2009年9月9日水曜日

MI2:消えた貨物船はやはりロシアのミサイルを積んでいた!?

※写真は、「アークティク・シー」。AFPサイトから転載

消えた貨物船 英紙 イランにミサイル密輸 イスラエル機関が阻止

英仏間のイギリス海峡で7月24日に消息を絶ち、8月17日に西アフリカ沖
で発見されたマルタ船籍のロシア貨物船「アークティック・シー」(3988
トン)が、イランに密輸するロシア製対空ミサイル「S300」を積んでいた
と、6日付の英日曜紙サンデー・タイムズがロシアやイスラエル情報筋の話と
して伝えた。

同船にはロシア人乗組員15人が乗り込み、130万ポンド(約2億円)相当
の木材を積んでフィンランドからアルジェリアに向かう途中に姿を消し、世界
中のメディアから「消えた貨物船」として注目を集めた。ロシア海軍が同船を
確認し、乗っ取り犯のロシア人やエストニア人ら計8人を逮捕。犯人は身代金
100万ポンド(約1億5千万円)を要求していたとされたが、その後、箝口
(かんこう)令が敷かれた。

しかし、同紙は情報筋の話として、核開発を進めるイランがイスラエルの空爆
を恐れ、ロシアの犯罪組織から対空ミサイルを密輸しようとしたと指摘。これ
を察知したイスラエルの対外特務機関モサドが介入し、同船をめぐって騒ぎを
起こしてイランに着くのを阻止したとの見方を伝えた。

同紙紙によると、同船が発見された翌日、イスラエルのペレス大統領がモスク
ワを訪れ、メドベージェフ露大統領と4時間にわたって非公式に会談。ペレス
大統領は高性能兵器がイランやシリアに流れるのを阻止するよう要求し、メド
ベージェフ大統領も口頭でこれに応じたという。
(産経新聞 2009/9/08)


以前に「ミッション・インポッシブル」という題名で、この消えた
貨物船についてのエントリーを書きましたが、どうやら真相らしき
ものが判って来たようです。

この真相は、先週末にイギリスの日曜紙サンデー・タイムズがロシ
アやイスラエル情報筋の話として伝えたもので、イランがロシアの
新鋭対空ミサイルS-300入手しようとしてロシア・マフィアと結託
して密輸を図ったのをイスラエルの諜報機関モサドがキャッチし、
工作員に派遣して、S-300を積んだ「アークティク・シー」をハイ
ジャックさせたというものです。

記事にもある通り、ロシア海軍が発見した翌日、イスラエルのペレ
ス大統領とロシアのメドベージェフ大統領が会談をし、事件の再発
防止に合意したという話です。

この話であれば、「海賊」が「アークティク・シー」をハイジャッ
クした理由も、「海賊」8人がロシア海軍に抵抗しなかった事も、
船員を全く傷つけなかった事も、全てに理由がつく事になります。

また、イスラエルが、イランの核武装を警戒している事は衆知の事
実であり、イラクの原子炉を破壊した「オシラク作戦」や、やはり、
核兵器用のプルトニウムを製造する原子炉を建設していたシリアを
爆撃し破壊した実績があります。

それから考えれば、イランが核兵器開発に邁進している現在、イス
ラエルはいつでもイランを攻撃できる様にしたい筈ですし、その時
に作戦遂行の障害になる新型対空ミサイルをイランが入手する事を
阻止する事に明確な利益や理由がある事になります。

ちなみにAP通信の記事によれば、ロシアは、「アークティク・シ
ー」に対空ミサイルが積まれていた事を明確に否定しているそうで
それに疑問を投げかけたジャーナリストが政府の情報筋に脅迫され
るという派生的な事件まで起こっているそうです。この辺は如何に
もロシアらしい話と感じます。


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2009年9月8日火曜日

宇宙ステーションへの輸送を競うHTV


※画像はNew Scientistサイトから転載

最強の双発ロケット 「H2B」11日打ち上げ

国内最強のパワーを持つ新大型ロケット「H2B」の初号機が11日、種子島
宇宙センター(鹿児島県)で打ち上げられる。国産初の双発ロケットで、国際
宇宙ステーション(ISS)の物資補給機「HTV」を運ぶ重要な任務を担う。
世界が注目する中、日本のロケット技術の真価が問われる。

H2Bロケットは国産主力機「H2A」を土台に、宇宙航空研究開発機構
(JAXA)と三菱重工業が共同開発した。最大の特徴は、第1段の主エンジ
ンを2基に増やしたこと。これによりパワーを約4割増強し、普通の人工衛星
の数倍の重さがあるHTVの打ち上げを可能にした。

強力なエンジンを新たに開発するのではなく、すでに実用化したエンジンを2
基搭載することでコストを抑え、設計から4年の短期間で完成にこぎつけた。

主エンジンを複数搭載したロケットは、3基搭載の米スペースシャトルや、20
基も搭載したロシアのソユーズなどがあり、世界の大型機の主流になっている。

ただ、エンジンが増えるとシステムが複雑化し、一般に不具合が起きやすくな
る。H2Bの計算上の信頼度は、H2Aよりわずかに低い。JAXA幹部は
「実質的には同等で不安はない」というが、油断はできない。

国産大型機は初代の「H2」で平成11年、主エンジンの燃料ポンプが破損。
後継のH2Aは15年、側面にある補助ロケットの噴射口に想定外の穴が開き、
いずれも打ち上げに失敗した。

3代目のH2Bは、この2つの事故の防止策を取り入れており、国産大型機の
集大成といえる。開発陣にとっては10年越しの雪辱戦だ。幹部は「過去の失
敗と反省から、努力してここまできた。何とか成功させたい」と意気込む。

ISSに食料や機材を運ぶHTVは日本初の無人宇宙船で、今回が初仕事。シ
ャトルは来年に引退が予定されており、その後の輸送手段のひとつとして重要
な役割を負う。ISSでは滞在飛行士が今年から6人に倍増し、物資需要が増
えている。日本はHTVを27年まで毎年1機ずつ、計7回打ち上げる国際的
な義務があり、責任は重い。

打ち上げ時刻はISSが日本上空を通過する午前2時4分。夜間の発射は中型
ロケットM5による火星探査機「のぞみ」(10年)以来で、大型機は初めて。
国際的な注目度は高く、米航空宇宙局(NASA)の幹部や海外メディアも現
地入りして打ち上げを見守る。(長内洋介)

(産経新聞 2009/9/07)


今週末に行われるHTV打ち上げは日本の宇宙開発にとってエポッ
クメーキングな出来事と言えます。
もともとは、HTV計画は、世界の耳目を集める様なプロジェクト
ではありませんでした。
どちらかと言えば、ISS(国際宇宙ステーション)に接続された、
宇宙実験室である「きぼう」に補給品を持ち込む事を目的とした地
味な計画だったと言えます。

ISSの運用計画では、もともと全体の運用維持に係わる部分の補
給については、NASAがスペースシャトルで行いますが、各国の
モジュールへの補給は、各国が各々手配する事になっていました。
HTVはこの原則に従って開発されたもので、日本以外にも独自の
宇宙研究室を持つ欧州は、同様のATVという独自輸送機を開発し
ており、昨年には一号機がISSへのドッキングに成功しています。

その元々は地味な計画が注目を集める様になったのは、ISSへの
補給の任に当たる事になっていたスペースシャトルがコロンビアの
事故によって2010年には退役する事になってしまった事によります。

シャトル後継機であるオリオン宇宙機は、2014年には、完成する事
になっていますが、計画は遅れ気味です。シャトル退役から、オリ
オン完成までの間は、NASAは、商業軌道輸送サービスを使用す
る事とし、SpaceX社のドラゴン宇宙機とオービタルサイエンシズ社
のシグナス宇宙機を選定して、その開発を進めています。完成は各
々、2009年(今年)と2010年(来年)の予定ですが、今日現在、宇宙機
も打上げロケットも完成しておらず、初飛行にもまだ時間がかかる
見込みです。

HTVの打上げに用いられるH-IIBロケットも、お初である点
は変わりませんが、全く、打ち上げられた事もないロケットと比較
すれば、各コンポーネントはH-IIAで実績を積んだものであり
信頼性は数段高いと言えます。
HTVは、欧州やロシアの宇宙機と違って、自動ドッキング機能は
持ちませんが、その分、機体制御システムを単純化でき、価格を抑
えられる一方で、人間が介在する為、相応の安全性も確保可能です。

また、ATVもロシアのプログレスも、ロシア製モジュールにドッ
キングする為、ロシア規格の小型のドッキング装置を使っているの
で、大型の物資輸送ができませんが、HTVは、米国製のハーモニ
ーと接続する為、共通結合機構(CBM)を使用するので、大型の物
資も搬入可能であったり、船外用物資の輸送も可能であるという特
徴があります。(但し、補給能力そのものはATVの方が上です。)

つまり、NASAにとっては、緊急の際に、JAXAに頼み込めば
シャトルで輸送するのと同じ規格の補給物資をHTVで運ぶ事が可
能である為、商業軌道輸送サービスが使えない時の保険として使用
可能という事になります。また、HTVは、2010年以降2016
年まで、年間一機が製作される事になっており、増産も比較的容易
と考えられる事から、オリオンや商業軌道輸送サービスの開発その
ものが、更に遅延する事になった場合、その間の輸送ニーズを賄う
ことも可能になる訳で、その点でもNASAの期待が高まっている
と言えるのです。

これに加え、日本には、HTVを元にした有人宇宙機を開発する構
想があります。HTVはモジュール設計がされている為、有人カプ
セル部分を開発し、これに与圧部と機械・推進部と組み合わせる事
で比較的容易に有人宇宙機を開発できるというものです。シャトル
退役によるISS向け輸送力不足の中で、人員輸送能力と物資回収
能力が一番深刻ですが、HTVに加え、HTVをベースにした有人
宇宙機を開発する事で、この両者に対応できる事になります。

更に、2016年にISSが退役した後は、日本独自の宇宙ステーショ
ンをHTVを元にして展開する事が構想されています。また、将来
の有人月探査計画などもHTV発展型の有人機構想の延長上にあり
ます。HTVは正に21世紀の日本の宇宙開発の根幹であり、今週
末の打上げの成功を心から祈りたいと思います。(9/8に米国の大統
領諮問会議でISSの退役を2020年まで延長する勧告が行われる見
込みとなっています。)


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2009年9月4日金曜日

またも恫喝政策に転じた北朝鮮 しかし交渉の必要はない!

※写真はロイターサイトより転載

北朝鮮、ウラン濃縮の最終段階にある=KCNA

朝鮮中央通信社(KCNA)によると、北朝鮮は4日、ウラン濃縮の最終段階
にあることを明らかにした。KCNAによると、北朝鮮は国連安保理議長に書
簡を送り、「ウラン濃縮実験は成功裏に行われた。実験は最終段階にある」と
表明した。

米国は以前から、北朝鮮が核兵器向けのウラン濃縮実験を極秘に進めていると
みていた。ただ専門家は、本格的なウラン濃縮には至っていないとの見方を示
している。
北朝鮮が過去に2回行った核実験はプルトニウム型とみられている。
北朝鮮は、ウラン濃縮実験について、国際社会が北朝鮮への制裁を強化してい
ることへの対抗措置だと主張。 
「われわれは対話と制裁の双方の用意がある。一部の安保理常任理事国が対話
よりも制裁を優先させるのであれば、われわれも対話よりも核抑止力の強化を
優先させる」としている。

(ロイター 2009/9/4)


ミサイル実験、第二回目の核実験と瀬戸際政策を続けていた北朝鮮
が、クリントン訪朝以降、拘束していた米国の記者や、韓国の会社
員、漁船員を順次解放したり、各国に会談や訪朝を求めるなど緊張
緩和政策に転じていましたが、今回は比較的早めに、瀬戸際政策に
転換したようです。

もっとも緊張緩和政策と言っても、韓国からも戦術的な転換に過ぎ
ないと見透かされていましたし、オバマ政権からも期待していた、
二国間平和協定交渉に対する言質は得られず、麻生首相への訪朝要
請も速やかに拒否されるという状態であり、期待した様な効果は得
られなかったと言う事かも知れません。

北朝鮮の交渉術の基本は以下の様なものである事が既に判っており、
それは、全く変わっていないのです。

①強面で、要求の10倍をふっかける。
②交渉中に理不尽な事を実行し、それを元に戻す事について代償を
 要求する。
③約束は実行しない。状況の変化で簡単に合意を覆す。
④交渉不成立の場合は全ての責任を相手に押し付ける。
⑤交渉相手の個人的名声・名誉欲をくすぐって譲歩を得ようとする。
⑥交渉を始める事自体に代償を求める。
⑦合意内容を細分化して、その一つ一つに代償を得ようとする。


一言で言えば、交渉相手としては信頼できる相手ではありません。
彼らの理解できる言葉は力しかないのです。力づくでねじ伏せるし
かないと考えるべきなのです。

そして一番重要なのが、次の二項目です。
◎金体制の存続が全てに優先される。
◎その存続を保証するのは核兵器である。

ここまで理解してしまえば、今回のウラン濃縮についての彼らの意
図は明らかです。つまり、交渉に応じる場合であっても、本当にウ
ラン濃縮技術を彼らが開発したのであれば、それを放棄する事は絶
対にありません。北朝鮮は、確実に作動する核兵器が必要ですが、
現在の彼らの技術では、使用済み核燃料から純度の高いプルトニウ
ムを抽出する事ができないのに対し、ウラン濃縮は同じ濃縮プロセ
スを繰り返す事で確実に作動する兵器レベルのウランを抽出する事
ができるからです。この場合、いくら代償を積んだとしても実際に
廃棄される事はなく、交渉を行う価値はない事になります。

逆に、彼らが開発に失敗しているのであれば、開発を放棄する可能
性があるかも知れません。つまり、もっていないものを放棄する事
で代償を得ようとしている事になり、この場合も交渉の価値はない
事になります。

即ち、交渉は北朝鮮が代償を得る為のものでしかなく、核兵器が放
棄される事もまたありません。従って、国際社会は北朝鮮を相手に
する必要はなく、現在実行している経済制裁を着実に実行していく
しかないと言える様に思われるのです。


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2009年9月3日木曜日

22DDHは費用対効果の高い海上航空機整備工場


※元の図は、週刊オブィエクトのHPより転載
赤枠は格納庫の推定位置

昨日は、22DDHの性格が16DDHの全通甲板を持つヘリコプ
ター護衛艦から、他の護衛艦からエスコートされるヘリ空母として
の性格に大きく変化している事を武装の面から少し分析してみました。

それでは、22DDHは、ヘリ空母として、どの程度の整備能力が
あるのでしょうか。16DDHや22DDHと従来のDDHとの比
較として良く使われる例えに、自宅の駐車場と整備工場の違いが使
われます。つまり、自宅の駐車場でも、多少の車の整備はできます
が、エンジン交換を伴う様な整備を行えなえず、整備工場に持ち込
む必要があります。それと同様に、従来のDDやDDHの格納庫は、
自宅の駐車場に相当します。軽度の機体整備はできますが、大きな
整備は困難です。それに対し、16DDHや22DDHは整備工場
に当り、従来に比べ艦載ヘリの大規模な整備も可能になると言う訳
です。

16DDHや22DDHを取得する大きな目的の一つに、この点が
上げられています。

では、その能力を、どの様に推測すれば良いのでしょうか?整備能
力の評価は本来、設備と能力の積で表されると思われますが、現段
階では評価は難しいと思われますし、建造され運用に移ってからも
各艦毎の評価も公表される事はまずないでしょう。従って、単純に
外観から評価する他ありません。という訳で、整備工場のしての大
きさという単純な尺度で測ってみる事にしました。

16DDHの格納庫の大きさは概ねエレベータの間にある二甲板の
高さのある第一格納庫と第二格納庫及び、後部エレベータと艦尾の
間にある三甲板の高さがある第三格納庫の合計になります。第三格
納庫と艦尾の間にはVLS発射機があります。それを前提に格納庫の
大きさを推定すると概ね上図の赤枠の内の矢印になるかと思います。
この大きさは、80mX15m(1200平方米)と推定されます。

実際には、エレベータを上に上げた状態で固定すれば、格納庫と同
じ高さにエレベータの下床?を上げる事で、エレベータ部分を格納
庫として使用する事もできますが、整備しながら、エレベータも使
用する事を考えると、通常の整備に使用できる大きさは上記の程度
と言えます。

同様に、22DDHに当てはめると、格納庫の大きさは、157m
X21m(約3300平方米)
になります。全長が51m延長された
事と舷側エレベータ、それにVLSが無くなった事で、格納庫の大き
さが約3倍弱になっていると思われるのです。

全長の増加は約25%、船体の大きさは約4割増加したのに対し、
格納庫の大きさが3倍近く拡大
した事は、海上航空機整備工場とし
ての、22DDHの能力向上が極めて顕著である事を示しており、
船価が16DDHと略等しい事を考えれば費用対効果が非常に改善
された艦
であると言える様に思うのです。


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2009年9月2日水曜日

ヘリ搭載護衛艦からヘリ空母に近づいた22DDH

※海自 画像は2ちゃんねる 軍事板 「ひゅうが型DDH 94番艦」スレ #667より転載

最大の「空母型」護衛艦配備方針=ヘリ14機、洋上給油も-防衛省

防衛省は31日、海上自衛隊に最大規模のヘリコプター搭載護衛艦(基準排水
量19500トン)1隻を配備する方針を決め、2010年度予算の概算要求
に1166億円を盛り込んだ。艦首から艦尾まで甲板がつながる「空母型」で、
ヘリ5機の同時発着艦のほか、他艦への洋上給油が可能。
同じタイプの「ひゅうが」(13950トン)から機能は大幅にアップするが、
予算を見直すとしている民主党政権の下、無事「船出」できるかは不透明だ。
新たな護衛艦は全長248メートルで、哨戒ヘリ3機が同時発着できるひゅう
がより51メートル長い。甲板と格納庫でヘリ14機を搭載する。
輸送力も増強し、陸上自衛隊のトラック約50台、人員約4000人を運ぶこ
とができる。
護衛艦「しらね」(5200トン)の後継だが、洋上給油もでき、周辺海域で
の継続的な警戒監視、海外派遣や大規模災害時の物資、邦人輸送など、さまざ
まな場面で中枢艦の役割を果たすという。 
新型艦導入について、海上幕僚監部は中国海軍の近代化も背景にあるとし、
「(中国は)巡航ミサイルなど艦艇からの攻撃力を向上させており、ヘリによ
る監視の強化が必要」(幹部)と強調する。
一方、戦闘機などの発着艦について、同省は「その考えはない」としている。

(時事通信 2009/08/31)

        22DDH    16DDH
基準排水量  19500t   13950t
全長       248m     198m
全幅        38m      33m
速力        30kt      30kt
CIWS         2基       2基
SeaRAM        2基        無
VLS           無 16セル(Mk41)
FCS-3改         無        有
アスロック装置     無       1式
3連装短魚雷発射管   無       2基
搭載ヘリ
哨戒ヘリコプター   7機       3機
輸送・救難ヘリコプター2機

ヘリ搭載能力    14機      11機
同時発着能力     5機       4機
同時運用可能ヘリ数  9機       4機

輸送力
 3.5tトラック約50台
洋上給油能力
価格(概算要求時)1166億円   1164億円
                (ひゅうが1057億円)
                (いせ   975億円)

新聞報道に書かれていたスペックを16DDHと並べてみましたが、
ここからだけでも、新しい22DDHの性格が判る様に思われます。
つまり、16DDHが主砲こそないものの、その武装が、従来のヘ
リコプター搭載護衛艦の延長線上にあったのに対し、22DDHで
は、よりヘリ空母としての運用と特性に合致した仕様に変化してい
ると言えます。

例えば、16DDHではヘリがあっても無くても単独で潜水艦を探
知、攻撃できる武装になっていますが、22DDHでは、アスロッ
クも短魚雷もないので、ヘリなくしては単独で潜水艦を攻撃する事
ができません。また、完成予想図から見る限りソナーシステム(OQQ
-21)も16DDHに比べ簡素化が図られているようです。更に、
16DDHではFCS3改とESSMにより限定的な艦隊防空も可
能でしたが、22DDHでは、個艦防御用の装備のみとなっています。

その代わりに、22DDHが得たのは、16DDHに比べ40%も
大きな船体と、二倍以上(4機→9機)となるヘリコプター同時運
用能力と整備能力、そして、船体の大きさの割に安価な建造コスト
です。

16DDHの運用構想では、DDHは対潜グループの中核艦として、
DDG1隻、DD2隻からエスコートされる事になります。艦隊防
空指揮機能はDDGが担いますが、対潜指揮機能は、データリンク
で結ばれる事で、22DDHが持つ充実した司令部機能が担う事に
なります。

22DDHでは、16DDHと比べ、船体の全長が52m長くなっ
た他、舷側エレベータの採用やVLSを搭載しない事で、16DDH
と比べ、エレベータ部分を除いた艦内ヘリ格納庫は、16DDHと
比べて二倍以上
になる筈で、そこに収容可能なヘリ数は、表面上の
収容数の増加よりは、更に大きくなる事は間違いありません。また、
これが整備能力の一段の向上に繋がると考えられます。加えて、こ
の大きくなったヘリ格納庫の活用方法として車両輸送を想定してい
るのだと思われます。

価格面では、船体規模が40%大きくなったにも係わらず、船価は
略同じです。船価の安さはDDと比べると一段とはっきりします。
19DD(750億円)と比べ、船体の大きさが4倍であるにも係わ
らず、取得費用は、五割増に過ぎないのです。

言い換えれば、22DDHはDDのエスコートによる運用を前提と
する事で、16DDHの過剰な機能を削ぎ落とし、より航空機運用
に最適化した艦
になったと言えるのです。


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2009年8月31日月曜日

民主党は国民の期待の高さにいつまで応えられるのか?

※写真は毎日新聞サイトより転載

<衆院選>民主党が単独で308議席獲得 自民は歴史的惨敗

第45回衆院選は30日、投開票され、480議席のうち民主党が小選挙区と
比例代表を合わせて単独で過半数(241議席)を大きく上回り308議席を
獲得した。1996年の旧民主党結党以来、13年で悲願の政権交代を果たし
た。93年衆院選で自民党が過半数を割り込み非自民8党派による細川連立政
権が発足したが、2大政党間の政権交代は戦後初めてで、戦後政治の大きな転
換点となる。首相指名選挙をする特別国会は9月14日の週にも開会、民主党
の鳩山由紀夫代表が首相に指名され、同党を中心とした連立政権が発足する。
【高塚保】

与党は自民、公明両党で公示前の計331議席から計191議席を減らし、自
民党は1955年の結党以来、初めて第1党の座を失う大惨敗を喫した。麻生
太郎首相は30日夜、NHKの報道番組で「責任を負わなければならない」と
述べ、自民党総裁の辞任を表明した。

自民党総裁の任期は9月末で、特別国会後に総裁選を実施し新総裁を選出する。
来年夏の参院選に向け党勢の立て直しを迫られるが、新執行部にとって苦難の
船出となる。

民主党は小泉改革で広がった格差への対策として、マニフェスト(政権公約)
に子ども手当の支給、高校教育の無償化、農家への戸別所得補償、高速道路原
則無料化などくらしを重視する政策を盛り込み、実現を訴えてきた。

(毎日新聞 2009/8/31)


民主党にとって、不幸な事は、日本経済が成長期にないという事で
す。民主党が政権を担うであろうここ4年間で見ても、税収が大幅
に増える見込みはありません。寧ろ、リーマンショック後の経済対
策の累積で一息ついていた経済が、民主党の経済財政運営の如何に
よっては失速する可能性すらあります。

何を言いたいかと言えば、民主党が受け継いだ、財布に入っている
お金の量は変わらないのですから、新しい政策を実現する為には、
必ず、どこかに皺寄せが来るという事です。霞ヶ関の埋蔵金なんて
いるのはありません。特別会計に万一の為に蓄えられている資金な
どは使ってしまえばなくなってしまう一過性のものに過ぎません。

民主党の公約である、子供手当てや、高校教育の無償化、農家への
個別所得補償、高速道路無料化は、毎年毎年支出が必要なものです。
一時的な資金で手当てする訳にはいきません。つまり、子供のいる
家庭や農家、あるいは高速道路の利用者に対して、子供のいない世
帯や子育ての終わった世帯、農業以外の勤労者、高速道路をあまり
利用しない国民から、税金を吸い上げ、それを分配する事になります。
その額、実に13兆円に及びますが、これは、消費税を6%上げる
のに等しい増税に相当します。今の処、基礎控除や配偶者控除の廃
止と言う一般人には意味が判りにくい項目を財源にあげていますが、
それだけ取れば、大多数の人にとって増税になる事が明白になって
きます。何故なら、基礎控除や配偶者控除の廃止による増税は、子
育て世代に対しても等しくのしかかってくるからです。これでは、
子供手当支給の喜びも半減してしまいます。

政権を運営していくにつれて民主党は、大きな政府を目指す政権で
ある事がより明確になっていきます。既に社会保険庁の解体を中止
する事を明言していますが、高速道路運営会社も、高速道路無料化
の中で、国営化が検討されていく筈です。更に、郵政民営化につい
ても再度の国営化が行われる可能性があります。また、日教組は、
少人数教室の実現を従来にも増して強力に運動する筈です。そして、
これら政府部門の拡大は、最終的には全て国民の負担によって賄わ
れる事になります。民主党は政府部門の無駄を省くと言っています
し、政府部門に無駄は大いにあるでしょうが、それとは別に政府部
門は肥え太る事になります。

初めての政権交代で政権をとった民主党には、多くの国民から期待
が寄せられています。それは、自民党には出来ないフレッシュな政
治を期待してのものです。しかしながら財布の中にお金はありませ
ん。金の事ばかり言うなという意見もあるでしょうが、現在の政府
の機能は、国民の所得を税の徴収と資金の給付を通じて再分配する
が最も大きな役割であり、それを最少コストで合理的に行う事が政
府に期待されているのです。

そして、諸外国と比較した場合、日本の政府運営は、そこそこ合理
的に少ないコストで行われて来たと言えます。そして、それを更に
合理的に行う事を政府の無駄を省くという公約によって国民から期
待されているのに、実際に民主党がやらねばならない事は、政府部
門の拡大になるのですから、遅かれ早かれ、民主党に対する国民の
失望が表面化するのは確実であると言えます。

更に、民主党政権には、どちらかと言えば、左寄りの勢力から大き
な期待が寄せられています。永住外国人の地方参政権容認問題や、
人権擁護法問題、あるいは国旗国歌問題、靖国問題、中国や韓国と
の歴史認識問題など、処理によっては、国民の少なく共半数に失望
の念を抱かせるに充分な問題にも取り組まざるを得なくなっています。

経済運営、増税問題に加え、民主党政権は、これら多くの問題点を
内在する形で発足を余儀なくされるのであり、まさに至る処に爆弾
を抱えていると言って過言ではありません。

来年夏には、まず参議院選挙が予定されていますが、マスコミの側
面支援も続きますので、ここで民主党が敗退するとは考え難いので
すが、その次には、4年後の2013年に今度は衆参同時選挙が行われ
る可能性があります。それまでの間、国民の失望をどこまで、押さ
え込めるか、民主党に期待を繋ぎとめる事ができるのか、民主党の
真価が問われるのではないかと思われるのです。


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2009年8月28日金曜日

「友愛」よりも「防衛」を選んだ元同盟国

※写真はS-400対空ミサイルシステム

極東に新対空システム配備 露、北朝鮮ミサイルに対応

インタファクス通信によると、ロシア軍のマカロフ参謀総長は26日、北朝鮮
のミサイル実験に対応し、ロシア極東地域に最新型の対空ミサイルシステム
「S400」を配備したと明らかにした。

北朝鮮のミサイル実験を現実の脅威とみなしていることの表れで、ロシアは引
き続き北朝鮮のミサイル発射に厳しい態度を取るとみられる。

参謀総長は、メドベージェフ大統領に同行して訪問したモンゴルのウランバー
トルで記者団に「北朝鮮のミサイル実験場や核施設はロシア国境から極めて近
い」と指摘。S400配備の目的は、北朝鮮のミサイル実験が失敗した場合に
破片などがロシア領に落下することを防ぐためだと説明した。具体的な配備場
所は明らかにしなかった。

S400は射程約400キロで、ロシア軍最新の対空ミサイルシステム。(共同)

(産経新聞 2009/8/26)


同盟国でも、最後の所は信じないというのが、ロシアの生き方とい
うのが世界で一般的なロシアに対する見解であると思いますが、そ
れが元同盟国で、世界から「ならず者国家」と目されている国で、
核ミサイルを開発しているかも知れない国であるならば、対抗措置
を取るのも当然と言えます。

既に以前から、弾道ミサイル防衛用に新型ミサイルを配備するとい
う意向をロシアは表明していましたが、今回明らかになったのは、
配備が始まったばかりの最新型対空ミサイルの極東配備を既に完了
しているというものです。

ロシアのミサイルは、システムの名称であって、弾体や発射機の型
式が異なっても、同じ名称で呼ばれる事がありますが、このS-400
についても同じで、弾体だけでも、3種類があるとされています。
射程距離400kmを誇るのは、40N6と呼ばれる弾体であるようです。
このミサイルは、長射程で、巡航ミサイルを攻撃する能力があり、
弾道ミサイルについても射程3500km、秒速4.8kmまでの中距離弾道
ミサイルであれば迎撃可能と言われています。
(出展、週刊オブイェクト http://obiekt.seesaa.net/article/119400823.html )

そういえば、2006年の北朝鮮のミサイル乱れ撃ちでは、実に7発の
弾道ミサイルがウラジオストック沖の日本海に撃ち込まれましたが、
事前にロシアの承認を得ていたのか定かではありませんでした。そ
の後のロシアの行動が明らかにミサイル迎撃に傾いた処を見ると、
少なく共、北朝鮮からの事前連絡が充分ではなかった可能性が考え
られる様に思われます。

もし、北朝鮮が米国向けに打ち上げたICBMが、万が一故障してロシ
アに落下したとしても、その落下速度はS-400の能力の範囲に収ま
る筈です。如何に元同盟国ではあっても、最悪の事態に対応出来る
様に予め準備しておくというロシアの姿勢は、危機管理の面では当
然と言えるのです。

一方、日本においては、他国との関係は「友愛」で当たると広言す
る政治家を党首とする政党が政権を握る勢いとなっています。
北朝鮮に対しても「対話」と「協調」で当たるそうです。また、こ
の政党は、政府予算から無駄を省く事で、実に13兆円もの資金を
捻出する事を予定していますが、以前は彼らの考える無駄な予算と
して防衛費を上げ、そこから五千億円を圧縮すると主張していた事
もありました。

折りしも、北朝鮮は、米国や韓国に対して宥和攻勢をかけています。
日米韓の結束を破る事を北朝鮮が意図しているのは明白と言えます。
しかし、何故か、日本に対してはアプローチがありません。これが
何故か言えば、自国に宥和的な新政権の発足を待っている事以外は
考えられません。日本に対しては、譲歩なしで制裁解除や経済援助
が獲得可能であると踏んでいる事になります。その上で、日本に対
しては、歴史問題等を楯にして上からの目線で対応すれば、南北の
民衆レベルからも支持喝采が得られると考えているのではないかと
思われるのです。

交渉において、相手が降りると判っている時ほど強い時はありません。
交渉が有利に展開できる事が判っているならば、あとはどれだけ利
益を拡大するかの問題になるだけです。「友愛」、「対話」、「協
調」、「平和」いずれも美しい言葉ですが、くれぐれも国益を蔑ろ
にしない事を祈念せずにはおれないのです。


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2009年8月26日水曜日

奴は斜め上を飛んだ~韓国初の人工衛星打上げに失敗


※写真、CGは朝鮮日報サイトより転載

人工衛星、覆い外れず失速=韓国

韓国教育科学技術省は26日、人工衛星搭載ロケットの打ち上げ失敗について、
大気圏内の飛行時の摩擦から衛星を防護するフェアリング(覆い)が正常に外
れなかったため失速したことが原因と推定されると発表した。
衛星はロケットから切り離されたが、二つある覆いのうち片方が正常に離脱せ
ず、十分なスピードを得ることができなかった。衛星は落下の過程で燃え尽き
たとみられる。 

(時事通信 2009/08/26)


韓国初の人工衛星搭載ロケット打ち上げ、目標軌道に乗らず失敗

韓国は25日、初の人工衛星搭載ロケットを打ち上げたが、計画していた軌道
上に衛星を乗せることができなかった。
安秉万(アン・ビョンマン)教育科学技術相は、衛星は打ち上げから8分後に
2番目のブースターを切り離した後、目標の軌道に入らなかったことを明らか
にした。
プロジェクト関係者は、失敗の原因は特定できないとしつつも、衛星の軌道を
修正する機能がブースターになかったと述べた。
北朝鮮は、韓国のロケット打ち上げに警戒感を示しており、今月に入りロケッ
ト打ち上げやそれに対する各国の反応を注視していると表明していた。
打ち上げは当初8月19日に予定されていたが、圧力計のソフトに異常が発生
したため延期されていた。
今回打ち上げられたロケット「羅老号」(KSLV―I)の開発には、ロシア
の協力を得た。ロシアはロケットの1段目を開発したほか、テストや技術面の
サポートを提供。
ロケットは全長33メートルで2段式。開発費用は5025億ウォン(4億ドル)。
韓国は2018年までに、自力でロケット開発し、2025年までの月探査機
打ち上げを目指している。人工衛星打ち上げのための商業サービス開始も検討
している。

(Reuters 2009/08/25)


七回の打上げ延期を繰り返した上、漸く、昨日打ち上げられ、当初
は、打上げ成功と伝えられた羅老号ですが、残念ながら衛星を軌道
に乗せる事なく、大気圏に再突入し、燃え尽きた様です。
昨日の遅い段階では、予定された軌道に投入できなかったと報道さ
れ、その理由としてフェアリングの片側が外れなかったという見解
が非公式に流れていましたが、それが公式に確認された形になりま
した。上の朝鮮日報作成のCGでは、その時に流れていた失敗原因が
三つあげられています。

さて、通常、ロケットが打ち上げられる際には、ロケットの姿勢や
高度、加速度、ブースターや一段目の切り離し、フェアリングの開
放等のイベントの結果、ロケットに搭載された監視カメラの映像等
をテレメトリー信号として地上に送っています。また、地上からも
目視とレーダーの両方を使って衛星の姿勢、高度、針路、速度等を
観測していますから、どの段階で、計画値と違ってきたかは明確に
識別できていた筈なのです。

フェアリングが外れなかったのが事実であれば、打上げ3分35秒後に
衛星保護カバー分離した段階から、予定された高度、速度とテレメ
トリーや地上からの観測数値の乖離が大きくなってきていた筈です。
予定では投棄される筈のフェアリングの重量が余計に乗っかってい
ますし、ロケットの重心も変わってきます。

衛星を分離した高度が予定よりも30キロ以上高かった事も良い事
ではありません。人工衛星になる為には、水平方向の速度として、
毎秒7.9キロの第一宇宙速度を満足する必要がありますが、予定
以上に上昇するに必要とした加速度は、この水平速度成分を犠牲に
する事で得られているからです。この加速度の違いも当然ながら、
テレメトリーデータに現れていた筈なのです。

日本を例を挙げるのであれば、2003年5月に情報収集衛星を軌道に
載せる為に打ち上げられたH-IIA 6号機が、2本のSRB-A(固体ロ
ケットブースタ)のうち、1本が分離できず、そのままでは、高度
および速度が不足することからロケットを指令破壊しましたが、こ
れと略同様の事が羅老号にも起こっていたと言えるのです。

こういったテレメトリーの数字の計画値との乖離や変化をどの様に
認識するかという点で、初の人工衛星打上げという経験の無さが、
衛星打上の失敗という結論を迅速に出す事が出来ず、本来であれば、
指令破壊を行うべきであった状況であるにも係わらず、それが出来
なかった事につながっているのかもしれません。
羅老号の一部がオーストラリアのダーウィン近郊に落下したという
未確認情報がありますが、これが事実であれば、指令破壊を行うべ
き状況であった事の証明とも言えるでしょう。

今回の打上げは、人工衛星打上げ能力獲得を急ぐ韓国が、従来から
の国内技術開発の方針を転換し、ロシアから一段目ロケットを購入
し、二段目もロシアが設計した固体燃料ロケットの韓国内で製造し
たものです。衛星フェアリングやその分離機構も恐らくロシア設計、
韓国内製造で、ロケット全体の取り纏めもロシアから大きな支援を
得ていたものと思われます。

韓国がロケット技術をロシアから導入する事については、特に文句
はありませんが、まかり間違えば、打上げに失敗したロケットが日
本領土に落下する可能性があるのですから、せめてロケットに異常
が発生した場合の安全性確保については、日本からも強く韓国に申
し入れを行うべきであり、それにきちんと対応するのがロケット打
上げ国の責務であると思われるのです。


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2009年8月25日火曜日

ミッション・インポッシブル

※写真は、航行する「アークティック・シー」RIANOVOSTIから転載

積み荷に極秘物資? 露確保の失踪貨物船

【モスクワ=遠藤良介】欧州海域で7月下旬に消息を絶ち、このほどアフリカ
北西部カボベルデ近海でロシア海軍に確保された一隻の貨物船が「謎」を呼ん
でいる。ロシアのセルジュコフ国防相は「海賊に遭った」としているが、ロシ
アが特殊作戦に乗り出してまで船の発見を急いだ理由は何なのか。同船がイラ
ン向け兵器などの“極秘物資”を積んでいたとの憶測が出ている。

問題の船は、マルタ船籍の露木材貨物船「アークティック・シー(北極海)」
(3988トン)。7月23日に木材を積んでフィンランドを出航し、アルジ
ェリアに向かった。しかし、24日にスウェーデン沖から「武装集団に襲われ
た」と報告してきた後、交信が途絶えた。

ロシアのメドベージェフ大統領は今月12日、「北極海」の発見、確保に全力
を挙げるよう軍に厳命を下した。露海軍が多数の艦船などを派遣して捜索した
結果、17日(現地時間16日)に貨物船を発見。ロシア人乗組員15人の無
事を確認するとともにロシア人、エストニア人、ラトビア人の容疑者8人を拘
束した。露高官はこの作戦に伴い、報道操作が行われたことも確認している。

ただ、この貨物船が積載していた木材は180万ドル(約1億7千万円)相当
にすぎないとされる。「海賊」が狙うにも、ロシアが国を挙げて奪還に動くに
も、不自然さが残る。そもそも、欧州海域は警備が厳しく、長らく海賊被害は
報告されていない。

エストニア軍元高官は露大衆紙モスコフスキー・コムソモーレツに対し、「ロ
シアのかくも奇妙な行動は、貨物船に巡航ミサイルが積まれていたことでしか
説明がつかない」と述べた。著名海事専門家のボイチェンコ氏も17日の記者
会見で海賊説に疑問を呈し、「商売上の抗争」や「(国家的な)特殊作戦」の
可能性があると指摘していた。

ロシア内外のメディアでは、貨物船がイランやシリア向けの兵器や核物質を積
んでいたとする説や、麻薬密輸に絡んでいたとする見方が報じられている。

(産経新聞 2009/8/22)


ペルシア湾を航行する北朝鮮の貨物船が臨検され、隠された船倉か
ら、イエメン向けの弾道ミサイルが発見された事がありましたが、
いかがわしさでは、北朝鮮の先輩であった旧ソ連時代からあまり変
わっていないロシアが、またまたいかがわしい武器輸出でやってい
る事が暴露されてしまいました。もし、本当に積荷が、ロシアの言
う通り木材であったのならば、大統領命令で海軍が必死になって捜
索活動を行う必要などありません。

記事にある通り、イラン向けの巡航ミサイルや弾道ミサイルあるい
は、(核燃料棒や)その補給品であったとすれば、必死になった捜索
活動を行った説明がつきます。

ロシアがイランを含む「ならず者国家」に対して融和的であるのは、
今に始まった事ではありません。イランは、軍事演習の中で、ロシ
アの超高速魚雷であるシクバルと同じ技術の産物と思しき武器のデ
モンストレーションを行っています。また巡航ミサイル技術の取得
や弾道ミサイル開発にも熱心な事は良く知られています。なお、巡
航ミサイルについては、長射程のKh-55に関する技術がウクライナ
から流出した事が判明しています。本家のロシアから新しい技術が
流出していても全くおかしくはないのです。

今回の事件で面白いのは、海賊が少ない欧州海域で、問題のある船
舶が狙い撃ちの形でハイジャックされた事です。こんな事が偶然に
発生するわけはありません。ロシアのイランに対する武器輸出をス
トップさせたいどこかの国がスポンサーになっていると考えるべき
であると思われます。正しくミッション・インポッシブルの様な某
国、某機関による特別ミッションの成果と言えるのではないでしょ
うか。

なお、捉えられた海賊8人は、全員がエストニア人の犯罪者という
報道もあります。


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2009年8月24日月曜日

18DDH「いせ」の建造状況(2009/8/23現在)





Ships Location

1
2 DD174 きりしま
3 DD143 しらね
4
5
6 DD182 いせ
7
8
9

18DDH「いせ」が進水したので、久しぶりにIHIマリンユナイテッドに撮影に行
ってきました。16DDH「ひゅうが」進水の時はマスコミや一般の関心も高かっ
たですが、今回は取り上げた新聞社もテレビ局も少なく空母型の護衛艦に対す
るアレルギーはかなり少なくなった様に思われます。

「いせ」と「ひゅうが」を比べても現時点では、外見上の相違点が判らない
ので、新規さがないのが、関心が薄れた理由かもしれません。艦番号の違いが
無ければ、撮影している私でも同じ艦の様にしか見えませんでした。

艤装岸壁には、「きりしま」と「しらね」が係船され、「きりしま」は定期点検中
「しらね」はCICの修復工事を行っていました。
「きりしま」は今年、MD対応の改造が施される予定ですが、定期点検後に実施
するのでしょうか?現時点では目だったら変化はないように思われます。


#1 DD182 いせ 左舷前方から

#2 DD181 いせ 艦首部を左舷から拡大撮影。後方のマストは しらね 

#3 DD174 きりしま 定期点検中の姿

#4 DD143 & DD182  新旧DDHの艦容と大きさの違いが良く判る


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2009年8月20日木曜日

日本人よ、たまには自信を持とう!!

※写真はみなとみらいの夜景
http://ganref.jp/m/outdachs/portfolios/photo_detail/d61953d34990ec9419a584015a70ea48
から転載

かつての超大国!日本はなぜ世界のリーダーになれないのか―米誌

2009年8月18日、米誌「World Policy Journal」夏季号は「日本はなぜ世界の
リーダーになれないのか?」と題した記事を掲載した。新華網が伝えた。

記事は、かつて経済超大国として世界のリーダーにもなり得る存在と目されて
いた日本だが、今や中国やインドなどの台頭によりすっかり影が薄れてしまっ
たと論じた。記事によれば、日本は過去40年間、世界第2位の経済力だけを武
器に国際社会で高い影響力を発揮してきたが、もともと政治や軍事面での実力
は伴っていなかった。第2次大戦後、奇跡的な経済成長を遂げた日本だが今や
その伝説も幻となり、大国としての地位すら危うい。

こうなると国際貢献のあり方も変える必要に迫られると記事は指摘。これまで
のように「何でも金で解決」という訳にはいかなくなるだろう。日本はすっか
り国際社会における自らの役割を見失ってしまった。国内政治も混乱が続いて
おり、今後の見通しは暗い。記事は、これほど短期間で国際地位が暴落した国
も珍しい、と日本の没落ぶりを強調した。(翻訳・編集/NN)

(レコードチャイナ 2009/8/20)


原文は以下のURLで全文が読めます。
http://www.mitpressjournals.org/doi/pdf/10.1162/wopj.2009.26.2.101

著者は、Aurelia George Mulganというオーストラリア人で、ニュー
サウスウェールズ大学の教授です。グレゴリー・クラークと反日日
本人の悪影響を受けすぎた反日学者様であるようです。最初のサマ
リの部分を読みましたが、自説を補強する為に、事実を知っている
のにそれに言及しない態度が見える様に思いました。

自虐的な日本人や日本人学者が多いですし、マスコミはそういう意
見を好んで取り上げます。日本人の多くが反省する事が大好きなの
で、悲観論が溢れかえる事になります。ただ、こういった主張だけ
を大事にするのではなく、これまで日本人が成し遂げてきた事にも
もう少し自信を持っても良いのではないかと思います。

以下は、某巨大掲示場のこの記事のスレッドに何度か書き込まれた
コメントですが、たまには、こういう見方をしても良いのではない
かと思い転載します。


外人が日本人を特別視してるってのは、自分の国の歴史少しでも知ってたら誰
でも分かるだろ。
まず、資源が全くないってことはすごいこと。もう両手両足もがれたぐらいの
ハンデ。
しかもすごいのは、米国の3分の1の人口、わずか25分の1の領土で、
その上ただでさえ極小の国土の7割が山、山、山。なーんにもない、山・・・。
だから農業で輸出して食べていくことすらできない。条件からして最貧国でも
おかしくない国。
そんな国が、100年ほど前で当時世界最強クラスだった露助とか清をあっさり
倒して、非白人国家で普通に白人常任倶楽部仲間入りしちゃってて、おまけに
米国敵に回してガチで戦争して、世界で唯一米国本土爆撃して、英国の無敵艦
隊フルボッコにして、オランダ倒して、世界で唯一原爆落とさせるほどてこず
らせて。
しかも二発だよ。二発。考えられない。
敗戦とか言ってるけど日本のせいでアジアから白人の植民地全部消されたし。
しかも信じられないのは、戦争に負けてただでさえ何にもない国がさらにイン
フラまで全部叩き潰されて、多額の賠償金まで背負わせて100%再起不能に
しといた極貧衰弱国家で、今度こそ生意気なイエローモンキーが消えて数百年
はウザイ顔見ないで済むと思ってたら、
直ちに再び白人社会に経済で参戦して来くさって、参戦どころかごぼう抜きで
たった2,30年であっという間に米国さえ抜いて世界第一位。
東京の土地だけで米国全土が買えるほどの呆れた価値になっちゃう程の超絶経
済力で世界中( ゜Д゜)ポカーン・・・状態。
その後もずーっと二位維持。頭一本でそれ。
しかも経済の80%が内需。内需だけでそれ。
金融とかでまだ全然進出してないし車や家電、工業製品ももまだまだ進出しき
ってなくてそれ。
もうキチガイの域。伸びしろありすぎワロタ。戦後60年一発も打たずに侵略せ
ずにこれ。 何気に世界最長寿国とかなってる。
んで今度は漫画・アニメ・ゲーム。気がつけばハリウッドの規模とっくに超えてる。
アメリカの検索で一位になってるのが日本のアニメとか。
世界中で一番人気の映像作品が日本のアニメとか。
極めつけは世界一長い国号、2000年のどの白人より長い王室ならぬ、
その上の皇室保有。エンペラーに代表される歴史。
普通の神経してたらこんな国怖くて関わりたくない。



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2009年8月19日水曜日

ノーベル平和賞の為に国を売った政治家逝く

※写真は、読売新聞サイトから転載

金大中氏死去 地域対立の象徴 親北・左派、求心力を喪失

【ソウル=黒田勝弘】韓国政治に長く大きな影響力を持ってきた金大中元大統
領の死は、今後の韓国政局に微妙な波紋を呼びそうだ。特に反政府・野党勢力
にとっては求心力を失ったことになり、政権奪還に向けた新しいリーダーの登
場や政界再編成などで紆余(うよ)曲折が予想される。

韓国の現代政治は1980年代以来、30年近く、金大中、金泳三、金鍾泌氏
によるいわゆる“3金時代”が続いた。しかし政界を引退した後、金泳三元大
統領は衰えが目立ち、金鍾泌元首相は病床にある。その中で金大中氏だけは、
健康不安にもかかわらず内外情勢に関し政治的発言を続け、最後まで“生臭さ”
があった。

金大中氏が大統領退任(2003年)後も影響力を維持できたのは、国内で政
治的、社会的に最大の不満勢力である全羅道出身者の絶対的な支持を得ていた
ことと、初の南北首脳会談実現(2000年)を含む対北融和政策などで“親
北朝鮮”的だったからだ。

韓国政治は現在の野党・民主党もそうだが、以前から野党・反政府勢力の中心
は全羅道出身者だ。全羅道が故郷の金大中氏は彼らの間では絶対的な指導者で、
その一挙手一投足は大きな影響を与え、彼らの行方を左右した。

たとえば野党勢力の大統領候補決定には金大中氏の意向が大きく影響し、野党
分裂や新党結成など野党陣営再編でも金大中氏の考えが決定的だった。02年、
盧武鉉前大統領が非全羅道系でダークホースだったにもかかわらず大統領に当
選できたのも、金大中氏の支持のおかげだった。

このため、韓国政治の“病”といわれる地域対立は金大中氏によって深まった
との評もあった。

一方、金大中氏は亡くなる直前まで、保守派の李明博現政権の対北政策を激し
く批判してきた。国際協調を重視し、対北援助に消極的な李政権が気に入らな
かったからだ。時には北朝鮮の韓国非難そのままに「このままでは戦争が起き
る」といわんばかりに李政権批判を続けてきた。

したがって北朝鮮にとって金大中氏は最後まで最大の理解者であり“援軍”だ
った。「李明博政権打倒!」を叫ぶ韓国内の親北・反政府派にとっても最も好
都合の人物だった。

そのため晩年は韓国内の保革・左右対立の焦点になっていた。金大中氏の死は
親北・左派勢力にとっては最大の理解者を失い打撃が大きいが、一方の保守派
は最大ライバルが消えたことでホッとした感じだ。

(産経新聞 2009/8/19)


棺を覆って、金大中の業績は何だったのかと考えれば、IMFショ
ックの後、韓国経済を立て直した一点しか評価できません。それも
通貨危機後、IMFから手取り足取り経済運営について指導があり
それに従った経済運営を行っただけです。

勿論、IMFの処方箋は非常に厳しいものでしたから、その政策に
国民の協力を取り付ける事ができたのは、大統領としての金大中の
実力によるものと言えば、言えるでしょう。しかしながら、リーマ
ンショック後の世界不況に自国経済を破綻させる事なく対応してい
る現在の李明博政権の方が、破綻後の再建のみを行った金大中政権
よりも、寧ろ困難な課題を実行しているのかも知れません。

では、それ以外の点ではどうだったのでしょうか。金大中が韓国の
民主化の旗手であったのは事実ですが、民主化は、韓国経済の発展
と軍事政権側の譲歩によって実現したのであって、金大中が勝ち取
ったものではありません。韓国内の民主化に関しても、上記の記事
にもある通り、金大中の存在によって、地域対立は深まったのであ
り宥和が進んだ訳ではありません。

更に、彼の唱えた「民主」が結局は、「親北」に過ぎなかった事が
問題でした。彼がノーベル平和賞を獲得した契機となった南北和解
は、韓国から北朝鮮への数百億円とも一千億円との言われる一方的
な資金援助や譲歩の結果でしかなく、結果的に北朝鮮の核開発を加
速したに過ぎなかった事が明らかになっています。つまり、金大中
はごく短期間の南北協調を演出する為に、長期的には、韓国を大変
な安全保障上のリスクに晒したと言えます。

更に、金大中の問題点は、国民を精神的にも北朝鮮に対して武装解
除してしまった点です。金大中は、民族「統一」の旗印を下ろした
最初の政治家であり、北朝鮮の抑圧された民衆に対しては、何の貢
献も行う事は無く、国家の金を使ってノーベル平和賞を買った売国
政治家と断じざるを得ないのです。

金大中は結局の所、韓国に打ち込まれた北朝鮮の楔以外の何者でも
なく、その後を継いだ盧武鉉と相次いで世を去ったのも、核開発に
成功した北朝鮮にとっての存在価値を喪失した結果と言えるのかも
知れません。


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2009年8月17日月曜日

燃費リッター97キロの謎

※写真はUS News & World Reportから転載

燃費計算「世紀の誇張」か GM新型車で米誌

米消費者団体専門誌コンシューマー・リポート電子版は15日までに、米自動
車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が家庭で充電可能な新型のプラグインハ
イブリッド車「シボレー・ボルト」の燃費を「ガソリン1ガロン当たり230
マイル」(1リットル当たり約97キロ)と発表したことについて「世紀の誇
張の可能性がある」と酷評した。
GMはボルトを経営再建の切り札と期待。米メディアは、燃費効率が「米国の
新基準ではトヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』の4倍程度」と伝えて
いた。ボルトは40マイル(約64キロ)までは家庭で充電した電池で走行で
き、その後は再充電のためガソリンエンジンが動力源となる。
同誌は、GMがボルトの詳細を明らかにした11日の発表を「誇大広告」と指
摘。最初の40マイルに使う電気の料金を考慮に入れると「ガソリン1ガロン
当たり100マイル相当」の方が妥当などと列挙した。(共同)

(産経新聞 2009/8/15)

写真を見るとプリウスに良く似た車に見えますが、これが、今、米
国自動車業界で話題のハイブリッド車であるシボレー・ボルトです。
車の形がプリウスに似ているのには、理由があります。
ホンダのインサイトもそうですが、車体中央部から後部にバッテリー
を配置しており、バッテリーの上にトランクを作り、燃費を上げる
為に空気抵抗を下げようとすると、特徴のあるヒップアップの形に
なるという訳です。今時、通常のガソリン車と同じ車体にハイブリ
ッド機構が搭載されている例も多いですから、必ずしも、ハイブリ
ッド用車の形がある訳ではありませんが、ハイブリッド専用車で燃
費を良くする事を考えると合理的な形状は決まってくると言えます。

さて、シボレー・ボルトが、話題を集めているのは、プリウスに似
た形をしている為ではありません。その一つは、プラグインハイブ
リッドという電気自動車に近い機構を搭載した事と、もう一つは、
リッター97キロ、プリウスの4倍というその圧倒的な燃費性能を
実現した事にあります。正に新生GM期待の星という訳です。
もっとも、このリッター97キロという燃費は公式のものではあり
ません。GMが仮に燃費性能として公表したものに過ぎません。
悪くいえば、GMが消費者に燃費性能を高く印象付けたいが為に、
公表した数字であるとも言えます。その為に、コンシューマーレポ
ートが「世紀の誇張」である可能性を指摘している訳です。

この様に燃費が問題になるのは、プラグインハイブリッド車(や電
気自動車)の燃費をどう測定するかについて、まだ公式の燃費測定
法が定まっていない事が、その理由になっています。ちなみに、米
国日産自動車は電気自動車のReefの燃費をシボレー・ボルトより更
に高い「ガソリン1ガロン当たり367マイル」(1リットル当た
り約164キロ)と発表しています。

シボレー・ボルトの場合、通常は、家庭の一般用電源プラグにコン
セントを差し込んで充電する事で、最初の40マイル(約64キロ)
までは充電した電池で走行できます。そして、その後は再充電のた
めガソリンエンジンが動力源として稼動する事になります。
米国でも、一般の家庭であれば、毎日40マイル走る事はあまりあ
りません。その為、40マイルを超えて走る事がなければ、ガソリ
ンエンジンが動く事がないので、燃費は無限
という事になります。
GMが公表した数字は、この40マイルを超えて走る場合と40マ
イルを超えて走る場合の燃費(公表されていませんが、US News &
World Reportはリッター当り15キロ弱と推定しています)の割合
を調整して公表したと言えます。

なお、試しに家庭での充電を無料と計算し、シボレー・ボルトのガ
ソリンタンクの大きさを30リットルとすれば、充電で2500キ
ロ、ガソリンエンジンで450キロを走れば、燃費97キロが実現
する事になります。(この場合、毎日平均で75キロ走り、その内、
64キロを充電で、残り11キロをガソリンで走る計算です。)

こうなりますと、従来の燃費計算は無意味になってしまいますので
日本の10モード燃費に相当するEPA燃費を計測し公表している米国
環境保護庁では、100マイル当りで使用する電力量(キロワット/時)
を測定し、その数字からガソリンの使用量を一定の割合で逆算し、
それによって、電気自動車の燃費もガロン当り何マイルと表示する
方法を検討しているそうです。


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2009年8月11日火曜日

そして靖国は首相が行けない場所になった。


首相、靖国参拝見送りへ 中韓との関係考慮

麻生太郎首相は10日夜、終戦記念日の8月15日前後の靖国神社参拝につい
て「最も政治やマスコミの騒ぎから遠くに置かれてしかるべきだ。(靖国神社
は)静かに祈る場所だ」と述べ、事実上、参拝を見送る意向を明らかにした。
官邸で記者団の質問に答えた。

首相は外相当時も中国、韓国両国に配慮して参拝を見送っており、今回も同様
の判断とみられる。「15日に参拝するか」との質問には直接答えず「国家の
ために尊い命をささげた人たちを政争の具にするとか新聞のネタにするのは間
違っている」とも指摘した。

首相は就任後の昨年10月の衆院予算委員会で、参拝について「行くとも行か
ないとも答えるつもりはない」と述べ、態度を明確にしない「あいまい戦略」
を取る考えを示していた。

今年4月、首相が靖国神社の春季例大祭に合わせて供物を奉納した際、中国側
は強い不快感を表明。首相は5月に北京で行われた日中首脳会談で「(過去の
侵略などへの痛切な反省と心からのおわびを表明した)1995年の村山富市
首相談話などから何ら変更はない」と釈明した。

首相の靖国参拝をめぐっては、2006年8月に当時の小泉純一郎首相が参拝
したが、後継の安倍晋三、福田康夫両首相は見送っている。

首相は、同年8月、宗教法人としての靖国神社の自発的解散を前提に、設置法
を制定して特殊法人「国立追悼施設靖国社(招魂社)」に移行、実質的に国営
化するとの私案を発表している。

(時事通信 2009/8/10)


改めて言うまでもなく、中韓が幾ら文句を言った処で、日本と言う
国の命により出征し、その命を捧げた軍人を祀る施設に、国家の代
表者が参拝できない状態を作るというのは、愚の骨頂でしかありま
せん。
中韓に配慮と言っていますが、元々中韓の主張が理不尽な内政干渉
でしかなく、それへの配慮を行うという事は、自国への内政干渉を
認める事に他なりません。

特に韓国、朝鮮などは、日本と戦争をした訳でもなく、首相の靖国
参拝に文句をつける理など全くないと言っても過言ではないのです。

8月15日が参拝に適当でないというのであれば、首相として適当と
思う時期に参拝すれば良いのです。しかし、安部、福田両首相同様、
麻生首相も参拝しないのでは三代続いて首相の靖国神社参拝がない
事になり、これでは、政権交代後に民主党の首相が参拝しなくても、
自民党が野党として批判する事ができなくなります。民主党の首相
が何代続くかは判りませんが、首相が靖国神社を参拝できない事が
完全に定着し、日本国内に首相が行けない場所を作ってしまうと言
う今以上の国辱問題になってしまうと考えます。

麻生首相は、マスコミの揚げ足取りとバッシングの結果とは言え、
身から出た錆びで、政権交代を余儀なくされつつあります。総選挙
で自民・公明の連立与党が多数を占める可能性は略なくなっていま
す。麻生首相が選挙後も政権を担当する可能性は無いと言っても過
言ではありません。

そうであれば、麻生首相は、後世に残す最後の善行として、せめて、
靖国参拝だけは、首相として断固実行し、他国の内政干渉を排除す
る姿勢を明確にすべきであったと思われてなりません。日本という
国の為に誠に残念であったと言わざるを得ません。


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2009年8月10日月曜日

北方領土を回復したいのであれば、人道支援も拒否すべき

※写真は国後島。根室支庁のサイトから転載

ロシア、北方領土への支援拒否 「日本が四島買収」と住民も支持

ロシア外務省が、日本側から北方領土への人道支援の受け入れ停止を表明した
ことについて8日、国後、択捉両島のロシア人住民からは「(支援は)もう必
要ない」との声があがった。

「助けてくれてありがとう」。択捉島の無職マリヤ・イワノワさん(68)は、
ディーゼル発電所、医療機器など、これまでの人道支援に感謝する。だが「支
援は日本が四島を買収するためのもの。ロシアは貧しくはない」として、人道
支援を事実上拒否したロシア政府の判断を支持した。

択捉島の無職アレクサンドル・プラズニコフさん(56)も「人道支援は屈辱
的。日本は政治目的に利用している」と厳しい。

一方で、支援の全面的な停止を心配する声も聞かれた。国後島の会計士タチア
ナ・ヤキモワさん(59)は「日本で子どもを治療させたい親はたくさんいる」
と話す。ロシア政府は、人命にかかわるケースでは柔軟に対処するとしている
が、ヤキモワさんは「子どもの医療支援だけは続けてほしい」と強調した。

(北海道新聞 2009/08/09)

平たく言えば、今までの人道支援には相応の意味があったと思いま
す。つまり住民に日本の援助があれば、(あるいは日本領になれば)
生活が楽になるのを理解させる事はできた訳です。鈴木宗男氏が意
図した様な日本依存にさせる事は、元々実現に無理があったと言わ
ざるえないと思います。しかしながら、これまでの援助を通して繁
栄する日本が海峡を挟んだ身近に存在する事を認識させた事は大き
い効果と言えます。

そういう理解に立った上で、今度は医療に関する人道援助も含め一
切の援助を断つべきなのです。つまり、北方四島の住人に、日本の
援助なく生活する事の辛さを思い出させ、かつ、この処のリーマン
ショックで資源安に直撃されているロシア政府には、北方四島を保
持する経済的な負担の大きさを認識させるべきであるという事なの
です。

住民は、中止される事になった日本の援助に相当する物質的援助を
ロシア政府に要求する筈です。人間は一度、覚えた利便性を損なわ
れると、その利便がなかった時には耐えられた苦痛にも耐え難く感
じる様になります。その結果、北方四島から、ロシア本土に帰還す
る人間が増えれば、ロシア政府の北方四島での入植政策を失敗に導
く事も可能になります。また、ロシア本土への移住に至らないまで
も、日本の人道援助の復活や、対日強硬政策を取る、ロシア政府や、
地方政府に対する批判に繋がれば、それはそれで政治的な効果があ
ったと言える様に思います。また、ロシア政府が、北方四島の住民
への物質的な援助を行えば、北方四島の維持コストを増加させた事
になり、それはそれで大きな意味があります。

ロシアにとっては、北方領土は、一辺境に過ぎません。米ソ対決時
代に比べ、米国の軍事力と直接対峙する前線と言う、軍事的な重要
度は、大幅に減じています。勿論、軍事的な重要性があるのは変わ
りませんが、死活的に重要という訳ではなく、領土を維持する経済
的な負担より遙に大きな利益と、大国として対面を満足できる名分
があれば、北方領土問題の解決も全く不可能な状況ではないと考え
ます。

我々は、今回のロシアの「北方領土への支援拒否」という如何にも
ロシアらしい居丈高な態度を正に奇貨と捉え、それを活用して、北
方領土返還へ結びつけていく方向に活用すべきと考える次第です。


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2009年8月7日金曜日

現実を無視した東アジア共同体構想は危うい

※写真は時事通信サイトより転載

民主・鳩山氏「アジア共通通貨の実現を」

民主党の鳩山代表は、10日発売の月刊誌「Voice」に寄稿し、東アジア
地域の通貨を統合する「アジア共通通貨」の実現を提唱した。

鳩山氏は、「私の政治哲学」と題した寄稿で、自らの政治信条である「友愛」
に基づく国家目標の一つとして、「東アジア共同体」の創造が必要だとの考え
を示した。

具体的には、国際情勢について「米国一極支配の時代から多極化の時代に向か
う。中国が、軍事力を拡大しつつ、経済超大国化していくことも不可避の趨勢
(すうせい)だ」との認識を示した。そのうえで「アジア共通通貨の実現を目標
とすべきであり、その背景となる東アジア地域での恒久的な安全保障の枠組み
を創出する努力を惜しんではならない」と主張した。ただ、アジア共通通貨の
実現には「今後10年以上の歳月を要する」とし、政治的統合には「さらなる
歳月が必要」とも指摘した。

(読売新聞 2009/08/06)


もともとは論文として書かれている訳ですから、それを読んで批判
すべきですが、報じられている範囲で気になった事を書いてみます。

まず鳩山氏の友愛思想は、どこまで普遍的な内容を持っているのか
全く不明です。政治信条というのは理想です。昔「世界は一家、人
類は皆兄弟」と言っていた競艇業者がいましたが、内容としてはそ
れとあまり変わりない様に思われます。実際にこの競艇業者は、今
では日本財団と言う財団を持っていて、世界的な各種のボランティ
ア活動に資金提供を行っており、その理念に基づいた活動を行って
います。少なくとも、自己の管理する資金を自己の理念に基づいて
支出するのは誰の迷惑にもなりませんし、結構な事と思います。

翻って、鳩山氏の場合はどうでしょうか。鳩山氏も私財を投げ打っ
て「友愛」に尽くしてもらえれば、誰の迷惑にもならないのですが、
鳩山氏の場合は自身の政治目標として「友愛」を掲げ、その表現とし
て、国家目標としての東アジア共同体の創造を唱えています。
しかし、「友愛」という言葉が地域を限定しない理念であるならば、
対象は、東アジアに限られる必要は全くありません。アジア全域で
あっても構いませんし、米国との間であっても、世界全体であって
も良い筈です。

「世界は一家、人類は皆兄弟」というスローガンの方が、「東アジアは
一家、東アジアは皆兄弟」というスローガンに比べ、私には快く響き
ます。一般的にも、余程シンパシーが高いと思われます。悪く言え
ば、東アジアと限定するのは、偏狭に思える位です。たまたま、隣
国というだけで、思想的にも、体制的にも、相容れず、宗教的にも
経済的な発展段階も異なる国と何故、共同体を組まなければならな
いかという一点に限っても、素直に理解するのは難しいと言わざる
を得ません。

次に気になる点は、「アジア共通通貨の実現を目標とすべきであり、
その背景となる東アジア地域での恒久的な安全保障の枠組みを創出
する努力を惜しんではならない」という言葉です。東アジア共同体
だったものが、共通通貨についてはアジア共通通貨と適用範囲が広
がっています。通貨の適用範囲が政治的な領域より広がる事はあり
ません。英国で独自通貨であるポンドが使われている様に、ユーロ
はEU全域で使われている訳ではないのです。寧ろ、通用する範囲
は狭いと言えます。鳩山氏のアジア共通通貨という言葉を善意に解
釈すれば、東アジア共同体以外でも貿易決済通貨として使われる通
貨としてアジア共通通貨と書かれているのかも知れませんが、やや
通貨に対する考え方が粗雑である様に思われます。

更に、気になるのが実現までのタイムスケジュールです。鳩山氏は
アジア共通通貨の実現には「今後10年以上の歳月を要する」とし、
政治的統合には「さらなる歳月が必要」とも指摘した様ですが、先
に述べた様に、通貨統合は共同体が深化しないと実施できません。
つまり東アジア共同体ができなければ、共通通貨は実現できません。
EUはその前進である、欧州石炭鉄鋼共同体が1952年に設立されて
から、マーストリヒト条約が締結されEUが発足するのに、40年の
年月を要し、通貨統合が行われるのに、更に、9年と合計50年に近
い期間を要しています。文化も、体制も、宗教も、経済発展段階も
東アジアよりもはるかに近似したヨーロッパですら通貨統合迄に半
世紀を要したのに、東アジアで、10年で共通通貨が実現できる可能
性は、ゼロとしか言い様がありません。

今人気の愛を旗印にした戦国武将が主人公のNHK大河ドラマを当
て込んだ様な感じがしないでもない「友愛」と言う信条も結構ですが、
次期総理になるかもしれない鳩山氏には、もう少し国際社会の現実
に目を向けて欲しいと思われてなりません。


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2009年8月6日木曜日

一方的武装解除と利敵行為を勧める朝日新聞

※写真はDaily Telegraphサイトから転載

被爆64年―「非核の傘」を広げるとき

被爆地は今年、格別な夏を迎えた。「核兵器のない世界を目指して具体的な方
策をとる」。米国のオバマ大統領がプラハ演説でそう宣言して、初めて迎える
夏だからだ。

大統領が、核を使った国として「行動する道義的責任がある」と語った意味は
とても大きい。だが、プラハ演説の凄味(すごみ)は、そこにとどまらない。
グローバル化した世界は、相互依存を強めている。世界のどの経済都市で核爆
発が起きても、多くの犠牲者が出るだけでなく、世界の経済システムも破局の
ふちに追いやられる。核戦争でも核テロでも結果は同じことだ。

核抑止を続けた方が世界は安定するとの考えが核兵器国や同盟国で根強い。だ
が、核抑止の魔力にひかれて、核拡散が進む恐れがある。テロ集団の手に核が
渡る危険もある。それが現実になった時のリスクは計り知れない。

どうすべきか。核のない世界に向けて動くことこそ、新たな安全保障戦略の基
本ではないのか。オバマ大統領は、そこを問いかけている。
大統領の音頭とりで、9月24日には核問題に関する国連安全保障理事会の首
脳級会合を開くことも決まった。

■先制不使用を義務に

核に頼らない安全保障体制を構築していくには、たくさんの政策の積み重ねが
いる。核兵器国には山ほど注文したいが、ここでは特に、「非核の傘」を広げ
ていくことを強く求めたい。

核不拡散条約(NPT)に入った非核国には、核を使用しない。これを世界標
準として確立すれば、NPT加盟の非核国は、核攻撃のリスクを大幅に減らせ
る。それが「非核の傘」だ。
「非核の傘」を広げれば、核兵器の役割を縮小でき、保有数の減少にもつなが
る。オバマ大統領の任期のうちに、軍縮と安全保障の一挙両得を大きく前進さ
せたい。

「非核の傘」を広げる方法は、いくつもある。第一は、国連安保理で、NPT
に入っている非核国への核使用は認められないと明確に決議することだ。潘基
文・国連事務総長は、核保有国でもある国連安保理の常任理事国が非核国に核
攻撃しないと保証するのは可能だろうと指摘している。一刻も早く、実現すべ
きである。

第二の方法は、非核地帯条約の活用だ。ラテンアメリカ、南太平洋、アフリカ、
東南アジア、中央アジアには非核地帯条約がある。アフリカだけが未発効だが、
いずれの条約にも、核兵器国は条約加盟国を核攻撃しないことを約束する議定
書がある。

だが、米ロ英仏中の5核兵器国すべてが議定書を批准しているのはラテンアメ
リカだけ。アフリカでの条約発効を急ぎ、同時に核兵器国がすべての議定書を
批准して、「非核の傘」を広く国際法上の義務とすべきだ。

第三の方法は、核兵器国が核先制不使用を宣言し、核の役割を相手の核攻撃の
抑止に限定することだ。非核国はもともと核先制使用などできないから、核兵
器国が先制不使用を確約すれば、「非核の傘」は一気に拡大する。

■北東アジアに非核地帯

日本政府は、米国による核先制不使用宣言には慎重だ。北朝鮮は核実験しただ
けでなく、生物・化学兵器も持っている可能性がある。その使用を抑えるため
に、核先制使用も選択肢として残すべきだ、という立場だ。

だが、日本が核抑止を強調するあまり、核兵器の役割を減らし、核軍縮を進め
ようとするオバマ構想の障害になっては、日本の非核外交は台無しだ。当面、
核抑止を残すにせよ、同時に「非核の傘」を広げていく政策を進めるべきだろ
う。

一案は、北東アジアにも非核地帯条約をつくることだ。日韓だけでも先に締結
して発効させ、米中ロなどが日韓に核攻撃しない議定書を批准して、「非核の
傘」を築く。

北朝鮮については、非核化してNPTに戻った段階で条約に加わり、「非核の
傘」で守られるようにする。そうすれば北朝鮮が核放棄する利益は高まるし、
地域の安定にも役立つだろう。

軍事費を拡大させる中国への対応も欠かせない。オバマ大統領は7月の米中戦
略対話で、東アジアでの核軍拡競争は両国の利益にそぐわないと明言し、北朝
鮮の非核化などで協力していくことの重要性を強調した。「恐怖の均衡は続け
られない」とも語った。

米中は急速に経済の相互依存を強めている。たとえ相手の産業を破壊しても影
響が少なかった冷戦期の米ソとはまったく異なる関係だ。

■中国も軍縮の輪に

日本も米中の現実を認識し、北東アジアでの核の役割を減らしながら、地域の
安定をはかる構想を示していく必要がある。核抑止でつながるだけでなく、
「非核の傘」拡大や地域の軍備管理で連携していく。日米同盟をそんな形に進
化させれば、中国を核軍縮の輪に加える、大きな力になるだろう。

世界の核拡散問題には地域対立や宗教的対立がからんでいる。核実験をしたイ
ンド、パキスタン。事実上の核保有国とされるイスラエル。ウラン濃縮を続け
るイラン。いずれの場合も、そうだ。これらの国を非核化へ向かわせるには、
根気強く対立をほぐしつつ、核保有がむしろ国を危うくすることを説いていく
しかない。

唯一の被爆国として日本は、そうした外交でももっと知恵を絞りたい。

(朝日新聞 2009/8/6)


知恵を絞りたいと言う割りには、全く知恵のない夢物語を展開する
のが朝日新聞の方針である様です。深読みすれば、言葉巧みに日本
を武装解除するのがその意図かも知れません。あるいは、自己満足
の為には国を売っても構わないという朝日新聞のイデオロギーであ
る反日亡国論の現れなのでしょうか。

勿論、核軍縮を進める事も、非核地帯を推進するのも結構でしょう。
しかしながら一番問題なのは宣言を出す事ではなく、如何に実効性
を担保するかにあります。

例えば、中国は、非核兵器国に核の使用を行わないと言っています
が、この実効性を信頼する国は、まずありません。1992年にフィリ
ピンが米軍基地を撤去した後、中国に南砂群島の実行支配権を奪わ
れたのは記憶しておくべき事です。つまり、米国の実効的な支援機
能が無くなった時、中国は容赦なく、小国の利権を侵食したという
事実があるという事です。幾ら口では、非核国への攻撃を行わない
と言っても、実際に行っている事がそれと正反対では、信用する事
はできません。

中国でさえこの状態なのですから、NPT条約を破って核開発を行っ
た北朝鮮がもし非核地域宣言に参加したとしても、その信頼性は、
皆無と言って過言ではありません。北東アジアでの非核地帯設置に
関して幾ら宣言を積み重ねようとも、その核兵器保有国の中に言行
不一致の国が含まれる限り、拡大抑止の防壁を下ろす事は、武装解
除以外の何者でもないと言わざるを得ないのです。

朝日新聞は、日本が核抑止の実行性を確保しようとする事が核軍縮
の障害と述べていますが、信頼醸成処置をまず取らなければならな
いのは、軍拡を継続的に実施している側である筈です。それには、
全く頬被りをして、日本の武装解除を説くのは利敵行為もしくは売
国的行為に他なりません。

オバマ政権にしても、核軍縮を一方的に行う事を意図しているので
はありません。軍縮は、長期間、彼我の戦力比を固定化する為、そ
の時点での軍事競争の反映であり、また、血を流さない戦いとも言
えます。決してキレイ事だけで済む事ではないのです。
朝日新聞が本当にナイーブなのかどうか甚だ疑問ですが、核軍縮交
渉は白い砂糖菓子とお茶を片手に優雅な会話を行う場ではなく、冷
酷な計算と力の鬩ぎ合いの場なのです。そういう理解なく、国民に
情緒的な軍縮を説くのは、まさに自殺行為でしかないのです。朝日
新聞の優秀な論説委員達が、核軍縮の歴史や本質を知らずに社説を
書いているとは思いません。そうであるだけに、朝日新聞の勧め
る核軍縮は、実際には新左翼が行っている無防備都市宣言と同様の
胡散臭さを感じざるを得ないのです。


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2009年8月5日水曜日

六度目の発射延期 韓国初の人工衛星打上ロケット

※CGは朝鮮日報サイトより転載

韓国初の宇宙ロケット、またも発射延期
-「羅老号」発射に手をこまねくほかないワケ


11日に発射が予定されていた韓国初の宇宙ロケット「羅老号」が、共同開発者
のロシア側の最終テストで問題が発見され、発射が延期となった。

教育科学技術部は4日、「ロシア側が、先月30日に行った最終燃焼テストで予
想とは著しく異なるデータが発見され、これを分析するのに時間が必要だと伝
えてきた」と説明した。航空宇宙研究院のイ・ジュジン院長は「詳細に分析す
るのに数日かかる予定で、その後、両国間の協議で発射日程を調整する」と語
った。これで韓国初の宇宙ロケットの発射は2005年から07年、08年、今年第2
四半期(4-6月)、7月30日、8月11日、そして今回を含め6度延期されること
になった。

羅老号は液体燃料を使用する第1段ロケットと固体燃料を使用する第2段ロケッ
トで構成されているが、このうち最も大切な第1段ロケットはロシア・フルニ
チェフ社が開発し、今年6月に韓国に引き渡している。羅老号の第1段ロケット
はロシアが次世代衛星発射体として開発中の「アンガラ」の第1段ロケットを
借用したもので、ロシアでも1度も使用したことがない製品だ。

ロシアは2011年にアンガラの発射を計画している。このようにロシアはロケッ
トの安全性が確保できない状況のため、韓国に引き渡したのと同じロケットを
製作し、これまで現地で何度もテストを繰り返してきた。航空宇宙研究院は「
ソフトウエアの異常で燃焼テストが延期され、発射日が7月30日から8月11日に
延期されたが、燃焼テストが終わると今度はテストデータに問題が見つかり、
再び発射が延期された」と説明した。

現在、全羅南道高興郡の羅老宇宙センターにはロシアの技術陣が派遣されてい
る。イ院長は「ロシアは問題が発生すると、“慌てないようにしよう”と言い、
問題が解決すると“計画通り行こう”と催促するため、どうすればいいのか戸
惑ってしまう」と語った。

羅老号の発射に関して、このようにロシアのテスト結果に頼らざるを得ないの
は、言葉だけの「共同開発」だからだ。韓国政府は当初、04年にロシアとの開
発契約を結ぶ際、2億ドル(現在のレートで約190億6200万円)を提供し、第1
段ロケットの全技術の移転を受けることとなっていた。しかしその後、ロシア
側の要求で、宇宙関連技術の移転を禁止する宇宙技術保安協定(TSA)を07年
に締結したことから、韓国の研究員がロシア側での開発に参加できず、韓国に
引き渡された第1段ロケットの内部を観察することができない。今回もロシア
は、3日夜にファクスで「待て」と伝えてきただけで、具体的な説明はなかっ
た。そうかといって代案があるわけでもない。米国、日本、欧州は、宇宙発射
体は大陸間弾道ミサイル(ICBM)と同じ原理という理由で、技術移転を拒んで
いる。韓国の力で宇宙発射体を開発するまで、今回のようなことが繰り返され
るほかない。

(朝鮮日報 2009/8/5)


昨日、11日に打上げが決まったと書きましたが、残念ながら六度
目の打上げ延期になってしまいました。
「羅老号」の一段目は開発途上のアンガラロケットのURM(Universal
Rocket Modules)そのものです。ロシアでも打ち上げた事がないだ
けに初のフライトテストでの打上げに慎重になるのも当然と言えば
当然なのです。

日本のH-IIAであれば、打上げ前に実機エンジンを使った燃焼テス
トを行っていますが、「羅老号」の場合をそれを行っていないか、
行っていたとしても、テスト後に燃焼制御用のソフトを大幅に入れ
替えている様子です。開発中のロケットであれば、それも止むを得
ないのかも知れません。

これと似た様な話がロシアのインド向け航空母艦建造計画でも起こ
っています。この話はもっと酷いもので、契約で決まった金額の他
に追加費用を支払わないと引渡しできないというものです。それと
比べれば追加費用を要求されていないだけ「羅老号」はましである
のかも知れません。

まあ、日本もサハリン1、2のガス田開発で痛い目にあっています
から、ロシアとの取引を行う上で、この手のリスクは当然見込むべ
きであり、それが嫌なのであれば、ロシアを提携相手に選ぶべきで
はないと言える様に思います。


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クリントン訪朝は北朝鮮の対オバマ外交の第一手

※笑顔を見せていないが、本心は?写真はロイターサイトより転載

「弱腰」の汚名 返上なるか

ビル、今度は大丈夫か? 米国のビル・クリントン元大統領(62)が4日、
北朝鮮訪問のため空路、平壌入りした。中朝国境での取材中に拘束され、不法
入国したなどとして実刑判決を受けた米テレビ局の女性記者2人の解放を目指
し北朝鮮側と協議する。金正日(キムジヨンイル)総書記(67)とも会談し
た。米朝が核、ミサイル問題で本格協議を開始する契機になりそうだが、米国
が北朝鮮のペースにはまる危険性もはらんでいる。

ホワイトハウスは、クリントン氏の訪朝について「2人の記者を解放するため
の、完全に私的な訪問」と強調するが、米朝双方が核やミサイルをめぐる対立
状況を対話局面に転換する効果を期待していることは間違いない。とりわけ北
朝鮮にとっては、“大物特使”を利用して米朝による2国間協議に持ち込もう
とする思惑があるとみられる。

バラク・オバマ政権の北朝鮮外交は発足以来、北朝鮮が対話の呼び掛けに応じ
る気配がないまま5月に2回目の核実験に踏み切るなど、糸口が見つからない
状況が続いてきた。

そんな中、6月に2記者に労働教化刑12年が言い渡され、何らかの行動を取
らざるを得ない状況に追い込まれた。妻のヒラリー氏(61)が国務長官であ
る特殊事情もあり、「元大統領」の登場となった。

米大統領経験者の訪朝は、クリントン政権下の1994年6月に核問題をめぐ
る危機回避のために訪問し、金日成(キムイルソン)主席(1912~94年)
と会談したジミー・カーター氏(84)以来。クリントン氏は、このときのカ
ーター氏に自らを重ね合わせているようだ。

しかし、クリントン外交は北朝鮮にまんまとだまされている。1994年の核
危機で米国は寧辺(ヨンビヨン)の核施設をピンポイントで空爆することも検
討していた。しかしクリントン氏は融和外交を取り、政権末期には国交正常化
に意欲を見せ、国務長官のマデレーン・オルブライト氏(72)を送り込んだ
ほか、最終的には断念したものの2000年末には自らの訪朝も計画した。

カーター氏の訪朝を受けた米朝枠組み合意で、米国は北朝鮮に軽水炉と重油を
提供した。しかし北は2002年に核凍結を一方的に解除し、2006年に核
実験を強行。北の核保有を許したのはクリントン政権の弱腰外交の結果だとい
う指摘を受けている。

クリントン氏にとって9年越しに実現した訪朝だが、オバマ政権が言明してい
る「米朝対話は6カ国協議の枠内だけ」という原則を曲げるようなことがあれ
ば、国連安保理決議に基づく国際社会の制裁の動きに大きな影響を与えること
になる。

米国人女性記者拘束 北朝鮮当局は3月17日、中朝国境の豆満江付近を取材
していた米ケーブルテレビ局「カレントTV」に所属する中国系のローラ・リ
ン記者、韓国系のユナ・リー記者を拘束。中央裁判所は6月8日、「朝鮮民族
敵対罪」と「不法国境出入罪」で、懲役にあたる労働教化刑12年の判決を言
い渡した。2人は判決後も平壌市内にいるとみられている。

(産経新聞 2009/8/4)

北朝鮮で一日いただけで二人のジャーナリストは解放されましたが、
これは、クリントンが卓越した外交手腕を持っていたからではあり
ません。実は、数ヶ月に及ぶ国務省と北朝鮮の国連使節との間で交
渉の結果を収穫しに出かけただけであって、あの場で交渉を行って
いたのではなかったとAP通信は報じています。

北朝鮮にとっては、罪を認めているジャーナリストは、非常に都合
の良い人質であり、今回の交渉は、この外交上の資産を如何に高く
米国に売りつけるかという問題であったと言えます。敵の元元首を
呼びつけた上で、罪人に特赦を与え解放すると言う行為は、米国に
対し道徳的な高みに立つという面でも、金正日にとって快感であっ
たに違いありません。

一方、クリントンにとっては、ジミー・カーターやアル・ゴアと言
う民主党の先輩や同輩が受賞したノーベル平和賞に自身を近づける
近道と言えます。その様な意味から考えると、北朝鮮が、人質とな
ったジャーナリストの雇用者ではあっても、既にノーベル平和賞を
取ったアル・ゴアではなくクリントンを解放の相手に選んだのは、
クリントンのノーベル平和賞への願望やヒラリー・クリントン国務
長官への影響力を理解した上での選択であると言えます。

たった一日の滞在でしたが、徹底的な調査と計算の上でクリントン
は北朝鮮にもてなされた事はまず間違いありません。また、クリン
トンがその手の誘惑に弱い事は、大統領在任中の不適切な行為で明
らかになっています。(日本でも、北朝鮮に対し強面で鳴らした何
人もの政治家が、たった一回の訪朝で、見事に北朝鮮配慮派に転向
した事が思い起こされます。)

クリントンが帰国に際し、金正日からオバマ大統領に対する親書と
言葉が託されている事は間違いありませんし、クリントンがオバマ
に対し北朝鮮に対する好意的な助言をするのも確実と言えます。実
の処、金正日にとってそれこそが、政治的な身代金に他ならなかっ
たと言えます。

北朝鮮にとっては、現在の金正日体制に対する保障を米国から取り
付けるのが、一番の政治的目標です。但し、同時に対米核抑止体制
を構築する事も、米国から現実的な体制保障を取り付ける上での条
件になるとも考えている筈です。従って、核廃絶を唱えるオバマ政
権とは、政策的にも対立する訳ですが、その様な状況の中で、米国
や韓国、日本から自国に有利な援助を取り付けつつ、並行して核戦
力の充実も図るという外交的アクロバットを演じようとしていると
考えれます。そして、その第一手が今回のクリントン訪朝という事
なのです。その意味で、今回のクリントン訪朝を機に、米国と北朝
鮮の間で、急速な外交的展開が図られる可能性が高いと思われるの
です。


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2009年8月4日火曜日

韓国の新型ロケットは、本当に打ち上がるのか?

※写真は朝鮮日報サイトより転載

韓国が初の人工衛星ロケット打ち上げへ 露が技術協力

韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号(KSLV1)」が今月11
日に打ち上げられる予定だ。羅老号は同盟国の米国ではなく、ロシアの協力を
得て開発された。ロケットは大陸間弾道ミサイル(ICBM)に転用が可能な
ことから、米国が技術提供を断ったためとされる。韓国のロケット打ち上げが
北朝鮮の反発を呼ぶのは確実で、国際社会が注視している。

韓国では1970年代から兵器の開発などを行っている国防科学研究所で、ミ
サイル用の固体燃料ロケットの開発が進められてきた。しかし推進力が高く宇
宙空間の軌道に進入させることができる液体燃料ロケットの技術開発は難しく、
これまで韓国には、人工衛星を搭載できる自前のロケットがなかった。

開発は急がれていたが、北朝鮮を刺激したくない米国側が技術提供を拒否した
ため、韓国はロシアの協力を得て研究を進めてきた。昨年4月には、ロシアの
宇宙船ソユーズで初の韓国人飛行士を宇宙に送り出している。

さらに米国との間には、韓国の弾道ミサイルの射程を制限する「米韓ミサイル
指針」があり、射程300キロ以上の発射体の開発は制限され、米国の厳しい
監視下にある。米国は今回の打ち上げを静観するとみられるが、「米国は、韓
国が宇宙開発を進めることに内心反対の立場」(韓国の宇宙開発専門家)という。

一方、今回のロケット打ち上げで、南北間の緊張がエスカレートすることを懸
念する声も出ている。

また羅老号は日本の領海上空を通過し、九州西側の東シナ海に1段目が落下す
る見込みという。日本政府は「韓国の場合、研究開発のための宇宙の平和利用
なのでとくに問題はない」との立場だ。ただ打ち上げに失敗すればロケット本
体や破片が落下する可能性も排除できないので、安全面から他国の上空通過は
避けるのが一般的とされる。

今回、打ち上げに成功すれば、自国から自前のロケットで人工衛星を軌道に乗
せた国としては10番目となる。

(産経新聞 2009/8/03)

打上延期が繰り返されている韓国の人工衛星打上ロケット「羅老
(ナロ)号(KSLV1)」ですが、必要とされていたロシア国内での
ロケットエンジン燃焼性能テストに成功した事から、来る8月11日
に羅老宇宙センターから打ち上げられる事になった様です。

韓国では、初の国産人工衛星打上ロケットと言われていますが、
実際には、ロシアから完全輸入した液体燃料エンジンの第一段ロ
ケットと同じくロシアから技術導入した固体燃料ロケットを搭載し
た第二段ロケットで、韓国産の100kg級科学衛星を打ち上げるとい
うものです。

日本の旧宇宙開発事業団系の人工衛星打上ロケットでも、同様の技
術導入や完全輸入を行っていますので、韓国産と言っても、文句を
つける筋合いではないのですが、「羅老号」の場合は、オリジナル
であるロシア製のアンガラロケット(この第一段ロケットを「羅老
号」では、そのまま使用する)が、まだ開発中である点で、原産国
のエンジン開発の影響をモロに受ける事になってしまったと言えます。

元々、アンガラロケットは、ロシアの次世代衛星打上ロケットとし
て開発されているロケットですが、韓国は当初、それを技術導入す
る事によって、自国で生産する事を計画していました。(一部では
エンジニアリングサンプルをリバースエンジイアリング手法で解析
する事を計画していたという噂もあります。)

しかしながら、技術盗用を恐れるロシアが、技術移転に応ぜず、ロ
シアで生産した第一段ロケットを完全輸入する事になりました。
第二段の固体燃料ロケットは、ロシアからの技術導入で、韓国内で
生産されています。(韓国で開発されたとする資料もあります。)

実はアンガラロケットは、非常に高性能のRD-171エンジンを搭載す
る新型ロケットであり、ロシア国内でも、まだ打ち上げられていな
い開発中のロケットなのです。そういう点では、「羅老号」はロシ
アにとって、アンガラロケット第一段の初回フライトテストを韓国
の費用で行って貰っていると言っても過言では無い
様に思われます。

「羅老号」は、打ち上げられた後、九州西部の東シナ海を飛行し、
日本領海の上空を通過する予定になっています。
開発中のロケットは、射場で爆発する可能性や打上後に飛行コース
を大きく逸脱する可能性があります。日本のロケットと同様、「羅
老号」もそういう時の為に、当然、指令破壊(自爆)の機能を持って
いる筈ですが、打上失敗時には、韓国のみならず、日本にも影響が
ある事を念頭に置き、安全面には念には念を入れて欲しいものと思
います。


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2009年8月3日月曜日

T50は売れない!超音速高等練習機は絶滅危惧種

※写真は、Wikipediaより転載

練習機の海外輸出に苦戦するKAI
韓国製のT50超音速高等練習機

優れた性能が認められてもマーケティング・ロビー活動で押される
公企業構造では限界か


韓国政府と韓国航空宇宙産業(KAI)は、13年という年月と2兆ウォン(現在の
レートで約1487億円、以下同)の資金を投入し、2005年に高等練習機T50を開
発した。韓国独自の技術で初めて開発されたT50は、F16戦闘機に比べ体積が89
%、重量は77%ほどの軽い機体ながら、有事の際には武装を施し攻撃機として
も使用可能なため、国際市場で好評を得た。

しかし、輸出実績はゼロだ。アラブ首長国連邦(UAE)と4年間交渉を続けたが、
今年2月に1機2500万ドル(約23億5450万円)で40機販売という交渉で、イタリ
アに押しのけられた。シンガポールとは2012年までに12機納品することを目標
に交渉中だが、今年10月に発表される結果もまた未知数だ。また今月8日には、
李明博(イ・ミョンバク)大統領がポーランドのレフ・カチンスキ大統領と首
脳会談を行い、T50輸出問題を議題として採択した。ポーランドは、来年初め
に16機(10億ドル=約941億円)規模の高等練習機を導入する事業を進めている。

李大統領がT50に関心を示した裏事情は、こうだ。大統領に当選した当時、UAE
の指導者に親書まで送ったが水の泡となったことに対し、「李明博政権の外交
力不在と、KAI社長任命過程で“落下傘”人事を行ったのが原因」など、あら
ゆる非難が集中した。こうした経験から、李大統領はカチンスキ大統領から何
らかの肯定的な答えを引き出したかった、というわけだ。

防衛事業庁の関係者は、「“T50はポーランド空軍の主力機F16の縮小版で、パ
イロットに合っている”という友好的な答えがポーランド側から聞かれたが、
イタリアの主力練習機M346、イギリスのホーク128、チェコのL156などとの競争
は避けられず、結果は予測できない」と語った。

T50はイタリアのM346より性能が優れている、というのが一般的な評価だ。それ
でもUAEで苦杯を舐めたのは、M346を製造しているアレニア・アエルマッキ社に
比べ、産業協力の面で相手にならなかったからだ。アエルマッキ社は、練習機
を販売する条件としてF1レーシングサーキットの建設など、20億ドル(約1883
億円)規模の「ボーナス」を提示した。これに対し、韓国側は2億ドル(約188
億円)程度だった。

防衛産業分野での輸出は、兵器の性能だけで左右されるものではない、という
のが不文律だ。T50がどれほど優秀でも、公企業構造のためにマーケティング
やロビー活動の面で競争相手に太刀打ちできない、というわけだ。KAIは公式
のマーケティング以外、非公式なロビー活動はできず、初心者的立場から逃れ
られずにいる。

KAIは、産業銀行が最大の持ち分(30.54%)を有しており、そのほかに現代自
動車、サムスン・テックウィン、斗山インフラコアが株主として参加している
半国営企業だ。そのため、兵器産業の取引の特性上、一日も早く民営化しなけ
ればならない、という指摘も出ている。

産業銀行の関係者は、「米国のロッキード・マーチン社やボーイングは米国政
府からさまざまな恩恵を受けているが、株式保有の面では、典型的な民間企業
の形態を取っている。航空関連の大企業と提携してこそ、競争相手より優位に
立てる」と語った。また国防研究院の白承周(ペク・スンジュ)研究委員は、
「われわれが過剰な広報に出たことも、輸出に失敗した原因の一つだ」と指摘
した。防衛産業分野の輸出市場を開拓するには、広報よりも非公開の交渉や努
力が必要だが、広報にばかり熱を上げる態度が問題になった。防衛事業庁側は、
「2030年までに、世界の高等練習機の交換は50カ国・3300機に上ると見込まれ、
KAIはこのうち30%(1000機、600億ドル=約5兆6500億円)の市場シェアを目
標としている」と語った。しかし、この広大な市場で韓国がどの程度実を結ぶ
ことができるかは不透明だ。

(朝鮮日報 2009/8/02)


日本でも、高等練習機を作った事があります。いわずと知れたT-2
高等練習機です。しかしながら、この高等練習機の後継機は導入さ
れませんでした。もし、高等練習機が実用戦闘機パイロットを養成
するのに有用であり、トータルのパイロット養成コストを削減でき
るのであれば、航空自衛隊は、引き続き高等練習機を使い続けた筈
です。

T-2があった頃の航空自衛隊の訓練課程は、
①初等練習機→②(ジェット)中等練習機(T-33)→③高等練習機(T-2)
→④実戦機(F-4、F-1、F-15)
でした。

しかしながら、T-2退役後の現在では、一段階少ない
①初等練習機→②(ジェット)中等練習機(T-4)→③実戦機(F-4、F-2、F-15)
であり、高等練習機での訓練に相当する過程は、実用機の複座型に
よって行われています。

これは、中等練習機を終了した後の高等訓練課程を実戦機で行うの
と高等練習機で行うのを比べた場合、実戦機では、高等練習機で行
う訓練が全て行える上、高等練習機を使った場合に、実戦機に移っ
た時に行うその機体特有の訓練を、実戦機での訓練では、高等訓練
と同時に行う事で、訓練期間の短縮を図る事ができます。また、実
戦機を訓練に使用する事で、いざという時に使用可能な実戦機の機
数を増加させる事ができるという効果も期待できます。

実戦機を使う事で高等練習機を使う場合に比べ、運用費用が増加す
るという欠点が指摘できますが、高等練習機という実戦機に準じる
機体を一機種別に導入する事によるトータルコストと比較すれば、
割安になる他、近年では実機に近いシミュレータを利用する事で、
訓練コストを下げる事もできます。

この為、高等練習機を導入する場合は、その高等練習機と同系列の
実戦機を導入する事で、機体導入コストを削減するのが通例です。
T-2を導入した航空自衛隊も同系列の支援戦闘機F-1を導入していま
すし、韓国空軍も、派生機であるA-50攻撃機を導入する予定となっ
ています。

つまり、T-50は単体で導入する場合は、性能の高い高等練習機であ
るが故に、高価であり、その同系列の実戦機であるA-50攻撃機を導
入する気がなければ、コスト高になってしまうという事です。

その点、T-50の対抗馬に目されているアエルマッキM-346は、T-4の
エンジンを強化して遷音速化した様な機体であり、中等練習機とし
て使用できるものです。これは、チェコのL-159にせよ、BAEのHawk
128にせよ同様です。

つまり、韓国の期待に水を差すのは悪いのですが、最新の超音速高
等練習機という存在は、導入コストの割に、導入効果が低いと言え、
高等練習機単体で導入される可能性は非常に低い絶滅危惧種と言わ
ざるを得ないのです。


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2009年7月31日金曜日

世界から土下座外交を期待されている民主党

※図は、Wikipediaからの転載
世界198ヶ国の色分けは次の通り。
青 :あらゆる犯罪に対する死刑を廃止(91ヶ国)
緑 :戦時の逃走、反逆罪などの犯罪は死刑あり。それ以外は死刑
   を廃止(11ヶ国)
橙 :法律上は死刑制度を維持。ただし、死刑を過去10年以上実施
   していない死刑執行モラトリアム国。もしくは、死刑を執行
   しないという公約をしている国。(33ヶ国)
赤 :過去10年の間に死刑の執行を行ったことのある国(62ヶ国)

日本の死刑執行に遺憾表明 EU

欧州連合(EU)議長国スウェーデン政府は30日、日本で28日に3人の死
刑が執行されたことに対し「強い遺憾の意を表明する」との声明を発表した。
声明は「残酷かつ非人道的な刑罰である死刑は、どのような状況でも許容でき
ない」と日本政府を批判した上で「(8月の)総選挙後に発足する日本の新政
権と、この問題で協議を持ちたい」と述べた。(共同)

(産経新聞 2009/7/31)


友愛の為なら、日本の主権を「移譲」して良いという野党党首がいる
事が世界的にも有名になったようです。自分達の意見と異なる意見
を許容できないEUがキリスト教に基づく隣人愛を本当に求めてい
るのどうかは判りませんが、自己主張だけは強烈です。
そして、28日に行われた死刑に対し「強い遺憾の意」を表明した
上で、「(8月の)総選挙後に発足する日本の新政権と、この問題
で協議を持ちたい」との表明を行っているのです。
つまり、新政権を担当すると目される民主党は、余程対外的に弱腰
であると見下されていると言う事になります。

そもそも死刑廃止は欧州においては進んでいるものの、それが必ず
しも全世界のスタンダードとなっている訳ではありません。死刑廃
止国102ヶ国に対し、死刑制度を維持している国は96ヶ国にのぼり
ます。日本に対して「遺憾」を表明するのであれば、全ての死刑実
施国に対して、死刑実施の都度、常に、遺憾の意を表明し、その結
果は、EUが甘受すべきなのです。私が知らないだけで、欧州が世
界の全ての死刑に対して、こういった行動を行っているのであれば、
それはそれで首尾一貫していると評価できますが、しかし、日本に
ついても今年の別の時期に行われた死刑に対して同様の遺憾の表明
は私の知る限り行われていません。であれば、たまたま報道された
日本の死刑に対して、反応しているだけであり、そうであれば明白
な内政干渉であるだけにEUは無思慮の謗りを受けても仕方がない
と言えます。

それにしても、EUから、こんな期待を寄せられるとは、本当に民
主党は、国益を放棄する事を世界から期待されている様に思います。
はっきり言いますが、民主党を情緒的に支持したり、マスゴミの政
権交代期待のヨイショに載せられて民主党に投票するのは、正に情
報弱者の行動としか言い様が無いように思われてなりません。


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2009年7月30日木曜日

戦略・経済対話で逆に深まる米中の溝

※写真はロイターより転載

米中、世界経済回復で協力=核問題でも連携確認-初の戦略・経済対話が閉幕

米中両国が経済や安全保障など幅広い分野の課題を討議する初の戦略・経済対
話が28日、2日間の日程を終了した。両国は会議後に共同報道文を発表し、未
曽有の危機に見舞われた世界経済や金融システムの回復で両国の協力が不可欠
だと強調。マクロ経済政策の課題のほか、金融規制や国際金融機関の改革に協
調して取り組む意欲を示した。一方、戦略分野では、イランや北朝鮮の核問題
での緊密な連携を確認、人権対話を継続する方針でも一致した。

経済分野で米側議長を務めたガイトナー財務長官は声明で「米国と中国の強力
な政策が金融システムを崩壊の瀬戸際から救うのに貢献した」との認識を示し
た上で、世界経済回復後にも「持続的かつ均衡した成長をもたらす政策を取る
ことで合意した」と指摘した。

協力の枠組みとして、マクロ経済では、米国は貯蓄率向上や財政赤字の削減な
どを課題として挙げた。中国は内需主導の成長や消費拡大への努力を約束。
また、貿易・投資では保護主義的方策の回避や難航する新多角的貿易交渉(ド
ーハ・ラウンド)の成功に対する意欲を示した。
さらに、国際通貨基金(IMF)などを含む国際金融体制の改革で中国の意見反
映や参画を確実にする目標を打ち出した。 

(時事通信 2009/7/30)


米中は、2005年から戦略対話を行ってきました。
最初に実施したのは、外務次官級の米中対話で、これは、Strategic
Dialogue(戦略対話)と呼ばれました。その次に出てきたのが、2006
年に始まった、経済関係次官によるStrategic Economic Dialogue
(戦略経済対話)です。それらを更に発展させたのが今回の外交及び
経済担当閣僚によるStrategic & Economic Dialogue(戦略と経済対
話)です。

マスコミは、中国による米国債保有高が、世界第一位になった事で、
米国が中国に対し膝を屈する様になったという印象を広めています
が、必ずしもそうではありません。中国が外貨準備を積み上げてい
ますが、これは人民元を意図的に安くしている通貨当局の介入の結
果です。米国から見れば、中国の不公正な通貨政策によって恒常的
に大幅な貿易赤字を垂れ流している事になります。中国が米国債を
購入しているのは、その反対給付という面があります。もし、中国
が米国債の購入停止をすれば、米国は即日、対中輸入制限を行うに
違いありません。米国の中国からの輸入の大部分はレアメタルなど
を除けば他国からの輸入により代替可能なものであるからです。そ
ういう意味では、核兵器による相互抑止と同様の均衡が経済面でも
成立していると言えます。米国が一方的に弱みを握られているとい
う解釈は誤りです。

そして、同時に中国から米国への安値輸出は、環境対策や知的所有
権で支払うべき費用を負担していない不公正貿易によって行われて
いるという側面があります。今回、合意はありませんでしたが、環
境対策面の改善を米国が中国に申し入れたのは、世界で第一位と第
二位のCO2排出国であると言う側面以外に、中国に対し環境対策で
国際基準を受け入れる様に米国が促したと言う側面があります。
国連や国際会議の場では、中国は、他のBRICs諸国や発展途上国の
バックアップが得られますが、二ヶ国協議では、その様な外部から
の支援は得られません。

マスコミは米中二ヶ国の世界支配体制という意味でG2と言う言葉
を多用していますが、実際には、今回の対話は、あくまで、米国に
よる、中国の世界的経済秩序への組み込み過程であると言えます


米国は現状維持勢力であるのに対して、中国は現状打破勢力です。
この現状打破勢力である中国の台頭に対し、まずは、現状維持勢力
の代表である米国が、既存の秩序と体制への協調を指導している場
がこの米中対話であると考えて良いと思われます。であるからこそ、
鳴り物入りで150人を超える大々的な訪問団が米国を訪れた割に成
果が殆どないのです。

中国にとってG2対話は面子を満足させるものではあっても、それ
以外では、必ずしもやって有利な対話とは言えず、逆に米国の政策
決定者に中国の異質さを知らしめる良い機会になるのではないかと
考えます。


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