「何も軌道に入らず」=北の打ち上げ失敗か-米防衛司令部
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は5日、北朝鮮が人工衛星を軌道に乗せた
との主張について、「2段目以降は太平洋に落下し、何も軌道に乗らなかった」
と否定した。北朝鮮による打ち上げは失敗した可能性が高い。
NORADの分析によると、北朝鮮はテポドン2号を打ち上げ、一段目は日本海に、
弾頭の搭載物を含めた2段目以降は太平洋に落下した。
また、「テポドン2号は日本を飛び越えたが、日本への破片の落下はない」と
している。さらに「ハワイと米本土への脅威はなく、米軍は迎撃しなかった」
との見解も示した。「何の物体も軌道には入らなかった」としている。
(時事通信 2009/4/5)
ここ一ヶ月のテポドン騒ぎも、結局、人工衛星を軌道に乗せる事に
失敗と言う事で、終わりになったようです。
少し遡ると、テポドンが最初に日本の上空を通過したのが、1998年
の8月の事です。この時は、テポドン1号の発射実験を行い、今回
と同じ人工衛星「光明星1号」を打ち上げたと主張していました。
二回目は、2006年7月で、他の6発のミサイルとともにテポドン2
号を発射しましたが、1段目が切り離れず、上空数キロで空中分解
したと言われています。
という事で、今回はテポドン発射3回目という事になります。
今回はテポドンにとっては、三度目の正直でしたが、三段目の切り
離しに失敗し、2、3段とペイロードは一緒になって太平洋に落下
したようです。
結果は一回目と同じでしたが、一回目がテポドン1号、二回目は、
テポドン2号、三回目はテポドン2号改良型となっています。
日本の衛星打上用のロケットは、同じ形式で最低でも数回の打ち上
げを行っています。人工衛星打ち上げロケットとしてみた場合、テ
ポドンはまるで手作りロケットであり、打ち上げ一回毎の間隔が開
き過ぎの上、一回毎にロケットの相違点が大きすぎるので、製品面
でも製造技術面でも落ち着く閑が無く、それが失敗に輪をかけてい
ると言って良いでしょう。加えて、北朝鮮は、公式には衛星打ち上
げに成功したと強弁しているので、失敗原因の追求も出来ない事に
なります。これで人工衛星が打ち上がったのなら、それ自体工学的
な奇跡と言えるでしょう。
良く言えば、北朝鮮は10年の歳月を費やして、確実な所で射程を
1000km~2000kmほど伸ばす事ができたと結論できます。
では、日本はテポドン1号上空通過以降何を実現したのでしょうか?
以下は、そのリストです、意外に実現したものが多い事に気がつく
と思います。私には、米国の核抑止以外にも、ここ10年で日本の安
全はかなり強化されたのではないかと考えています。
1.米国との早期警戒衛星(DSP)とのデータリンク
2.空中赤外線早期警戒機AIRBOSSの試験機配備。
3.情報収集衛星 光学衛星、レーダー衛星各二機、光学衛星実験
機1機が軌道上に展開。
収集データの分析組織も設立済で実地運用済。
4.新型レーダー(FPS-5)の実用機の配備1基(甑島)完了。その他
三基も予算承認済。
5.既存レーダーの改良型(FPS-3改)の配備完了3基。今年度に配
備4基。
6.イージス艦のBMD対応とSM-3装備 2隻完了。残る2隻
の改造についても予算承認済。
7.イージス艦2隻の追加配備完了。
8.パトリオットPAC-3及びPAC-2GEM+(PAC-2改2型)一個高射群
及び教導団へ配備完了。残る二個高射群へも展開予定。
9.日本に飛来する弾道ミサイルに対処する為の自衛隊法の改正完了。
10.弾道弾探知情報を全国自治体へ警告する連絡網「Em-Net
(エムネット)」の整備完了。
11. SM-3による実射テスト2回。成功1回、失敗1回
なお、1998年8月以降、日本が打ち上げたロケットは21回で、
内失敗は3回でした。
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