2010年7月23日金曜日

泥棒に追い銭 拉致問題担当相の点数稼ぎに一億円


「パフォーマンス」「税金使う目的と効果は」 金元工作員“厚遇”に批判続々

大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員への待遇を
めぐり、批判も相次いでいる。

自民党の谷垣禎一総裁は22日の記者会見で「拉致被害者家族の気持ちは理解
できるし、拉致問題への関心が深まる限りでは評価できる」とした上で「テロ
の実行犯をVIP待遇するのは国際的に理解が得られない。国賓待遇とは言い
過ぎかもしれないが、まったくのパフォーマンスとしかいいようがない」と批
判した。自民党は30日召集予定の臨時国会中の予算委員会で金氏来日に伴う
経費などをただしていく方針。

公明党の山口那津男代表も記者会見で「税金を使う以上、何が目的で効果が得
られたかを説明する必要がある」。安倍晋三元首相は「取調官が事情聴取する
などの対応が必要だったのではないか。(大韓機爆破事件の)被害者への配慮
ももう少しあってよかった」と批判した。

一方、鳩山氏は22日、首相辞任後に中井洽(ひろし)拉致問題担当相から別
荘提供を要請されたことを明かし、「拉致は国として措置をとるべきだからそ
れなりのコストは許される。別荘は私だけが住むような場所ではないので多く
の方に使ってほしいと思っていたのでよかった」と述べた。菅直人首相は記者
団に「安全面からの措置だ」と反論。仙谷由人官房長官は「都心の交通の混雑
を避けるためだ」と説明が食い違った。

(産経新聞 2010/07/22)


そういえば、菅総理も千葉法務大臣も、北朝鮮の工作員であるシン
ガンスを釈放する署名活動に参加した前科がありますが、よほど、
北朝鮮の工作員がお好きなようです。もともと、元テロリストの日
本入国を許可する事自体が超法規的な許可ですが、韓国政府から保
安上の注意があったとは言え、特別機を用意し、空港への送り迎え
は、中国の温家宝首相に使用したものと同じ、ベンツのリムジン
(恐らくは防弾仕様)を手配しています。

その上、あまりセキュリティ上意味があると思えない鳩山元首相の
別荘で、拉致被害者と面会させた上、お土産代わりにヘリで遊覧飛
行をさせ、更に報酬として三千万円を差し上げたのですから、気前
が良すぎるというものです。その結果、拉致被害者に関する新事実
がでたのであればそれでも意味はあったといえますが、横田めぐみ
さんと一度食事をした事があるという程度の話しか出ていません。

あまりのコストパフォーマンスの乏しさに唖然としてしまいます。
元々、金賢姫から新情報が出そうにないのは、判っていた話で、何
ら不思議ではありません。それでも、今回の訪日を実現させたのは、
中井洽拉致問題担当相の点数稼ぎ以外の何者でもありません。

民主党には千葉法相や輿石参議院代表の様に、朝鮮労働党の友党で
あり、拉致事件を否定し続けた社会党の残党が多数残っています。
もし、民主党に、本当に拉致被害者に対する贖罪の気持ちがあるの
ならパフォーマンスではなく北朝鮮に対する徹底的な経済制裁をよ
り徹底的に行わせる様な実質的な施策を打つ事で、拉致被害の帰国
を実現するべきでしょう。

意味もなく金をばら撒くのが得意な民主党である事は理解している
つもりですが、あまりの愚劣さに、呆れ果てたと言わざるを得ませ
ん。政権内に「仕分け」専門の大臣まで置いているのですから、泥
棒に追い銭をやる前に「仕分け」して貰うべきではなかったかと思
われてならないのです。

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2010年7月22日木曜日

新型対艦ミサイルXASM3が開発本格化!?

※新空対艦誘導弾XASM3概念図。朝雲新聞社Webページから転載

防衛省 新型対艦ミサイル開発

防衛省が本年度防衛費で二十三億円を投じ、F2戦闘機から発射して艦艇を攻
撃する超音速空対艦ミサイル(XASM3)の開発を始めたことが分かった。
超音速のため迎撃するのは不可能に近く、空母建造を急ぐ中国海軍に対抗する
狙いとみられる。(編集委員・半田滋) 

XASM3は高性能な対空火器を搭載する艦艇を攻撃するため、音速の三倍以
上で飛行する。これまでの空対艦ミサイルのASM1やASM2は亜音速で、
艦対空ミサイルや機関砲で撃墜される可能性があった。
総額三百二十五億円かけて試作と試験を繰り返し、二〇一六年度までに開発を
終え、量産化に移る見通し。

超音速の空対艦ミサイルは米国やロシアにもあるが、いずれも特大で爆撃機に
搭載する。憲法九条の制約から「攻撃的兵器」を持てない自衛隊は長距離爆撃
機を保有できないため、ミサイルの小型化を模索。戦闘機に搭載できる全長六
メートル、重量九百キロのXASM3の開発に踏み切った。

一方、一五年までの空母建造を目指すとされる中国海軍は、既に対空・対艦能
力に優れたソブレメンヌイ級駆逐艦四隻をロシアから購入、さらに防空能力が
高いイージス艦に似た国産駆逐艦の「蘭州」「海口」を就役させた。XASM3
は、空母を警護するこれらの駆逐艦に対抗するが、防衛省は「特定の国を想定
していない」としている。

海軍力強化を進める中国の艦艇は、沖縄近海を抜けて太平洋へ進出し、海上自
衛隊との間で緊張が高まっている。XASM3の開発により、航空自衛隊も東
シナ海や太平洋の「覇権争い」に参加する形となる。

XASM3の特徴は、精度を増すため、自らレーダー波を出す一方、敵艦艇の
出すレーダー波を探知して飛ぶ複合誘導方式を採用したこと。推進装置はロケ
ットとジェットを組み合わせたインテグラル・ロケット・ラムジェット(IRR)
を搭載している。

(東京新聞 2010/07/21)


XASM3の開発に今年度予算で23億円が支出される事自体は秘
密でも何でもありません。実は朝雲新聞のWebニュースでは、4/15
付けで以下の記載があります。

22年度防衛費 重要施策を見る<7>研究開発
高運動ステルス機を試作 外部評価調整官など新設

(前略)
③新空対艦誘導弾XASM3=敵防空艦を狙い撃ちする超音速ステルス対艦ミ
サイル。ロケット・ラムジェット統合エンジン推進で射程も大幅延伸。22億円。
(後略)


東京新聞の記事は、このたった2行の朝雲新聞の記事を、解説して
くれたものであり、それ以外の新しい情報は殆どありません。朝雲
新聞から三ヶ月もたって何故東京新聞が記事にしたのか判りません
が、防衛省が、もっと注目して貰いたくて、東京新聞の記者に働き
かけをしたのかも知れませんし、逆に、中国辺りが脅威に感じて与
党の政治家に注目させる為に記事にさせたのかも知れません。
今までも、対艦ミサイルはあるのに、わざわざ、「航空自衛隊も東
シナ海や太平洋の「覇権争い」に参加する形となる。」と書いてい
る処に若干の毒が感じられます。

XASM3は、第三世代の空対艦ミサイルです。日本の巡航ミサイ
ルはASM1から派生しシリーズ化されていますので、XASM3
の出来によっては、陸上自衛隊や海上自衛隊が保有する巡航ミサイ
ルもXASM3系列によって置き換えられる事が考えられます。
但し、XASM3の全長は、ASM2に比べ1.5倍、約2m長い
ので、既存のランチャーの改修が必要となるケースも考えられます。

XASM3の主な特徴は、なんと言っても、その超音速性能にあり
ます。記事にはありませんが、ステルス形状をしているので、高速
性とも相まって敵側による探知が困難で、更に探知されてから命中
までの時間が短縮されるのでミサイル防御が非常に困難になります。
近年、周辺国で、フェーズドアレイレイダーや高性能対空ミサイル
システムを搭載した、艦隊防空艦の整備が進んでいますので、この
盾の強化に対抗する矛の強化であると言えるでしょう。

上の概念図では、XASM3の飛行プロファイルには、高空飛行の
他、シースキミング、ポップアップ&シースキミングの三種類があ
るのが判ります。XASM3は、高速性能が売りですが、高速であ
るが故に、機体を制御する誘導技術が重要になります。でないと誘
導仕切れずオーバシュートしてしまう可能性が出てきます。超音速
ミサイルが大型になる理由の一つは超音速を出す為に大量の燃料が
必要になる事と、もう一つは、遠距離から目標を探知する為に、レ
ーダーを大型化する必要がある事によります。
その点で、XASM3の技術開発で一番困難な点、その小型化にあ
ると言って良さそうに思われます。


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2010年7月21日水曜日

今後の政権運営の枠組み

※は首相官邸Webページから転載

Yahooの「みんなの政治」というボーティングサイトでやっている
政治投票で、興味深いテーマがありましたので、少し考えて見る事
にします。

投票の設問は、
参院選の結果、国会は再び「ねじれ」状態に。民主政権は困難な政
権運営が求められることになりましたが、今後の政権運営・枠組み
として、あなたが望むのは?

というもので、以下の中から選択する様になっています。

①各党との政策ごとの部分連合
②みんなの党の連立入り
③公明党の連立入り
④みんなの党、公明党ともに連立入り
⑤自民党との大連立
⑥その他の政党の連立入り
⑦政界再編による新たな枠組み
⑧その他


私が参院選の投票を行った時、何を考えて投票をしたかと問われれ
ば、まず、「ねじれ」を発生させる事で、民主党の暴走を阻止しよ
うと考えた言えます。その上で民主党以外で最も死票にならない投
票を心がけました。結果的には、選挙区選挙では、投票した野党候
補者はトップ当選し、比例区で、投票した人は落選しましたが、政
党の比例区得票には役立った筈です。その点では意図通りになりま
した。

その一方、上記の設問の中に、私の希望する枠組みがあるかと言え
ば、明確にこれというものがあるとは言えません。私が想定してい
たのは衆参ねじれ状態の中で、民主党と国民新党の連立の枠組みが
そのまま維持され、憲法上、衆院優位が確立されている予算案、首
相選出等以外の法案は、成立しないといういうものです。私は政治
的混乱を選択した事になります。

ですがこの選択は上記の中にはありません。(しいて言えば、その
他になるのかも知れません。)また、この設問を作った人も、法案
が成立しない混乱が継続するという選択を明記していません。

その意味では、基本的に政権が法案を成立できる枠組みとして考え
られる選択が与えられている様に思います。
逆に言えば、正常に政権運営を行おうとすれば、これらの選択を実
現する他ない事になります。

では、その実現性はどうでしょうか?
①の部分連合は、野党にとってあまり旨味がありません。余程、野
党内で意見が割れている論点で、特定野党にとって実現に意味あり、
且つ、与党との間で別の政策課題でバーターができれば別の話です。
逆に、継続的な部分連合が出来れば、それは閣外協力と大差のない
話になります。

②のみんなの党の連立入りですが、民主がみんなの党の主張を丸呑
みするしかありません。それでも取り込まれるみんなの党には、自
殺行為になります。勿論、社民党が普天間問題で、国民新党が郵政
法案で行った様に、連立与党全体を振り回す事もできますが両党共、
議席を減らした事も忘れてはなりません。組織が固まっておらず、
無党派の風に依存しているみんなの党は、地方組織や支持層が明確
に固まる迄は、政権や与党を徹底的に批判する事で、不満層を取り
込む事が有利となります。

③の公明党の場合も連立入りの条件は、民主が公明党の主張を丸呑
みする事しかありません。実際には、公明党の主張は、自民党より
民主党の方に近いので、それが障害になる事はないでしょう。それ
より民主党の支持層が持つ公明党に対する抵抗感がどの程度かによ
る事になります。公明党は地方組織も支持層も固まっているので、
連立入りによって、支持層の離散を懸念する必要もありません。
公明党の連立入りが、実現性は一番高いと思われます。あとは、連
立入りの時期と条件の問題と思われます。

④のみんなの党と公明党両方の連立入りは、最初にみんなの党が連
立入りに、それでは、参議院で多数にならない為、公明党が後から
連立に参加する場合にのみ実現すると思われます。みんなの党と公
明党は主張が異なりますので、同時に連立に参加する事は、自党の
主張の実現にはマイナスにしかなりません。

⑤の自民党の大連合は、自民党にとって意味があるかどうかという
問題になります。小泉元首相が選挙中に主張した様に、自民党は、
野党としての主義主張を確立しなければ、存在理由を失う事になる
と思われます。

⑥の選択ですが、対象は、具体的には社民党、共産党になります。
たちあがれ日本と新党改革は所属議員数が少なく民主党側に連立す
る意味が乏しくなります。いずれも、衆議院では、三分の二を確保
できますが、参議院では多数になれません。社民は、一番の支持地
域である沖縄に対して大見得を切って連立から離脱しただけに、す
ぐに連立に復帰するには抵抗があるでしょうが、政権に入る事の旨
味を覚えただけに、最初は閣外協力、その後に連立復帰という事も
考えられます。共産党の政権参加も、可能性としては考えられます。
共産党の政策は民主党とそれ程大きな違いはありません。あとは、
民主支持層の共産党に対する反発の大きさだけの問題と言えます。

⑦政界再編による新たな枠組みは、ありそうで、なさそうに思いま
す。小政党の離合集散はありえますが、自民党の有力政治家が党を
割る事は、舛添新党の失敗を見てもまずないと思われます。
民主党の場合は、唯一、小沢グループが党を割る事が考えられます。
その上で、内閣不信任が可決され、衆議院解散、総選挙に進める事
ができれば、もう一度政界全体のガラガラポンが実現するかも知れ
ません。しかし、それは、民主党政治が完全に行き詰まり、次回の
総選挙で、民主党が勝利できない事が明白になった時であろうと思
われます。

⑧のその他は、参議院での少数という現在の連立が維持されるケー
スです。法案や国会同意人事が殆ど棚上げになり、政権は混乱する
事になります。それがどの位持続するかは、民主党がどこまで辛抱
できるかによります。すっきりと公明党との連立に進むか、他党と
連立するか、混乱が持続したまま政界再編に進むかは、私の予想で
は6割、3割、1割程度の確率ではないと愚考する次第です。


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2010年7月20日火曜日

FXの代りにF2戦闘機追加調達も已む無しか

※写真は、http://www.tac-photo.com/photo.htmより転載

F2戦闘機を追加調達 FX選定難航で防衛省検討 中国脅威に防空を穴埋め

次期主力戦闘機(FX)の機種選定の遅れを受け、防衛省がF2戦闘機の追加
調達を検討していることが18日、分かった。中国が航空戦力を近代化させて
いることを踏まえ、防空体制に空白が生じるのを防ぐ狙いがある。平成23年
度に終了予定だったF2の生産が途絶えれば、戦闘機の生産・技術基盤が失わ
れるとの防衛産業の懸念もくむ措置でもある。

FXは老朽化した航空自衛隊のF4の後継機で、約50機を導入する。防衛省
がF2の追加調達の検討に入ったのは、FXの選定の遅れに加えF4の退役も
数年後に迫っているなかで、防空に穴を空けないための「次善の策」といえる。

調達数は20機程度を想定。決定すれば23年度予算案の概算要求に盛り込む。
FXの機種選定は平成18年に本格化し、防衛省は当初、米空軍の戦闘機F22
ラプターを本命視した。F22は第5世代機と呼ばれる最新鋭で、レーダーに
捕捉されにくいステルス性の高さが特長だ。だが米国はF22の輸出を認めず、
昨年4月には調達中止も発表し機種選定は振り出しに戻った。

現在の候補は米英などが共同開発中のF35ライトニング2、米国のFA18E/F、
欧州共同開発のユーロファイターの3機種。防衛省はF35を有力視するが、
開発・運用試験の段階で、量産は早くても28年ごろからと見積もられている。

追加調達の検討を迫られているのは、中国の航空戦力の増強も影響している。
中国はSu27やJ10などの導入・生産を進め、F2と同じ第4世代機の保
有数は約350機。約140機ある在日米空軍機でカバーするものの、F2に
F15を加えた空自の第4世代機は約290機しかなく、水をあけられている。
中国は第5世代機も31年ごろに運用を始めるとの分析がある。

現行計画では、F2は23年度に最終機の生産が終わる。戦後、戦闘機の国内
生産を再開して以降、初めて途絶えることになる。F35のライセンス生産の
見通しも立たず、防衛産業側には「F2の生産を継続しなければ、生産ライン
の維持と技術者の確保は困難だ」(大手メーカー幹部)との危機感が強い。
ただ、F2は本来、地上や海上の目標を攻撃する支援戦闘機。レーダーなどの
性能の差から、敵の航空機を迎え撃つ迎撃戦闘機のF15に比べて防空能力は
劣るとされるが、「データ通信システムで対処力を向上できる」(防衛省幹部)
との指摘もある。

(産経新聞 2010/07/19)


今回のFX選定は、老朽化しているF-4EJ改の更新の為と、合
わせて、将来のF-15J更新も視野に入れたものであったと言え
ます。

その選定経緯は、Wikipediaなどを参照して欲しいのですが、空自
は最初からF-22ラプター導入を希望しており、それを正当化す
る為に、選定作業を行っていたと言っても過言ではありません。
しかし、米国議会がF-22ラプターの輸出禁止を議決し、更には、
米軍向けの機体も187機で打ち切りとなった為、空自の当てが外
れる事になります。外国に輸出すれば圧倒的な空戦性能を持つ機体
の機密を維持できないという不安が議会にF-22の大規模な生産
を躊躇させたのかも知れません。

また、F-22と同時期に米国が同盟諸国と共同開発するF-35
の開発がスタートした為、そちらに乗り換える事も可能と見られて
いました。F-35は、超音速巡航性能こそ持ちませんが、F-22
と同じ、高度のステルス能力を持った機体です。

ただ、F-35の開発は、予定をはるかにオーバーし、コストも大
幅な上昇が見込まれる様になっています。その上、F-35の入手
順序は、共同開発国が優先される為、今後、開発が順調に進んでも
日本が入手できるのがいつになるか不明である他、日本でライセン
ス国産が可能かどうかもはっきりしていません。

このままでは、国内における戦闘機の生産は、平成23年度のF-2
支援戦闘機の生産終了で終わりとなります。そうなった場合、戦闘機
を国内で生産する技術者やノウハウが散逸してしまう可能性がでてき
ます。また、例え、技術者は社内で配置転換できても、生産中断が長
期に及ぶと退職者も発生して、技術継承が行えなくなる懸念も出てき
ます。

現在、候補機に上がっている機体で、直ぐにライセンス国産が可能で
あるのは、ユーロファイタータイフーンとF/A-18E/Fしかあ
りませんが、これらは、日本が生産しているF-2と比べ性能は多少
上であっても同じ世代の機体であると言えます。

そうであれば、AESA(アクティブ式電子走査アレイ)レーダーの性能
が改善してきており、国産高性能ミサイルであるAAM-4も性能の
向上した改型が開発されているF-2に再度光が当たるのも故なしと
しません。F-35の将来が固まるまでの繋ぎとして、F-2を50
機追加調達すれば、老朽機の更新が取敢えず実現し、機種の増加も抑
えられ、生産技術維持にも役立つという、ベストではないにしても、
三方一両得的な解決になる事は事実ではないかと思われます。

特に、F-2は一機で、4基のASM2を搭載できます。これは、現
在のF-4EJ改に対して二倍の搭載能力であり、中国の海上での脅
威の増大に対応するのであれば、この能力が大いに役立つ事は間違い
ありません。「いまそこにある危機」に対応するのであれば、ユーロ
ファイタータイフーンやF/A-18E/F以上の対応能力があると
も言えます。

その様な諸点を勘案すれば、F-4EJ改の後継機としてF-2が選
定されたとしても、不思議ではないと考える次第です。


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