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2010年9月3日金曜日

日本オプションを捨てる愚を犯すロシア

露で対日戦勝記念日 極東各地で65周年式典を開催 
「日本は歴史をねつ造」と上院議長


日本が第二次大戦の降伏文書に署名した9月2日をロシアが事実上の対日戦勝
記念日に制定したのを受け、極東各地では同日、戦勝65周年を祝う式典や軍
事パレードが行われた。サハリン(樺太)の行事では、ソ連の対日戦を「解放」
戦争だったとする発言が政官界から相次ぎ、ミロノフ上院議長は日本の北方領
土返還要求を「歴史の捏造(ねつぞう)だ」と断じた。

新記念日の正式名称は法制定の過程で、「第二次大戦終結の日」と和らげられ
た。しかし、その狙いが、ソ連による日ソ中立条約を破っての対日参戦や北方
領土占拠の正当化にあることが改めて鮮明になった。

北方領土を事実上管轄するサハリン州の州都ユジノサハリンスクでは2日、軍
事パレードを含む式典が行われて市民ら数千人が参加したほか、「第二次大戦
の教訓と現代」と題する「国際学術会議」が開かれた。

ミロノフ議長はこの会議で、「ソ連軍は中国東北部や北朝鮮、南サハリン、ク
リル諸島(千島列島と日本の北方四島)を解放した」と主張し、「勝利を祝う
ことは、戦争の結果見直しを許さないとの警告でもある」と述べた。また、州
高官は式典で、ソ連は対日戦で「ロシア固有の領土を取り戻した」などと演説
し、「偉大な勝利」を祝福した。

この日は極東の沿海州やカムチャツカ地方などでも式典や軍事パレードが行わ
れ、中露国境のアムール川沿岸では中国側との合同行事も予定されている。

(産経新聞 2010/09/02)


ロシアが対日戦勝記念日を改めて制定するのは、日本の北方領土返
還要求を断ち切る為です。しかしながら、いくらロシアが日本の主
張を「歴史のねつ造」と強弁しようとソ連が日ソ中立条約を破って
侵攻した上、ポツダム宣言受諾に基づき降伏しようとした日本軍を
騙まし討ちにし、占領地を拡大しようとした事実に蓋をする事はで
きません。

勿論、次世代のロシア人を反日教育で洗脳するのは、ロシアの自由
です。しかし、日本がそれに付き合う必要は毛頭ありません。ロシ
アはそうする事で、日本との蜜月という格好の経済発展の機会を投
げ捨てていると言えます。日本にとっては、ロシアとの関係が現状
レベルに留まるだけですから、実際には、それ程、大きな影響はな
いと言えます。つまり、日本にとってロシアは繁栄にとっての必須
条件ではありません。

ロシアが経済発展する為には、シベリア、極東ロシアを開発する必
要があります。市場、技術、資金が不足しているロシアにとってパ
ートナーは日本以外にも中国や韓国が考えられます。しかし、中国
の場合は、技術面で不安な上、協力の名の下の資源収奪、大規模な
中国人不法入国に悩んでいる状態であり、韓国の場合は、経済規模
と資金力の点で見劣りがする事は否めません。ロシアにすれば、東
シベリアの資源開発の為には、中国と日本を両天秤にかけ、好条件
を引き出す事が一番望ましいと思われますが、北方四島の領有にこ
だわる事で、日本オプションを捨て去る事になるわけで、それがロ
シアの意思なのであれば、日本としては、ロシアと積極的に協力し
なけらばならない理由がある訳ではありません。

実際、日本の経済は、マクロ的に言えば、その成長に資源を要する
事が非常にすくない効率的な経済となっており、この点は、資源浪
費型経済の為、経済成長率と同率かそれ以上の資源を必要とする中
国や韓国とは好対照をなしています。この為、資源確保という側面
から、あえて日本が北方領土問題をあきらめてまでロシアの資源開
発に参加しなければならないという理由はないのです。

それに加え、サハリン1,2の開発でも分かる様に、ロシアでの資
源開発は常に、政治介入により開発採算や資源の安定供給が脅かさ
れるリスクがあります。リスクのある資源を輸入するのであれば、
余程条件が良くなければ輸入する意味がありません。

日本からの距離の近さによる輸送コスト面での有利さがあるのでは
という議論がありますが、海運のコストは距離の大小で極端な違い
がなく、寧ろロシア内陸からの資源輸出港までのコストの方が問題
であり、他の地域からの輸入と比べ特段の有利さはありません。

つまり、日本にとって、ロシアは資源供給国とての重要性はそれ程
大きなものではなく、輸出市場としてしかロシアとの経済協力を進
める誘引に乏しいと言わざるを得ないのです。しかも輸出市場とし
てのロシアは、確かに成長著しいBRICs諸国の一つに数えられてい
ますが、ブラジル、中国、インドに比べ、ロシアの人口規模は一番
小さく、また、成長市場としての有利さも特にありません。

この様に考えると、平和条約も締結されていない日ロ関係を改善す
るボールは、ロシア側にあるのであり、ロシアが現状を維持したい
のであれば、日本側から日ロ関係の改善する強い理由はないと言え
る様に思われるのです。


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2010年7月2日金曜日

民主がやってきたことって、一言でいうと「自民党が正しいという確認作業」


※自民党ポスターと民主党ポスター

毎日拝見している大石英司さんのブログ"大石英司の代替空港"のコ
メント欄で紹介されていた民主党に関するコピペです。全く同感し
てしまいましたので改めてご紹介します。(ブログエントリーでは
なくコメントに共感してしまったのは、大石氏には申し訳ないので
すが...。)

※2ちゃんねる ガイドライン板がソースという事だったので、ス
レッドを少し当たってみましたが、発見できませんでした。
(探し方が悪かったのかも知れません。)

民主がやってきたことって、一言でいうと「自民党が正しいという確認作業」
じゃないか?:アルファルファモザイク
http://alfalfalfa.com/archives/398206.html
編集元:ガイドライン板より

708 水先案名無い人 :2010/06/21(月) 18:28:44 ID:+cGNL7/g0

34 :名無しさん@十周年:2010/06/21(月) 02:42:46 ID:1B0gSWFl0
民主がやってきたことって、一言でいうと「自民党が正しいという確認作業」
じゃないか。

・辺野古移設案が正しいという確認
・日米安保体制が正しいという確認
・ムダを削減してもバカみたいにお金は出てこないという確認
・後期高齢者医療制度は必要だという確認
・高速を無料にすることはできないという確認
・暫定税率を廃止したらとんでもなく財源が欠損するという確認
・官僚政治をぶっ潰すのではなく協調していくほうが良いという確認
・財源なく子供手当てを出すより扶養控除と児童手当を続けたほうが良かった
 という確認
・年金制度は簡単に一本化できないという確認
・官房機密費は機密のままのほうが都合が良いという確認
・増税なく赤字国債を減らすことはできないという確認
・エコ減税、エコポイント制度が景気回復に効果的だという確認
・強行採決も時には必要だという確認
・夢物語みたいな政治はないのだという確認
・消費税を増税したほうが良いという確認


このコメントに私が追加する事はあまりありませんが、強(し)いて言
えば、民主党には確認した後で、間違った政策は改める勇気を持っ
て欲しいと思います。今のばら撒き方では、税金がいくらあっても足
りない事は明らかでしょうから...。


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2010年7月1日木曜日

冷戦終了は、諜報活動の終了は意味しない

※ロシアのスパイ容疑者。Reuter Webサイトより転載

外交問題に発展せず ロシアのスパイ訴追で米大統領報道官

ギブズ米大統領報道官は29日の定例記者会見で、連邦捜査局(FBI)がロ
シアのスパイとして11人を訴追した事件について「(米露2国間の)関係に
影響を及ぼすとは思わない」と述べ、外交問題に発展する可能性を否定した。

ギブズ氏は、オバマ政権発足後に両国関係は、新たな核軍縮条約「新START」
に調印するなど大きく改善したと指摘し、事件は「司法機関が適正に処理した」
と強調。オバマ大統領は事件の概要について事前に説明を受けていたという。

米国務省のゴードン次官補(欧州・ユーラシア担当)は「情報機関を使った古
い企ての名残があったからといって、誰も大きなショックは受けないだろう」
と指摘し、米露間で依然としてスパイ活動が続いていることを暗に認めた上で
「さらに信頼できる関係に向かっている」と強調した。

(産経新聞 2010/06/30)

露「スパイ団」摘発 核情報など収集か

米司法省は28日、ロシアのスパイとして米国内で核弾頭の開発計画情報など
を収集していたとして、男女の容疑者10人を逮捕し、1人の行方を追ってい
ると発表した。

11人は訴追されており、司法省はロシア対外情報局(SVR)のスパイだと
指摘。小型核弾頭の開発情報収集や、米中央情報局(CIA)への就職希望者
の背後関係調査などを行った疑いがあるとしている。

容疑が事実なら、冷戦終結から20年が経過した後も、映画さながらのスパイ
活動が続いていたことになる。米露関係に微妙な影を落としそうだ。

司法省によると、連邦捜査局(FBI)が2009年、ロシア側からメンバー
に送られた「米国の政策決定人脈に食い込み、情報を送れ」との暗号文を解読。
捜査の結果、27日にニューヨーク州やバージニア州で一斉に10人を逮捕した。
マネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いももたれている。

訴追記録や米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、逮捕された10
人はカップル5組。10年以上前からニューヨーク郊外やボストン、シアトル
などに偽の身元で居住し、地域に溶け込んでいた。FBIは7年以上前から監
視してきたという。

(産経新聞 2010/06/30)


ロシアのメドベージェフ大統領がカナダで行われたサミットからの
帰国の途についたと同時に発表されたのが、今回の「スパイ団」の摘
発です。

ソ連崩壊による混乱で、ロシアの米国に対する諜報活動は二つの要
因で活動レベルが低下しました。その一つは、共産主義イデオロギ
ーに対する信頼の崩壊であり、二つ目は、諜報活動予算の不足です。

西側諸国の社会民主主義勢力や進歩的知識人の中には、マルクス・
レーニン主義を信奉する共産党シンパが、多数存在したのですが、
ソ連の崩壊により、ロシア自身が共産主義を放棄した事でロシアを
奉じる意味がなくなりました。これによりロシアの諜報活動の基盤
が大きく損なわれる事になりました。それに輪をかけたのが、ロシ
ア連邦発足後の政治的経済的混乱です。その中で、諜報組織そのも
のが改廃され大混乱を来たしました。当然ながら諜報活動に使われ
る予算は、大幅に不足したといわれています。イデオロギーに依拠
した諜報活動ができなければ、金銭が媒介した諜報活動が必要にな
りますが、予算不足ではそれも不可能になります。

今回摘発されたロシアのスパイ組織は、10年以上前から活動を行っ
ていたようですが、それは、くしくもプーチンの台頭と軌(き)を一
(いつ)にしています。ロシアの国内の混乱を収束させ、資源輸出に
よる経済発展を軌道に乗せたのはプーチンの手腕ですが、自身が情
報機関KGBの出身であり、政権にKGB出身者を多数登用した事
もあり、諜報機関の組織立て直しが行われ、予算もそれ以前と比べ
相当に潤沢になったと考えられます。その様な背景の中で、今回の
スパイ組織が米国に設置されたのではないかと思われます。

今回のロシアのスパイ訴追に関し米大統領報道官は、外交問題への
発展を否定しましたが、それもその筈です。過去7年間、FBIは
スパイ組織を監視していたと言いますが、それが監視だけで留まっ
ていたという理由はありません。常識的に考えれば、協力者として
接近したり、逆スパイを潜入させたりで、そのスパイ組織を通じ、
本物、偽者を問わず、米国がロシアに、知らせたい情報を流してい
たものと思われるのです。今回の摘発は、まさにそのスパイ組織の
利用価値がなくなったからこそ、行われたものであると考えられます。

今回の摘発でロシアの対外情報局(SVR)は、このスパイ組織か
ら上がってきていた全ての情報の真偽とその情報が流れた意図につ
いて、詳細な分析を行わなければならないなりました。恐らくは、
一時的にではあっても、スパイ団摘発によって対外情報局は半身不
随になる筈です。その意味では、この事件の一番の火の粉は、対外
情報局に降りかかったと言えそうです。恐らくは、それも米国は計
算した上で公表したと考えられます。

こういった外国による諜報活動は、日本にとっても無縁な話ではあ
りません。日本はスパイ防止法もないスパイ天国であるのは周知の
事実です。警察や自衛隊はもとより公安調査庁と言った公安組織の
内部情報すら、中国や北朝鮮には、筒抜けであると言われています。
その意味で、日本は、「情報に関する透明性を持った国」であると
言われます。これは当然の事ながらほめ言葉ではありません。情報
管理の出来ない無責任国家という評価なのです。元CIA長官であ
るゲーツ国防長官が何故あれ程、F-22ラプターの日本への輸出に反
対したのかも、そう考えれば容易に理解できます。

今回の事件は、いみじくも、冷戦後も活発に続く、各国の諜報活動
の実態の一端を赤裸々に見せてくれたニュースであり日本にとって
も対岸の火事ではないと思われるのです。


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2010年6月2日水曜日

ガザ支援船団を急襲したイスラエルの虚虚実実

イスラエル軍、ガザ支援船団急襲

イスラエル軍は31日早朝、パレスチナ自治区ガザ地区への封鎖を突破し、支
援物資を届けようとした親パレスチナの国際支援団体の船団を急襲し、イスラ
エルのテレビ局によると、イスラエル兵が船を制圧する際に船上で衝突となり、
船団側の活動家19人が死亡、36人が負傷した。一方、軍報道官は死亡者は
10人だと発表した。イスラエル軍は拿捕(だほ)の過程で支援活動家から銃
や刃物で攻撃を受けたと主張しているが、イスラエルに対する国際的な非難が
高まっている。

フランス通信(AFP)などによると、6隻からなる船団にはパレスチナ支援
の活動家約700人が乗船、建築資材や医薬品など約1万トンの支援物資を積
んで、5月30日にキプロスを出港した。船団は各国のパレスチナ支援団体に
より組織されていたが、船団側によると、死亡した活動家の多くはトルコ人だ
ったという。

イスラエル政府は支援船から銃が発見されたと発表し、「船団はそもそも人道
支援が目的ではなく、テロ行為による挑発を狙っていた」(政府報道官)と非
難した。イスラエル軍は、イスラエル兵10人が負傷したとしている。

多数が犠牲となったトルコでは31日、イスタンブールで数千人規模の抗議デ
モが発生。AFPによると、アルンチ副首相はトルコ政府が国連安全保障理事
会に緊急会合の開催を要請したと発表するとともに、予定されていたイスラエ
ルとの3つの軍事演習を中止することを明らかにした。

非アラブのトルコは1996年、イスラエルと軍事協定を結ぶなど、中東では
数少ないイスラエルの友好国。今回の事件で、すでに温度差の広がりつつある
両国関係が決定的に悪化するとの懸念が強まっている。

2002年に政権の座についたイスラム系の公正発展党(AKP)はアラブや
イランとの関係を重視しつつ、シリアとイスラエルの間接和平交渉の仲介を務
めるなど、中東和平の橋渡し役の立場も模索していた。しかし、エルドアン首
相は08年末に始まったイスラエル軍のガザ大規模攻撃を激しく非難し、両国
の関係は急速に冷却化。イランの核問題でも、トルコは独自の仲介を行うなど
イスラエルとの溝が広がっていた。

一方、国際社会にも非難の声が広がっており、欧州連合(EU)のアシュトン
外交安全保障上級代表は「事件の徹底的な調査」とガザの即時封鎖解除を要求、
クシュネル仏外相が「いかなる状況でも(イスラエル軍による)このような暴
力は正当化できない」と非難した。アラブ連盟は6月1日、カイロで緊急会合
を開く。

イスラエルは、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが07年6月にガザ
地区を武力制圧して以来、「武器の流入阻止」などを理由にガザの境界管理を
強化。このため、ガザ住民の生活は困窮し、長らく「人道危機」が指摘され、
欧州各国からは封鎖緩和を求める声が出ていた。だが、イスラエルは「ガザに
人道危機はない」(リーベルマン外相)と主張してきた。

(産経新聞 2010/05/31)


ガザ支援船襲撃 封鎖政策の矛盾浮き彫りに

イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区に向かっていた国際支援船団を公海
上で急襲し多数の死傷者を出した事件は、ガザ封鎖によりイスラム原理主義組
織ハマスを弱体化させるとのイスラエルの狙いとは裏腹に、多くの矛盾点を浮
き彫りにする結果となった。国連安全保障理事会の議長声明に「封鎖解除」を
求める文言を盛り込むことは見送られたものの、封鎖政策の有効性を疑問視す
る声はイスラエル国内からも出ている。

1日付イスラエル有力紙イディオト・アハロノトは1面で「罠(わな)」と大
見出しを掲げ、支援船団に乗り込んだイスラエル兵が活動家たちの仕組んだ挑
発に引っかかったとの見方を示した。同国のメディアは「活動家たちから先に
攻撃を受け、やむを得ず発砲したイスラエル兵に責任はない」という点ではほ
ぼ一致している。

しかし、長期にわたるガザ封鎖の効果については、さまざまな議論が出始めて
おり、有力紙ハアレツは「イスラエルは、4年間におよぶ封鎖で苦しむガザに
向かう船を攻撃し、ハマスはロケット弾を1発も撃つことなく圧倒的な勝利を
収めた」とし、「封鎖政策が逆にイスラエルの国際的な立場を著しく損ねてい
る」と指摘した。

安保理議長声明では見送られたものの、今回は欧州連合(EU)も5月31日、
事件の徹底糾明だけでなく、ガザ封鎖の即時解除を求める声明を発表。欧州各
国もアラブ・イスラム諸国と足並みをそろえつつある。

イスラエルは、ハマスがガザ地区を武力制圧した2007年6月以降、境界封
鎖を強化したが、強硬姿勢を取る以外に無策なハマスへの住民の失望から、ハ
マスへの支持は低下する傾向にあったとも指摘される。

しかし、イスラエルが強硬策を取るたびに、ハマスは支持を回復。イスラエル
との和平交渉を進めようとする穏健派のアッバス自治政府議長らの立場は弱ま
り、和平プロセスが停滞するというジレンマも抱えている。

一方、治安上の理由からガザ地区への封鎖措置を取るエジプトのムバラク大統
領は1日、人道物資などを搬入するためエジプト側境界のラファ検問所を開放
するよう命じた。ガザ封鎖に対する非難の矛先がエジプトに向かうのを回避す
る狙いがあるとみられる。

イスラエル軍は5月31日、支援船団側の死亡者は9人だったと発表した。負
傷者は合わせて十数人にのぼったとしている。イスラエル政府によると、拿捕
された船団6隻の乗船者は計679人。うち強制送還に応じたのは約50人だ
けで、ほかは拘束される見込みだという。

国際支援団はさらに、ガザを目指す支援船を向かわせると表明。これに対し、
イスラエル軍は徹底阻止するとの姿勢を明確にしており、ガザ封鎖をめぐる駆
け引きは長期化しそうだ。

(産経新聞 2010/06/02)


今日は鳩山首相の辞任を取り扱う方が多いと思いますので、軽くオ
ヘソの穴がスライスしている私は、こちらの記事を扱います。

まず、ガザ地区です。ヨルダン川西岸とならぶパレスチナ自治政府
の足場の一つですが、実際には、2007年6月以降、イスラム原理主
義を信奉する過激派ハマスの支配下にあります。ハマスがガザ地区
からイスラエルに向け大量のロケット弾を発射し、イスラエルの反
撃を招いたのは、覚えてらっしゃる方も多いと思います。

ハマスは、イランやシリアの影響下にあるので、イスラム圏でも、
それを快しとしない国にとっては、ガザ地区は、鬼っことも言える
存在となっています。

実際、ガザ地区は、イスラエルとエジプトが、境界を管理していま
すが、エジプトは、ハマスに対して必ずしも、融和的ではなく、ガ
ザ地区の国境封鎖をイスラエルと共に実施している程です。
とはいえ、エジプトは表向きは封鎖に協力しているものの、エジプ
ト~ガザ国境の地下には何本もトンネルが設置されており、ガザの
生活物資は、このトンネルから大量にガザに流入しています。

しかし、そうであっても、イスラエルにとって、ガザ地区がハマス
支配が強化されるよりも、イスラム穏健派の影響下にある事が望まし
い訳です。

今回の国際支援団体の船団にしても、イスラエルがガザの海域封鎖
を行っているのは、判った上で、やっています。乗船しているのは
イランの息のかかった、トルコ人活動家で、この処、イスラエルと
隙間風が吹いているイスラム穏健派のトルコをイスラエルと対決させ
るという意図があったと思われます。つまり、船団が阻止されるの
は予想の範囲であり、意図通りの結果あったと言えます。もし、イ
スラエルが船団を阻止しなければ、ガザ地区のハマスが欲しがって
いる物資が手に入る訳ですし、それによってハマスの統治能力が強
化されますので、損はありません。

イスラエルは、イスラエルで、支援船団が組織されている事は、事
前に掴んでいます。ハマスの意図も当然見切った上で船団阻止に出
ています。また、船団阻止に出る事は、バックチャネルでエジプト
にも伝わっていた事はほぼ確実であろうと思われます。
そうでなければ、ガザ~エジプト国境が、こうタイミング良く、開
放される事はなかった筈です。イスラエルにとっては、例え、武器
が、エジプト側から搬入されても、エジプトのガザに対する影響力
が強化された方が、望ましかったと言えます。

ガザ支援船団は、その公表された意図以外にも、多くの隠された意
図や思惑の下に送り出された、それ自体が、仕掛け爆弾の様な存在
です。イスラエルとしては、その様な仕掛け爆弾を送り込まれる事
事態が失敗ですが、それを逆手にとって状況を如何に利用できるか
思考実験を重ねたものと思われます。その結果としての、強硬阻止
は、イスラエルの国家存続意思の表れとしか形容が見つかりません。
イスラエルから見れば、今回辞任する事になったルーピー首相の戯
言「日本は日本人だけのものじゃない」など甘いの一言で片付けら
れてしまいそうです。


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2010年3月10日水曜日

民主党政権に、非核三原則の厳格実施はできない?


佐藤元首相「核『持ち込ませず』は誤り、反省している」

日米の密約に関する調査で見つかった文書で、核兵器を「持たず、作らず、持
ち込ませず」という非核三原則を提唱した佐藤栄作氏が、その後「『持ち込ま
せず』は誤りであったと反省している」と悔やんでいたことが明らかになった。

この文書は、69年10月7日付の東郷文彦・外務省北米局長(当時)による
「首相に対する報告(沖縄関係)」。沖縄返還後の米国による核の再持ち込み
の可能性などを佐藤首相と議論した際の記録だ。このとき佐藤氏は「難しいこ
とが多いが、この苦労は首相になってみないと分からない」とも漏らしていた。

佐藤氏が最初に非核三原則を表明したのは67年12月の衆院予算委員会。翌
年1月27日の施政方針演説にも盛り込んだ。偶然にも、東郷氏が「持ち込み」
についての日米の理解のずれを記した「東郷メモ」を作成した日のことだった。
佐藤氏は2月5日にこのメモを閲読していた。佐藤氏は首相退陣後の74年
10月、三原則などが評価されて、ノーベル平和賞受賞が決まる。前月の「ラ
ロック証言」で、三原則への疑念が日本中を揺さぶる中での発表だった。

(朝日新聞 2010/03/10)

岡田外相、米に解釈たださず 核寄港「今後考えにくい」

岡田克也外相は密約の調査結果公表にあわせた朝日新聞のインタビューで、米
側との解釈のずれをただす必要はないとの考えを示し、その理由に米政府が水
上艦などへの核兵器の搭載を再開する可能性が考えにくいことを挙げた。

岡田氏は米政府の核政策について、「今は核の役割を低減しようというのが大
きな方向性なので、(水上艦からの核の撤去が)元に戻るということは非常に
考えにくい」と指摘。「それ以上に仮定の議論はすべきではない」とした。

政府はこれまで核搭載艦船の寄港の有無について、核の持ち込みに必要な「事
前協議」が行われていないことを理由に「ない」と説明してきた。だが、今回
の調査でこの立場が崩れたことになり、岡田氏は「なかったと考えたいと思う
が、証明する手だてはない」とした。

また、日本は米国の核の傘のもとにあるが、岡田氏は9日の記者会見で「核の
抑止力を肯定している」と言及。核兵器の存在を肯定も否定もしない米国の
「NCND政策」についても「米国の判断であり、理解している」と述べた。

(朝日新聞 2010/03/10)


もともと、非核三原則の内、「持ち込ませず」というのは、日本国
内に外国の核兵器を配備させないという意思を示したものです。
これに、核兵器の通過や一時保管も含める様な国会答弁をした事、
及び、それが実は、矛盾をはらんでいた事が、今回、「広義の密約」
とされた解釈が、日米間で暗黙に合意された背景にあります。

当時は、戦略核兵器とならんで戦術核兵器が大量に配備されていま
した。小さいものでは、大砲の弾にまで、核兵器が準備されていま
した。また、魚雷の頭部に装備する核弾頭や、潜水艦を攻撃する対
潜ロケットや対空ミサイルにも核弾頭が、配備されていました。

この様に、戦術核兵器が大量に配備されていた理由は、兵力的に西
側自由主義陣営が社会主義陣営に対し劣勢にあった事にあります。
その兵力の格差を核兵器という装備の質と技術によって埋めていた
事になります。

また、戦略思想としても、戦術核兵器であっても、その爆発規模が
通常兵器とは格段に異なる事から、一度使用すると容易に全面核戦
争を招くという認識が広まっていませんでした。その為、核兵器の
位置付けが単なる爆発規模の大きな弾頭という解釈で、幅広く核兵
器が配備されていました。これは、米国のみならず、ソ連について
も同様であり、特に、攻撃型潜水艦への核弾頭の搭載は、ソ連崩壊
まで、継続していました。

では、非核三原則の「持ち込ませず」のどこが矛盾をはらんでいる
のでしょうか?

冷戦下で、日本は被爆国として、非核三原則を振りかざしながら、
自らは手を汚す事なく、実際には、米国の核の傘で、守られている
という矛盾がありました。また、日米の同盟関係は、防衛に関して
は片務的といわれていましたが、アジア大陸での社会主義陣営の拡
大を抑制する自由主義陣営の不沈空母として、アジアに睨みを聞か
せる米軍の足場としての役割を果たす事が、求められていました。
その点で、米国が日本の防衛に抑止力を提供するという負担を行っ
たのと同様に、日本は、米軍の出撃拠点や補給拠点としての負担を
約束していた訳です。

現在では、米軍の艦船や航空機には、この種の戦術核兵器は搭載さ
れていませんし、オバマ政権は、保管中の核トマホーク用核弾頭の
廃棄を明言していますので、非核三原則との矛盾はありません。
しかし、冷戦当時は、米軍の艦艇と一部航空機は、核武装していた
事は確実でした。当時、もし、核搭載艦艇の寄港を日本が拒否して
いれば、出撃拠点、補給拠点としての、日本の価値や有効性は、大
きく損なわれていた筈です。しかも、当時の情勢を考えると、米国
の空母機動部隊を牽制したり、あるいは、米軍基地に戦術的奇襲を
行う為、日本の領海内にソ連の核兵器搭載艦艇が遊弋(ゆうよく)し
ていた可能性も非常に高かったと言えます。つまり、日本が「核を
持ち込ませず」を米国に対し厳格に適用していれば、同盟国には、
非核寄港あるいは通過を強要しながら、逆に敵国の核搭載通過は許
容するという、いびつな対応を余儀なくされる事になってしまい、
究極的には、日米安保体制を危うくするものになっていたに違いあ
りません。

国内の左翼陣営は、勿論、これらの事実を知りながら日米離反を狙
って、国民の核アレルギーを利用して非核三原則の"米国に対する"
厳格適用を狙っていた訳であり、そうする事で、社会主義陣営の利
益になるという認識であった事はいうまでもありません。

先程、記した様に、現在では、米国に関する限り、「持ち込ませず」
が、日米安保体制と矛盾する事はなくなりました。しかし、鳩山民
主党政権が、非核三原則の厳格適用を掲げるのであれば、矛盾は引
き続き残ります。それは、ロシアと中国の戦術核搭載艦艇をどの様
に取り扱うのかという点です。ロシアと中国にとっては、米国の艦
艇は、大きな軍事的脅威です。艦艇を含む通常兵器の質と量が、米
国に対抗できない両国にとって、それに対応する安価な対抗手段は
核兵器しかありません。日本の領海内には定期的に、ロシアと中国
の核搭載原潜が侵入している可能性が高いと考えるべきなのです。

2004年に、中国の漢級原子力潜水艦が我が国領海を侵犯するという
事件がありました。他国の領海を航行する潜水艦は、浮上して国旗
を掲揚する事で、無害航行が認められます。しかし、あの事件の様
に、潜行中の国籍不明の潜水艦が発見された場合は、強制浮上の上、
臨検する必要があります。実際には、日本は強制力のある行動を取
る事ができず潜水艦は自主的に領海から退去する形になりましたが、
あの艦に核兵器がなかった訳がないのです。日本は領海を侵犯され
た上、「非核三原則」を犯された事になります。

中国やロシアの原子力潜水艦が再び、日本の領海を侵犯した時、非
核三原則の厳格適用を主張する鳩山政権は、海上自衛隊に対し、潜
水艦の強制浮上と臨検を命令できるのでしょうか? もし、できな
いのであれば、米国に対してのみ非核三原則の厳格適用を行うのは、
ダブルスタンダードと言わざるを得ないのです。


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2009年12月17日木曜日

ソマリア沖から帰還した護衛艦部隊を無視した民主党政権

※帰港するソマリア沖海賊対策派遣部隊。産経新聞サイトより転載

ソマリア沖派遣部隊が帰港 248隻の民間商船警護

ソマリア沖の海賊対策に第2次部隊として派遣されていた海上自衛隊の護衛艦
「はるさめ」(4550トン)と「あまぎり」(3500トン)が29日、神
奈川県の横須賀基地と京都府の舞鶴基地にそれぞれ帰港した。

第2次部隊は7月、自衛隊法の海上警備行動を根拠に出港。海賊対処法が施行
されてからは根拠を同法に切り替え、7月28日から11月2日までに34回、
計248隻の民間商船を警護した。

派遣部隊指揮官の在原政夫1等海佐は横須賀基地での帰港行事で「隊員は厳し
い環境をものともせず、日ごろの訓練の成果を十二分に発揮して任務を果たし
てくれた」とあいさつした。

10月には護衛艦の「たかなみ」(4650トン)と「はまぎり」(3550
トン)が、政権交代後初めて派遣された。

(産経新聞 2009/11/29)


旧聞にぞくしますが、先月末に、ソマリア沖海賊対策の第二次部隊
として派遣されていた「はるさめ」と「あまぎり」が帰港しました。
上記の記事にもある通り、約3ヶ月の間に34回、計238隻の商
船をエスコートし、海賊の被害から守るという実績を上げました。
エスコート対象は、海賊対処法で日本関係船舶という制限が外れま
したので、全部が全部日本関係ではありませんが、238隻という
数は、約3000隻と言われる、この航路を使用している日本関係船舶
全体の数と比べても小さな割合ではありません。護衛艦部隊は立派
な成果を上げたと言えます。

ところが、この部隊が帰港した時、派遣した政府から一言の労
(ねぎら)いもなかったのです。
それは、以下のブログで知る事ができます。

小泉進次郎ブログ
2009-11-29 護衛艦はるさめ帰国
「ところで、今日の帰国式で疑問に思ったことがありました。それは、政府か
ら誰も出席していなかったこと、その上電報もメッセージもなかったことです。」

http://ameblo.jp/koizumi-shinjiro/page-27.html#main

小泉進次郎氏は、横須賀市を選挙区に含む神奈川11区選出の衆議院
議員です。父、小泉純一郎氏の後を継いだ世襲議員として批判を受
けた事もあります。しかしながら、護衛艦部隊の帰国式にちゃんと
出席していた事は、評価できます。

それに対して政府からは、誰も出席せず、祝電すら送られなかった
というのは、部隊を派遣した政府として一体どういう神経をしてい
るのかと思わずにはいられません。確かに、部隊がインド洋で行動
している間に、政権は交代しましたが、政局絡みの動きで最後の海
賊対処法の採決には反対したものの、もともと発案したのは民主党
であり、日本関係船舶を海賊の脅威から守る事の必要性については
理解していた筈です。現在の自衛隊の最高指揮官は鳩山首相であり、
護衛艦部隊は、その命令により現在も派遣されているのです。

鳩山首相がいくら、ダチョウの様に、軍事や安全保障関係の問題は
無視する事にしているとは言え、厳しい条件下で働いてきた自衛隊
員に対し無事の帰還を祝う祝電一つ打てないというのでは、指揮官
としての資格も自覚も欠如していると言わざるを得ません。
さらに、
悲しむべき事は、防衛省内に、政務三役となった民主党の政治家に
対して、帰国式への出席を直言する勇気のある官僚がいなかった様
に見える事です。

これでは内局のシビリアンがいくら威張った処で、制服組がついて
いくとはとても思えないのです。


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2009年8月10日月曜日

北方領土を回復したいのであれば、人道支援も拒否すべき

※写真は国後島。根室支庁のサイトから転載

ロシア、北方領土への支援拒否 「日本が四島買収」と住民も支持

ロシア外務省が、日本側から北方領土への人道支援の受け入れ停止を表明した
ことについて8日、国後、択捉両島のロシア人住民からは「(支援は)もう必
要ない」との声があがった。

「助けてくれてありがとう」。択捉島の無職マリヤ・イワノワさん(68)は、
ディーゼル発電所、医療機器など、これまでの人道支援に感謝する。だが「支
援は日本が四島を買収するためのもの。ロシアは貧しくはない」として、人道
支援を事実上拒否したロシア政府の判断を支持した。

択捉島の無職アレクサンドル・プラズニコフさん(56)も「人道支援は屈辱
的。日本は政治目的に利用している」と厳しい。

一方で、支援の全面的な停止を心配する声も聞かれた。国後島の会計士タチア
ナ・ヤキモワさん(59)は「日本で子どもを治療させたい親はたくさんいる」
と話す。ロシア政府は、人命にかかわるケースでは柔軟に対処するとしている
が、ヤキモワさんは「子どもの医療支援だけは続けてほしい」と強調した。

(北海道新聞 2009/08/09)

平たく言えば、今までの人道支援には相応の意味があったと思いま
す。つまり住民に日本の援助があれば、(あるいは日本領になれば)
生活が楽になるのを理解させる事はできた訳です。鈴木宗男氏が意
図した様な日本依存にさせる事は、元々実現に無理があったと言わ
ざるえないと思います。しかしながら、これまでの援助を通して繁
栄する日本が海峡を挟んだ身近に存在する事を認識させた事は大き
い効果と言えます。

そういう理解に立った上で、今度は医療に関する人道援助も含め一
切の援助を断つべきなのです。つまり、北方四島の住人に、日本の
援助なく生活する事の辛さを思い出させ、かつ、この処のリーマン
ショックで資源安に直撃されているロシア政府には、北方四島を保
持する経済的な負担の大きさを認識させるべきであるという事なの
です。

住民は、中止される事になった日本の援助に相当する物質的援助を
ロシア政府に要求する筈です。人間は一度、覚えた利便性を損なわ
れると、その利便がなかった時には耐えられた苦痛にも耐え難く感
じる様になります。その結果、北方四島から、ロシア本土に帰還す
る人間が増えれば、ロシア政府の北方四島での入植政策を失敗に導
く事も可能になります。また、ロシア本土への移住に至らないまで
も、日本の人道援助の復活や、対日強硬政策を取る、ロシア政府や、
地方政府に対する批判に繋がれば、それはそれで政治的な効果があ
ったと言える様に思います。また、ロシア政府が、北方四島の住民
への物質的な援助を行えば、北方四島の維持コストを増加させた事
になり、それはそれで大きな意味があります。

ロシアにとっては、北方領土は、一辺境に過ぎません。米ソ対決時
代に比べ、米国の軍事力と直接対峙する前線と言う、軍事的な重要
度は、大幅に減じています。勿論、軍事的な重要性があるのは変わ
りませんが、死活的に重要という訳ではなく、領土を維持する経済
的な負担より遙に大きな利益と、大国として対面を満足できる名分
があれば、北方領土問題の解決も全く不可能な状況ではないと考え
ます。

我々は、今回のロシアの「北方領土への支援拒否」という如何にも
ロシアらしい居丈高な態度を正に奇貨と捉え、それを活用して、北
方領土返還へ結びつけていく方向に活用すべきと考える次第です。


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2009年7月29日水曜日

民主が狙う大都市中高年サラリーマンの懐

※朝日新聞サイトより転載

「言われる筋合いない」鳩山氏、財源問題で反論

民主党の鳩山由紀夫代表は28日の宮崎市での街頭演説で、民主党公約に対す
る与党側の「財源が不明確」との批判に「言われる筋合いはない」と強く反発
し、「できるだけ細かく調査をして必要な財源を手当てした。必ず実現する」
と強調した。

自民党が衆院選マニフェスト(政権公約)に明記する方針の「2020(平成
32)年までに世帯あたり可処分所得平均100万円増」に関しては「衆院選
公約は『最大4年間で何をやるか』という国民との約束だ。10年以上先の話
をされても次の総選挙で問えない」と批判した。

(産経新聞 2009/07/28)

「あなた方に言われたくない」公約批判に鳩山民主代表

民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)に対し閣僚から「ばらまき」などの
批判が相次いだことに関して、鳩山由紀夫代表と岡田克也幹事長が28日、そ
れぞれ遊説先の街頭演説で反論した。

鳩山氏は宮崎県西都市で「与党は財源問題をおっしゃるが、あなた方に言われ
たくない。無駄遣いし放題でお金を垂れ流し、足りなければ国債を発行してき
ているではないか」と反論。「私たちはとことん無駄遣いをなくさせることに
力を注ぎ、本当に大事なところに資金的な手当てをしたい」と強調した。

岡田氏は神奈川県三浦市で「与党はしがらみの中でやっているからできないが、
(民主党は)予算を全部見直し何兆円ものお金をつくりだす」と表明。「天下
り団体に対する補助金や、特定の利害関係の人にだけ手厚いさまざまな制度、
そういうものを全部ゼロから見直す」と述べた。

(産経新聞 2009/07/28)


やはり痛い所、明確に反論できない所を突かれると、言葉が荒くな
ってしまうのは誰でも同じようです。

外交的には全方位土下座外交、国内的にも全方位ばら撒き政策と揶
揄されている民主党のマニフェストですが、仔細に眺めると、財源
は大都市居住の中高年サラリーマンであるのが判ります。その中で
も特に、子供が大学生以上になった世帯にしわ寄せが来る事になり
ます。

この世代は、子供の大学の学費や生活費に実際には高額の負担を行
っていますが、年功もあり、管理者層が多い事から、所得も他の年
代に比べ多めになっています。この為、配偶者控除、扶養控除の廃
止が重くのしかかる割りには受益サイドとしては奨学金(学費借入)
程度しかありません。

子育て層が、中学生までは、年額31.2万円、高校生の場合は、公立
高校の授業料無料化、私学の場合でも、年間12万円~24万円の補助
と手厚い教育費、生活費補助を受けるのとは、誠に対象的であると
言えます。

これに加えて、ガソリン税の暫定税率と高速道路の無料化がありま
す。これらの受益者の内、一番大きいのは輸送業者ですが、個人と
しては地方在住者という事になります。都市部で生活の足に車を使
っている人は、高速道路はあまり使いませんし、首都高や阪神高速
は、無料対象から外れています。

実は、この施策に対する財源の裏づけはありません。民主党の一部
議員からは、自動車保有者全員から一台に付き一律5万円徴収する
案が出ている程です。その案がダメな場合は、赤字国債、最終的に
は消費税という事になります。つまり、受益者負担の考え方がなく
なり、多数の都市生活者から少数の地方生活者への大規模な所得移
転が行われる事になります。ここでも、標的は、消費活動が一番活
発な層と言う事になり、結果的に、大都市に生活する中高年サラリ
ーマンが割りを食う事になります。

今回の衆議院選挙で情緒的に政権交代を求めるのも結構ですが、民
主党のマニフェストを見る限り、大都市部の中高年サラリーマンが
標的になっている事は冷静に評価する必要があると思われるのです。


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2009年7月10日金曜日

巧妙に北朝鮮への制裁実施を回避する民主党

※写真は、輿石民主党参議院代表

民主、13日に不信任決議案提出で調整

民主党は9日、内閣不信任決議案の衆院への提出について、12日に投開票を
迎える都議選直後の13日に提出する方向で調整に入った。同日に幹部会を開
き、麻生太郎首相や自民党内の動向を見極めた上で、参院への首相問責決議案
の提出を含めて最終判断する。

不信任決議案提出を都議選直後とするのは、選挙戦で民主党の躍進が予想され
ることから、「次期衆院選に都議選の勢いを持ち込むため、麻生政権のふがい
なさを世論に印象づける」(幹部)狙いがある。鳩山由紀夫代表は9日、記者
団に、「都議選(の結果)をみて判断する」と述べた。

不信任決議案や問責決議案を提出した場合、野党側は通常、国会審議をボイコ
ットする。ただ、9日の幹部間協議では、参院で審議中の臓器移植法改正案に
ついては13日中の採決に応じる方向で調整しているが、「議員立法なので党
議拘束はかかっていない」(幹部)として、不信任決議案や問責決議案とは切
り離して対応する方針を確認した。これまで党内では、同改正案が成立するま
で不信任決議案や問責決議案の提出は先送りする案が浮上していた。
北朝鮮関係船舶への立ち入り検査を可能にする貨物検査特別措置法案は、不信
任決議案や問責決議案の提出に伴う審議拒否で、廃案に追い込むことも辞さな
い構えだ。

(産経新聞 2009/7/10)


民主党に期待など一切していないのですが、やはりという感想を持
った記事です。北朝鮮関係船舶への立ち入り検査を可能にする貨物
検査特別措置法案については、海保による検査実施を主体としたり、
旗国の同意を必要とするなど法案成立を確実にする為、野党の意見
を加味した骨抜き法案になっていました。そしてそれを評価し、昨
日までは、鳩山代表も成立に協力すると述べていた法案だった筈です。

それが一日にして廃案に持ち込むという構えとはどういう事でしょ
うか?元々、民主党の支持母体には日教組や自治労と言った、北朝
鮮にべったりの組織があります。特に輿石代表代行兼参議院代表は
日教組代表出身であり、この労組とのパイプから参議院代表に納ま
っている訳です。そして、その権力を行使して、北朝鮮に対する制
裁を実施不可能にしてしまったと言えます。

記事にある不信任決議には、実は何の意味もありません。自民党は、
衆議院で三分の二を占めているのですから不信任が通過する筈がな
いのです。参議院は、問責決議案は成立するかもしれませんが、拘
束力はありませんから意味がありません。つまり、わざわざ、今、
不信任決議を持ち出したのは、貨物検査特別措置法案を廃案に持ち
込む為としか言えない事になります。

残念な事に、民主党に北朝鮮シンパがいる事を何故かマスコミは、
報じません。産経新聞ですら記事の付け足しの様な形でしか取り上
げませんが、実際には、これは、北朝鮮の二回目の核実験に対する
制裁を骨抜きにする以外の何者でもないと考えます。

愚にもつかぬ漢字の読み方や、ホテルのバーを使ったかどうかとい
った卑小な事柄で首相の足を引っ張り、メディアスクラムで貶める
はかりで、反日的行為とも言える、野党の動きを報じないのでは、
悪質な世論誘導としかいえません。

近々にも実施されるであろう総選挙では、その様な、北朝鮮に宥和
的な民主党の勝利が確実視されていますが、野党に対する、まとも
な批判さえ行わないマスコミや、ワイドショーに踊らされている国
民世論を見るにつけ、日本は、確実に亡国の道を辿っている様に思
えてならないのです。


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2009年7月7日火曜日

本格化する日本のソマリア沖海賊対策

※写真は、ソマリア沖でピースボートを護衛する護衛艦DD106「さみだれ」
「大石英司の代替空港」から転載

海賊対策、海自第2次部隊の2護衛艦が出港

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、新たに成立した「海賊対処法」に基づい
て活動する海上自衛隊の第2次部隊が6日午後、横須賀と舞鶴の各基地を出港
した。
横須賀基地の「はるさめ」、舞鶴基地の「あまぎり」の護衛艦2隻で、隊員は
計約420人。同法が施行される今月24日頃に現場海域に到着し、第1次部
隊と交代する。
海賊対処法では、警護対象が日本関係船だけだったのが外国船にも拡大され、
海賊船を制止するための船体に向けた銃撃が可能になった。
警護対象の拡大で、近くを航行する商船からの救援要請に対処するケースが増
えるとみられる。

両艦を指揮する在原政夫1等海佐(48)は横須賀基地で記者会見し、「武器
使用の前に海賊の接近を避けられればそれに越したことはない。武器使用基準
を適切に実施したい」と語った。

同基地では6日、浜田防衛相が出港行事で、「任務は大変厳しいが、国の代表
として頑張ってもらいたい」と訓示した。乗員の夫を見送りに来た主婦(30)
は「海賊が増えているようなので心配」と不安そうに話した。

(読売新聞 2009/7/6)


いつもお邪魔している大石英司先生のブログに面白い写真が掲載さ
れていましたので、転載させて頂きます。
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2009/07/post-b71d.html

ピースボートの船であっても、依頼があれば護衛するのが、自衛隊
の使命ではあるとは思いますが、日頃、目の仇にしていた自衛隊に
護衛させ、その上で、感謝のコメントすら発表しなかったピースボ
ートのあり方は、正にサヨクの本質を表したものとしか言い様があ
りません。流石に刑事罰をうけた後ものうのうと議員をやっている
辻元清美が実質オーナーをしているだけの事はあると思います。
厚顔無恥とはこの事と思われてなりません。

なお、この件については、以下に関連のエントリーがありますので
参照して下さい。
「ピースボートも本音は怖かったソマリア海賊」
http://ysaki777.iza.ne.jp/blog/entry/1036135/

さて、マスコミ的には小さな扱いでしかなかったのですが、昨日、
ソマリア海賊対策第2次部隊がソマリアに向け日本を後にしました。
第一次部隊が、自衛隊法に基づく海上警備であった事から、日本関
係船舶の護衛しかできませんでしたが、今回の部隊は、先月24日
に成立した「海賊対処法」に基づき、他国船舶の護衛が漸く可能と
なりました。第一次部隊も、実際には、大音量を発する装置を使用
して海賊を追い払うなど、外国船籍の商船の保護を行ってきました
が、根拠法がなく、実態を明らかにすれば、馬鹿な野党が騒ぎ出し
て、殊更にそれを政局のネタにしようとしていましたので、自衛隊
は、誠に静かにソマリア沖での護衛の任を果たしてきたと言えます。

それに対し、第二次部隊は大手を振って、多国籍部隊の一員として
国際海上交通の安全に寄与できる様になった訳で、誠に慶賀に耐え
ません。ソマリアの現状は、当初、サヨクが主張していた様な、無
政府状態に窮乏化したソマリア漁民の最後のあがきなどではなく、
国際マフィアの資金獲得手段という性格がますます明らかになって
きています。その点でも、自衛隊のソマリアでの空海両面の活動に
期待したいと思います。


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2009年7月1日水曜日

ヒロシマは思考停止の免罪符か?

※秋葉広島市長。広島青年会議所サイトから転載

田母神氏 8月6日に講演会 「悲しみ増す」広島市が“待った” 

懸賞論文への投稿が発端で更迭された元航空幕僚長、田母神俊雄氏を原爆記念
日(8月6日)に広島市に招き開催予定の講演会について、同市の秋葉忠利市
長が、被爆者や遺族の悲しみを増す恐れがあるとして日程変更を29日、文書
で要請した。主催者側は予定通り実施する構えだが今後、憲法の「集会の自由」
が脅かされ、「言論封殺」と批判された“田母神事件”が再燃する恐れも出て
きた。

この講演会は日本会議広島などが計画した「ヒロシマの平和を疑う~田母神俊
雄氏が語る、広島発、真の平和メッセージ」。5月に中国の核実験の被害をテ
ーマに講演会を開催。日本が唯一の被爆国でなく、共産圏の核に日本の反核団
体が寛容であることへの疑問を踏まえ、いかに核の惨禍を回避するか-として
同氏の講演会を企画したという。

秋葉市長名で田母神氏らに届いた文書では「貴殿が何時何処で何を発言するか
は自由で当然の権利」としながらも(1)8月6日は市内が慰霊と世界の恒久
平和への祈りで包まれる(2)田母神氏がこうした演題で講演するのは被爆者
や遺族の悲しみを増す結果となりかねない(3)原爆記念日の意味は表現の自
由と同様に重要-などを市の立場として日程変更を検討するよう求めた。

主催者側は「私たちは市長以上に核廃絶を願っている。北朝鮮や中国の核実験
が問題になるなか、真の平和のためどうすればいいのか、という趣旨の講演会
がなぜふさわしくないのか理解できない」と話している。

(産経新聞 2009/6/30)


田母神氏の講演会がどういうものになるか判りませんが、秋葉市長
の様な自分達の言論の自由は最大限に確保するが、反対者の言論は
いくらでも制限するのが、共産主義者の真髄です。
ダブルスタンダードは、彼らにとっては当然の事であって、そうで
無い方がおかしいという感覚になります。何しろ自分達の考え"のみ"
が正しく、自分達の理想(共産主義社会)の実現の為には、手段を選
ばないというのがテーゼなのです。

その中には、感情に訴える事も、一時的な解決策として譲歩を求め、
譲歩を獲得すればそれを恒久化するにもお手のものなのです。
(北朝鮮の行動と如何に共通性があるか思い出してください。)

今回のケースで言えば、言論の自由はあるが、演題が遺族の"感情"
を刺激し悲しみを増すから止めろというのは、まさにこの一時的譲
歩を求めている訳です。しかし、もし、譲歩すれば、ヒロシマで田
母神氏が講演をする事は、遺族の"感情"に配慮すれば、いつでもダ
メとなります。また、今回、講演を行えば、原爆犠牲者・遺族の感
情を無視する人非人というレッテルを貼る事ができます。こういう
レッテル貼りもサヨクの得意とする処です。

さて、ヒロシマというと思い起こされるのが、「安らかに眠って下
さい 過ちは 繰返しませぬから」という言葉です。原爆死没者慰
霊碑に刻まれています。私もこの言葉には賛成です。日本と日本人
を目標にした三度目の核爆発を日本の領土上で起こしてはいけませ
ん。そういう意味からすれば、前2回の核攻撃を避けられなかった
と言う事実は、日本の外交政策と日本の安全保障政策上の大失敗と
しか言い様がないと思うのです。

米国を敵として戦争に至った事。日英同盟を堅持できずに、新たな
同盟国として国体の違うドイツとイタリアと組んでしまった事。
外交政策に一貫性を欠いた事。国内の経済運営に適切を欠いた事。
特に軍人に視野の狭い教育しかできず、人材育成で問題があった事。
軍事技術や工業製品の製造の面で、欧米の水準を達成できなかった
事。治安維持法があったにも係わらず、共産主義者の権力への影響
力行使を防止できなかった事。マスコミが安易な大衆迎合策を行っ
た事。

また、戦後においても、自虐外交で、中国、韓国、北朝鮮に安易な
反日政策を許容してしまった事も第三のヒロシマに繋がる失敗と言
えるでしょう。

そういった意味で21世紀になっても、ヒロシマを繰り返させない
という事は、今日的な目標であると考えます。ヒロシマを繰り返さ
ない事は、ヘイワを祈るだけで達成できると考えるのは、あまりに
も安易です。本当にアヤマチを繰り返さない為には、最高度の努力
と細心の政策決定と広範囲な情報収集が必要です。その意味からす
れば、自分に耳の痛い発言には蓋をしようとする秋葉市長は、アヤ
マチを繰り返さない為の態度からは程遠いと断じざるを得ないのです。


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2009年6月16日火曜日

ロシアも独自のミサイル防衛網で北朝鮮のミサイル攻撃に対応か?

※S-400対空ミサイルシステム
http://www.defencetalk.com/russia-s400-air-defense-systems-victory-day-18601/
より転載

極東に対空ミサイル ロシア、北への警戒強める

インタファクス通信によると、ロシアのノゴビツィン参謀本部次長は十一日、
最新鋭の対空ミサイル「S400」を極東地域に配備する考えを示した。
モスクワなど大都市を除く地方での同ミサイル配備は初。北朝鮮の二回目の核
実験実施や、新たな弾道ミサイル発射の兆候を見せていることなどを強く警戒
した措置とみられる。
ロシアは、北朝鮮が核保有国となることへの懸念を強めており、十一日に合意
に達した北朝鮮の核実験に対する国連安保理の制裁決議案の協議でも、消極的
対応から強硬姿勢に転換。オバマ米政権との協調を重視するロシア政権の思惑
も背景にあるが、核開発を加速する北朝鮮の脅威が最大の理由だ。
一方で、ロシアは、制裁強化による北朝鮮の暴走も懸念。ロシア外務省筋は同
日、タス通信に「決議は問題解決のために必要だが、北朝鮮が緊張を高める行
動を取らないことを望む」と述べた。
S400は、ロシア版ミサイル防衛(MD)の主力ミサイルとされ、モスクワ
とサンクトペテルブルク近郊にも配備されている。

(東京新聞 2009/6/12)


北朝鮮のミサイルと核開発に対抗する為に、日本はミサイル防衛網
の構築を進めている訳ですが、あれだけ北朝鮮の肩を持っていたロ
シアも冷静に北の核ミサイルに対する対抗手段の構築を進めている
ようです。

ロシアは元々、米国とのABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約に基づきモ
スクワを防衛するABMとしてガロッシュ迎撃ミサイルを配備してい
ました。米国でも一時期、ABMが配備されましたが、その後撤去され
ています。一方、ソ連/ロシアではそれを維持し、現在は、ABM-3
(ロシア名はA-135)システムを導入しています。このシステムは、
核弾頭装備のシステムですが、ロシアは、これに加え、通常弾頭で
弾道ミサイル迎撃能力を持つ対空ミサイルS400の生産と配備を行っ
ています。

このS400は、2003年から配備が開始された最新型の対空システムで
近距離から遠距離(400km)まで、地上5mから高度30kmまで、UAVやス
テルス機から弾道ミサイルまでを迎撃対象とする優れものであり、
WikipediaやGlobalsecurityの情報を読む限り、パトリオットを凌
駕する性能を持ってる様に思われます。

記事によれば、現在S400が配備されているのは、モスクワとサンク
トペテルブルグですが、北朝鮮が核ミサイルを配備した時にその目
標となる極東地区にも配備するというものです。
元々ロシアは、現在多数のシステムを保有している対空ミサイルシ
ステムの簡素化を推進しており、その大きな柱となっているのが
S400ですから、極東地区の対空ミサイルもいずれS400に切り替えら
れる予定ではあったろうと思われますが、北朝鮮の核開発の進展に
よって優先順位が変更されたのだと思われます。

S400は大量生産が予定されているので調達コストはかなり低くなる
と思われますが、それにしても、最新の対空システムですから大き
な費用を要する事に間違いありません。ロシアが北朝鮮の事を本当
に信頼できる国と考えているのであれば、その様な費用負担は不要
である筈です。しかし、表面上の北朝鮮の友好国としての顔の下で
ロシアは、最悪の事態を想定し、北朝鮮との関係がいつ険悪化して
も良い様にする対策をとっていると言えると様に思われます。


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2009年6月11日木曜日

北朝鮮の肩を持つ事で自分の首を絞める中ロ

※写真は国連安全保障理事会

北核実験 7カ国が制裁決議案に合意、週内採択へ

2度目の核実験を強行した北朝鮮への対応を協議していた国連安全保障理事会
常任理事国5カ国と日本、韓国の7カ国は10日、北朝鮮に対する非難と制裁
措置を盛り込んだ決議案で合意に達した。7カ国は、引き続き同日午前に招集
された安保理の非公式協議にこの合意案を提示、週内の決議案採択を目指す。

決議を採択する見通しがついたことで、国際社会は北朝鮮の挑発行為について
厳しい姿勢を示したかたちだ。しかし、核実験実施から決議の採択まで3週間
近くもの時間を費やしたことは、北朝鮮をめぐる国際社会の思惑の違いをも浮
き彫りにすることにもなった。

協議は、強い制裁措置を主張していた日米が、慎重な対応を求める中国に配慮
を示した結果、9日の時点で双方が合意した。ただ、ロシアが細部でさらなる
調整を求めた結果、10日の大使級会合で7カ国が最終的に合意に達した。

合意内容の詳細は明らかになっていないが、強い制裁措置を求めていた当初の
日米案からは、北朝鮮の暴発を恐れ慎重な対応を求める中国に配慮するかたち
で、後退した内容になったとみられる。焦点となっていた北朝鮮に出入りする
船舶に対する貨物検査(臨検)では、日米が求めていた各国への自国領内での
臨検実施義務化が見送られるもようだ。

一方で北朝鮮はすでに、決議が採択されれば「強硬な非常措置をとる」と警告
しており、さらなる長距離ミサイルの発射などの動きも見せている。国連外交
筋は、長距離ミサイル発射の場合は再び安保理緊急会合が招集されるとしてお
り、北朝鮮情勢をめぐっては引き続き、緊迫したやりとりが国連を舞台に続く
ことになりそうだ。
(産経新聞 2009/6/10)


以前にも、述べている事ですが、大事な事なので、繰り返します。
今回の安保理協議で一番おかしいのが、中ソが北朝鮮の肩を持ち、
結果的に北朝鮮の核保有国化に手を貸してしまっている点です。

もし、北朝鮮が核保有国としてのステータスを得る事ができたとし
て、それは何を意味するのでしょうか。それは核拡散防止条約(NPT)
を批准した国であっても、北朝鮮の様に上手く立ち回れば、国際社
会は、核保有を認めるという事です。

現在、五大国(P5)以外に、インド、パキスタン、イスラエルという
事実上の核保有国がありますが、これらの三ヶ国は元々NPTを批准
していませんでした。つまり核を保有する意思を隠しておらず、そ
れによる不自由を甘受した上で核保有を実現したと言えます。
しかし北朝鮮はちがいます。NPTを批准する事で、NTP批准国は、
IAEAを通じて原子力平和利用に関する情報へのアクセスが許容され
ます。北朝鮮は、そこで得た情報に、パキスタンのカーン博士の核
の裏ネットワークを通じた技術情報と資材によって、核保有を実現
したのです。

パキスタンの核開発は、カーン博士の核の裏ネットワークを作り出
しましたが、北朝鮮が核保有に成功すれば、イラン、シリアが後に
続く事は目に見えています。そうなると、第二第三のカーン博士や
裏ネットワークが出現しておかしくありません。一部の報道によれ
ば、北朝鮮は、「米国を嫌っている国」への核拡散の意図があると
伝えられています。北朝鮮は、現在でさえ、ニセ札、覚醒剤、ニセ
タバコ、武器等の非合法製品の輸出に手を染めているとされていま
す。既に地下組織への販売ルートは整っており、今度は、核兵器も
製品リストに加わる事になります。

米国にとっては、許しがたい事でしょうが、これは同時に中ソにと
っても許しがたい事態である筈です。中ロ両国はある種の「帝国」
であり、国内に少数民族問題や民族紛争を抱えています。北朝鮮や
その他のならずもの国家やテロ組織から、中ソの現政権に反対する
勢力に核兵器が流れないという保証はどこにもなく、中ロ両国が、
反対勢力を厳しく弾圧する抑圧体制を敷いているだけに、それに対
する反対派も先鋭化していると言えます。それだけに非政府組織に
よる核使用の可能性は、米国に対するより、中ロの方がより高いと
すら言えるのです。

これに加え、現在のNPT体制下で、中ロは持てる国としての特権を
認められています。しかしながら、北朝鮮に続く国が増加する事で
核保有国の特権が空洞化する事になり、最終的には、特権そのもの
に意味がなくなる事になります。そして、現在の国連常任理事国が
全て核保有国である事に見られる様に、核兵器を保有する事による
非核保有国に対し軍事的にもっていた絶対的な優位が、核の保有量
の違いという相対的な優位に転化してしまう事にもなりかねないの
です。
総合国力で考えれば、米、英、仏は、経済的にも高い国力がありま
すが、中、ロは軍事力がその総合国力に占める割合が高いだけに
NPT体制の崩壊による影響はより深いと言えます。

以上の二点から考えても、中ロが今回の安保決議で北朝鮮への強い
制裁決議を回避した事は、まさに天に唾する行為であるとしか言え
ない様に思われてなりません。


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2009年5月20日水曜日

日本車"禁輸" 日本への影響はないが極東ロシアへは影響大

※写真は富山港で船積みを待つ中古車 読売新聞サイトから転載

露、右ハンドル規制を検討 日本製中古車“禁輸”審議へ

【モスクワ=遠藤良介】ロシア産業貿易省が月内にも、極東部や東シベリアで
主流となっている右ハンドルの日本製中古車を事実上、禁輸とする新たな車検
法規(政令)案を政府に提出する方針であることが明らかになった。ロシアで
はこれまでも、国産車保護を目的に右ハンドル輸入車の規制を求める当局者の
発言が相次いでいた。ただ、極東の沿海州(州都ウラジオストク)などでは中
古車ビジネスの帰趨(きすう)が地方全体の死活問題に直結しているだけに、
政府が新法規の承認に踏み切れるのかが注目される。

産業貿易省関係者によると、新法規案は「安全確保」を目的に乗用車の車体基
準として「右側通行に適合していること」との条項が含まれる。すでに使用さ
れている日本製中古車には適用しないとされるが、この条項が発効した場合は
新たな日本製中古車の輸入や販売が不可能になる。

右ハンドル規制をめぐっては極東部の住民による大きな反発が予想され、政府
はこの条項だけを個別に審議する見通しだ。このため、新法規は政府の承認か
ら12カ月後に発効するものの、右ハンドル条項だけが廃止されたり、保留と
される可能性も高い。

専門家の一人は「新法規案は公聴会を経て政府に提出されなければならないが、
私の知る限り、これまで行われていない」とし、「政府の狙いは安全確保では
なく、競争の排除による国産車関連業界の保護だ」と当局の動きを批判する。

プーチン首相は昨年12月、国産車保護を目的に中古車の輸入関税を2~3倍
に引き上げる政令に署名した。これに対し、ウラジオストクでは昨年末に大規
模なデモが起き、政権はモスクワから治安部隊を派遣してデモを押さえ込んだ
経緯がある。関税引き上げとルーブル通貨下落で極東の中古車ビジネスはすで
に大打撃を受けており、政権は新車検法規案をめぐって難しい判断を迫られそ
うだ。

ソ連崩壊後、ロシアでは現地生産や中古車を含む外車が一貫して増え、国産車
のシェアは3割未満にまで減少した。昨年秋以降の経済危機も関連業界に深刻
な追い打ちをかけている。

(産経新聞 2009/5/20)


現実には、日本への影響がないと言えば嘘になりますが、一般の日
本人には殆ど影響がないのも事実です。
実は、このロシアへ輸出されている中古車は、一部は中古車として
販売されていた車もありますが、多くは日本では廃車となった車が
スクラップとして、ただ同然の値段で極東ロシアに輸出されている
のです。(日本側での集荷にはパキスタン人不法移民が係わってい
ます。)

これがウラジオストックを中心とした中古車の再生市場に回り、中
国製や韓国製、自国製の安価な部品を使って整備された上で、全ロ
シアに、販売、流通しているのです。

ソ連時代は東シベリアや極東ロシアに住む住民には手厚い保護があ
ったと言いますが、ロシアとなってからは、その保護も撤廃され、
安全保障上の考慮から戦略的に配置されていた工場も非効率な為に、
多くが閉鎖され、極東ロシアの重工業は壊滅状態となりました。
多くの技術者、熟練労働者はヨーロッパロシアに再移住し、人口が
大きく減少しました。その産業衰退をストップさせたのが、この中
古車ビジネスなのです。これによりシベリアが息を吹き返したとも
言われています。

貧富の差が著しいロシアでは、モスクワやペテルブルグに住み、政
権や財閥とのコネクションがある人間こそ、近年のロシアの経済成
長の恩恵を受けましたが、それ以外の地域では、政権に繋がる人間
が少ないだけに購買力が遥かに低く、この日本製中古車は、彼らに
とっても支払い可能な割には、旧ソ連製のジグリなどに比べれば遥
かに高性能、高信頼性の車と言えます。それだけに、日本製中古車
はロシアに急速に浸透していきました。(考えてみれば、日本では
本来の使われ方をしていなかったSUVなどは、ロシアでこそ真価を
発揮できるとさえ言えます。)

中古車ビジネスとは言っても裾野の広い自動車産業です。当然なが
ら中古車の再生、整備を行う極東ロシアの地場産業も、この恩恵を
受け急速に成長したのです。

その一方で、国内産業の育成を図るロシア政権にとっては、安価で
高性能な日本製中古車が流通する事により、未熟なロシア自動車産
業の成長が阻害される事も事実です。これの排除を狙った政策を矢
継ぎ早に打ってきました。その第一段が昨年12月の関税引き上げ
です。ただ、元値が廃棄物扱いで極めて安価ですから関税が2~3
倍になった処で、輸入をストップさせるには至りませんでした。
そこで、今回は、右ハンドル中古車の輸入をストップさせる規制を
導入する事になったという訳です。

昨年末は記事にもある通り、ウラジオストクでは大規模なデモが発
生しましたが、今度は、完全に極東の中古車ビジネスをストップさ
せる規制です。今後、短期的には、昨年末以上の混乱が、ウラジオ
ストクで発生する可能性がある他、長期的には極東ロシアから大き
な産業がなくなる事で、地域の人口減少が加速する可能性もでてく
る様に思われます。(勿論、日本製に替わり、韓国製や中国製の中
古車を扱うという事になるかも知れませんが、完全に代替するのは
難しいと考えられます。)

そうなった場合、ロシアにとって日本からの技術移転による極東ロ
シアの産業振興が今以上に大きな課題になる
事は間違いありません。
風が吹けば桶屋が儲かるの類かも知れませんが、ロシアとの平和条
約交渉を考える場合にこういった要素も考える必要があると思われ
るのです。


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