど黄海で発生した南北軍
当局の銃撃戦について「計画された挑発」と主張しながら、警告を加えた。朝
鮮中央通信が伝えた。

労働新聞は「高い代価を支払うことになるだろう」と題した論評で、「黄海で
の武装衝突は、何らかの単純な偶発的事件ではなく、朝鮮半島の緊張激化を狙
う南朝鮮(韓国)軍部の故意的で計画的な挑発行為」とし、あらかじめ戦闘隊
形を取って待機していた複数の韓国軍艦艇のほうが先に、正常な警戒勤務を遂
行中の北朝鮮海軍警備艇に対し発射したと主張した。

同紙は、北朝鮮の主導で南北和解と協力ムードができ、国際的に朝鮮半島問題
を対話で解決するための前向きな動きがあったのに対し、不満を抱いた韓国の
反統一保守勢力とこれに操られた軍部の好戦者が、良好な雰囲気を壊し、朝鮮
半島の軍事的対決と緊張を激化させようとあがいていると主張した。
その上で、対決と緊張を望まないが北朝鮮の領海侵犯と発砲は見逃すことがで
きないとしながら、「正義の鉄ついで無慈悲に懲罰することは、われわれの変
わりない対応方式」と警告した。

また、内閣機関紙の民主朝鮮も同日発表した論説で、オバマ米大統領の訪韓と
ボズワース米特別代表(北朝鮮政策担当)の訪朝計画に触れ、「こうした時に
南朝鮮の軍当局は、黄海で武装挑発事件を起こしその責任をわれわれに押し付
けるやり方で、米国の主人に対し、われわれに対する敵対感を吹き込み、対朝
鮮(北朝鮮)敵対視政策は変えず、朝米対話もすべきでないということを懇願
しようとした」と主張した。

(聯合ニュース 2009/11/12)

}}}

今回の南北海上衝突事件では、二分間という短時間の交戦でしたが、
明らかに、北朝鮮が敗北しました。
韓国側は、威嚇射撃を行った後、北朝鮮の応射に対して素早く対応
した事で(一説では、200発を発射しています)、北の哨戒艇に反撃
の隙を与えなかった様です。

南北ともに150㌧程度の大きさの哨戒艇の交戦でしたが、装備の質
が違いますので、そういう事も可能になります。結果、北朝鮮側に
4名の死傷者が出たのに対し、韓国側に人的損害はでませんでした。
もともと仕掛けたのは北朝鮮ですから、それに対し、一方的に反撃
されて、尻尾を巻いて逃げたのですから金正日の面子も丸つぶれで
す。それが、上記の過激な反応になったと言えます。北朝鮮海軍は
報復せざるを得なくなりました。

前回、同様の海上衝突が起こった時も、北朝鮮による報復が行われ
ています。
つまり、1999年の第一次延坪海戦で、今回同様仕掛けながら敗北し
た北朝鮮が、2002年の第二次延坪海戦では、奇襲的な銃撃で韓国側
の哨戒艇を撃沈しているのです。

今回の衝突は、第一次延坪海戦と比べても小規模なものですが、こ
の反応では、第四次延坪海戦は必至と言える様に思います。但し、
そうは言っても、北朝鮮は、政治が優先するお国振りですから、韓
国側に報復しても南北関係でも国際的にも影響がない時期を選ぶも
のと思われます。前回は二年間、報復の時期を待っています。その
様に考えれば、北朝鮮の韓国への報復は、ここ数年の内に、南北の
緊張が緩和している状態の中で、偶発的衝突に見える様な形で行わ
れると思われます。


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2009年8月19日水曜日

ノーベル平和賞の為に国を売った政治家逝く

※写真は、読売新聞サイトから転載

金大中氏死去 地域対立の象徴 親北・左派、求心力を喪失

【ソウル=黒田勝弘】韓国政治に長く大きな影響力を持ってきた金大中元大統
領の死は、今後の韓国政局に微妙な波紋を呼びそうだ。特に反政府・野党勢力
にとっては求心力を失ったことになり、政権奪還に向けた新しいリーダーの登
場や政界再編成などで紆余(うよ)曲折が予想される。

韓国の現代政治は1980年代以来、30年近く、金大中、金泳三、金鍾泌氏
によるいわゆる“3金時代”が続いた。しかし政界を引退した後、金泳三元大
統領は衰えが目立ち、金鍾泌元首相は病床にある。その中で金大中氏だけは、
健康不安にもかかわらず内外情勢に関し政治的発言を続け、最後まで“生臭さ”
があった。

金大中氏が大統領退任(2003年)後も影響力を維持できたのは、国内で政
治的、社会的に最大の不満勢力である全羅道出身者の絶対的な支持を得ていた
ことと、初の南北首脳会談実現(2000年)を含む対北融和政策などで“親
北朝鮮”的だったからだ。

韓国政治は現在の野党・民主党もそうだが、以前から野党・反政府勢力の中心
は全羅道出身者だ。全羅道が故郷の金大中氏は彼らの間では絶対的な指導者で、
その一挙手一投足は大きな影響を与え、彼らの行方を左右した。

たとえば野党勢力の大統領候補決定には金大中氏の意向が大きく影響し、野党
分裂や新党結成など野党陣営再編でも金大中氏の考えが決定的だった。02年、
盧武鉉前大統領が非全羅道系でダークホースだったにもかかわらず大統領に当
選できたのも、金大中氏の支持のおかげだった。

このため、韓国政治の“病”といわれる地域対立は金大中氏によって深まった
との評もあった。

一方、金大中氏は亡くなる直前まで、保守派の李明博現政権の対北政策を激し
く批判してきた。国際協調を重視し、対北援助に消極的な李政権が気に入らな
かったからだ。時には北朝鮮の韓国非難そのままに「このままでは戦争が起き
る」といわんばかりに李政権批判を続けてきた。

したがって北朝鮮にとって金大中氏は最後まで最大の理解者であり“援軍”だ
った。「李明博政権打倒!」を叫ぶ韓国内の親北・反政府派にとっても最も好
都合の人物だった。

そのため晩年は韓国内の保革・左右対立の焦点になっていた。金大中氏の死は
親北・左派勢力にとっては最大の理解者を失い打撃が大きいが、一方の保守派
は最大ライバルが消えたことでホッとした感じだ。

(産経新聞 2009/8/19)


棺を覆って、金大中の業績は何だったのかと考えれば、IMFショ
ックの後、韓国経済を立て直した一点しか評価できません。それも
通貨危機後、IMFから手取り足取り経済運営について指導があり
それに従った経済運営を行っただけです。

勿論、IMFの処方箋は非常に厳しいものでしたから、その政策に
国民の協力を取り付ける事ができたのは、大統領としての金大中の
実力によるものと言えば、言えるでしょう。しかしながら、リーマ
ンショック後の世界不況に自国経済を破綻させる事なく対応してい
る現在の李明博政権の方が、破綻後の再建のみを行った金大中政権
よりも、寧ろ困難な課題を実行しているのかも知れません。

では、それ以外の点ではどうだったのでしょうか。金大中が韓国の
民主化の旗手であったのは事実ですが、民主化は、韓国経済の発展
と軍事政権側の譲歩によって実現したのであって、金大中が勝ち取
ったものではありません。韓国内の民主化に関しても、上記の記事
にもある通り、金大中の存在によって、地域対立は深まったのであ
り宥和が進んだ訳ではありません。

更に、彼の唱えた「民主」が結局は、「親北」に過ぎなかった事が
問題でした。彼がノーベル平和賞を獲得した契機となった南北和解
は、韓国から北朝鮮への数百億円とも一千億円との言われる一方的
な資金援助や譲歩の結果でしかなく、結果的に北朝鮮の核開発を加
速したに過ぎなかった事が明らかになっています。つまり、金大中
はごく短期間の南北協調を演出する為に、長期的には、韓国を大変
な安全保障上のリスクに晒したと言えます。

更に、金大中の問題点は、国民を精神的にも北朝鮮に対して武装解
除してしまった点です。金大中は、民族「統一」の旗印を下ろした
最初の政治家であり、北朝鮮の抑圧された民衆に対しては、何の貢
献も行う事は無く、国家の金を使ってノーベル平和賞を買った売国
政治家と断じざるを得ないのです。

金大中は結局の所、韓国に打ち込まれた北朝鮮の楔以外の何者でも
なく、その後を継いだ盧武鉉と相次いで世を去ったのも、核開発に
成功した北朝鮮にとっての存在価値を喪失した結果と言えるのかも
知れません。


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2009年8月5日水曜日

六度目の発射延期 韓国初の人工衛星打上ロケット

※CGは朝鮮日報サイトより転載

韓国初の宇宙ロケット、またも発射延期
-「羅老号」発射に手をこまねくほかないワケ


11日に発射が予定されていた韓国初の宇宙ロケット「羅老号」が、共同開発者
のロシア側の最終テストで問題が発見され、発射が延期となった。

教育科学技術部は4日、「ロシア側が、先月30日に行った最終燃焼テストで予
想とは著しく異なるデータが発見され、これを分析するのに時間が必要だと伝
えてきた」と説明した。航空宇宙研究院のイ・ジュジン院長は「詳細に分析す
るのに数日かかる予定で、その後、両国間の協議で発射日程を調整する」と語
った。これで韓国初の宇宙ロケットの発射は2005年から07年、08年、今年第2
四半期(4-6月)、7月30日、8月11日、そして今回を含め6度延期されること
になった。

羅老号は液体燃料を使用する第1段ロケットと固体燃料を使用する第2段ロケッ
トで構成されているが、このうち最も大切な第1段ロケットはロシア・フルニ
チェフ社が開発し、今年6月に韓国に引き渡している。羅老号の第1段ロケット
はロシアが次世代衛星発射体として開発中の「アンガラ」の第1段ロケットを
借用したもので、ロシアでも1度も使用したことがない製品だ。

ロシアは2011年にアンガラの発射を計画している。このようにロシアはロケッ
トの安全性が確保できない状況のため、韓国に引き渡したのと同じロケットを
製作し、これまで現地で何度もテストを繰り返してきた。航空宇宙研究院は「
ソフトウエアの異常で燃焼テストが延期され、発射日が7月30日から8月11日に
延期されたが、燃焼テストが終わると今度はテストデータに問題が見つかり、
再び発射が延期された」と説明した。

現在、全羅南道高興郡の羅老宇宙センターにはロシアの技術陣が派遣されてい
る。イ院長は「ロシアは問題が発生すると、“慌てないようにしよう”と言い、
問題が解決すると“計画通り行こう”と催促するため、どうすればいいのか戸
惑ってしまう」と語った。

羅老号の発射に関して、このようにロシアのテスト結果に頼らざるを得ないの
は、言葉だけの「共同開発」だからだ。韓国政府は当初、04年にロシアとの開
発契約を結ぶ際、2億ドル(現在のレートで約190億6200万円)を提供し、第1
段ロケットの全技術の移転を受けることとなっていた。しかしその後、ロシア
側の要求で、宇宙関連技術の移転を禁止する宇宙技術保安協定(TSA)を07年
に締結したことから、韓国の研究員がロシア側での開発に参加できず、韓国に
引き渡された第1段ロケットの内部を観察することができない。今回もロシア
は、3日夜にファクスで「待て」と伝えてきただけで、具体的な説明はなかっ
た。そうかといって代案があるわけでもない。米国、日本、欧州は、宇宙発射
体は大陸間弾道ミサイル(ICBM)と同じ原理という理由で、技術移転を拒んで
いる。韓国の力で宇宙発射体を開発するまで、今回のようなことが繰り返され
るほかない。

(朝鮮日報 2009/8/5)


昨日、11日に打上げが決まったと書きましたが、残念ながら六度
目の打上げ延期になってしまいました。
「羅老号」の一段目は開発途上のアンガラロケットのURM(Universal
Rocket Modules)そのものです。ロシアでも打ち上げた事がないだ
けに初のフライトテストでの打上げに慎重になるのも当然と言えば
当然なのです。

日本のH-IIAであれば、打上げ前に実機エンジンを使った燃焼テス
トを行っていますが、「羅老号」の場合をそれを行っていないか、
行っていたとしても、テスト後に燃焼制御用のソフトを大幅に入れ
替えている様子です。開発中のロケットであれば、それも止むを得
ないのかも知れません。

これと似た様な話がロシアのインド向け航空母艦建造計画でも起こ
っています。この話はもっと酷いもので、契約で決まった金額の他
に追加費用を支払わないと引渡しできないというものです。それと
比べれば追加費用を要求されていないだけ「羅老号」はましである
のかも知れません。

まあ、日本もサハリン1、2のガス田開発で痛い目にあっています
から、ロシアとの取引を行う上で、この手のリスクは当然見込むべ
きであり、それが嫌なのであれば、ロシアを提携相手に選ぶべきで
はないと言える様に思います。


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