タンカー損傷は攻撃? 「銃弾など痕跡なし」首ひねる防衛関係者
タンカー「エム・スター」の損傷事故の原因をめぐり、謎が深まっている。海
賊など外部からの攻撃の可能性が指摘されたが、外観に銃弾などの痕跡が見あ
たらないからだ。防衛省関係者は「攻撃されたとは思えない」と口をそろえる。
「銃弾が船体に当たれば穴は開くし、火災も起こりうる。へこみだけでは済ま
ない。何かが衝突した跡にしか見えない」。ある防衛省幹部はそう話す。
海上保安庁幹部も「硬いものが衝突した跡ではない」との見方を示す。「考え
られるとしたら爆風や波。爆風なら、この程度の被害で済むかどうか。強い波
で船体がへこむことはあるが、もっと不規則な形になる」という。
商船三井によると、船体の鉄板は厚さ6センチ。爆発とされる爆音がした際、
乗組員の1人が左舷の甲板上で作業をしており、「水平線上に光が見えた」と
同社に報告しているという。ただ、他の乗組員の証言など、詳しい状況は分か
っていない。
へこみの位置とは離れた船橋2階の内部が壊れているため、大きな衝撃があっ
たことは間違いない。なくなった救命ボートがへこみの上部にあったことから、
ボートが何らかの原因で外れ、船体にぶつかった可能性を指摘する関係者もいる。
米国のクローリー国務次官補(広報担当)は28日の記者会見で、「現時点で
タンカーが攻撃されたことを示す情報はない」と語っている。
(産経新聞 2010/7/29)
タンカーで爆発、攻撃か ホルムズ海峡、1人軽傷
28日午前5時半ごろ、ペルシャ湾につながるホルムズ海峡を航行していた商
船三井の原油タンカー「M・STAR」(マーシャル諸島船籍、16万292
トン)の船体後部にある救命艇付近で爆発が起き、乗組員のインド人1人が軽
傷を負った。
国土交通省と商船三井によると、「爆発直前に水平線上に光を目撃した」と話
す乗組員がおり、海賊など外部から攻撃された可能性がある。ただ、この海域
では、これまで日本関係の船舶への海賊による攻撃はなく、詳しい状況を調べる。
一方で、アラブ首長国連邦(UAE)紙ガルフニューズ(電子版)などによる
と、オマーンの沿岸警備隊当局者は「攻撃の情報はない」として、地震による
異常波がタンカー破損の原因と指摘。フジャイラの港湾当局者も、同様の見方
を示した。バーレーンに司令部を置く米第5艦隊は、原因は不明としている。
乗組員はインド人15人とフィリピン人16人の計31人で、日本人は乗って
いなかった。爆発は比較的小規模で、船体後部付近では爆発の要因が見当たら
ず、原油への引火や流出はなかった。
同船は、27日までにUAEのダスアイランド港などで原油計約27万トンを
積み、千葉港に向けて航行中だった。自力航行が可能で、損傷の程度や爆発の
原因を調べるため、UAEのフジャイラ港に向けて航行している。
(産経新聞 2010/7/28)
不思議な事件が起こりました。ペルシア湾の入り口に当たるホルム
ズ海峡を通峡中の大型タンカーで原因不明の爆発が起き、負傷者が
出ると共に、船体に被害がでたというのです。
今の処、詳細な調査が行われていない事もありますが、爆発の原因
が判っていないのです。現在までの報道と公開された数枚の写真を
元にして想像を巡らせてみる事にします。
事件が発生した場所は、ホルムス海峡のオマーン側で、対岸はイラ
ンになります。船は、ペルシア湾から日本に向けて航行していたと
見られます。被害は右舷側に生じていますので、攻撃があったとす
れば、オマーン側から行われた事になります。
公開された写真を見ると、船体右舷後部の外板部が水線部を底に9
m四方にわたって凹んでいます。また、その上部のデッキ上に吊る
されていた救命ボートは吹き飛び、デッキハウスにも、外部からの
爆風によると思われる被害が生じています。
現地オマーンの当局者は、地震による高波説を出していましたが、
被害が出たデッキ部は、水を被った跡がありません。もともとオマ
ーンは事を大きくしない為に、爆発そのものを否定する自然原因説
を出したものと見られます。
爆発があった事は、船体に被害が生じている処から明らかですが、
何による爆発かが、今の処、判っていません。ミサイルやロケット
弾によるものであれば、爆発した際に、多数の弾片が発生し、その
跡が付くはずですが、それを写真では見つける事が出来ません。
また、イラン・イラク戦争の頃に、イランがタンカーに向け対艦ミ
サイルを大量に発射し被害が出ましたので、現地でそれと判断でき
るものと思われます。
魚雷や機雷の爆発という説もありますが、魚雷や機雷であれば、水
線より下で爆発が発生しますが、今回は、爆発は水線の上で発生し
ていますので、これも当たりません。
デッキ上の被害を横に置いて、船体の凹みだけを見て、船(潜水艦)
または暗礁等と衝突したという向きもありますが、その場合に発生
する筈の擦過痕がありません。
従って、残る可能性としては、鉄の様な固い外殻で覆われていない
爆薬が船体の至近距離で爆発したと考えるべきではないかと思われ
るのです。例えば、2000年10月に発生したアルカイダによる米国駆
逐艦コール襲撃事件の様なケースです。複合型ゴムボートに爆薬を
積んでタンカーに接近し、至近距離で自爆したと考えると、弾片に
よる被害が発生しなかった事や被害が水線上に発生した事、救命ボ
ートが下部からの爆風で吹き飛ばされた様に見える事等の理由が付
くと思われます。
駆逐艦コールでは、船体に12m四方の破孔と亀裂が生じ人的にも
大きな犠牲者がでましたが、今回のケースでは破孔も生じていませ
し、人的損害も軽微です。この理由は、簡単で、コールの外板が厚
さ1~2cmであったのに対し、大型タンカーの外板は6cmと三
倍以上の厚みがあります。乗組員の数もコールが300名以上である
のに対し、タンカーは船体が巨大である割りに約30名しか乗り組ん
でいません。また、爆薬の量が違った可能性もあります。それらが
合わさって被害の差になって現れたと言えます。
テロリストがタンカーを狙った理由ですが、これは想像に過ぎませ
んが、テロリストにとっては、世界が不安定で人々が不安に駆られ
る状態が、望ましいと考えられます。また、アフガニスタンで米国
によるテロリスト制圧作戦が進行する中で、アルカイダは、それに
対抗する何らかの作戦行動が必要とされていたと思われます。その
中で、過去に成功した(栄光の)作戦を模倣しようとしたのではない
かと考えられるのです。
また、BPが、メキシコ湾の海底油田プラットホームで大規模な原
油流出事件を起こした事で、会社の存否を左右される様な問題にな
っている点を参考に、ホルムズ海峡で大規模な原油流出事故を発生
させることで、自己の存在をアピールすると同時に世界的な不安心
理を加速しようとしたのではないかと思われるのです。
以上、現時点で得られる材料を利用して原因を追求して見ました。
今後、詳細な原因究明が進めば、異なる原因が判明するかも知れま
せん。事件発生後二日での取り敢えずの推測という事で、ご理解頂
ければと思います。
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