2010年7月2日金曜日

民主がやってきたことって、一言でいうと「自民党が正しいという確認作業」


※自民党ポスターと民主党ポスター

毎日拝見している大石英司さんのブログ"大石英司の代替空港"のコ
メント欄で紹介されていた民主党に関するコピペです。全く同感し
てしまいましたので改めてご紹介します。(ブログエントリーでは
なくコメントに共感してしまったのは、大石氏には申し訳ないので
すが...。)

※2ちゃんねる ガイドライン板がソースという事だったので、ス
レッドを少し当たってみましたが、発見できませんでした。
(探し方が悪かったのかも知れません。)

民主がやってきたことって、一言でいうと「自民党が正しいという確認作業」
じゃないか?:アルファルファモザイク
http://alfalfalfa.com/archives/398206.html
編集元:ガイドライン板より

708 水先案名無い人 :2010/06/21(月) 18:28:44 ID:+cGNL7/g0

34 :名無しさん@十周年:2010/06/21(月) 02:42:46 ID:1B0gSWFl0
民主がやってきたことって、一言でいうと「自民党が正しいという確認作業」
じゃないか。

・辺野古移設案が正しいという確認
・日米安保体制が正しいという確認
・ムダを削減してもバカみたいにお金は出てこないという確認
・後期高齢者医療制度は必要だという確認
・高速を無料にすることはできないという確認
・暫定税率を廃止したらとんでもなく財源が欠損するという確認
・官僚政治をぶっ潰すのではなく協調していくほうが良いという確認
・財源なく子供手当てを出すより扶養控除と児童手当を続けたほうが良かった
 という確認
・年金制度は簡単に一本化できないという確認
・官房機密費は機密のままのほうが都合が良いという確認
・増税なく赤字国債を減らすことはできないという確認
・エコ減税、エコポイント制度が景気回復に効果的だという確認
・強行採決も時には必要だという確認
・夢物語みたいな政治はないのだという確認
・消費税を増税したほうが良いという確認


このコメントに私が追加する事はあまりありませんが、強(し)いて言
えば、民主党には確認した後で、間違った政策は改める勇気を持っ
て欲しいと思います。今のばら撒き方では、税金がいくらあっても足
りない事は明らかでしょうから...。


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2010年7月1日木曜日

冷戦終了は、諜報活動の終了は意味しない

※ロシアのスパイ容疑者。Reuter Webサイトより転載

外交問題に発展せず ロシアのスパイ訴追で米大統領報道官

ギブズ米大統領報道官は29日の定例記者会見で、連邦捜査局(FBI)がロ
シアのスパイとして11人を訴追した事件について「(米露2国間の)関係に
影響を及ぼすとは思わない」と述べ、外交問題に発展する可能性を否定した。

ギブズ氏は、オバマ政権発足後に両国関係は、新たな核軍縮条約「新START」
に調印するなど大きく改善したと指摘し、事件は「司法機関が適正に処理した」
と強調。オバマ大統領は事件の概要について事前に説明を受けていたという。

米国務省のゴードン次官補(欧州・ユーラシア担当)は「情報機関を使った古
い企ての名残があったからといって、誰も大きなショックは受けないだろう」
と指摘し、米露間で依然としてスパイ活動が続いていることを暗に認めた上で
「さらに信頼できる関係に向かっている」と強調した。

(産経新聞 2010/06/30)

露「スパイ団」摘発 核情報など収集か

米司法省は28日、ロシアのスパイとして米国内で核弾頭の開発計画情報など
を収集していたとして、男女の容疑者10人を逮捕し、1人の行方を追ってい
ると発表した。

11人は訴追されており、司法省はロシア対外情報局(SVR)のスパイだと
指摘。小型核弾頭の開発情報収集や、米中央情報局(CIA)への就職希望者
の背後関係調査などを行った疑いがあるとしている。

容疑が事実なら、冷戦終結から20年が経過した後も、映画さながらのスパイ
活動が続いていたことになる。米露関係に微妙な影を落としそうだ。

司法省によると、連邦捜査局(FBI)が2009年、ロシア側からメンバー
に送られた「米国の政策決定人脈に食い込み、情報を送れ」との暗号文を解読。
捜査の結果、27日にニューヨーク州やバージニア州で一斉に10人を逮捕した。
マネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いももたれている。

訴追記録や米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、逮捕された10
人はカップル5組。10年以上前からニューヨーク郊外やボストン、シアトル
などに偽の身元で居住し、地域に溶け込んでいた。FBIは7年以上前から監
視してきたという。

(産経新聞 2010/06/30)


ロシアのメドベージェフ大統領がカナダで行われたサミットからの
帰国の途についたと同時に発表されたのが、今回の「スパイ団」の摘
発です。

ソ連崩壊による混乱で、ロシアの米国に対する諜報活動は二つの要
因で活動レベルが低下しました。その一つは、共産主義イデオロギ
ーに対する信頼の崩壊であり、二つ目は、諜報活動予算の不足です。

西側諸国の社会民主主義勢力や進歩的知識人の中には、マルクス・
レーニン主義を信奉する共産党シンパが、多数存在したのですが、
ソ連の崩壊により、ロシア自身が共産主義を放棄した事でロシアを
奉じる意味がなくなりました。これによりロシアの諜報活動の基盤
が大きく損なわれる事になりました。それに輪をかけたのが、ロシ
ア連邦発足後の政治的経済的混乱です。その中で、諜報組織そのも
のが改廃され大混乱を来たしました。当然ながら諜報活動に使われ
る予算は、大幅に不足したといわれています。イデオロギーに依拠
した諜報活動ができなければ、金銭が媒介した諜報活動が必要にな
りますが、予算不足ではそれも不可能になります。

今回摘発されたロシアのスパイ組織は、10年以上前から活動を行っ
ていたようですが、それは、くしくもプーチンの台頭と軌(き)を一
(いつ)にしています。ロシアの国内の混乱を収束させ、資源輸出に
よる経済発展を軌道に乗せたのはプーチンの手腕ですが、自身が情
報機関KGBの出身であり、政権にKGB出身者を多数登用した事
もあり、諜報機関の組織立て直しが行われ、予算もそれ以前と比べ
相当に潤沢になったと考えられます。その様な背景の中で、今回の
スパイ組織が米国に設置されたのではないかと思われます。

今回のロシアのスパイ訴追に関し米大統領報道官は、外交問題への
発展を否定しましたが、それもその筈です。過去7年間、FBIは
スパイ組織を監視していたと言いますが、それが監視だけで留まっ
ていたという理由はありません。常識的に考えれば、協力者として
接近したり、逆スパイを潜入させたりで、そのスパイ組織を通じ、
本物、偽者を問わず、米国がロシアに、知らせたい情報を流してい
たものと思われるのです。今回の摘発は、まさにそのスパイ組織の
利用価値がなくなったからこそ、行われたものであると考えられます。

今回の摘発でロシアの対外情報局(SVR)は、このスパイ組織か
ら上がってきていた全ての情報の真偽とその情報が流れた意図につ
いて、詳細な分析を行わなければならないなりました。恐らくは、
一時的にではあっても、スパイ団摘発によって対外情報局は半身不
随になる筈です。その意味では、この事件の一番の火の粉は、対外
情報局に降りかかったと言えそうです。恐らくは、それも米国は計
算した上で公表したと考えられます。

こういった外国による諜報活動は、日本にとっても無縁な話ではあ
りません。日本はスパイ防止法もないスパイ天国であるのは周知の
事実です。警察や自衛隊はもとより公安調査庁と言った公安組織の
内部情報すら、中国や北朝鮮には、筒抜けであると言われています。
その意味で、日本は、「情報に関する透明性を持った国」であると
言われます。これは当然の事ながらほめ言葉ではありません。情報
管理の出来ない無責任国家という評価なのです。元CIA長官であ
るゲーツ国防長官が何故あれ程、F-22ラプターの日本への輸出に反
対したのかも、そう考えれば容易に理解できます。

今回の事件は、いみじくも、冷戦後も活発に続く、各国の諜報活動
の実態の一端を赤裸々に見せてくれたニュースであり日本にとって
も対岸の火事ではないと思われるのです。


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2010年6月30日水曜日

韓国、初の静止多目的衛星をアリアンロケットで打ち上げ

※CGは打ち上げられた静止衛星「千里眼」。Spaceflight Now から転載。

韓国初の気象衛星「千里眼」、打ち上げに成功

韓国航空宇宙研究院は27日、韓国初の通信海洋気象衛星「千里眼」の打ち上げ
に成功したと発表した。

千里眼を載せたフランス製のアリアンロケットが同日午前6時41分(韓国時間、
以下同)、南米仏領ギアナのクールー宇宙センターから打ち上げられ、38分後
の同7時19分にオーストラリアのドンガラ地球局と同衛星の初交信に成功した。
千里眼の打ち上げは昨年5回にわたり延期されていた。

千里眼は韓国で初めて開発された静止衛星で、韓半島(朝鮮半島)の上空
3万6000キロから雲、湿度、台風などに関する気象観測データを24時間地上に
送る。また、衛星通信サービス機能や海流変化の観測機能も備えている。

千里眼が今年12月に運用を開始すれば、韓国は世界で7番目に独自の気象衛星
を持つ国となる。韓国はこれまで日米の気象衛星によるデータを使用してきた。

千里眼は重量2.5トン、製作費3549億ウォン(約267億円)で、2003年に韓国航
空宇宙研究院と仏アストリウムが共同で開発を進めてきた。今後、機能に異常
が発生した場合には、アストリウム側が責任を負う。

李柱鎮(イ・ジュジン)航空宇宙研究院長は「千里眼は韓国の技術が生かされ
た初の静止衛星だ。今回の打ち上げ成功を契機として、韓国の衛星産業は新た
な段階へと飛躍することができた」と評価した。

(朝鮮日報 2010/06/28)


打ち上げロケットのアリアン5‐ECAの不具合で、打ち上げスケ
ジュールの変更を繰り返していた韓国初の静止衛星「千里眼」が漸
く打ち上げられました。

今回、打ち上げられた静止衛星はアストリウム社が製作したもので、
上記の記事では、共同開発と書かれていますが、実際には、開発を
アストリウム社に請け負わせたものです。それが証拠に「今後、機
能に異常が発生した場合には、アストリウム側が責任を負う」事に
なっています。ベースとなる機体は、Eurostar E3000モデルで、
軌道寿命は10年を予定しています。

衛星の重量は、2.5トンと、最近の静止衛星のサイズとしては中型
ですが、日本歴代の静止気象衛星の重量は、「ひまわり」1~5号
で300kg程度しかありません。また、運輸多目的衛星となった「ひ
まわり」6~7号では主としてデータ通信機能からなる航空ミッショ
ンも搭載したので一気に大型となり4.6トンと「千里眼」の二倍近い
重量となっています。

この様に「ひまわり」との比較で考えると、今回の「千里眼」の重量の
多くは、気象衛星としての機能ではなく、衛星通信サービス機能と、
海洋観測機能で、占めているのではないかと思われます。

「千里眼」の、衛星通信サービス機能としては、実験的なKaバンドの
通信パッケージが搭載されており、海洋観測機能は、海洋を500mの
解像度で撮影する機能があり、赤潮発生や潮汐等の情報を主として
漁業関係者に提供する事が予定されています。赤道上空36000キロ
から撮影し、500mの解像度を持つ事は、高度200キロで3mの解像度
を持つ事になります。その様に考えると海洋観測機能にも、陸域観
測衛星「だいち」の地上撮影機能PRISM並みの解像度を持ってい
る事になります。(PRISMは高度700キロの軌道から2.5mの解像
度を持つので、実際にはより高性能です。)

今回の「千里眼」打ち上げで韓国は世界で7番目の静止衛星保有国
となりました。ただ、今回の打ち上げにどの程度の必要性と意味が
あったかと言えば、首を傾げる点がある事も事実です。つまり、気
象衛星サービスは、「ひまわり」が無償で提供しており、確かに、韓
国だけに限定したサービスは行っていませんが、日本向けサービス
も韓国に提供されているのと同じレベルであり、その意味では、
「ひまわり」によって韓国も必要且つ十分なサービスを得られていた
筈です。

また、通信機能についても、同じレベルの通信衛星サービスは商業
ベースでも提供されています。苦労して自前で整備する必要はなく
なっています。ちなみに、海上自衛隊は軍用通信も秘匿度の低い
通信には民間の衛星通信サービスを利用しています。また、海洋
観測機能についても役に立たないとは言いませんが、既に独自の
偵察衛星を保有し運用している韓国に、どこまでの必要性がある
のか疑問を感じざるを得ません。

そういう視点からすれば、今回の韓国の静止衛星打ち上げは、韓国
の国家威信とKARI(韓国航空宇宙研究院)の静止衛星運用ノウハウ
取得の為に打ち上げられたと言っても過言では無い様に、思われるの
です。いみじくも、韓国、中央日報が記事の表題とした「初の国産
静止軌道衛星…気象情報日本に頼らず」というのが一番の意義なの
かも知れません。


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2010年6月29日火曜日

中国をG8に参加させる事で、得られる日本の国益とは?

※陰に隠れて見えない菅首相。Reuter Webサイトから転載。

G8サミットに中国招待を=菅首相、夕食会で提案

菅直人首相は25日夜(日本時間26日午前)、主要国首脳会議(サミット)夕食
会の席上、今後のサミットの在り方に関し「一層責任感を高めてもらうため、
時には中国をG8サミットに呼ぶことを考えてもいいのではないか」と提案した。

首相はG8サミットについて「先進国間の意思疎通の場として維持すべきだ」と
強調。同時に、20カ国・地域(G20)首脳会合については「新興国との間の調
整の場として位置付けることが現実的ではないか」と指摘した。
これに関し、参加国はG8について「価値観を同じくする国が率直に意見交換を
行い、方向性を定める意味で引き続き有用だ」との認識でおおむね一致。G20
に関しては、「金融危機対応で大きな役割を果たしたが、意見をどのように収
れんさせていくかが課題だ」との指摘が出た。

(時事通信 2010/06/26)


中国は国連安全保障理事会常任理事国(P5)の一員である事を100%
以上に有効に使って自国の国益実現を図っているのは周知の事実です。
その一方で、元々は西側先進民主主義国の政策調整の場であった
G8は、ソ連崩壊後の新生ロシアを西側陣営に引き込む目的でG8
への参加を許容したお陰で、政策調整と合意の場としての役割を随
分と阻害される様になって来ています。

日本が当初からのサミット参加国である事は、サミットの元々持っ
ていた経済政策調整機能と、日本の国際的な経済プレゼンスの大き
さから自明であったからですが、それが日本の国益にもなっている
事もまた明らかであると考えます。

菅首相が、どの様な意図で、中国を参加させれば、「一層責任感を
高めてもら」えると考えたのか不明ですが、今回議題にもなった韓
国哨戒艦撃沈事件や、北朝鮮を巡る六ヶ国協議でも、中国の北朝鮮
に対する宥和的態度が、どれほど、国際的な共同歩調を損なってい
るか、少しでも中国の態度を継続的にフォローすれば一目瞭然と言
えます。中国をG8に参加した処で、自国国益の露骨な追求を繰り
返す事はまず確実であり、それ以前に、未だに共産主義一党独裁体
制を堅持する中国のG8参加は、西側民主主義国とは異質な存在と
して、G8の阻害要因となる事は明らかであると言えます。

現実の経済面においても、その成長力こそ注目されているものの、
自国の利害のみを考えた中国の露骨な経済為替政策は近隣窮乏化政
策そのものである事は明らかであり、WTOを始めとする国際的な
ルールを踏みにじっていると言わざるを得ないのです。

菅首相の心情はどうであれ、日本としては、人民元相場を自由な変
動相場制に移行させ、中国を貿易や為替の国際的なルールに従わせ
る事が、同一の競争条件を整えるという意味で国益に通じる事は言
うまでもありません。

もし、菅首相が中国に対する好意で、G8への参加を呼びかけたの
であれば、菅首相はG8の持つ性格と歴史に関する無知を指弾され
るでしょう。もし、中国がG8に参加しても、中国が日本に感謝す
る事もありません。中国は日本がG8に持つ足場の切り崩しに力を
入れる事になる筈です。

菅首相が、中国に責任を持たせる為に、G8への参加を呼びかけた
のであれば、P5としての中国の態度を無視している事で、菅首相
は国際政治と中国に対する無知を晒したと言わざるを得ません。

もし、菅首相が、日本の国益に思い至らずに、民主党の媚中政策の
延長で、G8への参加を呼びかけたのであれば、それは売国の謗り
を免れないと言わざるを得ないのです。


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2010年6月28日月曜日

ボーイング、787ドリームライナー試験飛行一時中止



※図は、Seattle TimesのWebサイトから転載。

ボーイング、787ドリームライナー試験飛行一時中止-水平尾翼の問題で

米航空機大手ボーイングは、次世代中型機「ボーイング787 ドリームライナー」
の水平尾翼に製造上の問題を発見したため、試験飛行を一時的に中止した。
シアトル・タイムズ紙(電子版)が伝えた。

問題は、ワシントン州エベレットの同社工場で過去1週間以内に発見され、シ
アトル・タイムズ紙の報道で初めて明らかになった。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙の問い合わせに対し、ボーイングの関係
者は今のところコメントをしていない。

シアトル・タイムズ紙がボーイングの広報担当者の発言として伝えたところに
よると、すでに飛行済みの5機と製造された18機について、検査が行われる見
込みで、影響を受けた個所は修理されるという。検査により修理が必要になっ
た場合、修理は最大8日かかるという。

787プログラム担当責任者は22日、シアトルでの記者会見で同機には問題がな
いと言っていた。

スケジュールが大幅に遅れているボーイング787 ドリームライナーにとって、
今回の試験飛行中断は新たな汚点となる。

同紙によると、ボーイングの広報担当者は、今回5機の試験飛行が中断されて
も、最初の引き渡し時期がさらに遅れることにはならないと述べていいる。

(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2010/06/25)


先日、GEnxエンジン搭載ボーイング787の初飛行のエントリーを
書いたばかりでしたが、残念ながら今日は試験飛行一時停止のニュ
ースです。

上記の記事にあるSeattle Timesの記事原文は、以下のURLで読む事
ができます。
http://seattletimes.nwsource.com/html/businesstechnology/2012201147_boeing25.html

この記事によれば、問題が発生した水平尾翼はイタリアのアレニア
社が担当したもので、アレニア社での組み立て工程で誤りが発見さ
れたというものです。

先週、ボーイング社のエンジニアがテスト機を点検した際、そのま
ま放置すれば、亀裂が発生する可能性がある異常を見つけ、その原
因を解析した処、水平尾翼を機体に取り付けるブラケットという部
材がアレニア社内で誤った手順で取り付けられているのが判明した
と言います。

ボーイング社によれば、5機のテスト機とこれまでに製造した23機
の点検には、1~2日しかかからず、もし、問題があっても、その
修理には8日しかかからないといいます。今の処、この問題によっ
て引渡しスケジュールに影響が出る事はなく「遺憾ではあるが対応
可能な問題」というのが同社の説明です。

しかしながら、787で今まで、発生した各種の問題も全て、当初
は、小さな問題と発表された後、引渡し延期に至ったケースが多か
っただけに、ボーイング社の説明をそのまま、素直に受け取る向き
は少ない様に思われます。

航空会社にとっては、引渡しスケジュールの遅延は、機材繰りに大
きく影響するだけに大問題であるのは言うまでもありませんが、乗
客の側から言えば、新しい機体は、今まで以上の安全性が期待され
ている訳で、787が炭素繊維複合材と言う新素材を多用した機体
であるだけに、過去の航空事故の教訓、例えば、コメット機が初め
て経験した金属疲労問題と類似した新素材に特有の問題点がないか、
十分にチェックを重ねて欲しいものだと思います。

なお、アレニア社は、水平尾翼と共に、後部胴体の生産も担当して
おり、ちょうど、一年前にも、規定仕様外の部品を使用した事で胴
体外皮に皺を発生させ、この修復と解決に、多大の時間を要した過
去があります。


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