2009年8月25日火曜日

ミッション・インポッシブル

※写真は、航行する「アークティック・シー」RIANOVOSTIから転載

積み荷に極秘物資? 露確保の失踪貨物船

【モスクワ=遠藤良介】欧州海域で7月下旬に消息を絶ち、このほどアフリカ
北西部カボベルデ近海でロシア海軍に確保された一隻の貨物船が「謎」を呼ん
でいる。ロシアのセルジュコフ国防相は「海賊に遭った」としているが、ロシ
アが特殊作戦に乗り出してまで船の発見を急いだ理由は何なのか。同船がイラ
ン向け兵器などの“極秘物資”を積んでいたとの憶測が出ている。

問題の船は、マルタ船籍の露木材貨物船「アークティック・シー(北極海)」
(3988トン)。7月23日に木材を積んでフィンランドを出航し、アルジ
ェリアに向かった。しかし、24日にスウェーデン沖から「武装集団に襲われ
た」と報告してきた後、交信が途絶えた。

ロシアのメドベージェフ大統領は今月12日、「北極海」の発見、確保に全力
を挙げるよう軍に厳命を下した。露海軍が多数の艦船などを派遣して捜索した
結果、17日(現地時間16日)に貨物船を発見。ロシア人乗組員15人の無
事を確認するとともにロシア人、エストニア人、ラトビア人の容疑者8人を拘
束した。露高官はこの作戦に伴い、報道操作が行われたことも確認している。

ただ、この貨物船が積載していた木材は180万ドル(約1億7千万円)相当
にすぎないとされる。「海賊」が狙うにも、ロシアが国を挙げて奪還に動くに
も、不自然さが残る。そもそも、欧州海域は警備が厳しく、長らく海賊被害は
報告されていない。

エストニア軍元高官は露大衆紙モスコフスキー・コムソモーレツに対し、「ロ
シアのかくも奇妙な行動は、貨物船に巡航ミサイルが積まれていたことでしか
説明がつかない」と述べた。著名海事専門家のボイチェンコ氏も17日の記者
会見で海賊説に疑問を呈し、「商売上の抗争」や「(国家的な)特殊作戦」の
可能性があると指摘していた。

ロシア内外のメディアでは、貨物船がイランやシリア向けの兵器や核物質を積
んでいたとする説や、麻薬密輸に絡んでいたとする見方が報じられている。

(産経新聞 2009/8/22)


ペルシア湾を航行する北朝鮮の貨物船が臨検され、隠された船倉か
ら、イエメン向けの弾道ミサイルが発見された事がありましたが、
いかがわしさでは、北朝鮮の先輩であった旧ソ連時代からあまり変
わっていないロシアが、またまたいかがわしい武器輸出でやってい
る事が暴露されてしまいました。もし、本当に積荷が、ロシアの言
う通り木材であったのならば、大統領命令で海軍が必死になって捜
索活動を行う必要などありません。

記事にある通り、イラン向けの巡航ミサイルや弾道ミサイルあるい
は、(核燃料棒や)その補給品であったとすれば、必死になった捜索
活動を行った説明がつきます。

ロシアがイランを含む「ならず者国家」に対して融和的であるのは、
今に始まった事ではありません。イランは、軍事演習の中で、ロシ
アの超高速魚雷であるシクバルと同じ技術の産物と思しき武器のデ
モンストレーションを行っています。また巡航ミサイル技術の取得
や弾道ミサイル開発にも熱心な事は良く知られています。なお、巡
航ミサイルについては、長射程のKh-55に関する技術がウクライナ
から流出した事が判明しています。本家のロシアから新しい技術が
流出していても全くおかしくはないのです。

今回の事件で面白いのは、海賊が少ない欧州海域で、問題のある船
舶が狙い撃ちの形でハイジャックされた事です。こんな事が偶然に
発生するわけはありません。ロシアのイランに対する武器輸出をス
トップさせたいどこかの国がスポンサーになっていると考えるべき
であると思われます。正しくミッション・インポッシブルの様な某
国、某機関による特別ミッションの成果と言えるのではないでしょ
うか。

なお、捉えられた海賊8人は、全員がエストニア人の犯罪者という
報道もあります。


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