※内閣総理大臣旗 Wikipediaより転載
首相「日韓関係に配慮を」 護衛艦衝突事故、防衛相と会談
鳩山由紀夫首相は28日、国会内で北沢俊美防衛相と会い、海上自衛隊の護衛艦
と韓国船籍のコンテナ船の衝突事故に関する報告を受けた。韓国籍船が海上保
安庁の指示に従い航路を変更していたことを踏まえて首相は「日韓関係にいさ
さかでも差し障りがあるようなことにならないようなことが大事だ」と慎重な
対応を指示した。
海上保安庁は同日、事故が起きた関門海峡をレーダー監視している海上交通セ
ンターの管制官が、韓国籍船が前方の貨物船を追い越す際に護衛艦の航路に近
づく形で追い越すよう指示していたことを明らかにしている。
(日本経済新聞 2009/10/28)
鳩山首相は、自らが、自衛隊の最高指揮官であるとの自覚が全くな
いというのが、良く判る発言です。
勿論、海上保安庁の関係でも、最終的な責任は首相になるのでしょ
うが、海保の組織図を見ても、国交相や首相の名前は出てきません。
それに対し、自衛隊では、最高指揮官として、指揮官旗まで用意さ
れているという違いがあります。自衛隊は軍ではありませんが、国
の存否を左右する軍というものの性格が首相をその様に位置づけて
いると言えます。
この様な指揮官としての自覚は、恐らく、観閲式や観艦式で、自衛
官が自分に敬礼をしている事などを通じて、醸成されるものだと思
われますが、鳩山首相は、10/24に行われた殉職自衛隊員追悼式に
も、10/25に行われた観艦式にも参加しませんでした。これでは、
指揮官としての自覚が醸成できる訳もないのです。否、自覚の醸成
を自ら放棄しているとすら言えるのかも知れません。
今回の場合、首相がどういうつもりで、日韓関係に言及したのかは
知りませんが、自己の指揮下にある護衛艦が衝突され、且つ負傷者
が出ているにも係わらず、それに全く言及する事なく、日韓関係の
みに言及したのであれば、最高指揮官としても極めて問題であると
考えます。
更に、この発言は海難事件を所管する行政機関の長の発言としても
問題があります。いくら宇宙人であるとは言え、海上交通にはルー
ルがあり、海難事故は海難審判で事故の原因と責任が明らかにされ
る事は、鳩山首相も護衛艦「あたご」と漁船の衝突事故や、その後
の海難審判を通じて常識になっていなければなりません。つまり、
為政者として、その審判に影響を与える様な発言は、避けるべきで
ある事も常識でなければならないのです。
これは通常の刑事事件で、事実が明らかになっていない状態にも係
わらず、韓国人が犯人と目される事を理由に、検察官や裁判所に圧
力をかけている様なもの。つまり指揮権を発動しているのと同じ事
なのです。むしろ、裁判所が三権分立により行政府からの独立を保
障されているのに対し、海保が、行政府の一機関である事を考えれ
ば、首相の指揮権限はより強いと考えるべきなのです。
その様な視点から考えると、鳩山氏は、自衛隊の最高指揮官として
の自覚もなければ、行政府の長としての自覚も見識もない事がこの
事件を通じて明らかになったというべきであり、とりわけ、自分の
立場が判っていないというのは首相としては致命的ではないかと考
える次第です。(阪神淡路大震災での危機管理体制の不十分さを指
摘されて「何分初めての経験でもございます」と述べた村山首相に
通じる為政者としての当事者意識の無さを感じてしまいます。)
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