2009年4月7日火曜日

敵地攻撃用ミサイル配備による抑止力強化は必要か?


※準中距離弾道弾PershingII US Armyサイトから転載

敵地攻撃の検討を求める声 北ミサイル発射で自民部会

北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受け、自民党は6日、党本部で「北朝
鮮ミサイル問題に関する合同部会」を開いた。

山本一太参院議員は「日本の敵地攻撃能力は、自衛権(の範囲内)であれば憲
法に違反しない。能力、要件を本気で議論することが抑止力を増す」と強調。
土屋正忠衆院議員は「敵地攻撃に類する対応措置をとれるか考えるべき時期に
来ている」と指摘した。

(産経新聞 2009/4/6)


一言で言えば、「不要」であると考えます。
まず、保有しても使い道がありません。使用する状況を考えれば容
易に想像がつくと思いますが、現在の憲法が維持される場合、日本
側から予防戦争的に相手に仕掛ける訳にはいきません。また、核武
装も、日本が核攻撃を受けた後でないと、国内外の理解が得られな
いと考えます。つまり、最初の攻撃は甘受する必要があります。最
初の攻撃が北朝鮮から日本に加えられる攻撃であった場合には、日
米安全保障条約が発動される事になり、米国が北朝鮮を報復攻撃す
る事になります。このブログでも何度か取り上げていますが、それ
は北朝鮮にとって、体制崩壊を招く自殺行為となります。例え、日
本国内でのテロ行為であっても、バックに北朝鮮がいる事が明白で
あれば、それは、北による日本攻撃という点で同義という事になり
ます。

北朝鮮がそこまで、覚悟した上で、日本を攻撃するのであれば、そ
れは体制の存亡がかかった状況に基づくものであり、その際、日本
に非核攻撃兵器が多少有ったところで、抑止の面では、あまり違い
ないと考えられます。

それよりも、日本が攻撃された時に、確実に米国による報復が発動
されるように、米国との同盟関係が良好な状態としておく方が抑止
効果は高いと考えられます。寧ろ、攻撃兵器がある事で、米国との
関係で遠心力が働く事の方が余程有害と言って良いでしょう。

但し、北朝鮮による日本上空を通過するロケット(ミサイル)実験は
不快以外何者でもないのは事実です。このまま放置すれば、北朝鮮
は、既得権の様に、日本の上空を通過するミサイル実験を繰り返す
に違いありません。

それ既得権化させない為には、日本は日本上空を通過する打ち上げ
を許容しない事を明確にし、MDを一層強力なものにする事によっ
てその実行の意思を明らかにすべきです。
具体的には、以下の施策が考えられます。

1.DSP(赤外線早期警戒)衛星の配備
2.ABL(空中配備レーザー兵器)の配備
3.長距離用Xバンドレーダーの配備
4.GBI(地上発射型迎撃ミサイル)の配備


今回、北朝鮮が部分的にではあっても国際ルールに従ったのは、日
本が迎撃の意思を明確化した為であると考えられます。
北朝鮮に国際ルールを遵守させる為には、具体的な行動を通じてで
ないと意味がない事は、これまでの交渉からも明らかです。北朝鮮
が理解できる唯一の言葉が武力であるなら、日本としても、攻撃力
ではなく防衛力としてそれを見せつけるのが外交的にも得策と考え
ます。


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