※写真は、「アークティク・シー」。AFPサイトから転載
消えた貨物船 英紙 イランにミサイル密輸 イスラエル機関が阻止
英仏間のイギリス海峡で7月24日に消息を絶ち、8月17日に西アフリカ沖
で発見されたマルタ船籍のロシア貨物船「アークティック・シー」(3988
トン)が、イランに密輸するロシア製対空ミサイル「S300」を積んでいた
と、6日付の英日曜紙サンデー・タイムズがロシアやイスラエル情報筋の話と
して伝えた。
同船にはロシア人乗組員15人が乗り込み、130万ポンド(約2億円)相当
の木材を積んでフィンランドからアルジェリアに向かう途中に姿を消し、世界
中のメディアから「消えた貨物船」として注目を集めた。ロシア海軍が同船を
確認し、乗っ取り犯のロシア人やエストニア人ら計8人を逮捕。犯人は身代金
100万ポンド(約1億5千万円)を要求していたとされたが、その後、箝口
(かんこう)令が敷かれた。
しかし、同紙は情報筋の話として、核開発を進めるイランがイスラエルの空爆
を恐れ、ロシアの犯罪組織から対空ミサイルを密輸しようとしたと指摘。これ
を察知したイスラエルの対外特務機関モサドが介入し、同船をめぐって騒ぎを
起こしてイランに着くのを阻止したとの見方を伝えた。
同紙紙によると、同船が発見された翌日、イスラエルのペレス大統領がモスク
ワを訪れ、メドベージェフ露大統領と4時間にわたって非公式に会談。ペレス
大統領は高性能兵器がイランやシリアに流れるのを阻止するよう要求し、メド
ベージェフ大統領も口頭でこれに応じたという。
(産経新聞 2009/9/08)
以前に「ミッション・インポッシブル」という題名で、この消えた
貨物船についてのエントリーを書きましたが、どうやら真相らしき
ものが判って来たようです。
この真相は、先週末にイギリスの日曜紙サンデー・タイムズがロシ
アやイスラエル情報筋の話として伝えたもので、イランがロシアの
新鋭対空ミサイルS-300入手しようとしてロシア・マフィアと結託
して密輸を図ったのをイスラエルの諜報機関モサドがキャッチし、
工作員に派遣して、S-300を積んだ「アークティク・シー」をハイ
ジャックさせたというものです。
記事にもある通り、ロシア海軍が発見した翌日、イスラエルのペレ
ス大統領とロシアのメドベージェフ大統領が会談をし、事件の再発
防止に合意したという話です。
この話であれば、「海賊」が「アークティク・シー」をハイジャッ
クした理由も、「海賊」8人がロシア海軍に抵抗しなかった事も、
船員を全く傷つけなかった事も、全てに理由がつく事になります。
また、イスラエルが、イランの核武装を警戒している事は衆知の事
実であり、イラクの原子炉を破壊した「オシラク作戦」や、やはり、
核兵器用のプルトニウムを製造する原子炉を建設していたシリアを
爆撃し破壊した実績があります。
それから考えれば、イランが核兵器開発に邁進している現在、イス
ラエルはいつでもイランを攻撃できる様にしたい筈ですし、その時
に作戦遂行の障害になる新型対空ミサイルをイランが入手する事を
阻止する事に明確な利益や理由がある事になります。
ちなみにAP通信の記事によれば、ロシアは、「アークティク・シ
ー」に対空ミサイルが積まれていた事を明確に否定しているそうで
それに疑問を投げかけたジャーナリストが政府の情報筋に脅迫され
るという派生的な事件まで起こっているそうです。この辺は如何に
もロシアらしい話と感じます。
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