2009年4月10日金曜日


※写真は中国海軍旗 
http://blogs.yahoo.co.jp/kazuya840124/36800549.htmlから転載

中国、23日に国際観艦式 15カ国から外国艦艇参加

中国海軍は3日、創設60周年を迎える23日に山東省青島で国際観艦式を開くと
発表した。15カ国の外国艦艇を招き、計40隻以上の艦艇が参加する。中国海軍
が大規模な国際観艦式を開くのは初めて。軍備増強を進める海軍の威力を内外
に示すとともに、国際社会との軍事交流の進展をアピールする機会になる。

青島には海軍の北海艦隊の司令部がある。参加する外国艦艇は米国やロシア、
インドなどとみられる。日本は艦艇を派遣せず、海上自衛隊幹部らが記念式典
に出席する予定という。代表団を派遣する国は28カ国に上る。

式典は胡錦濤国家主席(中央軍事委員会主席)が演説する見通し。中国海軍は
長距離の洋上進出能力を高め、近海防衛から遠海に活動範囲を広げており、胡
主席が新たな方針を打ち出すかに注目が集まる。

(NIKKEINET 2009/4/3)

中国がまた傲慢さを出してきました。中国の軍部は余程日本を憎ん
でいるようですが、まさに江沢民政権時代の反日教育の成果と言え
ます。日本では、マスゴミが中国べったりの記事を流したり、媚中
派の政治家が、中国を礼賛する発言や行動を繰り返しているものの、
中国の真情はこういう時に現れます。いくら外務省がチャイナスク
ールの集まりであっても、この非礼を見過ごす様では、侮られるだ
けです。

実は、中国は、日本をかなり侮った行動を何度も行っています。
現に、中国は日本の意向を無視して、北朝鮮のミサイル発射問題で
も、安保理での非難決議に反対し軽い対応に留めようとしています。
今回の件も、日本が何も反応しなければ、今後ますます日本を軽視
した行動を取る事になるのは確実です。

こういう場合は、居丈高にならず、正確に同質で同程度の重みとな
る行為で、中国にお返しをするというのが一番です。
今回も艦船ではなく海自幹部が参加するとありますが、日本が不快
を示すのであれば、どうせ中国の示威行動なのですから海自幹部の
出席は取り止めとし、日本が実施する観閲式や観艦式に中国を招待
しないというのが、正しい対応と言える様に思います。

こういう事をいうと、日本は大人の行動を取るべきと言った反応が
でてきますが、日本の外交的な癖として、日頃は、こうした行為に
何も反応を見せず、ある時を境に激烈な反応を示すというのがあり
ます。第二次大戦時がそうですし、北朝鮮に対する反応も同じです。

日本的に言えば耐え難きを耐えているのですが、相手側からすれば、
昨日までの許容範囲と今日の許容範囲が著しく異なるので、日本に
対する行動予測が出来なくなってしまいます。その点からすれば、
逆に、ある日爆発するよりも日頃から反応してくれていた方が日本
の許容限界が判って良いのです。

中国も、日本を侮る事が、中国の利益に反すると理解すれば、そう
した行為を慎む事になるでしょうし、もし、ならなければ、中国の
不当性があらわになるだけです。日本にとっても損はありません。
中国に対する適度の報復行為は必須と考えます。


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2009年4月9日木曜日

国連脱退は愚策。核武装を考えないのは思考停止


※写真は、国連安保理。日経BPサイトから転載

自民・坂本氏「日本も核を」 党役員連絡会で発言

自民党の坂本剛二組織本部長が7日の党役員連絡会で、北朝鮮のミサイル発射
について「北朝鮮が核を保有している間は、日本も核を持つという脅しくらい
かけないといけない」という趣旨の発言をしたことが分かった。出席者による
と、坂本氏は国連安全保障理事会で日米が唱える新たな決議の採択が難航して
いることにも「国連脱退くらいの話をしてもよい」との考えを示したという。

坂本氏は8日、朝日新聞の取材に対し「日本は国際社会に対して国連を脱退す
るぞ、核武装するぞと圧力をかけるくらいアピールしないとだめだという例え
で言った。現実に日本が核武装できないのは知っている。私は核武装論者では
ない」と話している。

自民党の細田博之幹事長は同日、朝日新聞に「誰も本気で言ったとは思ってい
ない。核武装できるとも思っていない。特に問題視はしない」と語った。河村
官房長官は記者会見で「非核三原則をもった国としてそのような選択肢はあり
得ない」と述べた。

日本の核保有については、06年に自民党の中川昭一政調会長(当時)が「核
があることで攻められる可能性は低いという論理はあり得るわけだから、議論
はあっていい」と発言。麻生外相(当時)もこれを受けて「他の国は(核保有
議論を)みんなしているのが現実だ。隣の国が持つとなった時に一つの考え方
としていろいろな議論をしておくのは大事だ」と述べるなど、論議を呼んだこ
とがある。

(朝日新聞 2009/4/9)


朝日新聞も流石に、ブラフとしての核武装や国連脱退というニュア
ンスは消しきれなかった様です。しかし、例えそうでも、一昔前で
あれば役職停止くらいは喰らいそうな発言と言えますので、その点、
北朝鮮のミサイル実験の影響は大きいと言わざるを得ません。

今回のミサイル実験に関して、国連では、必ずしも、全面的に北朝
鮮を非難する議論になっていないのは報道の通りです。常任理事国
では中、ロの二ヶ国が新決議に消極的ですし、非常任理事国も三ヶ
国が中、ロに同調する始末です。

核実験よりインパクトが少なかった事、人工衛星打ち上げという北
朝鮮の主張が先進国の宇宙開発独占に反発する途上国の一定の支持
を集めたという面があります。

国連では、先進国は少数派である事を忘れてはなりません。
日本でサヨクの弱者擁護が一定の支持を集める様に、国連では、弱
者の恫喝は一定の支持を集める事ができるのです。
旧国連人権委員会が、北朝鮮での人権侵害の事実を無視し、日本で
の在日の土地占拠に支持を与えた事を忘れてはならないのです。

日本の多くの政治家は、こういう国連の現実を知らないか知らない
ふりをしています。その上で国民に国連幻想を振りまいています。
これは外務省も同じです。日本は国連分担金の実に20%近くを一国
で負担しているにも係わらず、国連に対する要求を行わない自己主
張のない国として、後進国の外交官からも軽く見られていると言っ
て過言ではないのです。

その意味では、国連脱退というより、分担金の不払い、分担の不公
正を主張するのが国連で日本の主張を貫徹する有力な武器であると
言えます。国連脱退は、百害あって一利もありません。

北朝鮮やイラン、イラクが国連を徹底的に利用している事を見習う
べきであって、国際連盟を脱退し、日本を国際的犯罪国の地位に置
き、国際的な自己主張の機会を奪った松岡洋右の二の舞をすべきで
はないのです。国連脱退は言及するにも値しない愚策以外の何者で
もありません。

国連に圧力をかけたければ、政府の閣僚ではない与党の有力政治家
が国連分担金の不払いを言及するだけで良いのです。すぐさま実施
可能な国連対策ですから即時実行すべきだと思われます。現在の国
連事務総長は反日外交を推進した韓国の元外相ですから、そのキリ
キリ舞する姿も結構見ものです。

もう一つの核武装ですが、北朝鮮を相手と考えた場合、実は、あま
り意味はありません。日本は、日米安全保障条約で十分守られてい
ます。また、日本はNPT保証処置の完全な履行国としてIAEAでも信
頼されており、査察も簡素化されている他、核保有国にしか認めら
れていない核燃料再処理や、濃縮ウラン製造まで認められている位
です。従って、むやみに核武装論を振り回す事で、非核国としては、
特権的な地位を享受している現状が逆に脅かされる事も考慮に入れ
るべきなのです。

しかしながら、北朝鮮や中国が日本を脅かすのであれば、短期間に
対抗措置としての核武装が行える事をあからさまでない形で示す事
は有効な対策であると言えます。
例えば、打ち上げが容易な新固体燃料ロケットの開発は、ICBM開発
と等価ですし、有人宇宙船の開発や、月や小惑星からの試料回収技
術の高度化は、核弾頭の再突入体の開発にも利用できます。
核保有国は日本のこういった動きを見逃す筈がなく、日本もそれを
知った上で、それを外交力に転換する必要があるのです。

核兵器を保有する為には、現状では、何が欠けているのかを知り、
それを埋める努力をしないのでは、核兵器保有をブラフに使う事す
ら出来ません。その意味からすれば、単なる核アレルギーで核保有
を考える事すらしないのでは、為政者として思考停止の謗りを免れ
ないと考えます。


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2009年4月8日水曜日

国民に対する背信行為を行う共産党と社民党


※画像は以下のURLより転載
http://pict.corich.jp/book_detail.php?book_id=396

【主張】ミサイル決議 この内容なら評価したい

北朝鮮の長距離ミサイル発射に抗議する国会決議が与党と民主党、国民新党な
どの賛成多数で衆院で採択された。

ミサイル発射は「明白な国連決議違反であり、容認できない」との立場を鮮明
にし、日本独自の追加制裁などを求めている。国権の最高機関として、発射は
許せないという毅然(きぜん)とした意思と姿勢を示す当然の決議内容だ。

共産党は反対し、社民党は棄権した。両党は文案調整で「ミサイル」や「国連
決議違反」などの文言を拒み続け、対北朝鮮制裁の強化にも慎重だった。

決議の根本には「断固たる抗議」や「国際社会の一致した意思」を明確にし、
日本の国益を守る考えがある。両党が北朝鮮擁護に回っている印象は否めない。

北朝鮮に自制を求めた3月末の国会決議では、民主党が社民党などの意向を大
幅に入れた。その結果、ミサイル発射が「弾道ミサイル計画に関連するすべて
の活動」の停止を求めた2006年の国連安全保障理事会決議に違反するとの
文言を削除することになり、決議内容は後退した。

今回、民主党は事態の重大さを認識したのか、野党共闘よりも決議内容を重視
した。「各党で考えが違い、どうしても乗れない部分がある」(参院幹部)と
判断し、文言を大幅に犠牲にすることを避け、多数決による採択としたのは当
然だろう。ただ、社民党への気兼ねから、決議の共同提出者とはならず、与党
の決議案に賛成する形をとった。

野党が多数を占める参院でも、8日に抗議決議が予定されている。ほぼ同趣旨
の決議案が、衆院と同様に与党と民主党などの賛成多数で採択される見通しだ。

残念なのは共産、社民両党の態度だ。いまだに「人工衛星」とする北朝鮮の主
張に耳を貸しているようにみえる。国連安保理での新決議採択に向け、日米韓
が他の理事国などの賛同を求めて外交努力を積み重ねるさなか、これに対抗す
る中国、ロシアと同一歩調をとっている。

米下院では、共和党が北朝鮮制裁法案を提出する方針を表明している。法案で
は、日本人拉致事件にも言及し、被害者の解放を求めているという。

日本は北のミサイルで直接脅威を受け、拉致問題では被害を受けた当事国だ。
自らの問題であることへの意識をさらに持ちたい。

(産経新聞 2009/4/8)


前回の参議院選挙結果を見ると共産党は、得票率7.5%、社民党は、
得票率4.5%を得ています。合計すれば、12%の国民は、この両党
を支持しているという事になります。

しかしながら、今回の北朝鮮非難決議に関する限り、両党は、日本
国民の安全よりも共産主義に対するシンパシーを優先する政党であ
るとしか言い様がありません。そういう政党が何故、国民の代表と
して国会に議席を持てるのか不思議で仕方がありません。

共産主義国家は、貧富の差が著しい社会である事は社会学的検証に
よって明白な事実と認識されています。皮肉な事に共産党政権下の
中国は、資本主義の牙城である米国よりも貧富の差が激しいのです。
その点では、社民、共産支持者は、そのお題目とは別に、マルクス
主義的社会を実現し、自らがノーメンクラツーラになる事を目標に
している利己主義者と言い換える事も出来ます。

今回のテポドン騒ぎでも、市ヶ谷や朝霞の自衛隊の基地へ行って、
パトリオットPAC-3の展開に反対していた勢力がありましたが、そ
の代表者は、北朝鮮や朝鮮総連に抗議の意思がない事を明らかにし
ていました。これまた、国民の安全より反日思想を優先している事
を明白に示していると言えます。

メンタリティーとしては、社民党や共産党はこの類の人間の集まり
です。また、日本のマスコミは長く、この手の人間独壇場であり、
近年、ますますその反日的、反国民的性格を強めています。それ故
に既に泡沫政党化した共産党や社民党の言説を自民党や民主党と同
じ重み付けで取り上げるのです。

それに加え、マスコミの主張を国会で質問させている例もあります。
社民党の福島党首が国会質問で執拗に食い下がり野党からも失笑を
受けた迎撃時の破片による被害問題を、朝日新聞は何と社説で、テ
ポドン迎撃の問題点として指摘しました。NBC兵器が搭載されて
いる可能性があっても破片落下の懸念を殊更大きく報道するのは、
そういう反対論拠を社民党に提供したからではないかとさえ思わせ
るのです。

今回のテポドン騒ぎで、野党勢力とマスゴミは、国民の安全よりも
誤報問題と言う些細なトラブルを殊更、大騒ぎする事で、政府、自
衛隊の体制構築の不備をあげつらいました。その上で、両党は北朝
鮮に対する非難の国会決議に際しても、国民の安全を蔑ろにする利
敵行為を働いたと言えます。

我々はこの様な背信行為を許すべきではないし、忘れる事もしては
ならないと考えます。そして、それを次回の国政選挙で政治に反映
すべきであると考えるのです。


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2009年4月7日火曜日

敵地攻撃用ミサイル配備による抑止力強化は必要か?


※準中距離弾道弾PershingII US Armyサイトから転載

敵地攻撃の検討を求める声 北ミサイル発射で自民部会

北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受け、自民党は6日、党本部で「北朝
鮮ミサイル問題に関する合同部会」を開いた。

山本一太参院議員は「日本の敵地攻撃能力は、自衛権(の範囲内)であれば憲
法に違反しない。能力、要件を本気で議論することが抑止力を増す」と強調。
土屋正忠衆院議員は「敵地攻撃に類する対応措置をとれるか考えるべき時期に
来ている」と指摘した。

(産経新聞 2009/4/6)


一言で言えば、「不要」であると考えます。
まず、保有しても使い道がありません。使用する状況を考えれば容
易に想像がつくと思いますが、現在の憲法が維持される場合、日本
側から予防戦争的に相手に仕掛ける訳にはいきません。また、核武
装も、日本が核攻撃を受けた後でないと、国内外の理解が得られな
いと考えます。つまり、最初の攻撃は甘受する必要があります。最
初の攻撃が北朝鮮から日本に加えられる攻撃であった場合には、日
米安全保障条約が発動される事になり、米国が北朝鮮を報復攻撃す
る事になります。このブログでも何度か取り上げていますが、それ
は北朝鮮にとって、体制崩壊を招く自殺行為となります。例え、日
本国内でのテロ行為であっても、バックに北朝鮮がいる事が明白で
あれば、それは、北による日本攻撃という点で同義という事になり
ます。

北朝鮮がそこまで、覚悟した上で、日本を攻撃するのであれば、そ
れは体制の存亡がかかった状況に基づくものであり、その際、日本
に非核攻撃兵器が多少有ったところで、抑止の面では、あまり違い
ないと考えられます。

それよりも、日本が攻撃された時に、確実に米国による報復が発動
されるように、米国との同盟関係が良好な状態としておく方が抑止
効果は高いと考えられます。寧ろ、攻撃兵器がある事で、米国との
関係で遠心力が働く事の方が余程有害と言って良いでしょう。

但し、北朝鮮による日本上空を通過するロケット(ミサイル)実験は
不快以外何者でもないのは事実です。このまま放置すれば、北朝鮮
は、既得権の様に、日本の上空を通過するミサイル実験を繰り返す
に違いありません。

それ既得権化させない為には、日本は日本上空を通過する打ち上げ
を許容しない事を明確にし、MDを一層強力なものにする事によっ
てその実行の意思を明らかにすべきです。
具体的には、以下の施策が考えられます。

1.DSP(赤外線早期警戒)衛星の配備
2.ABL(空中配備レーザー兵器)の配備
3.長距離用Xバンドレーダーの配備
4.GBI(地上発射型迎撃ミサイル)の配備


今回、北朝鮮が部分的にではあっても国際ルールに従ったのは、日
本が迎撃の意思を明確化した為であると考えられます。
北朝鮮に国際ルールを遵守させる為には、具体的な行動を通じてで
ないと意味がない事は、これまでの交渉からも明らかです。北朝鮮
が理解できる唯一の言葉が武力であるなら、日本としても、攻撃力
ではなく防衛力としてそれを見せつけるのが外交的にも得策と考え
ます。


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2009年4月6日月曜日

この10年、北朝鮮と日本は何をやったのか?


※画像は産経新聞サイトからの転載

「何も軌道に入らず」=北の打ち上げ失敗か-米防衛司令部

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は5日、北朝鮮が人工衛星を軌道に乗せた
との主張について、「2段目以降は太平洋に落下し、何も軌道に乗らなかった」
と否定した。北朝鮮による打ち上げは失敗した可能性が高い。

NORADの分析によると、北朝鮮はテポドン2号を打ち上げ、一段目は日本海に、
弾頭の搭載物を含めた2段目以降は太平洋に落下した。
また、「テポドン2号は日本を飛び越えたが、日本への破片の落下はない」と
している。さらに「ハワイと米本土への脅威はなく、米軍は迎撃しなかった」
との見解も示した。「何の物体も軌道には入らなかった」としている。 

(時事通信 2009/4/5)


ここ一ヶ月のテポドン騒ぎも、結局、人工衛星を軌道に乗せる事に
失敗と言う事で、終わりになったようです。

少し遡ると、テポドンが最初に日本の上空を通過したのが、1998年
の8月の事です。この時は、テポドン1号の発射実験を行い、今回
と同じ人工衛星「光明星1号」を打ち上げたと主張していました。

二回目は、2006年7月で、他の6発のミサイルとともにテポドン2
号を発射しましたが、1段目が切り離れず、上空数キロで空中分解
したと言われています。

という事で、今回はテポドン発射3回目という事になります。
今回はテポドンにとっては、三度目の正直でしたが、三段目の切り
離しに失敗し、2、3段とペイロードは一緒になって太平洋に落下
したようです。

結果は一回目と同じでしたが、一回目がテポドン1号、二回目は、
テポドン2号、三回目はテポドン2号改良型となっています。

日本の衛星打上用のロケットは、同じ形式で最低でも数回の打ち上
げを行っています。人工衛星打ち上げロケットとしてみた場合、テ
ポドンはまるで手作りロケットであり、打ち上げ一回毎の間隔が開
き過ぎの上、一回毎にロケットの相違点が大きすぎるので、製品面
でも製造技術面でも落ち着く閑が無く、それが失敗に輪をかけてい
ると言って良いでしょう。加えて、北朝鮮は、公式には衛星打ち上
げに成功したと強弁しているので、失敗原因の追求も出来ない事に
なります。これで人工衛星が打ち上がったのなら、それ自体工学的
な奇跡と言えるでしょう。

良く言えば、北朝鮮は10年の歳月を費やして、確実な所で射程を
1000km~2000kmほど伸ばす事ができたと結論できます。

では、日本はテポドン1号上空通過以降何を実現したのでしょうか?
以下は、そのリストです、意外に実現したものが多い事に気がつく
と思います。私には、米国の核抑止以外にも、ここ10年で日本の安
全はかなり強化されたのではないかと考えています。

1.米国との早期警戒衛星(DSP)とのデータリンク
2.空中赤外線早期警戒機AIRBOSSの試験機配備。
3.情報収集衛星 光学衛星、レーダー衛星各二機、光学衛星実験
  機1機が軌道上に展開。
  収集データの分析組織も設立済で実地運用済。
4.新型レーダー(FPS-5)の実用機の配備1基(甑島)完了。その他
  三基も予算承認済。
5.既存レーダーの改良型(FPS-3改)の配備完了3基。今年度に配
  備4基。
6.イージス艦のBMD対応とSM-3装備 2隻完了。残る2隻
  の改造についても予算承認済。
7.イージス艦2隻の追加配備完了。
8.パトリオットPAC-3及びPAC-2GEM+(PAC-2改2型)一個高射群
  及び教導団へ配備完了。残る二個高射群へも展開予定。
9.日本に飛来する弾道ミサイルに対処する為の自衛隊法の改正完了。
10.弾道弾探知情報を全国自治体へ警告する連絡網「Em-Net
  (エムネット)」の整備完了。
11. SM-3による実射テスト2回。成功1回、失敗1回

なお、1998年8月以降、日本が打ち上げたロケットは21回で、
内失敗は3回でした。


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