2009年4月15日水曜日

敵対国ロシアに利益を与える必要はない!


※写真はサハリン2。産経新聞サイトから転載。

サハリン1のLNG輸出、日本に支援要請 ロシア

ロシア政府が極東で建設を計画するパイプラインと液化天然ガス(LNG)輸
出基地について、日本に資金、技術両面で支援を求めていることが明らかにな
った。建設総額は5000億円規模と見込まれ、5月に訪日を予定するプーチン首
相が本格協議入りを打診する見込み。対ロ協力は資源調達先の多様化を目指す
日本のエネルギー政策と合致するが、北方領土問題を棚上げして経済協力が先
行することへの懸念も出そうだ。

日本外交筋によると、ロシアが支援を求めているのはサハリンとウラジオスト
クを結ぶパイプラインとウラジオ近郊でのLNG輸出基地の建設。日本のLNG
技術を導入し、米エクソンモービルや伊藤忠商事が出資する天然ガス・石油事
業の「サハリン1」が生産するガスをロシアが全量買い取って、大半を日本な
どに輸出する。ロシアはパイプラインとLNG基地の経営権も握る方向だ。

(NIKKEI NET 09/04/15)


このプロジェクトは、本来は、サハリンの天然ガスを中国や極東ロ
シアに移送できる様にする為のパイプラインを建設するものであり、
ウラジオストックにLNG基地を作る事で、更に、供給地の多角化
を可能とする事で中国に価格決定権を与えない様にしようと言うも
のです。サハリン2も接続できるので、現状、主に海路で搬出して
いるサハリン2の天然ガスもこのパイプラインで中国に輸出する事
も可能になります。

つまり、このプロジェクトはロシアの価格決定権や供給決定権を強
化するのみで日本にとって有利な事は全くないという事になります。

ロシアは、つい昨年までは、日本に求めるものは何もないと豪語し、
北方領土問題についても、突き放した態度を継続していた他、つい
先日の北朝鮮ミサイル問題でも、日本が要求していた国連決議の採
択に反対していた事は記憶に新しい所です。

その様な中で、今回の様な日本にとって利益がないプロジェクトに
巨額の経済援助を与える事は、ロシアが、日本を侮る事にお墨付き
を与える事になってしまいます。

つまり、ロシアは幾ら外交的に日本の利益をないがしろにしても、
日本からは何の報復もないし、ロシアが日本に対して外交的に譲歩
しなくても経済援助は得られることになってしまうのです。

このプロジェクトを推進しているのは経済産業省の官僚であると思
われますが、外交的に、最もやってはいけないとされる二元外交の
愚を犯している事になります。
対ロ対ソ関係では、日本は、過去、何度もこの二元外交によって外
交的な立場を切り崩されてきました。そして、その度に、煮え湯を
飲まされてきたのです。

もはや、外交的な愚策を繰り返すのは、終わりにして、日本の国益
を一元的に実現する体制を構築すべきであり、その為にも、今回の
プロジェクトは明確に拒絶すべきであると考えます。


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