2009年9月3日木曜日

22DDHは費用対効果の高い海上航空機整備工場


※元の図は、週刊オブィエクトのHPより転載
赤枠は格納庫の推定位置

昨日は、22DDHの性格が16DDHの全通甲板を持つヘリコプ
ター護衛艦から、他の護衛艦からエスコートされるヘリ空母として
の性格に大きく変化している事を武装の面から少し分析してみました。

それでは、22DDHは、ヘリ空母として、どの程度の整備能力が
あるのでしょうか。16DDHや22DDHと従来のDDHとの比
較として良く使われる例えに、自宅の駐車場と整備工場の違いが使
われます。つまり、自宅の駐車場でも、多少の車の整備はできます
が、エンジン交換を伴う様な整備を行えなえず、整備工場に持ち込
む必要があります。それと同様に、従来のDDやDDHの格納庫は、
自宅の駐車場に相当します。軽度の機体整備はできますが、大きな
整備は困難です。それに対し、16DDHや22DDHは整備工場
に当り、従来に比べ艦載ヘリの大規模な整備も可能になると言う訳
です。

16DDHや22DDHを取得する大きな目的の一つに、この点が
上げられています。

では、その能力を、どの様に推測すれば良いのでしょうか?整備能
力の評価は本来、設備と能力の積で表されると思われますが、現段
階では評価は難しいと思われますし、建造され運用に移ってからも
各艦毎の評価も公表される事はまずないでしょう。従って、単純に
外観から評価する他ありません。という訳で、整備工場のしての大
きさという単純な尺度で測ってみる事にしました。

16DDHの格納庫の大きさは概ねエレベータの間にある二甲板の
高さのある第一格納庫と第二格納庫及び、後部エレベータと艦尾の
間にある三甲板の高さがある第三格納庫の合計になります。第三格
納庫と艦尾の間にはVLS発射機があります。それを前提に格納庫の
大きさを推定すると概ね上図の赤枠の内の矢印になるかと思います。
この大きさは、80mX15m(1200平方米)と推定されます。

実際には、エレベータを上に上げた状態で固定すれば、格納庫と同
じ高さにエレベータの下床?を上げる事で、エレベータ部分を格納
庫として使用する事もできますが、整備しながら、エレベータも使
用する事を考えると、通常の整備に使用できる大きさは上記の程度
と言えます。

同様に、22DDHに当てはめると、格納庫の大きさは、157m
X21m(約3300平方米)
になります。全長が51m延長された
事と舷側エレベータ、それにVLSが無くなった事で、格納庫の大き
さが約3倍弱になっていると思われるのです。

全長の増加は約25%、船体の大きさは約4割増加したのに対し、
格納庫の大きさが3倍近く拡大
した事は、海上航空機整備工場とし
ての、22DDHの能力向上が極めて顕著である事を示しており、
船価が16DDHと略等しい事を考えれば費用対効果が非常に改善
された艦
であると言える様に思うのです。


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