※逆さ向き北東アジア地図。Google Mapの地図を一部改変
基地負担、沖縄より全国へ分散=政府の基本方針で―北沢防衛相
北沢俊美防衛相は16日午後、長野市で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県
宜野湾市)の移設に関する政府の基本方針について「鳩山由紀夫首相の考えで
(基地負担を)一部、沖縄にお願いせざるを得ないということを基本に、それ
をはるかにしのぐ形で負担を全国展開することの大枠を決定するのが、5月末
決着の大筋だ」と述べた。
(時事通信 2010/05/16)
北澤防衛大臣は、鳩山政権の閣僚の中では、比較的まともと言われ
ていますが、この発言は、少し異様に感じてしまいました。
勿論、この言葉の前後にそれを説明する発言があるでしょうし、今
や沖縄の負担軽減云々の枕詞が無ければ、普天間問題を論じられな
いだろう事も常識的には、理解可能です。しかし、それにしても言
葉足らずである上、沖縄の戦略的な位置関係についてどの様に理解
しているのかと不思議に思われるのです。
そもそも、沖縄の地政学的な位置関係の重要性がなければ、これ程
までに、基地が集中する筈もなければ、沖縄の返還が70年代まで見
送られる事もありませんでした。(米国は本土復帰に際し、当時の
琉球政府に沖縄独立を示唆したとも言います。)
米国は、別に海兵隊のヘリコプター部隊の訓練場を探している訳で
はありません。単なる訓練場であれば、グアムやフィリピンでも良
かった筈です。それが沖縄でなければならないのは、将に、北東ア
ジアに安全保障の問題が生じた時に策源地として利用可能な出撃基
地を平時から準備する必要があるからこそ、普天間基地の移転と海
兵隊部隊のグアムへの移転がセットになっているのです。
上の地図を見ると、アジア大陸の勢力は、日本列島、南西諸島、先
島諸島、台湾と続く列島弧(中国流に言うと第一列島線)によって包
囲されているのが直感的に理解できると思います。
そして、沖縄が、その列島弧の中心にあって、この包囲網の要石の
位置にあるのが分かります。
被包囲側にあっては、ここを突破できれば包囲は意味をなさなくな
り、太平洋へ自由に出入が出来ると同時に、台湾、日本、朝鮮半島
有事の際には、それらの有機的な連携を阻害できる事になります。
(であるからこそ、左翼勢力が沖縄を離さないとも言えます。)
逆に、沖縄が包囲側にあって、防衛、出撃の策源地になっていれば
有事の際の連携には大いに有効であると言えます。これが沖縄駐留
の在日米軍が東アジアの安全保障上の大きな資産であると言われる
所以です。グアムやテニアン、日本本土ですら沖縄を代替する事は
できないのです。
これらを前提にすると北澤防衛相の「一部、沖縄にお願いせざるを
得ないということを基本に、それをはるかにしのぐ形で負担を全国
展開する」という言葉は、沖縄の軍事機能をごく一部を残して日本
に移して空き家同然にするという異様な決意に聞こえてならないの
です。
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