※画像は、H-IIA14号機と15号機のロケット落下物の落下予想区域
H-IIAロケット14号機、15号機の「ロケット打ち上げ及び追跡管制計画」から転載
【政界24時】原川貴郎 安保で民主党に“期待”
創造力にあふれ、発想も大変ユニーク。民主党の安全保障論議を取材している
と、しばしばこんな皮肉を言いたい衝動に駆られる。
北朝鮮によるミサイル発射を受けて開かれた民主党の外務防衛部門会議。防衛
省から、発射の誤探知の経緯や秋田、岩手両県に配備された地対空誘導弾パト
リオット(PAC3)の説明を受けると、リベラル系のある議員はこんな意見
を真顔で言ったのだという。
「種子島から発射するロケットも、日本の島の上を通るのだろうから、これに
もPAC3を配備すべきだ」
出席者の一人は、「あきれるというか…。『世界観』が違い過ぎてとても議論
にはならない。でも、これが民主党の実態だ」とため息をついていた。
保守系から旧社会党左派までを抱え、「寄り合い所帯」「混ぜご飯」と揶揄
されることが多い民主党にとって、安全保障問題はアキレス腱(けん)だ。
そういえばソマリア沖の海賊対策をめぐって飛び出した意見にも首をかしげた
ことがあった。2月初旬の部門会議では、自衛隊の派遣に極めて後ろ向きの議
員が「イラクで日本人3人が人質になったとき盛んに『自己責任』といわれた
ように、ソマリアを航行するのは海運会社の自己責任ではないのか」と主張し
たのだった。それを伝え聞いた官邸関係者が「自衛隊を派遣させないための議
論で、国民の生命、財産をどう守るのかの視点が欠落しているのではないか」
と訝(いぶか)ったのも無理はない。
しかし、ソマリア沖では3月22日、商船三井の船が高速艇2隻から銃撃を受
けた。海上自衛隊の護衛艦が、外国船から救援要請を受け、不審船に対処した
事案も3月30日以降、すでに2件あった。求められているのは実態に即した
現実的な対応だ。
政府の海賊対処法案に対し、民主党は15日、自衛隊派遣に国会の事前承認を
義務付けた修正案の骨子を「次の内閣」で了承した。今後、法案作成と与党と
の修正協議を同時並行に進めていく考えだ。
最終的には政権政党たりうる海賊対策をまとめてくれると、民主党には期待し
たいが、もしいまだに党内で「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメ
ージがわかない」(平田健二参院幹事長、1月20日の記者会見)といった認
識があるのならば、望み薄だ。
(NIKKEI BUSINESSi 2009/4/20)
上掲の地図は、14号機のものは、静止軌道に乗せる場合の、また、
15号機のものは、極軌道に載せる場合の落下物予想範囲です。地球
低軌道のものは、静止軌道に載せる場合と同様になります。
飛行経路は書かれていませんが、落下予想範囲の中心を線で結ぶこ
とで想像ができます。この図は、各々、「ロケット打ち上げ及び追
跡管制計画」からの抜粋ですが、計画書には飛行経路図も含まれて
いますので、参照して下さい。こんな事まで公開されているのかと
驚かれると思います。勿論、計画書には、打ち上げ時の安全確保や
関係機関への通報なども含まれています。
14号機「ロケット打ち上げ及び追跡管制計画」
http://www.jaxa.jp/press/2007/11/20071128_sac_h2a-f14.pdf
15号機「ロケット打ち上げ及び追跡管制計画」
http://www.jaxa.jp/press/2008/10/20081022_sac_h2a_f15.pdf
上記の記事の中で引用されている民主党議員は、
「種子島から発射するロケットも、日本の島の上を通るのだろうか
ら、これにもPAC3を配備すべきだ」
と述べていますが、簡単にそれに対する回答を書くと、種子島から
打ち上げられるロケットの飛行経路上に日本の島はありません。
落下物予想区域の方が範囲は大きくなりますが、その中にも、日本
及び外国の島は含まれていません。(図には第二段の落下位置が記
載されていませんが、H-IIAは第二段が軌道に残る為、打ち上げ時
には落下しません。)
また、ロケットが飛行計画から逸脱した場合には、自爆させる為に
司令破壊と呼ばれる機能が備わっています。
実際、H-IIA 6号機は、燃料の燃え尽きたSRB(固体ロケットブース
ター)を切り離せなかった事から司令破壊されています。
従って、日本のロケットの場合は、PAC-3やSM-3によって迎撃破壊
する必要はない事になります。
こんな事は、全て情報が公開されているのですから、自分で少し調
べてみれば良いのです。防衛省から説明を受ける立場にいるのです
から、民主党の中でも防衛関係に興味を持っている方である筈です。
そういう方であれば、私の様な一般国民でも、ものの15分で調査が
出来る内容なのですから、ネットをググレば簡単に正解に辿り着く
事が可能である筈です。
であるにも係わらず、この様なトンチンカンな質問をしているのは
実は、日本のロケットにも国民の安全にも興味はなく、ただ、反日
イデオロギーに凝り固まって政府の足を引っ張る事しか考えていな
い輩であるからに他なりません。
ソマリア沖の海賊についても「イラクで日本人3人が人質になった
とき盛んに『自己責任』といわれたように、ソマリアを航行するの
は海運会社の自己責任ではないのか」と主張した議員がいるようで
すが、この議論も実は全く同じ文脈であり、不勉強極まりないとし
か言い様がないのです。原川氏のいう通り、こういった事を言って
いる様では、民主党が政権政党として国民の信頼を得るには、まだ
まだ時間がかかるのではないかと感じた次第です。
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