※写真は韓国海軍のリンクスヘリコプター。朝鮮日報Webサイトから転載
海軍ヘリ墜落:「事故相次ぐリンクス・ヘリ、部品に問題」
エンジン関連会社が閉業
「ヘリコプター間で部品の使いまわし」
潜水艦の探知を主要任務とする韓国海軍のリンクス・ヘリが相次いで墜落や不
時着の事故を起こしている中、リンクス・ヘリのエンジン部品の調達が正常に
なされておらず、運用に困難をきたしていたことが分かった。軍関係筋は18日、
「リンクス・ヘリのエンジン部品会社が数年前に閉業し、部品調達が難しくな
った。一部ヘリでは、部品を外してほかのヘリの部品として使いまわす“同類
転換”をしていると聞いている」と話した。軍当局は、15日午後に全羅南道珍
島の南東海上で墜落したリンクス・ヘリがこうした問題と関連があるのか、集
中的に調査しているという。
15日の墜落事故に続き、第2艦隊所属のリンクス・ヘリ1機が17日午後10時13分、
西海(黄海)小青島から南22.8キロの海上にレーダーでとらえられた正体不明
の物体を確認するため出動し、韓国型駆逐艦「王建」に戻る途中で海上に不時
着し、乗組員3人が救助された。機体は18日午前7時40分ごろ、救助艦「清海鎮」
によって引き揚げられた。軍関係筋は「17日の事故は、ヘリの飛行高度を表示
する高度計の異常が原因である可能性が高いとみて調査している」と語った。
海軍は相次ぐ事故により、三つの艦隊に配備されているすべてのリンクス・ヘ
リ運用を中断した。
(朝鮮日報 2010/04/20)
泣きっ面に蜂の様な感じですが、哨戒艦の沈没に続き、韓国の対潜
ヘリコプターが連続事故を起こし、問題になっています。
それと同時に、今回の哨戒艦の沈没原因についても、北朝鮮の小型
潜水艦による魚雷攻撃が有力になっており、では、何故、哨戒艦が
潜水艦を探知できなかったという疑問が提起されてきています。
ちなみに、哨戒艦「天安」の沈没後、僚艦「束草」による潜水艦探
査が行われており、一時間後には対潜ヘリコプターによる探査も行
われていますが潜水艦は探知できていません。
元々、無音潜航している潜水艦を発見するのは、非常に難しい上、
今回の沈没事件が発生した場所は、水深が浅く、海岸と島嶼が接近
しており、音響探知が難しいエリアです。
更に、哨戒艦そのものも、船体の大きさに比べ、大砲や対艦、対空
ミサイルと言った砲たん兵器が処狭しと並べられており、潜水艦の
天敵である対潜ヘリコプターは、元々搭載しておりませんでした。
それでも、対潜兵器として、より大型のウルサン級フリゲートと同
様の、三連装短魚雷発射管二基とシグナール社製PHS-32パッシブ・
ソナー、AN/SQS-58ハルソナーを装備していました。
この対潜システムは、韓国国防部が公表した処では、事故当日の白
リョン島付近の海洋環境の場合、ソナーが距離約2キロメートル前
後で潜水艦、半潜水艇、魚雷を探知できる確率は70%だとされて
います。しかし、実際には、探知率は50%ほどにすぎないという
軍関係者の意見もあり、実態は、こちらの方の数字の可能性が高そ
うです。
更に、哨戒艦が沈没した状況は、北朝鮮との海上境界であるNLLに
接近していたものの、特に、戦闘配置は発令されていなかった模様
です。また、ソナーを有効に稼働させる為に、低速航行する事で自
艦の発生騒音を抑制するのが望ましいのですが、その様な対潜戦の
体制をとっていたという情報はなく、ソナーを作動させていたかす
ら疑問が残るのです。
潜水艦への注意も希薄で、対潜装備もそこそこの物であれば、小型
潜水艦が哨戒艦に不意打ちを食らわせる事ができたとしても不思議
ではありません。
韓国の海軍力は、金大中、盧武鉉両大統領によって飛躍的に増強さ
れましたが、対潜戦用の装備は、補給関係の装備と並んで、一番、
増強が遅れている分野です。
それでも、高性能の対潜哨戒機であるP-3Cが8機配備されており、
大型艦艇では、欧州では標準的な対潜装備であるリンクスヘリコプ
ターが搭載されています。
今回連続事故を起こしたリンクスヘリコプターですが、韓国海軍で
は1991年以降、25機が導入され、「広開土大王」級駆逐艦、「忠武
公・李舜臣(イ・スンシン)」駆逐艦、「世宗大王」級イージス艦
と言った、大型の艦艇に搭載されています。導入以降、19年に亘り、
喪失事故はありませんでしたが、ここへ来て連続で事故が発生した
原因として、上記の記事にある通り、一部部品の供給停止によって
とも喰い整備を余儀なくされているという事情があるのかも知れま
せん。(国防部長は、部品供給に問題ないと発言したという報道も
あるが、韓国は従来からとも喰い整備を色々な装備で行っている。)
いずれにしても、今回の事件で、現状の対潜装備では、重装備の哨
戒艦ですら、北朝鮮の小型潜水艦にすら対応できない事が明らかに
なった訳で、且つ、その対潜装備が、哨戒艦とフリゲート艦の標準
装備になっていた事を考えると、今後、韓国海軍は、艦載対潜シス
テムや対潜哨戒機、対潜ヘリコプター、SOSUS網と言った対潜装備
全体の再構築を余儀なくされている様に考えられます。
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