北朝鮮の外務省報道官は29日、国連安全保障理事会が同国の「衛星」打ち上
げを非難する議長声明を採択し追加制裁を決めたことに関連し、安保理の謝罪
がなければ、核実験や大陸間弾道ミサイル発射実験などを含む「追加的な自衛
的措置を講じざるを得なくなる」との声明を発表した。
また、声明は「軽水炉発電所建設を決定し、その最初の工程として核燃料を自
ら生産、保障するための技術開発を遅滞なく始めるだろう」と濃縮ウランによ
る核開発も示唆した。
北朝鮮は今月25日、使用済み核燃料棒の再処理作業開始を明らかにするなど
緊張を高めており、今回も瀬戸際外交の一環とみられる。韓国の外交安保研究
院の尹徳敏教授は「対米交渉に向け、核武装を既成事実化させるために核実験
を行う可能性が高い。今回の声明もそのために緻密(ちみつ)に練られた手順
の一つだ」と分析している。
(産経新聞 2009/4/30)
関川夏央の「退屈な迷宮」の中に、北朝鮮は、釘一本作れないとい
うくだりが出てきます。北朝鮮は鉄鋼生産はしているが、釘に必要
な軟鋼が生産出来ない事から釘一本も輸入に頼っているという話で
す。実際に釘を生産できないかどうかは、判りませんが、北朝鮮が
工業製品を製造する場合に、その原材料の殆どを輸入に頼っている
事は事実でしょう。
今回の声明の中で、北朝鮮は、核実験、大陸間弾道弾(ICBM)発射実
験、軽水炉発電所の建設、核燃料生産と色々なメニューを並べてい
ますが、これら全ての製造、建設の為の資材は、輸入に頼らざるを
得ないという事を忘れてはなりません。特に、数発の実験兵器とし
てであれば、それ程の巨額ではなかった核兵器も、兵器体系として
頼れるものを配備しようとすると巨額の費用がかかってきます。
北朝鮮の場合は、核ミサイルを配備する事が一番費用がかからない
と思われますが、それであっても核弾頭の生産と配備、発射統制シ
ステムの整備は最低限必要となります。既存のミサイルを改造する
のか新造するのか別にしてミサイル側にも手を入れる必要がありま
す。
更に、核燃料を生産する為には、ウラン濃縮工場が必要になります。
遠心分離式にすれば、北朝鮮の必要とする規模に応じた工場とする
事ができるでしょうが、それでも数百台から1000台規模の遠心分離
機を備える必要があります。遠心分離機の設計図はパキスタンのカ
ーン博士の整えた核の闇市場で既に流通しているようですから、北
朝鮮も既に入手済みでしょうが、遠心分離機そのものはイランが行
った様に設計図にそって自ら生産しなくてはなりません。
それこれ考えると、核兵器体型の整備には、少なくとも数百億から
数千億円の費用を要する事になります。そして、その多くは輸入に
当てなくてはなりません。資材の輸入には、ハードカレンシーが必
要になります。北朝鮮が、なんとしてでも、このハードカレンシー
を入出しようとする筈です。それは、既に切り詰められている食料
等の輸入品に対する割り当ての削減かも知れませんし、覚醒剤や武
器、ニセ札、ニセ煙草、援助食糧横流しによる輸出増によるものか
も知れません。あるいは在日朝鮮人からの送金の増加に頼るかも知
れません。何れにせよ。今まで以上に核兵器に資金を使う以上、そ
れに必要な資金は捻出されねばならないのです。
日本としては、この資金が日本から北朝鮮に流れる事を絶対に阻止
しなければなりません。そして、その手を打った上で北朝鮮を放置
すれば、軍備への過大投資が原因となったソ連型の体制崩壊に北朝
鮮を導ける可能性が高くなると考えるのです。
北朝鮮には、是非、核兵器体系整備の為に、第二の「苦難の行軍」
を実行して貰いましょう。
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