2009年10月21日水曜日

First and Last? Ares I-X stood on the launch pad. 最初で最後?アレスIロケット発射台に立つ

※写真はNASAサイトから転載

NASAの新ロケット発射台に立つ

NASAの新ロケットが、来週の試験飛行のために10/20に、39-B発射台に到着し
た。NASAは最終的には月に飛行士を運ぶ事になるこのロケットの為に発射台の
改修を行ったが、この発射台にシャトル以外のロケットが立つのは34年ぶりの
事になる。

しかし、ホワイトハウスはこの計画を廃棄するかもしれない。オバマ大統領に、
宇宙探査計画に関する選択肢を提供する航空宇宙専門家委員会は、今週、その
最終報告の提出を予定している。

自由の女神より高い アレスIロケット実験機(アレスI-X)は、一晩中かかって
格納庫からパッドまで移動した。4マイルの旅に、7時間以上かかった。
実験機は、10/27に発射されるが、第一段ロケットが打上げの最初の段階で、
どのように挙動するかについて示すために、2.5分の弾道飛行を行う。
NASAはこの打上げに445百万ドル(400億円)を費やす。

327フィートの例外的に細長いロケット、アレスI-Xは、おそらく2015年までに、
宇宙飛行士を軌道に運び込むように見える。しかし、その多くはモックアップ
(原寸模型)であり、人や実際のペイロードを搭載している訳ではない。
対照的にシャトルの高さは184フィートである。また、1960年代後期~70年代
初期に人類を月へ運んだサターンVロケットの高さは、記録的な363フィートだ
った。

シャトル・プログラム・マネージャのジョン・シャノンは、たとえスペース・
シャトル アトランティスが1.5マイルしか離れいない他の発射台上にあって
も、アレスI-Xの発射は十分安全であると語った。もしロケットが発射時に爆
発してもアトランティスの発射台は爆発衝撃圏の少し外側に留まっている。
また、アレスIの第一段には動作検証済みの技術が使われていると彼は語った。
それにはスペース・シャトルを推進しているのと同じのタイプの固体燃料が使
われている。

第一段ブースターは大西洋にパラシュートで降下して、分析のために回収され
る。ロケットの残り部分であるおもりで実物と同じ重さにされた原寸模型は、
回収されないので、そのまま海面に激突する。
ロケットには、何百ものセンサーが装備される。

「私の個人的な意見では、試験飛行に関してさえ、我々が本当にI-Xに問題があ
りそうだと思っているのなら、我々は発射する準備ができていないということ
だ。」と、シャノンは先週末に語った。

一方、アトランティスは、国際宇宙ステーションへの補給任務の為、11/16に
打ち上げられる予定となっている。月曜日に、NASAは、アレスI-Xの発射の可
能性を向上させるために、4日間、シャトルの発射を延期した。ケネディ宇宙
センターの同じチームが、両方の発射を取り扱っている。

「我々が、次にどこへいくのか、次のステップは何なのか、また、シャトルが
近い将来に停止される事になっても、それが終わりではなく始まりである事を
見る事ができるのは素晴らしい事だ」とアトランティス指揮官のチャールズ・
ハボウはシャトル発射台で語った。

あと六回のシャトルの飛行が残っており、そのすべてが宇宙ステーション向け
のもので、来年末までには完了させられなければならない。

(Asociated Press 2009/10/20)


結構良い記事ですね。記者の宇宙開発に対する思い入れが少し匂っ
て来る様な文章であると思います。

今回、打ち上げられるのは、アレスI-Xと名付けられた実験機です。
一段目こそ搭載される電子機器も含め本物ですが、固体燃料も本来
の5セクションに対し4セクションしか詰められておらず、また、
二段目より上は、第二段もオリオン・カプセルも、非常脱出システ
ムもみんなシミュレータと言う名前の実寸模型です。(但し、空力
データを取る為に実物と同じ形状、重さにされています。)

第一段は、シャトルの固体ロケットブースターと同様に回収されま
すが、ブースターの全体の大きさが固体燃料1セクション分大きく
なっているので、その分、回収方法も改修されています。また、第
一段のロケットモーターには推力方向制御が行われます。

今回の実験の目的は、この見た目にもアンバランスなロケットの第
一段が打上げ時にどの様に挙動するかを検証する事にあります。
打上げ時の最初の2分間の為のテスト飛行と言えるのかも知れません。

NASAの資料では、少し細かく以下のデータ取得を目的にあげています。
①ロール及び機体全体の制御
②第一段の切り離し
③機体全体の統合性、組立と発射時の運用
④機体の空力、熱的、物理的特性
⑤第一段再突入と回収時の挙動

一見、如何にも出来上がった様に見えるアレスIですが、アレスI-X
はあくまで実験機にすぎません。計画通りに進んだとしても、2015
年のオリオン1打上げまで、これからまだまだ開発が続きます。
今回のテスト打上げは、そのマイルストーンの一つにすぎないので
す。

それに加え、記事にもありますが、オバマ政権になって始められて
いるNASA探査計画の見直し作業があります。その中でアレスIは、
COTS(民間商業有人打上げ)によって代替される事になっており、開
発が中断される可能性が高くなっているのです。

その意味では、今回の打上げは、アレスIの最初で最後の打上げの
機会になるかもしれないという点で、若干の寂しさを禁じえないの
です。

それにしても、シャトルとアレスIが隣の発射台にならんでいるのは
壮観でしょうね。是非、見てみたいと思います。


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2009年10月20日火曜日

LPD Dokto finally get her own Helo? 最終決着?漸く決まった独島艦搭載ヘリコプター

※搭載ヘリの配備が2018~2022年になりそうな独島艦

独島艦、艦上用機動・攻撃ヘリコプターの確保は不透明
 ~ UH-60の防塩処理できず、貯水池で機動訓練

アジア最大規模の大型輸送艦「独島」が、艦上用ヘリコプターを確保できずに
海軍戦力に損失をもたらしていることが明らかになった。

国会国防委員会の李允盛(イ・ユンソン)議員(ハンナラ党)は、13日に忠清南道の鶏龍
大で開かれた海軍本部国政監査で、「海軍の核心戦力である『独島』が進水し
て4年が過ぎたが、艦上用機動ヘリコプターと攻撃ヘリコプターが未確保の状
態だ」と指摘した。

李議員によれば、海軍は「独島」の訓練時に艦上用機動ヘリコプターの代わり
に窮余の策としてUH-60ヘリコプターを用いているが、防塩処理がされていな
いため「独島」では離着陸訓練だけ実施している。このため、実際の機動訓練
は海でなく貯水池で行なわれている。

李議員は、「海軍の艦上用機動・攻撃ヘリコプター早期確保のための措置が昨
年合同参謀本部と国防部によって黙殺されており、KAIが今年開発した韓国型
機動ヘリコプター(KUH)を改造して2018~2022年に『独島』に搭載される計画
になっている。これでは『独島』は進水してから何と17年も過ぎて戦力化が完
了することになる」と明らかにした。

李議員は、「KUHを艦上用に改造しようとするなら、機体の防塩処理、夜間や
悪天候時の自動方向・距離指示装置(TACAN)の開発、救難装備の開発などが急
務だ」と指摘した。

▽ソース:アジアニュース通信(韓国語)(2009/10/13 10:54)2ちゃんねる訳
http://www.anewsa.com/detail.php?number=37704&thread=11r02

韓国のニュースには、一見すると本当に驚くべき内容が、出てくる
事がありますが、この件も、その中に含めて良い内容であると思い
ます。

事実であれば、何の為に、独島艦を建造したのか、疑問に思わせる
程のものですが、ブルーウォータネイビーとしての海軍力を構築す
る時に、如何にも旗艦然とした有力艦が欲しかったという見栄え重
視なのかも知れません。

海軍の任務の中には「砲艦外交」と言って有力艦や艦隊が存在する
だけで一定の外交的圧力を与えるという要素がありますし、過去に
も、中南米で他国と対抗する為に、国力や必要度と比べ分不相応な
戦艦や巡洋艦、空母を保有していた例もありますから、韓国が、カ
ッコをつけたのもあながち不自然ではないのかも知れません。

ただ、この独島艦については、あまりに泥縄が過ぎる様にも思える
のです。

独島艦は、元々、強襲揚陸艦として構想されましたが、構想が膨ら
んで艦隊旗艦や軽空母としての機能が追加された経緯があります。
揚陸艦としての機能としては、日本のおおすみ型に影響を受け、
LCM(上陸用舟艇)ではなくLCAC(エアクッション型揚陸艇)を搭載す
る事になっていました。
搭載LCACとしては、ロシアから導入されたLSF-1が準備されていま
した。しかし、このLSF-1は搭載能力は20t余りしかなく、韓国の主
力戦車であるK-1戦車(重量50t)を揚陸する能力がありませんでした。
その為、独島艦の完成後に米国から揚陸能力55tのLCACを改めてLSF
-IIとして導入する事になったのです。

注) Wikipediaの「独島級揚陸艦」の項には、LCACの導入コストには
50億ドルを要したと書かれていますが、LCAC一台の値段は50億円程
度であり、その100台分に相当する金額は過大の様に思われます。
(但し、「日本周辺の軍事力」でもLCAC導入費用として50億ドルとい
う数字が出ています。)

また、韓国陸軍では、K-1の後継戦車としてXK-2を開発中ですが、
この戦車の重量は55t~60tと言われており、LCACの搭載能力ギリ
ギリとなる為、場合によっては、またぞろ、LCACの能力向上の為の
改修が必要となる可能性が出てくるものと思われます。

さて、強襲揚陸のもう一方の柱は、ヘリコプターによる兵員の輸送
です。独島艦もUH-60・リンクスなど10機余りのヘリを搭載する事
を前提にしていました。独島艦の完成予想図にもしっかりUH-60が
描かれていました。しかし、実際には、きっちりとは決まっていな
かった様なのです。揚陸ヘリコプターはとして海軍側は陸軍が提供
すると考えていたが、陸軍の方は、防錆対策や、ローターの折畳み
機構を持った特別の機体をわざわざ独島艦用に手当てするのを嫌っ
たのかも知れません。深読みすれば、独島艦という主力艦の建艦を
認められ予算面で優遇された海軍に対する陸軍の当て付け的な要素
があったのかも知れません。

さて、肝心の揚陸ヘリコプターですが、独島艦が完成して以降に、
LCACと同じロシア製のKa-32に決まったというニュースが流れた事
もありましたが、Ka-32の二重反転プロペラを整備するには、独島
艦の格納庫甲板の高さは不足だった事、及び、空軍等に導入されて
いたKa-32の運用実績が芳しくなかった事から、独島艦への配備は
取り止めになったものと思われます。そして、今まさに開発中の韓
国型機動ヘリコプター(KUH)を改造したものを搭載する事に決まっ
たという事ですが、それにしても、独島艦所属の輸送ヘリの配備は、
2018~2022年と独島艦の就役後、17年も経過する訳であり、ちぐは
ぐなレーダー装備と言い、あまりにも、各種の調整が不十分な状態
で、主として日本に対抗する為に、空母型の艦を保有するという、
国家威信に突っ走った建艦政策
となったと思われてならないの
です。


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2009年10月19日月曜日

Okada, unreliable foreign minister. 核戦略と日本の安全保障に対する無知を露呈した岡田外相


※写真は産経新聞サイトより転載


岡田外相 「核の先制不使用」 米に求める方針



岡田克也外相は18日、京都市内で講演し、核保有国が核攻撃を受けた場合の

報復以外には核兵器を使わないと宣言する先制不使用について「大きな方向性
としての先制不使用は否定できない。日米間で議論したい」と述べ、米国に先
制不使用を求めていく考えを示した。外相は「(日本政府が)核の廃絶を強く
言いながら(日本にかかわる米国の)核の先制不使用は言わないのは矛盾がな
いか議論になる」とも指摘した。


先制不使用は核兵器の果たす役割を限定、核軍縮につながるが、日本政府はこ
れまで、米国の日本に対する核の傘に影響するとして消極的だった。


米国が先制不使用を宣言した場合、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載した生物化学
兵器で日本を攻撃しても、米国は核兵器では反撃しないという保証を与えるこ
とになる。今回の外相発言は日米両政府内で波紋を呼びそうだ。【野口武則】


(毎日新聞 2009/10/18)

何故、米国が核の先制不使用を宣言せず、中国が率先して核の先制
不使用を宣言しているのか、岡田外相が全く理解していない事が判
る発言です。

中国は、善意から先制不使用を宣言している訳では全くありません。
寧ろ、その宣言を行っても不利にならないからこそ、そういう宣言
をしているのです。つまり、中国には、強大な地上軍と13億の人
的資源を背景にした朝鮮戦争での人海戦術の実績があります。

朝鮮戦争で、米国は軍事技術面で優位にあったにも係わらず、中国
の人海戦術に打ち破られた経験があります。勿論、細かく見ていく
と、米国と韓国側の戦術的な誤りも指摘できますし、中国側も単に
兵士が多い訳ではなく、米国が太平洋戦争中に訓練した旧国民党軍
の割合が正面戦力に多かった(逆に言えば、質の高い潜在的な反共
部隊を中共は米軍に磨り潰させたと言える)という話もありますが、
全般的な印象として、中国軍の圧倒的な量の優位は多少の質の優位
を相殺する事が出来るというのが教訓として残ったと言えます。

つまり、中国と米国が共に「核の先制不使用」を宣言すると、例え
ば、中国が人海戦術で台湾を解放しようとした場合、米国は、核を
使用できないので手を拱いて見ているしかないという状況が発生し
てしまいます。一方、米国が核のフリーハンドを持っていれば、米
国は中国に対し、核の先制攻撃を示唆する事で、中国の台湾侵攻を
手控えさせる事ができます。実は台湾の現状はその様な上に成り立
っていると言って過言ではありません。

また、それと全く同じ事が、日本にとっても言えるのです。
つまり、米国の核抑止の実態を担保しているのが、核の先制使用権
(核使用のフリーハンド)なのです。

ここまで来ると、岡田外相のナンセンスぶりが良く判ると思います。
つまり、岡田外相は、米国の核先制使用権を縛る事で、日本の安全
保障を危機に陥れようとしている事になる訳です。流石売国民主党。

如何にも善意そのものの様に見せながら日本の存在そのものを危機
に陥れる策を講じていると唸らざるを得ないのです。

ちなみにロシアに関しては、以下の記事を参照して下さい。
これでロシアが通常戦闘での自国の優位に疑問を持っている事が判
ります。



核先制、局地戦でも 露、新軍事ドクトリン方針


ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記は、策定中の新軍事ドクトリンで、
「核兵器の先制使用」の権利を打ち出す方針を明らかにした。北大西洋条約機
構(NATO)の拡大や米軍の大規模軍事演習などを挙げて「軍事的な危険と
脅威は以前のまま残っている」とし、局地的戦闘でも核使用を辞さない可能性
を示唆した。

同書記は14日付の露有力紙イズベスチヤが掲載したインタビュー記事で、
「2020年までの世界の軍事情勢を予測・分析した結果、大規模戦争から局
地的な軍事紛争へと重点を移す方針だ」と述べた。


これに伴い、核使用の条件についても「通常兵器による大規模な攻撃だけでな
く、局地的な戦争を含めて核使用の条件を見直す」との考えを示した。さらに、
「安全保障上、危機的状況に陥れば、核を先制使用する可能性も除外しない」
と述べた。新ドクトリンは年末にはメドべージェフ大統領に提出される見通しだ。


昨年夏のグルジアとの紛争では、ロシア軍機に対してグルジアの地対空ミサイ
ルが予想以上の優れた能力を示した。通常兵器の技術革新の遅れを指摘された
ロシアは、その埋め合わせに核保有国としての優位性を周辺国に誇示し、関係
が好転しつつある米国や欧州に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。


ロシアは2000年に策定した現行ドクトリンでは、「通常兵器による攻撃で
も、大規模な侵攻であれば核を使用する」と述べるにとどめていた。


(産経新聞 2009/10/15)


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Korea plan to add six more aegis destroyers. イージス艦6隻を追加整備する韓国海軍

※アルバロ・デ・バサン級イージス艦
http://military.s8.xrea.comから転載

韓国軍:5600トン級「ミニ・イージス艦」6隻建造へ

海軍が「ミニ・イージス艦」と呼ばれる5600トン級の駆逐艦6隻を建造する。
海軍は13日、鶏竜台基地(忠清南道鶏竜市)で行われた国政監査でこの計画を
公開し、これを将来の海軍機動部隊の主戦力に活用すると発表した。今回、建
造計画が公表された駆逐艦はKDX(韓国型駆逐艦)2Aで、4500トン級のKDX2よ
りは大きいが、7600トン級のイージス艦KDX3よりは小さい。KDX2は現在、「文
武大王艦」など6隻があり、KDX3は「世宗大王艦」のみだ。

海軍はKDX2Aを2019年から26年にかけて建造し、効率的な機動戦隊を運営する
と説明した。この計画には少なくとも3兆ウォン(約2300億円)の予算が必要
となる見通しだ。KDX2AにはSPY系列の高性能レーダー、SM2誘導ミサイル、近
接防御兵器システムなど、最先端の戦力システムが搭載される。

これについてハンナラ党の金章洙(キム・ジャンス)議員は、「海軍の計画に
よると、KDX3とKDX2の各3隻で機動戦隊を構成するが、韓国海軍のKDX26隻のう
ち3隻が整備中か派兵、合同訓練などで不在のため、機動戦隊の構成が不可能だ。
現時点では1隻当たり1兆ウォン(約768億円)かかるKDX3より、ほぼ同じ費用
でKDX2を3隻増やすほうが有効だ」と指摘した。

李衛裁(イ・ウィジェ)記者

(朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2009/10/14)


よく読むと、この韓国版ミニ・イージス艦は、2019年から建造する
事になっています。まだまだ十年先の話ですから、艦の大きさ以外
は殆ど決まっていないと言った方が正しいかも知れません。

実は、これからの10年艦で韓国海軍は、既に耐用年数を経過してい
る大量のフリゲート艦とコルベット艦(及びミサイル艦)の更新を行
わなくてはならないのです。その為に、6隻を建造する予定であっ
た世宗大王級イージス艦の建造を3隻に留めたり、独島級揚陸艦の
建造計画を縮小の上、先送りしたりとやり繰りを行っている訳です。

今回の話は、建造を取り止めたイージス艦に替わり、安価なミニ・
イージス艦を整備する事で、現在、各種目的に使用され艦隊のワー
クホースになっているKDX2の負荷を減少させようという話であろう
と思われます。(なお、韓国型駆逐艦の走りとなったKDX1級の3隻は
残念ながら、海外派遣等には使えないという評価となっている様です。)

感覚的には、ミニ・イージス艦という語感から、19DDの様な艦
を想像される向きが多いかも知れませんが、この記事の通り、SPY
系列の高性能レーダーとSM2を装備するのであれば、19DDよ
りはるかに高性能なイージス艦と言えます。具体的にはスペインの
アルバロ・デ・バサン級やノルウェーのフルチョフ・ナンセン級に
むしろ近い艦であると思われます。

ただ、そうなると、建造費用がこの記事のレベルで収まるかどうか
が問題です。記事では、少なく共、3兆ウォンとなっていますが、
この数字では、一隻当り5000億ウォンにしかなりません。
あたごの場合はイージスシステムだけの費用が570億円しましたから
ミニ・イージスシステムが半分の値段であったとしても、280億円か
かります。上記の記事ではKDX2の価格は大体3300億ウォンだった事
が判りますので、一円10ウォンで計算してKDX2Aは一隻6100億ウォン
程度を要するのではないかと思われます。インフレを考慮すれば、
導入コストは、更に上昇するものと思われます。

あたご型は約1,400億円の調達費用であったのに対し、19DDは、
21年度計画艦で一隻当り、760億円かかっています。為替レートの
マジックで韓国のイージス艦は、日本の半値になっていますが、流
石にそこまで酷くはありませんが、韓国での建造コストは日本の三
分の二程度と思われます。そういう建造コストの差を換算すれば、
上で概算したKDX2Aの価格は、概ね正しいのではないかと思われます。

韓国海軍については、正面装備重視の割に運用がついていっていな
いとか、艦艇整備方針が泥縄であるとか、新造艦が充分な性能を発
揮していない等いろいろな批判がありますが、そういう批判が例え
事実であったとしても、ここ十年程で有力な海軍力の整備が行われ
ており、取り分け近い将来、KDX3級とKDX2A級の合計9隻ものイー
ジス艦が勢ぞろいする事は、極東の防衛環境に大きな変化をもたら
すものであって、過小評価すべきではないと考えます。


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2009年10月16日金曜日

ROK Navy will build another six Aegis missile destroyers. イージス艦6隻を追加整備する韓国海軍

※アルバロ・デ・バサン級イージス艦
http://military.s8.xrea.comから転載

韓国軍:5600トン級「ミニ・イージス艦」6隻建造へ

海軍が「ミニ・イージス艦」と呼ばれる5600トン級の駆逐艦6隻を建造する。
海軍は13日、鶏竜台基地(忠清南道鶏竜市)で行われた国政監査でこの計画を
公開し、これを将来の海軍機動部隊の主戦力に活用すると発表した。今回、建
造計画が公表された駆逐艦はKDX(韓国型駆逐艦)2Aで、4500トン級のKDX2よ
りは大きいが、7600トン級のイージス艦KDX3よりは小さい。KDX2は現在、「文
武大王艦」など6隻があり、KDX3は「世宗大王艦」のみだ。

海軍はKDX2Aを2019年から26年にかけて建造し、効率的な機動戦隊を運営する
と説明した。この計画には少なくとも3兆ウォン(約2300億円)の予算が必要
となる見通しだ。KDX2AにはSPY系列の高性能レーダー、SM2誘導ミサイル、近
接防御兵器システムなど、最先端の戦力システムが搭載される。

これについてハンナラ党の金章洙(キム・ジャンス)議員は、「海軍の計画に
よると、KDX3とKDX2の各3隻で機動戦隊を構成するが、韓国海軍のKDX26隻のう
ち3隻が整備中か派兵、合同訓練などで不在のため、機動戦隊の構成が不可能だ。
現時点では1隻当たり1兆ウォン(約768億円)かかるKDX3より、ほぼ同じ費用
でKDX2を3隻増やすほうが有効だ」と指摘した。

李衛裁(イ・ウィジェ)記者

(朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2009/10/14)


よく読むと、この韓国版ミニ・イージス艦は、2019年から建造する
事になっています。まだまだ十年先の話ですから、艦の大きさ以外
は殆ど決まっていないと言った方が正しいかも知れません。

実は、これからの10年艦で韓国海軍は、既に耐用年数を経過してい
る大量のフリゲート艦とコルベット艦(及びミサイル艦)の更新を行
わなくてはならないのです。その為に、6隻を建造する予定であっ
た世宗大王級イージス艦の建造を3隻に留めたり、独島級揚陸艦の
建造計画を縮小の上、先送りしたりとやり繰りを行っている訳です。

今回の話は、建造を取り止めたイージス艦に替わり、安価なミニ・
イージス艦を整備する事で、現在、各種目的に使用され艦隊のワー
クホースになっているKDX2の負荷を減少させようという話であろう
と思われます。(なお、韓国型駆逐艦の走りとなったKDX1級の3隻は
残念ながら、海外派遣等には使えないという評価となっている様です。)

感覚的には、ミニ・イージス艦という語感から、19DDの様な艦
を想像される向きが多いかも知れませんが、この記事の通り、SPY
系列の高性能レーダーとSM2を装備するのであれば、19DDよ
りはるかに高性能なイージス艦と言えます。具体的にはスペインの
アルバロ・デ・バサン級やノルウェーのフルチョフ・ナンセン級に
むしろ近い艦であると思われます。

ただ、そうなると、建造費用がこの記事のレベルで収まるかどうか
が問題です。記事では、少なく共、3兆ウォンとなっていますが、
この数字では、一隻当り5000億ウォンにしかなりません。
あたごの場合はイージスシステムだけの費用が570億円しましたから
ミニ・イージスシステムが半分の値段であったとしても、280億円か
かります。上記の記事ではKDX2の価格は大体3300億ウォンだった事
が判りますので、一円10ウォンで計算してKDX2Aは一隻6100億ウォン
程度を要するのではないかと思われます。インフレを考慮すれば、
導入コストは、更に上昇するものと思われます。

あたご型は約1,400億円の調達費用であったのに対し、19DDは、
21年度計画艦で一隻当り、760億円かかっています。為替レートの
マジックで韓国のイージス艦は、日本の半値になっていますが、流
石にそこまで酷くはありませんが、韓国での建造コストは日本の三
分の二程度と思われます。そういう建造コストの差を換算すれば、
上で概算したKDX2Aの価格は、概ね正しいのではないかと思われます。

韓国海軍については、正面装備重視の割に運用がついていっていな
いとか、艦艇整備方針が泥縄であるとか、新造艦が充分な性能を発
揮していない等いろいろな批判がありますが、そういう批判が例え
事実であったとしても、ここ十年程で有力な海軍力の整備が行われ
ており、取り分け近い将来、KDX3級とKDX2A級の合計9隻ものイー
ジス艦が勢ぞろいする事は、極東の防衛環境に大きな変化をもたら
すものであって、過小評価すべきではないと考えます。


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2009年10月15日木曜日

Ex.LDP President Kono was brain-washed by Chinese Communist Spymaster? 河野洋平はやはり中共の洗脳を受けていた!?

※産経新聞サイトから転載

河野前議長「非常に重要な人」=張香山氏死去

【北京時事】中国・北京を訪れている河野洋平前衆院議長は12日夜、元中国
共産党対外連絡部副部長の張香山氏の死去について、「一番古い友人の一人。
日中関係で非常に重要な人の一人で残念だ」と哀悼の意を述べた。
河野氏はまた、「訪中のたびに(張氏の)長い講義を受けたことを思い出す。
長過ぎてつらいぐらいだったが、いずれもなくてはならないものだった」と振
り返った。

(時事通信 2009/10/12)


元中国共産党対外連絡部副部長の張香山氏の死去に当たって河野
前衆議院議長が述べた言葉が非常に意味深であると思われます。
河野前議長は、自民党の中でもハト派として名高い重鎮であり、外
相として、自らの責任で北朝鮮への食料支援を行うと述べて援助を
実行した事もあり、また慰安婦問題に関して河野談話を出し、根拠
なく日本軍の関与を認めた事で、その慰安婦問題で日本を十字架に
かけた過去があります。また、何故かは不明ですが、日本が中国国
民党に引き渡した化学兵器の処理を理由なく日本が処理に責任を持
つ事を約束し、1兆円とも言われる処理費用の負担を日本政府に押
付けた存在でもあります。既に政界を引退した過去の人ですが、自
民党の権力中枢に、何故、あれだけの親中派が、あれだけ長い期間
存在したのか非常に疑問であったのですが、今回の発言で、その一
端が、はしなくも明らかになったという思いがします。

では、まず、中国共産党対外連絡部というのはどういう組織なので
しょうか、中国共産党対外連絡部という漢字から受ける印象では、
中国共産党の他国の友党との連絡窓口の様な存在と思われる向きが
多いのではないでしょうか?

この組織には共産党組織としては珍しくWebサイトがあるのですが、
そこには、英語名として、International Department, Central
Comittee of Communist Party of Chinaと書かれています。つまり
中国共産党中央委員会国際部という訳の方が適切にこの組織の性格
を現していると思われます。
中国共産党中央委員会が、中国の権力の実体である事は多くの方が
ご存知であると思います。中国では、共産党の方が政府より上位に
あります。つまり、中国の合法、非合法両面の外交すべてを掌握し、
指導している組織が、中国共産党対外連絡部であると言えるでしょう。

河野洋平氏は、まさに中国外交の立役者であると同時にスパイマス
ターでもある存在から中国訪問の都度、直接、長時間に亘って対日
政策について個人講義を受けていたと言う事になります。

どの様な過程を経て河野氏が、その様な特別待遇を受ける様になっ
たかは不明ですが、河野氏が首相の座こそ逃したものの自民党総裁
になり、あるいは、衆議院議長として長く権力をふるった事と中国
との特殊な関係が全く無関係であったとは、私にはとても信じられ
ないのです。

今でも片鱗が残っていますが、河野洋平氏は新自由クラブ創設当時
から極めてエネルギッシュな存在でしたが、エネルギッシュなあま
りに中国の有名なハニーポットに無縁だったかと疑わざるを得ない
のです。無論これは憶測に過ぎません。しかし、中国共産党中央対
外連絡部副部長はいうなれば中国のスパイマスターです。何故、そ
んな立場の人間の話を何度も聞かないといけないのかというのがま
ず浮かぶ疑問です。それと同時に、「長すぎてつらいほどの話」を
半ば強制的何度も聞かされる事は普通は洗脳というのではないかと
いうのが、私の率直な感想です。そして、そういう立場に身を置い
た事そのものが河野氏の大間違いであったのではないかと思うのです。


軍事百科事典タ行 中国の情報機関一覧より抜粋
http://www003.upp.so-net.ne.jp/Zbv/sub05.htm
◎中国共産党対外連絡部
主に外国の共産主義政党・社会主義政党・リベラル系の左派政党などに対して、
その政党または有力議員に対して、中国の影響力拡大を目的とした工作を行な
っている。 2006.06.18更新


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2009年10月14日水曜日

Can Obama Overcome the Nobel Prize. オバマ大統領のノーベル平和賞受賞は「位打ち」 

※写真はオバマ大統領のノーベル平和賞受賞を報じる朝日新聞。

ノーベル平和賞、重荷にも=国益守る判断でオバマ大統領-米紙

米ワシントン・ポスト紙(電子版)は10日までに、オバマ大統領のノーベル
平和賞受賞決定について、名声を得たものの、賞に縛られ、米国の国益を守る
判断を下す際に、重荷になるのではないかとの見方を伝えた。
同紙はノーベル平和賞には二つの種類があり、一つは功績を残した者に、もう
一つは平和実現の大志を抱く者に与えられると指摘。「オバマ大統領は後者だ」
としている。
その上で、「オバマ大統領は米国の国益を守らなければならないときに、受賞
が重荷になっていることに気付くかもしれない」との見解を示した。一例とし
て、イランの核問題が最終的に外交手段による解決に至らず、軍事力行使の判
断が求められる事態に陥った場合、平和賞受賞者がイランへの攻撃を認めるこ
とができるだろうかと結んでいる。

(時事通信 2009/10/10)


今ではあまり使われなくなった言葉に「位打ち」というのがありま
す。「位打ち」という言葉の意味は、「相手の能力に見合わないほ
どに出世させて自滅を誘うという方法」のことです。

オバマ大統領は自分をリンカーンに擬える事を好むと伝えられます。
また、高校時代の彼の性格は非常に自己中心的であった事が知られ
ています。

オバマ大統領が、高校時代から性格を一変させ人格者に変身したの
でしょうか?それとも、出世を計る為に表面的なスタイルを変更し
ただけなのでしょうか。

大統領就任前は、非常にラジカルな投票行動で知られた上院議員で
あったオバマ氏が大統領になったとたんに穏健中庸を説くのでは、
一体上院議員としての活動はなんだったのかと言わざるを得ません。

アメリカ大統領に許された国際的には明文化されていない権利の一
つに、世界意思を代表しての軍事力の行使というのがあります。
これは米国が軍事、政治、経済で抜きん出た実力を持つ世界一の国
家G1である事によるもので、他の国は余程の事が無い限り許され
ていません。

今回のオバマのノーベル平和賞受賞は、この軍事力を行使するオプ
ションを縛る目的で、なされたと言えなくもないのです。オバマが
政権にある8年の間に、イランの核武装や、北朝鮮の核武装の更な
る進展などが予想されます。その様に国際的な緊張が高まった時に、
行使すべき軍事力を行使しない事で、逆に、世界をより重大な危機
に陥れる事が考えられます。

例えば、イランのイスラエル核攻撃を阻止できずに、イラン・イラ
クの核戦争を招く事態であるとか、北朝鮮による韓国・日本に対す
る核攻撃を阻止できない様なケースです。

オバマ氏が本当の倫理感を持った人格者であれば、ノーベル平和賞
を受けたとしても必要な時には、必要な力を行使するでしょう。
では、オバマが将来の評価を気にするエセ人格者であればどうでし
ょうか?クリントンは、ケニアでの米国大使館襲撃事件に対し、ス
ーダンのアルカイダキャンプをおざなりな巡航ミサイル攻撃でお茶
をにごした事で、911を招いたと後で批判されました。オバマ氏
が民主党の前任大統領の轍を踏まない事を切に祈りたいと思います。


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2009年10月9日金曜日

Bombing on the Moon. 月面「爆撃」まで、あと1日

※写真は、セントール・ロケットを放出するエルクロス。APサイトより転載

水の検出目指しきょう月面激突=地上と衛星で観測-NASA探査機

月に水が存在するかどうかを確認するため、米航空宇宙局(NASA)の無人探査
機が米東部時間9日午前7時30分(日本時間同日午後8時30分)ごろ、月の南極
付近に激突する。衝撃で舞い上がる大量のちりから水蒸気の検出を目指す。
NASAは6月に2機の無人月探査機を打ち上げた。1機は周回探査機「ルナ・リコ
ネサンス・オービター」(LRO)で、もう1機が体当たりする「エルクロス」
(LCROSS)。現在、エルクロスはロケットの部分とともに月を周回している。

激突する目標は、日光が当たらない永久影の領域にあり、水や氷が存在する可
能性が高い月南極付近のクレーター「カベウス」。最初にロケット部分(約2
トン)が切り離され、秒速2.5キロの猛スピードで衝突。その様子をエルクロ
ス本体がカメラや分光計などで観測し、地球に送信した後、続いて突入する。

舞い上がるちりの量は計500トンで、その高さは月の上空1万メートルに到達す
る。地球の約20カ所の天文台や人工衛星、ハッブル宇宙望遠鏡などでも観測し、
データを集める。 

(時事通信 2009/10/09)


今日の夜8時半頃に月を眺めていると、月の南極にピカッと光る爆
発が見えるかも知れません。といっても残念な事に、東京での月の
出は20時32分なので、日本の多くの場所では見る事はできない
筈です。それでは、日本では見れないこの爆発は何なのでしょうか?

話は15年前に遡ります。1993年に久しぶりに打ち上げられた月探査
機がありました。米国のクレメンタインです。この探査機は、米国
が冷戦終結で不要となった軍事衛星を科学ミッションに振り替えた
ものでした。その様なミッションだったので、観測装置も限られた
ものでしかありませんでしたが、月の極軌道に投入されたクレメン
タインは大発見をする事になります。月の南極にあるクレーターの
内側に永久に日光が当たらない領域があることが判明し、更にその
場所に浅い角度でレーダー波を当て地球のアンテナで受信した結果、
水の存在を示唆する観測結果が得られたのです。

1998年に打ち上げられたルナープロスペクターでは、より精密な観
測が行われ、今度は分光観測で、水が存在する可能性を示す、水素
が極の上空に検出されました。この水素の由来は、月表面に存在す
る水であると推測されましたが、検出された水素の量から計算され
た月面に存在する水の量は、実に60億トンにのぼる事が判明したの
です。

月面に氷の形で水が存在するのであれば、月面に基地を作る時に、
水を輸送する必要がなくなります。これは、人類が月に足場を築く
上で、非常に有利な条件になります。本当に水が存在しているのか
どうか以降の月探査機がその発見を競う事になりました。
そしてルナープロスペクターを始めとして多く探査機が、予定され
た観測が終わった後、月面に衝突し、月の地下にある氷を探すとい
う最後の任務を果たすことになりました。(衝突目的が氷ではない
ものもありましたが)

今回のエルクロスは、衝突に特化した月探査機です。衝突するのは
これまでと同様ですが、少し違うのは、自身が衝突する直前(4分前)
に、自分を運んできたロケットの一部を衝突させ、規模の大きい衝
突を起こし、その精密観測を行いつつ自身も衝突する事で、同時に
打ち上げられたLRO(ルナー・レコネッサンス・オービター)や地
上からの更なる観測に供するという二段構えの衝突を起こす事にな
っている点です。

エルクロスとセントールロケットの合計重量は2.3トン、衝突ス
ピードはマッハ7.5に及び、この衝突で、350トンの月の塵が舞
い上がると計算されています。衝突によって生じるクレータの大き
さも直径20m、深さ4mになると推測されています。

これまでの探査機の月面衝突では、水の存在を裏付ける観測結果は
得られていませんし、日本の月探査機「かぐや」の観測でも、月面
上の水の存在について否定的な結果になっています。
しかしながら、月面での水の存在を特定する事は、今後の人類の月
面での活動に計り知れない利益を齎すものであり、また、当面、エ
ルクロスを超える月面衝突実験を起こす事が難しい事を考えると、
今度こそ、是非、水を発見して欲しいものだと期待してやみません。


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2009年10月8日木曜日

Somali pirates attack French military flagship. フランス海軍旗艦を襲ったソマリア海賊

※写真はラ・ソンム。AFPサイトより転載。

ソマリア海賊問題については、派遣に関する政治的な問題が片付い
てしまった事もあり、派遣部隊の交替程度しか、話題に上らなくな
ってしまいましたが、最近の動きを報じている英文ニュースがあり
ましたので抄訳してみました。ソマリア海賊は、ますます意気盛ん
という様子が良く判ります。

ソマリア海賊フランス艦隊旗艦を攻撃

フランス海軍は7日、ソマリア海賊がインド洋で貨物船と間違えて18,000トン
のフランス艦隊旗艦を襲撃しようとしたと発表した。
160mの指揮艦であり燃料補給艦である「ラ・ソンム」の乗組員は、二隻の小型
ボートで襲撃してきた軽武装のソマリア海賊のずうずうしい夜間攻撃を簡単に
追い払うと共に、五人を捕えた。

「海賊は二隻のボートに乗組み、暗闇の為、フランス海軍艦艇を商船と間違え
て、カラシニコフ小銃を発射した。」とプラズー提督は語った。
ラ・ソンムは、インド洋におけるフランス陸海空軍を監督する指揮艦であり、
米国主導の不朽の自由作戦の旗の下で、ソマリア海賊との戦闘やテロリストの
捕獲の任に当たっている。

艦乗組みの士官は、ソマリア海賊に捕えられたフランス人の人質の解放作戦の
指揮に当たっていた。海賊は、間違いに気づいた後、逃走したが、一時間の追
跡の後、一隻の小型ボートが捕獲された。

その海域にいる西側公式筋によれば、海賊の小型船とフランス海軍の間で砲火
が交わされた。ラ・ソンムは一隻のボートとの対応に忙しかったので、もう一
隻のボートは上手く逃げおうせる事が出来た。他の艦が応援に到着したが、二
隻目のボートを見つける事はできなかった。これは他の艦の多くが日曜日にセ
ーシェル諸島沖で貨物船を襲った他のグループの海賊の対応に忙しかった事に
よるものだった。

世界の海軍国は、世界でも最も混雑している海上通商路の一つに対する海賊の
攻撃を抑制するために、昨年来ソマリアの無法海域に、数十隻の軍艦を配備し
ている。ラ・ソンムはソマリア海岸から250海里(約460km)離れた海域で行動し
ており、欧州連合のアタランタ反海賊任務作戦の一部として海上航路をパトロ
ールしている護衛艦に燃料補給を行う途上だった。

ソマリア海賊は過去にも誤ってフランス海軍艦艇を襲撃した事がある。5月に
もソマリア海域で行動中のフリゲート艦に数人の海賊が乗り込もうとして捕え
られた。

ソマリアでは、1991年にモハメド・シア・バレ大統領が倒された後、無政府状
態に陥り、その後、適当な政権が樹立されていない。同国は部族間の派閥争い
によって引き裂かれており、海賊ギャング団は、ソマリアのインド洋とアデン
海岸沿いにあるいくつかの港から自由に活動している。
環境監視団体であるエコテラによれば、2009年だけで、少なく共、163回の襲
撃がソマリア海賊によって行われており、内47回で、ハイジャックに成功して
いる。昨年は、130隻の商船が攻撃されており、2007年に比べ200%の増加とな
っている。

海賊の攻撃は、モンスーン・シーズンの終わりに伴って活発化している。先週、
ソマリア海賊は、インド洋で36人乗組みのスペイン漁船「アラクラナ」を捕獲
した。合衆国連邦海事局は先月末、モンスーン・シーズンの終わりに伴いソマ
リア沖での海賊行為の増加することについて警報を発し、船会社に対し、用心
深く対応するよう促している。海賊はハイジャックした漁船で牽引される小型
のファイバーグラス製ボートを使って襲撃する事が多いので、穏やかな海であ
れば、貨物船、トロール船や個人用ヨットを乗っ取り易くなる。更に、クルー
ズ客船も攻撃されている。

(AFP 2009/10/8)



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2009年10月7日水曜日

2nd Generation IGS will be launched in November. 第二世代情報収集衛星の第一弾11月打上げへ

※写真はスペースイメージング社サイトから転載

情報収集衛星、11月打ち上げ=H2A・16号機で

内閣情報調査室は30日、情報収集衛星(IGS)光学3号機を搭載した
H2Aロケット16号機を、11月28日に種子島宇宙センターから打ち上げ
ると発表した。予定時刻は午前10時から正午の間で、予備期間は同月29日
~12月27日。
IGSは1998年の北朝鮮による弾道ミサイル発射を機に導入された事実上
の偵察衛星。昼間の晴天時に用いる光学衛星と、夜間や曇天時用のレーダー衛
星の2ペア計4基で運用される。

(時事通信 2009/09/30)

秘密主義で悪名の高い情報収集衛星ですが、11月28日に久しぶ
りに発射される事が発表されました。但し、内閣官房のHP見ても何
も書いてありませんし、JAXAのHP見ても何も書いてありません。

上記の記事と今までに発表されている情報を総合すると、今回打ち
上げられるのは、光学三号機であり、60cm程度の解像度を持つ光学
観測を主体とする衛星とされています。光学1号と二号が1m程度
の解像度を持つ衛星であったのに対し、今回の衛星は60cmですから、
詳細度は二倍程度上がったと言えます。

実は、光学三号は、2007年2月にレーダー二号の打上げ時に実証機
が打ち上げられています。打ち上げられてから約2年半が経過して
いますので、今回打ち上げられる光学三号実用機に対して、実証機
の運用に基づく、充分なフィードバックが行われていると期待した
い処です。

光学三号でどの程度詳細な写真が入手できるか興味深い訳ですが、
上掲の写真は残念ながら商業衛星の1m解像度のものです。
以下のサイトで50cm解像度のサンプルを見る事ができます。
参考にして下さい。
http://www.spaceimaging.co.jp/geoeye/tabid/158/Default.aspx

Google MapsやGoogle Earthで使用する写真を得るのに、Googleが
契約しているのは、GeoEyeという名前の衛星の写真ですが、この
GeoEyeは、2008年9月に打ち上げられた最新の商用地球観測衛星で
あり、光学三号よりも高度な41cmの解像度を達成しています。
但し、米国政府の規制により、商用に提供される写真の精度は50cm
とされています。それでも光学三号よりは、高い精度です。
最近の商用地球観測衛星はGeoEyeに限らず、50cm級の精度を持って
いるものが増えているのです。

加えて、GeoEyeは飛行している軌道が、光学三号実証機の490kmに
対し、690kmですから使用している光学観測機器の精度は二倍以上
であり光学系の精度と言う点では、光学三号を遙に凌駕していると
言えます。

勿論、偵察衛星には商業地球観測衛星とは違った特徴があります。
特定の目標を継続観測する為に観測装置の狙いをつけるポインティ
ング機能、あるいは、より詳細な画像を得る為に軌道を変更する機
能を持つものもあります。光学3号にどの様な機能があるかは判り
ませんが、これらの機能の一部は実装していると考えるべきでしょう。

衛星の機能面について、述べてきましたが、偵察衛星と商用地球観
測衛星の違いで一番大きいのは、実は衛星ではありません。どれほ
ど精度の高い写真が入手できても、それが、5年前のものでは利用
価値がないと言うケースがあります。また、精度ではなくタイムリ
ーに狙った場所が分析できなければ、ダメな場合もあります。ある
いは、同じ地域の継続的な変化を見たいという場合もあるでしょう。

これを実現するのは衛星ではなく衛星写真の画像分析蓄積組織なの
です。日本の場合は、本来は内閣衛星情報センターという事になり
ます。このセンターは、2003年に最初の情報収集衛星が打ち上げら
れるのに合わせて設置された組織ですが、既に5年以上運用が行わ
れています。分析された情報収集衛星の撮影画像が、どの様に有効
利用されているかは、外側からは伺い知れませんが、残念ながら、
外交や安全保障の面で、有効に活用されているという話が聞こえて
きません。

その一方で、JAXAの地球観測衛星「だいち」は、解像度2.5mの粗い
画像データではありますが、地震や津波、洪水等の災害時に、タイ
ムリーに画像データや分析された情報の提供を行っており、相応の
成果が上がっていると思われます。専門の組織ではないにも係わら
ずJAXAがこれだけの事は出来ると示している点で、内閣衛星情報セ
ンターも新衛星の打上げに合わせ画像分析情報の一般への提供や情
報公開の方針について再検討を行うべきではないかと考える次第です。



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2009年10月6日火曜日

Chinese New Weapon's Delayed Mass Production 実は量産スピードが鈍い中国製新兵器

※写真は99式戦車。Wikipediaより転載

<軍事パレード>「眠れる獅子ついに目覚める」などと、各国メディアが大々的に報道―香港

2009年10月1日、中国は建国60周年を祝う国慶節を迎えた。この日、北京市の
天安門広場では盛大な祝賀行事が行われ、世界各国のメディアがこのもようを
大々的に報じた。香港紙・中国評論新聞が伝えた。

ロシア紙・モスコフスキー・コムソモーレツは「アジアの眠れる獅子が目を覚
ました」と報道。大規模な祝賀行事は「超大国としての威信を示すのが目的」
と評した。AP通信は「民族復興を示すとともに、中華民族としての誇りを国民
に抱かせることができた」と報道。大多数の海外メディアは軍事パレードや閲
兵式を「壮観」「精彩」「注目の的」などと形容した。

シンガポール華字紙・聯合早報は「今年の市民パレードには指導者4人の肖像
画が新たに加わり、政治的スローガンも増加した」と伝えた。ロイター通信は
ウェブサイト上で国慶節の様子を生中継、CNNもこれに追随した。ドイツの国
際メディア研究所のフォルト教授は中国メディアの取材に対し「今や世界は中
国の時代に突入した」とコメント。AFP通信は「中国は建国60周年関連の映画
やテレビドラマ、舞台を続々と制作するなど、ハリウッドスタイルで祝ってい
る」と伝えている。

(Record China 2009/10/3)


国慶節の軍事パレードは、なかなかの迫力だったとは思いますが、
実際には、本当のピッカピカの最新兵器は出場しなかった様です。
これは、最新の晋級戦略原潜が参加しなかった8月の国際観艦式と
同様の方針であると思われます。

中国の軍事力は強大ですし、西側のマスコミもその様に報道してい
ますが、開発している兵器の数が多い割りには、開発した兵器の実
戦配備は遅れています。例えば、軍事パレードでも目立った99G戦
車ですが、配備数は200輌と言います。日本の基準で言えば、200輌
の戦車の配備は大きな数字ですが、大陸軍国の標準で言えば、それ
程大きな数字ではありません。例えば、中国は59式戦車を、6000輌
配備したと言われています。現在でも5000輌が在籍していると見ら
れていますが、普通に考えれば、配備から40年以上経過し、6種類
の新戦車が開発されているにも係わらず、完全な更新に至っていな
いのは不思議な話です。陸軍では、戦車の他、装甲車でも同様の傾
向が見て取れます。また、この傾向は、海軍でも、顕著であり、同
世代の似たような性格の艦船が複数種類並行して建造されています。
その分、一種類毎の建造数は少なくなっています。

多品種少量生産は、規模の経済が働かない点で調達単価が、どうし
ても上昇します。また、修理や保守と言った整備面でも、種類毎に、
保守用部品を準備しなければならず、兵站に負担をかける点、明ら
かに非効率的であると言えます。

その点、米軍の装備の単純化の度合いと量産の規模の大きさは好対
照と言えます。例えば、戦車は、M1シリーズに統一され、四半世
紀に亘り生産されています。艦艇でも、ニミッツ級空母は半世紀に
亘り生産されましたし、ロサンゼルス級潜水艦も20年以上生産が
続きました。(勿論、同一タイプ内で細かな相違はあります。)

米国に比べ、中国の方が、人件費が安い事は事実であり、兵器開発
や調達が容易且つ安価であろうとは想像できますが、同じレベルの
軍備を整備するコストは、中国人の生活水準向上してくるにつれ、
じょじょに収斂していくと考えられます。国際市場に出ている中国
製のロケットや航空機は西側の同種の製品に比べ安価ではあります
が、既に、半分以上の水準になっている事を考えると、他の中国製
新兵器についても同レベルのコストになっているのではないかと想
像されるのです。

この事について中国が気がついていない訳がありません。開発試作
を頻度高く行う事で、開発力、技術力を向上させながら、大規模な
量産化を行わない事で、米国を安心させると言う中国の高等戦術で
あると言えなくもありません。つまり、本気で米国と対抗する気は
ないというメッセージを送り続けていると言う訳です。

中国の軍事力は、改革開放と歩調を合わせて、陸上兵力の規模の縮
小と兵器の近代化が行われています。毛沢東時代の人民戦争論から
の決別とも言えますが、まだまだ絶対的な兵力は他国と比べ大規模
です。その点で、旧式兵器と同時に、旧世代の軍人も退役させる事
で、じょじょに武器と兵士の近代化を行っているのかも知れません。
そうであれば、兵士を一気に入れ替える事ができないのと同様、兵
器も一気に入れ替える事はないと言う事なのかも知れません。
確かに「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」という言葉は兵器にも
当てはまりそうではあります。


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2009年10月5日月曜日

Mitsubishi, the fifth plane manufacturer 四社寡占の壁を突破したMRJ


※CGはMRJサイトから転載

国産「MRJ」米国の空へ 三菱航空機、海外から100機受注

三菱重工業の子会社、三菱航空機は2日、米航空会社2社から開発中の国産初
の小型ジェット機「MRJ」を100機受注したと発表した。発注したのは、
米大手地域航空会社のトランス・ステーツ・ホールディングス(TSH、米ミ
ズーリ州セントルイス)。2014年以降に5~6年で納入する計画だ。“日
の丸”ジェットと期待されるMRJは、航空不況の逆風で、受注はこれまで全
日本空輸からの25機にとどまっていた。海外航空会社から大量受注を獲得し
たことで、競争が激化している小型航空機市場での受注拡大に弾みがつきそうだ。

会見した三菱航空機の江川豪雄(ひでお)社長は「100機もの受注につなが
り、喜ばしい」と述べた。三菱重工の大宮英明社長も「MRJの環境性能や経
済性が理解してもらえた結果」とのコメントを発表した。

受注額については、競争上の理由で明らかにしなかった。

同席したTSHのリチャード・リーチ社長は「正直、厳しい経済環境下だが、
高い技術や優れた運航性能、乗客の快適さなどをみて決定した」と、選定理由
を説明した。

MRJには70席、90席、100席のタイプがあるが、どの機種にするかは
今後の経済情勢などを見ながら判断するという。

TSHは、傘下にトランス・ステーツ・エアラインとゴージェット・エアライ
ンの2社を持ち、米大手航空会社のユナイテッド航空とUSエアウェイズから、
地方都市への路線の運航を請け負っている。米国内の50都市を結び、現在は、
ブラジルのエンブラエルの機材を使用している。

MRJは、「YS-11」以来40年ぶりの日本独自開発となる小型旅客機で、
価格は1機30~40億円程度。客席数が70~90席程度のリージョナルジ
ェットでは、エンブラエルとカナダのボンバルディアが“2強”の地位にある
ほか、中国やロシアの航空機メーカーも参入し、存在感を高めつつある。

MRJの開発には、1500億円以上が投じられたとされるが、新規参入であ
ることに加え、航空不況も重なり、受注活動は苦戦を強いられていた。また設
計変更に伴い初号機の納入が14年1~3月に当初計画から最大3カ月遅れる
見通しになっている。

不況下でも、高効率のリージョナルジェットへの潜在需要は高いとされ、初の
海外受注を契機にさらなる攻勢をかけていく考えだ。

(フジサンケイ ビジネスアイ 2009/10/3)


中型から大型旅客機については、エアバスとボーイングの二強寡占
体制。リージョナル機から小型旅客機については、エンブラエルと
ボンバルディアの事実上の寡占体制が続いていた航空業界ですが、
今回のMRJの大量受注により、その体制の一角に風穴が開けられ
た言える大きなニュースであると思われます。

AP電によれば、TSHは過去5年に亘りMRJの顧客アドバイザ
ーを勤めていたという事ですから、TSHをアドバイザーに引き込
んだ事そのものが、今回の発注に繋がっていると言えるかも知れま
せん。

記事にもある通りTSHは、トランス・ステーツ・エアラインとゴ
ージェット・エアラインの2社を持ち、米大手航空会社のユナイテ
ッド航空とUSエアウェイズから、地方都市への路線、ユナイテッ
ド・エクスプレスとUSエアウェイズ・エクスプレスの運航を請け
負っています。会社規模は、リージョナル航空として全米10位、
独立系のオペレータとしては、全米五位と、リージョナル航空とし
ては中堅の企業規模と言えます。既存の機体として、MRJがライ
バルとするエンブラエルERJ145を29機とCRJ700を
22機保有しています。

この手のオペレータは、大手から運航を請け負っているが故に、運
航請負契約の更新、新規獲得を目指し熾烈な競争を行っています。
今回のTSHの決定も2014年に予定されるユナイテッド・エクスプ
レスとの契約更新を睨んだものであり、今回の取引で、TSHが、
確定発注50機に加え50機のオプション契約を結んでいる処から
も、MRJがTSHの企業規模を倍に出来る高いポテンシャルと経
済性を持っているとTSHが考えている事が判ります。

今から思えば、9月に発表された、三点の変更とそれによる、初号
機納入の三ヶ月延期は、TSHの要求を三菱が受け入れた事による
ものであったと推測できます。勿論、これらの変更点は米国のリー
ジョナル航空の現実を見据えた競争力向上の為に必須のものであっ
た事は言うまでもありません。

客室高の拡大とハットビンの容量増加により、リージョナル機で一
番不足している客室持込貨物のハンドリングが改善する事で、キャ
ビンクルーの労働効率が著しく改善しますし、前方貨物室を排し、
後部に貨物室を集中する事で貨物の取扱は、大幅に改善し、荷捌き
要員の削減も期待できます。主翼の素材を炭素複合材からアルミ合
金に変更する事で、ファミリー機体毎に主翼を変更可能とする事で、
機種拡大が図れると共に機種毎の主翼設計の最適化を図る事ができ
ます。

これらの改善点に加え、元々MRJが特徴としていたGTF(ギア
ード・ターボ・ファン)の高い燃費効率が、MRJを、米国のリー
ジョナル航空業界で高い競争力を持つ機体にしたと言えます。

今回の取引で、TSHは、一機当り30億円(3000万ドル)に近い価格
で契約したと思われます。(恐らく三菱飛行機側では利益は出てい
ない筈です。) この価格であれば、現時点で計画されている機体
でこれ程の経済性を持っている機体はないと言えます。対抗しよう
とした場合は、ボンバルディアは、Cシリーズで対抗するには短胴
型を開発しなければなりませんが、70席や90席用としては贅沢な作
りです。CRJで対抗する場合は、胴体の改設計とGTF対応が必
要となります。エンブラエルの場合も同様です。

これらを考え合わせるとMRJは5年程度はライバル機に先んじた
と言えます。しかしながら、このリードタイムを有効に使えるかど
うかは、今後のMRJの開発を如何にスムースに進められるかにか
かっています。もし、大きな手戻りなく機体開発を進められた場合
三菱の名は、世界の大手航空機製造会社の一角に刻み込まれる事に
なります。まさにこれからが正念場です。日本の航空機産業離陸の
為にその成功を祈りたいと思います。


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2009年10月1日木曜日

Kamei Sizuka, an amateur Minister for Financial Services. 金融がわからない亀井を金融担当大臣にした愚 

※写真は産経新聞サイトから転載

亀井金融相「金融機関の負担を公的資金で支援」 モラトリアム法案で

亀井静香金融相は1日、中小企業向け融資や個人向け住宅ローンの返済を3年
程度猶予する「モラトリアム法案」について、「貸し手も倒れるようなことは
絶対にあってはいけない」と述べ、公的資金で金融機関の負担を支援する意向
を表明した。地域金融機関を対象としている改正金融機能強化法の活用も視野
に、金利や元本の補てん分を穴埋めする意向だ。

亀井金融相は記者団に対し、「信金信組など経営体力の弱い金融機関が、地域
の中小企業に支援できるかという問題がある」と話し、返済猶予期間中の利子
補給や、借り手が経営破たんした場合の元本保証を検討する方針を示した。こ
れにより「地方の中小金融機関が経営難に陥ることは絶対にない」とした。

改正金融機能強化法は、中小企業向けの貸し渋り、貸しはがし対策として昨年
末に施行された。政府保証のついた12兆円の公的資金枠があり、すでに北洋
銀行など7つの金融機関に合計で約230億円が注入されている。

ただ現行の法制度で「モラトリアム法案」に流用できるかどうかは不透明で、
与党3党の検討チームと金融庁で詳細を詰める。法案の詳細は9日までにまと
め、臨時国会での成立を目指す。

(産経新聞 2009/10/01)


亀井静香がモラトリアムを行う上で、当初は、政府による金融機関
に対する負担軽減策を全く考えていなかったのは明らかです。
「中小企業に対する貸し渋り、貸し剥がしを許さない」が一転して
金融機関の負担を公的資金で支援するなどという生温い、しかも不
充分な対策を急いで取り繕っているのは、モラトリアム発言が金融
機関株に対する売り浴びせを呼び、日本株全体の下落を招いたから
に他なりません。

もともと資本は臆病な存在です。モラトリアム→金融機関の収益毀
損→金融機関の収益予測の悪化→金融機関に対する投資引き上げ→
金融機関の株価下落→日本株全体の株価悪化
という連想が働くのは誠に自然な成り行きと言えます。

やらずもがなの前原経産相の日本航空再建問題と言い、通常の支援
をやっていけば問題ない事を、受けを狙って大げさに騒ぎ立てたの
が、尾を引いている構図は両者に共通しているのです。但し、事が
一企業に留まらない点で亀井静香の罪はより重いと言えます。

亀井氏が、銀行を叩けば良いと判断したのは、バブル崩壊とその後
の失われた10年の経験に基づくものでしょうが、少なく共、今回
のリーマンショックやサブプライム問題を契機とした世界同時恐慌
に関して日本の金融機関は、強欲の罪に問われる点はありません。
また、影響がないとは言えませんが、海外に対する投資を減少させ
ていた点で寧ろ直接的な損失は海外の金融機関より余程少なく、上
手く立ち回っているとすら言えます。

バブルからの回復に失われた10年と言われる程に時間を要したのは、
デフレスパイラルの中で、金融機関の体力が失われていったからに
他なりません。逆に言えば、金融機関の体力さえあれば、デフレス
パイラルを食い止める事が可能なのです。今回の不況では、日本の
金融機関の体力は幸いにしてそれ程、損なわれていません。
その状況をぶち壊しにするのが、金融機関に負担を押し付ける形で
行うモラトリアムなのです。モラトリアムを単純に実行すれば金融
機関は貸付による収益を全く得られない事になってしまい営業自体
が不可能となってしまいます。これが金融機関の体力を損なうのは
誰の目にも明らかです。金融機関の体力が損なわれれば、金融機関
が新規に融資を行う事ができなくなってしまいます。
つまり、当初の亀井モラトリアム案は、中小企業対策になるどころ
か日本を再度のデフレスパイラルに叩き込む最悪の政策になりかね
ないものだったのです。

金融庁は銀行の健全性を守るのが役目ですから、その様な無謀な試
みを許す筈もありません。誰が人柱になったのかはわかりませんが、
亀井大臣が遅ればせながらも当初の案を放棄したのは誠に幸いな事
と言えます。
金融機関の負担を公的資金で支援するなどと言った中途半端な事を
いうのではなく、政府が政策としてモラトリアムを実行したいので
あれば、金融機関には影響を及ぼさないよう政府が借り手に変わっ
て金融機関に全ての利息を支払うべきなのです。それに満たない支
援内容であれば、市場は、再度金融機関株を売り浴びせ、民主党政
権を揺さぶるに違いない事を予言しておきたいと思います。


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2009年9月30日水曜日

NASA realy consider Japan's HTV as ISS logistic alternative ? NASAは本当にHTVを購入するか?


先日のHTVの打上げとISS(国際宇宙ステーション)とのバーシ
ング成功は、本当に素晴らしいものでした。
HTVの現在までのミッション達成率は、ほぼ100%であり、日本の
高い技術力を立証したものと言えます。

シャトル退役後、COTSを除いて、共通結合機構(CBM)を用いた
ISSへの補給能力を持つのはHTVのみとなります。ISSへの
補給は、欧州のATVやロシアのプログレス補給機を用いても行え
ますが、ISSへ実験装置を補給する国際標準実験ラック (ISPR)
を使用できるのは、CBMを持つHTVのみと言う事になります。
その意味からすれば、日本のHTVは計らずもISS計画全体の中
で非常に価値のある位置を占めたと言えます。
このブログでも、米国のCOTS計画の如何によっては、NASA
がHTVを購入する可能性があるのではと考えていました。

それでは、NASAはいつ頃、HTVが本当に必要になるのでしょ
うか? 現時点で入手できる情報を元に具体的な実現可能性を考え
てみました。まず、この手の宇宙機は、開発・製造にかなりのリー
ドタイムが必要になります。例え、製造能力や宇宙上げ能力に余裕
があっても、あまりにリードタイムが短いと実際には、NASAの
ニーズに合わない事もありえます。

上のタイムチャートは、ISSの補給機関連のスケジュールを書い
たものですが、確かに、米国の有人宇宙飛行能力については、現在
の予測では7年に及ぶ無能力期間が発生しつつあり、大変大きな問
題がありますが、物資補給については、意外にギャップ期間が短く、
更にシャトル退役をISSの完成年度である2011年に一年延長すれ
ば、余程、COTSの開発が遅延しない限り、NASAがHTVを
必要とする事はないのではないかというのが結論になります。

ちなみにドラゴン補給機は、2010年に初飛行の予定であり、シグナ
ス補給機は、2011年に初飛行を予定していますが、各々一年程度の
遅れであれば、シャトル退役を半年延期できれば、ギャップはカバ
ーできます。両者の開発が2年以上延期した場合は、2012年分の代
替輸送手段が必要になりますが、この需要を賄う為には、恐らく、
現時点でNASAから発注がないと、ロケットとHTVの製造は難
しいものと思われます。

ドラゴン補給機にせよ、シグナス補給機にせよ、両社ともロケット
エンジンには実績のあるものを使用していますが、打上げロケット
そのものは新規開発の機体となります。その意味では、リスクの高
いプロジェクトと言えますが、NASAは正にその革新をCOTS
プロジェクトに賭けているといえなくもありません。

現状の開発状況は、試験機の飛行までにまだ時間がかかる様子です
が、NASAは、進捗に自信を持っているようで、COTSを更に
ISSへの乗員往還サービスにまで拡大する様子です。SpaceX社の
ドラゴン補給機はもともと有人バージョンを念頭に開発されていま
すので、その点では、実用化に一番近い距離にいると言えます。
また、シグナス補給機も、元々与圧区画を持つ点ではHTVを有人
化するのと同程度の負荷で、有人機開発が可能と見込まれます。

以前にNASDAの先端ミッション研究センターでオープンアーキテク
チャーの有人宇宙機「ふじ」が構想され、HTVには、そのアイデ
アの多くが、取り入れられたと言われていますが、宇宙機の設計コ
ンセプトが似ているシグナス補給機とHTVで、共同コンセプトの、
有人宇宙機対応(緊急脱出用ロケットと有人カプセル)を開発するの
も面白いのではないかと考える次第です。


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2009年9月29日火曜日

Korea hurry to develop bigger Rocket. 本格打上げロケットKSLV-IIの開発を急ぐ韓国


※写真は、聨合ニュースより転載

韓国型ロケット開発、2017年目標に来年本格着手

韓国航空宇宙研究院は29日、1.5トン級の実用衛星を搭載し打ち上げる韓
国型ロケット(KSLV-II)の開発に向けた予算が初めて、来年度教育科
学技術部予算案に盛り込まれたと明らかにした。
これでロシアと共同開発した韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」
(KSLV-I)に続き、純国産技術で製作する韓国型ロケットの開発事業が
本軌道に乗ることになる。李柱鎮(イ・ジュジン)院長は、「純粋な国産技術
による宇宙ロケットの開発は国力と総体的な科学技術力を象徴する。国の位置
付けと信頼度を向上させ、国民の誇りを高めるものと期待している」と述べた。

研究院は、1.5トン級実用衛星を高度600~800キロメートルの太陽同
期軌道に乗せる韓国型ロケットの開発と打ち上げ事業を、来年から2019年
にかけ進める計画だ。総事業予算は1兆5449億ウォン(約1200億円)
で、事業の主な内容は、ロケットのシステム設計、製作、試験をはじめ▼高推
進力の液体エンジン開発▼ロケット試験および打ち上げ関連施設・装備の開発
と構築▼ロケットの体系整備と運用能力の確保▼ロケットの飛行試験と実用衛
星打ち上げ――など。

事業の中核となる韓国型ロケットの自力開発目標は2017年。この年までに
大型液体推進機関と構造軽量化技術を確保し、ロケット開発に必要な基盤施設
の構築を済ませる必要がある。発射台システムの変更と実用化計画も同年まで
に進める。

全長約50メートル、直径約3メートルの韓国型ロケットは、2段階構造の羅
老号とは異なる3段階構造で、羅老号の完結版ともいえる。

安保・戦略面では、衛星の自力打ち上げ能力を確保することで、国の宇宙開発
計画を安定的・独自的に遂行し、ロケット技術の自主権確立に寄与すると期待
される。また、技術・産業的にも、先端技術と伝統技術の複合体である宇宙ロ
ケット開発技術の確保により、国内関連産業への技術波及効果向上が予想され
る。国際・外交的には、国の経済規模にふさわしい水準の宇宙開発参加、国際
的地位の強化に向けた適正宇宙技術の保有で、韓国の宇宙開発力を国際的に認
められるとともに、国際共同研究開発事業への参加機会が拡大されるものと見
込まれる。

(聨合ニュース 2009/9/29)


羅老号(KSLV-I)による100kg級の科学衛星の打上げに失敗し
た韓国ですが、引き続き、ロシアからの協力を得ながら、本格的な
打上げ用ロケットであるKSLV-IIの開発を予定通り実施する
計画であるようです。

「韓国型」とか、「純国産技術」とかと言った言葉があるので、ロ
シアからの技術導入を止めて、従来計画と全く異なる、別のロケッ
トを開発する事を意図しているのではと言う意見もあろうかと思い
ますが、残念ながら、一からこの規模のロケットを開発をするには、
時間が少なすぎます。

今年から10年で1.5トンの実用衛星を打ち上げるのであれば、羅老
号ではキックモータのレベルに留まった二段目のエンジンを開発す
るのが精一杯という処です。韓国には、この規模のエンジンの実験
場もありませんから、これも建造する必要があります。

二段目用のエンジンと言っても馬鹿にはできません。羅老号では長
さ2.4m、直径1mであったのに対し、KSLV-II用の二段目は長
さが15m程度、直径3mになり、推力も300kNと日本の二段目用エンジ
ンLE-5Bの2倍の推力を発生させる液体燃料エンジンの開発が予定さ
れているようです。一段目にはエンジンをRD151からRD191へ改良し
たアンガラロケット用のCRMが羅老号と同様に使われると思われ
ます。日本のLE-5も当初H-I用に開発された際には、開発完了まで
10年を要していますので韓国が同程度の時間を要してもおかしくは
ありません。

ロシアのアンガラロケットは2010年からは自国内での本格的な打上
げが予定されていますので、KSLV-II用には十分枯れたCRM
が提供されると思われますが、羅老号がフェアリングで失敗した様
に部品点数が飛行機より一桁多く、且つ、信頼性を維持しつつ軽量
化目標も達成しなければならないロケット開発は、多難が予想され
ます。また、KSLV-Iの方もあと一回の打上げが予定されてい
ますが、一号機の失敗を受けた追加発射も行う必要が出てきます。
また、射場運用に8年近い空白を作る事も考え難いので、KARI
(韓国航空宇宙研究院)は、羅老号やKSLV-IIの構成要素の検
証用に更なる追加打上げを行う可能性もありえます。

実際の所、射場にも制約がある韓国が1200億円の巨費を投じて今更
の様に、このレベルの衛星打上げロケットの開発を行う事は、経済
合理性を考えると不要とも思えます
。韓国がこれから開発する液体
燃料エンジンはミサイルへの転用には不適ですし、打上げロケット
であればロシアを始めインド、ブラジル、米国とこのクラスの開発
は目白押しで、韓国が採算の取れる市場シェアが取れるという見方
をする人は多くないからです。それよりも寧ろ輸出実績もある衛星
の製作、製造にリソースを投入するのが賢明とも思えるのです。

それでも、韓国がロケット開発を行うのであれば、本当の純国産技
術を身につける為には、いずれ経験しなければならないビッグプロ
ジェクトと考えるべきなのかも知れません。


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2009年9月28日月曜日

Mr.Tanigaki will be 2nd Non-PM President of the LDP? 谷垣禎一は、首相になれなかった二人目の自民党総裁になるか?


<自民総裁選>谷垣氏が新総裁に 2氏を圧倒

麻生太郎前首相の後継を決める自民党総裁選は28日投開票され、谷垣禎一元
財務相(64)が党所属国会議員票と地方票合せて300票を獲得し党両院議
員総会を経て第24代総裁に選出された。谷垣氏の得票は国会議員票(199
票)のうち120票、地方票(300票)のうち180票といずれも過半数を
占めた。

河野太郎元副法相(46)は計144票(国会議員票35票、地方票109票)。
西村康稔前外務政務官(46)は計54票(国会議員票43票、地方票11票)
だった。無効票は国会議員票で1票。

河野、西村両氏は世代交代や派閥解消などを訴えたが、衆院選惨敗を受け挙党
体制構築を強調した谷垣氏が2氏を圧倒した。

谷垣氏は両院議員総会で「もう一回我が党が国民の信頼を取り戻し、政権復帰
できるように全身全霊を傾けて職務にあたりたい」とあいさつした。谷垣氏は
今後党役員人事に着手する。

谷垣氏は衆院京都5区選出で当選10回。財務相、党政調会長などを歴任。
06年9月の総裁選に出馬し「消費税率10%」による財政再建などを訴えた
が、当選した安倍晋三元首相、麻生前首相に次ぐ3位だった。

(毎日新聞 2009/9/28)


前回エントリーを書いてから10日になりますので、ペースを取り戻
すまで、リハビリを兼ねて少し軽めの話題に軽めのコメントしたい
と思います。

今回の総裁選は、自民党内の実力者が衆議院選挙の大敗北の責任を
とって(?)参加しなかった事もあり、全く盛り上がりの無い小粒な
総裁戦になってしまいました。自民党の総裁は、任期が3年で、再
選が認められていますので、谷垣氏の場合は、4年後になるであろ
う次回の衆議院選挙に勝利できれば、二年間は総理大臣の座を占め
る可能性は残っています。

谷垣氏は、鳩山首相と思想的には、似たようなハト派のアジア主義
者ですから、今後国会で一体、野党党首としてどの様な論戦を行っ
ていくつもりなのか、全く判らないというのが谷垣総裁に対する私
の感想です。思わず、鳩山首相に全面的に賛成ですと言い出すので
はないかと思われる程です。

鳩山内閣の将来を予測するのは現時点では困難ですが、今でも亀井
氏や福島氏の突出発言で閣内不一致が話題に上っている様に、選挙
の大勝と政権奪取に酔っている様な面がありますが、自民党は落ち
る処まで落ちただけに、敵失によって、今後、得点を重ねる場面も
出てくると思われます。ただ、そうなった時に、それを追い風にし
て例えば、参議院選挙で大勝するかと言われれば、谷垣氏を大将に
頂いて自民党が疾駆する姿は想像しがたいと言わざるを得ないのです。

ただ一つ言える事は、今後数年に亘り、靖国神社を訪れる与野党党
首の姿はないと言う事であり、これは、自民党総裁が河野氏であっ
ても同じであったろうという事であり、私の様な保守派にとっては
冬の時代が相当に長く続く事を予見させるものでもあります。

誠に不謹慎ですが「売家と唐様で書く三代目」という言葉に如何に
も谷垣氏が良くお似合いと感じましたが、さて、谷垣禎一氏は、内
閣総理大臣になれるのでしょうか?


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2009年9月18日金曜日

Congratulation HTV!! 100% mission success


※ドッキングするHTV。JAXAサイトから転載

<無人補給機>HTVが国際宇宙ステーションとドッキング

国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ日本の無人補給機「HTV」が
18日午前7時26分、上空約400キロを周回するISSとドッキングした。
電気、通信系を接続後の19日未明には、ISSに滞在中の宇宙飛行士が
HTV内に入る。ISSに日本の宇宙船がドッキングするのは初めて。

HTVは11日未明、新開発の国産大型ロケット「H2B」1号機に搭載され、
種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられた。ISSを追いかけるよ
うに地球の周りを飛び、17日、ISSのそばに到達した。

その後、ISSの下約500メートルの位置に潜り込むように移動し、ISS
に取り付けられた鏡にレーザー光を反射させて位置確認をしながら、徐々に接
近した。

18日午前4時51分には、ISSのロボットアームがHTVをつかんだ。ア
ームはゆっくり動き、同7時26分ごろ、HTVをISSに結合させた。

HTVは衣類、食料、ISS用の観測機器など4.5トンを積載している。
ISSに運び込まれた後、11月初旬にISS内の廃棄物などを積んで大気圏
に再突入し、燃え尽きる。【奥野敦史】

(毎日新聞 2009/9/18)


9月10日にH-IIB一号機によって打ち上げられた無人補給機
HTV-1号機が、今朝無事ISS国際宇宙ステーションとドッキ
ングしました。今回のミッションでは、打上げから、ドッキングま
で全てが殆どオンタイムに行われ、打上げロケットもペイロードも
一号機であったにも係わらず、大きなトラブルもないと言う文字通
りの、100%の成功であり、JAXAの高い技術と日本のロケッ
ト、宇宙機製造技術の高さを示したと言えます。

ISSへの無人輸送機による補給は既にロシアのプログレス宇宙機
やESAのATV宇宙機によっても実施されており、珍しいもので
はありません。

しかし、HTVが今回行った、ロボットアームを使用したドッキン
グ方法は、同じハーモニーの共通結合機構(CBM)にドッキングす
る米国で開発中のドラゴン宇宙機やキグナス宇宙機にも適用されま
す。それ故に、同じ方法の第一号であるHTVが成功するかどうか、
について、NASAの今回のHTVミッションに対する注目度が高
かった様に思われます。

スペースシャトルの退役は、当初予定の2010年から2011年に延期さ
れそうですが、その一方で、ドラゴン宇宙機やキグナス宇宙機の打
上げも通例通り、遅延しており、今の処、いつになったら実現する
か目処がたっていません。(最速で2010年という話もありますが、
現状では厳しそうです。) それ故に、NASAではJAXAに、
H2BやHTVの製造能力や打上げ能力を照会しており、H2B-
HTVの年間打上げ回数を現状の倍の二回にできる事を確認してい
ます。

今回は、HTVは初回という事もあり、ISSへの接近とランデブ
ーにじれったくなる程のステップを設け、それを確実にクリアして
いく事で、ISSへのランデブーを成功させましたが、一見簡単な
様に見えて、この軌道上の目標物へのアプローチ、ランデブーの技
術は高度であり且つ重要です。過去に、ソ連-ロシアのミール宇宙
ステーションは、プログレス補給機がランデブーに失敗し、ステー
ションに衝突した事が原因になって放棄に至っています。それだけ
に、安全なステーションへの接近は、両者が地球軌道上を毎秒7.7km
という高速で移動中であるだけに安全への配慮が欠かせないと言え
ます。

日本のランデブー技術は、技術試験衛星VII型(ETS-VII)で確立し
た事になっています。しかし、その後に、ランデブー実験を行って
おらず、また、規模も大きく異なる事からHTVへの実装には、種
々の問題があった筈です。今回、その困難を全く感じさせる事なく、
非常に安定した機動で目標を達成できた事で、例えば、将来の日本
独自のステーション建設といった明日に繋がる技術と経験を今回の
ミッションで得る事ができたと思われるのです。


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2009年9月17日木曜日

真性サヨクを法相に選んだ鳩山由紀夫のセンス


※写真は民主党サイトから転載

千葉法相 死刑執行に慎重、人権救済機関に意欲

千葉景子法相は17日未明の就任記者会見で、思想・言論の自由の制限につな
がると指摘される人権侵害救済機関について「国際的にみても(設置が)当た
り前の機関だ。実現に向けて早急に取り組みたい」と述べ、内閣府の外局とし
て設置する考えを示した。

自民党政権での人権擁護法案は、救済機関を法務省の外局としていたが、「言
論の自由を奪う」などとする党内の強い反発から提出を見送った。民主党案は、
内閣府の外局とすることで官邸直結とし、救済機関の権限・影響力の強化が図
られている。

また、千葉氏は、死刑執行について「死刑は人の命にかかわるので法相の職責
を踏まえて慎重に取り扱う」と慎重な姿勢を示した。死刑制度の存廃について
は「広い国民的議論を踏まえて道を見いだしたい」と述べた。

(産経新聞)

死刑執行、慎重に扱う=千葉景子法相

千葉景子法相 死刑執行については、人の命ということなので、慎重に取り扱
いたい。裁判員制度が導入され、多くの皆さんの深い関心で、できれば国民的
議論を踏まえ、私たちの行く道を探したい。法相に指揮権があることは認識し
ている。ただ、個別事件でどのような権限があるのか。国民の視点に立って検
察の暴走を防ぐための指揮権(ということ)を踏まえ対処する。

(時事通信 2009/09/17)


鳩山首相については、元々自民党だし実はリベラルであってサヨク
ではないよ、そんなに大きな変更はしないよなどという話がありま
したが、この法相の人選を見る限り、日本を左旋回させる意欲がな
いとはとても言えない様に思います。
今回法相に選ばれた千葉景子氏は、まさに真性サヨクそのものとし
か言い様がありませんし、司法の権力を使ってこの国の形を変える
事を意図しているとしか言い様が無い様に思われてならないのです。

法相就任のインタビューの中でも、
人権侵害救済機関の早期成立=人権擁護法案の早期成立を最初にあ
げ、死刑執行に対しては慎重な対処を言明した他、小沢、鳩山の政
治献金疑惑に関連して検察の「暴走」に対する法相指揮権の発動を
言外に匂わせるなど、とても、リベラルな法務大臣の枠に収まると
も思えない発言に終始したのです。更に、それらに加え、国際的な
左翼人権運動との連携を念頭に置いた、我が国が批准を保留中のラ
ディカルな人権規約についても早期批准に積極的な様子を示したの
です。その点では、そのラディカルさが赤裸々になったと言える様
に思うのです。

そして、この様な、過激派の人権屋を法務大臣に任命した鳩山由紀
夫氏の政治的なセンスの無さに愕然とする思いと共に、自民党内閣
であれば、政治資金規制法違反事件に際して、法相が指揮権発動を
匂わせたなら、よってたかって倒閣に追い込んだであろうマスコミ
が、殆どスルーともいえる態度に終始した事にも大政翼賛会的なマ
スコミ人の堕落を感じざるをえないのです。

なお、千葉景子氏の華麗な略歴は以下の通りです。(Wikipediaより抜粋)

1982年(昭和57年)弁護士登録。
弁護士としては、厚木基地爆音訴訟、富士見産婦人科事件、を担当。
1986年(昭和61年)第14回参議院議員通常選挙に社会党公認で神奈
川選挙区から立候補し初当選。以後、当選4回。
社会党副書記長、社会民主党副党首を歴任。
1997年(平成9年)1月に社民党を離党し、民主党に入党。
2007年(平成19年)8月、党総務委員長に就任。

1989年「在日韓国人政治犯釈放の要望書」に署名。
2000年4月福島瑞穂らと共同で戦時性的強制被害者問題の解決の促
進に関する法律案を提出。
002年5月、衆院第二議員会館で開催された「元『慰安婦』の補償と
名誉回復のために! 決起集会」に参加し、戦時性的強制被害者問
題の解決の促進に関する法律案の成立を訴えた。
2004年4月7日、入国管理局の不法滞在外国人通報システムを批判。
2006年11月、法務省入国管理局が難民不認定処分と国外退去処分を
下したイラン人に対して、処分の取り消しを求める運動の呼びかけ
人になる。
2007年2月21日、マイク・ホンダがアメリカ合衆国下院121号決議を
成立させる動きに連動し、米議会の公聴会で慰安婦を名乗り証言し
た李容洙を招いて開催した集会に参加。
2008年4月16日に開催された民団の外国人参政権推進集会に賛同。



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2009年9月10日木曜日

オバマ政権は月探査に引導を渡すのか?


米専門委が火星有人探査への推進提言、月探査は後退

米航空宇宙局(NASA)による有人宇宙飛行計画の審査を進めてきたホワイ
トハウスの専門委員会は8日、2020年までに月探査を再開する計画を見直
し、火星探査に向けた取り組みを進めるよう提言する報告書をまとめた。
NASAが進める月探査計画は、予算総額400億ドル(約3兆7000億円)
のうち、既に77億ドルを投じて新型のロケットや乗組員の移動用カプセルの
開発を進めている。
その一方で、NASAは「ジェネレーション・マーズ」という火星探査構想を
策定。今後30年にわたって、火星への有人探査に向けた準備的なミッション
を重ねながら、技術開発を進めていく計画という。
専門委員会の委員を務めた元宇宙飛行士のリーロイ・チャオ氏は、インタビュ
ーに対し、今は火星探査の実現時期を設定しないとした上で、「まずは、今あ
る予算で今後数年間のうちに何ができるか。いつ火星へ行けるのかが分かるの
は、その次の予算計画になるだろう」と話した。
さらに報告書は、国際宇宙ステーション(ISS)の運用を5年延長し、
2020年までとすることなども選択肢として提案している。

(ロイター 2009/9/10)


今回の専門家委員会の結果を読むと、現在のNASAが抱える問題
が色々と判ってきます。

月探査を行う為の現在のコンステレーション計画は、2010年のシャ
トル退役と2015年の国際宇宙ステーション(ISS)の運用停止を前
提にしていますが、ISSを完成させる為には、シャトルは2011年
まで運用する必要があります。ISSに至っては、完成に20年以上
の歳月と1500億ドルの巨費を投じた人類最大のプロジェクトの成果
を、完成後僅か5年で放棄するものであり、とても許容できるもの
ではないというのが委員会の現状認識になっています。

従って、現状のNASAの予算では、月探査は不可能で、年間30億
ドル程度の追加支出が必要であるというのが委員会の結論となって
います。

委員会の議論は、これを踏まえて、以下の様な諸点を取り上げてお
り全体としては、非常に合理的な議論が行われていると思います。

その中で、コンステレーション計画で最初の目標とされていた月探
査に関しては、その必要性に関して力点がおかれず、代替案として
ラグランジュ点での有人探査や、地球近傍小惑星探査が「柔軟な探
査順路設定」として新たに提案されています。
そして、アレス1の開発に代えて、商業有人打上げサービスの有効
利用が提起されています。(AP通信の報道では、ロシアが提案し
ている宇宙飛行士一人当り50億円のサービスに対し、商業有人打上
げでは一人20億円程度での打上げが可能との事です。)

なお、専門家委員会の提案のサマリーは以下の通りです。

●正しい目標と正しいサイズの組織
NASAの予算は、その目標に見合ったものにする必要がある。
更に、NASAには、国家的重要性のある施設を維持するだけでな
く組織とインフラを形成する能力が与えられなければならない。

●国際協力
米国は、人類による宇宙探査の分野で、全く新しい国際協力をリー
ドする事ができる。各国の積極的な協力があれば、より多くのリソ
ースを投入する事が可能になり、潜在的に国際関係を改善する事に
なる。
(⇒中国、ロシアとの国際協力を想定?)

●短期的なシャトル計画
シャトルは、安全で慎重な運行がなされなければならない。その上
で運行計画は2011会計年度まで延長される事になるだろう。予算上
もこの手当てが行われるべきである。

●有人宇宙船打上げ能力の欠如期間
現在の状況では、米国が宇宙飛行士を打ち上げる能力がなくなる期
間は少なく共7年に及ぶ可能性がある。委員会はこれを6年以下に
縮める新しい手段を見つける事ができなかった。この期間を大幅に
縮めるにはシャトルの延命が必要である。

●国際宇宙ステーションの延長
ISSの延命によって、米国とパートナー各国の投資回収は著しい
改善が見込まれる。ISSの延命を行わなければ、将来の国際宇宙
協力での米国の指導力は大幅に減退する事になろう。
(⇒2020年までの延命を提案)

●大重量打上げ能力
地球低軌道に大重量を打ち上げる能力は、地球外へ重量物を投射す
る能力を含め、宇宙探査に有益であり、宇宙での国家安全保障や、
科学分野でも有効と思われる。
この大重量打上げ能力の実現には、アーレスロケットや、その派生
型、シャトル改良型、EELV派生型が考えられるが、おのおのに
利点と欠点がある。

●地球低軌道への商業有人打上げ
地球低軌道へ商業的に乗組員を打上げる事は、手の届く範囲にある
と言える。リスクは残るとはいえ、政府がおこなうより少ない初期
投資と生涯費用で、より早期にそれを実現できる可能性がある。
適切なインセンティブ付きの新しい競争が米国の全ての航空宇宙会
社に向かって開かれる。これにより、NASAは、地球軌道外の有
人探査を含む、より挑戦的な目標に専念できる事になる。

●宇宙探査と宇宙商業利用の為の技術開発
探査の前進させる為には、上手く設計され、適切な開発予算が付け
られた宇宙技術開発が重要である。必要となる技術が前もって開発
されているならば、探査戦略はより素早く、より経済的に遂行でき
る事になる。この投資は、無人探査や、米国の商業宇宙産業、政府
のユーザーにとっても有益となる。

●火星への順路
火星は人類の宇宙探査での究極的な目標である。しかしながら、そ
れは最初の目標として適当であるとは言えない。「最初に月を訪問」
する事も「柔軟な探査順路設定」を行う事も探査戦略としては有効
である。両戦略は排他的なものではない。火星への飛行の前に、自
由空間での経験を蓄積しても良いし、月の表面探査の経験を積む事
にも意味がある。

●有人宇宙計画のオプション
委員会は有人宇宙計画について5つの代替案を作成した。その結果
以下の所見を得た。
・2010会計年度の予算では、地球低軌道を超えた有人探査は実行で
きない。
・意味のある有人探査を行うには、全体資源としては2010会計年度
予算対比で年間30億ドル程度を追加したより圧迫度の少ない予算が
必要である。
・増加された予算レベルでは、「最初に月を訪問」する事も「柔軟
な探査順路設定」も共に第一着手が行う事ができ、理に適ったタイ
ムフレームで結果を出す事が可能と見込まれる。


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2009年9月9日水曜日

MI2:消えた貨物船はやはりロシアのミサイルを積んでいた!?

※写真は、「アークティク・シー」。AFPサイトから転載

消えた貨物船 英紙 イランにミサイル密輸 イスラエル機関が阻止

英仏間のイギリス海峡で7月24日に消息を絶ち、8月17日に西アフリカ沖
で発見されたマルタ船籍のロシア貨物船「アークティック・シー」(3988
トン)が、イランに密輸するロシア製対空ミサイル「S300」を積んでいた
と、6日付の英日曜紙サンデー・タイムズがロシアやイスラエル情報筋の話と
して伝えた。

同船にはロシア人乗組員15人が乗り込み、130万ポンド(約2億円)相当
の木材を積んでフィンランドからアルジェリアに向かう途中に姿を消し、世界
中のメディアから「消えた貨物船」として注目を集めた。ロシア海軍が同船を
確認し、乗っ取り犯のロシア人やエストニア人ら計8人を逮捕。犯人は身代金
100万ポンド(約1億5千万円)を要求していたとされたが、その後、箝口
(かんこう)令が敷かれた。

しかし、同紙は情報筋の話として、核開発を進めるイランがイスラエルの空爆
を恐れ、ロシアの犯罪組織から対空ミサイルを密輸しようとしたと指摘。これ
を察知したイスラエルの対外特務機関モサドが介入し、同船をめぐって騒ぎを
起こしてイランに着くのを阻止したとの見方を伝えた。

同紙紙によると、同船が発見された翌日、イスラエルのペレス大統領がモスク
ワを訪れ、メドベージェフ露大統領と4時間にわたって非公式に会談。ペレス
大統領は高性能兵器がイランやシリアに流れるのを阻止するよう要求し、メド
ベージェフ大統領も口頭でこれに応じたという。
(産経新聞 2009/9/08)


以前に「ミッション・インポッシブル」という題名で、この消えた
貨物船についてのエントリーを書きましたが、どうやら真相らしき
ものが判って来たようです。

この真相は、先週末にイギリスの日曜紙サンデー・タイムズがロシ
アやイスラエル情報筋の話として伝えたもので、イランがロシアの
新鋭対空ミサイルS-300入手しようとしてロシア・マフィアと結託
して密輸を図ったのをイスラエルの諜報機関モサドがキャッチし、
工作員に派遣して、S-300を積んだ「アークティク・シー」をハイ
ジャックさせたというものです。

記事にもある通り、ロシア海軍が発見した翌日、イスラエルのペレ
ス大統領とロシアのメドベージェフ大統領が会談をし、事件の再発
防止に合意したという話です。

この話であれば、「海賊」が「アークティク・シー」をハイジャッ
クした理由も、「海賊」8人がロシア海軍に抵抗しなかった事も、
船員を全く傷つけなかった事も、全てに理由がつく事になります。

また、イスラエルが、イランの核武装を警戒している事は衆知の事
実であり、イラクの原子炉を破壊した「オシラク作戦」や、やはり、
核兵器用のプルトニウムを製造する原子炉を建設していたシリアを
爆撃し破壊した実績があります。

それから考えれば、イランが核兵器開発に邁進している現在、イス
ラエルはいつでもイランを攻撃できる様にしたい筈ですし、その時
に作戦遂行の障害になる新型対空ミサイルをイランが入手する事を
阻止する事に明確な利益や理由がある事になります。

ちなみにAP通信の記事によれば、ロシアは、「アークティク・シ
ー」に対空ミサイルが積まれていた事を明確に否定しているそうで
それに疑問を投げかけたジャーナリストが政府の情報筋に脅迫され
るという派生的な事件まで起こっているそうです。この辺は如何に
もロシアらしい話と感じます。


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2009年9月8日火曜日

宇宙ステーションへの輸送を競うHTV


※画像はNew Scientistサイトから転載

最強の双発ロケット 「H2B」11日打ち上げ

国内最強のパワーを持つ新大型ロケット「H2B」の初号機が11日、種子島
宇宙センター(鹿児島県)で打ち上げられる。国産初の双発ロケットで、国際
宇宙ステーション(ISS)の物資補給機「HTV」を運ぶ重要な任務を担う。
世界が注目する中、日本のロケット技術の真価が問われる。

H2Bロケットは国産主力機「H2A」を土台に、宇宙航空研究開発機構
(JAXA)と三菱重工業が共同開発した。最大の特徴は、第1段の主エンジ
ンを2基に増やしたこと。これによりパワーを約4割増強し、普通の人工衛星
の数倍の重さがあるHTVの打ち上げを可能にした。

強力なエンジンを新たに開発するのではなく、すでに実用化したエンジンを2
基搭載することでコストを抑え、設計から4年の短期間で完成にこぎつけた。

主エンジンを複数搭載したロケットは、3基搭載の米スペースシャトルや、20
基も搭載したロシアのソユーズなどがあり、世界の大型機の主流になっている。

ただ、エンジンが増えるとシステムが複雑化し、一般に不具合が起きやすくな
る。H2Bの計算上の信頼度は、H2Aよりわずかに低い。JAXA幹部は
「実質的には同等で不安はない」というが、油断はできない。

国産大型機は初代の「H2」で平成11年、主エンジンの燃料ポンプが破損。
後継のH2Aは15年、側面にある補助ロケットの噴射口に想定外の穴が開き、
いずれも打ち上げに失敗した。

3代目のH2Bは、この2つの事故の防止策を取り入れており、国産大型機の
集大成といえる。開発陣にとっては10年越しの雪辱戦だ。幹部は「過去の失
敗と反省から、努力してここまできた。何とか成功させたい」と意気込む。

ISSに食料や機材を運ぶHTVは日本初の無人宇宙船で、今回が初仕事。シ
ャトルは来年に引退が予定されており、その後の輸送手段のひとつとして重要
な役割を負う。ISSでは滞在飛行士が今年から6人に倍増し、物資需要が増
えている。日本はHTVを27年まで毎年1機ずつ、計7回打ち上げる国際的
な義務があり、責任は重い。

打ち上げ時刻はISSが日本上空を通過する午前2時4分。夜間の発射は中型
ロケットM5による火星探査機「のぞみ」(10年)以来で、大型機は初めて。
国際的な注目度は高く、米航空宇宙局(NASA)の幹部や海外メディアも現
地入りして打ち上げを見守る。(長内洋介)

(産経新聞 2009/9/07)


今週末に行われるHTV打ち上げは日本の宇宙開発にとってエポッ
クメーキングな出来事と言えます。
もともとは、HTV計画は、世界の耳目を集める様なプロジェクト
ではありませんでした。
どちらかと言えば、ISS(国際宇宙ステーション)に接続された、
宇宙実験室である「きぼう」に補給品を持ち込む事を目的とした地
味な計画だったと言えます。

ISSの運用計画では、もともと全体の運用維持に係わる部分の補
給については、NASAがスペースシャトルで行いますが、各国の
モジュールへの補給は、各国が各々手配する事になっていました。
HTVはこの原則に従って開発されたもので、日本以外にも独自の
宇宙研究室を持つ欧州は、同様のATVという独自輸送機を開発し
ており、昨年には一号機がISSへのドッキングに成功しています。

その元々は地味な計画が注目を集める様になったのは、ISSへの
補給の任に当たる事になっていたスペースシャトルがコロンビアの
事故によって2010年には退役する事になってしまった事によります。

シャトル後継機であるオリオン宇宙機は、2014年には、完成する事
になっていますが、計画は遅れ気味です。シャトル退役から、オリ
オン完成までの間は、NASAは、商業軌道輸送サービスを使用す
る事とし、SpaceX社のドラゴン宇宙機とオービタルサイエンシズ社
のシグナス宇宙機を選定して、その開発を進めています。完成は各
々、2009年(今年)と2010年(来年)の予定ですが、今日現在、宇宙機
も打上げロケットも完成しておらず、初飛行にもまだ時間がかかる
見込みです。

HTVの打上げに用いられるH-IIBロケットも、お初である点
は変わりませんが、全く、打ち上げられた事もないロケットと比較
すれば、各コンポーネントはH-IIAで実績を積んだものであり
信頼性は数段高いと言えます。
HTVは、欧州やロシアの宇宙機と違って、自動ドッキング機能は
持ちませんが、その分、機体制御システムを単純化でき、価格を抑
えられる一方で、人間が介在する為、相応の安全性も確保可能です。

また、ATVもロシアのプログレスも、ロシア製モジュールにドッ
キングする為、ロシア規格の小型のドッキング装置を使っているの
で、大型の物資輸送ができませんが、HTVは、米国製のハーモニ
ーと接続する為、共通結合機構(CBM)を使用するので、大型の物
資も搬入可能であったり、船外用物資の輸送も可能であるという特
徴があります。(但し、補給能力そのものはATVの方が上です。)

つまり、NASAにとっては、緊急の際に、JAXAに頼み込めば
シャトルで輸送するのと同じ規格の補給物資をHTVで運ぶ事が可
能である為、商業軌道輸送サービスが使えない時の保険として使用
可能という事になります。また、HTVは、2010年以降2016
年まで、年間一機が製作される事になっており、増産も比較的容易
と考えられる事から、オリオンや商業軌道輸送サービスの開発その
ものが、更に遅延する事になった場合、その間の輸送ニーズを賄う
ことも可能になる訳で、その点でもNASAの期待が高まっている
と言えるのです。

これに加え、日本には、HTVを元にした有人宇宙機を開発する構
想があります。HTVはモジュール設計がされている為、有人カプ
セル部分を開発し、これに与圧部と機械・推進部と組み合わせる事
で比較的容易に有人宇宙機を開発できるというものです。シャトル
退役によるISS向け輸送力不足の中で、人員輸送能力と物資回収
能力が一番深刻ですが、HTVに加え、HTVをベースにした有人
宇宙機を開発する事で、この両者に対応できる事になります。

更に、2016年にISSが退役した後は、日本独自の宇宙ステーショ
ンをHTVを元にして展開する事が構想されています。また、将来
の有人月探査計画などもHTV発展型の有人機構想の延長上にあり
ます。HTVは正に21世紀の日本の宇宙開発の根幹であり、今週
末の打上げの成功を心から祈りたいと思います。(9/8に米国の大統
領諮問会議でISSの退役を2020年まで延長する勧告が行われる見
込みとなっています。)


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2009年9月4日金曜日

またも恫喝政策に転じた北朝鮮 しかし交渉の必要はない!

※写真はロイターサイトより転載

北朝鮮、ウラン濃縮の最終段階にある=KCNA

朝鮮中央通信社(KCNA)によると、北朝鮮は4日、ウラン濃縮の最終段階
にあることを明らかにした。KCNAによると、北朝鮮は国連安保理議長に書
簡を送り、「ウラン濃縮実験は成功裏に行われた。実験は最終段階にある」と
表明した。

米国は以前から、北朝鮮が核兵器向けのウラン濃縮実験を極秘に進めていると
みていた。ただ専門家は、本格的なウラン濃縮には至っていないとの見方を示
している。
北朝鮮が過去に2回行った核実験はプルトニウム型とみられている。
北朝鮮は、ウラン濃縮実験について、国際社会が北朝鮮への制裁を強化してい
ることへの対抗措置だと主張。 
「われわれは対話と制裁の双方の用意がある。一部の安保理常任理事国が対話
よりも制裁を優先させるのであれば、われわれも対話よりも核抑止力の強化を
優先させる」としている。

(ロイター 2009/9/4)


ミサイル実験、第二回目の核実験と瀬戸際政策を続けていた北朝鮮
が、クリントン訪朝以降、拘束していた米国の記者や、韓国の会社
員、漁船員を順次解放したり、各国に会談や訪朝を求めるなど緊張
緩和政策に転じていましたが、今回は比較的早めに、瀬戸際政策に
転換したようです。

もっとも緊張緩和政策と言っても、韓国からも戦術的な転換に過ぎ
ないと見透かされていましたし、オバマ政権からも期待していた、
二国間平和協定交渉に対する言質は得られず、麻生首相への訪朝要
請も速やかに拒否されるという状態であり、期待した様な効果は得
られなかったと言う事かも知れません。

北朝鮮の交渉術の基本は以下の様なものである事が既に判っており、
それは、全く変わっていないのです。

①強面で、要求の10倍をふっかける。
②交渉中に理不尽な事を実行し、それを元に戻す事について代償を
 要求する。
③約束は実行しない。状況の変化で簡単に合意を覆す。
④交渉不成立の場合は全ての責任を相手に押し付ける。
⑤交渉相手の個人的名声・名誉欲をくすぐって譲歩を得ようとする。
⑥交渉を始める事自体に代償を求める。
⑦合意内容を細分化して、その一つ一つに代償を得ようとする。


一言で言えば、交渉相手としては信頼できる相手ではありません。
彼らの理解できる言葉は力しかないのです。力づくでねじ伏せるし
かないと考えるべきなのです。

そして一番重要なのが、次の二項目です。
◎金体制の存続が全てに優先される。
◎その存続を保証するのは核兵器である。

ここまで理解してしまえば、今回のウラン濃縮についての彼らの意
図は明らかです。つまり、交渉に応じる場合であっても、本当にウ
ラン濃縮技術を彼らが開発したのであれば、それを放棄する事は絶
対にありません。北朝鮮は、確実に作動する核兵器が必要ですが、
現在の彼らの技術では、使用済み核燃料から純度の高いプルトニウ
ムを抽出する事ができないのに対し、ウラン濃縮は同じ濃縮プロセ
スを繰り返す事で確実に作動する兵器レベルのウランを抽出する事
ができるからです。この場合、いくら代償を積んだとしても実際に
廃棄される事はなく、交渉を行う価値はない事になります。

逆に、彼らが開発に失敗しているのであれば、開発を放棄する可能
性があるかも知れません。つまり、もっていないものを放棄する事
で代償を得ようとしている事になり、この場合も交渉の価値はない
事になります。

即ち、交渉は北朝鮮が代償を得る為のものでしかなく、核兵器が放
棄される事もまたありません。従って、国際社会は北朝鮮を相手に
する必要はなく、現在実行している経済制裁を着実に実行していく
しかないと言える様に思われるのです。


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2009年9月3日木曜日

22DDHは費用対効果の高い海上航空機整備工場


※元の図は、週刊オブィエクトのHPより転載
赤枠は格納庫の推定位置

昨日は、22DDHの性格が16DDHの全通甲板を持つヘリコプ
ター護衛艦から、他の護衛艦からエスコートされるヘリ空母として
の性格に大きく変化している事を武装の面から少し分析してみました。

それでは、22DDHは、ヘリ空母として、どの程度の整備能力が
あるのでしょうか。16DDHや22DDHと従来のDDHとの比
較として良く使われる例えに、自宅の駐車場と整備工場の違いが使
われます。つまり、自宅の駐車場でも、多少の車の整備はできます
が、エンジン交換を伴う様な整備を行えなえず、整備工場に持ち込
む必要があります。それと同様に、従来のDDやDDHの格納庫は、
自宅の駐車場に相当します。軽度の機体整備はできますが、大きな
整備は困難です。それに対し、16DDHや22DDHは整備工場
に当り、従来に比べ艦載ヘリの大規模な整備も可能になると言う訳
です。

16DDHや22DDHを取得する大きな目的の一つに、この点が
上げられています。

では、その能力を、どの様に推測すれば良いのでしょうか?整備能
力の評価は本来、設備と能力の積で表されると思われますが、現段
階では評価は難しいと思われますし、建造され運用に移ってからも
各艦毎の評価も公表される事はまずないでしょう。従って、単純に
外観から評価する他ありません。という訳で、整備工場のしての大
きさという単純な尺度で測ってみる事にしました。

16DDHの格納庫の大きさは概ねエレベータの間にある二甲板の
高さのある第一格納庫と第二格納庫及び、後部エレベータと艦尾の
間にある三甲板の高さがある第三格納庫の合計になります。第三格
納庫と艦尾の間にはVLS発射機があります。それを前提に格納庫の
大きさを推定すると概ね上図の赤枠の内の矢印になるかと思います。
この大きさは、80mX15m(1200平方米)と推定されます。

実際には、エレベータを上に上げた状態で固定すれば、格納庫と同
じ高さにエレベータの下床?を上げる事で、エレベータ部分を格納
庫として使用する事もできますが、整備しながら、エレベータも使
用する事を考えると、通常の整備に使用できる大きさは上記の程度
と言えます。

同様に、22DDHに当てはめると、格納庫の大きさは、157m
X21m(約3300平方米)
になります。全長が51m延長された
事と舷側エレベータ、それにVLSが無くなった事で、格納庫の大き
さが約3倍弱になっていると思われるのです。

全長の増加は約25%、船体の大きさは約4割増加したのに対し、
格納庫の大きさが3倍近く拡大
した事は、海上航空機整備工場とし
ての、22DDHの能力向上が極めて顕著である事を示しており、
船価が16DDHと略等しい事を考えれば費用対効果が非常に改善
された艦
であると言える様に思うのです。


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2009年9月2日水曜日

ヘリ搭載護衛艦からヘリ空母に近づいた22DDH

※海自 画像は2ちゃんねる 軍事板 「ひゅうが型DDH 94番艦」スレ #667より転載

最大の「空母型」護衛艦配備方針=ヘリ14機、洋上給油も-防衛省

防衛省は31日、海上自衛隊に最大規模のヘリコプター搭載護衛艦(基準排水
量19500トン)1隻を配備する方針を決め、2010年度予算の概算要求
に1166億円を盛り込んだ。艦首から艦尾まで甲板がつながる「空母型」で、
ヘリ5機の同時発着艦のほか、他艦への洋上給油が可能。
同じタイプの「ひゅうが」(13950トン)から機能は大幅にアップするが、
予算を見直すとしている民主党政権の下、無事「船出」できるかは不透明だ。
新たな護衛艦は全長248メートルで、哨戒ヘリ3機が同時発着できるひゅう
がより51メートル長い。甲板と格納庫でヘリ14機を搭載する。
輸送力も増強し、陸上自衛隊のトラック約50台、人員約4000人を運ぶこ
とができる。
護衛艦「しらね」(5200トン)の後継だが、洋上給油もでき、周辺海域で
の継続的な警戒監視、海外派遣や大規模災害時の物資、邦人輸送など、さまざ
まな場面で中枢艦の役割を果たすという。 
新型艦導入について、海上幕僚監部は中国海軍の近代化も背景にあるとし、
「(中国は)巡航ミサイルなど艦艇からの攻撃力を向上させており、ヘリによ
る監視の強化が必要」(幹部)と強調する。
一方、戦闘機などの発着艦について、同省は「その考えはない」としている。

(時事通信 2009/08/31)

        22DDH    16DDH
基準排水量  19500t   13950t
全長       248m     198m
全幅        38m      33m
速力        30kt      30kt
CIWS         2基       2基
SeaRAM        2基        無
VLS           無 16セル(Mk41)
FCS-3改         無        有
アスロック装置     無       1式
3連装短魚雷発射管   無       2基
搭載ヘリ
哨戒ヘリコプター   7機       3機
輸送・救難ヘリコプター2機

ヘリ搭載能力    14機      11機
同時発着能力     5機       4機
同時運用可能ヘリ数  9機       4機

輸送力
 3.5tトラック約50台
洋上給油能力
価格(概算要求時)1166億円   1164億円
                (ひゅうが1057億円)
                (いせ   975億円)

新聞報道に書かれていたスペックを16DDHと並べてみましたが、
ここからだけでも、新しい22DDHの性格が判る様に思われます。
つまり、16DDHが主砲こそないものの、その武装が、従来のヘ
リコプター搭載護衛艦の延長線上にあったのに対し、22DDHで
は、よりヘリ空母としての運用と特性に合致した仕様に変化してい
ると言えます。

例えば、16DDHではヘリがあっても無くても単独で潜水艦を探
知、攻撃できる武装になっていますが、22DDHでは、アスロッ
クも短魚雷もないので、ヘリなくしては単独で潜水艦を攻撃する事
ができません。また、完成予想図から見る限りソナーシステム(OQQ
-21)も16DDHに比べ簡素化が図られているようです。更に、
16DDHではFCS3改とESSMにより限定的な艦隊防空も可
能でしたが、22DDHでは、個艦防御用の装備のみとなっています。

その代わりに、22DDHが得たのは、16DDHに比べ40%も
大きな船体と、二倍以上(4機→9機)となるヘリコプター同時運
用能力と整備能力、そして、船体の大きさの割に安価な建造コスト
です。

16DDHの運用構想では、DDHは対潜グループの中核艦として、
DDG1隻、DD2隻からエスコートされる事になります。艦隊防
空指揮機能はDDGが担いますが、対潜指揮機能は、データリンク
で結ばれる事で、22DDHが持つ充実した司令部機能が担う事に
なります。

22DDHでは、16DDHと比べ、船体の全長が52m長くなっ
た他、舷側エレベータの採用やVLSを搭載しない事で、16DDH
と比べ、エレベータ部分を除いた艦内ヘリ格納庫は、16DDHと
比べて二倍以上
になる筈で、そこに収容可能なヘリ数は、表面上の
収容数の増加よりは、更に大きくなる事は間違いありません。また、
これが整備能力の一段の向上に繋がると考えられます。加えて、こ
の大きくなったヘリ格納庫の活用方法として車両輸送を想定してい
るのだと思われます。

価格面では、船体規模が40%大きくなったにも係わらず、船価は
略同じです。船価の安さはDDと比べると一段とはっきりします。
19DD(750億円)と比べ、船体の大きさが4倍であるにも係わ
らず、取得費用は、五割増に過ぎないのです。

言い換えれば、22DDHはDDのエスコートによる運用を前提と
する事で、16DDHの過剰な機能を削ぎ落とし、より航空機運用
に最適化した艦
になったと言えるのです。


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2009年8月31日月曜日

民主党は国民の期待の高さにいつまで応えられるのか?

※写真は毎日新聞サイトより転載

<衆院選>民主党が単独で308議席獲得 自民は歴史的惨敗

第45回衆院選は30日、投開票され、480議席のうち民主党が小選挙区と
比例代表を合わせて単独で過半数(241議席)を大きく上回り308議席を
獲得した。1996年の旧民主党結党以来、13年で悲願の政権交代を果たし
た。93年衆院選で自民党が過半数を割り込み非自民8党派による細川連立政
権が発足したが、2大政党間の政権交代は戦後初めてで、戦後政治の大きな転
換点となる。首相指名選挙をする特別国会は9月14日の週にも開会、民主党
の鳩山由紀夫代表が首相に指名され、同党を中心とした連立政権が発足する。
【高塚保】

与党は自民、公明両党で公示前の計331議席から計191議席を減らし、自
民党は1955年の結党以来、初めて第1党の座を失う大惨敗を喫した。麻生
太郎首相は30日夜、NHKの報道番組で「責任を負わなければならない」と
述べ、自民党総裁の辞任を表明した。

自民党総裁の任期は9月末で、特別国会後に総裁選を実施し新総裁を選出する。
来年夏の参院選に向け党勢の立て直しを迫られるが、新執行部にとって苦難の
船出となる。

民主党は小泉改革で広がった格差への対策として、マニフェスト(政権公約)
に子ども手当の支給、高校教育の無償化、農家への戸別所得補償、高速道路原
則無料化などくらしを重視する政策を盛り込み、実現を訴えてきた。

(毎日新聞 2009/8/31)


民主党にとって、不幸な事は、日本経済が成長期にないという事で
す。民主党が政権を担うであろうここ4年間で見ても、税収が大幅
に増える見込みはありません。寧ろ、リーマンショック後の経済対
策の累積で一息ついていた経済が、民主党の経済財政運営の如何に
よっては失速する可能性すらあります。

何を言いたいかと言えば、民主党が受け継いだ、財布に入っている
お金の量は変わらないのですから、新しい政策を実現する為には、
必ず、どこかに皺寄せが来るという事です。霞ヶ関の埋蔵金なんて
いるのはありません。特別会計に万一の為に蓄えられている資金な
どは使ってしまえばなくなってしまう一過性のものに過ぎません。

民主党の公約である、子供手当てや、高校教育の無償化、農家への
個別所得補償、高速道路無料化は、毎年毎年支出が必要なものです。
一時的な資金で手当てする訳にはいきません。つまり、子供のいる
家庭や農家、あるいは高速道路の利用者に対して、子供のいない世
帯や子育ての終わった世帯、農業以外の勤労者、高速道路をあまり
利用しない国民から、税金を吸い上げ、それを分配する事になります。
その額、実に13兆円に及びますが、これは、消費税を6%上げる
のに等しい増税に相当します。今の処、基礎控除や配偶者控除の廃
止と言う一般人には意味が判りにくい項目を財源にあげていますが、
それだけ取れば、大多数の人にとって増税になる事が明白になって
きます。何故なら、基礎控除や配偶者控除の廃止による増税は、子
育て世代に対しても等しくのしかかってくるからです。これでは、
子供手当支給の喜びも半減してしまいます。

政権を運営していくにつれて民主党は、大きな政府を目指す政権で
ある事がより明確になっていきます。既に社会保険庁の解体を中止
する事を明言していますが、高速道路運営会社も、高速道路無料化
の中で、国営化が検討されていく筈です。更に、郵政民営化につい
ても再度の国営化が行われる可能性があります。また、日教組は、
少人数教室の実現を従来にも増して強力に運動する筈です。そして、
これら政府部門の拡大は、最終的には全て国民の負担によって賄わ
れる事になります。民主党は政府部門の無駄を省くと言っています
し、政府部門に無駄は大いにあるでしょうが、それとは別に政府部
門は肥え太る事になります。

初めての政権交代で政権をとった民主党には、多くの国民から期待
が寄せられています。それは、自民党には出来ないフレッシュな政
治を期待してのものです。しかしながら財布の中にお金はありませ
ん。金の事ばかり言うなという意見もあるでしょうが、現在の政府
の機能は、国民の所得を税の徴収と資金の給付を通じて再分配する
が最も大きな役割であり、それを最少コストで合理的に行う事が政
府に期待されているのです。

そして、諸外国と比較した場合、日本の政府運営は、そこそこ合理
的に少ないコストで行われて来たと言えます。そして、それを更に
合理的に行う事を政府の無駄を省くという公約によって国民から期
待されているのに、実際に民主党がやらねばならない事は、政府部
門の拡大になるのですから、遅かれ早かれ、民主党に対する国民の
失望が表面化するのは確実であると言えます。

更に、民主党政権には、どちらかと言えば、左寄りの勢力から大き
な期待が寄せられています。永住外国人の地方参政権容認問題や、
人権擁護法問題、あるいは国旗国歌問題、靖国問題、中国や韓国と
の歴史認識問題など、処理によっては、国民の少なく共半数に失望
の念を抱かせるに充分な問題にも取り組まざるを得なくなっています。

経済運営、増税問題に加え、民主党政権は、これら多くの問題点を
内在する形で発足を余儀なくされるのであり、まさに至る処に爆弾
を抱えていると言って過言ではありません。

来年夏には、まず参議院選挙が予定されていますが、マスコミの側
面支援も続きますので、ここで民主党が敗退するとは考え難いので
すが、その次には、4年後の2013年に今度は衆参同時選挙が行われ
る可能性があります。それまでの間、国民の失望をどこまで、押さ
え込めるか、民主党に期待を繋ぎとめる事ができるのか、民主党の
真価が問われるのではないかと思われるのです。


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