北朝鮮軍総参謀部(李英鎬〈リ・ヨンホ〉総参謀長)は12日、「重大布告」を
通じ、韓国側が対北宣伝放送用の拡声器を設置したことについて、「警告通り、
反共和国心理戦の手段を清算するための全面的な軍事的打撃行動に突入するこ
とになる。われわれの軍事的打撃は比例的原則による1対1の対応ではなく、ソ
ウルを火の海にすることまで見越した無慈悲な軍事的打撃である点を肝に銘じ
ておく必要がある」と主張した。北朝鮮当局が「ソウルを火の海にする」と脅
迫するのは、1994年の第8回南北実務接触以来16年ぶりのことだ。総参謀部は
韓国軍に送った布告で、「心理戦は戦争遂行の基本作戦形式の一つであるとい
う点から、反共和国心理戦手段の設置は、われわれに対する直接的な宣戦布告
だ」と表現した。
これに対し、韓国合同参謀本部は「北朝鮮軍の異常な動向はとらえられていな
い。北朝鮮が挑発した場合、その倍以上に懲らしめる準備態勢が整っている」
と話した。
(朝鮮日報 2010/06/14)
「ソウルを火の海に」という北朝鮮の恫喝も随分と軽いものになっ
たものだという感慨を覚えます。普通は相手国の首都を火の海にす
るというのは最大限の威嚇の表現でしょう。そういう表現は安易に
用いては、安っぽくなってしまいます。伝家の宝刀は、なかなか抜
かないからこそ価値があるのです。
今回、北朝鮮総参謀部が伝家の宝刀を抜いて止めさせようとしてい
る韓国の行為とは、たかだか対北宣伝放送用の拡声器を数十箇所に
設置するというものでしかありません。拡声器を設置すれば、戦争
するぞというのは、相手を呆れさせる事はあっても、本気に取らせ
ることは、なかなか困難です。
北朝鮮は、本気である事を説明する必要があります。それが、「心
理戦は戦争遂行の基本作戦形式の一つであるという点から、反共和
国心理戦手段の設置は、われわれに対する直接的な宣戦布告だ」と
いうのでは話になりません。もし、そういうロジックが成立するの
であれば、現在は総力戦の時代なのですから平和的な経済建設競争
ですら、「経済建設は戦争遂行の基本作戦形式の一つである」とい
う事になってしまいます。
北朝鮮がもし、拡声器の設置に対し、ソウルを火の海にする事で本
当に答えた時、それを北朝鮮にとって十分な理由であると理解して
くれるのは「悪の枢軸」仲間しかないに違いありません。その他の
国にとっては顰蹙ものの行為というのが一般的な受け止め方になる
に違いないのです。
今回の件で明らかな事は、北朝鮮が、如何なる情報であれ、自国に
不利な情報を自国民に宣伝されるのは避けたいと思っている事です。
それは、強さを示すものでなく、明らかに北朝鮮の弱さを示すもの
に他なりません。そう考えれば、居丈高な北朝鮮軍人の恫喝も、極
貧国の寡婦の悲鳴に聞こえてくるのです。北朝鮮も随分、落ちぶれ
たものだと言わざるを得ないのです。
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