※J-10 keypublishing forumから転載
中国海軍は、超音速巡航能力を持つ戦闘機を要求
by Bradley Perrett
超音速巡航能力を持つ戦闘機の取得は中国海軍で高い優先度にあると、高位の
海軍提督が公式インタビューで明らかにした。この高官はインタビューの中で、
中国海軍の公認されている弱点と将来進むべき方向性について強い手掛かりを
与えている。
中国人民解放軍海軍司令官である呉勝利提督は、また、敵の防御力に打ち勝つ
精密誘導ミサイルの研究を進めなければならないと語ると共に、中国は大型戦
闘水上艦艇-恐らく、ますます差し迫っている空母プログラムを意味すると思
われる(AW&ST 1/5/2009 p22)をより速やかに開発しなければならないと語った。
アフアーバーナーなしで超音速飛行を可能にする超音速巡航能力に対する呉提
督の要求は、J-XXと呼ばれている次世代中国戦闘機がその様な能力を利用可能
である事を示している様に思われる。
「ひとつの可能性は、J-XXが超音速巡航用に設計されており、呉提督がその航
空機の海軍版を作る案をサポートしようとしているということです」と、シン
ガポールのS. Rajaratnam国際研究学校のシニアフェローであるRichard
Bitzingerは語る。
J-XXのデザインは、まだ知られていない。それは全く新しい航空機かも知れな
いし、最近就役したJ-10の発展形とも考えられる。
J-10の構成はEurofighter Typhoonと類似しているが、Typoonは、メーカーに
よればマッハ1.5の超音速巡航能力(有効な外部兵装を装備した場合にはスピー
ドは幾分低下する筈)を保有している。
中国海軍にとっての、超音速巡航能力の優位点は、短い時間で、大きな防御エ
リアをカバーできる事であり、それは、遠距離にある米国の空母戦闘団を想定
目標と考えれば非常に有効である。
重要なことは、呉提督が、中国海軍がここ10年程度で実現できる様に思われる
他の要求事項と同じリストの中に、この超音速巡航戦闘機を含めていると言う
事である。それは、彼が、絵空事のような飛行性能と考えていない事を示唆し
ている。
「洗練された機器は、海軍が地域的な紛争に勝つための重要な基礎的素材です。」
と、呉提督は、明らかに台湾海峡で対立の可能性に言及する。そして、「我々
は、重要な武器に対する取組みに歩速を速めなければなりません。」と語って
いる。更に、それに加えて以下の様に語った。
「我々は大型水上戦闘艦艇、ステルス性能を持つ長持久力潜水艦、超音速巡航
性能を持つ戦闘機、敵の防御力に打ち勝つ精密で長射程のミサイル、深深度性
能を持ち、高速で、インテリジェントな魚雷、互換性と共通性を提供する電子
戦闘装置といった次世代兵器を開発しなければならない。」
(AW&ST 2009/4/27)
中国海軍 大型水上戦闘艦艇など新装備を開発
中国人民解放軍の海軍が成立60週年を迎えるにあたり、中国共産党中央軍事委
員会委員で海軍の呉勝利司令員が13日にメディアの取材に応じ、海軍の60年の
歴史を振り返り今後の発展を展望した。
呉勝利司令員によると、60年の発展で水上艦艇部隊、沿岸防衛兵、航空兵、潜
水艦部隊、陸戦隊の5兵種で編成された戦略的で総合的、国際的な海軍になり、
5兵種は半機械化から機械化へレベルアップし、徐々に情報化へ変更している
という。
キーワード1:新式装備
海軍は新世代の艦載戦闘機を研究開発する計画で、当面、3つの艦隊は駆逐艦と
護衛艦の分隊、モーターボート分隊、上陸用舟艇分隊および作戦支援艇分隊の
数十隊と、3級以上の戦闘艦艇数百隻を擁し、その容積トン数は1980年代に比
べて5倍に達するなど、艦艇の総合的な戦闘力が大いに強まっている。
重点は兵器と装備の開発を迅速に行わなければならない点で、大型の水上戦闘
艦艇、水中での連続潜航時間とステルス性の高いすぐれた新しいタイプの潜水
艦、超音速巡航戦闘機、防衛システムを突破する能力が強い精密な遠距離ミサ
イル、深深度高速人工知能魚雷、通用性と許容性を兼ねた情報戦の装備など、
新しいタイプの兵器と装備を研究開発する必要がある。
また各戦略的方向では、戦略的な母港を中心とする沿岸保障力をしだいに形成
し、海上での修理や遠洋兵力の輸送、大型救援と補給面での整備を強化する。
今後、遠洋機動戦力と戦略的な兵力輸送能力を、軍事力整備システムに組み入
れることにしている。
キーワード2:航空兵
第三世代の戦闘機が配備されるにつれ、航空兵部隊の全ての戦闘旅団は、多地
域間の機動作戦に参加することができるようになり、戦闘準備のパイロットは
全員ミサイルの実戦訓練に参加する。
キーワード3:人材の養成
新しいタイプの総合補給艦に代表される後方勤務の艦艇装備部隊の発足で、保
障艦艇の容積総トン数は80年代の6倍に達している。大型の戦略的な母港や重
点空港、後方の戦略的倉庫を建設し、艦船や航空機、装備の修理基地を十数所
も建設するなどして、遠洋に向かう海軍を強くサポートしている。
近年では高学歴の艦長やパイロット、仕官の養成規模が5年前に比べて10倍に
なり、4カ所の海軍の大学は仕官の訓練を行い、毎年、訓練を受けた仕官と兵
士は5000人に達している。
キーワード4:沿岸部隊
現在、沿岸部隊は全面的にミサイル化を実現し、新世代の沿岸ミサイルも全面
的に配備され、海軍の沿岸部隊は他の兵種による攻撃を支援する新しいタイプ
の兵種になった。
防衛システムを突破する能力が強化され、知能化レベルも向上、射程もより遠
くなり、妨害に対する抵抗力がより強い新世代の沿岸ミサイルが全面的に配備
されるにつれ、要地防空と近海防空能力を備える沿岸防衛部隊は、ほかの兵種
の攻撃に効果的にサポートする新しいタイプの兵種となった。
キーワード5 潜水艦部隊
人民海軍潜水艦部隊の防衛システムを突破する能力は明らかに向上している。
潜水艦は水中での重要な突撃力として海軍にとって重点的に構築する兵種であ
る。新世紀では新しいタイプの通常動力型潜水艦や原子力潜水艦が相次いで配
備され、新タイプの潜水艦には、超長波通信システム、データチェインシステ
ム、戦術ソフトウェア、指揮自動化システム、知能魚雷、精密誘導ミサイルな
どの装備が配置されている。またステルス性や連続潜水時間、生存力が明らか
に高まり、水中での防衛能力が明らかに強まった。
キーワード6 軍事演習と訓練
この10年、海軍は集団での海上作戦や戦役演習を30回以上実施してきた。これ
らの演習によって新しい戦法を検証し、海軍の一体化と総合的戦力、戦略抑止
力が大いに引き上げられた。
海軍の遠洋訓練はすでに日常的になり、海軍の5兵種は毎年数回、遠洋での演
習を実施している。そのうち水上艦艇の昼夜航行訓練は数百ノットから数千ノ
ットになり、潜水艦の水中での待機訓練は十数日から数カ月にわたっている。
(「チャイナネット」 2009/4/16日)
(人民網日本語版 2009/4/26)
中国海軍のR&Dに関する面白い記事がAviation Weekに掲載されてい
たので、ご紹介します。
元ネタがないか探していたら、人民網の4/22の記事の中に該当する
ものを見つけましたので、是非比較して頂ければと思います。
Aviation Weekは航空関係がメインですが、人民網の報道と同程度
の情報から、これだけの推測を行えるというのは流石に専門家と関
心しました。
なお、中国海軍のR&Dの中では、潜水艦のステルス性能と水中での
連続潜航時間向上が出ているのは、原潜を保有する中国でも、主と
して通常動力潜水艦での課題と思われる問題が結構深刻に捉えられ
ている事に興味深く感じました。
少し疑問なのは、対空ミサイルに対する関心の少なさです。対艦ミ
サイルが取り上げられているのに対空ミサイルが課題リストから落
ちているのは、中国が対空ミサイルに自信を持っている表れかも知
れません。
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