2010年5月25日火曜日

韓国哨戒艦撃沈事件 北は韓国側の宣伝放送再開に報復するか?

軍、北「拡声器照準撃破」→金泰栄長官「自衛権発動」

金泰栄(キム・テヨン)国防省長官は24日、国防部が対北心理戦を再開する
と発表したことについて、北朝鮮軍が拡声器などを照準撃破射撃するとして挑
発した場合、自衛権を発動して直ちに対応するという立場を明らかにした。

国防部はこの日2004年6月15日に中断した対北FM放送である「自由の
声」を6年ぶりに再開した。また25日から対北チラシを風船につけ、北朝鮮
地域に放す予定だ。

北朝鮮人民軍前線中部地区司令官はこれに対し「拡声器のような心理戦の手段
を新たに設置する場合、それをつぶすための直接照準撃破射撃が開始される」
と脅やかした。

(中央日報 2010/05/25)



いつもながら大口を叩く北朝鮮ですが、韓国が今回の事件の報復の
一環として行う、国境地区での拡声器による宣伝放送の再開に対し
拡声器を照準射撃し撃破すると脅しをかけています。

北朝鮮のいつもの手ですが、韓国の出方に脅しをかけて、韓国の対
応策を縛ろうという訳です。ただ、このタイミングで、韓国側が報
復を控える事は政治的にできません。統一地方選挙が近いので、こ
こで報復(注)を延期したり緩和する事は、李明博大統領が漸く打ち
出した対北強行政策が腰砕けである事を示す事になり、世論の離反
を招いてしまいます。

(注)韓国は哨戒艦沈没に関して、以下の7項目の制裁を
行うとしています。
・開城工業団地を除く南北経済協力事業と北朝鮮との交
流を全面的に中断する
・北朝鮮の攻撃への自衛権の発動
・北朝鮮への心理戦を再開
・北朝鮮商船の韓国海域の航行禁止
・韓米の対潜水艦演習
・PSI演習の強化
・国連安保理での協議

一方、野党民主党は、今回の哨戒艦撃沈事件に関して、事件発生以
来、終始、北朝鮮を非難する事を避け、事件発生の責任を李明博政
権の対北政策の誤りを指摘するだけでした。ここへ来て、民軍調査
委員会の結果を受けて、漸く、対北非難の声を上げる様になりまし
たが韓国国民の目からみれば民主党のへたれぶりは全く容認できな
いと言う事になります。

李明博政権とすれば、ここは強攻策をちらつかせていれば、北朝鮮
からの攻撃があっても、民主党との比較で黙っていても、選挙戦の
勝利が得られ、政権基盤を強化できるのですから、弱腰の対応を取
る理由は全くないと言えます。

それでは、北朝鮮は、拡声器に対する報復を行わないのでしょうか?
もし、拡声器に対する照準射撃を行わなければ、今度は、北朝鮮が
実際には、弱腰である事を認める事になってしまい、韓国が、安心
して制裁実施を行える様になってしまいます。そうなっては、折角
細心の注意をはらって実施した哨戒艦撃沈が、薮蛇の結果を招く事
になります。

北朝鮮側は、金正日の威信を守る為にも、弱みを見せられません。
幸い、韓国側のリアクションは予想可能です。攻撃を受けたとして
も、北朝鮮以上にやり返す事は控えるであろう事が予想できます。
つまり、韓国が北側に対して砲撃を返すとしても同程度であると期
待できます。北側からすれば、その程度であれば、国内の体制引き
締めにも有効である上、中国への言い訳や援助の引き出し用に使え
ると考えるかも知れません。現時点に限って言えば、南北双方とも
に砲撃を交換する程度の限定したエスカレーションは好ましいとす
ら言えます。

その様な観点からすれば、今後、南北朝鮮の間で、限定的な砲火の
交換が行われる可能性が大いにあると考えるべきであり、その様な
事態が発生しても、我が国としては、右往左往する事なく、冷静に
対処すべきであろうと思われるのです。


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2010年5月24日月曜日

民主党政権の生煮え政策 つけは、結局、税金に!

鳩山首相「辺野古付近にお願いせざるを得ない」普天間飛行場代替地で

鳩山由紀夫首相は23日午前、沖縄県の仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間
飛行場(同県宜野湾市)移設問題について「国内および日米の間で協議を重ね
た結果、普天間飛行場の代替地そのものは沖縄県内に、より具体的に申し上げ
れば、名護市辺野古付近にお願いせざるを得ないという結論に至った」と述べた。

(産経新聞 2010/05/24)

自民党が10年以上の時間をかけ地元対策を行い、地元民、市、県、
米軍の合意を取って進めていた普天間基地移設を、党利党略から、
蹴飛ばし「最低でも県外」と地元の期待を高めるだけ高めた後、や
はり駄目でしたと言えば、非難されるのは当たり前です。

民主党の政策には、本当にこういった実効の伴わない生煮え政策が
多く、所要費用の割に、効果が疑問なものが多い様に思われてなり
ません。

多国籍のアフガニスタン支援策として年間数十億円の負担でインド
洋で行っていたテロ対策の給油活動を停止し、その代わりに5000
億円もかけてアフガニスタンの民政支援を行う事になりましたが、
汗をかかずに金で解決するのかと現地での評判が悪い事は、ご承知
の通りです。子ども手当も、外国にいる外国人の子供にもお金を出
すなど、効果の割には、巨額の費用を要する悪政以外の何者でもあ
りません。税金ではなく、赤字国債で賄われているので、判らない
だけで、いずれその返済は増税で賄われなければならないのです。

今回の普天間問題でも、恐らくは、自民党案通りに進めていたもの
に比べると時間もお金も余計にかかる事は確実です。自民党案に反
対していたのは、知事一人だけでした。埋め立ての認可さえでれば
埋め立てが開始できる状態でした。名護市の市長も地元も了解して
いたのです。当然、地元振興費として費用はかかりますが、それも
既に決着していたのです。

それに対し、民主党と鳩山首相が、基地県外移転の期待度をあげて
しまった為に、元の案に戻す為だけに、巨額の費用を要する事にな
ります。辺野古の地元は今でも移転賛成が多い様ですが、名護市の
市長は反対派に変わっています。反対派の市長を納得させるには、
誠意の他は、お金しかありません。

地元の気持ちをお金で買うのかという議論もありますが、成田空港
の例を見ても判りますが、日本の現在の体制では強権など振るう事
は不可能です。そうであれば、国が意思貫徹の為に使えるものは、
継続的な説得とその誠意の裏づけとしてのお金しかないのです。

沖縄で、今まで想定していた以上の資金を更に費やして、地元の説
得を行わないといけません。埋め立て工事も、コストがかかる方法
で施工する事で地元の企業に資金を回さないといけません。沖縄の
負担を減らす為に、訓練の一部を本土で実施する場合も、実施する
場所の自治体に資金援助を行う事で誠意を見せないといけません。
政策の実行を真面目に非効率に行うという奇妙な光景が沖縄で具現
化する事になります。これが太田中将の希望した沖縄への「ご高配」
なのでしょうか?ごね得以外の何者でもない、沖縄の倫理を破壊す
る愚劣な政策としか思えないのです。

更に、こういう事ばかりやっていれば、お金はいくらあっても足り
ない事は明白です。自民党内閣は、リーマンショック後の特殊な一
時期の対応として、巨額の財政赤字を許容しましたが、民主党内閣
は、選挙の票を得る為に、巨額のばら撒きを継続的に実施するつも
りです。この手の政策は戸別所得補償制度の創設や温暖化ガス対策
などでますます拡大する見込みです。民主党があと3年政権を担っ
た後で、何が残るのか、それが国民が政府から資金を引き出す事や
あるいは首相に倣って脱税にのみ、汲々とする荒涼とした景色で無
い事を祈るのみです。


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2010年5月21日金曜日

祝 H2A F-17金星探査機「あかつき」打ち上げ成功!

※写真は、読売新聞Webサイトから転載。

金星探査機「あかつき」を打ち上げ

「H2A」17号機が21日午前6時58分、鹿児島県の宇宙航空研究開発機
構(JAXA)種子島宇宙センターから打ち上げられた。約27分後、あかつ
きを分離し、予定軌道への投入に成功した。

あかつきは約半年間の飛行を経て、今年12月に金星へ到着。金星上空を1周
約30時間で周回し、約2年間にわたり大気の観測などを行う。

打ち上げは当初、18日の予定だったが、天候不良で3日延期された。あかつ
きの開発費は約146億円、H2Aの打ち上げ費(打ち上げ延期による追加分
を除く)は約98億円。

あかつきは赤外線や紫外線などで異なる高度を観測する5台のカメラを搭載。
金星全体を覆う硫酸の雲や秒速約100メートルで吹き荒れる暴風などを調べ、
謎に包まれた大気のメカニズムを解明する。

日本が惑星探査機を打ち上げたのは平成10年の火星探査機「のぞみ」以来2
度目。のぞみは打ち上げ後の不具合などが原因で火星周回軌道への投入に失敗
した。

17号機はあかつきのほか、小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」など
計5基の小型衛星を搭載した。イカロスは宇宙空間で“帆”に相当する約14
メートル四方の樹脂膜を展開。太陽光が持つ微弱な圧力を受けて飛行する“宇
宙ヨット”で、成功すれば世界初の飛行技術になる。

H2Aの打ち上げは今回で11回連続の成功。信頼性を一段と高め、商業衛星
打ち上げビジネスの新規受注に向けて前進した。

(産経新聞 2010/05/21)


H2Aの17回目の打ち上げが成功しました。H2Aとしては連続
11回。H2Bも含めれば連続12回の打ち上げ成功になります。
今更、表題に「祝」と書くのは、JAXAや三菱重工の関係者に失
礼かも知れませんが、ロケットの発射は、いつまでたってもハラハ
ラドキドキです。

さて、今回打ち上げられたのは、金星気象観測衛星とも言える金星
探査機の「あかつき」です。
「あかつき」は、元々はH2Aではなく、一回り以上も小さい打ち
上げロケットであるM-Vによって打ち上げる予定であったので、
打ち上げ重量が500kgしかありません。本体とSRB-A2本の
H2Aとしては最小構成である202構成でも、打ち上げ重量に余
裕があるので、主衛星の「あかつき」以外に、副衛星とも言える重
量310kgの小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の他、
ピギーパック衛星を4機搭載しています。この内3機は、地球軌道
に留まりますが、一機は、金星軌道まで飛行する事になります。

「あかつき」と「IKAROS」については、各々、エントリーを
書いています。

「金星大気の謎を探る「あかつき」」
http://ysaki777.iza.ne.jp/blog/entry/1290781/

「金星探査機「あかつき」、宇宙帆船「イカロス」打ち上げ日決まる」
http://ysaki777.iza.ne.jp/blog/entry/1493369/

今回は、金星軌道まで飛行するピギーパック衛星を取り上げます。
この金星に向かって打ち出されるピギーパック衛星は、世界初の大
学開発の深宇宙衛星でUNITEC-1という名前です。(打ち上
げ後、「しんえん」という愛称がつきました。)
衛星のサイズは、縦横高さが各々40cmの立方体で、重量は21kg。
通常のピギーパック衛星の10倍以上の規模となっています。

搭載しているのは、全国22の大学宇宙工学コンソーシアム所属の
大学・高専からコンペで選ばれた6校(東京理科大学、北海道工業
大学、高知工科大学、東北大学、電気通信大学、慶応義塾大学)が
各々製作したUOBC(電力,体積,重量,ミッション内容等の制
約のついたコンピュータ)で、金星への旅で、その生き残り競争を
行おうというものです。

ピギーパック衛星にとっては地球軌道ですら、生き残る上では、な
かなか厳しい環境ですが、地球軌道を離れた深宇宙環境は、更に条
件が厳しくなります。

サクセスレベルは、まず、ミニマムサクセスとして衛星を共同で開
発し,打ち上げ,そして電波の受信に成功することになっています。
フルサクセスは予定された通信可能期間、UOBCの試験結果を受
信・解読できることです。エクストラサクセスは、フルサクセスの
期間より更に二ヶ月以上、UOBCの試験結果または放射線カウン
タのデータを受信・解読できること となっています。

大学や高専、一般企業が、キューブサットと呼ばれる超小型衛星を
打ち上げる事は、珍しくなくなってきましたが、今回は、初の金星
軌道への旅になります。まずは、生き残り競争が成立する為の条件
であるミニマムサクセスが達成される事を祈りたいと思います。

UNITEC-1ウェブサイト
http://www.unisec.jp/unitec-1/ja/top.html

UNITEC-1運用フォーラム
http://arvireo35b.sakura.ne.jp/forumunitec1/index.php


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2010年5月20日木曜日

韓国哨戒艦沈没 中国の非協力で韓国民の恨はどこへ行く

※図は、朝鮮日報Webサイトより転載

哨戒艦沈没:外交通商部の説明に中国大使欠席

哨戒艦「天安」の沈没事件をめぐり、合同調査団による調査結果発表が20日に
予定される中、中国は韓国に対し、さまざまな方法できまりの悪さを表現して
いる。

事件原因が北朝鮮による魚雷攻撃だとの結論を出した韓米が、首脳間の電話会
談やクリントン国務長官の訪韓などで、強固な協調体制を維持していることに
対し、中国が拒否感を表明したと受け止められている。

韓国政府は19日、調査結果を共有してきた米国を除く、中国、日本、ロシア、
英国、フランスなど約30カ国の大使を外交通商部に呼び、事前説明を行う方針
だが、中国の張シン森駐韓大使は欠席を伝えてきたという。

中国は、張大使より格下のケイ海明公使が出席すると外交通商部に伝えてきた
もようだ。張大使本人の判断ではなく、中国政府の考えを反映しているとみら
れる。韓国政府の当局者は「大使の出席が難しければ、公使が出席するのが慣
例だ」と話したが、別の当局者は「張大使に直接調査結果を聞いてもらいたい」
と述べた。

韓国政府は先月30日、韓中首脳会談で事前に調査結果を説明すると中国側に伝
えたが、中国は形式を問題視し、結果通知を拒んだとされる。中国は韓国の玄
仁沢統一相が今月4日、公の席で張大使に「中国政府の責任ある役割が重要だ」
と語った点を挙げ、「完全な非公開形式でなければ、調査結果を聞くことはで
きない」との立場に固執しているという。このほか、中国は外交ルートを通じ、
「北朝鮮による仕業だという確実な証拠はない」「この事件は基本的に南北関
係の問題にすぎない」といった立場を伝えてきたという。

北京の消息筋は「中国がややこしい条件を設け、『天安』の事件調査結果に対
する事前通知を先送りしようとするのは、今回の事件に対する中国の見方と無
関係ではないはずだ」と指摘した。中国は今月15日、韓中外相会談でも、「科
学的かつ客観的調査」を求めるとするこれまでの立場を繰り返すにとどまった。

中国の奇妙な動きは、張大使による17日の国会訪問からも感じ取れた。張大使
は同日、赴任あいさつのため、民主党指導部には会ったが、ハンナラ党は訪ね
なかった。外国大使の就任あいさつは通常、与野党を同時に訪問するか、与党
を先に訪ねるのが慣例だ。張大使は民主党を訪れた席上、「『天安』の事件が
誰の仕業かについては明らかな証拠がないようだ」とも述べた。ハンナラ党は
「正式就任前にあいさつに来るとの打診はあったが、それから特に連絡はない」
と説明した。

在韓中国大使館は、「民主党訪問は、日程の関係で先になっただけだ。ハンナ
ラ党訪問に関しては、特に明らかにすべきことはない」とコメントした。しか
し、中国が意図的に与党を無視し、「天安」事件で立場が似ている野党を先に
訪問したのではないかとの憶測が生じている。

(朝鮮日報 2010/05/20)

日本「天安問題に関して韓国と米国を支持」
中国「客観的な調査が必要」


韓中日3カ国の外相は、15日と16日の二日間にわたり慶州で会談を行い、哨戒
艦「天安」の沈没問題とその対応策について意見を交換した。

天安が北朝鮮の魚雷攻撃によって沈没したという暫定的な結論を下した韓米の
見方に対し、日本は支持と協力の意向を明確にした一方、中国は北朝鮮の関連
性については触れず、3カ国の間で立場の違いがあらわになった。天安問題を
取り巻く各国の立場の違いは、「韓米日VS中国」という形に固まりつつある。

日本の岡田外相は16日の韓日外相会談で、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通
商部長官に対し、「韓国政府は非常に困難な状況の中で、客観的かつ科学的に
調査を行っていることを高く評価したい」と述べたという。これは、外交部の
金英善(キム・ヨンソン)報道官が明らかにした。日本は20日に予定されてい
る事故調査の発表後、北朝鮮に対する韓米の対応策について、経済制裁など日
本の協力が必要な分野があれば、協力を惜しまないとの立場も明確にしたという。

しかし、中国の楊潔チ外相は15日の韓中外相会談で、天安事故に対する哀悼の
意を表しながらも、「科学的かつ客観的な調査を行うことが重要だ」と述べ、
この問題に対する中国の立場を繰り返すにとどまった。また、北朝鮮が関与し
た可能性についても言及しなかった。

(朝鮮日報 2010/05/17)


韓国は、本日、哨戒艦「天安」の沈没原因として北朝鮮の潜水艦
(潜水艇)による魚雷攻撃であった事を公開しました。
この証拠として、
①引き上げられた船体から検出された爆発物を分析した結果、東側
 で広く使用されているRDXという爆薬である事が判明した事。
②現場に残っていた魚雷の残骸が、以前に回収された北朝鮮の訓練
 用魚雷と材質が一致した事。
③底引き漁船が現場から引き上げた魚雷の残骸が発見され、そのス
 クリューシャフトにハングル文字の番号が記載されており、これ
 が訓練魚雷に書かれたそれと同種のものである事がわかった事。
とされています。

李明博政権が、この原因調査を海外の専門家も含めた官民合同調査
委員会にゆだねた事は、原因判断に対する高い透明性を与えたとニ
ューヨークタイムズは評価しています。しかし、過去、北朝鮮から
数度に亘る攻撃やテロを受けている韓国の軍艦が、国境付近で突然
沈没し、状況証拠が十分ある中で、最初は事故として処理しようと
したり、時間がかかる事を承知で、国際的な原因調査チームを組成
した事は、軍事報復のオプションを最初から投げていたと評価でき
ます。その後、46名もの死亡が確認され、その遺族を中心とした
世論が沸騰してきた為、韓国政府も拳を上げざるを得なくなったと
言えます。

李明博政権は、今後、米国や日本と共同で、国連の安全保障理事会
を通じ北朝鮮への追加制裁を行おうとするでしょうが、一番軽い安
保理の議長声明ですら、北朝鮮の同盟国としての立場から振舞おう
としている中国の同意が必要です。しかし、中国が、北朝鮮に対す
る安保理の処置を可能な限り軽いものに留め様としている事は上記
の記事からもほぼ確実であると言えます。

4月に突然行われた金正日の中国訪問が予定より一日早く終了した
事で、中朝交渉の不調の噂もありましたが、金正日は、精力的に中
国諸都市を見学し、改革開放のポーズを取る事で、一番欲しかった
体制の保障を中国が再確認したので、早々と訪問を打ち切ったと考
えるのが正しかった様です。

そう考えれば、北朝鮮が、自国の犯行を認める訳もなく、また、中
国は、韓国の原因調査で北朝鮮の犯行と断定できないと安保理で主
張し続ければ、国連を通じた制裁は骨抜きにならざるを得ません。
米国は、韓国の立場を支持するでしょうが、アフガニスタン安定化
やイラン制裁問題を抱え、更に北朝鮮にまで戦線を広げる事はさけ
たい筈です。

恐らくは、時間だけが過ぎていき、事件は、時の流れの中に風化し、
最終的に北朝鮮を非難する安保理議長声明が気が抜けたタイミング
で行われる程度で、幕引きが行われるのではないかと思われます。
また、李明博政権は、北朝鮮に、G20の邪魔をさせない事を釘を
さす程度で、矛を収めるのかも知れません。最終的に残るのは、攻
撃を受け、大した報復もできずに泣き寝入りとなる韓国民の恨とい
う事になりそうです。


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2010年5月19日水曜日

中国には難しすぎた? Su-27のコピー機に欠陥



http://www.defence.pk/forums/china-defence/43179-update-j-11b-project.html
より転載

コピーに失敗?中国新戦闘機

中国軍系国有航空機メーカーが生産した新型戦闘機「殲11B」16機が飛行
時の異常振動などのために軍側に受け取りを拒否されていることが17日、分
かった。中国の軍事動向に詳しい専門誌「漢和防務評論」(本部カナダ)最新
号(6月号)が伝えた。

「殲11B」は中国側がロシアの戦闘機「スホイ27」の技術を基に開発した
とされ、ロシア側と知的財産権をめぐりトラブルになった経緯があるが、技術
転用に失敗した可能性がありそうだ。

製造したのは遼寧省にある「瀋陽航空機」で、2009年に16機生産。しか
し、納品の直前に空軍パイロットがテスト飛行したところ振動があり、受け取
りを拒否した。

(産経新聞-共同 2010/5/17)


「殲11B」については、採用されたステルス技術について、朝鮮
日報が報道していた事もあり、そのレベルについて評価したエント
リーを書いた事があります。

「中国製ステルス機のステルス度合いを計ってみる」
http://blogs.yahoo.co.jp/ash1saki/51432549.html

また、中国が空母艦載機としてロシアのSu-33に相当する機体
を「殲15」を開発している事を取り上げたエントリーも書いています。

「中国空母艦載機「殲15」の完成度」
http://blogs.yahoo.co.jp/ash1saki/61553995.html

今回のエントリーは、その続きの様な感じになります。

「殲11B」は、中国がSu-27SKをライセンス生産した時に
取得した技術や設計書類に基づいて、Su-27SKの設計を変更
し、搭載能力を強化した機体です。外形は、Su-27にそっくり
ですが、武器搭載用のハードポイントを14箇所に増やした他、そ
れに応じて機体強度の強化を行っています。また、アビオニクスや
レーダーなども西側の技術を使って強化しています。更に、RCS
低減対策を図る事によってそれを五分の一にすると同時に、整備、
保守性を向上する対策も取られているとされます。

Su-27は素性の良い機体で、本家のロシアもSu-27をベー
スにSu-30やSu-33、Su-35といった各種の発展型が
開発されていますが、「殲11B」もその眷属と言えます。

報道によれば1997年頃からSu-27SKをライセンス生産し
ていた瀋陽航空機で「殲11B」の開発に取り掛かったと伝えられ
ています。中国の生産体制がどの様になっているか判りませんが、
量産試作あるいは初期量産型の16機について、部隊受領試験の段
階でフラッターと思われる機体の振動が発生し、受領が拒否された
と思われます。

通常の場合、機体開発では、量産期に先行して試作機が作られ、こ
れを使って各種の試験飛行が行われ、機体の欠陥や設計不良が、洗
い出されます。機体の振動が設計不良に起因するものであれば、こ
の段階で発生しているのが判っている筈です。それをクリアした上
で、量産に入った後、異常振動が発生したとすれば、それは製品製
造に関連する問題である可能性が高いと思われます。

①量産機用部品生産上の問題
 試作機では、特別に製造された部品であったが、量産用に製造さ
 れた部品の加工精度が十分でなかった。
②量産機用部品材質の問題
 上記と同じく、部品や部材の材質が量産機と試作機では異なり、
 強度が変化した事で振動が発生する様になった。
③国産化部品を使用する事の問題
 「殲11B」の国産化率は50%とされていますが、この国産化
 率を高める過程で、部品品質が悪化した。その結果①、②が発生。

量産機になってから一律に、振動が発生したのであれば、②または
③の問題である可能性が高いかも知れません。

最近でこそ中国の生産技術は急速のそのレベルを向上させています
が、それは、まだまだ、外資が管理している製造会社や、外資が技
術移転をした範囲に留まっています。その点で、今回「殲11B」
を製造した国営企業の「瀋陽航空機」が、どの程度の品質管理水準
にあったのか興味深く思われるのです。


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2010年5月18日火曜日

20SS(平成20年度計画潜水艦)は、革命的な艦になるか?

※写真は17SS「うんりゅう」。朝雲新聞社Webページより転載

20SS(平成20年度計画潜水艦)は、そうりゅう型潜水艦の五番艦とな
る潜水艦です。そうりゅう型自体が、通常動力潜水艦としては世界
最大の艦であるだけでなく、各種の新機軸を装備した最新鋭艦です
が、20SSは、更に大きな自由度を潜水艦に与える注目すべき新技術
が採用される事になっています。

但し、そうりゅう型潜水艦の五番艦という位置づけから判る様に、
表面的なスペック上は、1番艦から4番艦までと変わる事はありま
せん。武装も火器統制システムもソナーも変わる事がありません。

その新技術は何で、どの様な利益をこの艦に与えるのでしょうか?
実は、この艦から採用されるという新技術は、我々には、既に、耳
慣れた技術です。リチウムイオン電池というのが、この艦から採用
される新技術です。如何ですか、がっかりされたでしょうか。

ノートパソコンの電池にはもう大分前からリチウムイオン電池が採
用されていますし、電動自転車のバッテリーでも既に一般的です。
しかし、ハイブリッド自動車には、まだまだリチウムイオンの採用
は進んでおらず、主として安全性やコスト面での有利さもあり、ト
ヨタのプリウスやホンダのインサイトではニッケル水素電池が使わ
れています。大容量の二次電池として、リチウムイオン電池は、ま
だまだ一般的とは言えないのです。但し、ニッケル水素電池と比べ、
リチウムイオン電池は、ポテンシャルが非常に高い事もあり近い将
来、電池自動車では、確実に主流になると見込まれています。

その大容量リチウムイオン電池を世界に先駆けて潜水艦用の蓄電池
として実用化したのが海上自衛隊であり、その採用第一号が、20SS
と言う訳なのです。この大容量リチウムイオン電池と潜水艦用蓄電
池プラントの開発は、平成14年から平成17年にかけて研究開発及び
試験が行われました。

では、20SSの装備するリチウムイオン電池は、潜水艦の性能をどの
様に変えるのでしょうか。潜水艦には、その最初期から蓄電池とし
ては鉛蓄電池が採用されてきました。この理由は、コストが安く、
大量に生産でき、短時間で大電流放電させたり、長時間緩やかな放
電を行っても比較的安定した性能を持ち、メモリー効果もなく、長
寿命であるという非常にバランスの取れた電池性能を実現していた
からです。

リチウムイオン電池が鉛蓄電池に勝るのは、一にも二にも、取り出
せる電気の量が多く、電気の充電に急速に行う事ができるという点
にあります。電池が単位容積当りどの程度のエネルギーを蓄えられ
るかは、エネルギー密度という単位で計りますが、鉛蓄電池が1㍑
当り60-75Whを蓄えられますが、リチウムイオン電池の場合は、こ
れが、200Wh以上、今後の技術進歩によっては600Wh~700Whにもな
る潜在力があると評価されているのです。

今回採用されたリチウムイオン電池がどの程度の性能を持つかは明
らかにされていません。公式には2倍以上となっていますが、おそ
らく3倍近い能力をもっているものと思われます。(一般の電動自
転車用のリチウムイオン電池が240Wh/Lなので、この程度は達成し
ていると思われます。)

潜水艦は水中では、シュノーケル状態でなければディーゼル主機を
動かす事はできません。そうりゅう型の場合は、スターリング機関
がありますので、低速度(5kt程度)であれば、かなりの長期(二週間
程度)に亘って行動する事ができますが、それでも高速力を出す事
はできません。従来の鉛蓄電池では、一時的には、20kt超の水中速
力を出す事は可能でしたが、それはごく短時間しか許されませんで
した。(この場面で20ktを10分、そこからあちらに動いてから20kt
を5分というような感じだそうです。)

リチウムイオン電池になってもそういう制約は残りますが、高速力
を出せる時間が、2倍~3倍に改善される事は大きな意義がありま
す。潜水艦としての運動性能は大幅に改善する事になります。

また、速力を出す場面でなくとも、大容量の電力を蓄積しているの
で、従来に比べれば、水上やシュノーケル状態で充電する必要が減
少します。それによって敵に探知される機会が減少する事になり、
生存性が向上する事になります。

また、電池そのものの形状は、従来の鉛蓄電池とほぼ同じであるの
で、従来艦に対してもレトロフィットも比較的容易ではないかと考
えられます。もし、レトロフィットが容易であれば、海上自衛隊の
潜水艦全てに適用可能と言う事になり、既存艦の運動性能の向上と
生存性向上に役立つ事は疑いありません。リチウムイオン電池潜水
艦は、勿論、原子力潜水艦には及ぶべきもありませんし、U212級の
様な燃料電池推進艦と比較しても、スターリング機関と併用して漸
く対抗できるレベルなのかも知れません。しかし、それでも、最小
費用による戦闘能力向上が実現できるのは、喜ばしい事であり、自
衛隊潜水艦隊の実力を大いに高める事ができると思われるのです。


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昨日のエントリーに20SSには、リチウムイオン電池は搭載されてい
ないのではないかという指摘を頂きました。
改めて調べてみましたが、搭載されていないと明確に述べた資料は
資料はなかったものの、防衛省の予算関係資料で判る潜水艦の調達
費用を概算要求時と予算成立時を比べてみると、20SSについては、
リチウムイオン電池を搭載していれば、上昇する筈の船価が、逆に
前年に比べ、大きく低下しているのが判ります。
従って、おそらく20SSやそれ以降の艦にも、リチウムイオン電
池は搭載されていないと考えざるを得ません。
残念ですが、リチウムイオン電池の潜水艦への搭載はあくまで将来
計画と考えるべきだろうと思います。

     概算要求時 成立予算  差額
22SS 544億円 528億円 ▲16億円
20SS 540億円 510億円 ▲30億円
19SS 550億円 533億円 ▲23億円
18SS 577億円 552億円 ▲25億円
17SS 585億円 586億円 + 1億円
16SS ――――― 598億円 不明








2010年5月17日月曜日

少し異様な北澤発言 沖縄の地政学上の重要性は基地移転後も変わらない

※逆さ向き北東アジア地図。Google Mapの地図を一部改変

基地負担、沖縄より全国へ分散=政府の基本方針で―北沢防衛相

北沢俊美防衛相は16日午後、長野市で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県
宜野湾市)の移設に関する政府の基本方針について「鳩山由紀夫首相の考えで
(基地負担を)一部、沖縄にお願いせざるを得ないということを基本に、それ
をはるかにしのぐ形で負担を全国展開することの大枠を決定するのが、5月末
決着の大筋だ」と述べた。 

(時事通信 2010/05/16)


北澤防衛大臣は、鳩山政権の閣僚の中では、比較的まともと言われ
ていますが、この発言は、少し異様に感じてしまいました。

勿論、この言葉の前後にそれを説明する発言があるでしょうし、今
や沖縄の負担軽減云々の枕詞が無ければ、普天間問題を論じられな
いだろう事も常識的には、理解可能です。しかし、それにしても言
葉足らずである上、沖縄の戦略的な位置関係についてどの様に理解
しているのかと不思議に思われるのです。

そもそも、沖縄の地政学的な位置関係の重要性がなければ、これ程
までに、基地が集中する筈もなければ、沖縄の返還が70年代まで見
送られる事もありませんでした。(米国は本土復帰に際し、当時の
琉球政府に沖縄独立を示唆したとも言います。)

米国は、別に海兵隊のヘリコプター部隊の訓練場を探している訳で
はありません。単なる訓練場であれば、グアムやフィリピンでも良
かった筈です。それが沖縄でなければならないのは、将に、北東ア
ジアに安全保障の問題が生じた時に策源地として利用可能な出撃基
地を平時から準備する必要があるからこそ、普天間基地の移転と海
兵隊部隊のグアムへの移転がセットになっているのです。

上の地図を見ると、アジア大陸の勢力は、日本列島、南西諸島、先
島諸島、台湾と続く列島弧(中国流に言うと第一列島線)によって包
囲されているのが直感的に理解できると思います。
そして、沖縄が、その列島弧の中心にあって、この包囲網の要石の
位置にあるのが分かります。

被包囲側にあっては、ここを突破できれば包囲は意味をなさなくな
り、太平洋へ自由に出入が出来ると同時に、台湾、日本、朝鮮半島
有事の際には、それらの有機的な連携を阻害できる事になります。
(であるからこそ、左翼勢力が沖縄を離さないとも言えます。)

逆に、沖縄が包囲側にあって、防衛、出撃の策源地になっていれば
有事の際の連携には大いに有効であると言えます。これが沖縄駐留
の在日米軍が東アジアの安全保障上の大きな資産であると言われる
所以です。グアムやテニアン、日本本土ですら沖縄を代替する事は
できないのです。

これらを前提にすると北澤防衛相の「一部、沖縄にお願いせざるを
得ないということを基本に、それをはるかにしのぐ形で負担を全国
展開する」という言葉は、沖縄の軍事機能をごく一部を残して日本
に移して空き家同然にするという異様な決意に聞こえてならないの
です。


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2010年5月14日金曜日

そうだ。民主党の傲慢に選挙結果で責任をとって貰おう


※民主党相関図 産経新聞Webサイトから転載

沈黙続く党内 「小鳩枢軸」で民主、奇妙な安定感

■支持率低迷しても/5月末決着断念しても

鳩山由紀夫首相が公約破りともいえる米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎの
わん)市)移設問題の5月末決着断念を表明したにもかかわらず、民主党内で
「鳩山降ろし」の声が高まることもない。首相は参院選を前に支持率が低下し
ても、党内の「小沢」「反小沢」勢力の双方に担がれ、奇妙な安定感を誇って
いる。参院選への危機感があっても、党内には首相と小沢一郎幹事長のグルー
プによる「小鳩枢軸」の大きな数が、見えない圧力として、議員たちの上にの
し掛かっているようだ。

首相の5月末決着の断念は、党内では織り込み済みの空気が強く、同党議員の
間では「首相の謝罪会見は何日になるのか」(若手)が話題になる程度だ。

「普天間問題で政権がぐらつくことはない」

小沢氏は最近、周辺にこう明言した。自らの「政治とカネ」の問題を抱え、東
京地検特捜部から事情聴取を求められ、衆院政治倫理審査会で近く弁明も行う
小沢氏にとって、自身の続投を認めてくれている鳩山首相を支えたほうが得策だ。

小沢氏と近い党ナンバー3の輿石東参院議員会長も13日の記者会見で、普天
間問題の先送りについて「大きな問題だから、思った通りにいかなければ、引
き続き努力するという意味だ。それで仕方がない」と首相を擁護した。記者団
が「首相の責任問題、進退にならないということか」と問うと、即座に「その
通りです」と合点した。

「反小沢」勢力の渡部恒三元衆院副議長や前原誠司国土交通相、仙谷由人国家
戦略担当相らも「6月、7月と(首相が)頑張るのは認めるしかない。沖縄問
題で鳩山内閣がどうということにはならない」(渡部氏)などと、先送りを容
認している。

仮に普天間問題で鳩山首相が政権を放り出せば、6月に党代表選が行われる。
だれが立候補しようとも、「小鳩枢軸」が推す候補が勝つ公算が大きく、小沢
氏の影響力は残る。反小沢勢力にとって、枢軸が保たれている状態で、首相が
退陣することは望ましくない。首相に退陣を求めるよりも擁護し、“恩”を売
ることで、枢軸の分断につなげたいとの思惑もありそうだ。

ただ、「月末の世論の動向次第では、今とまったく異なる政治状況になる」
(民主党中堅)と、進退問題への発展を懸念する声はくすぶっている。

(産経新聞 2010/05/14)


小沢幹事長の蓄財疑惑と鳩山首相の公約破りを民主党内で咎める向
きが無いのは、民主党に自浄能力が無い事がない事を示しています。
政治資金疑惑に関しては、小沢氏も鳩山氏も、渦中においては、い
づれ国民に納得のいく説明をすると述べていましたが、不起訴にな
ったとたん、既に説明済みとすっかり頬被りをしてしまっています。
後ろ暗い資金を手にした可能性の高い小沢氏が、検察審議会で起訴
相当とされたのもその様な事情が働いているものと思われます。

自民党にも数々の欠点はありましたが、金権腐敗が指摘されれば、
それに変わってクリーンを売り物にする人物を総理にする様な自浄
能力はありました。この点で、民主党政権は、政権担当能力の問題
以前に、自浄能力が無い点で、政権党である資格すら欠くと言わざ
るを得ません。

本来であれば、7月の参議院議員選挙を控え、選挙に対する影響を
懸念する声が聞こえてきても良さそうなものですが、民主党内では、
小沢グループと鳩山グループが多数を占め、且つ、政府内にも有力
者を殆ど取り込んでしまった総主流派体制では、あがるべき批判の
声も上がらなくなってしまっています。

野党からすれば、この状態は、誠に幸いであると言えます。
何故なら、ここ数ヶ月、内閣支持率は平均で毎月10%近い下落率
が継続しており、もし、7月の下旬に参議院議員選挙が行われれば、
現時点から、更に20%近い下落が見込まれます。民主党が支持率
改善の切り札と考えているであろう子ども手当の支給にしても、少
子化が進んでいる現状からすれば、実際に現金を手にできる国民の
割合は、全世帯数から考えれば大きな割合(注)とはなりません。

注)
0歳~15才までの人口は約1800万人、世帯あたりの子どもの
数を1.5人とすれば、1200万世帯、両親のみを直接受益があ
る有権者とすれば2400万人で、これは有権者数全体の四分の一
にしかなりません。その他の世帯は配偶者控除の廃止等で増税にな
ります。

その様に考えれば、子ども手当支給後も、内閣支持率が大幅に上昇
する事はあまり期待できない事になります。

ここで一気にねじれ国会に持っていければ良いのですが、民主党も
公明党やミニ政党を取り込む事で、参議院での多数を確保しようと
するでしょう。しかし、私はそれでも良いと考えます。連立政権を
組むと連立与党間で合意が可能な政策の実行が優先されます。そう
なる事で、外国人への地方参政権付与法案や人権擁護法改悪、夫婦
別姓許容と言った民主党内左派の推進する日本を破壊する法案の成
立が難しくなるからです。

現状でも、民主党政権は、社民党や国民新党といった連立する小政
党が、郵政民営化の骨抜きや普天間問題で、民主党を振り回してい
ます。連立参加政党が増える事で、更に、それが加速する事になり
ます。そうなれば、いくら民主党が衆議院で圧倒的多数を占めよう
と、その力を発揮する事はできなくなるのです。

衆議院選挙は、あと3年はありません。その間は、衆議院では民主
党の圧倒的多数が続きます。そうであれば、まずは、民主党が更な
る連立与党を求める様な参議院議員選挙結果とする事で、民主党の
傲慢に鉄槌を下そうではありませんか。


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2010年5月13日木曜日

北朝鮮をテロ支援国に再指定すべし

タイ押収の北朝鮮密輸武器、受け手は過激組織のハマスとヒズボラ

イスラエル外務省は11日、昨年12月にバンコクの空港で貨物機から押収さ
れた大量の北朝鮮の武器は、シリア経由で、レバノンのイスラム教シーア派組
織ヒズボラ、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスに届けられる予定だっ
たと声明で明らかにした。

これら武器の最終的な受け取り手について、政府レベルの公式見解が出るのは
初めて。イスラエルのリーベルマン外相が11日、東京で鳩山由紀夫首相と会
談した際に語った内容としている。タイ政府から国連安全保障理事会の北朝鮮
制裁委員会に提出された報告書では、貨物機の最終目的地はイランの空港とさ
れていたが、受け取り手については明らかになっていなかった。

タイ政府の報告書によると、押収されたのはロケットランチャーの砲身や砲弾、
対戦車ロケット砲RPG7など計約36トン。貨物機の出発地は平壌、最終目
的地はテヘランにある「メヘラバード空港」となっていた。

(産経新聞 2010/05/10)


ブッシュ大統領が「悪の枢軸」との対決を2002年に叫んだ時、それ
を馬鹿にする論調が米国の内外で盛んであった事を覚えています。
勿論、日本もその例外ではありませんでした。ブッシュ政権をシニ
カルに見る向きが殆どであり、イラク戦争とその後のイラク再建が
イスラム過激派の抵抗から思わしくない事もあって、現在でも同じ
認識が主流であると思います。

しかし、そういった悪の枢軸に対するシニカルな見方は正しかった
のでしょうか。事実は、核兵器製造技術やウラン濃縮技術、更には、
ミサイル等の武器製造技術や武器そのものの不正輸出のネットワー
クが悪の枢軸(北朝鮮とイラン)を中心に広がっている事を示してい
ます。

北朝鮮は、パキスタンのカーン博士からウラン濃縮技術や原子爆弾
の製造ノウハウを取得しましたが、習得した技術をイランに輸出し
たと考えられています。それに加えて北朝鮮は、ウラン濃縮施設を
地下に設置する技術や建設ノウハウの移転も行っている模様です。

これに加えて、イランは、各種のミサイル生産技術も北朝鮮やロシ
ア、中国から取得しています。

北朝鮮は、イラン以外にシリアに対しても、核燃料製造プラントを
輸出しましたが、この建設はイスラエルの知る所となり、空爆によ
りプラントは破壊されています。

今回は、36トンの武器がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボ
ラ、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスに空輸されるのが阻
止された訳ですが、通常、こういった武器の輸出は海路で行われて
います。(その点で、今回空輸しようとしたのは、緊急に武器が必
要とされる事態が予定されていたのかも知れません。)公式の貿易
量は微々たる状態であるにも関わらず、北朝鮮船籍の輸送船が、何
度もソマリアの海賊に襲われたりしているのも、こういった禁制品
の輸出に従事しているからであると考えられます。

ブッシュ政権は、2008年に六ヶ国協議での外交的成果を急ぐあまり、
北朝鮮に対するテロ支援国指定を解除してしまい、日本でも大きな
失望を与えましたが、それが誤りであった事は明らかです。
今回の韓国哨戒艦の沈没事件でも北朝鮮の関与がますます濃くなっ
て来ています。米国は改めて北朝鮮をテロ支援国に指定するべきで
あると考える次第です。


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2010年5月12日水曜日

中国空母艦載機「殲15」の完成度



※写真はSu-33。Novosti Webサイトより転載

中国、空母艦載機の試作機製造

カナダの軍事専門誌「漢和防務評論」5月号は、中国が航空母艦の搭載機とな
る国産戦闘機「殲15」の試作機を昨年10月に製造したと報じた。中国は艦
載機としてロシアから「スホイ33」を購入する交渉を進めていたが、ロシア
は技術転用への懸念などから難色を示していた。中国はウクライナから購入し
たスホイ33と同型の艦載機の技術を応用し、国産での艦載機開発を目指すと
みられる。

試作機を製造したのは遼寧省の軍用機メーカー、瀋陽航空機工業。空母に搭載
しやすいように主翼や水平尾翼を折り畳むことができ、関係者は同誌に「技術
の問題は既に解決した」と語った。今年中に試験飛行を計画。外見はスホイ33
に酷似しているという。

中国は空母建造を計画しているが、短距離の滑走で離着陸できる艦載機の技術
などが課題になっている。艦載機の国産開発・生産に成功すれば、空母建造に
向けた準備が一段と進む。

(日本経済新聞 2010/05/10)


中国は当初、ロシアからSu-33を購入する予定でしたが、40
機以上と見込まれた商談が実際には7機(2機という説もある)に過
ぎなかった事から、ロシアは、中国が、残りの機体を技術盗用して
製造する事を懸念して商談を打ち切ったと言います。その後、中国
は、ウクライナが、ソ連崩壊後にロシアから譲渡されたT10K(
Su-33の試作機)一機を、2007年に購入しています。

上記の記事が正しければ、中国は、T10Kを2007年に購入後、
リバースエンジニアリング手法で解析した上、試作機を三年で完成
させた事になります。

中国は、Su-33の原型であるSu-27をライセンス生産して
いますので、生産そのものについては問題はなかったと思われます
が、陸上機を艦載機に改造する事は、実は、容易ではありません。

Su-33でSu-27から改造された点は以下の諸点です。
・前輪を着艦の衝撃に耐えられるよう二重タイヤで強化。
・着艦時の衝撃に対応する機体後部の構造強化と着艦フック装備。
・発艦時の揚力増加と上空での機動性を高めるため主翼前に全遊動
 式のカナード翼を装備。
・長いテールコーンの短縮。
・空母格納庫での運用を考慮し主翼と水平尾翼が折畳み式に改造。

Su-33の場合、試作機が1987年に飛行した後、量産機の初
飛行が1990年、更に運用が開始されたのは、1994年となっ
ています。

中国がウクライナから入手したのは、Su-33の試作機でしかな
く、その後、運用に移されるまでに実施された、おそらくは数百項
目に及ぶ小改造は、当然の事ながら反映されていません。また、
Su-33そのものも、配備されたのは24機に過ぎず、空母での
運用実績も西側の実績には程遠く、完成度十分とは言い難い様に思
われます。

また、既存の機体を改造するケースの例として、日本のF-2を例
に取ると、1990年に開発が開始され、1995年に初飛行、実
戦配備は2000年になっており、更に、実戦配備後も改造が追加
されており、最近になって漸く、期待された性能を満足する様にな
ったとも言われています。

この様な諸点を考えれば、中国が如何に優秀な航空機設計製造能力
を持っていたとしても「殲15」の艦載機としての完成度は、とて
も高いものとは言えない事は、容易に想像がつくと思われるのです。

近年、中国経済の急成長と共に、中国海軍の日本近海での活動が活
発化しており、空母機動部隊の保有も間近いものと思われますが、
我々は、それをいたずらに恐れる必要はないと同時に、それに対す
る冷静で的確な対応が必要であると思われます。


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2010年5月11日火曜日

中国、月探査衛星「嫦娥2号」を10月に打ち上げへ

月周回衛星「嫦娥2号」10月に打ち上げへ

2010年5月10日14時28分印刷ソーシャルブックマーク
中国は今年10月に月周回衛星「嫦娥2号」を打ち上げる方針だ。月表面に物
体を発射して砂埃を起こし、月表面の土壌構造を分析するという。新華社のウ
ェブサイト「新華網」が8日伝えた。

中国航天科技集団の袁家軍副総経理(副社長)が6日、中国航空宇宙基金メダ
ル授与式・中国航空宇宙事業協力パートナーサミットで述べたところによると、
嫦娥2号の打ち上げは中国の月探査計画「三歩走」における重要な一歩になる
という。

嫦娥2号の打ち上げは月探査プロジェクトの第二期における事業だ。同期には
3回の打ち上げ任務があり、それぞれ「嫦娥2号任務」「嫦娥3号任務」「嫦
娥4号任務」と名付けられた。袁副総経理によると、中国は2013年に月面
着陸探査機を打ち上げ、2018年には月軌道でのドッキングや地球への帰還
を達成する予定という。

中国航空宇宙基金は今回、宇宙航空に関連した科学研究、製造、実験、打ち上
げ、観測・制御、研究開発、測定・テスト、管理などの部門で優れた業績を上
げた213人の個人と6つのグループにメダルを授与し、その中国航空宇宙事
業に対する貢献を顕彰した。

(朝日新聞 2010/05/11)


多大の成果をあげた日本の「かぐや」は、単発の月面探査で終わっ
てしまいそうですが、中国の「嫦娥」は予定通りシリーズ化が推進
されています。

今回は、月面に衝突体を発射し、砂埃を起こし、月表面の土壌を分
析する計画です。月面への衝突体を突入させるのは、米国の「エル
クロス」探査機やインドの「チャンドラヤーン」探査機でも行った
事で新味がある訳ではありませんが、中国が前回の月表面の写真撮
影ミッションから一歩進んだ探査を自力で行おうとしている事は事
実として評価する必要があります。

元々、中国の月探査は、月惑星科学的な目的の追求というよりも、
国家威信発揚を主たる目的として推進されており、副次的目標とし
ては、探査機製造技術の高度化や誘導技術の高度化の実現する事で、
中国の軍事産業全体の高度化を達成しようとしている様に思われます。

日本も月面でのロボットを使用した表面探査を長期目標に掲げてい
ますが、具体的な計画や予算の裏づけがある訳ではありません。
それに比べれば、2013年の月面軟着陸、2018年の月往還機の打ち上
げは、マイルストーンとしてより具体的であり、その確度の高い実
現と予算の裏づけを予想させます。

中国が国威発揚を目的とした宇宙開発により潤沢なリソースを割り
当てられるとすれば、日本は、少ない予算をより賢明に使用するし
かありません。米国の月探査計画が中止になった以上、日本独自の
有人月探査の実現はまず不可能と言えます。当面、宇宙関係予算は、
年間1800億円~2000億円程度で変わらない中で、「きぼう」の運用
が5年間延長される事も計算に入れながら、日本独自の今後の宇宙
開発の焦点をどこに当てるのか、戦略的な発想が、今問われている
様に思われます。


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2010年5月7日金曜日

鳩山首相が6月参議院選挙での民主党勝利に貢献する究極の方法

<5月1日>(土)

○今日から5月。ということで、しばらく「5月政局」を取り上げてみたいと思
います。

○なぜ5月政局なのか。簡単ですよね。

(1)普天間問題の締め切りが5月一杯だから。
(2)7月には参院選があるから。
(3)検察審査会が「小沢幹事長は起訴相当」として、「政治とカネ」問題が
  ぶり返したから。

(中略)

○だったら、その前に総理を変えるか。あるいは幹事長を変えてはどうか。い
ずれにせよ、動くなら今月中です。なんとなれば、6月下旬にはカナダでG8と
G20がある。サミット直前に首相の差し替えはさすがにカッコ悪い。さらに6月
12日の上海万博「ジャパンデー」では、首相訪中と日中首脳会談が予定されて
いる。ということは、6月になってしまったらもう遅いのです。どのみち普天
間問題は解決しないでしょうし。

○ここでちょっと思考実験をして見ましょう。民主党には次の4通りの選択肢
がありますね。

①鳩山首相と小沢幹事長の両方を辞めさせる

→普天間問題の責任を取って鳩山首相が辞める。その際に小沢さんも道連れに
する。これができるとかなり変わった感じがするので、「もう一度、民主党を
信じてみるか」という層が戻ってくる。新政権の支持率は5割くらいか。

→問題は次期首相を選ぶ際の手続き。自民党は総裁選が定着していたから、3
週間かけて候補者が全国を練り歩いて、「民主的手続きで総理を変えました」
とアピールする手段があった。でも、民主党はずっとクローズドな代表選を行
ってきたので、次期体制を密室で決めたような印象が残るかもしれない。

→かといって本気で代表戦をやると、菅vs仙谷のような形で党が割れてしまう
怖れもある。素人がプロレスをやると、往々にして怪我をするんだよね・・・・。

②鳩山首相が辞めて、小沢幹事長が残る

→普天間問題の責任を取って鳩山さんが辞める。そこで菅さんあたりを小沢さ
んが担ぐ。いかにもありそうな展開なるも、これはいかにも延命策っぽくて印
象が悪い。次期首相の人選にもよるけれども、支持率は3割といったところか。

→もっとも、検察と再度戦わねばならない小沢氏としては、幹事長ポストをけ
っして離すまいとするだろう。大多数の国民から見ると、それこそがイメージ
ダウンなのですが。

③鳩山首相が残って、小沢幹事長を辞めさせる

→この際、鳩山さんが居直って、平野官房長官と小沢幹事長を更迭して、内閣
改造も行なって人心一新を目指す。これができると「おお、指導力を発揮した」
という感じになって、支持率は4割くらいに回復しそう。

→でも、ムリでしょうね。鳩山さんは小沢さんには頭が上がらないし、最近は
目も死んでるし。それに衆目の一致するところ、普天間問題の責任は鳩山さん
にある。

④鳩山首相と小沢幹事長の両方が残る

→最終的に、この可能性がいちばん高いように思える。でも、この先はジリ貧
で、支持率1割となるでしょうな。政権が求心力を取り戻すことはできないで
しょう。

○今までの永田町の常識からいくと、「④は避けなければならないから、①~③
のうちどれかを強制選択」をとなり、「さあ5月政局だ」ということになった
わけです。でも、そういうセオリーは従来の自民党時代に培われてきたものだ
から、今の政権にはまったく通用しないのです。では、どうなるのか。

(溜池通信 2010/05/1)
}}}

http://tameike.net/comments.htm#new

と言うことで続きは、溜池通信「●かんべえの不規則発言」をご覧
頂きたいと思います。4日に亘って、5月政局に関する興味深い考
察が加えられています。

但し、実は現実は、その先に行ってしまいました。鳩山首相の沖縄
訪問で、実は、鳩山首相は大した腹案もなく、票目当てに、普天間
県外移設を言っていた事が明らかになった上、海兵隊を米国の抑止
力の一部と認識していなかったから県外や国内移設が可能と思って
いたと総理大臣として不可欠の安全保障への見識の欠如を示す発言
を行う始末。更に、普天間県外移設は民主党としての公約ではなく、
鳩山党首の個人的な約束に過ぎないと言葉を重ねたのです。

沖縄の住民に対しては、根拠なく、期待感のみを煽った食言としか
言えない発言であり、国民全体に対しても、日本の舵取りとしては
全く不適格の人間が総理大臣の椅子に座っている事を白日の下に明
らかにしたいかにも鳩山首相らしい発言と言えるでしょう。

引用した分析の中で、かんべい氏は、鳩山、小沢両氏が、残るか残
らないかで、4つの選択肢を分析し、両氏の辞任が一番民主党の勝
利が可能との結論を出し、それでも、民主党が不透明な次期代表選
出を行う事は、選挙には、不適切と述べています。

確かにその通りとは、思うのですが、私には鳩山首相には、もう一
つの選択があり、それを行えば、確実に民主党の参議院選挙勝利に
貢献する策があると思います。それは、鳩山首相が首相に不適格で
ある事が万人に明らかになった今でも有効でありますが、同じ事を
小沢氏がしても、鳩山氏程には、効果が期待できない策でもあります。

その策とは、鳩山首相が自裁する事です。少しブラックではありま
すが、非常に効果的です。場合によっては、衆参同時選挙を行う事
もできる程、民主党にとって効果がある方策と思われます。民主党
は、反対者が、よってたかって鳩山首相を自裁に追いつめたと非難
でき、逆に、鳩山首相を悪い人ではなかったと庇う事が出来ます。
また、沖縄に対しても、鳩山首相は個人としても公人としてもその
言葉に責任を取ったと説得する事ができるでしょう。

選挙に勝てる事は、まず間違いありません。力量の見極めがついた
古道具の使い道としては、これにまさる策はないと思います。あと
は、どの様に、あまり責任を感じている様にも見えない鳩山首相に
文字通り、引導を渡すかです。その役回りには、小沢氏ほどぴった
りの方もいないと思いますが、如何でしょうか?


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2010年4月30日金曜日

「はやぶさ」6月13日帰還

※資料カプセルを分離する「はやぶさ」。画像はJAXA Webサイトから転載

はやぶさ:6月13日帰還 7年間45億キロの旅終え

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は21日、人類初の小惑星の岩石採取に挑
戦した探査機「はやぶさ」が6月13日に地球へ帰還すると発表した。予定通
りなら日本時間13日午後11時ごろ、岩石が入っている可能性のあるカプセ
ルが大気圏に突入し、オーストラリア南部のウーメラ砂漠に落下する。はやぶ
さ本体は、大気圏突入後に燃え尽きる。

はやぶさは21日現在、地球から約2100万キロの位置を航行中。オースト
ラリア政府の許可が得られ、今後、4度の軌道修正によって目標地点に近づけ
ていく。はやぶさに搭載されたカプセルは直径約40センチ。大気圏突入速度
は秒速12キロ、温度は1万~2万度の高温に達するため、カプセルを燃え尽
きさせないで地上に落下させることが最後の難関となる。

はやぶさは03年5月に打ち上げられ、地球と火星の間の小惑星「イトカワ」
の岩石採取に挑み、イトカワへの2度の着陸と離陸を成功させた。通信途絶な
ど致命的な故障に何度も見舞われたが、それらを乗り越えた。往復の航行距離
は約45億キロに達する。

(毎日新聞 2010/04/21)


日本の小惑星探査機「はやぶさ」が6月13日に帰還する事が決ま
りました。実際に、地球に帰還するのは、小惑星のカケラが入って
いるかもしれない帰還カプセルだけであり、探査機本体は、大気圏
で燃え尽きる見込みです。

小惑星探査機「はやぶさ」が、内之浦宇宙空間観測所からM-V型
ロケットで打ち上げられたのは、2003年5月9日の事です。
日本が、小惑星探査機を打ち上げるのは、初めての事でした。

日本がそれまでに打ち上げた深宇宙探査機は、彗星探査機の「さき
がけ」と「すいせい」、火星探査機の「のぞみ」だけで、「はやぶ
さ」も本物の探査機というより工学実験機という位置付けでした。
しかし、小惑星に軟着陸し、資料を採取してから地球に帰還すると
いうミッションは、世界的に見ても野心的と言えるものでした。

過去の事例がない事を、宇宙機構の技術者達は、想像力で補って万
が一の事態の発生に備えました。そして運用面でも、創意工夫で、
探査機の危機を救っていく事になります。

打ち上げ直後、4台あるイオンエンジンの内、1台がトラブルで停
止しましたが、残り3台を予定よりも長く噴射させる事で、まかな
いました。11月には、観測史上最大規模の太陽フレアに遭遇し搭
載メモリが異常になったり、太陽電池が出力低下したものの、幸い
ミッション遂行への影響は軽微に留まりました。

そして、その後もリアクションホイールの停止等、様々な機体のト
ラブルに見舞われましたが、05年11月に地球から約3億キロ・
メートル離れた小惑星「イトカワ」に着陸します。しかし、着陸直
後に重大なトラブル(燃料洩れ)が発生し、一時は、地球からの制御
が全く不可能となりました。

燃料洩れによって無秩序な回転を始めた「はやぶさ」でしたが、も
ともと時間が経てば、回転が自動的に安定し、一定方向を向くよう
に設計されていました。そのお陰で06年1月に制御信号の送受信
に成功します。

それから状況が少しづつ明らかになっていきました。太陽電池発生
電力が極端に低下し、一旦電源が完全に落ちていました。搭載のリ
チウムイオンバッテリも放電しきった状態でバッテリ11セルの内、
4セルは使用不能になっていました。この状態で通常通り充電すれ
ば爆発の危険がありました。また、化学エンジンは、燃料をほぼ全
量喪失しており、酸化剤も残量が全くない状態でした。

正に満身創痍といった状態でした。その中で唯一の希望は、イオン
エンジン運転用のキセノンガスが、圧力を保っており、地球への帰
還が何とか可能という事でした。その後、太陽電池も、完全ではあ
りませんが、復活します。これも、電池メーカーの技術者が、万一
の場合に備えた対策をとっていた事によるものでした。

しかし、地球への帰還の途について「はやぶさ」に、更にトラブル
が襲います。07年4月には、もう1台のエンジンの部品が劣化し
て、運用を中止します。そして、残る2台のエンジンを交互に運用
して地球への帰還を目指した「はやぶさ」でしたが、更に1台が、
09年11月に故障したのです。

地球への飛行を続けるには、どうしても2台のエンジンが必要です。
エンジン復活に向け、宇宙機構の技術者達は、故障した3台のうち、
早い段階で運転を中止したエンジン2台に着目しました。正常に動
く部品同士を電子回路でつなぐ「離れ業」で、互いの故障を補う形
でエンジン1台分の推進力を出すことに成功したのです。これも、
電子回路に、万一に備え、「エンジン間をつないでおいた」から出
来た「離れ業」でした。

復活したエンジンは、順調に作動しました。4月末現在で、最終的
な地球をかすめる軌道を取る為に、階段を一歩一歩下りていく様な
慎重な軌道修正を行っています。それも予定された5回の内、1回
が終了しています。

宇宙機構の川口淳一郎プロジェクトマネージャは「動いている方が
奇跡的だ。予断を許さないが、万一に備えた回路が功を奏し、電力
補給できるという幸運にも恵まれた」と話しています。「はやぶさ」
が最終的に地球に帰還できるかどうかは、まだ、予断を許しません。
しかし、もし、「はやぶさ」が地球に帰還できたとしたら、多分、
「はやぶさ」の設計、製造、運用に携わった技術者達が、期待され
たよりも一歩深く考えて努力した成果だろうと思うのです。そうい
う技術者達に敬意を込めて「はやぶさ」の無事帰還を祈りたいと思
います。

4/29現在の「はやぶさ」から地球までの距離、残り18百万キロ。


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中国製戦闘機 発展途上国の国威発揚を安上がりに実現?

※写真は、読売新聞Webサイトから転載。

中国、戦闘機ビジネス本格化…米機より「割安」

中国が、新型国産戦闘機など多様な航空兵器を中東やアフリカ、アジアなどに
売り込む兵器ビジネスを本格化させている。

国防省は4月中旬、天津に中国駐在の47か国武官団と一部外国報道陣を招い
て新鋭戦闘機「J(殲)10」を公開し、将来的な大規模輸出も念頭に性能を
PRした。

北京と天津を結ぶ高速道路の沿線の農村地帯に駐屯する空軍航空兵第24師団。
首都一円だけでなく、華北・東北地方の防空任務を担う。

約50人の武官らが見守る中、4機のJ10が編隊を組み、16分間にわたる
アクロバット飛行を繰り広げた。

この後武官団と会見した厳鋒師団長は、「私は軍人であって、商人ではない」
と語って輸出計画の詳細は明らかにしなかった。だが、1機当たりの価格が
1億9000万元(約26億円)であることを公表した上、「機動性、敏捷
(びんしょう)性に優れている」としっかり性能をPRする一幕もあった。

J10は、最大速度マッハ1・8で、米戦闘機F16にも匹敵する性能を持つ
とされる。それでF16の約3分の2以下の価格となれば、購入を希望する各
国には大きな魅力だ。

人民解放軍系紙「中国国防報」は3月下旬、「中国の戦闘機輸出が米国を不快
にさせている」との見出しで、「中国の戦闘機の国際的な影響力がますます大
きくなり、米国はその覇権的な地位が脅かされると考えている」などと報じた。
こうした報道は、新型兵器に対する自信を示すものだ。

同紙が海外メディアも引用して伝えたところによると、中国の訓練機K8が6
機ベネズエラ空軍に売却された。さらにK8よりも上級の訓練機L15と、中
国とパキスタンの共同開発による新型軽戦闘機「梟竜(きょうりゅう)」には5
~6か国が関心を示しており、売却交渉が進行している。

近い将来には、J10の輸出も実施されるという。パキスタンへの売却話も伝
えられている。中国国防報は、「中国の航空兵器はすでに、多用途戦闘機から
大型攻撃機、訓練機に至るまで、幅広い機種が輸出対象になっている」と指摘
している。

(読売新聞 2010/04/28)


同じ目的が達成できるのであれば、戦闘機の大きさは小さい方が有
利であると考えられます。これはステルス機の登場以降も、変わる
事がありません。RCS(レーダークロスセクション)は小さい方が探
知されにくいので有利になります。J-10の原型となったイスラエル
製のラビ戦闘機は、J-10よりも一回り小さな機体ですし、J-10の対
抗馬とされているF-16も、同様です。

中国とて、この事は判っている筈です。それが大きい機体になった
のは、搭載するエンジンが違った為と言って良いと思われます。
F-16は、F-15と同じF100エンジンやF-14用のF110を搭載しています。
それと同じで、J-10は、Su-27と同じAL31を搭載しています。
このエンジンの違いが機体の大きさに影響しているのです。

F-16とJ-10を比較すると、表面上の要目はJ-10の方がより大きく、
より重いのですが、最大離陸重量では、F-16の方が上回っており、
燃料や武器をより多く搭載できるのが分かります。その理由はエン
ジンがよりコンパクトで推力が高い事に帰結するのです。

J-10は元々、ソ連の戦闘機に対抗する為に、西側の技術を導入して
開発するというのが、コンセプトでした。それが、天安門事件によ
る欧米諸国の対中制裁もあって、挫折を余儀なくされ、その後、イ
スラエルから、米国の圧力で開発を断念させられたラビ戦闘機の技
術を導入できた事と、体制変革に伴なう経済的困難の中で何でも売
りたかったロシアからエンジンとアビオニクスを導入できた事で、
何とか完成に漕ぎ着ける事が出来たプロジェクトです。

それでも、J-10規模の戦闘機を中国が自力で開発する事ができた事
は、充分に評価に値する事です。しかし、ロシアから導入されたア
ビオニクス製品や電子兵装は、最新のものとは限りません。ロシア
はソ連時代から、最新モデルの輸出制限やモンキーモデルの輸出を
行ってきた実績があります。

また、J-10で使用されているAL31エンジンはロシアから輸入してお
り、それを使用した機体を第三国への転売する場合はロシアの承認
が必要になっている模様です。従って、J-10の場合も、AL31搭載機
を輸出する場合はロシアの承認を得る必要があります。この為、中
国はAL31のコピーとも言われる国産のWS-10Aの開発を進めています
が、ただでさえ、寿命の短いと言われるロシア製エンジンのデッド
コピーであるWS-10AがAL31以上の性能を発揮するとは考えにくいの
です。

これはアビオニクスや電子機器全般の性能や信頼性についても同様
です。中国製の戦闘機が戦闘を行ったのは、ベトナム戦争以降はあ
りません。ロシアは、中東諸国に供与していたソ連製の機体が、中
東戦争、湾岸戦争、イラク戦争を戦っており、その経験を生かした
開発を行う事ができました。米国は、当事国として戦っています。
それと比較すれば、中国製戦闘機がどこまで使い物になるか疑問と
せざるをえないのです。

米国は、ベトナム戦争の戦訓から、ミサイル万能論を退け格闘戦が
出来る機体として、F-16を開発しましたが、昨今では、ミサイルの
命中精度の向上と共に、ステルス機の登場により、戦闘機戦闘のパ
ラダイムが変化し、AWACSと戦闘機、あるいは戦闘機同士の共同戦
闘が重視される様になっています。この様な中で、J-10がどこまで
実用になるか残念ながら判然としません。

記事にあるように、F-16と比較して価格が本当に3分の2であるなら
ば、私であれば、迷わずF-16を選択すると思います。見てくれが強
そうで何しろ数を揃えたいというニーズがある場合やあるいは、購
入に要する費用は全て中国持ちというのでもなければ、国際兵器市
場で中国製兵器を選ぶ国は発展途上国といえどそう多くない様に思
えてならないのです。


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2010年4月27日火曜日

極秘軍用シャトルを評価してみる

※アトラスのフェアリング内に収容されるX-37B
The Christian Sceince Monitor Webサイトから転載

アトラスVロケット、米空軍のX-37Bを打ち上げ

米空軍とユナイテッド・ローンチ・アライアンス社(ULA)はアメリカ東部夏
時間4月22日19時52分(日本時間4月23日8時52分)、米空軍のX-37B軌道試験機
(OTV:Orbital Test Vehicle)を載せたアトラスロケット(アトラスV)を、ケ
ープ・カナベラル空軍基地から打ち上げた。

打ち上げられたロケットは順調に飛行し、打ち上げから約17分後、ロケットと
X-37Bが所定な軌道に入り、打ち上げは成功した。

「OTVの試験で重要な役割を果たしたことに誇りに思います。今日の打ち上げ
成功は空軍とULAの密接なチームワークを強調したものです」

今回の打ち上げ成功について、ULA社のマーク・ウィルキンス副社長はこのよ
うに述べた。

X-37Bは宇宙空間から無人で帰還できる宇宙船。長さ約9メートル、翼幅約4.5
メートル、重さ約5000キロで、スペースシャトル(オービター)と比較すると、
大きさは4分の1程度しかない。

米空軍は今後数週間にわたって、地球周回軌道でX-37Bの試験を行った後、
X-37Bを大気圏再突入させ、無人でバンデンバーグ空軍基地もしくはエドワー
ズ空軍基地に着陸させる予定。

X-37計画は元々米航空宇宙局(NASA)が進めていた、スペースシャトルの軌道
から帰還させる使い捨て機体の計画だった。しかし、2002年にX-37A滑空試験
機とX-37B軌道試験機にそれぞれ別れ、さらに、2004年にNASAが計画を断念し
たことにより、管轄が米国防総省国防高等研究事業局(DARPA)に変わり、計
画も大幅に遅れていた。

(sorae.jp 2010/04/23)


極秘軍用シャトルであるX-37Bの軌道試験機が、ケープ・カナベラ
ル空軍基地から打ち上げられました。

X-37Bは、記事にもある通り、元々は、NASAが、ISSからの緊急脱出
用に開発していた無人シャトルです。本来は、現用のシャトルを置
き換える次世代シャトルとして開発に着手されたものですが、どん
どんプロジェクトの位置付けが変わり、ついには、軍用に転換され
てしまった経緯にあります。空軍は、X-37Bで200日以上、宇宙に滞
在できる様にする計画を持っています。

X-37Bが軍用としてどの程度利用価値があるかですが、現在までの
議論では、シャトルの様な往還機は、元々、当初見込まれた様な経
済性を持っていない点が問題視されています。

X-37Bにしても、これまで、X-37とX-40につぎ込まれた予算をなん
とか実用にこぎつける事で、合理化しようとするものでしかない様
に思われるのです。

シャトルは元々、使い捨てロケットでは、毎回捨てられる事になる
高価なエンジンやアビオニクスを持ち帰って再使用する事で、ロケ
ットの打ち上げコストを大幅に下げる事を目標にしていました。

しかしながら、実際に作ってみると、一度飛行したあと、再度打ち
上げる為には、新造に等しい程の整備費用がかかる事、また、軌道
上では、無用となる翼を持ち歩く事になる事による不経済性、再突
入で高温となる機体下部や主翼下部に着陸脚用の開閉部を作る事の
不合理性、緊急脱出ロケットを装備できない事による安全性の低下、
打ち上げ時にも、帰還用耐熱タイルを露出する事による安全性の低
下、打ち上げペイロードの大きな割合を往還部分重量が占める事に
よる経済性の低さ等々の欠点が問題になりました。

X-37Bは、これらの欠点に対し、無人化によって経済性の向上を図っ
ていますが、往還機として本質的な経済性の無さを克服出来ていな
い上、使い捨てロケットを使用する事で、最も高価なパーツである
エンジンの再使用を最初から放棄しているのです。

X-37Bが通常の無人宇宙機と比べて優位があるとすれば、それは、
即応性や汎用性が高い事と、宇宙からの持ち帰り能力が高い点があ
げられるかも知れません。

しかしながら、即応性や汎用性は、使い捨てロケットを多めに準備
する事や、衛星バスの高次の標準化で対応できてしまいます。
また、持ち帰り能力にしても、安価で規格化された、帰還カプセル
を準備すれば、X-37Bよりも安価に対応が出来てしまう様に思われ
るのです。

極秘軍用シャトルというと何か恐ろしげな印象で、中国などでは、
X-37Bの打ち上げで将来、宇宙が軍事化する懸念を一部のマスコミ
が表明していますが、中身を良く検討してみれば、既存の無人宇宙
機や衛星と大差がなく、むしろ、経済性では劣後するシロモノと言
わざるを得ず、国防高等研究事業局がX-37を本当に実用化するとは
とても考えられないのです。


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2010年4月26日月曜日

韓国哨戒艦沈没 魚雷が原因と判っても報復ができない韓国?

哨戒艦沈没:魚雷破片の発見がカギ

金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は25日、沈没原因について、「重魚雷によ
るバブルジェット効果(水中爆発による衝撃波効果)が最も(原因に)近いの
ではないかと思う」と述べ、北朝鮮の重魚雷が「捜査線上」に浮上した。
北朝鮮以外の国による魚雷攻撃は想像できないためだ。また、「天安」の破損
状況からみて、弾頭重量が軽い軽魚雷ではなく、重魚雷が使われた可能性が高
いとみられている。韓国軍によれば、北朝鮮が保有している重魚雷は、魚-3G
型、53-59型、53-56型、ET80-A型の4種類あるという。

消息筋は、北朝鮮の魚雷攻撃が原因との結論が出た場合は、中国製の魚-3G型
魚雷が使われた可能性があると指摘した。同型魚雷は1980年代に中国で開発さ
れたもので、船のスクリュー音、航跡を追跡して攻撃する「受動(パッシブ)
音響魚雷」に分類される。北朝鮮がこの魚雷を使用したとすれば、艦船から出
る磁場を感知して爆発する「近接信管」が搭載されていた可能性が高い。ガス
タービン室下部の船体は最も磁場が強く、その付近で船外爆発が起きたとみら
れるからだ。一部では新型の中国製の対艦魚雷の魚-6型が使用された可能性
も指摘されている。

しかし、音響魚雷を目標に正確に命中させるためには、魚雷を発射した潜水艦
による一定の誘導が必要となるため、北朝鮮のサンオ級潜水艦などの性能から
みて、可能性が低いとの指摘も少なくない。そうなると、発射後に直進する
「直走魚雷」の可能性が高まる。一定の水深で爆発するように設定した直走魚
雷に磁気感応センサーを搭載して発射したとの見方だ。53-59型、53-56型魚
雷は、旧ソ連で開発され、中国や北朝鮮に輸出されたもので、直走魚雷に該当
する。

調査団による次の課題は、状況からみてほぼ確実視される魚雷の物証、つまり
破片を発見することだ。これまで軍は沈没現場から約330点の破片を採集し、
確認作業を進めているが、「天安」の破片がほとんどで、魚雷や機雷の破片は
まだ発見されていないという。

軍当局は24日、「天安」の船体引き揚げ作業が終了したことを受け、25日から
は破片採集を最優先に掲げ、海軍准将の指揮下で作戦を展開している。海軍は
沈没現場の海底を器具で掘り起こすけた網漁船を投入し、破片の採集を進める
ことにした。けた網漁船は長さ40センチの鉤(かぎ)50個を5センチ間隔で取
り付けたけた網を利用し、海底に埋まっている破片を掘り起こす。泥であれば
30センチ、砂であれば10-20センチ下に埋まっている破片も採集できる。海軍
は底引き網漁船も捜索作業に投入する。

(朝鮮日報 2010/04/26)


哨戒艦の沈没原因は、国籍不明の潜水艦から発射された磁気起爆式
長魚雷という見方が強まっています。状況証拠から見て、北朝鮮の
攻撃によるものとほぼ断言できますが、さて韓国は、報復を行う事
ができるでしょうか。

結論を先に述べてしまえば、それは難しいと言わざるを得ません。
それは、沈没原因の証拠として魚雷の一部が、見つかった処で同じ
です。北朝鮮が、使用した魚雷は恐らくは中国製であり、可能性と
言う点では、中国が使用した可能性がゼロではありません。

韓国は、単独で、報復を行う事なく、国連の場に持ち出して多国間
で、北朝鮮を非難するとしていますが、北朝鮮は、自らの関与を否
認している状況では、韓国は、北朝鮮の関与を示す確実な証拠を提
示する必要があります。

国連で安全保障問題を議論する場は、安全保障理事会です。周知の
通り常任理事国五ヶ国が同意しなければ、北朝鮮を非難する議長声
明すら出せません。

中国からすれば、自国産の魚雷の使用をすんなり認めなければなら
ない理由がありません。また、同盟国への制裁に合意する事で、自
国への負担の増加を甘受する理由もありません。中国は、まず確実
に更なる証拠固めの必要を主張し、結論の先送りを狙う筈です。

韓国が本当に報復する必要を感じたのであれば、事件発生後間髪を
入れずに、報復攻撃を行うべきであったし、報復攻撃を行っても、
それをどの国も非難しなかった筈です。韓国国防部は、まず確実に
北朝鮮の攻撃である事を大統領に伝えている事が判っています。韓
国は、理論上、北朝鮮と戦争状態にあり、過去数十年の間、韓国以
外から攻撃を受けた事がなく、両国海軍は過去何度も砲火を交わし
ているからです。

原因が自明であっても、報復を即座に行わないのは、李明博政権に
その気がなかったからに他なりません。その理由は、既に何度か述
べている様に、韓国には、G20のホスト国と言う、事を大きくし
たくない理由があるからです。

亡くなった40名余の水兵には、可哀想ですが、李政権が仇を取っ
てくれる可能性は、限りなくゼロと言わざるをえないのです。


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2010年4月22日木曜日

インドがGSLVロケットの打ち上げに失敗した理由

※写真は、Wikipediaから転載

インド、GSLV-D3ロケット打ち上げ失敗

インド宇宙研究機関(ISRO)は現地時間4月15日16時27分(日本時間19時57分)、
インドの通信試験衛星「GSAT-4」を載せたGSLVロケット(GSLV-D3)を、サテ
ィッシュ・ダワン宇宙センター(SDSC)から打ち上げたが、3段目のエンジン
が正しく動作せず、打ち上げに失敗した。

ISROによると、ロケットの初段と第2段は共に正常で、打ち上げから約5分後に、
第3段エンジンが点火し、約12分間燃焼する予定だったが、エンジンに動きが
なく、ロケットはそのまま失速し、衛星と共に海面に落下した。

今回の打ち上げに使用された第3段エンジンは、インド初の国産極低温エンジ
ンだった。エンジンが点火したかどうかはまだ確認されていないため、ISROは
今後、失敗の原因を究明し、次回の極低温エンジンの打ち上げ試験について検
討する。

なお、GSLVロケットの打ち上げは2007年9月以来、実に2年半ぶりだった。

(sorae.jp 2010/04/16)


GSLVロケットは、インドが、静止衛星打上げ用に開発した大型ロケ
ットです。日本のH-IIAと比較すると、サイズと重量では同等、衛
星打ち上げ能力では大体半分程度の能力があります。

GSLVロケットは、三段式で、第一段は末端ヒドロキシル基ポリブタ
ジエン(HTPB)を使用した固体燃料ロケット、これに四基のVikas液
体燃料エンジン(四酸化二窒素とジメチルヒドラジン)を使ったロケ
ットブースターが付加されています。第二段も、ブースターと同じ
系列のVikas液体燃料エンジン。第三段は、液酸液水エンジンを使
用すると言う、一見、複雑な構成を取っています。

GSLVロケットの開発コンセプトは、並行して打ち上げられている先
代の衛星打ち上げロケットであるPSLVロケットの一段目と二段目を
使用し、且つ、二段目を若干改造した四基の液体燃料ブースターロ
ケットを使用する事で、推力を高めると同時に、経済性と信頼性を
確保する。また、高性能の液酸液水エンジンを第三段に装備する事
で運用の柔軟性を高める事であったと思われます。当初は、この液
酸液水ロケットを自前開発する事で、技術的な高度化を狙っていま
したが、途中で、ロシアから輸入する事になりました。

インドは第三段エンジンはロシアから合計7基を輸入しており、五
号機までは、それを使用してきました。それに加え、インドはロシ
アからこの液酸液水エンジン技術そのものも購入しようとしました。
しかし、インドが核兵器開発を推進している処から、国際的な制裁
の一環として、米国の圧力もあってロシアは、インドへの技術移転
を拒否する事になります。

この為、インドは高性能の液酸液水エンジンの自国開発を余儀なく
される事になりました。元々インドは、このプロジェクトが発足す
ると同時に国産技術による液酸液水エンジンの開発に着手していま
したので、その開発を再度加速する事で、この事態に対応しました。
その結果、一応、実用に耐える国産の液酸液水エンジンが完成し、
その国産液体燃料エンジン搭載した最初のGSLVとなったのが、今回
打ち上げられたGSLV6号機という訳です。

細かく言えば、ロシア製の第三段ロケットエンジンを付けたロケッ
トをGSLV Mk.1と言い、国産の第三段エンジンを付けたものをMk.2
と言って区別しています。

今回は、失敗しましたが、今年から来年にかけ、GSLVは、二回の打
ち上げが予定されています。その二回分は、ロシアから輸入した第
三段ロケットが、使用される予定です。今の処、その後の打ち上げ
には、国産液体燃料エンジンが使用される事になっています。
GSLVは、これまでの6回の打ち上げられていますが、その結果は、
成功2回、部分的成功2回、失敗2回と必ずしも芳しいものではあ
りません。

今後インドの大型衛星打ち上げが順調に行えるかどうかは、インド
国産の液酸液水エンジンを含めGSLVが、充分な信頼性が得られるか
どうかにかかっている様に思われます。


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2010年4月21日水曜日

「羅老号」2号機の打上げは6月9日に決定


※sorae.jpサイトから転載

韓国、「KSLV-1」の2号機の打上げは6月9日

大韓民国教育科学技術部は4月19日、「羅老(KSLV-1)」2号機の打ち上げを早
ければ6月9日にも実施すると発表した。

発表によると、打ち上げ日時は現地時間6月9日16時30分から18時40分(=日本
時間)に設定され、最終的には天候の状況を見ながら、打ち上げを実施する予
定。また、打ち上げ可能期間は6月9日から6月19日までになっているという。

ロシア側が製造した初段は既に羅老宇宙センターに運ばれ、現在打ち上げに向
けての準備作業が進められている。2段目と衛星を載せたペイロードフェアリ
ングは5月下旬に取り付けられる予定で、その後、発射台へと移動し、打ち上
げリハーサルを実施する。

今回の打ち上げには、前回の打ち上げと同じく「科学技術衛星2号(STSAT-2)」
が搭載される予定で、この衛星は韓国航空宇宙研究院と韓国科学技術院(KAIST)
衛星研究センターなどが共同開発したもので、重さ約100kg。マイクロ波ラジ
オメータ観測器やレーザー反射鏡などを搭載し、低軌道で約2年間にわたって、
大気と海洋を観測し、衛星技術の検証などを行う。

韓国は2009年8月25日、「科学技術衛星2号(STSAT-2)」を載せた
「羅老(KSLV-1)」初号機を打ち上げたが、フェアリングの片方が分離せず、
衛星の軌道投入に失敗した。

(sorae.jp 2010/04/19)


2度目のカウントダウン「羅老号」

原子力や宇宙開発は国力に支えられる国のみ取り組むことのできる巨大科学で
ある。米国は24トンの貨物を載せ、国際宇宙ステーションまで往復するスペ
ースシャトルを繰り返して打ち上げている。ロシアやフランス、日本、中国は、
8~18トンの貨物を、一度で低い軌道に打ち上げる宇宙発射体を持っている。
羅老(ナロ)号は、100キロの衛星を打ち上げる宇宙発射体である。始まり
は小さいとはいえ、韓国は宇宙開発のベスト10入りを目標としている。宇宙
開発は、エネルギーや通信、軍事、放送、気象、海洋調査、天体観測のような
分野で、国力を分ける未来産業だ。

◆羅老号は、本物の発射体の開発に向けた「練習用」だ。宇宙発射体の中核は
第1段ロケットだ。羅老号の打ち上げが成功してこそ、1.5トンの衛星を打
ち上げる本物の宇宙発射体「KSLV-2」の開発に乗り出すことができる。
今月5日に、全羅南道高興(チョルラナムド・コフン)の羅老宇宙センターに
第一段ロケットを持ち込んだロシア側のセキュリティは物々しかった。第一段
ロケットの運用や関連装備は全て、ロシアから持ち込んだ。ロシア人の技術者
らは、関連資料の入っているコンピューター室への出入りの際ごとに、新たな
封印を行った。全人数の20%がセキュリティ要員だ。我々の宇宙技術の不足
によって味わわされる悲しさである。

◆宇宙への打ち上げは0.1%が失敗しても、全てが失敗したことになる。全
ての装置が決まった時間に正確に作動してこそ、成功できる。昨年に打ち上げ
られた羅老号は、中間段階でフェアリング(衛星の蓋)が切り離されず、失敗
した。失敗から学ぶ教訓は貴重である。閔庚宙(ミン・ギョンジュ)羅老宇宙
センター長は、「ロシアの技術陣は我々を見下したが、今は、アンガラ宇宙発
射体プロジェクトに我々も参加してほしいと提案を受けるまでになった」と語
った。

◆宇宙開発の超大国である米国は、宇宙開発の予算が我々の180倍にのぼり、
発射台だけでも20台を備えている。しかし、我々は蔚山(ウルサン)の砂原
に造船所を建設し、短期間で世界トップの造船能力を備えた国ではないか。入
梅前の6月初めに羅老号の2度目の打ち上げが行われる。2度目の打ち上げの
成功に続き、本物の宇宙発射体に向けた1段液体ロケットの開発も成功するこ
とを願う。閔庚宙センタ長―の名前は、「星」の「庚」の字に「宇宙」の「宙」
の字を使う。生まれつき、宇宙開発の運命を担っているような気がする。羅老
宇宙センターの関係者らは最近、乾杯の音頭を「空へ」、「宇宙へ」と取ると
言う。

(東亜日報 2010/04/19)


昨年の8月に打ち上げに失敗した韓国の国産ロケット「羅老号」
(KSLV-1)2号機の打ち上げが6月9日と決まりました。
前回は、ロシア製作の第一段の開発遅延もあって合計7回打ち上げ
スケジュールを延期しましたが、前回の打ち上げで第一段には、問
題がなかったので、今回は、意外にすっきりと打ち上がるのではな
いかと個人的には考えています。

前回の打ち上げでは、ロシアで製作された第一段液体燃料(液酸-ケ
ロシン)ロケット、ロシア設計で韓国で製造された(設計及び製造は
韓国とする報道もある)第二段固体燃料ロケットは正常に稼働した
ものの、ロシア設計で韓国で製造された衛星フェアリングの内、片
側の分離に失敗した結果、予定の軌道に投入する事が出来ず、失敗
に終わりました。このフェアリングの分離失敗の原因は、火工品と
呼ばれる、火薬を内蔵した分離用部品の動作不良が疑われています。

この「羅老号」の開発では、人工衛星打上げ能力獲得を急ぐ韓国が、
従来の国産技術開発の方針を転換し、ロシアから技術を導入する事
で、自前ロケットの打ち上げ能力を獲得する狙いがありました。

その結果、「羅老号」の一段目は、当時ロシアで開発途上だったア
ンガラロケットのURM(Universal Rocket Modules)の推力を若干、
少なくしただけのデチューン版(エンジンの型式はアンガラロケッ
トがRD-191であるのに対し、羅老号はRD-151)となった他、二段目や、
衛星フェアリング、その分離機構等も全てロシア設計、韓国内製造
で、ロケット全体の取り纏め、射場設備等もロシアから大きな技術
支援を得たものと思われます。

元々、アンガラロケットは、ロシアが次世代衛星打上ロケットとし
て開発しているロケットですが、韓国は当初、それを技術移転する
事によって、国内生産する事を計画していました。(一部ではエン
ジニアリングサンプルをリバースエンジニアリング手法で解析する
事で技術移転する事を計画していたという噂もあります。)

しかしながら、技術盗用を恐れるロシアは、技術移転には応ぜず、
ロシアで生産した第一段ロケットを完全輸入する事になりました。
中央日報の記事でもわかりますが、第一段エンジンについてはロシ
ア側は、厳しい保安体制を組んでいます。この保安体制の下でも、
韓国は、ロシアからロケットの運用に対する考え方や運用体制につ
いての知識を得る事はできますが、流石に、ロケットエンジン技術
に関するノウハウを得るのは、困難です。

韓国は、今回の打ち上げの後、1.5トン級の衛星打ち上げ能力を持
つ、KSLV-2の開発に入る予定です。当初の目論見では、羅老号の一
段目はそのまま利用し、二段目のみをこの新型ロケット向けに開発
する事で、これを実現する予定でした。しかし、その場合は、今回
同様の屈辱的とも言えるロシアによる保安体制を韓国は再度、受け
入れる必要があります。

今回の打ち上げの結果については、勿論ですが、韓国が、今後、
KSLV-2の一段目について、どの様な開発・導入方針を取るのか他人
事ながら、気になる処です。


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2010年4月20日火曜日

韓国哨戒艦沈没 対潜装備の見直しを迫られる韓国海軍

※写真は韓国海軍のリンクスヘリコプター。朝鮮日報Webサイトから転載

海軍ヘリ墜落:「事故相次ぐリンクス・ヘリ、部品に問題」
エンジン関連会社が閉業
「ヘリコプター間で部品の使いまわし」


潜水艦の探知を主要任務とする韓国海軍のリンクス・ヘリが相次いで墜落や不
時着の事故を起こしている中、リンクス・ヘリのエンジン部品の調達が正常に
なされておらず、運用に困難をきたしていたことが分かった。軍関係筋は18日、
「リンクス・ヘリのエンジン部品会社が数年前に閉業し、部品調達が難しくな
った。一部ヘリでは、部品を外してほかのヘリの部品として使いまわす“同類
転換”をしていると聞いている」と話した。軍当局は、15日午後に全羅南道珍
島の南東海上で墜落したリンクス・ヘリがこうした問題と関連があるのか、集
中的に調査しているという。

15日の墜落事故に続き、第2艦隊所属のリンクス・ヘリ1機が17日午後10時13分、
西海(黄海)小青島から南22.8キロの海上にレーダーでとらえられた正体不明
の物体を確認するため出動し、韓国型駆逐艦「王建」に戻る途中で海上に不時
着し、乗組員3人が救助された。機体は18日午前7時40分ごろ、救助艦「清海鎮」
によって引き揚げられた。軍関係筋は「17日の事故は、ヘリの飛行高度を表示
する高度計の異常が原因である可能性が高いとみて調査している」と語った。
海軍は相次ぐ事故により、三つの艦隊に配備されているすべてのリンクス・ヘ
リ運用を中断した。

(朝鮮日報 2010/04/20)


泣きっ面に蜂の様な感じですが、哨戒艦の沈没に続き、韓国の対潜
ヘリコプターが連続事故を起こし、問題になっています。

それと同時に、今回の哨戒艦の沈没原因についても、北朝鮮の小型
潜水艦による魚雷攻撃が有力になっており、では、何故、哨戒艦が
潜水艦を探知できなかったという疑問が提起されてきています。

ちなみに、哨戒艦「天安」の沈没後、僚艦「束草」による潜水艦探
査が行われており、一時間後には対潜ヘリコプターによる探査も行
われていますが潜水艦は探知できていません。

元々、無音潜航している潜水艦を発見するのは、非常に難しい上、
今回の沈没事件が発生した場所は、水深が浅く、海岸と島嶼が接近
しており、音響探知が難しいエリアです。

更に、哨戒艦そのものも、船体の大きさに比べ、大砲や対艦、対空
ミサイルと言った砲たん兵器が処狭しと並べられており、潜水艦の
天敵である対潜ヘリコプターは、元々搭載しておりませんでした。
それでも、対潜兵器として、より大型のウルサン級フリゲートと同
様の、三連装短魚雷発射管二基とシグナール社製PHS-32パッシブ・
ソナー、AN/SQS-58ハルソナーを装備していました。

この対潜システムは、韓国国防部が公表した処では、事故当日の白
リョン島付近の海洋環境の場合、ソナーが距離約2キロメートル前
後で潜水艦、半潜水艇、魚雷を探知できる確率は70%だとされて
います。しかし、実際には、探知率は50%ほどにすぎないという
軍関係者の意見もあり、実態は、こちらの方の数字の可能性が高そ
うです。

更に、哨戒艦が沈没した状況は、北朝鮮との海上境界であるNLLに
接近していたものの、特に、戦闘配置は発令されていなかった模様
です。また、ソナーを有効に稼働させる為に、低速航行する事で自
艦の発生騒音を抑制するのが望ましいのですが、その様な対潜戦の
体制をとっていたという情報はなく、ソナーを作動させていたかす
ら疑問が残るのです。

潜水艦への注意も希薄で、対潜装備もそこそこの物であれば、小型
潜水艦が哨戒艦に不意打ちを食らわせる事ができたとしても不思議
ではありません。

韓国の海軍力は、金大中、盧武鉉両大統領によって飛躍的に増強さ
れましたが、対潜戦用の装備は、補給関係の装備と並んで、一番、
増強が遅れている分野です。

それでも、高性能の対潜哨戒機であるP-3Cが8機配備されており、
大型艦艇では、欧州では標準的な対潜装備であるリンクスヘリコプ
ターが搭載されています。

今回連続事故を起こしたリンクスヘリコプターですが、韓国海軍で
は1991年以降、25機が導入され、「広開土大王」級駆逐艦、「忠武
公・李舜臣(イ・スンシン)」駆逐艦、「世宗大王」級イージス艦
と言った、大型の艦艇に搭載されています。導入以降、19年に亘り、
喪失事故はありませんでしたが、ここへ来て連続で事故が発生した
原因として、上記の記事にある通り、一部部品の供給停止によって
とも喰い整備を余儀なくされているという事情があるのかも知れま
せん。(国防部長は、部品供給に問題ないと発言したという報道も
あるが、韓国は従来からとも喰い整備を色々な装備で行っている。)

いずれにしても、今回の事件で、現状の対潜装備では、重装備の哨
戒艦ですら、北朝鮮の小型潜水艦にすら対応できない事が明らかに
なった訳で、且つ、その対潜装備が、哨戒艦とフリゲート艦の標準
装備になっていた事を考えると、今後、韓国海軍は、艦載対潜シス
テムや対潜哨戒機、対潜ヘリコプター、SOSUS網と言った対潜装備
全体の再構築を余儀なくされている様に考えられます。


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2010年4月19日月曜日

宇宙政策の大転換を行ったオバマ大統領

※写真は、NASA Webサイトから転載

30年代に人類火星軌道に
新型船で小惑星探査も-オバマ米大統領が宇宙政策演説


オバマ米大統領は15日、航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センター(フロリ
ダ州)で新たな宇宙政策について演説し、「わたしたちは2030年代半ばまでに
人を火星の軌道に送り込み、地球に安全に戻すことができると信じている」と
述べた。火星軌道到達に成功すれば、その後火星着陸を目指すとした。

オバマ大統領は「月には到達した。宇宙には探査すべき場所が多くある」と述
べ、アポロ宇宙船で果たした月の有人探査を超え、火星有人探査を目標にする
ことを明示した。

大統領は2月、前政権が策定した月有人探査計画(コンステレーション計画)
を予算超過や遅延を理由に打ち切ると発表。年内にスペースシャトルが退役す
ることもあり、議会や宇宙産業界から雇用喪失や技術力低下への懸念が高まっ
ていた。

大統領は宇宙政策の概念を「より早く、頻繁に宇宙へ出て、低予算でより遠く
まで到達し、長期間滞在できるような技術を開発する」と説明。新政策の下で、
今後10年間でより多くの宇宙飛行士を宇宙に送り出すとした。

計画では、30億ドル(約2800億円)以上を投じて、2015年までに新たな打ち上
げロケットを設計し、その後建造に着手。大統領は「2025年までに新型宇宙船
により、月を超えた有人飛行を開始し、史上初めて小惑星に宇宙飛行士を送り
込み始める」と強調した。このほか、2015年までの予定だった国際宇宙ステー
ション(ISS)の運用を「5年以上延ばす」とした。また、「宇宙ステーション
への輸送を容易にするために、民間企業と連携する」と述べた。

(時事通信 2010/04/16)


米国の有人宇宙計画に大幅な見直しが行われる事になりました。
かねて有人宇宙計画に関する大統領諮問委員会のレポートなどでそ
の概要は明らかになっていましたが、単純にそのまま適用してしま
うとフロリダ州など、宇宙計画が大きな雇用を生み出している州へ
のインパクトが大きい事から、既存計画の一部を復活させた事と、
火星軌道到達という多少夢のある計画を追加した事が相違点である
と言えるでしょう。

ただ、根幹にあるのは、宇宙への人と物の輸送をNASAによるものか
ら民間打ち上げに委ねるという考え方で変わっていません。また、
既存のコンステレーション計画の中で、生き残ったのは、ISS(国際
宇宙ステーション)の緊急脱出装置に用途変更されたオリオン宇宙
船の司令カプセルのみで、開発が遅延していた有人打ち上げロケッ
トである、アーレス1は開発中止になりました。また、ヘビーリフ
ターと呼ばれる超大型物資打ち上げロケットであるアーレス5は、
一旦リセットされ、今後5年で設計の見直しを行うという事で、事
実上キャンセルとなりました。

ヘビーリフターに関しては、今後5年間、民間輸送事業の実績を見
定めた上で、小惑星などの地球近傍目標や火星へ到達する為に必要
となるロケットをヘビーリフターで一気に地球から直接打ち上げる
のか、それとも、民間打ち上げサービスを使って何回かに分割して
打ち上げ、打ち上げたモジュールを軌道上で組みあげる事で、構成
するのかを後日決定するという事であろうと思われます。

この宇宙計画の評価ですが、それなりに合理的であると言えると思
いますが、全ては、民間打ち上げサービスの成果にかかっていると
言っても過言ではありません。シャトルの打ち上げコストが、現状
では一回当たり500億円かかっているのに対し、民間打ち上げサー
ビスでは、人員打ち上げが一人当たり20億円、物資打ち上げが、10
トン当たり、50億円程度を目標にしています。シャトルの打ち上げ
能力に換算すれば概ね200億円前後になる計算で、上手くいけば確
かに打ち上げ費用は半分以下になります。しかし、ISSへの輸送機
として予定されている民間打ち上げサービスも、確かに初の打ち上
げに向け、準備は着々と進んでいるものの、実績という点では、現
状は、まだゼロであるとしか言えません。

以前にも、宇宙への輸送手段をシャトルに集中した結果、その開発
遅延や事故が米国の宇宙政策全般に大きな影響を及ぼすという結果
になりました。その点で、民間打ち上げサービスについては、二社
のサービスを利用する事で、同時に打ち上げサービス全てが止まる
事による影響を回避しようとしていますが、それでも、それだけで
大丈夫なのかという疑問が晴れるのは、民間打ち上げサービスが軌
道になってからにならざるをえず、その二社に莫大の補助金を投入
する事の是非も含め、それまでは、どうしても、一定のリスク要因
を抱えながら走る事になります。

また、アポロの技術でも実現できたであろう地球近傍目標は別にし
て、2035年という火星軌道到達目標期限も、野心的とは全く言えな
い様に思います。この2035年という目標は、1903年のライト兄弟の
初飛行から1969年のアポロの月着陸までの期間である66年を1969
年に加えた年ですが、アポロがいかに国家威信をかけて推進された
プロジェクトであったとはいえ、ライト兄弟のフライヤーとアポロ
の相違とアポロと火星軌道探査船の相違を考えると、月着陸後、火
星軌道到着までに要した時間が如何に長かったか、また、人類の宇
宙技術分野の進歩が如何に乏しかったかを実感せざるを得ない様に
思います。

それに加えて、オバマ大統領が、コンステレーション計画を破棄し
た様に、今後25年間、今回の計画が生き残る可能性は、限りなくゼ
ロに近いと言わざるを得ません。もし、今回の計画が25年間生き残
ったとすれば、その時にも、恐らくは存命であるオバマ前大統領は、
自らの計画の正しさを自賛するでしょうか?それとも、後任の大統
領の覇気の無さを憂うのでしょうか?興味は尽きません。


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