2010年1月29日金曜日

日本には謎の鳥がいる。

カモかチキンかサギなのか ハトは5月が正念場

■ネット飛び交う「謎の鳥」
鳩山由紀夫首相の政治姿勢を皮肉ったとみられる文章がネット上で話題になっ
ている。
「日本には謎の鳥がいる」で始まる短い「落書(らくしよ)」。だれが考案し
たかは不明の「よみ人知らず」で、元になった文に多くの人が手を加えていっ
たらしい。
「ものを言わせたら『アホウドリ』」「押しの強い相手からは『チキン』に見
える」などのバージョンもある。「チキン」には、英語の俗語で臆病者という
意味がある。

日本には謎の鳥がいる。正体はよく分からない。
中国から見れば「カモ」に見える。
米国から見れば「チキン」に見える。
欧州から見れば「アホウドリ」に見える。
日本の有権者には「サギ」だと思われている。
オザワから見れば「オウム」のような存在。
でも鳥自身は「ハト」だと言い張っている。
それでいて、約束をしたら「ウソ」に見え
身体検査をしたら「カラス」のように真っ黒、
釈明会見では「キュウカンチョウ」になるが、
実際は単なる鵜飼いの「ウ」。
私はあの鳥は日本の「ガン」だと思う。


■駆け巡る退陣説

鳩山由紀夫首相(62)の5月退陣説が民主党内を駆け巡っている。自身の偽
装献金問題や小沢一郎幹事長(67)の土地購入をめぐる政治資金規正法違反
事件のために内閣支持率は落ち続け、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の
移設問題では5月末までに軟着陸させるのは不可能との見方が強い。そこで、
普天間問題に結論を出すタイミングに合わせ、夏の参院選をにらんだ「鳩山降
ろし」が発生するという読みだ。

(産経新聞iza 2010/01/29)


二条河原落書:この頃都に流行るもの…。
此頃都ニハヤル物 夜討(ヤトウ) 強盗(ゴウトウ) 謀綸旨(ニセリンジ)
召人(メシウド) 早馬(ハヤウマ) 虚騒動(ソラサワギ)
生頸(ナマクビ) 還俗(ゲンゾク) 自由出家(ママシュッケ)
俄大名(ニワカダイミョウ) 迷者(マヨイモノ)
安堵(アンド) 恩賞(オンショウ) 虚軍(ソライクサ)
本領ハナルヽ訴訟人 文書入タル細葛(ホゾツヅラ)
追従(ツイショウ) 讒人(ザンニン) 禅律僧 下克上スル成出者(ナリズモノ)
器用ノ堪否(カンプ)沙汰モナク モルル人ナキ決断所
キツケヌ冠上ノキヌ 持モナラハヌ杓持テ 内裏マシワリ珍シヤ
賢者カホナル伝奏ハ 我モ我モトミユレトモ
巧ナリケル詐(イツワリ)ハ ヲロカナルニヤヲトルラム
(後略)

この落書が書かれたのは、建武の新政(あるいは建武の中興)で後醍
醐帝が鎌倉幕府を倒し、天皇を中心とした政治に戻したものの、そ
の理想主義的な政治は、現実と噛みあわず、鎌倉幕府の統治よりも
遥かにレベルの低いものに留まっている事が判った頃のものです。
落書が流行るのは、政治に対する不満を表向き明らかにできない事
によるものです。ですから、20世紀に入ってこの種の政治風刺が一
番流行ったのが旧ソ連であった事も故無しとしません。

日本の場合は、政権に対する批判は自由ですが、「進歩派」あるい
は左派の側から政権を批判するのは民主党内の言論統制を見るとご
法度の様です。この平成ネット落書も、最初は、左派の側ながら政
権に対して批判的な人が思いついたのかも知れませんね。

記事に書かれた落書は、かなり洗練されたものになっていますが、
最初はもっとシンプルなものでした。私もエントリーにこそしませ
でしたが、ブログのコメント欄で取り上げた事があります。ソース
について開示しておくと、かんべえさんの「溜池通信」の1/12の欄
に、以下の様なものがネット上で流行っているジョークとして紹介
してありました。(同じものを、その少し前に、2ちゃんねるでも
見た記憶があります。)

日本には謎の鳥がいる。その正体はよく分からない。
中国から見れば、その鳥は「カモ」に見える。
アメリカから見れば、その鳥は「チキン」に見える。
日本国内では、その鳥は「サギ」だと思われている。
でも鳥自身は、自分のことを「ハト」だと言い張っている。


そして、かんべえ氏のオリジナルとして
個人的な意見だが、私はあの鳥は日本の「ガン」だと思う。
が追加されました。

少し変形しましたが、「ガン」のフレーズは、上の記事でも、しっ
かり生き残った様です。

この平成ネット落書が、二条河原落書の様に生き残るかどうかは、
鳩山内閣が今後、政治的な実績積み重ねる事ができるのか、あるい
は、後醍醐帝の新政の様に空中分解するかどうかにかかっている様
に思います。


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2010年1月28日木曜日

外国人地方参政権問題で地方自治体の意見に耳を塞ぐ民主党政権の傲慢

※写真は産経新聞Webサイトから転載

「地方の意見は関係ない」 官房長官が外国人参政権問題で

平野博文官房長官は27日の記者会見で、政府が永住外国人への地方参政権
(選挙権)付与を検討していることに対し、都道府県知事や地方議会から反対
表明や反対決議採択が相次いでいることについて「自治体のみなさんの決議・
意見は承知していないが、そのことと、この問題とは根本的に違う問題だ」と
述べた。参政権付与法案提出は、地方自治体の意見に左右されないとの見解を
示したものだ。
民主党は昨年の衆院選の政権公約(マニフェスト)で「地方主権」の確立を掲
げているが、平野氏は「(この問題)地方主権の考え方とはまったく違う」と
指摘。その上で「地方自治体の問題ではなく、わが国に住んでいる住民の権利
としてどうなのかという概念だ」と主張した。

(産経新聞 2010/01/26)


普天間問題でも、自治体の同意はいらないと言い出した平野官房長
官ですが、今度は外国人の地方参政権問題でも、地方の意見は聞か
ないと言い出しました。どうも、自分に反対の意見は徹底的に無視
してかかるというのが、民主党政権の基本的性格である事が、白日
の下に晒されて来ている様に思います。

さて、外国人の参政権については、憲法15条は、「公務員を選定
し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定し
ており、また、第43条では、「両議院は、全国民を代表する選挙
された議員でこれを組織する」とされている事から、外国人の国政
への参加は、憲法上禁じられていると解釈されています。また、こ
れを敷衍すれば、地方参政権も禁止されると解釈すべきですが、
1990年の外国人の参政権に係わる最高裁判決の傍論(判決理由には
入らない部分で、法的には何ら意味がない)で、地方参政権につい
て、「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対す
る選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているも
のではない」と述べていた事から、にわかに永住外国人に対する地
方参政権付与問題が浮上してきたものです。(なお、この傍論は、
地方政治が、自治体の行動を通じて国政に影響を与えている実態を
無視したものであり、到底容認できるものではありません。)

実際には、永住韓国人の帰化による組織の衰退に危機感を持った在
日大韓民国民団(民潭)によって、地方参政権獲得運動が推進されて
いる経緯にあります。問題は前回の選挙で民潭が一段となって民主
党への選挙協力を行い、民主党を支持、支援する対価として、地方
参政権付与を民主党が約束した形になっている事です。これは韓国
による日本の内政への干渉に他なりませんし、そもそも外国人が、
日本で政治活動を行なう事、とりわけ「わが国の政治的意思決定又
はその実施に影響を及ぼす活動(は、以降中略)認めることが相当で
ない」とされ、最高裁判例(昭和53年のマクリーン事件判決)でも認
められていないのです。
(なお、民潭の綱領では、その最初に、「在日韓国国民として大韓
民国の憲法と法律を遵守する」と掲げており、民潭が韓国の政策の
下にある事を明白に示しています。 )

百歩譲って、民主党が、独自の判断で永住外国人に地方参政権を付
与する事を検討した時に、地方自治体の意見を聞く必要はないので
しょうか?平野官房長官は「地方自治体の問題ではなく、わが国に
住んでいる住民の権利としてどうなのかという概念だ」と強弁して
いますが、この問題に関して、地方自治体は、明らかに利害関係者
です。外国人の投票の結果を受けるのは、地方自治体に他なりませ
ん。また、地方自治体は、地方に於ける治安維持にも責任を負って
おり、永住外国人の実態に関しても一番情報を持っている筈です。
この自治体の意見を無視する事は、無謀以外の何者でもありません。

しかも、外国人の参政権の様な基本的人権に関する事は、政権が変
われば、簡単に覆す事ができる様な可逆的な政策ではありません。
参政権を与えない事が問題になるのではなく、それを剥奪する事が
国際的に大問題になるという非可逆的な政策なのです。言い換えれ
ば、参政権を付与する事自体が日本の国益を大きく損なう要因を作
り出すとも言えるのです。
その様な性格の問題であれば、超党派で合意を取るべきですが、上
記の平野官房長官の発言は、その点を無視しており、民主党の党利
党略しか考えていない様にしか思われません。これは、党益の為に
国益を外国に譲り渡す売国的行為としか言わざるを得ず、まさに民
主党政権の傲慢ぶりを示したものと言える様に思われるのです。


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2010年1月27日水曜日

普天間維持しか選択肢がなくなった民主党政権


平野長官、地元との同意なしで決定も 普天間移設問題で 
鳩山首相はゼロベースでの移設先検討を強調


平野博文官房長官は26日午前の記者会見で、沖縄県名護市長選で米軍普天間
飛行場(同県宜野湾市)の移設受け入れ反対派の候補が当選したことを受けた
移設先の検討作業について「(移設先の自治体と)合意をとらないと物事が進
められないものなのか。日本の安全保障にかかわってくる問題だ」と述べ、地
元の合意が得られなくても移設先を決めることがあるとの認識を示した。

また、市長選結果をめぐる「自治体の反対を斟酌(しんしやく)していたら何
もできなくなる」との自身の発言に反発の声が上がっていることに対し、「一
つの民意であることを否定したつもりはない」と釈明した。

一方、鳩山由紀夫首相は26日朝、普天間移設問題について「ゼロベースで移
設先を決めていくことに変わりはない」と述べ、名護市辺野古に移設する現行
案を選択肢から除外しない考えを強調した。首相公邸前で記者団の質問に答え
た。

(産経新聞 2010/01/26)


鳩山首相が重視すると言い続けた民意が名護市長選挙で、明白にな
りました。まさに、自縄自縛(じじょうじばく)と言えます。
折角、日米が合意し、地元の合意があった辺野古沖への移設を散々
に叩いて、沖縄県民に県外移設への期待を抱かせた挙句、県外へ移
設する事も、県内で移設する事もできず、更には、日米関係も悪化
させた上で、手の打ち様がなくなったというのが、今の状態です。

平野官房長官は、この問題は自分に任せてくれと鳩山首相に豪語し
た様ですが、残念ながら、もし、平野官房長官が先が見える人物だ
ったのであれば、最初から鳩山首相に進言して、辺野古移設を推進
すべきだったでしょう。そう出来なかった事自体が、平野氏の力の
なさを象徴している様に思います。鳩山民主党政権は、見栄を切る
事ばかりに熱心ですが、残念ながら最後まで、問題を解決する能力
はありません。鳩山首相も一見、丁寧に聞こえる意味不明な発言を
繰り返していますが発言に実質が伴っていない事は明らかです。

残念ですが、今のままでは、鳩山首相が明言した5月解決は、全く
期待できません。そもそも5月という期限は解決に向け何ら根拠が
あって切った期限ではありません。サミットが6月なので、それ迄
には別の案が出てくるかもしれないと鳩山首相が期待した期日でし
かないのです。

しかし、現実には、日米で移設実現に向け十年に亘って揉んだ案の
代替案なのですから、そんなに簡単に見つかる筈もありません。名
護の地元も民意が移設反対に転じた以上、普天間は「世界一危険な
基地」のまま、現状を維持するしか選択肢がありません。

それでは、普天間が現状維持で決まった後で、鳩山首相や民主党が
何らかの責任を取るのでしょうか?流石に、平野官房長官は、辞表
を提出するでしょうが、鳩山首相に慰留されて、辞表を撤回して、
お咎めなし。もとより、鳩山首相は責任など考えた事もないという
態度で「選挙で示された国民の付託に引き続き応えていきたい。」
とでも言うのではないでしょうか。

もともと民主党が政権を取れば、日本の癌である官僚をやっつけて、
埋蔵金を掘り出し、景気は一気に回復し、格差問題は簡単に解消す
ると景気の良い事を、言っていた筈です。勿論、政権が変わった位
で、日本の諸問題が簡単に解決するなど、中学生でも信じる事はな
いでしょう。しかし、少しでも良くなる事を期待して民主党に投票
した有権者が多かったのではないでしょうか。

政治家は結果責任が問われます。如何に良い意図で始めた事であっ
ても、結果的に公約が実現できない事がはっきりすれば、あるいは
その政策の副作用があまりに大きすぎる事が判れば、しっかりとそ
の責任をとるべきなのです。また、その意味で、有権者は、今年7
月の参議院選挙では、鳩山首相に失敗の責任を突きつけるべきなの
です。漫然と民主党に投票しつづければ、それは民主党が失敗した
政策を続ける事を了承した事を意味します。少なく共、参議院選挙
に勝利すれば、以降、6年に亘って民主党の国会における優位は動
かなくなります。有権者をそういう選択をするのかどうかを肝に命
じて、今後の推移を冷静に見続ける必要があると考えます。


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2010年1月26日火曜日

祝 XC-2(次期輸送機)初飛行!

※防衛省Webサイトより転載

空自次期輸送機CXが初飛行 岐阜基地

防衛省が開発を進める航空自衛隊の次期輸送機(CX)の試作機が26日、各
務原市の航空自衛隊岐阜基地で初飛行を行った。CXは現在の主力輸送機C1
の後継機で、日本の独自開発による航空機としては過去最大規模。

川崎重工を主契約社として、国内主要航空機メーカーが共同で2001年から
海上自衛隊の次期固定翼哨戒機(PX)と同時開発を進めてきた。初飛行は当
初、07年に計画されていたが、強度試験用として防衛省に納入された試作機
に強度不足が判明し、延期されていた。

全長・全幅とも約44メートルでC1の約1・5倍。12トンの貨物を積んだ
場合の航続距離が約6500キロと、輸送能力が大幅に向上。飛行管理などに
も最新鋭のシステムを搭載する。量産のめどが立てば岐阜、愛知などの航空機
産業に波及効果が期待されている。

試作機には防衛省がXC2の型式を付与。この日は午前10時20分ごろに離
陸した後、県内などの上空を約1時間飛行し、同基地に着陸した。今後も飛行
試験を重ね、3月末までに防衛省に納入される見通し。

(岐阜新聞 2010/01/26)



次期輸送機試作1号機の初飛行結果について

                            平成22年1月26日
                                 防衛省

次期輸送機については、本日、試作1号機が航空自衛隊岐阜基地を離着陸する
初飛行を実施した旨、製造会社である川崎重工業(株)より報告(注)を受けま
したのでお知らせいたします。

(注)川崎重工業(株)からの報告内容

初飛行日
平成22年1月26日(火)

離陸時間
午前10時21分頃、岐阜基地を離陸

着陸時間
午前11時33分頃、岐阜基地に着陸

飛行内容
離陸し、試験空域に進出後、機体システム確認、模擬着陸等を実施後、帰投、
着陸。試験結果は良好。



XC-2が無事初飛行に成功しました。
関係者の皆さんのご努力に深く敬意を表します
朝日新聞などは、「空自の国産次期輸送機、試作1号やっと初飛行」
という失礼な題をつけた様ですが、この機体は、ボーイング767
と同規模の機体であり、日本が製作した飛行機として史上最大のも
のです。ちなみに全長、全幅は各々約44mで、B-29の全長40m、全幅
30mを遥かに凌駕していると言えば、大きさについてご認識頂ける
と思います。また、最大離陸重量は、141㌧でB-29の60㌧の二倍以
上になります。

ちなみに、何度かエントリーでも書いていますが、この規模の機体
の開発には、各国共にてこずっており、米国ではボーイング787が、
二年以上の遅れを出しましたし、欧州では、XC-2と同じ軍用輸送機
であるエアバスA400Mの開発に4年近い開発の遅れを出しています。

機体の規模が大きくなると同時に、軽量化と機体強度のバランスが
非常に大きな問題になっており、三機種ともに重量超過が最大の問
題点となっています。XC-2の開発でも機体強度が不足して変形が発
生し、それを修正するのに、殆ど再設計に等しい作業が必要になっ
たと言われています。それでもXC-2は、最終的に重量超過は目標に
対し2㌧程度に収まると見込まれていますが、A400Mでは、これが、
初期ロットで5㌧以上になると言われています。また、ボーイング
787も初期ロットでは重量超過により航続距離が計画値をかなり下
回る予定です。

これらの機体は全て、カティアと呼ばれるコンピュータをフルに使
用した設計支援ソフトを使用して開発されていますが、この様な強
力なツールを使っても最新鋭機の開発には、困難が付き物である事
は是非ご認識頂きたいと思います。

ともあれ、XC-2の初飛行、本当におめでとうございます。


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XC-2ついに初飛行へ

※防衛庁Webサイトより転載

次期輸送機試作1号機の初飛行について

現在開発中の次期輸送機については、飛行試験への移行に向けて行う必要な確
認作業を全て終了しました。 
試作1号機の初飛行について、航空自衛隊岐阜基地において1月26日以降に
行う旨、製造会社である川崎重工業(株)より報告を受けておりますが、初飛行
は、当日の天候等の諸条件により直前に中止、延期される可能性が十分ありま
すので予めご了承下さい。
なお、初飛行に際して、当該飛行試験機に対して、「XC-2」の型式を付与
したところであります。

(防衛省 2010/01/25)


明日のエントリーは、祝初飛行と言う事になるかも知れません。
取り敢えず、本日にも、C-X改め、XC-2の初飛行が行われる可能性
がある点、お知らせします。

元々は、2007年9月に初飛行の予定でしたから、その予定から比べ
れば、2年4ヶ月遅れと言う事になります。同時開発のXP-1が順調
に開発が進んでいる事を考えると、恐らくは、川崎重工内でC-Xプ
ロジェクト担当者の心中は、この遅延期間の間中、針の筵だったの
ではないかと想像しますが、初飛行になんとかこぎつけた事を、ま
ずは賞賛したいと思います。

特に、軍用輸送機という同じ性格で、機体の規模もほぼ同じである
エアバスA400Mの開発が、七転八倒しており、開発費と量産コスト
も当初見込みと比べ大幅に超過する事が予想されている中、同種、
同規模の機体をより短い開発期間で、且つ、開発コストや量産コス
トの超過も大幅に小さく実施できた点は、素直に評価するべきでは
ないかと考えます。

なお、A400Mの単価は、開発費込みで250億円以上となる見込みで、
XC-2の予定単価である140億円に比べ、二倍の価格となる予想があ
ります。もっとも、A400Mのコストコントロールの失敗の要素とし
て、7ヶ国の共同開発で、エアバスミリタリー社をわざわざ設立
した上、全く機体の生産を行っていないにも関わらず、既に一万人
を雇用し、月間1億ユーロを費消しているという共同開発に由来す
る杜撰な経営も影響しています。その点で単純比較できないは勿論
なのですが、それでも、今後XC-2の開発が順調に進めば、XC-2は世
界軍用輸送機市場でも充分な競争力をもつ機体に仕上がる事が期待
されるのです。XC-2の今後を期待したいと思います。

ちなみに、今回の発表と同時に公表された、XC-2の主要諸元は以下
の通りです。
全長( m ) 43.9
全幅( m ) 44.4
全高( m ) 14.2
基本離陸重量( ton ) 120.1
エンジン CF6-80C2(ターボファンエンジン)


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