2010年10月14日木曜日

祝 新造護衛艦「あきづき」進水!

※写真は、産経新聞Webサイトより転載

海自新型護衛艦あきづき進水 三菱重工長崎造船所

三菱重工長崎造船所(長崎市)で建造されている海上自衛隊の5千トン型護衛
艦の命名進水式が13日、現地であり、あきづきと命名された。電子機器など
を取り付ける艤装(ぎそう)作業を経て、2012年3月に就役する。

防衛省海上幕僚監部によると、あきづきは対水上、対空、対潜水艦能力を高め
た新型護衛艦の1番艦。現時点で、あきづきを含め4隻の整備計画が進んでい
て、3隻目まで長崎造船所で建造される。

レーダーに捕捉されにくいステルス性能に配慮した艦体が特徴で、最新鋭レー
ダーシステムの搭載で防空能力も向上させたという。

全長約151メートル、幅約18メートル。推進系統にはガスタービン4基を
備え、最大速力30ノット。建造費は約750億円。

式典には防衛省代表として海自トップの杉本正彦海上幕僚長、三菱重工の大宮
英明社長をはじめ関係者3千人が出席した。

あきづきは、旧日本海軍の防空駆逐艦の1番艦(秋月)や約50年前に海自護
衛艦隊の旗艦(あきづき)だった艦船に採用された伝統ある名称という。

(長崎新聞 2010/10/14)


従来、19DDと呼ばれていた新型護衛艦が、「あきづき」と命名
され進水しました。

記事にもある通り、「あきづき」という名前の自衛艦は、二代目で
先代の「あきづき」は、米国の域外調達艦として米国の予算で取得
され、僚艦「てるづき」と共に、当時は、2000トンを越える初めて
の大型汎用護衛艦でもあった事から、護衛艦隊旗艦、護衛隊群旗艦
として活躍しました。

「あきづき」の名前は、旧日本海軍でも、駆逐艦の名称として使わ
れており、太平洋戦争中に日本海軍初の対空戦闘用護衛艦として完
成した秋月型駆逐艦のネームシップとしても有名です。

ちなみに秋月型駆逐艦とあきづき型護衛艦は、一番艦の艦名が「あ
きづき」、二番艦の艦名が「てるづき」である事が共通しており、
新型護衛艦「あきづき」型も二番艦が「てるづき」となる事が強く
予想されるところです。

さて、新型護衛艦「あきづき」型の特長ですが、FCS-3A射撃指揮シ
ステムを中核として、僚艦防空(Local Area Defence)が可能な
対空戦闘システムを構築している点につきると言えます。

実際、表面上のスペックは、先代の護衛艦である「たかなみ」型と
殆ど同じです。(但し、表面的なスペックは同じでも装備の内容は
一新されています。)艦形も、「むらさめ」型、「たかなみ」型と
ほぼ共通です。上部構造物こそ舷側まで拡大されており、ステルス
性に対する考慮が払われていますが、欧州各国の新造駆逐艦と比べ
るとステルス性の徹底が十分とは言えません。また、平面形状のア
クティブ・フェーズド・アレーレーダの装備位置も、艦橋上部とは
言え、アンテナマストのトップに装備する欧州とはその徹底度合い
が不十分とも考えられます。(尤も、アーレイバーク級のSPY-1レー
ダーの装備位置は、「あきづき」型より低いので、それ程決定的な
違いではないのかも知れません。)

「あきづき」型は、「こんごう」型がミサイル防衛の配置について
いる際には、「こんごう」型に変わって、艦隊防空指揮艦の役割を
担う事になっていますので、「こんごう」型に近い対空目標識別能
力と同時対処能力を持っているものと思われます。その点では、表
面的なスペック以上の能力を保有する艦に仕上がっているものと思
われるのです。


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