2009年5月18日月曜日

右派のNHKへの抗議行動を報道しない日本のマスコミ


偏向報道したとしてNHKに1300人が抗議行動


反日的視点によって日本と台湾の歴史を描く、偏向報道を行なったとして、特
別番組『JAPANデビュー』 第1回『アジアの“一等国”』」(4月5日放
送)を制作・放送したNHKに対する抗議行動が16日、東京・渋谷の宮下公園
からNHKまで行われた。デモの主催者は、草莽全国地方議員の会、「NHK
『JAPANデビュー』」を考える国民の会、日本李登輝友の会、台湾研究フ
ォーラム、在日台湾同郷会、台湾団結連盟日本支部などで、約1300人が参加。
「台湾と日本を分断するNHKを許さない」などとシュプレヒコールを上げた。
同日、青森市や名古屋、福岡市でも各NHK支局への抗議デモが行われるとと
もに、台北でもNHK台北支局前で抗議集会が行われた。

(http://www.naruhodo.com.tw/ 2009/5/17)

youtubeにアップされたビデオ画像によれば、田茂神元航空幕僚長
や佐藤守氏も参加されなかなか賑やかな抗議行動であった様です。

しかし、実はこのニュースは台湾ニュースの日本版の記事であり、
国内大手マスコミはこのデモについては一行も報道しませんでした。

実は、その一方で、毎日新聞は以下の様な記事を5/8に出しています。

入管法改正案:反対であす市民団体がデモ 「逆行の動き、納得できない」 /大阪

◇外国籍住民を一元管理
法務省が外国籍住民の在留情報を一元管理する入管法改正案などに対し、府内
の在日外国人や市民団体などが「外国人を監視し、分断・差別や人権侵害を招
く」と反発している。既に国会審議が始まっており、大阪市内で9日、廃案を
訴えるデモ行進をする。

新しい在留管理制度は、短期滞在(90日以内)や特別永住者(在日コリアン
ら)を除く中長期滞在者に、ICチップ内蔵の在留カードを交付。顔写真や氏
名、生年月日、在留資格、期間などの情報を記載させ、さらに外国人が所属す
る企業や大学、日本語学校などに就労・就学状況の報告を義務付け、法務省が
情報を集中的に把握する。

カードの常時携帯や居住地を変更した場合の届け出を怠れば刑事罰を科し、在
留資格取り消し理由になる場合もある。

在日中国人2世で「永住者」の在留資格を持つ徐翠珍さん(62)=大阪市西
成区=は「戦前から日本に溶け込んで生活している私たちが、いまだに住民と
して認められない」と憤り、チラシ配布の活動を続ける。

徐さんはかつて、外国人登録の更新時に指紋押なつ(99年全廃)を拒否して
逮捕された。
「現行の外国人登録証の常時携帯や切り替えがなくなり、地方参政権も得られ
るようになると期待したのに、全く逆行する動きは納得できない」と話す。

デモ行進は、午後3時に同市西区新町1の新町北公園(大阪厚生年金会館南側)
に集合。御堂筋を通って中央区難波5の高島屋大阪店までの約2キロを歩く。
問い合わせは、主催のカトリック大阪シナピス(06・6942・1784)。

(毎日新聞 2009/5/8)


一方は、公共報道機関であるNHKによる、日本を貶める歴史捏造
番組の放送に対する抗議行動であり、もう一方は、犯罪や不法滞在
の増加が懸念されている外国人に対する管理強化に対する抗議行動
です。

似たような政府や公営企業に対する抗議行動ですが、一方が完全に
無視されている反面で、もう一方は恐らくは参加者は少なかったで
あろうにも係わらず、大きく報道され、連絡先も明記され、支援さ
れていると言って良い扱いです。

違いは、一点しかありません。マスコミの判断による右派による活
動なのか、左派による活動なのかです。(親日か反日かと言って良
いのかも知れません。)

この種の選択的な報道は実は、今に始まった事ではありません。
二回目の小泉訪朝の際に、拉致被害者を救う会が東京フォーラムを
使って数千人を集め緊急集会を行い北朝鮮に対するアピールを採択
したのですが、読売、産経は報道したものの、朝日、毎日、NHK
はこの集会を完全に無視し一行も報道しませんでした。

左派の活動は針小棒大に報道するが、右派(?)の活動は矮小化ある
いは無視する事で、国民には左派の活動しか目に入らない事になり
ます。正しくマスコミによる情報統制が暗々裏に戦後60年以上に
亘って継続して実施されているのです。

今までは、こういったマスコミによる偏向は国民には知られる事も
なかったのですが、インターネットによる草の根のメディアの発達
により、その赤裸々な実態が明らかになったと言えます。

日本の危機は深いと思いますが、一点、第四権力であるマスコミを
牽制する力が育っている点が希望であると考えます。


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2009年5月15日金曜日

100年早すぎる天皇訪韓 まずは韓国が非礼を糺せ

※韓昇洙(ハン・スンス)首相 産経サイトから転載

韓国首相、環境分野で日本と協力 部品・素材、中小進出を支援

【ソウル=山口真典】韓国の韓昇洙(ハン・スンス)首相は14日、ソウルの政
府総合庁舎で日本経済新聞と会見した。省エネルギーや新再生エネルギー開発
など環境分野で日本との協力を進める考えを表明。関連の部品・素材産業で日
本の中小メーカーの韓国進出を積極支援する姿勢を示した。新型インフルエン
ザ対策で「韓日中3カ国の間で感染拡大を未然に防ぐシステムづくりを検討す
べきだ」とも提唱した。
李明博(イ・ミョンバク)大統領が昨年4月に来日した際、招請した天皇陛下
の韓国訪問にも触れ「1日も早く実現することを期待する」と強調。「(訪問
実現を通じて)日韓の距離が近くなり、過去の難しい問題を解決する契機にし
たい」と訴えた。

(日経新聞 2009/5/15)


外交の原則の一つにレシプロシティ(返報性、相互性)の原則という
のがあります。何かしてもらったら、それにお返しをするというの
は個人の間でも関係を円滑にする知恵だと思いますが、これが、ち
ゃんと国と国との関係でも外交上の原則にもなっているのです。

その原則からすれば、韓国の国家元首である大統領が既に何度も日
本を公式に訪問しているにも係わらず、日本の国家元首として扱わ
れている天皇が韓国を訪問していないのは、外交上正常な関係では
ない事を端的に示していると言えます。(勿論、その替わりに首相
が訪韓していますので、表面上のレシプロシティは維持されている
と考えられます。)

韓国は天皇訪問を政治的に利用しようとしているという批判があり
ますが、元々、国家元首の外国訪問は国内政治的な目的も見据えて
行われるものですから、これは批判には当たりません。

しかしながら、天皇の訪問が、その国との関係全般を悪化させるの
であれば、訪問する意味がない事になります。
ここでいう関係悪化とは、相手国政府、国民の日本に対する態度が
どうなるかという視点もありますが、日本国民の相手国に対する態
度がどう変化するかという視点もあり、韓国との関係では、この後
者が悪化する可能性が高い点が、天皇訪韓を妨げていると言えます。

つまり、天皇が訪韓した場合、様々な状況で、韓国側から非礼な扱
いを受ける可能性があり、一度、そうした事態が発生すれば、日本
国民の対韓感情が著しく悪化する事が容易に予想されるからです。

過去、韓国は何度も外交上の非礼を日本に対して行ってきました。
日本と外交戦争を行うと宣言し、世界各国で、日本に対する悪口を
撒き散らしていた大統領が一年ちょっと前までいた国であり、国を
上げて、それを支持していたのです。現在の大統領である李明博も、
天皇訪韓時には、土下座させて過去を謝らせたいと述べていた位で
すから、彼らが非礼をしないと約束しようと、そういうチャンスを
与えれば、彼らがその希望が幾分なりと実現させ様とするのは明ら
かです。

韓国は、トーンの変化はあっても、引き続き反日教育を継続してい
ます。また、マスコミも天皇の事を「日王」と表記する非礼を継続
しており、竹島問題や歴史認識問題で百年一日の如く日本を非難す
る態度にも変化は見られません。

そうであるならば、日本側としては、天皇訪韓によって、更なる関
係悪化を予想せざるを得ない事になります。天皇訪韓を韓国が本当
に望むならば、まずは、自国の日本や天皇に対する態度を変えるの
が先であろうと感じる次第です。
(以上敬称略)


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2009年5月14日木曜日

ピースボートも本音は怖かったソマリア海賊

※ピースボートがチャーターしているClipper Pacific号

「反対、でも守って」 ピースボート、海自が護衛 ソマリア沖

海賊対策のためアフリカ・ソマリア沖に展開中の海上自衛隊の護衛艦が、民間
国際交流団体「ピースボート」の船旅の旅客船を護衛したことが13日、分か
った。ピースボートは海賊対策での海自派遣に反対しており、主張とのギャッ
プは議論を呼びそうだ。

海自の護衛艦2隻は11日から13日にかけ、ソマリア沖・アデン湾を航行す
る日本関係船舶7隻を護衛。うち1隻がピースボートの船旅の旅客船だった。
ピースボートは社民党の辻元清美衆院議員が早稲田大在学中の昭和58年に設
立。船旅は寄港地の非政府組織(NGO)や学生らとの交流などを目的として
いる。

ピースボート事務局によると、船旅の企画・実施会社が護衛任務を調整する国
土交通省海賊対策連絡調整室と安全対策を協議し、海自が護衛する船団に入る
ことが決まったという。

ピースボートは市民団体による海自派遣反対の共同声明にも名を連ねている。
事務局の担当者は「海上保安庁ではなく海自が派遣されているのは残念だが、
主張とは別に参加者の安全が第一。(企画・実施会社が)護衛を依頼した判断
を尊重する」と話している。

(産経新聞 2009/5/14)


とっても恥ずかしい話ですが、ピースボートは以下の声明の賛同者
リストに名を連ねています。

共同声明
ソマリア沖に海上自衛艦を出すな! 海賊問題に名を借りた海外派兵新法に反対する!
http://www.annie.ne.jp/~kenpou/seimei/seimei113.html

この共同声明は、まさに、読んで字の如くで、ソマリア海賊は、小
火器しか持っていないので、重武装の護衛艦を出すのは、憲法九条
の精神に反するという主張です。それに加えて、ソマリア海賊問題
は、「ソマリアの内戦による無政府状態と漁民など住民の貧困」が
根本原因であり、「この解決なくして「海賊問題」の解決はない」
のだそうです。

であれば、ピースボートは不要な護衛艦の護衛など受ける事なく
憲法九条の精神に則って"無防備"で海域を航海し、護衛が不要であ
る事を身を持って証明すべきです。また、例え、ソマリア海賊に拿
捕された所で、住民の貧困の解決の為になるのですから、進んで身
代金を提供すべきという議論さえなりたちます。

まあ、自分に降りかかってくるとは思わなかったので、九条カルト
仲間の奉加帳に名前を加えたのだと思います。それが、自分の事と
なった瞬間に、態度を変えて護衛艦による保護を頼むのは、主催メ
ンバーである辻元清美議員が、他人を「疑惑のデパート」などと最
大級の非難を行いながら自分が秘書給与ネコババ事件で罪に問われ
そうになった瞬間に、今までの主張を忘れて逃げ回ったり、会見で
ウソの釈明をした事が思い起こさせます。

しょせん、ピースボートの主義主張はお題目に過ぎない事を、これ
程明確に示した事もないと言えますし、サヨクが所詮ダブルスタン
ダードの使い手である事を、これ程あからさまに示す例も少ないと
思います。これではブサヨと言われても仕方がありません。

他人事ですが、折角の得がたい機会なのですから、憲法9条の精神
を発揮してソマリア海賊と徹底的な話合いを行い、海賊の武装解除
に成功して欲しかったと思います。


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2009年5月13日水曜日

A400Mレスキュー会議は半歩前進

※Reutersのサイトから転載

A400Mレスキュー会議の進捗について

エアバス社の親会社であるEADS社とヨーロッパ各国政府は遅延している軍用機
の製造を元に戻すため、A400M技術仕様を定めることで「前進」を果たしたと、
会談に詳しい消息通は語った。

技術的要求を単純化するのは、その遅延がドイツと英国を怒らせ、EADS社と
NATO加盟欧州7ヶ国政府との間で行われている欧州最大の軍事プロジェクトを
救出する会議での三つの主要な障害の内の一つを解決する事になる。

他の主要な論点は、1億ユーロ(8,960万ポンド)と推定されるA400Mの機体価
格と新しい引渡しスケジュールへの同意の取り付けである。
「技術的性能を定める上では良い進歩があった」と、関係者の一人は率直に語
っている。

A400Mは軍隊と大型装備をアフガニスタンのような不整地に輸送する為に設計
された機体だが、2003年に欧州七ヶ国政府から総費用200億ユーロでの発注を
受け開発がスタートした。

機体は2009年から引渡しが開始される予定になっていたが、まだその処女飛行
も行われていない状態にある。開発は主としてエンジン問題によって遅延して
いる。しかし、製造メーカーは、国毎にカスタマイズされた要求(例えば防御
機能や航法援助機能)についても問題視している。
例えば、ドイツは、60機のA400Mの導入を予定しているが、攻撃を避ける為、
地形にそって飛行する匍匐飛行機能を要求している。

業界筋によると、EADS社は開発上のリスクを減らすために第一段階では機体の
基本的なバージョンを生産したいという意向を持っており、それが軌道に乗っ
た後で、より複雑な機能を加えたいとしている。

契約上の遅延条項を適用させることで、購入政府は4月1日にプロジェクトを
キャンセルし、EADS社に前渡し開発費用57億ユーロを払い戻すよう命令するこ
とができた。しかし、彼らは緊急会談で7月までの支払い猶予を宣言した。

EADS社は、初飛行から3年後に最初のA400Mを引き渡すと述べたが、その具体
的な期日については、重要なエンジンソフトウェアの準備状況によると語った。

遅延に対しキャンセルする事も辞さないとしている英国やフランスのような買
い手は、可能なかぎり早く彼らの発注した機体を入手し、世界的な活動の支援
や、老朽化した輸送機隊の更新を一日も早く行う事を希望している。

スペイン、ベルギー、ルクセンブルク、トルコと言った他のヨーロッパの買い
手国と南アフリカとマレーシアは、輸出仕様のものを購入するのに同意してお
り、現在の契約交渉での役割は特にない。

EADS社は、この何ヵ月にも及ぶ否定的な広報を終え、6月中旬のパリ・エアシ
ョーでプロジェクトの再開を発表する事に熱心になっている様に見える。

(Reuters 2009/5/11)

昨日は、787の進捗について取り上げましたが、今日は同じく泥沼
状態となっているA400Mの開発について取り上げます。

A400Mについては、新開発のプロップ・ファン・エンジンTP400の開
発が難航しており、当初予定通りの出力を得る事が出来ないのが最
大の問題です。最近のエンジンはFADEC(Full Authority Digital
Engine Control)という全自動デジタルエンジンコントロール機能
が搭載されています。エンジン出力が目標通りにいかないのは、こ
のエンジン制御コンピュータの問題でもあるのです。その為、上記
の記事でも、引渡しは、このエンジン管理ソフトの引渡し日によっ
て左右されると書かれている訳です。

これに加えて、新機種開発での古くて新しい問題である機体の重量
過大という問題があります。これは787でも全く同じ現象が生じて
います。

このエンジン出力不足と機体重量過大により、他の問題、ペイロー
ド過少、航続距離過少と言った問題が複合的に発生する事になって
きます。新規開発の機体には既存エンジンまたはその改良型を使う
のが鉄則なのですが、A400Mについては、新規開発のエンジン、機
体の両方で問題が出た事になります。(この点で、XP-1哨戒機の開
発でエンジン、機体両方に問題が出ていない事は、奇跡の様な事と
いう思いを強くします。)

今回のレスキュー会議で技術的な要求仕様について合意が取れたと
書かれているのは、実際には、エンジン出力不足と機体重量過大を
認めて性能要求の切り下げが承認されたという事と解釈できます。
合意された性能は、現状とそうかけ離れたものではなかったでしょ
うから、その点で、A400Mの量産には目処がついたと言えるかも知
れません。

後は、価格と納期についての合意が得られればEADS社=エアバス社
は、パリ・エアショーで大きな顔が出来る事になります。
それでも、計画から比べれば3年から4年の遅延になります。
これに比べればC-Xの2年の開発遅延もかわいく見えますね。


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2009年5月12日火曜日

787は、リスケ後の開発スケジュールを維持できるか?


※塗装工場を出て給油ステーションに向かう試験飛行一号機。
ボーイング社サイトから転載

ボーイングが悲観論に回答。787の開発スケジュールを維持

ボーイング社は、先週発表された悲観的な調査結果にも係わらず、来年第一四
半期の全日空への引渡しを遅らせる事なく形式証明を取得する事に自信を示した。

ボーイング社は、調査会社バーンスタイン社による用心深い評価に対して回答
を示し「過去の787プログラムの達成度を元にすれば悲観的になるのが自然で
あるのは理解できる」としながらも、その調査結果については、いくつか誤り
があると批判した。

その声明でボーイングは、次の様に述べた。「我々は、777プログラムの経験
に基づいた、787の堅実な飛行試験計画を持っている。我々は飛行試験計画の
内の地上試験部分をより良く管理できる可能性がある新しい方法論を確立した。
そして、我々の飛行試験計画では、機体当たりの飛行試験時間は777と同程度
に設定している。我々の飛行試験チームは1日24時間1週7日稼動する事に
なっており、777プログラムと比べ、より多くの専任飛行試験スタッフ、即ち、
より多くのパイロット、テストディレクター、地上作業員、飛行試験エンジニ
アを保有している。」

性能面の懸念に関しては、同社は787は、「すべての顧客に約束した任務ペイ
ロードの条件を満足している」と述べたものの、「量産初期の機体が予定より
重い事から、重量軽減の為に努力している」点を認めた。

バーンスタイン報告に関して、同社の声明は「航続距離に関する結論は、不正
確であり、787-8の航続距離は、7,000nmより8,000nmに近い。」と述べた。
バーンスタイン調査報告では、「顧客や部品メーカーとの議論から得られた理
解では、量産初期の機体については、凡そ8%の重量超過となっており、これに
より航続距離は、予定より10%~15%減少している。これは当初約束されていた
7,700~8,200nmの航続距離に対し約6,900nmとなる事になる。」と述べていた。

ボーイング社は生産計画についても、「生産準備と重大なデザインブロックの
変更について完全にパートナーと一致しており、2012年内に月当たりの10機の
機体を完成させるという目標は満足できる。」としている。これについてバー
ンスタイン報告では、今週までについては正確に生産上の問題と生産の減速を
予測した上で、月産10機の製造目標は2013年中頃までは成し遂げられないと予
想している。
(ATW Online 2009/5/06)


開発が泥沼に陥ってしまっていたボーイング787の開発ですが、
漸く6月末までには試験飛行が開始出来る様になった様です。
5/5のボーイング社の発表では初飛行前の最終地上試験を開始準備
が整い、テスト用の機体が地上点検に向け列線に並んだとしています。

この地上試験では、外部電源供給の確認や、機上補助電源を使用し
た機器点検、燃料補給、着陸脚の取り回し、システム面の最終確認、
地上滑走試験等々が行われる予定ですが、ボーイング社の発表では、
その結果は今の処良好との事です。

その一方で記事にも引用されているバーンスタイン報告は、航空会
社に対し、試験飛行が始まっても、型式証明の取得に遅れが生じる
事で、更に、六ヶ月程度の引渡し遅延が発生する事を警告しています。

元々の試験飛行計画自体も、従来の開発の遅れをキャッチアップす
る為に、非常に野心的に設定されており、8.5ヶ月~9ヶ月で、
型式証明を得る為の全ての飛行試験を終えるとしています。
ただ、787は機体がフルにコンピュータ化している為、地上では、
システムを完全にはテストできない面もあるとの事で、この面の機
能確認は、実際に機体を飛行させないとバグ出しができない事はボ
ーイング社も認めています。

その為、飛行試験で問題点が発生する可能性は従来より高く、更に
1日24時間1週7日のテストが元々予定されているので、トラブル
のリカバリーに対するスケジュール上の余裕が殆どない計画になっ
ている点で、一度齟齬が生じると連鎖的に全体スケジュールに影響
が与える懸念も高くなっていると言えます。

その為に、飛行試験には十分なリソースを取っているとボーイング
社は主張している訳ですが、今までの実績から見る限り、現時点で
は、悲観的な観測の方が、正しい予想である気がしてなりません。

ボーイング社は、この処、いくつものプロジェクトで開発遅延を発
生させてきました。787プロジェクト以外にも、比較的簡単と思わ
れた既存機からの改造プロジェクトである、KC-767プロジェクト、
P-8Aプロジェクトと開発遅延を重ねています。
勿論、競争相手であるエアバス社もA-380、A400Mとボーイング同様
に開発遅延を発生させていますし、日本でも、C-Xの開発が大幅に
遅延しているのは周知の事実です。これらを見ると機体開発が一般
的に難化している様にも思われます。

機体のインテリジェント化が進み、機体を極限まで、軽量化する事
で、所要の性能を達成しつつ、アウトソーシングを多用して生産性
は最高のものを目指すとするアプローチは、正しいと思いますが、
その一方で、機体設計のコンピュータ化の恩恵を過度に評価して、
短く設定された開発期間が機体開発に大きな無理を強いているとい
う思いを強くする処です。その影響が安全面に出ない事を心から祈
念したいと思います。


[現在の787の開発スケジュール]

初飛行  2009年第二四半期末
一号機引渡  2010年第一四半期中



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2009年5月11日月曜日

着実に潜水艦大国への道を歩む韓国


※写真は212級潜水艦の管制コンソール。韓国の214級潜水艦もこれと略同じ。

3千トン級潜水艦、2020年から順次戦力化

【ソウル10日聯合ニュース】国防部が、海軍の3000トン級次期潜水艦
(KSS-III)開発事業などを1~2年遅らせる方向に「国防改革基本計
画」を修正した。

政府消息筋が10日に伝えたところによると、同部は盧武鉉(ノ・ムヒョン)
政権で樹立された国防改革基本計画の戦力導入事業のうち、事業費規模が相対
的に大きいKSS-III開発と空中給油機、高高度無人偵察機の導入事業を
順延する方向で計画を手直しした。2018年からの戦力化が決まっていた次
期潜水艦は2020年に1番艦を戦力化し、2022年と2023年にそれぞ
れ2番艦、3番艦を開発、戦力化することになる。

軍は1隻1兆ウォン(約791億円)近い次期潜水艦9隻を国内企業の主管で
独自に設計・建造し、戦力化する計画だ。2007年に基本設計に着手してお
り、ことしは事業費250億ウォンが反映された。海軍は2018年までに9
隻が建造される214型潜水艦(1800トン級・1隻5500億ウォン)、
次期潜水艦9隻などで潜水艦司令部を創設する案を進めている。

軍はまた、F-15KやKF-16などの作戦半径拡大を目指した空中給油機
の導入を、2013年から2014年に遅らせることにした。政府消息筋は、
米空軍が来年上半期に空中給油機の機種を決定する計画だとし、「米空軍と韓
国空軍は相互運用性を備えているため、米軍が選定した機種を参考に事業を進
める方向に大筋を定めたものと承知している」と説明した。

計画に基づき、空軍は北部戦闘司令部を創設し、戦闘機420機余りと空中給
油機、早期警戒管制機、次期誘導兵器(SAM-X)、短距離誘導兵器(M-
SAM)を確保、精密打撃能力を現在の平壌~元山以南から朝鮮半島全域に拡
大する。

対北朝鮮偵察機の制限的な監視能力を高めるため、2011年ごろ海外から導
入する予定だった高高度無人偵察機は、2015年に導入が先送りされる。軍
消息筋は、高高度無人偵察機は来年から先行研究が開始されるが、海外のデー
タ収集や研究期間などを考慮すると4年の順延が避けられないと伝えた。

国防部は来月末までに国防改革基本計画の修正案を最終確定する予定だ。

(聨合ニュース 2009/5/10)


記事によれば、導入スピードが多少スローダウンする事になります
が、韓国は、現在整備中の214級潜水艦9隻に加えて、三千トン級
潜水艦9隻を整備すると全体で18隻の現代的潜水艦を保有する事
になります。

日本が現在保有している潜水艦の数は16隻、これに加えて2隻程
度の練習潜水艦がありますが、これは実戦向けの戦力ではありませ
んので、韓国の潜水艦建造計画が実現すれば、日本の潜水艦隊は質
量共に韓国に凌駕される事になります。

以前から書いていますが、日本の潜水艦は諸外国の潜水艦との受注
競争がない事から、自動化、コンピュータ化等の最新技術の適用が
10年程度遅れている様に思われます。主機関の管制コンソールな
ど20年進歩がないと言っても過言ではないのです。

勿論、国産技術で全てを賄えれば良いのですが、量産規模に達しな
けば、国産技術はその内容に比べ割高になるケースが多いとは言え
ます。その点、韓国は自国で潜水艦を建造する技術はあっても潜水
艦設計技術が元々ない事から、しがらみなく最新の技術を取り入れ
る事が出来ます。

潜水艦技術は専門性が高い割には、一国では建造数が十分な量産規
模に達しない事から、早くから、世界的にも少数の建造メーカーが
寡占的に輸出するという状態が発生していました。
韓国が技術輸入しているHDW社は、その最も有力な建造メーカーと
言って良い存在です。
韓国の新しい三千トン級潜水艦がHDW社の設計になるかどうかは不
明ですが、建造された段階で世界最新のものになるのは間違いあり
ません。

そろそろ日本も積極的に最新の潜水艦技術を欧米メーカーから導入
すべきではないかと考える次第です。


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2009年5月8日金曜日

悪意の共和国

北朝鮮が米政権を名指しで初非難 「わが国への敵視政策に少しも変化はない」

北朝鮮の外務省報道官は8日、「オバマ米政権がスタートし100日間の政策
動向を見守ったが、わが国への敵視政策に少しも変化はないことが明白になっ
た」と述べ、オバマ政権を名指しで初めて非難した。朝鮮中央通信を通じ語った。

報道官はまた、「われわれを変わりなく敵視する相手と向き合っても、何も生
まれない」と指摘、米国の政策転換がない限り対話する意向のないことを示唆
した。

北朝鮮は4日、外務省報道官が朝鮮中央通信を通じ、「現在の米政権」との表
現でオバマ政権非難を開始した。6カ国協議再開に向け、7日から日中韓など
参加国への歴訪を始めた米国の北朝鮮担当、ボズワース特別代表の動きをけん
制する狙いもあるとみられる。(共同)
(産経新聞 2009/5/08)


黙っていても経済援助を開始してくれるのかと期待していたら残念
ながら、国際ルールを守れと言われたので、今度は拗ねる事にした
という解釈が正しいのかも知れません。

当然、二ヶ国対話を始めるだけで米国の譲歩を迫るといういつもの
外交政策です。

でも、本当に面白いのは、こういうミエミエの北朝鮮の外交手法に
米国って乗っちゃうんですよね。これが、政治と人気を意識しない
といけない米政権の癖の様なものです。米国としては、北朝鮮の為
に一人たりとも米兵の命を失いたくない。でも、放置しておくと
「ならずもの国家」に核拡散をしてしまいそうなのでそれは何とか
したい。となると米国は譲歩するしかないという事になります。

クリントンの時にさっさと攻撃して金正日体制を転覆しておけば、
世界はもう少し安全だったと思いますが、この辺が民主党政権の弱
点です。

バラク・オバマ氏に是非覚えておいて欲しい言葉があります。
地獄への道は善意で舗装されている。(Hell is paved with good intentions.)
というイギリスの古い諺です。

世界には信じられないことに「悪意の共和国」というのがあるんです。


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2009年5月1日金曜日

産経新聞さん、不適切な表現に苦言を呈します


※コリンズ級潜水艦 Australia Dept. of Defenceサイトから転載

豪、中国に対抗 シーレーン防衛、潜水艦・哨戒機など軍備大増強計画

【シンガポール=宮野弘之】オーストラリアのラッド政権が、第二次大戦後、
最大となる軍備増強を計画している。近く発表される国防白書で今後20年間
で潜水艦隊を倍増し、新たにF35戦闘機を100機導入するなど装備の大幅
な刷新と増強の必要性を表明する見通しだ。地元紙オーストラリアンが伝えた
もので、アジア太平洋地域で空母を含む中国海軍の増強に対抗するものとされ
る。ただ、ラッド首相はこれまで「親中派」とみられてきただけに、今回の計
画に中国が強く反発することも予想される。

白書では、アジアにおける中国の着実な軍備の増強により、アジアの大国間で
海軍力の増強競争が起こると分析。その結果、巡航ミサイルを搭載した新世代
の潜水艦や軍艦、さらに対潜水艦戦や電子戦用の基盤整備が進むだろうとして
いる。

こうした地域情勢に対応してオーストラリアとしても海軍力を中心に増強をは
かり、シーレーン(海上交通路)の防衛に努めるのが狙いだ。

ラッド首相も昨年末、「シーレーンを守ろうとするつもりなら、相応の能力が
必要だ。わが国は、そのために必要な海軍力を将来持たなければならない」と
述べていた。

白書では、今後の国防計画について、弾道ミサイル防衛システムを搭載した
7000トン級の戦艦8隻、さらに1500トン級の新型の哨戒艇を2020
年までに導入するとしている。

さらに海軍力を増強するため、対潜哨戒機も旧型のAP3オライオンから、
P8ポセイドンへと更新、少なくとも8機を導入する計画だ。さらに対潜ヘリ
コプターを27機以上導入することが検討されている。

一方、空軍はF18の後継として、F35ステルス戦闘機100機を14年ま
でに調達する。また、C130Jハーキュリー輸送機6機を増強、C27J輸
送機の導入も検討されている。そのほか、陸軍もヘリ部隊の増強や新型の装甲
戦闘車の配備を進める。

白書では、オーストラリア軍は同国周辺、特に南太平洋地域における安全保障
を先頭に立って確保する能力が求められているだけでなく、さらに遠方へ軍を
展開する能力も必要としている。

(産経新聞 2009/4/29)


記事の言わんとしている内容については問題はありません。ラッド
親中政権ですら無制限な軍拡を続ける中国に対して対抗する必要を
感じているというのは、十分大きなニュースです。
また、そういう前提に立てば、ラッド政権の成立で一旦中断状態と
なっている日豪防衛協力を、オーストラリアとしても今後推進せざ
るを得なくなっているとも考えられます。

本音では捕鯨問題で如何に気にいらないにせよ、新興大国意識ムン
ムンの中国に対して、保険として、同じ圧力を受け、民主主義国と
して共通の価値観を持つ国との協力関係を推進すべきであるという
論理的な結論にオーストラリアの労働党政権が漸くたどり着いたの
は、ご同慶の至りとも言えます。

しかしながら、そういう内容を補完すべき記事の細部が頂けません。
産経新聞シンガポール駐在の宮野記者は、もう少し軍事関係の知識
を増やさないと折角、立派な安全保障関係記事を書いても、常識的
な軍事知識もない事が明らかである為、信頼性が失われてしまいま
す。

この記事の元ネタは、2009/4/25付け The Australian紙の
"White paper orders huge military build-up"
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,,25383010-22242,00.html
であると思われますが、直訳した事による誤訳が散見されるのです。

まず、「7000トン級の戦艦8隻」という表現がありますが、こ
れは、「7000トン級の戦闘艦8隻」と訳すべき部分です。
英語ではWarshipsと書かれていますが、日本語で言う「戦艦」は、
英語ではBattleshipとなります。ちなみに、現在、世界で戦艦を
使用している海軍はありません。ちなみに、ここで書かれているの
は、オーストラリアがスペインに発注しているイージス艦の事です。
日本や米国のイージス艦より一回り小型ですので、艦種としてはミ
サイル駆逐艦という表現が一番正確と思われます。

次に「1500トン級の新型の哨戒艇」という表現が出てきます。
一般的には、哨戒艇という艦種は500トン程度までの小型艦艇を
指す表現です。原語では、1500-tonne corvette-size patrol boats
なっていますが、ここでは、「1500トンのコルベット級新型哨
戒艦」と訳すべきだったと思われます。

また、細かな表記の問題になりますが、F35、AP3、P8等の
記載はF-35、AP-3、P-8という表記が通常使われますし
元の記事ではそうなっています。ハイフンであっても型式名を記者
が勝手に省略すべきではない事はいうまでもありません。細部に対
するこだわりかも知れませんが、記事を書く際にそういう事を踏ま
えているかどうかは、知識があるかないかを示すバロメータにもな
りますので疎かにできないのです。

更に言えば、この誤った表現の記事が編集者による校正もなく通過
してしまう事にも首を傾げてしまうのです。
産経新聞が、安全保障面に強い点を売りにするのであれば、軍事知
識の初歩の部分で読者に疑問を持たせる事はすべきではないと考え
ます。


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2009年4月30日木曜日

北の挑発に乗らず、粛々と経済制裁を続ける


北、安保理議長声明に反発「謝罪なければ核実験」

北朝鮮の外務省報道官は29日、国連安全保障理事会が同国の「衛星」打ち上
げを非難する議長声明を採択し追加制裁を決めたことに関連し、安保理の謝罪
がなければ、核実験や大陸間弾道ミサイル発射実験などを含む「追加的な自衛
的措置を講じざるを得なくなる」との声明を発表した。

また、声明は「軽水炉発電所建設を決定し、その最初の工程として核燃料を自
ら生産、保障するための技術開発を遅滞なく始めるだろう」と濃縮ウランによ
る核開発も示唆した。

北朝鮮は今月25日、使用済み核燃料棒の再処理作業開始を明らかにするなど
緊張を高めており、今回も瀬戸際外交の一環とみられる。韓国の外交安保研究
院の尹徳敏教授は「対米交渉に向け、核武装を既成事実化させるために核実験
を行う可能性が高い。今回の声明もそのために緻密(ちみつ)に練られた手順
の一つだ」と分析している。

(産経新聞 2009/4/30)


関川夏央の「退屈な迷宮」の中に、北朝鮮は、釘一本作れないとい
うくだりが出てきます。北朝鮮は鉄鋼生産はしているが、釘に必要
な軟鋼が生産出来ない事から釘一本も輸入に頼っているという話で
す。実際に釘を生産できないかどうかは、判りませんが、北朝鮮が
工業製品を製造する場合に、その原材料の殆どを輸入に頼っている
事は事実でしょう。

今回の声明の中で、北朝鮮は、核実験、大陸間弾道弾(ICBM)発射実
験、軽水炉発電所の建設、核燃料生産と色々なメニューを並べてい
ますが、これら全ての製造、建設の為の資材は、輸入に頼らざるを
得ないという事を忘れてはなりません。特に、数発の実験兵器とし
てであれば、それ程の巨額ではなかった核兵器も、兵器体系として
頼れるものを配備しようとすると巨額の費用がかかってきます。
北朝鮮の場合は、核ミサイルを配備する事が一番費用がかからない
と思われますが、それであっても核弾頭の生産と配備、発射統制シ
ステムの整備は最低限必要となります。既存のミサイルを改造する
のか新造するのか別にしてミサイル側にも手を入れる必要がありま
す。

更に、核燃料を生産する為には、ウラン濃縮工場が必要になります。
遠心分離式にすれば、北朝鮮の必要とする規模に応じた工場とする
事ができるでしょうが、それでも数百台から1000台規模の遠心分離
機を備える必要があります。遠心分離機の設計図はパキスタンのカ
ーン博士の整えた核の闇市場で既に流通しているようですから、北
朝鮮も既に入手済みでしょうが、遠心分離機そのものはイランが行
った様に設計図にそって自ら生産しなくてはなりません。

それこれ考えると、核兵器体型の整備には、少なくとも数百億から
数千億円の費用を要する事になります。そして、その多くは輸入に
当てなくてはなりません。資材の輸入には、ハードカレンシーが必
要になります。北朝鮮が、なんとしてでも、このハードカレンシー
を入出しようとする筈です。それは、既に切り詰められている食料
等の輸入品に対する割り当ての削減かも知れませんし、覚醒剤や武
器、ニセ札、ニセ煙草、援助食糧横流しによる輸出増によるものか
も知れません。あるいは在日朝鮮人からの送金の増加に頼るかも知
れません。何れにせよ。今まで以上に核兵器に資金を使う以上、そ
れに必要な資金は捻出されねばならない
のです。

日本としては、この資金が日本から北朝鮮に流れる事を絶対に阻止
しなければなりません。そして、その手を打った上で北朝鮮を放置
すれば、軍備への過大投資が原因となったソ連型の体制崩壊に北朝
鮮を導ける可能性が高くなると考えるのです。
北朝鮮には、是非、核兵器体系整備の為に、第二の「苦難の行軍」
を実行して貰いましょう。


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2009年4月28日火曜日

中国海軍のR&Dの焦点


※J-10 keypublishing forumから転載

中国海軍は、超音速巡航能力を持つ戦闘機を要求
by Bradley Perrett

超音速巡航能力を持つ戦闘機の取得は中国海軍で高い優先度にあると、高位の
海軍提督が公式インタビューで明らかにした。この高官はインタビューの中で、
中国海軍の公認されている弱点と将来進むべき方向性について強い手掛かりを
与えている。

中国人民解放軍海軍司令官である呉勝利提督は、また、敵の防御力に打ち勝つ
精密誘導ミサイルの研究を進めなければならないと語ると共に、中国は大型戦
闘水上艦艇-恐らく、ますます差し迫っている空母プログラムを意味すると思
われる(AW&ST 1/5/2009 p22)をより速やかに開発しなければならないと語った。

アフアーバーナーなしで超音速飛行を可能にする超音速巡航能力に対する呉提
督の要求は、J-XXと呼ばれている次世代中国戦闘機がその様な能力を利用可能
である事を示している様に思われる。

「ひとつの可能性は、J-XXが超音速巡航用に設計されており、呉提督がその航
空機の海軍版を作る案をサポートしようとしているということです」と、シン
ガポールのS. Rajaratnam国際研究学校のシニアフェローであるRichard
Bitzingerは語る。

J-XXのデザインは、まだ知られていない。それは全く新しい航空機かも知れな
いし、最近就役したJ-10の発展形とも考えられる。

J-10の構成はEurofighter Typhoonと類似しているが、Typoonは、メーカーに
よればマッハ1.5の超音速巡航能力(有効な外部兵装を装備した場合にはスピー
ドは幾分低下する筈)を保有している。

中国海軍にとっての、超音速巡航能力の優位点は、短い時間で、大きな防御エ
リアをカバーできる事であり、それは、遠距離にある米国の空母戦闘団を想定
目標と考えれば非常に有効である。

重要なことは、呉提督が、中国海軍がここ10年程度で実現できる様に思われる
他の要求事項と同じリストの中に、この超音速巡航戦闘機を含めていると言う
事である。それは、彼が、絵空事のような飛行性能と考えていない事を示唆し
ている。

「洗練された機器は、海軍が地域的な紛争に勝つための重要な基礎的素材です。」
と、呉提督は、明らかに台湾海峡で対立の可能性に言及する。そして、「我々
は、重要な武器に対する取組みに歩速を速めなければなりません。」と語って
いる。更に、それに加えて以下の様に語った。
「我々は大型水上戦闘艦艇、ステルス性能を持つ長持久力潜水艦、超音速巡航
性能を持つ戦闘機、敵の防御力に打ち勝つ精密で長射程のミサイル、深深度性
能を持ち、高速で、インテリジェントな魚雷、互換性と共通性を提供する電子
戦闘装置といった次世代兵器を開発しなければならない。」

(AW&ST 2009/4/27)

中国海軍 大型水上戦闘艦艇など新装備を開発

中国人民解放軍の海軍が成立60週年を迎えるにあたり、中国共産党中央軍事委
員会委員で海軍の呉勝利司令員が13日にメディアの取材に応じ、海軍の60年の
歴史を振り返り今後の発展を展望した。

呉勝利司令員によると、60年の発展で水上艦艇部隊、沿岸防衛兵、航空兵、潜
水艦部隊、陸戦隊の5兵種で編成された戦略的で総合的、国際的な海軍になり、
5兵種は半機械化から機械化へレベルアップし、徐々に情報化へ変更している
という。

キーワード1:新式装備

海軍は新世代の艦載戦闘機を研究開発する計画で、当面、3つの艦隊は駆逐艦と
護衛艦の分隊、モーターボート分隊、上陸用舟艇分隊および作戦支援艇分隊の
数十隊と、3級以上の戦闘艦艇数百隻を擁し、その容積トン数は1980年代に比
べて5倍に達するなど、艦艇の総合的な戦闘力が大いに強まっている。

重点は兵器と装備の開発を迅速に行わなければならない点で、大型の水上戦闘
艦艇、水中での連続潜航時間とステルス性の高いすぐれた新しいタイプの潜水
艦、超音速巡航戦闘機、防衛システムを突破する能力が強い精密な遠距離ミサ
イル、深深度高速人工知能魚雷、通用性と許容性を兼ねた情報戦の装備など、
新しいタイプの兵器と装備を研究開発する必要がある。

また各戦略的方向では、戦略的な母港を中心とする沿岸保障力をしだいに形成
し、海上での修理や遠洋兵力の輸送、大型救援と補給面での整備を強化する。
今後、遠洋機動戦力と戦略的な兵力輸送能力を、軍事力整備システムに組み入
れることにしている。

キーワード2:航空兵

第三世代の戦闘機が配備されるにつれ、航空兵部隊の全ての戦闘旅団は、多地
域間の機動作戦に参加することができるようになり、戦闘準備のパイロットは
全員ミサイルの実戦訓練に参加する。

キーワード3:人材の養成

新しいタイプの総合補給艦に代表される後方勤務の艦艇装備部隊の発足で、保
障艦艇の容積総トン数は80年代の6倍に達している。大型の戦略的な母港や重
点空港、後方の戦略的倉庫を建設し、艦船や航空機、装備の修理基地を十数所
も建設するなどして、遠洋に向かう海軍を強くサポートしている。

近年では高学歴の艦長やパイロット、仕官の養成規模が5年前に比べて10倍に
なり、4カ所の海軍の大学は仕官の訓練を行い、毎年、訓練を受けた仕官と兵
士は5000人に達している。

キーワード4:沿岸部隊

現在、沿岸部隊は全面的にミサイル化を実現し、新世代の沿岸ミサイルも全面
的に配備され、海軍の沿岸部隊は他の兵種による攻撃を支援する新しいタイプ
の兵種になった。

防衛システムを突破する能力が強化され、知能化レベルも向上、射程もより遠
くなり、妨害に対する抵抗力がより強い新世代の沿岸ミサイルが全面的に配備
されるにつれ、要地防空と近海防空能力を備える沿岸防衛部隊は、ほかの兵種
の攻撃に効果的にサポートする新しいタイプの兵種となった。

キーワード5 潜水艦部隊

人民海軍潜水艦部隊の防衛システムを突破する能力は明らかに向上している。
潜水艦は水中での重要な突撃力として海軍にとって重点的に構築する兵種であ
る。新世紀では新しいタイプの通常動力型潜水艦や原子力潜水艦が相次いで配
備され、新タイプの潜水艦には、超長波通信システム、データチェインシステ
ム、戦術ソフトウェア、指揮自動化システム、知能魚雷、精密誘導ミサイルな
どの装備が配置されている。またステルス性や連続潜水時間、生存力が明らか
に高まり、水中での防衛能力が明らかに強まった。

キーワード6 軍事演習と訓練

この10年、海軍は集団での海上作戦や戦役演習を30回以上実施してきた。これ
らの演習によって新しい戦法を検証し、海軍の一体化と総合的戦力、戦略抑止
力が大いに引き上げられた。

海軍の遠洋訓練はすでに日常的になり、海軍の5兵種は毎年数回、遠洋での演
習を実施している。そのうち水上艦艇の昼夜航行訓練は数百ノットから数千ノ
ットになり、潜水艦の水中での待機訓練は十数日から数カ月にわたっている。

(「チャイナネット」 2009/4/16日)
(人民網日本語版 2009/4/26)


中国海軍のR&Dに関する面白い記事がAviation Weekに掲載されてい
たので、ご紹介します。

元ネタがないか探していたら、人民網の4/22の記事の中に該当する
ものを見つけましたので、是非比較して頂ければと思います。

Aviation Weekは航空関係がメインですが、人民網の報道と同程度
の情報から、これだけの推測を行えるというのは流石に専門家と関
心しました。

なお、中国海軍のR&Dの中では、潜水艦のステルス性能と水中での
連続潜航時間向上が出ているのは、原潜を保有する中国でも、主と
して通常動力潜水艦での課題と思われる問題が結構深刻に捉えられ
ている事に興味深く感じました。

少し疑問なのは、対空ミサイルに対する関心の少なさです。対艦ミ
サイルが取り上げられているのに対空ミサイルが課題リストから落
ちているのは、中国が対空ミサイルに自信を持っている表れかも知
れません。


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2009年4月27日月曜日

中国の海軍力は日本を上回る


※晋級SSBN Globalsecurity.orgより転載

海軍能力「世界の6強」 中国紙報道、日本上回る

【北京23日共同】中国国営通信、新華社系の時事週刊紙「国際先駆導報」は
23日、中国海軍の総合的な実力について「米国、ロシア、英国には及ばない
が、日本を上回り、インド、フランスと並ぶ」と指摘し、世界の6強に入って
いると報じた。

同紙は主要国の海軍(日本は海上自衛隊)について、作戦行動が実施できる範
囲を3分類し(1)世界各海域=米国(2)自国近海と一部遠洋海域=ロシア、
英国(3)自国近海=中国、フランス、インド、日本-と分析。

日中の比較では、中国海軍が戦略ミサイル原子力潜水艦などで「一方的な優位」
にあると指摘。原潜以外でも、中国が先進的なミサイル駆逐艦や通常型潜水艦、
戦闘機を相次ぎ就役させ、日本が優位といえなくなったとしている。

(共同通信 2009/4/23)


この「中国の海軍力は日本を上回る」という結論を否定してかかる
方も多いと思うのですが、私は逆に、中国人民解放軍海軍の方がバ
ランスの取れた構成であると思います。勿論、装備の多くは旧ソ連
設計、中国製造で旧式化しているものも多いと思いますが、20年継
続した国防費二桁増加は確実に装備の近代化に回っています。

米国国防総省発行の2009年版「中国の軍事力」によれば水上艦艇の
25%、潜水艦の47%が"近代化"されています。近代化されたものだけ
とっても、決して過小評価は出来ません。

空母はまだ計画段階であるにせよ艦艇は主要水上艦艇74隻で、ここ
数年の間に051C級及び052C級ミサイル駆逐艦各二隻、054A級ミサイ
ルフリゲート4隻を取得しています。これらの国産水上艦艇は有力
な長中射程の対空ミサイルを装備しており、ロシアから輸入したソ
ブレメンヌイ級と合わせ来るべき空母機動部隊の構成要素と目され
ています。

潜水艦では夏級戦略ミサイル原潜に加え、後継の晋級戦略ミサイル
原潜の配備が進められており戦略抑止力を備えています。攻撃型原
子力潜水艦も漢級に代わって商級が配備されています。
これらの原子力潜水艦は、日本では政治的に配備できませんが、中
国海軍が日本を凌駕する大きな要素であると言えます。

また、海上自衛隊が、対潜哨戒機しか持たないのに比べ、機数だけ
を数えれば、航空自衛隊を凌駕する戦闘機、爆撃機からなる海軍航
空隊を保有しており、旧型機に代わって爆撃機はTu-22Mバックファ
イア、戦闘機も新型のSu-30MK2の配備も開始されています。

さらに二個旅団1万人からなる海兵隊を有し、37隻の両用戦艦艇を
保有している点も、台湾侵攻の為とは言え、総合的な海軍力強化に
役立っています。

これらを装備する人民解放軍海軍の要員数は、約29万人と見積もら
れていますが、4.5万人の海上自衛隊の比べ、六倍以上になってい
ます。

勿論、軍備や兵力の多寡が実力を決定する訳ではなく、装備の性能
と数、それと要員の錬度との乗数になりますから、一概に中国の方
が上とは言い切れませんが、闇雲に海上自衛隊の方が上とも言い切
れる訳ではないと認識するのが正しい情報評価の態度ではないかと
思われるのです。

例えば、ソマリアの海賊対策では、日本が護衛艦を派遣するより数
ヶ月前に中国は、略同規模の艦隊を派遣しています。中国が全体主
義国で政策決定に時間を要しない事を考えても、艦艇がいつでも海
外派遣に出せる状態であった事、海賊制圧用の特殊部隊の準備も含
め、高いレベルの臨戦態勢が出来ていた事も事実であると思われる
のです。その点でも、海上自衛隊はうかうか出来なくなっている様
に思えてなりません。


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2009年4月23日木曜日

取材相手に「北京の手先」と罵倒されたNHK


「恣意的編集ない」 NHKスペシャルへの抗議に放送総局長

5日に放送された「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー 第1回
『アジアの“一等国”』」の放送内容が偏向していたとして、「日本李登輝友
の会」(小田村四郎会長)が同局に抗議したことをめぐり、同局の日向英実放
送総局長は22日の会見で「台湾の人たちが親日的であることは当然、十分承
知していて、それを前提にして伝えた」との認識を示した。
その上で「番組の趣旨、文脈がある。全要素を平等に個別の番組で伝えねばな
らないとなると、クリアに物事を申し上げられない。(NHKの)放送全体の
中で考えていただきたい。恣意(しい)的に編集することはない」と説明した。
NHK広報局によると、同番組に対し、21日までに電話やメールなどで
1900件を超える反響が同局に寄せられ、「戦前の台湾統治の状況をよく伝
えていた」「日本は台湾によいこともしており、一方的に悪いという描き方は
納得できない」などがあるという。

(産経新聞 2009/4/22)


NHKが放送した「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュ
ー」ですが、性格としては、昭和天皇を一方的に裁いた女性国際法
廷をNHKが取り上げたのと同じ目線を感じます。
今回、詳細は明らかになっていませんが、企画段階で北朝鮮の息の
かかったVOWW-NETのシンパが、またも入っているのではないかと思
われるのです。

Youtubeにチャネル桜が、今回の件について台湾を取材したものが
ノーカットで掲載されています。

1/8【台湾取材レポート】台湾取材の経緯などについて[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=dDMxsesr3TY 
2/8【台湾取材レポート】座談会・日本語族達の番組批評[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=s0xWSlGhCMM 
3/8【台湾取材レポート】蒋松輝氏インタビュー[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=tAL0FzMAwks 
4/8【台湾取材レポート】藍昭光氏インタビュー[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=s0xWSlGhCMM
5/8【台湾取材レポート】柯徳三氏インタビュー・1/3[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=eXvmpZbfooA
6/8【台湾取材レポート】柯徳三氏インタビュー・2/3[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=e9rYQ7ndA4I 
7/8【台湾取材レポート】柯徳三氏インタビュー・3/3[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=9lO3fbu508A 
8/8【台湾取材レポート】片倉佳史氏インタビュー[桜 H21/4/21]
http://www.youtube.com/watch?v=m76GwZ9PNoA 

その中で、台湾を取材したNHKの担当ディレクターからの釈明の
電話に対し、取材され、ネガティブな発言だけを放送され、日本の
友人から非難された台湾人の老人が「お前は北京の手先なのか」と
問質した様子が出てきます。それに対しこのディレクターは、それ
を否定した様ですが、こんな取り上げ方をするのは、サヨク反日分
子に違いがありません。

共産党独裁下で腐敗の度合いの激しい中国がバラ色の国で、自国を
極悪非道の国と報道する公営放送がある国は、日本以外にはちょっ
と思いつきません。

もともと公正中立な報道などありえないのですが、米国のNew York
Timesを含め、著名な海外報道機関が日本をみる目が事の外冷たい
事も、日本人が肝に銘ずべき事であると思います。特に、日本に駐
在経験のある報道関係者が殆ど、サヨク的洗脳を受け反日論者にな
って帰国している傾向が強い事は誠に憂慮すべき現象です。

学界、教育界、マスコミというトライアドが、冷戦時代同様、反日
サヨクの支配下にあり、反日思想が、国内的にも、国際的にも、日
々、拡大再生産されていると思われてなりません。そして、その影
響は、予想以上に長く継続すると考えざるをえません。世界の反日
の視線の中で、日本の進路には極めて暗い暗雲が立ち込めていると
言わざるを得ないのです。


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2009年4月22日水曜日

中川(酒)さん、北朝鮮相手に核武装は不要です


※写真は産経新聞サイトから転載

「核に対抗できるのは核」 北朝鮮情勢で中川前財務相

中川昭一前財務相は19日、北海道帯広市での会合で、ミサイル発射を非難す
る国連安全保障理事会議長声明に反発して北朝鮮が核開発再開を宣言したこと
に関連し「純軍事的に言えば核に対抗できるのは核だというのは世界の常識だ」
と述べ、日本として核武装を議論すべきだとの考えを表明した。

中川氏は安倍政権で自民党政調会長を務めていた平成18年10月にも「憲法
でも核保有は禁止されていない」と発言している。

中川氏は、北朝鮮が日本のほぼ全土を射程に入れる中距離弾道ミサイル「ノド
ン」を多数保有し、ミサイル搭載できる小型化した核爆弾を保有しているとの
見方を強調。「彼らは予告なしにいつでも撃ってくるという態勢に一歩近づい
た。対抗措置を常に議論しておかなければならない」と訴えた。

ただ、現時点での日本の核兵器保有の必要性については「核(武装)の論議と
核を持つことはまったく別問題」と述べ、当面は国民レベルでの議論に委ねる
のが望ましいとした。

(産経新聞 2009/4/19)


既に何度か取り上げていますが、「純軍事的に考えて」北朝鮮相手
に、日本が核武装を行う事は不要です。日本は現時点では、MDの
信頼性を高め、また、一方で日米安保条約の有効性を維持、強化す
る対策を取る事が正解であると思われます。

「純軍事的」に考えると、A国が核兵器を保有していて、それをB
国に対して使用した場合に、B国あるいは、その同盟国である核保
有国C国からA国に対して同程度の核兵器による報復があると信じ
るべき十分な根拠があれば、A国がB国を攻撃する事は抑止されま
す。これを抑止力と言います。また、C国がA国を核攻撃した場合
に、A国またはその同盟国である核保有国D国から同程度の報復が
予想される場合は、C国もA国を核攻撃する事が抑止されます。こ
の関係を相互抑止の状態と言います。(相互抑止の典型はA国、B
国が、米ソ冷戦時の様に互いに同程度の核保有国であるケースです。)

では、A,B,C,D国に各々、北朝鮮、日本、米国、中国と当て
はめた場合にはどうなるでしょうか。

日本は米国との間に日米安全保障条約があり、中朝の間には、中朝
友好協力相互援助条約がありますので、大きく見た場合は、相互抑
止が働いている状況にあると言えます。

ただし、モデルと比べ、北朝鮮と中国による日本と米国に対する核
攻撃は日米のMDによってミサイルが一定割合撃ち落されるので友
効性が減殺されています。また、北朝鮮が日本を核攻撃し、米国が
北朝鮮を報復した時、中国が米国を本当に攻撃するかという点につ
いては疑問が残ります。つまり六ヶ国協議で緊張の緩和努力を払っ
ている中国の意図を無視して北朝鮮が日本を核攻撃する事は、米国
の北朝鮮に対する報復に対する中国の米国に対する核報復の信頼性
を低下させる事になるからです。

日本国内でも、日本が核攻撃された場合に、米国はロサンゼルスを
犠牲にしてまで報復攻撃をするのだろうか?という疑問が出る事が
ありますが、それと同様に、中国が、その意図に反して核戦争を仕
掛けた北朝鮮との同盟の為に北京や上海を犠牲にするのかという疑
問は、より深刻に北朝鮮に問いかけられる事になります。


つまり、北朝鮮が六ヶ国協議で、ごねればごねるほど、中国の北朝
鮮に対する核の傘は相対的に破れ傘になっていくという訳です。

また、北朝鮮は自国の核の傘を整備している訳ですから、中国の核
の傘は何れ不要という事になります。中国から見れば、いずれは自
国の影響圏から離脱するであろう国に自国の犠牲による庇護を与え
ている訳です。つまり、皮肉な事に、北朝鮮の核兵器庫が充実すれ
ばするほど、中国の北朝鮮に対するコミットメントは、逆に不安定
なものになってくるのです。


冷戦時代に米国の核の傘に疑問を感じたフランスは独自の核武装に
走り、その結果、フランスが独自の外交政策を展開した事は、北朝
鮮にとっても良き先例に見えるかも知れません。しかし、実は大き
な違いがあります。フランスには、陸、海、空に核兵器システムを
展開する経済力がありましたが、北朝鮮はそれを欠くという厳然た
る事実です。
北朝鮮は、小さな再処理工場を動かせるかも知れませ
んし、数個の核兵器を製造する事もできるかも知れません。しかし、
米国を射程に収め、米国のMDを突破できる能力を有するICBM
を十分な数(恐らく数十基)展開できるかどうかと言う点です。
私は、北朝鮮には、それを行う経済力はないと考えます。

それが出来なければ、日本自体に核抑止力がなくても北朝鮮は日本
を核攻撃する事はできません。米国は、中国による報復を気にせず
に、北朝鮮を報復攻撃する事ができるからです。
従って、日本とすれば、米国による核の傘がいつでも機能する様に
しておく事、及び、万一の事態に備え、核ミサイルを撃ち落す能力
を高める事で、北朝鮮に備えた核武装を行う必要はないと言えるの
です。

中川昭一代議士は、保守派としては得がたい人材だと思いますが、
アルコール依存を止めると共に、軍事についても、もう一段勉強し
て貰いたいものだと思います。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
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2009年4月21日火曜日

H-IIAを撃墜するのにPAC-3は必要か?民主党議員の疑問に答える



※画像は、H-IIA14号機と15号機のロケット落下物の落下予想区域
H-IIAロケット14号機、15号機の「ロケット打ち上げ及び追跡管制計画」から転載

政界24時】原川貴郎 安保で民主党に“期待”

創造力にあふれ、発想も大変ユニーク。民主党の安全保障論議を取材している
と、しばしばこんな皮肉を言いたい衝動に駆られる。

北朝鮮によるミサイル発射を受けて開かれた民主党の外務防衛部門会議。防衛
省から、発射の誤探知の経緯や秋田、岩手両県に配備された地対空誘導弾パト
リオット(PAC3)の説明を受けると、リベラル系のある議員はこんな意見
を真顔で言ったのだという。

「種子島から発射するロケットも、日本の島の上を通るのだろうから、これに
もPAC3を配備すべきだ」

出席者の一人は、「あきれるというか…。『世界観』が違い過ぎてとても議論
にはならない。でも、これが民主党の実態だ」とため息をついていた。

保守系から旧社会党左派までを抱え、「寄り合い所帯」「混ぜご飯」と揶揄
されることが多い民主党にとって、安全保障問題はアキレス腱(けん)だ。

そういえばソマリア沖の海賊対策をめぐって飛び出した意見にも首をかしげた
ことがあった。2月初旬の部門会議では、自衛隊の派遣に極めて後ろ向きの議
員が「イラクで日本人3人が人質になったとき盛んに『自己責任』といわれた
ように、ソマリアを航行するのは海運会社の自己責任ではないのか」と主張し
たのだった。それを伝え聞いた官邸関係者が「自衛隊を派遣させないための議
論で、国民の生命、財産をどう守るのかの視点が欠落しているのではないか」
と訝(いぶか)ったのも無理はない。

しかし、ソマリア沖では3月22日、商船三井の船が高速艇2隻から銃撃を受
けた。海上自衛隊の護衛艦が、外国船から救援要請を受け、不審船に対処した
事案も3月30日以降、すでに2件あった。求められているのは実態に即した
現実的な対応だ。

政府の海賊対処法案に対し、民主党は15日、自衛隊派遣に国会の事前承認を
義務付けた修正案の骨子を「次の内閣」で了承した。今後、法案作成と与党と
の修正協議を同時並行に進めていく考えだ。

最終的には政権政党たりうる海賊対策をまとめてくれると、民主党には期待し
たいが、もしいまだに党内で「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメ
ージがわかない」(平田健二参院幹事長、1月20日の記者会見)といった認
識があるのならば、望み薄だ。

(NIKKEI BUSINESSi 2009/4/20)


上掲の地図は、14号機のものは、静止軌道に乗せる場合の、また、
15号機のものは、極軌道に載せる場合の落下物予想範囲です。地球
低軌道のものは、静止軌道に載せる場合と同様になります。

飛行経路は書かれていませんが、落下予想範囲の中心を線で結ぶこ
とで想像ができます。この図は、各々、「ロケット打ち上げ及び追
跡管制計画」からの抜粋ですが、計画書には飛行経路図も含まれて
いますので、参照して下さい。こんな事まで公開されているのかと
驚かれると思います。勿論、計画書には、打ち上げ時の安全確保や
関係機関への通報なども含まれています。

14号機「ロケット打ち上げ及び追跡管制計画」
http://www.jaxa.jp/press/2007/11/20071128_sac_h2a-f14.pdf

15号機「ロケット打ち上げ及び追跡管制計画」
http://www.jaxa.jp/press/2008/10/20081022_sac_h2a_f15.pdf

上記の記事の中で引用されている民主党議員は、
「種子島から発射するロケットも、日本の島の上を通るのだろうか
ら、これにもPAC3を配備すべきだ」

と述べていますが、簡単にそれに対する回答を書くと、種子島から
打ち上げられるロケットの飛行経路上に日本の島はありません。

落下物予想区域の方が範囲は大きくなりますが、その中にも、日本
及び外国の島は含まれていません。(図には第二段の落下位置が記
載されていませんが、H-IIAは第二段が軌道に残る為、打ち上げ時
には落下しません。)

また、ロケットが飛行計画から逸脱した場合には、自爆させる為に
司令破壊と呼ばれる機能が備わっています。
実際、H-IIA 6号機は、燃料の燃え尽きたSRB(固体ロケットブース
ター)を切り離せなかった事から司令破壊されています。
従って、日本のロケットの場合は、PAC-3やSM-3によって迎撃破壊
する必要はない事になります。

こんな事は、全て情報が公開されているのですから、自分で少し調
べてみれば良いのです。防衛省から説明を受ける立場にいるのです
から、民主党の中でも防衛関係に興味を持っている方である筈です。
そういう方であれば、私の様な一般国民でも、ものの15分で調査が
出来る内容なのですから、ネットをググレば簡単に正解に辿り着く
事が可能である筈です。

であるにも係わらず、この様なトンチンカンな質問をしているのは
実は、日本のロケットにも国民の安全にも興味はなく、ただ、反日
イデオロギーに凝り固まって政府の足を引っ張る事しか考えていな
い輩であるからに他なりません。

ソマリア沖の海賊についても「イラクで日本人3人が人質になった
とき盛んに『自己責任』といわれたように、ソマリアを航行するの
は海運会社の自己責任ではないのか」
と主張した議員がいるようで
すが、この議論も実は全く同じ文脈であり、不勉強極まりないとし
か言い様がないのです。原川氏のいう通り、こういった事を言って
いる様では、民主党が政権政党として国民の信頼を得るには、まだ
まだ時間がかかるのではないかと感じた次第です。


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2009年4月20日月曜日

海賊を追い返した護衛艦を批判するのは日本のマスコミだけ!

警護対象外、3回目の救助 ソマリア海賊対策で海自護衛艦

防衛省によると、ソマリア沖で海賊対策活動中の海上自衛隊の護衛艦「さざな
み」が18日午後8時(現地時間同日午後2時)ごろ、海上警備行動の警護対
象外となっているカナダ船籍とみられるクルーザーから「不審な小型船に追跡
されている」と無線を受けた。艦載ヘリコプターが発進して近づくと、不審船
は停止したという。

海上警備行動は警護対象を日本関連船舶に限定しているが、防衛省は「船員法
の『遭難船舶等の救助』に基づく人道的な措置」として警護対象外船舶の救助
活動をしており、今回で3回目。“脱法的”との批判もある。

防衛省によると、クルーザーはさざなみから約35キロ離れた海域で無線を発
信した。海自の艦載ヘリは約40分後、クルーザーの数キロ先にいる3隻の不
審な小型船を発見したが、近づくと停止したという。

3隻はいずれもイエメン国旗を掲げ、防衛省は「武器の有無は確認しておらず、
海賊船かどうかは不明」としている。

さざなみは15日に7回目の警護活動を終えた後、ジブチに寄港。8回目の活
動のためジブチ沖で待機中だったという。

(共同通信 2009/04/19)


この記事を読んで、海自の護衛艦は、派遣の目的を果たしていると
感じる人が圧倒的多数であると思いますが、共同通信は、わざわざ
「"脱法的"との批判もある」と記しています。

しかしながら、批判を行っているのは、記事を書いている記者です
から、具体的な発言ソースの記載がないという訳です。
勿論、このサヨク頭の記者に同調する政治家は社民党辺りからいく
らでも探し出せるでしょうが、ここは匿名で批判した方が効果的と
いう判断なのだろうと思います。共同通信は、恐らくは海賊の犠牲
者より海賊の人権を重視する輩なのでしょうが、それ以上に、自衛
隊という違憲武装組織が、成果を上げている事が我慢がならないの
だろうと思われます。

勿論、この様なメンタリティは、日本のサヨク反日分子のみに見ら
れるものです。

ちなみに、護衛艦が二回目に救助したのは、マルタ船籍の貨物船で
したが、Times of Maltaのインターネットサイトは、4/14付けで以
下の記事を掲載しました。

Japanese frigate helps Maltese ship off Somalia
(日本のフリゲート艦がソマリア沖でマルタ船を援助)
http://www.timesofmalta.com/articles/view/20090414/local/japanese-destroyer-helps-maltese-ship-off-somalia

この記事に対する読者コメントは当然の事ながら、海自と日本に対
し、感謝の意を呈するもので溢れています。
マルタは、地中海の小国であり、リベリア等と同じ節税対策の便宜
地籍国で、実際には、マルタの船ではない可能性が高いのは、マル
タ人もわかっている筈ですが、それでも、自国船籍の船を救助して
くれた事に対する感謝の念には変わりが無いのです。

護衛艦は、日本関係船舶ではない外国船を救援する時には、武力を
行使せずに海賊船を追い払っています。勿論、海賊船が武力を行使
すれば、護衛艦の側も正当防衛として武力を行使できるのですが、
そうでない限りは、現状では、武力行使が法制上困難です。

ソマリア人が、そういった制約を知っているかどうか不明ですが、
この状態が長く続けば続くほど、知られる可能性は高くなります。
一度、制約事項が知れ渡れば、海賊にとって、海自の護衛艦は怖い
存在ではなくなります。護衛艦の鼻先で、商船を拿捕する様な事態
も、想定されるのです。そして、護衛艦が、放置できずに武器を使
用した場合は、防衛省は、マスコミの非難には敏感ですから、当然、
艦長は処分対象という事になるのです。

もし、そうなった場合は、自衛隊の実戦部隊のモラルに破壊的な影
響が懸念される訳であり、そうならない為にも、海賊対処法を可及
的早期に成立させる必要があると思われるのです。


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2009年4月17日金曜日

今度は韓国が7月に人工衛星打ち上げ


※写真は、朝鮮日報サイトから転載

威容を現した韓国初の宇宙ロケット

韓国初の宇宙ロケットKSLV1号の地上検証用機体(GTV)が15日午前、全羅南道
高興郡蓬莱面曳内里の羅老宇宙センターで、初めて発射台に取り付けられた。
航空宇宙研究院は今年6月初めまでGTVを発射台に取り付け、燃料や酸化剤を注
入する試験など発射前の過程を点検する予定だ。KSLV1号は今年7月末、ロシア
が製作した1段目ブースターを利用し、地上170キロの高さまで打ち上げた後、
韓国が自主開発した2段目の固体燃料ブースターで科学技術衛星2号を高度300-
1500キロの楕円軌道に投入する。研究院は6月初めにロシアから本物の1段目を
受領し、韓国で製作された2段目と合わせロケットを組み立てる予定だ。

(朝鮮日報 2009/04/16)


テポドン発射騒ぎも記憶に新しい処ですが、北に続いて今度は南も
人工衛星の打ち上げです。
韓国は当初は、自前で液体燃料(液酸・ケロシン)エンジンのロケッ
トの開発をしていたのですが、開発に時間がかかりすぎる事から、
ロシアの技術を大幅に取り入れたロケット開発に変更しています。
日本も宇宙開発事業団系の実用衛星打上げロケットは、米国からの
全面的な技術導入を行っていますので、導入先は別ですが、それと
良く似たロケット開発方針であると言えます。

日本の場合は、米国からの技術導入は理想的といわれる程、協力的
でスムーズであったと言われますが、韓国の場合は、ロシア側から
技術移転にはかなり制約がついている様で、製造技術だけの輸出は
拒絶されているようです。当初はかなり早い段階で、韓国で一段目
を製造する計画でしたが、少なくとも一号機に関しては、ロシアか
らの輸入となり、打ち上げ計画も半年以上ずれ込んでいます。

写真は、そのKSLV1の地上検証用の機体で、地上設備を点検する為
のものです。燃料注入のテストなども行う為、本物と同様に作られ
ています。一段目は、幅が広い部分で全体33mの内、26m近くを占め
ており、液体燃料(液酸・ケロシン?)エンジンRD-151を使用してい
ます。二段目は、韓国が国内で製造した固体燃料ロケットが使用さ
れています。(固体燃料ロケット技術については国産技術という説
とロシアから導入したという両説があります。)
ロケット全体の重量は140トンで、地球低軌道に100kgの衛星を
投入可能となっています。
4月5日に北朝鮮が発射したロケット「銀河2号」は3段で重量
70トン以上(推定)、全長32メートル(推定)と言われていま
すが、全長は略同じですが、重量は約2倍となっており、より強力
なロケットであると言えます。

記事にもある通り、本物は、6月に搬入され、7月の衛星上げに向
け準備が進められます。
この初回打ち上げですが、韓国南岸の全羅南道に新設された羅老宇
宙センターから南に向けて打ち上げられる予定で、日本の沖縄上空
を通過するコースが発表されています。流石に、北朝鮮と違って日
本に対して上空通過許可依頼が出されており、安全対策の説明も行
われていると思われます。そうでなければ、コースが外れた場合に
備え迎撃準備が必要になる処ですね。


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2009年4月16日木曜日

テポドン発射時にロシアが電子戦機を派遣したのは当然の話



写真上段は、IL-20 Coot-A Globalsecurity.orgより転載
写真下段は産経新聞サイトからの転載

露軍機がMD網偵察 北が発射時に情報収集機飛行

北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した際、ロシアの情報収集機が日米両国の
ミサイル防衛(MD)システムの運用を偵察していたことが15日、分かった。
北朝鮮からの発射時間帯の事前通報をもとに日本海で待機。日米のレーダー網
が実戦モードで照射した電波の周波数帯や、MD運用に伴う自衛隊各部隊の役
割分担に関する情報を集めたとみられる。日本海を舞台にした激しい情報戦の
一端が浮き彫りになった形だ。

偵察飛行を行っていたのは、ロシア空軍の電子情報収集機「IL20」。防衛
省によると、IL20はこれまでにも日本周辺への飛来が確認されている。先
月にも2度、日本海を偵察飛行しており、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(ス
クランブル)している。

北朝鮮のミサイル発射は今月5日午前11時半。IL20はその約30分前に
北海道沖から日本海を南下し、北朝鮮が設定したミサイルの1段目ブースター
(推進エンジン)の落下危険区域の上空を通過した。発射時には、さらに南下
したところで待機していた。

ミサイル発射を受け、探知・追尾のため、海上自衛隊のイージス艦3隻のSPY1、
地上に配備した空自の2基のFPS-5、4基のFPS-3改のレーダーが一
斉に照射。米軍も日本海と太平洋に2隻ずつ展開していたイージス艦、青森県
に配備しているXバンドレーダーを稼働させた。

IL20はMDでの各レーダーの電波の周波数帯、照射方法や探索パターン、
レーダー同士の任務分担などを確認したとみられる。周波数帯を把握されると、
妨害電波でレーダーが無力化される恐れがある。

MD任務の際、イージス艦はレーダーの機能をミサイル探知にシフトさせ、航
空機などを警戒する防空能力が手薄になる。航空機やほかの護衛艦のレーダー
で防空能力を補完するとされ、IL20は海・空自の部隊の連携などMDでの
「戦い方」を把握。海自のEP3、空自のYS11Eといった電子偵察機の情
報収集任務にも注目していた可能性が高い。

情報収集機が飛来した場合、訓練であればレーダーの照射を控える。だが、今
回は北朝鮮の発射に対処する実任務だったため、自衛隊はレーダー網をフル稼
働させざるを得なかった。空自戦闘機はスクランブルで警戒し、IL20は領
空侵犯はしていない。IL20は2、3時間にわたり、日本近海で偵察を続け、
隠岐の島(島根県)付近まで飛行した後、ロシアに戻っていった。

北朝鮮は発射当日、米中露3カ国に発射時間帯を事前に通報したとされ、ロシ
ア空軍は周到にIL20による偵察飛行の計画を立てたとみられている。

(産経新聞 2009/4/16)


ロシアのIL-20は、日本や米国が使用しているP-3Cと同じ様に、中
型のターボプロップ旅客機から軍用に転用された機体です。機体は、
P-3Cより多少大きいですが、略同程度の機体と考えて良いでしょう。

元々の旅客機型はIL-18 Cootと言い、対潜哨戒機はIL-38 May、
電子戦機はIL-20 Coot-Aといいます。
日本でもP-3Cを改造したEP-3Cという機体がありますが、同様の性
格の機体であると言えます。ターボプロップ機である為、速度は遅
めですが、長い滞空時間が得られる事が対潜哨戒機とニーズが一致
したものと言えます。

EP-3CがP-3Cに各種のレーダードームを追加した機体であるのと同
様、IL-20も胴体下部に一見、大型ミサイルにも見える長大なアレ
ーアンテナを装備しているのが特徴です。

今回の北朝鮮のミサイル実験は、日本や米国にとって、実戦同様の
素晴らしい訓練の機会を提供してくれましたが、記事にもある通り
ロシアにとっても、BMDを構成するSPY-1レーダー、Xバンドレ
ーダー、ガメラレーダー等が実戦モードで電波を発射した得がたい
機会であったのは間違いありません。勿論、今回だけの電子情報収
集で、対抗手段が講じられる訳ではありませし、レーダーの側も対
抗措置を取れるようになっていますが、今後、更に情報収集を行う
事で、北朝鮮や中国に対して、より完成度の高い電波妨害装置など
の売り込みを行う事は十分に考えられます。

現代戦では、実戦に至る前の段階で、平時から、今回の様な情報収
集戦が展開されており、今回、ロシアが電子情報収集(ESM)を行っ
た事で、今度は日米側が電子戦(ECM)能力をより高度なものに改善
する事が促がされ、それが更に、ロシアと北朝鮮による対電子戦
(ECCM)能力改善に繋がっていくという関係にあります。

その点、流石にロシアは抜かりなく手を打っていたと言えますが、
その一方で、もう一方の当事者である中国や北朝鮮がどの様な、
手を打っていたのか非常に興味深い処です。


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2009年4月15日水曜日

敵対国ロシアに利益を与える必要はない!


※写真はサハリン2。産経新聞サイトから転載。

サハリン1のLNG輸出、日本に支援要請 ロシア

ロシア政府が極東で建設を計画するパイプラインと液化天然ガス(LNG)輸
出基地について、日本に資金、技術両面で支援を求めていることが明らかにな
った。建設総額は5000億円規模と見込まれ、5月に訪日を予定するプーチン首
相が本格協議入りを打診する見込み。対ロ協力は資源調達先の多様化を目指す
日本のエネルギー政策と合致するが、北方領土問題を棚上げして経済協力が先
行することへの懸念も出そうだ。

日本外交筋によると、ロシアが支援を求めているのはサハリンとウラジオスト
クを結ぶパイプラインとウラジオ近郊でのLNG輸出基地の建設。日本のLNG
技術を導入し、米エクソンモービルや伊藤忠商事が出資する天然ガス・石油事
業の「サハリン1」が生産するガスをロシアが全量買い取って、大半を日本な
どに輸出する。ロシアはパイプラインとLNG基地の経営権も握る方向だ。

(NIKKEI NET 09/04/15)


このプロジェクトは、本来は、サハリンの天然ガスを中国や極東ロ
シアに移送できる様にする為のパイプラインを建設するものであり、
ウラジオストックにLNG基地を作る事で、更に、供給地の多角化
を可能とする事で中国に価格決定権を与えない様にしようと言うも
のです。サハリン2も接続できるので、現状、主に海路で搬出して
いるサハリン2の天然ガスもこのパイプラインで中国に輸出する事
も可能になります。

つまり、このプロジェクトはロシアの価格決定権や供給決定権を強
化するのみで日本にとって有利な事は全くないという事になります。

ロシアは、つい昨年までは、日本に求めるものは何もないと豪語し、
北方領土問題についても、突き放した態度を継続していた他、つい
先日の北朝鮮ミサイル問題でも、日本が要求していた国連決議の採
択に反対していた事は記憶に新しい所です。

その様な中で、今回の様な日本にとって利益がないプロジェクトに
巨額の経済援助を与える事は、ロシアが、日本を侮る事にお墨付き
を与える事になってしまいます。

つまり、ロシアは幾ら外交的に日本の利益をないがしろにしても、
日本からは何の報復もないし、ロシアが日本に対して外交的に譲歩
しなくても経済援助は得られることになってしまうのです。

このプロジェクトを推進しているのは経済産業省の官僚であると思
われますが、外交的に、最もやってはいけないとされる二元外交の
愚を犯している事になります。
対ロ対ソ関係では、日本は、過去、何度もこの二元外交によって外
交的な立場を切り崩されてきました。そして、その度に、煮え湯を
飲まされてきたのです。

もはや、外交的な愚策を繰り返すのは、終わりにして、日本の国益
を一元的に実現する体制を構築すべきであり、その為にも、今回の
プロジェクトは明確に拒絶すべきであると考えます。


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2009年4月14日火曜日

北朝鮮が六ヶ国協議に求めている条件とは何か?


「6カ国協議必要なくなった」=国連安保理声明に反発-北朝鮮

北朝鮮外務省は14日、国連安全保障理事会が北朝鮮の弾道ミサイル発射に関す
る議長声明の採択を非難するとともに、「6カ国協議はもう必要なくなった。
われわれの自衛的核抑止力を強化していく」と表明した。朝鮮通信(東京)が
朝鮮中央通信の報道として伝えた。
外務省声明は「実験用原子炉から抽出される使用済み燃料棒を再処理する」と
し、核活動を再開する方針を示した。 

(時事通信 2009/4/14)


例によって北朝鮮は、国連安全保障理事会が北朝鮮の弾道ミサイル
発射に関する議長声明を採択した事を受けて、六ヶ国協議を拒否す
る意向を表明してきました。いつもながらのストリップで、ミサイ
ル発射で注目を集めてから六ヶ国協議参加国に奉加帳を回してくる
のではないかと想像しています。そこで、北朝鮮は、何を目的に交
渉を行うのかについて考えてみました。

北朝鮮にとってのミニマムな勝利条件は以下の様なものなのではな
いかと思います。

1.北朝鮮が現在の支配体制(金体制での朝鮮労働党支配)を無期
  限に継続する事について各国の同意を得る。

2.主要国との正規の国交を開き、最大限の経済援助を各国(特に
  日本)から継続的に獲得する。

3.核施設を放棄する場合は、サラミ法を適用し可能な限り多くの
  代償を獲得する。しかし、実際には核弾頭は放棄せず査察も受
  け入れない。

4.ミサイル開発を放棄する場合は、可能な限り多くの代償を獲得
  する。しかし、実際には放棄せず、需要がある国への武器輸出
  を継続する。

5.偽札、偽タバコ、覚せい剤等の非合法輸出は、合法輸出の拡大
  により、不要となるまで継続する。


この内、3,4,5については、交渉の中で、北朝鮮は代償を取った上
で放棄を約束するでしょうが、過去、約束を守った事のない北朝鮮
がこの件についてだけ約束を守ると考えるのはナイーブ以外の何者
でもありません。協議参加国も、当然そういう前提で、形だけを整
え、そのコストを如何に少なく済ますかについて、長々と交渉する
事になるだろうと思います。勿論、資金を供給するのは、米国と日
本と韓国だけでしょう。

では、日本にとっての重要課題である拉致問題はどうなるのでしょ
うか。最終的には、日本側が一人当たり幾らか金を出して買い取る
事になるのかも知れません。

ただ、日本は六ヶ国協議の結論を拒否できます。私も可能な限り、
会議に参加し続けるべきとは思いますが、最後の最後に会議から離
脱する選択もあって良いのではないかと思われます。

上記の北朝鮮の勝利条件は日本にとって、何の意味もありません。
安全保障面では、北朝鮮の核は放棄されませんし、ミサイル開発も
停止される事は無いはずです。こんな無意味な合意に基づいて、日
本が巨額の資金を出す必要はないと思います。

米国は、事実上、核にしか興味がありませんが、北朝鮮が核を放棄
しない事も判っていますし、日本からの巨額の経済援助が実施され
れば、その多くが北朝鮮の武装強化に回るのは明らかですから、日
本の拒否を理由に会議から離脱する事すらあるかも知れません。

確かに時間が経てば経つほど、北朝鮮の核の武器庫は充実するかも
しれませんが、それ以上に北朝鮮の困窮は進むのです。
この際、会議を躍らせるだけ躍らせて、北朝鮮の困窮を進めるのが、
一番良い方法なのかもしれません。



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2009年4月10日金曜日


※写真は中国海軍旗 
http://blogs.yahoo.co.jp/kazuya840124/36800549.htmlから転載

中国、23日に国際観艦式 15カ国から外国艦艇参加

中国海軍は3日、創設60周年を迎える23日に山東省青島で国際観艦式を開くと
発表した。15カ国の外国艦艇を招き、計40隻以上の艦艇が参加する。中国海軍
が大規模な国際観艦式を開くのは初めて。軍備増強を進める海軍の威力を内外
に示すとともに、国際社会との軍事交流の進展をアピールする機会になる。

青島には海軍の北海艦隊の司令部がある。参加する外国艦艇は米国やロシア、
インドなどとみられる。日本は艦艇を派遣せず、海上自衛隊幹部らが記念式典
に出席する予定という。代表団を派遣する国は28カ国に上る。

式典は胡錦濤国家主席(中央軍事委員会主席)が演説する見通し。中国海軍は
長距離の洋上進出能力を高め、近海防衛から遠海に活動範囲を広げており、胡
主席が新たな方針を打ち出すかに注目が集まる。

(NIKKEINET 2009/4/3)

中国がまた傲慢さを出してきました。中国の軍部は余程日本を憎ん
でいるようですが、まさに江沢民政権時代の反日教育の成果と言え
ます。日本では、マスゴミが中国べったりの記事を流したり、媚中
派の政治家が、中国を礼賛する発言や行動を繰り返しているものの、
中国の真情はこういう時に現れます。いくら外務省がチャイナスク
ールの集まりであっても、この非礼を見過ごす様では、侮られるだ
けです。

実は、中国は、日本をかなり侮った行動を何度も行っています。
現に、中国は日本の意向を無視して、北朝鮮のミサイル発射問題で
も、安保理での非難決議に反対し軽い対応に留めようとしています。
今回の件も、日本が何も反応しなければ、今後ますます日本を軽視
した行動を取る事になるのは確実です。

こういう場合は、居丈高にならず、正確に同質で同程度の重みとな
る行為で、中国にお返しをするというのが一番です。
今回も艦船ではなく海自幹部が参加するとありますが、日本が不快
を示すのであれば、どうせ中国の示威行動なのですから海自幹部の
出席は取り止めとし、日本が実施する観閲式や観艦式に中国を招待
しないというのが、正しい対応と言える様に思います。

こういう事をいうと、日本は大人の行動を取るべきと言った反応が
でてきますが、日本の外交的な癖として、日頃は、こうした行為に
何も反応を見せず、ある時を境に激烈な反応を示すというのがあり
ます。第二次大戦時がそうですし、北朝鮮に対する反応も同じです。

日本的に言えば耐え難きを耐えているのですが、相手側からすれば、
昨日までの許容範囲と今日の許容範囲が著しく異なるので、日本に
対する行動予測が出来なくなってしまいます。その点からすれば、
逆に、ある日爆発するよりも日頃から反応してくれていた方が日本
の許容限界が判って良いのです。

中国も、日本を侮る事が、中国の利益に反すると理解すれば、そう
した行為を慎む事になるでしょうし、もし、ならなければ、中国の
不当性があらわになるだけです。日本にとっても損はありません。
中国に対する適度の報復行為は必須と考えます。


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2009年4月9日木曜日

国連脱退は愚策。核武装を考えないのは思考停止


※写真は、国連安保理。日経BPサイトから転載

自民・坂本氏「日本も核を」 党役員連絡会で発言

自民党の坂本剛二組織本部長が7日の党役員連絡会で、北朝鮮のミサイル発射
について「北朝鮮が核を保有している間は、日本も核を持つという脅しくらい
かけないといけない」という趣旨の発言をしたことが分かった。出席者による
と、坂本氏は国連安全保障理事会で日米が唱える新たな決議の採択が難航して
いることにも「国連脱退くらいの話をしてもよい」との考えを示したという。

坂本氏は8日、朝日新聞の取材に対し「日本は国際社会に対して国連を脱退す
るぞ、核武装するぞと圧力をかけるくらいアピールしないとだめだという例え
で言った。現実に日本が核武装できないのは知っている。私は核武装論者では
ない」と話している。

自民党の細田博之幹事長は同日、朝日新聞に「誰も本気で言ったとは思ってい
ない。核武装できるとも思っていない。特に問題視はしない」と語った。河村
官房長官は記者会見で「非核三原則をもった国としてそのような選択肢はあり
得ない」と述べた。

日本の核保有については、06年に自民党の中川昭一政調会長(当時)が「核
があることで攻められる可能性は低いという論理はあり得るわけだから、議論
はあっていい」と発言。麻生外相(当時)もこれを受けて「他の国は(核保有
議論を)みんなしているのが現実だ。隣の国が持つとなった時に一つの考え方
としていろいろな議論をしておくのは大事だ」と述べるなど、論議を呼んだこ
とがある。

(朝日新聞 2009/4/9)


朝日新聞も流石に、ブラフとしての核武装や国連脱退というニュア
ンスは消しきれなかった様です。しかし、例えそうでも、一昔前で
あれば役職停止くらいは喰らいそうな発言と言えますので、その点、
北朝鮮のミサイル実験の影響は大きいと言わざるを得ません。

今回のミサイル実験に関して、国連では、必ずしも、全面的に北朝
鮮を非難する議論になっていないのは報道の通りです。常任理事国
では中、ロの二ヶ国が新決議に消極的ですし、非常任理事国も三ヶ
国が中、ロに同調する始末です。

核実験よりインパクトが少なかった事、人工衛星打ち上げという北
朝鮮の主張が先進国の宇宙開発独占に反発する途上国の一定の支持
を集めたという面があります。

国連では、先進国は少数派である事を忘れてはなりません。
日本でサヨクの弱者擁護が一定の支持を集める様に、国連では、弱
者の恫喝は一定の支持を集める事ができるのです。
旧国連人権委員会が、北朝鮮での人権侵害の事実を無視し、日本で
の在日の土地占拠に支持を与えた事を忘れてはならないのです。

日本の多くの政治家は、こういう国連の現実を知らないか知らない
ふりをしています。その上で国民に国連幻想を振りまいています。
これは外務省も同じです。日本は国連分担金の実に20%近くを一国
で負担しているにも係わらず、国連に対する要求を行わない自己主
張のない国として、後進国の外交官からも軽く見られていると言っ
て過言ではないのです。

その意味では、国連脱退というより、分担金の不払い、分担の不公
正を主張するのが国連で日本の主張を貫徹する有力な武器であると
言えます。国連脱退は、百害あって一利もありません。

北朝鮮やイラン、イラクが国連を徹底的に利用している事を見習う
べきであって、国際連盟を脱退し、日本を国際的犯罪国の地位に置
き、国際的な自己主張の機会を奪った松岡洋右の二の舞をすべきで
はないのです。国連脱退は言及するにも値しない愚策以外の何者で
もありません。

国連に圧力をかけたければ、政府の閣僚ではない与党の有力政治家
が国連分担金の不払いを言及するだけで良いのです。すぐさま実施
可能な国連対策ですから即時実行すべきだと思われます。現在の国
連事務総長は反日外交を推進した韓国の元外相ですから、そのキリ
キリ舞する姿も結構見ものです。

もう一つの核武装ですが、北朝鮮を相手と考えた場合、実は、あま
り意味はありません。日本は、日米安全保障条約で十分守られてい
ます。また、日本はNPT保証処置の完全な履行国としてIAEAでも信
頼されており、査察も簡素化されている他、核保有国にしか認めら
れていない核燃料再処理や、濃縮ウラン製造まで認められている位
です。従って、むやみに核武装論を振り回す事で、非核国としては、
特権的な地位を享受している現状が逆に脅かされる事も考慮に入れ
るべきなのです。

しかしながら、北朝鮮や中国が日本を脅かすのであれば、短期間に
対抗措置としての核武装が行える事をあからさまでない形で示す事
は有効な対策であると言えます。
例えば、打ち上げが容易な新固体燃料ロケットの開発は、ICBM開発
と等価ですし、有人宇宙船の開発や、月や小惑星からの試料回収技
術の高度化は、核弾頭の再突入体の開発にも利用できます。
核保有国は日本のこういった動きを見逃す筈がなく、日本もそれを
知った上で、それを外交力に転換する必要があるのです。

核兵器を保有する為には、現状では、何が欠けているのかを知り、
それを埋める努力をしないのでは、核兵器保有をブラフに使う事す
ら出来ません。その意味からすれば、単なる核アレルギーで核保有
を考える事すらしないのでは、為政者として思考停止の謗りを免れ
ないと考えます。


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2009年4月8日水曜日

国民に対する背信行為を行う共産党と社民党


※画像は以下のURLより転載
http://pict.corich.jp/book_detail.php?book_id=396

【主張】ミサイル決議 この内容なら評価したい

北朝鮮の長距離ミサイル発射に抗議する国会決議が与党と民主党、国民新党な
どの賛成多数で衆院で採択された。

ミサイル発射は「明白な国連決議違反であり、容認できない」との立場を鮮明
にし、日本独自の追加制裁などを求めている。国権の最高機関として、発射は
許せないという毅然(きぜん)とした意思と姿勢を示す当然の決議内容だ。

共産党は反対し、社民党は棄権した。両党は文案調整で「ミサイル」や「国連
決議違反」などの文言を拒み続け、対北朝鮮制裁の強化にも慎重だった。

決議の根本には「断固たる抗議」や「国際社会の一致した意思」を明確にし、
日本の国益を守る考えがある。両党が北朝鮮擁護に回っている印象は否めない。

北朝鮮に自制を求めた3月末の国会決議では、民主党が社民党などの意向を大
幅に入れた。その結果、ミサイル発射が「弾道ミサイル計画に関連するすべて
の活動」の停止を求めた2006年の国連安全保障理事会決議に違反するとの
文言を削除することになり、決議内容は後退した。

今回、民主党は事態の重大さを認識したのか、野党共闘よりも決議内容を重視
した。「各党で考えが違い、どうしても乗れない部分がある」(参院幹部)と
判断し、文言を大幅に犠牲にすることを避け、多数決による採択としたのは当
然だろう。ただ、社民党への気兼ねから、決議の共同提出者とはならず、与党
の決議案に賛成する形をとった。

野党が多数を占める参院でも、8日に抗議決議が予定されている。ほぼ同趣旨
の決議案が、衆院と同様に与党と民主党などの賛成多数で採択される見通しだ。

残念なのは共産、社民両党の態度だ。いまだに「人工衛星」とする北朝鮮の主
張に耳を貸しているようにみえる。国連安保理での新決議採択に向け、日米韓
が他の理事国などの賛同を求めて外交努力を積み重ねるさなか、これに対抗す
る中国、ロシアと同一歩調をとっている。

米下院では、共和党が北朝鮮制裁法案を提出する方針を表明している。法案で
は、日本人拉致事件にも言及し、被害者の解放を求めているという。

日本は北のミサイルで直接脅威を受け、拉致問題では被害を受けた当事国だ。
自らの問題であることへの意識をさらに持ちたい。

(産経新聞 2009/4/8)


前回の参議院選挙結果を見ると共産党は、得票率7.5%、社民党は、
得票率4.5%を得ています。合計すれば、12%の国民は、この両党
を支持しているという事になります。

しかしながら、今回の北朝鮮非難決議に関する限り、両党は、日本
国民の安全よりも共産主義に対するシンパシーを優先する政党であ
るとしか言い様がありません。そういう政党が何故、国民の代表と
して国会に議席を持てるのか不思議で仕方がありません。

共産主義国家は、貧富の差が著しい社会である事は社会学的検証に
よって明白な事実と認識されています。皮肉な事に共産党政権下の
中国は、資本主義の牙城である米国よりも貧富の差が激しいのです。
その点では、社民、共産支持者は、そのお題目とは別に、マルクス
主義的社会を実現し、自らがノーメンクラツーラになる事を目標に
している利己主義者と言い換える事も出来ます。

今回のテポドン騒ぎでも、市ヶ谷や朝霞の自衛隊の基地へ行って、
パトリオットPAC-3の展開に反対していた勢力がありましたが、そ
の代表者は、北朝鮮や朝鮮総連に抗議の意思がない事を明らかにし
ていました。これまた、国民の安全より反日思想を優先している事
を明白に示していると言えます。

メンタリティーとしては、社民党や共産党はこの類の人間の集まり
です。また、日本のマスコミは長く、この手の人間独壇場であり、
近年、ますますその反日的、反国民的性格を強めています。それ故
に既に泡沫政党化した共産党や社民党の言説を自民党や民主党と同
じ重み付けで取り上げるのです。

それに加え、マスコミの主張を国会で質問させている例もあります。
社民党の福島党首が国会質問で執拗に食い下がり野党からも失笑を
受けた迎撃時の破片による被害問題を、朝日新聞は何と社説で、テ
ポドン迎撃の問題点として指摘しました。NBC兵器が搭載されて
いる可能性があっても破片落下の懸念を殊更大きく報道するのは、
そういう反対論拠を社民党に提供したからではないかとさえ思わせ
るのです。

今回のテポドン騒ぎで、野党勢力とマスゴミは、国民の安全よりも
誤報問題と言う些細なトラブルを殊更、大騒ぎする事で、政府、自
衛隊の体制構築の不備をあげつらいました。その上で、両党は北朝
鮮に対する非難の国会決議に際しても、国民の安全を蔑ろにする利
敵行為を働いたと言えます。

我々はこの様な背信行為を許すべきではないし、忘れる事もしては
ならないと考えます。そして、それを次回の国政選挙で政治に反映
すべきであると考えるのです。


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2009年4月7日火曜日

敵地攻撃用ミサイル配備による抑止力強化は必要か?


※準中距離弾道弾PershingII US Armyサイトから転載

敵地攻撃の検討を求める声 北ミサイル発射で自民部会

北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受け、自民党は6日、党本部で「北朝
鮮ミサイル問題に関する合同部会」を開いた。

山本一太参院議員は「日本の敵地攻撃能力は、自衛権(の範囲内)であれば憲
法に違反しない。能力、要件を本気で議論することが抑止力を増す」と強調。
土屋正忠衆院議員は「敵地攻撃に類する対応措置をとれるか考えるべき時期に
来ている」と指摘した。

(産経新聞 2009/4/6)


一言で言えば、「不要」であると考えます。
まず、保有しても使い道がありません。使用する状況を考えれば容
易に想像がつくと思いますが、現在の憲法が維持される場合、日本
側から予防戦争的に相手に仕掛ける訳にはいきません。また、核武
装も、日本が核攻撃を受けた後でないと、国内外の理解が得られな
いと考えます。つまり、最初の攻撃は甘受する必要があります。最
初の攻撃が北朝鮮から日本に加えられる攻撃であった場合には、日
米安全保障条約が発動される事になり、米国が北朝鮮を報復攻撃す
る事になります。このブログでも何度か取り上げていますが、それ
は北朝鮮にとって、体制崩壊を招く自殺行為となります。例え、日
本国内でのテロ行為であっても、バックに北朝鮮がいる事が明白で
あれば、それは、北による日本攻撃という点で同義という事になり
ます。

北朝鮮がそこまで、覚悟した上で、日本を攻撃するのであれば、そ
れは体制の存亡がかかった状況に基づくものであり、その際、日本
に非核攻撃兵器が多少有ったところで、抑止の面では、あまり違い
ないと考えられます。

それよりも、日本が攻撃された時に、確実に米国による報復が発動
されるように、米国との同盟関係が良好な状態としておく方が抑止
効果は高いと考えられます。寧ろ、攻撃兵器がある事で、米国との
関係で遠心力が働く事の方が余程有害と言って良いでしょう。

但し、北朝鮮による日本上空を通過するロケット(ミサイル)実験は
不快以外何者でもないのは事実です。このまま放置すれば、北朝鮮
は、既得権の様に、日本の上空を通過するミサイル実験を繰り返す
に違いありません。

それ既得権化させない為には、日本は日本上空を通過する打ち上げ
を許容しない事を明確にし、MDを一層強力なものにする事によっ
てその実行の意思を明らかにすべきです。
具体的には、以下の施策が考えられます。

1.DSP(赤外線早期警戒)衛星の配備
2.ABL(空中配備レーザー兵器)の配備
3.長距離用Xバンドレーダーの配備
4.GBI(地上発射型迎撃ミサイル)の配備


今回、北朝鮮が部分的にではあっても国際ルールに従ったのは、日
本が迎撃の意思を明確化した為であると考えられます。
北朝鮮に国際ルールを遵守させる為には、具体的な行動を通じてで
ないと意味がない事は、これまでの交渉からも明らかです。北朝鮮
が理解できる唯一の言葉が武力であるなら、日本としても、攻撃力
ではなく防衛力としてそれを見せつけるのが外交的にも得策と考え
ます。


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2009年4月6日月曜日

この10年、北朝鮮と日本は何をやったのか?


※画像は産経新聞サイトからの転載

「何も軌道に入らず」=北の打ち上げ失敗か-米防衛司令部

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は5日、北朝鮮が人工衛星を軌道に乗せた
との主張について、「2段目以降は太平洋に落下し、何も軌道に乗らなかった」
と否定した。北朝鮮による打ち上げは失敗した可能性が高い。

NORADの分析によると、北朝鮮はテポドン2号を打ち上げ、一段目は日本海に、
弾頭の搭載物を含めた2段目以降は太平洋に落下した。
また、「テポドン2号は日本を飛び越えたが、日本への破片の落下はない」と
している。さらに「ハワイと米本土への脅威はなく、米軍は迎撃しなかった」
との見解も示した。「何の物体も軌道には入らなかった」としている。 

(時事通信 2009/4/5)


ここ一ヶ月のテポドン騒ぎも、結局、人工衛星を軌道に乗せる事に
失敗と言う事で、終わりになったようです。

少し遡ると、テポドンが最初に日本の上空を通過したのが、1998年
の8月の事です。この時は、テポドン1号の発射実験を行い、今回
と同じ人工衛星「光明星1号」を打ち上げたと主張していました。

二回目は、2006年7月で、他の6発のミサイルとともにテポドン2
号を発射しましたが、1段目が切り離れず、上空数キロで空中分解
したと言われています。

という事で、今回はテポドン発射3回目という事になります。
今回はテポドンにとっては、三度目の正直でしたが、三段目の切り
離しに失敗し、2、3段とペイロードは一緒になって太平洋に落下
したようです。

結果は一回目と同じでしたが、一回目がテポドン1号、二回目は、
テポドン2号、三回目はテポドン2号改良型となっています。

日本の衛星打上用のロケットは、同じ形式で最低でも数回の打ち上
げを行っています。人工衛星打ち上げロケットとしてみた場合、テ
ポドンはまるで手作りロケットであり、打ち上げ一回毎の間隔が開
き過ぎの上、一回毎にロケットの相違点が大きすぎるので、製品面
でも製造技術面でも落ち着く閑が無く、それが失敗に輪をかけてい
ると言って良いでしょう。加えて、北朝鮮は、公式には衛星打ち上
げに成功したと強弁しているので、失敗原因の追求も出来ない事に
なります。これで人工衛星が打ち上がったのなら、それ自体工学的
な奇跡と言えるでしょう。

良く言えば、北朝鮮は10年の歳月を費やして、確実な所で射程を
1000km~2000kmほど伸ばす事ができたと結論できます。

では、日本はテポドン1号上空通過以降何を実現したのでしょうか?
以下は、そのリストです、意外に実現したものが多い事に気がつく
と思います。私には、米国の核抑止以外にも、ここ10年で日本の安
全はかなり強化されたのではないかと考えています。

1.米国との早期警戒衛星(DSP)とのデータリンク
2.空中赤外線早期警戒機AIRBOSSの試験機配備。
3.情報収集衛星 光学衛星、レーダー衛星各二機、光学衛星実験
  機1機が軌道上に展開。
  収集データの分析組織も設立済で実地運用済。
4.新型レーダー(FPS-5)の実用機の配備1基(甑島)完了。その他
  三基も予算承認済。
5.既存レーダーの改良型(FPS-3改)の配備完了3基。今年度に配
  備4基。
6.イージス艦のBMD対応とSM-3装備 2隻完了。残る2隻
  の改造についても予算承認済。
7.イージス艦2隻の追加配備完了。
8.パトリオットPAC-3及びPAC-2GEM+(PAC-2改2型)一個高射群
  及び教導団へ配備完了。残る二個高射群へも展開予定。
9.日本に飛来する弾道ミサイルに対処する為の自衛隊法の改正完了。
10.弾道弾探知情報を全国自治体へ警告する連絡網「Em-Net
  (エムネット)」の整備完了。
11. SM-3による実射テスト2回。成功1回、失敗1回

なお、1998年8月以降、日本が打ち上げたロケットは21回で、
内失敗は3回でした。


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