2010年5月20日木曜日

韓国哨戒艦沈没 中国の非協力で韓国民の恨はどこへ行く

※図は、朝鮮日報Webサイトより転載

哨戒艦沈没:外交通商部の説明に中国大使欠席

哨戒艦「天安」の沈没事件をめぐり、合同調査団による調査結果発表が20日に
予定される中、中国は韓国に対し、さまざまな方法できまりの悪さを表現して
いる。

事件原因が北朝鮮による魚雷攻撃だとの結論を出した韓米が、首脳間の電話会
談やクリントン国務長官の訪韓などで、強固な協調体制を維持していることに
対し、中国が拒否感を表明したと受け止められている。

韓国政府は19日、調査結果を共有してきた米国を除く、中国、日本、ロシア、
英国、フランスなど約30カ国の大使を外交通商部に呼び、事前説明を行う方針
だが、中国の張シン森駐韓大使は欠席を伝えてきたという。

中国は、張大使より格下のケイ海明公使が出席すると外交通商部に伝えてきた
もようだ。張大使本人の判断ではなく、中国政府の考えを反映しているとみら
れる。韓国政府の当局者は「大使の出席が難しければ、公使が出席するのが慣
例だ」と話したが、別の当局者は「張大使に直接調査結果を聞いてもらいたい」
と述べた。

韓国政府は先月30日、韓中首脳会談で事前に調査結果を説明すると中国側に伝
えたが、中国は形式を問題視し、結果通知を拒んだとされる。中国は韓国の玄
仁沢統一相が今月4日、公の席で張大使に「中国政府の責任ある役割が重要だ」
と語った点を挙げ、「完全な非公開形式でなければ、調査結果を聞くことはで
きない」との立場に固執しているという。このほか、中国は外交ルートを通じ、
「北朝鮮による仕業だという確実な証拠はない」「この事件は基本的に南北関
係の問題にすぎない」といった立場を伝えてきたという。

北京の消息筋は「中国がややこしい条件を設け、『天安』の事件調査結果に対
する事前通知を先送りしようとするのは、今回の事件に対する中国の見方と無
関係ではないはずだ」と指摘した。中国は今月15日、韓中外相会談でも、「科
学的かつ客観的調査」を求めるとするこれまでの立場を繰り返すにとどまった。

中国の奇妙な動きは、張大使による17日の国会訪問からも感じ取れた。張大使
は同日、赴任あいさつのため、民主党指導部には会ったが、ハンナラ党は訪ね
なかった。外国大使の就任あいさつは通常、与野党を同時に訪問するか、与党
を先に訪ねるのが慣例だ。張大使は民主党を訪れた席上、「『天安』の事件が
誰の仕業かについては明らかな証拠がないようだ」とも述べた。ハンナラ党は
「正式就任前にあいさつに来るとの打診はあったが、それから特に連絡はない」
と説明した。

在韓中国大使館は、「民主党訪問は、日程の関係で先になっただけだ。ハンナ
ラ党訪問に関しては、特に明らかにすべきことはない」とコメントした。しか
し、中国が意図的に与党を無視し、「天安」事件で立場が似ている野党を先に
訪問したのではないかとの憶測が生じている。

(朝鮮日報 2010/05/20)

日本「天安問題に関して韓国と米国を支持」
中国「客観的な調査が必要」


韓中日3カ国の外相は、15日と16日の二日間にわたり慶州で会談を行い、哨戒
艦「天安」の沈没問題とその対応策について意見を交換した。

天安が北朝鮮の魚雷攻撃によって沈没したという暫定的な結論を下した韓米の
見方に対し、日本は支持と協力の意向を明確にした一方、中国は北朝鮮の関連
性については触れず、3カ国の間で立場の違いがあらわになった。天安問題を
取り巻く各国の立場の違いは、「韓米日VS中国」という形に固まりつつある。

日本の岡田外相は16日の韓日外相会談で、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通
商部長官に対し、「韓国政府は非常に困難な状況の中で、客観的かつ科学的に
調査を行っていることを高く評価したい」と述べたという。これは、外交部の
金英善(キム・ヨンソン)報道官が明らかにした。日本は20日に予定されてい
る事故調査の発表後、北朝鮮に対する韓米の対応策について、経済制裁など日
本の協力が必要な分野があれば、協力を惜しまないとの立場も明確にしたという。

しかし、中国の楊潔チ外相は15日の韓中外相会談で、天安事故に対する哀悼の
意を表しながらも、「科学的かつ客観的な調査を行うことが重要だ」と述べ、
この問題に対する中国の立場を繰り返すにとどまった。また、北朝鮮が関与し
た可能性についても言及しなかった。

(朝鮮日報 2010/05/17)


韓国は、本日、哨戒艦「天安」の沈没原因として北朝鮮の潜水艦
(潜水艇)による魚雷攻撃であった事を公開しました。
この証拠として、
①引き上げられた船体から検出された爆発物を分析した結果、東側
 で広く使用されているRDXという爆薬である事が判明した事。
②現場に残っていた魚雷の残骸が、以前に回収された北朝鮮の訓練
 用魚雷と材質が一致した事。
③底引き漁船が現場から引き上げた魚雷の残骸が発見され、そのス
 クリューシャフトにハングル文字の番号が記載されており、これ
 が訓練魚雷に書かれたそれと同種のものである事がわかった事。
とされています。

李明博政権が、この原因調査を海外の専門家も含めた官民合同調査
委員会にゆだねた事は、原因判断に対する高い透明性を与えたとニ
ューヨークタイムズは評価しています。しかし、過去、北朝鮮から
数度に亘る攻撃やテロを受けている韓国の軍艦が、国境付近で突然
沈没し、状況証拠が十分ある中で、最初は事故として処理しようと
したり、時間がかかる事を承知で、国際的な原因調査チームを組成
した事は、軍事報復のオプションを最初から投げていたと評価でき
ます。その後、46名もの死亡が確認され、その遺族を中心とした
世論が沸騰してきた為、韓国政府も拳を上げざるを得なくなったと
言えます。

李明博政権は、今後、米国や日本と共同で、国連の安全保障理事会
を通じ北朝鮮への追加制裁を行おうとするでしょうが、一番軽い安
保理の議長声明ですら、北朝鮮の同盟国としての立場から振舞おう
としている中国の同意が必要です。しかし、中国が、北朝鮮に対す
る安保理の処置を可能な限り軽いものに留め様としている事は上記
の記事からもほぼ確実であると言えます。

4月に突然行われた金正日の中国訪問が予定より一日早く終了した
事で、中朝交渉の不調の噂もありましたが、金正日は、精力的に中
国諸都市を見学し、改革開放のポーズを取る事で、一番欲しかった
体制の保障を中国が再確認したので、早々と訪問を打ち切ったと考
えるのが正しかった様です。

そう考えれば、北朝鮮が、自国の犯行を認める訳もなく、また、中
国は、韓国の原因調査で北朝鮮の犯行と断定できないと安保理で主
張し続ければ、国連を通じた制裁は骨抜きにならざるを得ません。
米国は、韓国の立場を支持するでしょうが、アフガニスタン安定化
やイラン制裁問題を抱え、更に北朝鮮にまで戦線を広げる事はさけ
たい筈です。

恐らくは、時間だけが過ぎていき、事件は、時の流れの中に風化し、
最終的に北朝鮮を非難する安保理議長声明が気が抜けたタイミング
で行われる程度で、幕引きが行われるのではないかと思われます。
また、李明博政権は、北朝鮮に、G20の邪魔をさせない事を釘を
さす程度で、矛を収めるのかも知れません。最終的に残るのは、攻
撃を受け、大した報復もできずに泣き寝入りとなる韓国民の恨とい
う事になりそうです。


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