2009年4月27日月曜日

中国の海軍力は日本を上回る


※晋級SSBN Globalsecurity.orgより転載

海軍能力「世界の6強」 中国紙報道、日本上回る

【北京23日共同】中国国営通信、新華社系の時事週刊紙「国際先駆導報」は
23日、中国海軍の総合的な実力について「米国、ロシア、英国には及ばない
が、日本を上回り、インド、フランスと並ぶ」と指摘し、世界の6強に入って
いると報じた。

同紙は主要国の海軍(日本は海上自衛隊)について、作戦行動が実施できる範
囲を3分類し(1)世界各海域=米国(2)自国近海と一部遠洋海域=ロシア、
英国(3)自国近海=中国、フランス、インド、日本-と分析。

日中の比較では、中国海軍が戦略ミサイル原子力潜水艦などで「一方的な優位」
にあると指摘。原潜以外でも、中国が先進的なミサイル駆逐艦や通常型潜水艦、
戦闘機を相次ぎ就役させ、日本が優位といえなくなったとしている。

(共同通信 2009/4/23)


この「中国の海軍力は日本を上回る」という結論を否定してかかる
方も多いと思うのですが、私は逆に、中国人民解放軍海軍の方がバ
ランスの取れた構成であると思います。勿論、装備の多くは旧ソ連
設計、中国製造で旧式化しているものも多いと思いますが、20年継
続した国防費二桁増加は確実に装備の近代化に回っています。

米国国防総省発行の2009年版「中国の軍事力」によれば水上艦艇の
25%、潜水艦の47%が"近代化"されています。近代化されたものだけ
とっても、決して過小評価は出来ません。

空母はまだ計画段階であるにせよ艦艇は主要水上艦艇74隻で、ここ
数年の間に051C級及び052C級ミサイル駆逐艦各二隻、054A級ミサイ
ルフリゲート4隻を取得しています。これらの国産水上艦艇は有力
な長中射程の対空ミサイルを装備しており、ロシアから輸入したソ
ブレメンヌイ級と合わせ来るべき空母機動部隊の構成要素と目され
ています。

潜水艦では夏級戦略ミサイル原潜に加え、後継の晋級戦略ミサイル
原潜の配備が進められており戦略抑止力を備えています。攻撃型原
子力潜水艦も漢級に代わって商級が配備されています。
これらの原子力潜水艦は、日本では政治的に配備できませんが、中
国海軍が日本を凌駕する大きな要素であると言えます。

また、海上自衛隊が、対潜哨戒機しか持たないのに比べ、機数だけ
を数えれば、航空自衛隊を凌駕する戦闘機、爆撃機からなる海軍航
空隊を保有しており、旧型機に代わって爆撃機はTu-22Mバックファ
イア、戦闘機も新型のSu-30MK2の配備も開始されています。

さらに二個旅団1万人からなる海兵隊を有し、37隻の両用戦艦艇を
保有している点も、台湾侵攻の為とは言え、総合的な海軍力強化に
役立っています。

これらを装備する人民解放軍海軍の要員数は、約29万人と見積もら
れていますが、4.5万人の海上自衛隊の比べ、六倍以上になってい
ます。

勿論、軍備や兵力の多寡が実力を決定する訳ではなく、装備の性能
と数、それと要員の錬度との乗数になりますから、一概に中国の方
が上とは言い切れませんが、闇雲に海上自衛隊の方が上とも言い切
れる訳ではないと認識するのが正しい情報評価の態度ではないかと
思われるのです。

例えば、ソマリアの海賊対策では、日本が護衛艦を派遣するより数
ヶ月前に中国は、略同規模の艦隊を派遣しています。中国が全体主
義国で政策決定に時間を要しない事を考えても、艦艇がいつでも海
外派遣に出せる状態であった事、海賊制圧用の特殊部隊の準備も含
め、高いレベルの臨戦態勢が出来ていた事も事実であると思われる
のです。その点でも、海上自衛隊はうかうか出来なくなっている様
に思えてなりません。


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