2009年10月8日木曜日

Somali pirates attack French military flagship. フランス海軍旗艦を襲ったソマリア海賊

※写真はラ・ソンム。AFPサイトより転載。

ソマリア海賊問題については、派遣に関する政治的な問題が片付い
てしまった事もあり、派遣部隊の交替程度しか、話題に上らなくな
ってしまいましたが、最近の動きを報じている英文ニュースがあり
ましたので抄訳してみました。ソマリア海賊は、ますます意気盛ん
という様子が良く判ります。

ソマリア海賊フランス艦隊旗艦を攻撃

フランス海軍は7日、ソマリア海賊がインド洋で貨物船と間違えて18,000トン
のフランス艦隊旗艦を襲撃しようとしたと発表した。
160mの指揮艦であり燃料補給艦である「ラ・ソンム」の乗組員は、二隻の小型
ボートで襲撃してきた軽武装のソマリア海賊のずうずうしい夜間攻撃を簡単に
追い払うと共に、五人を捕えた。

「海賊は二隻のボートに乗組み、暗闇の為、フランス海軍艦艇を商船と間違え
て、カラシニコフ小銃を発射した。」とプラズー提督は語った。
ラ・ソンムは、インド洋におけるフランス陸海空軍を監督する指揮艦であり、
米国主導の不朽の自由作戦の旗の下で、ソマリア海賊との戦闘やテロリストの
捕獲の任に当たっている。

艦乗組みの士官は、ソマリア海賊に捕えられたフランス人の人質の解放作戦の
指揮に当たっていた。海賊は、間違いに気づいた後、逃走したが、一時間の追
跡の後、一隻の小型ボートが捕獲された。

その海域にいる西側公式筋によれば、海賊の小型船とフランス海軍の間で砲火
が交わされた。ラ・ソンムは一隻のボートとの対応に忙しかったので、もう一
隻のボートは上手く逃げおうせる事が出来た。他の艦が応援に到着したが、二
隻目のボートを見つける事はできなかった。これは他の艦の多くが日曜日にセ
ーシェル諸島沖で貨物船を襲った他のグループの海賊の対応に忙しかった事に
よるものだった。

世界の海軍国は、世界でも最も混雑している海上通商路の一つに対する海賊の
攻撃を抑制するために、昨年来ソマリアの無法海域に、数十隻の軍艦を配備し
ている。ラ・ソンムはソマリア海岸から250海里(約460km)離れた海域で行動し
ており、欧州連合のアタランタ反海賊任務作戦の一部として海上航路をパトロ
ールしている護衛艦に燃料補給を行う途上だった。

ソマリア海賊は過去にも誤ってフランス海軍艦艇を襲撃した事がある。5月に
もソマリア海域で行動中のフリゲート艦に数人の海賊が乗り込もうとして捕え
られた。

ソマリアでは、1991年にモハメド・シア・バレ大統領が倒された後、無政府状
態に陥り、その後、適当な政権が樹立されていない。同国は部族間の派閥争い
によって引き裂かれており、海賊ギャング団は、ソマリアのインド洋とアデン
海岸沿いにあるいくつかの港から自由に活動している。
環境監視団体であるエコテラによれば、2009年だけで、少なく共、163回の襲
撃がソマリア海賊によって行われており、内47回で、ハイジャックに成功して
いる。昨年は、130隻の商船が攻撃されており、2007年に比べ200%の増加とな
っている。

海賊の攻撃は、モンスーン・シーズンの終わりに伴って活発化している。先週、
ソマリア海賊は、インド洋で36人乗組みのスペイン漁船「アラクラナ」を捕獲
した。合衆国連邦海事局は先月末、モンスーン・シーズンの終わりに伴いソマ
リア沖での海賊行為の増加することについて警報を発し、船会社に対し、用心
深く対応するよう促している。海賊はハイジャックした漁船で牽引される小型
のファイバーグラス製ボートを使って襲撃する事が多いので、穏やかな海であ
れば、貨物船、トロール船や個人用ヨットを乗っ取り易くなる。更に、クルー
ズ客船も攻撃されている。

(AFP 2009/10/8)



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