2009年8月11日火曜日

そして靖国は首相が行けない場所になった。


首相、靖国参拝見送りへ 中韓との関係考慮

麻生太郎首相は10日夜、終戦記念日の8月15日前後の靖国神社参拝につい
て「最も政治やマスコミの騒ぎから遠くに置かれてしかるべきだ。(靖国神社
は)静かに祈る場所だ」と述べ、事実上、参拝を見送る意向を明らかにした。
官邸で記者団の質問に答えた。

首相は外相当時も中国、韓国両国に配慮して参拝を見送っており、今回も同様
の判断とみられる。「15日に参拝するか」との質問には直接答えず「国家の
ために尊い命をささげた人たちを政争の具にするとか新聞のネタにするのは間
違っている」とも指摘した。

首相は就任後の昨年10月の衆院予算委員会で、参拝について「行くとも行か
ないとも答えるつもりはない」と述べ、態度を明確にしない「あいまい戦略」
を取る考えを示していた。

今年4月、首相が靖国神社の春季例大祭に合わせて供物を奉納した際、中国側
は強い不快感を表明。首相は5月に北京で行われた日中首脳会談で「(過去の
侵略などへの痛切な反省と心からのおわびを表明した)1995年の村山富市
首相談話などから何ら変更はない」と釈明した。

首相の靖国参拝をめぐっては、2006年8月に当時の小泉純一郎首相が参拝
したが、後継の安倍晋三、福田康夫両首相は見送っている。

首相は、同年8月、宗教法人としての靖国神社の自発的解散を前提に、設置法
を制定して特殊法人「国立追悼施設靖国社(招魂社)」に移行、実質的に国営
化するとの私案を発表している。

(時事通信 2009/8/10)


改めて言うまでもなく、中韓が幾ら文句を言った処で、日本と言う
国の命により出征し、その命を捧げた軍人を祀る施設に、国家の代
表者が参拝できない状態を作るというのは、愚の骨頂でしかありま
せん。
中韓に配慮と言っていますが、元々中韓の主張が理不尽な内政干渉
でしかなく、それへの配慮を行うという事は、自国への内政干渉を
認める事に他なりません。

特に韓国、朝鮮などは、日本と戦争をした訳でもなく、首相の靖国
参拝に文句をつける理など全くないと言っても過言ではないのです。

8月15日が参拝に適当でないというのであれば、首相として適当と
思う時期に参拝すれば良いのです。しかし、安部、福田両首相同様、
麻生首相も参拝しないのでは三代続いて首相の靖国神社参拝がない
事になり、これでは、政権交代後に民主党の首相が参拝しなくても、
自民党が野党として批判する事ができなくなります。民主党の首相
が何代続くかは判りませんが、首相が靖国神社を参拝できない事が
完全に定着し、日本国内に首相が行けない場所を作ってしまうと言
う今以上の国辱問題になってしまうと考えます。

麻生首相は、マスコミの揚げ足取りとバッシングの結果とは言え、
身から出た錆びで、政権交代を余儀なくされつつあります。総選挙
で自民・公明の連立与党が多数を占める可能性は略なくなっていま
す。麻生首相が選挙後も政権を担当する可能性は無いと言っても過
言ではありません。

そうであれば、麻生首相は、後世に残す最後の善行として、せめて、
靖国参拝だけは、首相として断固実行し、他国の内政干渉を排除す
る姿勢を明確にすべきであったと思われてなりません。日本という
国の為に誠に残念であったと言わざるを得ません。


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2009年8月10日月曜日

北方領土を回復したいのであれば、人道支援も拒否すべき

※写真は国後島。根室支庁のサイトから転載

ロシア、北方領土への支援拒否 「日本が四島買収」と住民も支持

ロシア外務省が、日本側から北方領土への人道支援の受け入れ停止を表明した
ことについて8日、国後、択捉両島のロシア人住民からは「(支援は)もう必
要ない」との声があがった。

「助けてくれてありがとう」。択捉島の無職マリヤ・イワノワさん(68)は、
ディーゼル発電所、医療機器など、これまでの人道支援に感謝する。だが「支
援は日本が四島を買収するためのもの。ロシアは貧しくはない」として、人道
支援を事実上拒否したロシア政府の判断を支持した。

択捉島の無職アレクサンドル・プラズニコフさん(56)も「人道支援は屈辱
的。日本は政治目的に利用している」と厳しい。

一方で、支援の全面的な停止を心配する声も聞かれた。国後島の会計士タチア
ナ・ヤキモワさん(59)は「日本で子どもを治療させたい親はたくさんいる」
と話す。ロシア政府は、人命にかかわるケースでは柔軟に対処するとしている
が、ヤキモワさんは「子どもの医療支援だけは続けてほしい」と強調した。

(北海道新聞 2009/08/09)

平たく言えば、今までの人道支援には相応の意味があったと思いま
す。つまり住民に日本の援助があれば、(あるいは日本領になれば)
生活が楽になるのを理解させる事はできた訳です。鈴木宗男氏が意
図した様な日本依存にさせる事は、元々実現に無理があったと言わ
ざるえないと思います。しかしながら、これまでの援助を通して繁
栄する日本が海峡を挟んだ身近に存在する事を認識させた事は大き
い効果と言えます。

そういう理解に立った上で、今度は医療に関する人道援助も含め一
切の援助を断つべきなのです。つまり、北方四島の住人に、日本の
援助なく生活する事の辛さを思い出させ、かつ、この処のリーマン
ショックで資源安に直撃されているロシア政府には、北方四島を保
持する経済的な負担の大きさを認識させるべきであるという事なの
です。

住民は、中止される事になった日本の援助に相当する物質的援助を
ロシア政府に要求する筈です。人間は一度、覚えた利便性を損なわ
れると、その利便がなかった時には耐えられた苦痛にも耐え難く感
じる様になります。その結果、北方四島から、ロシア本土に帰還す
る人間が増えれば、ロシア政府の北方四島での入植政策を失敗に導
く事も可能になります。また、ロシア本土への移住に至らないまで
も、日本の人道援助の復活や、対日強硬政策を取る、ロシア政府や、
地方政府に対する批判に繋がれば、それはそれで政治的な効果があ
ったと言える様に思います。また、ロシア政府が、北方四島の住民
への物質的な援助を行えば、北方四島の維持コストを増加させた事
になり、それはそれで大きな意味があります。

ロシアにとっては、北方領土は、一辺境に過ぎません。米ソ対決時
代に比べ、米国の軍事力と直接対峙する前線と言う、軍事的な重要
度は、大幅に減じています。勿論、軍事的な重要性があるのは変わ
りませんが、死活的に重要という訳ではなく、領土を維持する経済
的な負担より遙に大きな利益と、大国として対面を満足できる名分
があれば、北方領土問題の解決も全く不可能な状況ではないと考え
ます。

我々は、今回のロシアの「北方領土への支援拒否」という如何にも
ロシアらしい居丈高な態度を正に奇貨と捉え、それを活用して、北
方領土返還へ結びつけていく方向に活用すべきと考える次第です。


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