北朝鮮による攻撃説に対し「現在のところ、証拠はない」
李明博(イ・ミョンバク)大統領は、1日午前に開いた非常経済対策会議と、
南米地域へ派遣された与党ハンナラ党の特別視察団との昼食会の席上で、韓国
海軍の哨戒艦「天安」の沈没事故についての心境を述べた。
李大統領はまず、事故の原因に関し、メディアやインターネット上でさまざま
な推測が出ていることに対し、かなり困惑した様子で「望ましくない、危険な
兆候だ。絶対に(今回の事故を)政治的に利用してはならない。6カ国協議の
当事国として、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国として、責任ある
行動が求められている。国内的な発想だけで行動してはならない。少しでも疑
惑が浮上したり、隙を見せたりしてはいけない。そうしてこそ、国際社会から
信頼を得ることができる。最終的な結論が出るまでは、冷静に待ち続けるべき
だ。それが、国を愛する心というものだ」と述べた。
その上で李大統領は、今回の事故が「北朝鮮による攻撃」だとするうわさが広
まっていることについて、「北朝鮮の攻撃だった可能性も排除していないが、
現在のところ証拠は見つかっていない」と説明した。李大統領は「艦艇には
(事故の当日)特に異常はなかったという。あらゆる可能性があると思うが、
北朝鮮が介入したという証拠はまだ見つかっていない。西海(黄海)で交戦が
ぼっ発したときは、北朝鮮側の動きを示す情報(内部の通信記録や交信など)
がもたらされたが、今回はそうした情報はなかった」と述べた。
大統領府のある幹部は、「今回の事故について、政府が慎重な姿勢を見せてい
るため、一部では“北朝鮮による介入の可能性を意図的に低減しようとしてい
るのではないか”という誤解が生じている。北朝鮮による介入の事実が明らか
になれば、むしろ(今回の事故に関する)政府の姿勢はよりはっきりしたもの
になるところだが、慎重な姿勢を見せるということは、まだ証拠がないという
ことを示すものだ」と語った。
一方、李大統領は、事故の原因を解明するには相当な時間を要するだろう、と
いう見解を示した。李大統領はこの日、オバマ米大統領との電話会談で、「ま
だ原因は明らかになっていない。(事故原因の解明には)高度な技術が必要だ。
結論を出すまでには時間がかかると思う」と述べたという。
(朝鮮日報 2010/04/02)
李政権が、今回の哨戒艦沈没事件に関して、早い段階で、北朝鮮原
因説を抑えこもうとしたのが、どういう理由によるものなのか良く
理解できなかったのですが、この記事を読んで漸く理解する事が出
来ました。
上の記事の中で、李明博大統領は、「六ヶ国協議の当事国として、
主要20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国として、責任ある行動
が求められている」と述べていますが、そこには、予定調和を乱さ
れた困惑は感じられても、指揮下の部下50名を殺された韓国軍最高
指揮官の決意や原因究明に対する強い意思を見る事は出来ません。
つまり、李明博大統領の目下の主要関心事は、今年11月に韓国で行
われる予定のG20首脳会議を議長国として主催する事であって、
それを危うくする様な事態が発生する事は、あってはならないと考
えているとしか判断できないのです。
確かに、韓国は、世界の主要国として遇される事に熱望とも言える
願望があります。それは、少しでも、韓国の新聞を継続して読んで
いれば明らかです。世界ランキングに対する異常な関心は、普通の
日本人を辟易させますが、それも、歴史的に属国の地位に甘んじて
いた期間が長かった事の反動と思えば理解できます。そして、ウォ
ン安のお陰とは言え、他の主要国と比べ、リーマンショックを比較
的短期間で克服出来た事を誇る気持ちも納得できます。その実績を
基に、議長国としてG20を主催する事が、李明博大統領にとって
一生で一度の晴舞台である事も充分に理解できます。
ここで、韓国と北朝鮮の緊張関係がエスカレートすれば、G20の
開催場所が変更されてしまうかも知れないと李明博大統領が恐れる
のも分からない訳ではありません。李明博大統領のみならずG20
を主催する事は、韓国国民全体にとっても、悲願の実現に他ならな
いのかも知れません。
それにしても、自国の軍艦が撃沈され、50名近い死者が出ているに
も拘わらず、G20を主催する為に、敢えて北朝鮮関与の可能性を
軽視し、目を瞑ろうとするのは、為政者としては、致命的な失態で
はないかと思わざるを得ないのです。目前の危機から目を背ける事
で危機がなくなる訳ではありません。それは「駝鳥の平和」に過ぎ
ません。この事件に北朝鮮が関与しているかどうかは別にしても、
北朝鮮にしてみれば、G20首脳会議が終わるまで、韓国は、北朝
鮮が何をしても絶対にエスカレートは回避する事がこの事件のお陰
で判ってしまいました。ある意味、この一年は北朝鮮にとって、絶
好の収穫機会と言う事になります。
歴代の韓国の為政者は、面子や体面、大義名分を実質より重視する
事で、亡国の憂き目にあった事が少なからずあったと思いますが、
韓国が今回もその轍を踏むのではないかと懸念する処です。
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