2009年7月3日金曜日

プレ核武装のすすめ 通常型弾道ミサイル配備を!

※写真は、ロシアのSS-26イスカンダールSRBMの路上移動ランチャ

中国が日本の核武装論を懸念 先月の外相会談で直接表明か

先月東京で開かれた日中外相会談で中国の楊ケツチ外相が、北朝鮮の核・ミサ
イル実験を背景にした日本国内の核武装論や敵地攻撃論の高まりを指摘し「関
心を持って注視している」との表現で、中曽根弘文外相に懸念を伝えていたこ
とが分かった。複数の米中関係筋が明らかにした。

中国は、米国との間ではさまざまな協議で日本の核武装論を取り上げていると
いう。しかし、日本政府筋は、中国が閣僚レベルで日本に直接懸念を示したの
は「初めてではないか」と指摘。北朝鮮の脅威に対抗し、日本が軍備増強に走
るとの中国側の懸念が、かつてなく強まっていることを象徴している。

会談で楊外相は、北朝鮮の核実験や核保有に強く反対する立場を表明し、「北
東アジアの平和と安定の維持」の重要性を強調。日本の核武装論と敵地攻撃論
の台頭に言及した。(共同)

(産経新聞 2009/7/02)


中国にとっての悪夢は、中国がアジアの覇権を握る上で邪魔になる
日本が核武装する事です。その意味で、北朝鮮が核武装した結果、
日本や韓国が核武装を行う核ドミノが発生したならば、一番不利益
を蒙るのが、中国であると言えます。
その一方、核武装をした北朝鮮は、中国の核の傘から離脱可能とな
る事で中国の影響力が低下するので、中国にとってはダブルパンチ
となる北朝鮮の核武装を中国も支持しないと、今まで私は考えてい
ました。また、中国外交当局も、ミサイル実験や核実験への国連の
非難決議に名を連ねている事もこの見方をサポートしていると考え
ていました。

しかしながら、核実験を行った後も、少なくとも報道で見る限り、
北朝鮮へ搬入される物資の量が低下したという様子はありません。
北朝鮮への食料等の輸送ルートは、その殆どが中国経由のものとな
っていますから、中国が本気で北朝鮮の核武装を止めさせようとし
た場合、この北朝鮮への物資輸送を絞る事が中国の意思を伝える最
も簡単で有効な策であると考えられます。しかし、実際には、それ
を行っていません。つまり、中国は、北朝鮮の核武装を暗に支持し
ている事になります。

中国は、北朝鮮が、米国による和平演変を避ける為に、核武装する
事を黙認すると共に、日韓の核武装を行わせない政治外交上の自信
があると言う事になります。北朝鮮に対しては、核武装後も、自国
の傘下におく事を承諾させつつ、国際社会に対しては、如何にも中
国も困惑しているとポーズを取っている訳で、正に中国の二枚舌外
交の面目躍如と言った感じでしょうか。日本国内の媚中派勢力を糾
合すれば、中国に不利益となる政策を実行させないという意思も感
じられますが、上記の報道の様に、公式ルートでも、懸念を表明し
ておく事で将来の布石にしておくという意味合いがあると思われま
す。

では、日本としては、どの様な対処を行えば良いのでしょうか?
私が提案するのは、プレ核武装です。競争相手には、相手が一番嫌
がる事を行うのが、外交上の鉄則ですが、日本が一方的に核武装を
行う事は、NPTをはじめとする各種条約に違反する事になり国際条
約社会の非難をまともに受ける事になります。その上、米国との関
係も悪化させてしまう事になるので、万人が仕方無いと認める状態
(例えば、核攻撃を受けた場合)で無い限り良策とは言えません。

それに替わる対策となるのが、プレ核武装です。通常弾頭型の移動
式弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイルの配備を核武装に先行し
て実施するのです。

核武装を行う上での問題は、核実験を行った後の兵器体系の整備に、
時間と資金が必要となる事です。ある意味、日本の技術力と原子力
産業のレベルから考えれば、一度政治が決断すれば、核弾頭そのも
のを製造するにはそれ程時間はかかりません。それよりも、弾道ミ
サイルやSSBN(戦略ミサイル原潜)と言った兵器体系を展開する方が
余程、資金と時間がかかります。

それであれば、まずは通常弾頭を装備した、路上移動式の弾道ミサ
イルや、通常動力型潜水艦に通常弾頭の潜水艦発射弾道ミサイルを
装備したSSBを整備し、配備しておく
のです。また、有事に際して、
急速に核弾頭を製造する為の設備を作っておき、定期的に、ダミー
の核弾頭を製造する等、プラントを稼動させておくのです。こうす
る事で、日本を攻撃すれば、速やかに核報復が行われる事を確信さ
せる事で実際に核武装するのと大差のない結果を得られる事になる
と思われるのです。

しかも、このプレ核武装計画は、実際には核武装を行っていないの
ですから、国際的に非難の対象になる事はなく、その一方で、中国
をはじめとする特亜諸国に対しては、大きな外交圧力をかける事が
できる
様になると思われるのです。


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2009年7月2日木曜日

レベルが一段上がった日本の防空管制システム


ミサイル防衛の「頭脳」運用開始=探知情報を集約、迎撃判断-空自

防衛省航空幕僚監部は1日、弾道ミサイルの探知情報を一元的に処理し、適切
な迎撃方法を判断する航空自衛隊の自動警戒管制システム(JADGE)の運用を
開始したと発表した。従来の処理能力が大幅にアップし、弾道ミサイル防衛
(BMD)システムの「頭脳」として、北朝鮮などの脅威に迅速な対応が期待で
きるという。
BMDでは、空自の地上レーダーや海上自衛隊のイージス艦のレーダーなどが弾
道ミサイルの航跡を探知。日本の領土、領海に落下する場合は、イージス艦搭
載の迎撃ミサイル(SM3)や地上に展開する地対空誘導弾パトリオットミサイ
ル(PAC3)で迎え撃つ。
JADGEは、従来のシステムに弾道ミサイルへの対応機能を付加。各レーダーの
情報を集約し、対象物の識別や落下地点の計算、迎撃方法の選定を自動的に行
い、イージス艦のシステムなどに伝達する。 

(時事通信 2009/7/01)

コンピュータの歴史に詳しい人は、世界最初のオンラインシステム
としてSAGE(Semi Automatic Ground Environment)という名前を覚
えているかも知れません。今の様にコンピュータとコンピュータが
ネットワークで結ばれるのが当たり前になる前は、コンピュータは、
必ずしもネットワークを介して接続されている訳ではなく、オンラ
イン処理も特別な処理の方法でした。そういったコンピュータの使
い方に一線を画したシステムが防空システムであったのも、国家の
生存の為の荒業であったのかも知れません。

SAGEが半自動と名づけられているのは、レーダーサイトで探知した
情報を集約し、表示する所までは、コンピュータが行い、それを解
釈し、邀撃機に指示を出す部分が、管制官によって行われていたか
らです。その様子は、昔の映画などを見れば判ると思います。
キューブリックの「博士の異常な愛情」なんかが良いかも知れません。

SAGEは全世界レベルのものでしたが、米国は占領中に日本各地にも
レーダーサイトを設置し、戦域レベルの防空システムを導入しまし
た。これが今まで使われてきたBAGDEシステムの前身です。

BADGEシステム(Base Air Defense Ground Environment)はその名の
通り、元々は基地防空管制システムでしたが、自衛隊の創設後は、
米軍から航空自衛隊に管理が移管され、その後システムは二回に亘
って更新されています。機能的には、日本の領空防衛に関する根幹
であり全国28ヶ所のレーダーサイト及び早期警戒機・早期警戒管
制機からの探知情報を総合し、領空侵犯に対して邀撃機による邀撃
管制指揮を行っています。今回のシステム更新は三回目のものであり、
名称もJADGEシステム(Japan Air Defense Ground Environment)と
変更されています。

JADGEシステムは、BADGEシステムの機能や性能を向上させ、航空機
のみならず、弾道ミサイル防衛(BMD)に対しても対応したのが特徴
となっています。また、従来から、全国四ヶ所の防空指令所で邀撃
指揮、管制を行ってきましたが、JADGEシステムは、それを一ヶ所
で統合して実施する事がシステム的に可能となった他、MDについて
は、府中で一元的に行う事になっています。

旧型のレーダーサイトの他、FPS3改やFPS5と言った新型レーダーを
サポートするのは勿論ですが、海自のイージス艦ともリンク16で、
その他の指揮システムとは航空総隊指揮システム等を通じて防衛省
中央指揮システム(CCS)のほか、陸海の指揮システムなどを通
じたデータ連携が行われます。
また、弾道ミサイル防衛をより効果的に実施するため米軍とのシス
テム連携として早期警戒情報や、Xバンドレーダーの情報も受信で
きる様になっている様です。

このシステムは今年の一月から運用が開始されていましたが、7/1
を以って、BADGEシステムとの並行稼動が終了し、本格稼動=実戦化
に入りました。当初は21年度中の実戦化と発表されていましたので、
7/1の実戦化は、最近の北朝鮮情勢の緊迫化を踏まえたものなのか、
幾分スケジュールが前倒しになった事が想像させます。

今回のJAGDEシステム稼動は、体に例えれば、ミサイル防衛に関す
る頭脳と中枢神経系統が大幅と強化された事になります。SM-3や
PAC3と言った表面に見えるハードだけでなく、この様なソフト面
でも能力が強化された事は、北朝鮮にミサイル発射に対する国民
の安心材料を増やす事になると思われます。


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2009年7月1日水曜日

ヒロシマは思考停止の免罪符か?

※秋葉広島市長。広島青年会議所サイトから転載

田母神氏 8月6日に講演会 「悲しみ増す」広島市が“待った” 

懸賞論文への投稿が発端で更迭された元航空幕僚長、田母神俊雄氏を原爆記念
日(8月6日)に広島市に招き開催予定の講演会について、同市の秋葉忠利市
長が、被爆者や遺族の悲しみを増す恐れがあるとして日程変更を29日、文書
で要請した。主催者側は予定通り実施する構えだが今後、憲法の「集会の自由」
が脅かされ、「言論封殺」と批判された“田母神事件”が再燃する恐れも出て
きた。

この講演会は日本会議広島などが計画した「ヒロシマの平和を疑う~田母神俊
雄氏が語る、広島発、真の平和メッセージ」。5月に中国の核実験の被害をテ
ーマに講演会を開催。日本が唯一の被爆国でなく、共産圏の核に日本の反核団
体が寛容であることへの疑問を踏まえ、いかに核の惨禍を回避するか-として
同氏の講演会を企画したという。

秋葉市長名で田母神氏らに届いた文書では「貴殿が何時何処で何を発言するか
は自由で当然の権利」としながらも(1)8月6日は市内が慰霊と世界の恒久
平和への祈りで包まれる(2)田母神氏がこうした演題で講演するのは被爆者
や遺族の悲しみを増す結果となりかねない(3)原爆記念日の意味は表現の自
由と同様に重要-などを市の立場として日程変更を検討するよう求めた。

主催者側は「私たちは市長以上に核廃絶を願っている。北朝鮮や中国の核実験
が問題になるなか、真の平和のためどうすればいいのか、という趣旨の講演会
がなぜふさわしくないのか理解できない」と話している。

(産経新聞 2009/6/30)


田母神氏の講演会がどういうものになるか判りませんが、秋葉市長
の様な自分達の言論の自由は最大限に確保するが、反対者の言論は
いくらでも制限するのが、共産主義者の真髄です。
ダブルスタンダードは、彼らにとっては当然の事であって、そうで
無い方がおかしいという感覚になります。何しろ自分達の考え"のみ"
が正しく、自分達の理想(共産主義社会)の実現の為には、手段を選
ばないというのがテーゼなのです。

その中には、感情に訴える事も、一時的な解決策として譲歩を求め、
譲歩を獲得すればそれを恒久化するにもお手のものなのです。
(北朝鮮の行動と如何に共通性があるか思い出してください。)

今回のケースで言えば、言論の自由はあるが、演題が遺族の"感情"
を刺激し悲しみを増すから止めろというのは、まさにこの一時的譲
歩を求めている訳です。しかし、もし、譲歩すれば、ヒロシマで田
母神氏が講演をする事は、遺族の"感情"に配慮すれば、いつでもダ
メとなります。また、今回、講演を行えば、原爆犠牲者・遺族の感
情を無視する人非人というレッテルを貼る事ができます。こういう
レッテル貼りもサヨクの得意とする処です。

さて、ヒロシマというと思い起こされるのが、「安らかに眠って下
さい 過ちは 繰返しませぬから」という言葉です。原爆死没者慰
霊碑に刻まれています。私もこの言葉には賛成です。日本と日本人
を目標にした三度目の核爆発を日本の領土上で起こしてはいけませ
ん。そういう意味からすれば、前2回の核攻撃を避けられなかった
と言う事実は、日本の外交政策と日本の安全保障政策上の大失敗と
しか言い様がないと思うのです。

米国を敵として戦争に至った事。日英同盟を堅持できずに、新たな
同盟国として国体の違うドイツとイタリアと組んでしまった事。
外交政策に一貫性を欠いた事。国内の経済運営に適切を欠いた事。
特に軍人に視野の狭い教育しかできず、人材育成で問題があった事。
軍事技術や工業製品の製造の面で、欧米の水準を達成できなかった
事。治安維持法があったにも係わらず、共産主義者の権力への影響
力行使を防止できなかった事。マスコミが安易な大衆迎合策を行っ
た事。

また、戦後においても、自虐外交で、中国、韓国、北朝鮮に安易な
反日政策を許容してしまった事も第三のヒロシマに繋がる失敗と言
えるでしょう。

そういった意味で21世紀になっても、ヒロシマを繰り返させない
という事は、今日的な目標であると考えます。ヒロシマを繰り返さ
ない事は、ヘイワを祈るだけで達成できると考えるのは、あまりに
も安易です。本当にアヤマチを繰り返さない為には、最高度の努力
と細心の政策決定と広範囲な情報収集が必要です。その意味からす
れば、自分に耳の痛い発言には蓋をしようとする秋葉市長は、アヤ
マチを繰り返さない為の態度からは程遠いと断じざるを得ないのです。


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2009年6月30日火曜日

安保密約 いつまで無意味な神学論争を続けるのか?


60年日米安保で密約、「有事の国内核配備も対象」

1960年の日米安全保障条約改定で合意した軍事行動に関する事前協議制度に関
し、有事の際の米軍による核兵器の日本本土への配備も対象にしていたことが
分かった。村田良平元外務次官(79)が日本経済新聞のインタビューで明らか
にした。核兵器を日本本土に配備する場合、事前協議はするものの、日本側は
配備に反対しないとした日米両政府の密約が存在すると証言した。
村田氏によると、密約には核兵器を搭載した米軍の艦船や航空機の日本寄港や
通過は事前協議の対象外とする内容も含んでいる。だが「意味は米国が核兵器
を日本国土内に恒常的に置くということだ」と説明。核配備を想定した「有事」
は「朝鮮、場合によっては台湾かもしれない。米ソの対決で万が一、米ソ戦争
すらありうる」と語った。

(日本経済新聞 2009/6/30)


日本が非核三原則(持たず、作らず、持ち込まず)を建前とせざるを
得なかった事は、今から考えれば、当時の政治情勢から見て妥当性
を持っていたとしても、実は極めてナンセンスとしか言いようがあ
りません。

言うまでもなく、当時は勿論、現在でも日本は日米安全保障条約に
より、米国の核の傘の下にあります。六十年安保の当時は冷戦の真
っ只中であり、ソ連は、米国の核の傘の有効性を損なわせる事が自
国にとっての利益であった訳ですから、非核三原則を厳格に日本に
守らせる事によって、日本周辺から、自国を攻撃する核兵器を排除
しようとしたのは当然の事でした。ソ連はそのツールとして、日本
のいわゆる進歩系知識人と称した実は共産主義シンパを結集したに
過ぎません。

日本政府の従来の答弁通りであれば、米国の核兵器を搭載した艦船
が日本に寄港する場合は、どこか(韓国やグアムの米軍基地)で、わ
ざわざ核兵器を下ろしてから日本に寄港し、日本を出発したら、ま
た、核兵器を装備する為に、そこへ寄港するという非合理な行動を
取らなければならなくなります。また、核兵器を搭載した艦艇は日
本領海を通過する事もままならなくなってしまいます。核の傘を有
効にする上で、これらが如何に非合理的な要求であるかは容易に想
像する事ができます。

更に、米国と共産主義国家群の間で、熱戦が予想される極東有事の
事態が発生した時は、日本が、攻撃を受ける可能性がある時期とも
言えます。朝鮮戦争でも、ベトナム戦争では、日本は、米国にとっ
て巨大な補給拠点として極めて重要な役割を果たしました。その様
な重要補給拠点を極東有事の際に、共産軍が無傷のまま残してくれ
ると考えるのは、お笑い草以外の何者でもありません。核抑止力が
機能していなければ、当然攻撃されていたに違いないのです。

実際には、ICBMやSLBMの能力の発展速度が、速かった事もあり、核
兵器、特に戦術核兵器の前進配置の必要性は、じょじょに低下しま
したが、核兵器の前進展開が抑止力として意味を持った時期があっ
たのも事実です。その様な事実を踏まえれば、非核三原則に基づく
日米事前協議で、日本国内への核兵器展開に、日本側がYesと応え
る局面がある事は想像できますし、中国や北朝鮮の核ミサイルが日
本を照準している事は自明である事から、現実的な必要性とは別に、
米国が日本防衛の為に報復用核兵器を配備する事で日本へ差しかけ
た核の傘の有効性を誇示し、中国や北朝鮮の核を抑止する必要性が、
今後もないとは言えないと思われます。

これらを勘案すれば、安保密約が存在に関する神学論争は極めて時
代遅れであり、日本にとって安保条約の有効性を高める方向で、非
核三原則についての政府見解を修正すべきではないかと考える次第
です。


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2009年6月29日月曜日

重信房子が反省してると信じる愚

※写真は、護送中にマスコミにポーズを作る重信房子。
産経新聞サイトから転載。

日本赤軍元最高幹部 重信房子被告 「世界変えるといい気に」

日本赤軍のリーダーだった重信房子被告(63)が産経新聞の取材に「世界を
変えるといい気になっていた」などと述べた。新聞メディアのインタビューに
答えたのは異例。昭和49年にオランダ・ハーグの仏大使館が占拠されたハー
グ事件など3事件で殺人未遂罪などに問われ、東京高裁で懲役20年の判決を
受けた重信被告。東京拘置所に身を置き、がんの手術も受けたという。テロリ
ストの女王と呼ばれた被告が語る全共闘、武装闘争、人生観-。

■行動に自責の念

「現実を変革する運動は楽しく、創造性があった。現状を変えたいという思い
で、家出少女もキャンパスに集い、いろんな人が話し合える環境があった」

6月中旬に面会した重信被告は終始にこやかで、昭和40年代半ばに盛り上が
った全共闘運動をそう振り返った。運動が数年で勢いを失ったことには、「世
界を変えるといい気になっていた。多くの人に迷惑をかけていることに気づい
ていなかった。大義のためなら何をしても良いという感覚に陥っていた」。

重信被告は40年に明治大学二部に入学し、学生運動に参加。44年に結成さ
れた赤軍派に加わる。「日本だけでは革命を起こせない」と海外に活路を求め、
重信被告はレバノンへと出国、日本赤軍を創設した。空港内の銃乱射事件やハ
イジャックなどを引き起こした。

過激な行動には自責の念にかられているようだ。

「運動が行き詰まったとき、武装闘争に走った。世界で学生運動が盛り上がっ
ていたが、故郷に戻り、運動を続けたところもあった。私たちも故郷に戻って
運動を続けていれば、変わった結果になったかもしれない」

■思想は変わらず

国内に残った赤軍派は最高幹部が相次いで逮捕された。国内残党組の一部は別
グループと合流し、連合赤軍を結成。昭和47年にあさま山荘で籠城(ろうじ
ょう)戦を繰り広げ、同志殺しも発覚。多くの人が学生運動から離れる要因に
なった。

「運動を離れた人を恨む気持ちはありません。彼らが運動をやめたのは『世の
中を変えられない』と思うようになったから。そういう人を受け入れられる基
盤を作れなかった」

日本赤軍のメンバーも世界各地で逮捕され、極秘帰国していた重信被告も平成
12年、大阪府内で逮捕された。「支援団体が発行する冊子に原稿を書くなど
忙しいが、世の中を変えたいという思いは変わりません」

革命を目指す思想に変化はないが、還暦を過ぎた。「体調は悪い。戦場では何
度も捨てては拾った命。銃弾に当たってよいと思っても当たらないこともある
し、逆のこともある。人にはそれぞれ定められた命があると思っている」
(河居貴司)

(産経新聞 2009/6/28)

表題だけを見ると重信房子が、ついに転向したのかと思ってしまい
ますが、そんな事はありません。最後の部分に重信房子の本音が現
れているインタビューです。今でも思想的に誤っているとは思って
はおらず、戦術面での間違いを多少反省しているだけです。

平成12年11月に警視庁へ護送される途中、重信房子は東京駅で
は報道陣に対し、手を挙げてポーズを作ってみせました。この時点
で重信は、自己顕示を見せるだけで全く反省のハの字もしていません。

日本の刑務所は、思想の転向を要求する場所ではありません。読も
うと思えば、左翼系の雑誌や本を読む事ができます。その上、元々、
朝日新聞や岩波書店の書籍はサヨク系とも思われていません。そん
な中で、重信の様に半生を極左活動家として生きてきた人間が考え
を変えるなどと考える方が、おかしいと言えます。

その様な中で、重信が反省するとすれば、何故、自分に対する国民
の支持が広がらなかったのかという一点であるとしか思われません。
せいぜい極端な暴力闘争を主体とした点や、革命運動の行き詰まり
の中、日本を脱出してしまった事で日本赤軍を根無し草的な職業革
命家の集まりにしてしまった事程度であろうと思われます。

重信は、逮捕以前に中東や欧州での根無し草的な運動から転換し、
日本赤軍の活動を日本に移そうと計画していました。そして、フロ
ント組織として社民党を使おうと計画していたと言われています。
社民党は、現在では新左翼の政党と化していますし、もともと、日
本赤軍と新左翼は出自が同じであり、連携の素地は充分あります。

また、重信が偽造旅券で、日本と中国の間を頻繁に往復していた事
からも、中国共産党の重信や日本赤軍への関与も容易に想像できま
すが、この外患誘致的姿勢の点でも社民党は、スタンスを同じにし
ている様に思います。

以上の諸点から見て、今回のインタビューを読んでも、檻に入って
以降に、重信房子が新たな反省をしたという点は見当たらない様に
思います。


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2009年6月26日金曜日

ボーイング787試験飛行またまた延期

※写真は延期発表前日に行われたANA向け787の最終組み立て開始式
Boeingサイトから転載

米ボーイング、ドリームライナーの初飛行を再延期

米航空機大手ボーイングは23日、今月末までに予定していた次世代中型旅客
機787(ドリームライナー)のテスト飛行を延期すると発表した。主翼と胴
体の結合部分に補強の必要性が確認されたため。補強作業を進め数週間後に新
たに初飛行スケジュールを確定するとしている。

当初、2008年5月までに航空会社に納入が開始される予定だったが、10
年1~3月期に2年近く延期された。テスト飛行を再延期したことで納期はさ
らにずれ込む可能性がある。導入を予定している全日本空輸や日本航空の事業
計画への影響も懸念される。(共同)

(産経新聞 2009/6/23)


このニュースは、本当にごく一部の人間にしか伝えられていなかっ
た様で、発表前日にはボーイング社のエバレット工場では、全日空
が、全日空向け787一号機の組み立て開始式で鏡開きを行ってい
たという話も伝わっています。また、全日空は、CF用に試験機の一
機をANA塗装とし、初飛行に合わせて流そうとしていた様ですが、
これもスケジュールの変更で影響が懸念されます。

通常は、この手の悪い話は、マスコミや証券会社の航空アナリスト
に個人的な関係でも流れ易いのですが、その個人的な関係でも情報
が流れなかった様で、今回の遅延に係わる記事の中には、知れせて
貰えなかった恨み辛みを、アナリストがボーイングとの信頼関係が
崩壊したと書き連ねているものもあります。

株価についても、この寝耳に水のニュースが流れた後、ボーイング
社の株価は一気に10%近く値下がりしましたが、ここ数ヶ月悪い話
が出ていなかっただけに、投資家にとっても如何にショッキングで
あったかを示していると言えます。

それでは、初飛行延期の発表の後のアナリスト向け遠隔会議の中か
ら興味深い処を拾ってみましょう。全文は以下のURLで参照できます。

http://blog.seattlepi.com/aerospace/library/BA-Transcript-2009-06-23T14_001.pdf

Pat Shanahan:ボーイング社 機体開発担当副社長
テスト中に何があって、今回の初飛行延期に繋がったのか説明します。先月、
我々は試験機の翼を曲げる等の静強度試験を実施しました。この試験は型式証
明を得る為の通常の手順によるものです。この試験中に、胴体側面の構造に予
想以上の加重がかかっているのが判りました。これについての予備的な分析の
結果は、初飛行には影響はないという事でした。しかしその後のテストと分析
の結果、胴体側部の接合部の一部を強化しないと生産的な飛行試験は行えない
と言う結論に達しました。それ故に、初飛行を延期し、必要な改修作業を行わ
なければならなくなった訳です。ここで強調しておきたいのは、これは、構造
強化の問題であって、素材や工作品質の問題ではないという事です。複合材料
は、機体構造上正しい選択です。改修はごく一部に限られており充分管理可能
です。我々はこの緊急対応を充分な品質と速度で実施できる強力なチームを持
っています。

Scott Fancher:ボーイング社787担当副社長
今まで、我々は主として問題点の把握に焦点を絞ってきました。我々は、社内
の専門家達と今回見つかった事をレビューし、今まで対応した内容が正しかっ
た事と正しい答えを持っている事を確認しました。我々の技術的な専門家達は
胴体側部の接合部の特定の部分の構造を強化する改修方法をいくつか開発して
います。現在その内、どの改修方法を取るのが最適なのかを検討している処で
す。これを行った後で、詳細設計を行い、必要な部品を製作し、それを導入し、
その上で、要素毎あるいは全体的なテストを行って、改修のパフォーマンスを
確かめます。試験飛行はその後に開始する手順となります。これは緊急の作業
ですが、スケジュールの為に品質を落とすような事はありません。数週間の内
に、新しい試験飛行やその後の大まかなスケジュールをお知らせする事ができ
るだろうと考えています。この問題を解決する事で、一号機や量産機の完成に
向け大きな前進が図れると思います。ちょうど十日前、一号機は、中間ガント
レットテストを成功裡に終了しました。この九日間の継続的な運用を通じ、我
々は機体システムについて自信を深めました。この一号機のシステム機能試験
を更に続ける事で、最終ガントレット試験や地上走行試験に進む事ができると
考えています。その上で、機体システムの成熟化を続けます。
二号機についても、類似した作業を続けます。二号機は最近フライトラインに
移動させており、エンジンを動かす準備ができています。
飛行試験に使用される機体は、組み立てが終了し、飛行準備が完了した段階で
フライトラインに揃う事になります。同様に量産機の組み立て作業がその後に
続いています。

Q:この問題は、いくつかのパーツにまたがるものなのか、それとも単一パーツ
に係わるものなのか?また、強化するのは両サイドなのか、それとも一方なのか?


A:この問題は複数のパーツに跨るものであり、三菱重工製の主翼と富士重工製
の中部胴体が係わっており、設計の面では、この両者とボーイングが係わって
いる。構造の問題であるので、当然の事ながら、その様になる。解決方法につ
いても三社で検討している。また問題は胴体の両側に係わっている。

Q:この問題は、場所について特定できるのか、またどの位の広さの事を言って
いるのか?

A:問題になっている場所は、胴体側部と主翼との接合部で、特に接合部の上側
にそった1~2平方インチの部分についての問題。片側18ヶ所、両サイドで
全部で36ヶ所ある。これらは非常に狭い範囲の部分の話であって、全体に跨
る話ではない。各々の場所で構造を強化する部品は手の平に収まる程度のもの
である。

Q:この問題は先月発覚したとの事だが、今日まで発表を待ったのはどういう理
由か?パリエアショーという世間の注目が集まる時でも良かったのでは?


A:パリエアショーの時には、まだ予備的な分析結果しか出ていなかった。この
改修はマイナーなものでもあったので試験飛行スケジュールには影響がないと
その時には判断していた。この最終的な分析は先週一杯行われ、結果が出たの
は金曜日だった。試験飛行をスケジュール通りに開始する事もできたが、しっ
かりとした型式証明の取得の為の試験を行うには、改修を実施してからの方が
良いと最終的に判断した。

Q:もし、この改修を行わずに試験飛行を行っていた場合に最悪どんな事が起き
るのか?翼が脱落したり、胴体にヒビが入る様な事があったのか?

A:我々のアセスメントでは何も起こらなかっただろうと考えている。ただ、応
力集中によりモデルから乖離する事で、我々が望ましいと考えているフライト
エンベロップを実現する上で余裕度が減少すると考えている。


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2009年6月25日木曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」のpdf版完成

※写真はブラックジャック爆撃機に搭載されるAS-15巡航ミサイル

少し時間がかかりましたが、ようやくpdf版が完成しました。
文章を多少読み易くすると共に、原典の写真をできるだけ取り入れ
ました。ご覧頂ければ幸いです。

http://space.geocities.jp/ash1saki/NASIC2009J.pdf


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2009年6月23日火曜日

韓国が対潜ロケット弾(VL-ASROC)の自国開発に成功


※ホンサンオを発射するKD-2駆逐艦。中央日報サイトより転載
下図は朝鮮日報サイトより転載

世界で2例目の潜水艦攻撃ロケット魚雷…性能は世界一

水上艦から発射され動力飛行し、水中の敵潜水艦を攻撃する新型のアスロック
(ASROC:Anti-Submarine Rocket、艦載用対潜兵
器の一つ)「ホンサンオ(紅鮫)」が22日、国内で開発された。

国防科学研究所(ADD)が開発したホンサンオは、垂直発射型(VLS)の
対潜ロケットとしては米国に続き、世界でも2例目となるが、性能は世界最高
だ。ホンサンオは海軍艦艇の甲板の下に搭載された垂直発射台から発射され、
敵潜水艦がある海上に向かって直ちに方向を変えられることから、作戦に非常
に効果的だ。

▽ホンサンオを標的の敵潜水艦に向かって進むようにする姿勢制御技術▽発射
時に出る火炎と煙を減らす技術--も世界最高のレベルだという。射程は、米
国の同じ種類(17キロメートル)よりはるかに長い。ホンサンオは飛行時も、
慣性航法装置(INS)と最新の補正装置を導入し、敵潜水艦がある海上に正
確に落下する。

国防科学研究所が1000億ウォン(約75億円)を投じ、開発着手から9年
で成功した対潜ロケットは、敵潜水艦にとっては最も脅迫的な存在となる。ホ
ンサンオは、誘導弾に搭載され敵潜水艦が発見された海域まで動力飛行する、
正確度と射程を大幅に改善した。ホンサンオは艦艇戦闘システムと連動し運用
できるよう開発され、迅速かつ正確な作戦の遂行が可能だ。

以前の一般魚雷はいずれも水中魚雷のため、魚雷音を敵が先に探知、逃亡でき
るようにするという短所があった。海軍が保有する魚雷のうち、軽魚雷「チョ
ンサンオ(青鮫)」は艦艇から水中に発射され、敵潜水艦を攻撃する。重魚雷
「ペクサンオ(白鮫)」は潜水艦から魚雷を発射し、敵の艦艇や潜水艦を攻撃
する兵器だ。

ホンサンオは発射された後、ロケットエンジンで潜水艦が発見された海域まで
動力飛行し、落下傘を広げて標的の海上に静かに入水する。続いて着水の瞬間、
落下傘を捨てて、敵潜水艦まで突進、破壊する。敵潜水艦は対処できる時間が
非常に短く、逃げにくい。この過程でホンサンオは標的がある所までの射程を
調整するため、空中で燃焼中のロケットを強制的に分離し、推進力を減少させる。

ADDによると、約10回にわたる艦艇実験を実施し、ホンサンオの威力と適
用新技術の優秀性が立証済みだ。新型魚雷「ホンサンオ」はLIGネックスワ
ンが世界で3番目に開発した敵航空機識別装置とともに来年から本格的な生産
に入る予定だ。防衛事業庁とADDはホンサンオの海軍での実践配備が済めば、
海外輸出も進めるとしている。ホンサンオは実戦配備中の「KDX-2」級以
上の艦艇に搭載が可能だ。

(中央日報 2009/6/23)
}}}

記事では、世界で二番目と書かれていますが、VL-ASROCとしては世
界で三番目です。二番目は日本で、07式垂直発射魚雷投射ロケット
として2007年度に制式化されています。
米国のVL-ASROCも含め、仕組みは共通しています。弾頭部に短魚雷
を用いており、弾体後半部に備えられたロケットで潜水艦のいる位
置へ、弾頭部を送り込みます。弾頭部は予定位置上空で分離し、パ
ラシュート降下し、着水後にパラシュートを分離した上で、魚雷頭
部のソナーで相手潜水艦の位置を特定した上で、自動追尾し、命中
させるというものです。

米国はVL-ASROCの開発について、開発途中で、ソ連崩壊を受けた沿
岸地域での戦闘を重視する戦略方針の変更があり、熱意がやや低下
した事もあり、開発完了まで時間を要しました。

米国のVL-ASROCは、自艦近接海域である十数kmまでを狙ったもので
す。上記の記事が正しければ、韓国のホンサンオは近接海域と第一
コンバージェンス帯を狙ったものであるようですが、近接海域を狙
うには、発射直後のベクターコントロールを即座に行わなくてはな
らず、更に目標位置も近いので偏向量も大きい事から、第一コンバ
ージェンス帯を狙うより難しい面もあります。ホンサンオがどの程
度、近接海域も狙えるのか興味深い処です。

なお、詳細は明らかになっていませんが、日本の07式垂直発射魚雷
投射ロケットは、この領域に対応したものと言われています。

また、仕組みからも明らかなように、潜水艦に命中するかどうかは
ASROCに搭載された魚雷の性能に頼る事になります。米国はMk44、
Mk46、またはMk50、日本は、それに加え、73式、97式短魚雷が使用
されますが、韓国も同様に自国開発の短魚雷チョサンオを搭載して
います。この短魚雷の性能を比べるとMk50や97式が雷速55kt~60kt、
射程20kmであるのに対し、チョサンオは雷速45kt、10kmであり、顕
著な性能差が存在すると言えます。

元々、日本は基準排水量1450tのちくご型から護衛艦の全てにASROC
を搭載していた程の対潜戦指向の強い海軍であったのに対し、韓国
海軍は揚陸戦や水上打撃戦に重点を置いており、必ずしも対潜戦だ
けに力が入っていたとは言えない事からも差があって当然であると
言える様に思われます。

また、VL-ASROCを装備していたとしても、攻撃するには、潜水艦を
発見し位置を特定しなければなりませんが、潜水艦を探知するには、
艦艇に搭載されている各種ソナーと対潜ヘリ、対潜哨戒機、SOSUS
といった総合力が必要です。韓国のVL-ASROCも実力を発揮するには、
韓国海軍の対潜戦能力全体の強化が必要である様に思われます。


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2009年6月22日月曜日

キッシンジャーを中国に派遣する米国の意図は?




【北制裁】米、キッシンジャー氏を中国に派遣か 韓国紙


韓国紙、朝鮮日報は22日、米国が中国に対し、国連安全保障理事会決議によ
る対北朝鮮制裁への積極的な参加を促すため、特使としてキッシンジャー元国
務長官の派遣を検討していると報じた。外交筋の話としている。
同筋によると、先週、韓国の李明博大統領が訪米した際に行われた協議で、米
側が高官を中国に派遣する方針だと説明、有力候補としてキッシンジャー氏の
名前が挙がったという。(共同)

(産経新聞 2009/06/22)


北「核で世襲」幻想捨てるべき…米新政権が譲るという誤算

もはや「覆せない(Irreversible)」合意がワシントンのキーワードだ。

米国は核交渉が再開する場合、非核化プロセスの最終段階である核廃絶から出
発しようとしている。北朝鮮のすべての核と核物質をテーブルの上にのせて、
廃棄と補償を協議しようとしている。

米国の暫定的な結論通り、北朝鮮が最後まで核を断念しない場合、米国は核の
不拡散をいかにして達成するのだろうか。答弁は衝撃的だ。オバマ政権の人々
は言葉を控えるものの、ブッシュ政権が初期に進めた北朝鮮の体制交代(Regime
Change)のほかに方法がない、という立場だという。

ぞっとする過去への回帰だ。より衝撃的なのは米国が「北朝鮮の体制交代」を
行動に移す場合、その直前に在韓米軍を、北朝鮮のミサイルの射程に入る韓国
から撤退させる方針だということだ。北核問題をめぐる事態が、米国の「北朝
鮮体制の交代に向けた措置」によって悪化すれば、米軍が撤退し、韓国の各都
市、産業施設、軍事基地が北朝鮮のミサイルのターゲットに入ることになるのだ。

北朝鮮が韓国を攻撃する場合、米国が核の傘と通常戦力で守ると確実に公約し
たものの、それが韓国の「被害ゼロ」を保証するわけではない。だから南北
(韓国・北朝鮮)が交わす進軍喇叭(らっぱ)のような強硬姿勢が非常に不安
に思える。

米国は北朝鮮に対話の扉を開けておいてはいるものの、制裁の局面で対話をも
の乞いする考えはない。北朝鮮に拘束中の米国人女性記者問題を核交渉に結び
つける考えもない。だから北朝鮮が希望するアル・ゴア元副大統領の平壌(ピ
ョンヤン)訪問にも冷淡だ。オバマ政権を「押せば押される」と誤算したのが
北朝鮮の失敗だ。

事態が非常に危うい。北朝鮮は現実を直視すべきだ。核兵器で強盛大国を実現
し、26歳の青年に世襲する権力の基盤を固めるという時代に反した幻想を捨
てねばならない。中国は「北朝鮮の崩壊より、核を持った北朝鮮の存続が有利
だ」という偏狭な国家利己主義を捨てるべきだ。対北制裁に積極的に加わり、
北朝鮮を交渉のテーブルに戻らせねばならない。

韓国と米国は中国を動かすことに外交力を集中すべきだ。韓米同盟と韓中関係
のバランスを取るべきだ。韓国は制裁の局面でも、対話を通じて南北関係を管
理していかねばならない。李明博(イ・ミョンバク)大統領は8月15日(独
立記念日)の演説で、北朝鮮が拒めない提案をしなければいけない。

(中央日報 2009/6/22)


上の記事が事実であるとすれば、今時、何の為に米国はキッシンジ
ャーを派遣するのか疑問とする処です。中国に安保理決議に協力さ
せるというのは、あまりにも漠然としすぎています。共和党政権の
元国務長官であり、米中接近と、ベトナム撤退を実現した中国の古
い友人で、バーゲニング外交の第一人者を送るには相応の理由があ
る筈です。

それに対する回答が二番目の中央日報の記事です。オバマ政権は、
北のレジームチェンジを決意しているというものです。

核廃絶を訴えたオバマに対して、北朝鮮は、オバマを甘く見すぎて
強く押しすぎたという内容です。北朝鮮との対話チャネルを開くの
にタイミング良く(?)発生した米国ジャーナリストの逮捕事件に対
しても、ゴア元副大統領が対朝交渉に乗り気な割には、オバマ政権
が奇妙に無関心な印象を与えているのも事実です。

記事にある、体制変更の実施前に、在韓米軍を撤退させるというの
は、もし本当であれば、米国が仕掛けるタイミングが誰の目にも明
らかになってしますので、眉唾かとも思います。

しかし、米国が、レジームチェンジだけを狙うのであれば、米軍を
動かす必要はありません。米国も、そして、実は韓国も、ボトムラ
インは、現状維持ができれば良いのであり、まともなインフラ整備
に幾らかかるか判らない最貧国の救済に手を出す気はサラサラない
のです。米軍によって北が解放されるよりは、北朝鮮の伝統的同盟
国であり、血の盟約を結んだ中国が自らレジームチェンジの手を下
す事で、引き続き、朝鮮半島の北半分を中国の勢力化に置いた方が、
中国にとって有利であるのは言うまでもありません。

特に、最近のミサイル発射実験と核実験に対する、中国の安保理決
議案参加で、北朝鮮は中国の事を米国追従勢力とまで非難している
と言うのでは、出来上がった核ミサイルの照準が北京に合わせられ
る事まで中国は、心配せざるを得ない事になりつつあります。

オバマにしてみれば、偉大な大統領として名を残す事にも繋がる核
廃絶の実現どころか、北朝鮮が核武装する事で、韓国や日本にも核
のドミノ的拡散が懸念される状態となり、少なく共、条約上の義務
に基づいて、韓国や日本に核を再配備せざるを得なくなるのでは、
北朝鮮によって人類の進歩が逆行を余儀なくされると感じて不思議
ではありません。

そうであれば、キッシンジャーのカバンの中には、北朝鮮のレジー
ムチェンジを中国が行うか、さもなければ、米国によるレジームチ
ェンジを黙認して欲しいというオバマからの親書が入っていてもお
かしくは無い様に思われるのです。


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2009年6月19日金曜日

米臨検への対応で明らかになる?北朝鮮は撃つ撃つ詐欺か?

※写真はロイターサイトより転載

ミサイル積載か 米軍、北朝鮮船舶「カンナム」を追跡 過去に兵器拡散活動

米海軍がミサイルや核関連物質を搭載した疑いのある北朝鮮船舶を追跡してい
ることが18日、明らかになった。米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議
長は18日の記者会見で、「(北朝鮮への追加制裁を決めた)国連安全保障理
事会決議を積極的に実行するつもりだ」と述べ、具体的言及は避けたが、追跡
していることを事実上認めた。

北朝鮮による武器輸出の全面禁止や貨物検査などを盛り込んだ12日の制裁決
議採択後、大量破壊兵器を積んだ疑いがある北朝鮮船舶の初めての動きだけに、
寄港先となる国の対応が注目される。

FOXテレビなどによると、船の名称は「カンナム」。行き先は明らかになっ
ていないが、17日に北朝鮮の港を出航し、シンガポール方向に向けて航行中。
過去にも北朝鮮の大量破壊兵器の拡散活動に使われてきた船舶だという。
2006年10月、香港海事局は北朝鮮の貨物船「カンナム1号」と姉妹船で
ある「カンナム5号」を安全設備に不備が見つかったとして、出港を認めない
強制措置を取った。「カンナム1号」は07年5月にミャンマーに入港したこ
とが確認されている。北朝鮮とミャンマーは同年4月、国交を回復しており、
北朝鮮からの武器輸出の可能性が指摘されていた。
米軍が今回追跡している船舶が「カンナム1号」かどうかは不明だ。
マレン議長は北朝鮮の船舶が米軍による検査を拒否した場合の対応について、
安保理決議で強制的な乗船は認められていないため、最寄りの港に向かうよう
指示し、寄港地の国が船舶検査を実施することになると説明した。

(産経新聞 2009/6/18)


さて、いよいよ北朝鮮の決意が試されるシチュエーションが近づい
てきました。「カンナム」の目的地は、現時点では判りません。ミ
ャンマーである可能性が強いと言いますが、中東方面かも知れませ
ん。それに対し、米海軍は、記事にもある通り、「カンナム」に近
寄って、船舶検査の為、最寄の港湾へ向かう様に指示する事になり
ます。

実は、この船舶検査や臨検は、北朝鮮が一番嫌がっている事の一つ
です。北朝鮮が韓国のPSI参加に対して「PSI参加が武力衝突と全面
戦争へとつながるのは時間の問題だ」とまで、論評したのもPSIが
臨検を含むものであった事によるものと考えられてきました。

北朝鮮は、6月13日の安保理決議に対する外務省声明の中で、
「米国とその追従勢力が封鎖を試みた場合、戦争行為と見なし、断
固軍事的に対応する。」と言明しており、臨検もそれに含まれると
していました。今回、米海軍が、船舶検査を試みた場合、それを北
朝鮮が臨検と見なすかどうかが問題になります。

米軍の行動に対応した反応を北朝鮮がどの様な形で見せるのかで、
北朝鮮のエスカレーションに関してどの程度の決意をしているのか
その程度が推測できるのではないかと思われるのです。

今まで、北朝鮮は、声明や発表の上では、激烈な言葉を頻発させて
いますが、実際の行動では、意外に慎重に振舞っています。例えば、
6/18に、日本海で、北朝鮮艦船が、NLLに接近しましたが、韓国軍
の警告を受けて引き返しています。元々北朝鮮はNLLを認めていま
せんから、国連決議以降もっと大胆に行動しても良さそうなもので
す。また、短距離ミサイルの発射に関して、国際ルールに沿った航
行情報を出していると言う報道もあります。そういう具合で事実と
しては、色々とブラフは行っているものの決定的な行動は避けてい
る様に見えるのです。

その一方で、報道によれば、北朝鮮は、現在、テポドン2号2基、
ノドン一基の計三基のミサイルの発射準備を進めているという報道
があります。

北朝鮮がエスカレーションを避けるのであれば、米海軍の行動に対
して、攻撃的な声明を行うだけで、実際の行動は避ける筈です。
それに対し、対決する決意があるのであれば、より積極的な行動を
とってくると思われます。

最初に述べた様に、北朝鮮の船舶が輸送しているものは、武器以外
にも、核開発関連物質や、ニセドル札、麻薬、覚醒剤、ニセ煙草と
言った表ざたになった場合、北朝鮮の評価や面子を失わせる様なも
のが含まれているのは、まず間違いありません。

その様な点からも、ここ数日の北朝鮮の反応に当分目が離せないと
思われるのです。


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2009年6月18日木曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(余)

※写真は中国の移動式ミサイルの発射シークエンス

最初は三回で終了する予定でしたが、要約部分が字あまりになって
しまいましたが、「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」はこれで
全訳終了です。
今、pdfファイルにする準備を進めています。
原典にあってブログに載せられなかった写真や図なんかもpdfでは
全部ではありませんが復元したと思っています。
ミサイルを調べる時の基礎的な資料として使って頂ければ幸いです。

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SUMMARY(要約)
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弾道ミサイルはすでに広範囲にわたって使用されており、今後とも数的にも多
様性も増加し続けるだろう。弾道ミサイルで使用する目的で大量破壊兵器を入
手する事が可能になる事で、この脅威の重要性は著しく増加する。ロシアの戦
略ミサイル戦力が量的には縮小しているにもかかわらず、ロシアは、恐らく、
合衆国以外では最も大きな戦略弾道ミサイル戦力を保持し続けるだろう。新し
い弾道ミサイルシステム(SS-27 ICBMとSS-N-23 Sineva、及び
SS-NX-32/Bulava-30 SLBM)の開発には、高い優先順位が与えられている。
ロシアの当局は、新しい種類の極超音速飛行体が、戦略弾道ミサイルとして、
ミサイル防衛システムを突破するために開発されていると述べている。ロシアは、
また、新型のイスカンダール-E SRBMを輸出しようとしている。

中国は先進的な技術の弾道ミサイルを生産しており、弾道ミサイル技術を他の
国に売り込んでいる。中国は、非常に大きな戦域ミサイル配備計画があり、台
湾の隣接地に弾道ミサイルの大きな戦力を展開している。中国は、この戦力の
到達範囲を拡大しており、将来の地域紛争に外国が関与するのを防ごうと試み
ている。中国は既に、ICBMの比較的小さな戦力で合衆国を目標にできているが、
今後、中国のICBM戦力は、相当程度、成長すると見込まれる。

北朝鮮はテポドン2 ICBM/人工衛星打上ロケットの開発を続けており、IRBMの
開発も行っている。北朝鮮は弾道ミサイルシステムを輸出しており、今後も恐
らくそれを続けると思われる。

LACMの拡散は、今後十年で更に拡大する。少なくとも九ヶ国が、LACMの生産に
関与している。大多数の新しいLACMは、非常に正確で、通常弾頭を装備してお
り、輸出も可能である。ミサイルが通常弾頭しか装備していなくても、多くの
LACMの高い正確性は、目標に重大な損傷を負わせる事ができる。合衆国の防衛
システムは、多方向から同時に目標を攻撃する低空飛行のステルス型巡航ミサ
イルによって、非常に圧迫を受けるに違いない。

弾道ミサイル及び巡航ミサイルは、比較的低い運用経費、防御システムを突破
する可能性、及び国力の象徴として価値から、多くの国で攻撃用兵器として選
択され続けるだろう。それ故に、将来の軍事計画と作戦において慎重に考慮さ
れなければならない脅威であると言える。


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2009年6月17日水曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(下)



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INTERCONTINENTAL BALLISTIC MISSILES(大陸間弾道ミサイル)
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ロシアはICBMに2000個の核弾頭を保持しており、これらのミサイルの殆どは警
戒待機態勢に置かれ、命令があれば数分以内に発射できる状態が維持されてい
る。ロシアのICBM戦力の規模は軍備制限協定や、ミサイルの老朽化、資源制約
のため、減少し続けるが、ロシアは、おそらくアメリカ合衆国外で最大のICBM
戦力を保持し続けると思われる。戦力を維持し、近代化する努力は、進行中で
ある。弾道ミサイル防衛システムに対抗できる設計のSS-27 Mod 1 ICBMは、現
在5つのミサイル連隊(ミサイル48基)で、サイロ配備されている。ロシアは、
2006年にSS-27 Mod 1の道路移動タイプの配備を開始した。MIRV化されたバー
ジョンのSS-27(SS-27 Mod-X-2(RS-24))は、現在、開発中で飛行試験段階
にある。それに加え、ロシアの当局者は、極超音速で飛行し、ミサイル防衛シ
ステムを突破する新しい種類の戦略ミサイルを開発していると主張している。
1994年12月に効力を発した戦略兵器削減交渉(START I)条約は、ロシアと合
衆国が、各々6000個(ICBM、SLBM、重爆撃機を含む)を超えない弾頭数しか保
有しない様に制限している。2002年の戦略攻撃力削減についてのモスクワ条約
では、2012年末までにロシアと合衆国が各々1,700~2,200の配備された弾頭し
か持たない様に制限している。

中国のICBM戦力は、戦略的な核抑止力の実現を意図している。中国は核武装し
た、液体燃料推進で射程に制限のあるCSS-3 ICBMと、合衆国に到達可能なCSS-4
ICBMの比較的小さな戦力を保有している。しかし、中国は、先進的な新型の移
動式で固体燃料推進のICBMの開発と配備を進めている。

道路移動式で、固体燃料推進の、CSS-10 Mod 1と長射程のCSS-10 Mod 2の両方
が、第二砲兵部隊内で数単位配備された。道路移動式ICBMの配備は、中国の戦
略ミサイル戦力の生存性を強化する。
CSS-10 Mod 1はヨーロッパとアジアの全域及びカナダと合衆国北西部の一部を
射程に収めている。より長い射程のCSS-10 Mod 2は合衆国大陸部の殆どを目標
とする事ができる。中国は一部のICBM用にMIRV弾頭を開発することができよう。
そして、合衆国を脅かすことができる中国のICBMの弾頭の数は、次の15年で
100を軽くオーバーする数に増加することになるだろう。

北朝鮮はテポドン2(TD-2)ICBM兼衛星打上ロケットを開発している。そして、
ICBMとして開発されるならば、それは合衆国に到着できる性能を持つ。TD-2の
二回の発射実験は失敗に終わったが、2009年4月の飛行は2006年7月の発射時と
比べ、より完全な性能を示した。

TD-2の開発で示された北朝鮮の継続的な進歩は、長射程弾道ミサイルと人工衛
星打上能力を保有する事への決意を明白に示している。テポドン2は、将来他
の国に輸出されるに違いない。

イランには野心的な弾道ミサイルと人工衛星打上ロケットの開発計画がある。
そして、十分な外国の援助があれば、イランは、2015年までに合衆国に到達す
る事が可能なICBMを開発しテストすることができると思われる。


■ 性能
ミサイル名 段数 弾頭数 推進剤 発射機 最大射程(マイル)* ランチャー数
ロシア
SS-18 Mod 4 2+PBV 10 液体 サイロ 5,500+ 104基
SS-18 Mod 5 2+PBV 10 液体 サイロ 6,000+ (Mods 4 & 5の合計)
SS-19 Mod 3 2+PBV 6 液体 サイロ 5,500+ 122基
SS-25 3+PBV 1 固体 道路移動 7,000 201基
SS-27 Mod 1 3+PBV 1 固体 サイロ又は道路移動 7,000 54基
SS-27 Mod-X-2 3+PBV 複数 固体 サイロ又は道路移動 7,000 配備未済

中国
CSS-3 2 1 液体 サイロ又は移動式 3,400+ 10基から15基
CSS-4 Mod 2 2 1 液体 サイロ 8,000+ 約20基
CSS-10 Mod 1 3 1 固体 道路移動 4,500+ 15基以下
CSS-10 Mod 2 3 1 固体 道路移動 7,000+ 15基以下

北朝鮮
Taepo Dong 2 2 1 液体 不明 3,400+ 配備未済
Note: 射程距離は全て概算
* この推計には、PBVによる射程距離延長が含まれていない。いくつかのPBVは、
射程距離を延長する能力を持つ。

------------------------------
SUBMARINE-LAUNCHED BALLISTIC MISSILES
(潜水艦発射弾道ミサイル)

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ロシアは、大陸間ミサイルの射程を持つ原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)の
相当な戦力を維持している。ロシアは、冷戦時代の老朽化したシステムに代え
て、新しく、且つ改善されたSLBM兵器システムを開発している。Sinevaと名づ
けられた新ミサイルは、デルタIV級SSBNの既存のSS-N-23を置き換えることを
目的としている。NX-32/Bulava-30 SLBMは、主として新しいドルゴルキー級
SSBNへの配備を目的とした新しい固体燃料推進のSLBMである。ロシアのSLBMは、
浮上中や潜航中のSSBNから、色々な発射場所で、発射可能である。

中国は、現在、12基のCSS-NX-3/JL-1ミサイルを搭載する事を目的とする夏級
SSBNしか保有していない。それに加え、中国は12基のCSSNX-14/JL-2 SLBMを搭
載した新型の晋級SSBNを配備する予定である。このミサイルは、初めて、中国
沿岸のSSBMの行動区域から合衆国の大部分を目標とする事ができる。

インドは、2つの新しい海軍用のシステムを開発している。2010年以降に使用
可能となる見込みのSagarika SLBMと、Prithvi陸上基地発射弾道ミサイルの海
軍バージョンであるDhanush海上発射型弾道ミサイルである。
Dhanushは、インドの海軍水上艦艇からの海上発射飛行試験を実施中である。


■ 性能
ミサイル名 段数 弾頭数 推進剤 搭載潜水艦 最大射程(マイル)* 発射筒数
ロシア
SS-N-18 2+PBV 3 液体 デルタIII 3,500+ 96基
SS-N-20 3+PBV 10 固体 タイフーン 5,500+ 40基
SS-N-23/Sineva 3+PBV 4 液体 デルタIV 5,000+ 96基
SS-NX-32 3+PBV 6 固体 ドルゴルキー 5,000+ 16基 配備未済
(Bulava) (ボレイ)
タイフーン 20基 配備未済

中国
CSS-NX-3/JL-1 2 1 固体 夏 1,000+ 12基 配備未済
CSS-NX-14/JL-2 3 1 固体 晋 4,500+ 12基 配備未済

インド
Sagarika 不明 不明 不明 不明 180+ 不明 配備未済

Note: 射程距離は概算


------------------------------
LAND-ATTACK CRUISE MISSILES(陸上攻撃巡航ミサイル)
------------------------------


弾道ミサイルとは異なり、巡航ミサイルは通常、使用目的と最大射程の替わり
に発射モードによって分類される。最も幅広いカテゴリー分けは、陸上攻撃巡
航ミサイル(LACM)と対艦巡航ミサイル(ASCM)である。各々のタイプは、
航空機、艦艇、潜水艦または地上に置かれた発射機から発射する事ができる。
この文書ではLACMについて述べる。

LACMは、無人の武装した飛行体で、固定された、あるいは移動する陸上目標を
攻撃するよう設計されている。それは、予め定められた目標へ前もってプログ
ラムされた飛行経路を飛行するが、任務中の大部分の時間を水平飛行に費やす。
推進力は、通常小型ジェットエンジンによって提供される。
目標の2、3フィート以内にミサイルを命中させる事ができる非常に精密な誘
導装置を装備している事から、最も先進的なLACMは、通常弾頭で武装したとき
でも、非常に小さな目標に対しても効果的に使用する事ができる。LACMの誘導
は、通常3つの段階で行われる。発射時と、飛行中と終末の三段階である。発
射段階では、ミサイルは慣性航法装置(INS)だけを使って誘導される。飛行
段階では、ミサイルは以下のシステムの一つ以上によって更新されるINSで誘
導される。レーダーに基づく地形照合システム(TERCOM)、レーダーまたは光
学的場面照合システム、それと衛星航法システム(例えば合衆国の全地球位置
測定システム(GPS)またはロシアのGLONASSシステム。)
終末誘導段階はミサイルが目標域に入り、より正確な場面照合が使用されるか
目標探知器(通常光学的であるかレーダーに基づくセンサー)が使用される段
階から始まる。

LACMに対する防衛は、対空防御システムに圧迫を加える事になる。巡航ミサイ
ルは、敵のレーダー覆域の下方にとどまり、場合によっては、地形の陰に隠れ
る事ができる様に低高度を飛行できる。より新しいミサイルは、レーダーや赤
外線検出器からも見えない様にするステルス機能を取り入れている。最新の巡
航ミサイルは、最も効率的な方法で目標に接近し、攻撃するようにプログラム
されている。例えば、防空システムを最も弱い部分で圧倒する様に、複数のミ
サイルで同時に異なる方向から目標を攻撃することができる。さらに、LACMは
レーダーと防空施設を避けるように回り道のルートを飛行し目標を攻撃する機
能を持つ。それでも隠蔽が巡航ミサイルの主要な防御手段ではあるが、いくつ
かの開発中のシステムでは、チャフやデコイ(囮)と言った防御層を加えている。

米軍に対する巡航ミサイルの脅威は、次の10年間増加すると思われる。少なく
とも9つの国が次の10年の間にLACMの生産に関与する。そして、LACM製造業者
のいくつかはそれらのミサイルを輸出可能とするだろう。
米国のトマホーク巡航ミサイルの成功は、多くの国で巡航ミサイル獲得に対す
る関心を高めた。購入可能な多くの巡航ミサイルは、精密攻撃任務を果たす可
能性がある。これらのミサイルの多くには、類似した特徴がある。それらは、
モジュール設計(航法機能や弾頭を選択可能とする様に製造する)、ステルス
技術の適用、戦闘機サイズの航空機から発射できる能力、そして、高亜音速で、
低高度を、地形追随しながら飛行する能力などである。


■ 性能
ミサイル名 発射モード 弾頭タイプ 最大射程(マイル)* 配備開始

中国
YJ-63 空中発射 通常 不明 不明
DH-10 不明 通常又は核 不明 不明

フランス
APACHE-AP 空中発射 子弾頭 100+ 2002
SCALP-EG 空中または艦船 貫通体 300+ 2003
Naval SCALP 潜水艦/水上艦 貫通体 300+ 2010+

アラブ首長国連邦
BLACK 空中発射 貫通体 250+ 2006
SHAHEEN*

ドイツ、スウェーデン、スペイン
KEPD-350 空中発射 貫通体 220+ 2004

インド、ロシア
Brahmos-A 空中発射 通常 150+ 2010+

イスラエル
Popeye Turbo 空中発射 通常 200+ 2002

パキスタン
RA'AD 空中発射 通常又は核 200 不明
Babur 陸上 通常又は核 200 不明

ロシア
AS-4 空中発射 通常又は核 185+ 運用中
AS-15 空中発射 核 1,500+ 運用中
SS-N-21 潜水艦 核 1,500+ 運用中
Kh-555 空中発射 通常 不明 不明
New GLCM 陸上 通常 300以下 不明
3M-14E 水上艦/潜水艦/陸上 通常 185+ 不明

南アフリカ
MUPSOW 空中/陸上 通常 125+ 2002
Torgos 空中/地上 通常 185+ 2006+

台湾
Wan Chien 空中発射 通常 150+ 2006
HF-2E 陸上 通常 不明 不明

英国
Storm Shadow 空中発射 貫通体 300+ 2003
Note: 全ての射程距離は概算。射程距離はミサイル本体のみ。発射形態によっ
ては、システムとしての射程距離は大きく伸延する。
*BLACK SHAHEENはSCALP-EGの輸出タイプ


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/






2009年6月16日火曜日

ロシアも独自のミサイル防衛網で北朝鮮のミサイル攻撃に対応か?

※S-400対空ミサイルシステム
http://www.defencetalk.com/russia-s400-air-defense-systems-victory-day-18601/
より転載

極東に対空ミサイル ロシア、北への警戒強める

インタファクス通信によると、ロシアのノゴビツィン参謀本部次長は十一日、
最新鋭の対空ミサイル「S400」を極東地域に配備する考えを示した。
モスクワなど大都市を除く地方での同ミサイル配備は初。北朝鮮の二回目の核
実験実施や、新たな弾道ミサイル発射の兆候を見せていることなどを強く警戒
した措置とみられる。
ロシアは、北朝鮮が核保有国となることへの懸念を強めており、十一日に合意
に達した北朝鮮の核実験に対する国連安保理の制裁決議案の協議でも、消極的
対応から強硬姿勢に転換。オバマ米政権との協調を重視するロシア政権の思惑
も背景にあるが、核開発を加速する北朝鮮の脅威が最大の理由だ。
一方で、ロシアは、制裁強化による北朝鮮の暴走も懸念。ロシア外務省筋は同
日、タス通信に「決議は問題解決のために必要だが、北朝鮮が緊張を高める行
動を取らないことを望む」と述べた。
S400は、ロシア版ミサイル防衛(MD)の主力ミサイルとされ、モスクワ
とサンクトペテルブルク近郊にも配備されている。

(東京新聞 2009/6/12)


北朝鮮のミサイルと核開発に対抗する為に、日本はミサイル防衛網
の構築を進めている訳ですが、あれだけ北朝鮮の肩を持っていたロ
シアも冷静に北の核ミサイルに対する対抗手段の構築を進めている
ようです。

ロシアは元々、米国とのABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約に基づきモ
スクワを防衛するABMとしてガロッシュ迎撃ミサイルを配備してい
ました。米国でも一時期、ABMが配備されましたが、その後撤去され
ています。一方、ソ連/ロシアではそれを維持し、現在は、ABM-3
(ロシア名はA-135)システムを導入しています。このシステムは、
核弾頭装備のシステムですが、ロシアは、これに加え、通常弾頭で
弾道ミサイル迎撃能力を持つ対空ミサイルS400の生産と配備を行っ
ています。

このS400は、2003年から配備が開始された最新型の対空システムで
近距離から遠距離(400km)まで、地上5mから高度30kmまで、UAVやス
テルス機から弾道ミサイルまでを迎撃対象とする優れものであり、
WikipediaやGlobalsecurityの情報を読む限り、パトリオットを凌
駕する性能を持ってる様に思われます。

記事によれば、現在S400が配備されているのは、モスクワとサンク
トペテルブルグですが、北朝鮮が核ミサイルを配備した時にその目
標となる極東地区にも配備するというものです。
元々ロシアは、現在多数のシステムを保有している対空ミサイルシ
ステムの簡素化を推進しており、その大きな柱となっているのが
S400ですから、極東地区の対空ミサイルもいずれS400に切り替えら
れる予定ではあったろうと思われますが、北朝鮮の核開発の進展に
よって優先順位が変更されたのだと思われます。

S400は大量生産が予定されているので調達コストはかなり低くなる
と思われますが、それにしても、最新の対空システムですから大き
な費用を要する事に間違いありません。ロシアが北朝鮮の事を本当
に信頼できる国と考えているのであれば、その様な費用負担は不要
である筈です。しかし、表面上の北朝鮮の友好国としての顔の下で
ロシアは、最悪の事態を想定し、北朝鮮との関係がいつ険悪化して
も良い様にする対策をとっていると言えると様に思われます。


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2009年6月15日月曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(中)



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BALLISTIC MISSILES(弾道ミサイル)
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作戦可能な弾道ミサイルは、サイロや潜水艦や陸上を移動する発射台に配備さ
れている。移動式のミサイルは、隠すことができ、それにより生存性を大幅に
高める事ができるので、多くの国で好まれている。
多くの短距離弾道ミサイルでは、弾頭が爆発するまで、ミサイルの形状は発射
時のままである。長距離弾道ミサイルでは、弾頭は分離された再突入体に含ま
れる。いくつかの長距離弾道ミサイルは、MIRV(複数個別誘導再突入体)を装備
しており、ミサイル一基につき10個程度の再突入体(RV)が備えられている。再
突入体は、地球の大気圏に、ICBMの場合、一秒間に4~5マイルという非常な
高速で再突入する。
弾道ミサイルでは、固体燃料または液体燃料がロケットの推進システムとして
用いられる。近代的なミサイルシステムは、補給面での要請と運用の単純化の
為に、固体燃料が使用される傾向にある。しかしながら、いくつかの第三世界
諸国では、液体燃料技術を入手するのがより容易である事から、新しい液体燃
料ミサイルの開発が続けられている。

多段式ミサイルは、各々独立した推進システムが各段階にあるので、長距離作
戦に対して適している。
ICBMは通常、二ないし三段式で、目標に対し搭載物を推進する為に、強力な液
体燃料エンジンや固体燃料モーターを装備しており、ポスト・ブースト・ビー
クルには、もっと小さな推進システムが装備されている。ポスト・ブースト・
ビークルは単弾頭ミサイルの場合には再突入体の命中精度を改善し、MIRVを搭
載しているミサイルの場合には、再突入体が別々の目標に命中する様に、各々
異なった軌道を取る為に発射されるのに用いられる。いくつかのMIRVミサイル
は、一つのミサイルで1000マイル以上離れた目標を攻撃する事ができる。

高度の慣性誘導システムを備えた弾道ミサイルは、6000マイルを飛行した後で
目標の200~300フィート以内に再突入体を運搬する能力がある。多くのミサイ
ルで、衛星航法誘導の活用によって正確性が飛躍的に改善された。また、ミサ
イルには、非常に高い正確性を達成する為の終末センサーを持つ機動再突入体
(MaRV)を使用する事ができる。

より近代的な誘導技術が拡散したので、各国は、ミサイル戦力の正確性と致死
性を改善する事ができる。しかしながら、大きな都市を直撃する程度の正確性
をもつミサイルであっても、大量破壊兵器を装備した場合には大量の犠牲者を
負担させる事ができる。

多くの弾道ミサイルは再突入体に弾道ミサイル防御システムをくぐり抜けさせ
る事を目的にした侵入補助機能を装備している。侵入補助機能とは、ミサイル
や再突入体を探知、追跡するセンサーを欺瞞したり、無効化する事を目的とし
た装置である。侵入補助機能は、弾道ミサイルを開発したり運用したりしてい
る国々で重要性を増している。

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SRBM 短距離弾道ミサイル
射程 1,000 km以内 (621 mi)

MRBM 準中距離弾道ミサイル
射程 1,000-3,000 km (621-1,864 mi)

IRBM 中距離弾道ミサイル
射程 3,000-5,500 km (1,864-3,418 mi)

ICBM 大陸間弾道ミサイル
射程 5,500 km以上 (3,418 mi)

SLBM 潜水艦発射弾道ミサイル
射程に関わらず潜水艦から発射される弾道ミサイルは全て

------------------------------
SHORT-RANGE BALLISTIC MISSILES(短距離弾道ミサイル)
------------------------------

何ヶ国かは、現在でもSRBM(短距離弾道ミサイル)システムを生産するか開発す
るかしているが、他の多くの国では、ミサイル製造メーカーからミサイルやミ
サイル技術を購入している。新しいSRBMシステムが数ヶ国で開発されている。
中国は、台湾に近接する地域で近代的な固体燃料推進のSRBMの大きな戦力を展
開している。
ロシアのSCUD Bとも呼ばれているSS-1c Mod 1は、他のいかなる種類の誘導ミ
サイルよりも多くの国に輸出されており、広い用途で使用可能な適合性の高い
兵器であると認められている。
例えば、イラクのSCUDミサイルは1991年の湾岸戦争で使用されたが、射程距離
を二倍にする様に改造された。北朝鮮は独自のタイプのSCUD BやSCUD Bの射程
を延長させたSCUD Cを生産している。

SCUDは、もともと戦術戦場支援兵器として設計されたが、多くの国は、SCUDや
他のSRBMシステムを都市に対して使用される戦略兵器とみなしている。イラク
は、イラン・イラク戦争と1991年の湾岸戦争に戦略兵器として、射程距離延長
型のSCUDミサイルを使用した。他の国は、SCUDの正確性を大幅に向上させて、
価値の高い軍事目標や都市に対して利用するために改造した。最近の紛争では、
ミサイル防衛能力について関心が集まっており、ミサイル防衛能力の開発に対
する継続的な誘因を提供している。そして、それは、弾道ミサイル開発者には
ミサイル防衛対抗策を追求する動機を与える事になっている。一部のSRBM開発
者はすでにミサイル弾頭を機動させる様な対抗策を開発し始めており、対抗策
の開発継続が期待されている。

■性能
ミサイル名 推進剤  発射機 最大射程(マイル)
ロシア
SCUD B 液体 道路移動 185
(SS-1c Mod 1)
SS-1c Mod 2 液体 道路移動 150+
SS-21 Mod 2 固体 道路移動 43
SS-21 Mod 3 固体 道路移動 75
SS-26 固体 道路移動 185+
Iskander-E 固体 道路移動 170+

中国
CSS-6 Mod 1 固体 道路移動 370
CSS-6 Mod 2 固体 道路移動 550+
CSS-6 Mod 3 固体 道路移動 450+
CSS-7 Mod 1 固体 道路移動 185
CSS-7 Mod 2 固体 道路移動 370
CSS-8 第一段:固体 道路移動 93
第二段:液体
B611 固体 道路移動 93

北朝鮮
SCUD B 液体 道路移動 185
SCUD C 液体 道路移動 310
Toksa 固体 道路移動 75
ER SCUD 固体 道路移動 435-625

インド
Prithvi I 液体 道路移動 93
Prithvi II 液体 道路移動 155
Dhanush 液体 艦載 250
Agni I 固体 道路移動 435

パキスタン
Hatf-1 固体 道路移動 50
Shaheen I 固体 道路移動 280+
Ghaznavi 固体 道路移動 250

イラン
Fateh-110 固体 道路移動 120+
Shahab I 液体 道路移動 185
Shahab II 液体 道路移動 310
CSS-8 固体/液体 道路移動 93

シリア
SCUD D 液体 道路移動 435
Note: 全ての射程距離は概算

■ランチャー数と戦闘序列

国名
ミサイルシステム ランチャー数*

ベラルース
SS-21s/SCUDs 100基以下
カザフスタン
SS-21s/SCUDs 50基以下
シリア
SS-21s/SCUDS 100基以下
中国
CSS-6/CCS-7 200基以上
リビア
SCUDs 100基以下
トルクメニスタン
SCUDs 25基以下
エジプト
SCUDs/SS-1 25基以下
北朝鮮
Toksa/SCUDs 100基以下
ウクライナ
SS-21s/SCUDs 200基以下
インド
Prithvi-I/II 50基以下
Agni I 25基以下
パキスタン
Ghaznavi/Shaheen-1 50基以下
ベトナム
SCUD-Bs 25基以下
イラン
CSS-8/Fateh-110/SCUDs 100基以下
ロシア
SCUDs/SS-21/SS-26) 200基以下
イエメン
SRBMs(SCUD/SS-21s) 25基以下

*ミサイル保有数はランチャー数よりもはるかに多い。
これは、ミサイル発射後ランチャーが再利用される
事による。

------------------------------
MEDIUM-RANGE & INTERMEDIATE-RANGE BALLISTIC MISSILES
(準中距離弾道ミサイルと中距離弾道ミサイル)

------------------------------

新しいMRBM(準中距離弾道ミサイル)やIRBM(中距離弾道ミサイル)システムは、
中国、北朝鮮、イラン、インドとパキスタンで開発されている。これら戦略的
なシステムであり、そして、ほとんどは非通常弾頭を装備している。イラン以
外のこれらの国は、全て、核実験を行っている。ロシアも合衆国も1988年に効
力を発生した中距離核戦力(INF)条約によって禁止されているのでMRBMもIRBM
も生産したり、保持していない。中国は、非常に活発にMRBMの開発を行ってい
る。中国の長期的、且つ広範囲の戦力変革では、戦力展開能力を向上させてお
り、中国の弾道ミサイルは、台湾が関係するどの様な将来の対立においても、
外国の軍隊の紛争地域へのアクセスを拒否する中国の努力で鍵となる役割を担
っている。中国は、地域の核抑止力のために、現在、核装備のCSS-2、CSS-5
Mod 1、CSS-5 Mod 2を配備ている。中国は、より長射程で精密な攻撃を行うた
めの、新しい通常弾頭のMRBMも調達している。これらのシステムは、補給拠点
や地域的な飛行場や港湾を含む軍事基地を脅かすか、または攻撃する事を目的
としている様に思われる。特筆すべきは、中国はCSS-5の派生型を基にした
対艦弾道ミサイル(ASBM)を開発している事である。

北朝鮮には野心的な弾道ミサイル開発計画があり、ミサイル技術をイランとパ
キスタンを含む他の国に輸出している。北朝鮮は、核兵器を保有している事を
みずから認めている。北朝鮮のテポドン1は1998年8月に衛星を軌道に乗せる
試みに使われた。小さな第三段が衛星を軌道に乗せる事に失敗したが、二段式
のブースターは明らかにうまく作動した。テポドン1は、長射程ミサイル開発
のために必要な技術を北朝鮮が持っている事を示している。北朝鮮は、開発中
のIRBMを持っている。このシステムは、他の国に輸出されるに違いない。

イランには広範囲なミサイル開発計画があって、ロシア、中国と北朝鮮の機関
からの援助を受けている。イランのShahab 3 MRBMは、北朝鮮のノドンミサイル
を基にしている。イランは、その射程と有効性を拡張するために、Shahab 3を
改良した。イランは、2004年にShahab 3の改良版をテストしたと主張している。
それに続くイランの当局の声明では、改良されたShahab 3の最大射程は1,250
マイルであり、イランにはShahab 3ミサイルを大量生産する能力があることを
示唆している。2008年には、イランは2,000km射程の二段式固体推進MRBMの発
射テストを二回実施している。2008年後半と2009年前半には、多段式宇宙打上
ロケットSafirを発射したが、それは長射程弾道ミサイル技術のたたき台とし
ても用いる事ができるものだった。そして2009年のテストでは、衛星を軌道に
乗せる事に成功した。Safirは弾道ミサイルとして使われるならば、恐らくIRBM
としての射程を達成することができるだろう。

インドは、その弾道ミサイルを開発し、改善し続けている。インド当局は、固
体燃料推進のアグニII MRBMが配備準備ができたと述べている。新しい固体燃
料推進のアグニIII IRBMは、2006年以降三回、飛行テストを実施されている。
インドのミサイル開発者は、射程3,000~3,700マイルのICBMを製造する能力が
あると述べている。

パキスタンは、ミサイルの実射試験を含む実地訓練を通じて、陸軍戦略軍コマ
ンドと個々の戦略ミサイルグループの即応性と能力の改善を続けている。
パキスタンは2004年以降六回その固体燃料推進のシャヒーン2 MRBMをテスト
しており、このミサイルシステムは、恐らく、すぐに配備されると思われる。

■性能
ミサイル名 段数 推進剤 発射機 最大射程(マイル) ランチャー数*

中国
CSS-2 1 液体 移動可能 1,900 5基~10基
(限定的な移動性)
CSS-5 Mod 1 2 固体 道路移動 1,100+ 50基以下
CSS-5 Mod 2 2 固体 道路移動 1,100+ 50基以下
CSS-5 通常型 2 固体 移動式 1,100 30基以下
CSS-5 ASBM 2 固体 移動式  900+ 配備未完了

サウジアラビア (中国製造**)
CSS-2** 1 液体 移動可能 1,750 50基以下
(限定的な移動性)

北朝鮮
No Dong 1 液体 道路移動 800 50基以下
IRBM 1 液体 移動式 2,000+ 50基以下

インド
Agni II 2 固体 線路移動 1,250+ 10基以下
Agni III 2 固体 線路移動 2,000+ 配備未完了

パキスタン
Ghauri 1 液体 道路移動 800 50基以下
Shaheen II 2 固体 道路移動 1,250+ 不明

イラン
Shahab 3 1 液体 道路移動 800 50基以下
(全派生型込)
Shahab 3派生型 1 液体 道路移動 1,200+
新型MRBM 2 固体 道路移動 1,200+ 配備未完了
IRBM/ICBM    不明 不明 不明 不明 不明

Note: 射程距離は全て概算
* ランチャー一基に数機のミサイルが利用可能と思われる。
** 輸出用のCSS-2は通常弾頭装備


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2009年6月12日金曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(上)


米国国立航空宇宙情報センター(NASIC)から「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの
脅威」の新版が発表されましたので、ご紹介します。
弾道ミサイル及び巡航ミサイルについての動向が非常に完結に、且つ、素人に
も判り易く説明してあると思います。英語も平易で写真や図も豊富ですので、
原本にもあたられる事をお勧めします。
http://www.fas.org/irp/threat/missile/naic/NASIC2009.pdf


国立航空宇宙情報センター(NASIC)
ライト・パターソン空軍基地
NASIC-1031-0985-09

BALLISTIC AND CRUISE MISSILE THREAT
  弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威

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TABLE OF CONTENTS(目次)
-----------------------------

Key Findings(主要な発見)
Threat History(脅威の歴史)
Warheads and Targets(弾道と目標)
Ballistic Missiles(弾道ミサイル)
Short-Range Ballistic Missiles(短距離弾道ミサイル)
Medium-Range andIntermediate-Range Ballistic Missiles(中距離及び準中距離弾道ミサイル)
Intercontinental Ballistic Missiles(大陸間弾道弾)
Submarine-Launched Ballistic Missiles(潜水艦発射弾道ミサイル)
Land-Attack Cruise Missiles(陸上攻撃巡航ミサイル)
Summary(要約)

-----------------------------
Key Findings(主要な発見)
-----------------------------
多くの国で、弾道ミサイルや巡航ミサイルシステムは費用対効果の高い兵器で
あり、国力のシンボルであるとみなされている。それに加えて、それらは合衆
国の空軍力に対して非対称な脅威を与えている。

多くの弾道ミサイルや巡航ミサイルシステムは大量破壊兵器を装備している。

北朝鮮は、ICBM(大陸間弾道弾)として開発された場合には、核弾頭を装備し米
国に到達可能なTD-2(テポドン2)の開発を継続している。また、中距離弾道弾
(IRBM)と、新しい固体燃料短距離弾道ミサイルも開発されている。

イランは、Shahab 3(シャハブ3)準中距離弾道ミサイル(MRBM)を改造し、射
程距離と有効性を拡張し、より射程距離の長いミサイル開発に向けた技術と能
力を高めている。2008年には、イランは二段式固体燃料MRBMの発射実験を行っ
た。2008年後半から2009年前半にかけ、イランは長距離弾道ミサイル技術のた
たき台として用いることができる多段式人工衛星打上ロケット(SLV)を発射
した。十分な外国からの援助が得られれば、イランは、2015年までには合衆国
に到達するICBMを開発し、テストすることができると思われる。

中国は、世界で最も活発で多様な弾道ミサイル開発計画を保有している。
中国は攻撃用ミサイルの開発とテストを行っており、新たなミサイル部隊を編
成し、特定のミサイルシステムの質的改善を図っており、また、弾道ミサイル
防衛網への対抗手段を開発している。
中国の弾道ミサイルは、ミサイルの数とタイプの両面で拡大している。
CSS-10 Mod 1(DF-31)とCSS-10 Mod 2(DF-31A)の両ICBMが追加されると共
に、台湾周辺で新しい戦域ミサイルの配備が続いている。
新しいJL-2潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)も、開発中となっている。
将来のICBMは、恐らく、MIRV(複数個別誘導再突入体)を装備するものが含まれ、
合衆国に到達できる核弾頭の数は、15年以内に100個を上回るものに拡大する
に違いない。

インドとパキスタンは、新しい短距離と長距離の弾道ミサイルを開発し続けて
いる。パキスタンは2004年以降6回に亘って固体燃料のShaheen 2(シャヒーン2)
MRBMをテストした。そして、インドは2006年以降3回、新しい固体燃料推進の
Agni III(アグニ3)IRBMをテストした。インドによれば、固体燃料のAgni II
(アグニ2)MRBMの配備準備が完了している。

ロシアは、引き続き2000個を上回る核弾頭を合衆国に到達可能なミサイルに配
備している。ロシアの戦略ロケット軍は、軍備管理による制限と資源の不足に
より数的には縮小しているものの、新しいICBMとSLBMシステムの開発が進めら
れており、ロシアは合衆国外では、最大の戦略弾道ミサイル戦力を保有してい
る。

陸上攻撃巡航ミサイルは (LACMs)は、軍事作戦に大きな脅威を与えることがで
きる非常に効果的な兵器システムである。
少なく共、10年以内に海外の九ヶ国がLACMの生産に携わる事になると予想さ
れ、多くのミサイルが輸出可能になると見込まれている。

------------------------------
THREAT HISTORY(脅威の歴史)
-----------------------------
合衆国とその領域に関してと同様に、弾道ミサイル及び巡航ミサイルは、海外
における米国と同盟国の軍隊に対しても、重大な脅威となる。
有人の航空機での攻撃が非現実的であるか、あまりに高くつくような恐るべき
防空システムを保有する敵に対しても効果的に使用することができるので、ミ
サイルは多くの国にとって魅力的である。
それに加え、ミサイルは、抑止や強制の道具としても使うことができる。ミサ
イルは、有人の航空機に対して、保守や訓練、補給に関する要求でも有利さを
持つ。少数の使用であってもミサイルは、破壊的でありえる。何故なら、ミサ
イルは化学兵器、生物兵器、核兵器を弾頭に装備する事ができるからである。
弾道ミサイルと巡航ミサイルの脅威はミサイル技術の拡散により継続的に増加
している。20ヶ国以上が弾道ミサイルシステムを保有しており、ミサイルは、
合衆国の軍隊が関与する将来の紛争でも脅威となる。
弾道ミサイルは過去25年の間、イラン・イラク戦争、アフガニスタン内戦、
イエメン内戦、1991年と2003年のペルシア湾紛争、チチェンとグルジアでのロ
シアの軍事行動と言ったいくつかの紛争で使われている。
LACMは、拡散が広まっているとは言えないが、今後10年で、20ヶ国が保有す
る事になると思われる。

合衆国空軍は、他の軍とも共同で、弾道ミサイルと巡航ミサイルの脅威に対し
抑止や、必要に応じて、活発な抑制を通して対処する役割を持っている。
この脅威の抑制には、発射前や飛行中のミサイルシステムへの攻撃や、支援イ
ンフラへの攻撃が含まれる。この文書には、現存及び計画中の主要な海外の弾
道ミサイル及び巡航ミサイルの情報が含まれている。
--------------------------------------------------
誘導された巡航ミサイルと弾道ミサイルは、第二次大戦中にV-1号巡航ミサ
イル及びV-2号弾道ミサイルとしてドイツによって、英国及び北部ヨーロッ
パを目標とする攻撃に初めて用いられた。これらのミサイルは不正確だったが、
その使用により数万人もの連合国側の犠牲者が出た。
--------------------------------------------------

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WARHEADS AND TARGETS(弾頭と目標)
-----------------------------


弾道ミサイル及び巡航ミサイルは、通常弾頭あるいは非通常弾頭を装備する事
ができる。通常弾頭は(例えばTNTの様な)化学爆薬で満たされており、爆薬と
結果として生じる金属ケースの破片の爆発を致死のメカニズムとしている。
非通常弾頭には、大量破壊兵器(核・生物・化学兵器)が含まれると共に、致死
性ではない弾頭、比較的新しい種類の兵器で人を殺傷するよりも武器を使用不
能とするよう設計されたものが同様に含まれている。
通常弾頭と、生物、化学兵器は、単一の弾頭、あるいは、子弾頭(広い地域に
散らばる様、高度をとって発射される複数の小さな小型爆弾)として成形され
ている。

通常弾頭は、特定の種類の目標のために最適化することができる。例えば、子
弾頭は飛行場の滑走路にクレーターを作ったり、装甲車両を破壊するのに用い
られる。貫通弾頭は、比較的少量の爆薬をぶ厚い金属ケースに覆った形で使わ
れるが、バンカーといった強化構造物を貫通する事ができ、内部を破壊する。

多くの長距離弾道ミサイルや、いくつかのタイプのLACMは、核弾頭を装備する。
これらの弾頭の殆どは、第二次大戦中に使用された原子爆弾と比べ、数十倍か
ら数百倍の爆発力を持っている。化学兵器と生物兵器は、多くの第三世界諸国
にとって魅力的であろう。何故なら、核兵器に比べ容易に製造する事ができる
為である。化学兵器と生物兵器戦争のプログラムを持つ多くの国は、弾道ミサ
イル及び巡航ミサイルを保有している。これらの兵器を都市部や軍事基地の集
中した地域に使用する場合は正確性はあまり重要ではない。
化学・生物兵器は、大量の犠牲者を作り出し、民間人をパニックと混乱に誘導
し、軍事作戦の遂行能力を深刻に低下させることができる。

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BALLISTIC MISSILES(弾道ミサイル)
-----------------------------
作戦可能な弾道ミサイルは、サイロや潜水艦や陸上を移動する発射台に配備さ
れている。移動式のミサイルは、隠すことができ、それにより生存性を大幅に
高める事ができるので、多くの国で好まれている。
多くの短距離弾道ミサイルでは、弾頭が爆発するまで、ミサイルの形状はその
ままである。長距離弾道ミサイルでは、弾頭は分離された再突入体に含まれる。
いくつかの長距離弾道ミサイルは、MIRV(複数個別誘導再突入体)を装備してお
り、ミサイル一基につき10個程度の再突入体(RV)が備えられている。再突入体
は、地球の大気圏に、ICBMの場合、一秒間に4~5マイルという非常な高速で
再突入する。
弾道ミサイルは、固体燃料または液体燃料がロケットの推進システムとして用
いられる。近代的なミサイルシステムは、補給面での要請と運用の単純の為に、
固体燃料が使用される傾向にある。しかしながら、いくつかの第三世界諸国で
は、液体燃料技術を入手するのがより容易である事から、新しい液体燃料ミサ
イルの開発が続けられている。



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2009年6月11日木曜日

北朝鮮の肩を持つ事で自分の首を絞める中ロ

※写真は国連安全保障理事会

北核実験 7カ国が制裁決議案に合意、週内採択へ

2度目の核実験を強行した北朝鮮への対応を協議していた国連安全保障理事会
常任理事国5カ国と日本、韓国の7カ国は10日、北朝鮮に対する非難と制裁
措置を盛り込んだ決議案で合意に達した。7カ国は、引き続き同日午前に招集
された安保理の非公式協議にこの合意案を提示、週内の決議案採択を目指す。

決議を採択する見通しがついたことで、国際社会は北朝鮮の挑発行為について
厳しい姿勢を示したかたちだ。しかし、核実験実施から決議の採択まで3週間
近くもの時間を費やしたことは、北朝鮮をめぐる国際社会の思惑の違いをも浮
き彫りにすることにもなった。

協議は、強い制裁措置を主張していた日米が、慎重な対応を求める中国に配慮
を示した結果、9日の時点で双方が合意した。ただ、ロシアが細部でさらなる
調整を求めた結果、10日の大使級会合で7カ国が最終的に合意に達した。

合意内容の詳細は明らかになっていないが、強い制裁措置を求めていた当初の
日米案からは、北朝鮮の暴発を恐れ慎重な対応を求める中国に配慮するかたち
で、後退した内容になったとみられる。焦点となっていた北朝鮮に出入りする
船舶に対する貨物検査(臨検)では、日米が求めていた各国への自国領内での
臨検実施義務化が見送られるもようだ。

一方で北朝鮮はすでに、決議が採択されれば「強硬な非常措置をとる」と警告
しており、さらなる長距離ミサイルの発射などの動きも見せている。国連外交
筋は、長距離ミサイル発射の場合は再び安保理緊急会合が招集されるとしてお
り、北朝鮮情勢をめぐっては引き続き、緊迫したやりとりが国連を舞台に続く
ことになりそうだ。
(産経新聞 2009/6/10)


以前にも、述べている事ですが、大事な事なので、繰り返します。
今回の安保理協議で一番おかしいのが、中ソが北朝鮮の肩を持ち、
結果的に北朝鮮の核保有国化に手を貸してしまっている点です。

もし、北朝鮮が核保有国としてのステータスを得る事ができたとし
て、それは何を意味するのでしょうか。それは核拡散防止条約(NPT)
を批准した国であっても、北朝鮮の様に上手く立ち回れば、国際社
会は、核保有を認めるという事です。

現在、五大国(P5)以外に、インド、パキスタン、イスラエルという
事実上の核保有国がありますが、これらの三ヶ国は元々NPTを批准
していませんでした。つまり核を保有する意思を隠しておらず、そ
れによる不自由を甘受した上で核保有を実現したと言えます。
しかし北朝鮮はちがいます。NPTを批准する事で、NTP批准国は、
IAEAを通じて原子力平和利用に関する情報へのアクセスが許容され
ます。北朝鮮は、そこで得た情報に、パキスタンのカーン博士の核
の裏ネットワークを通じた技術情報と資材によって、核保有を実現
したのです。

パキスタンの核開発は、カーン博士の核の裏ネットワークを作り出
しましたが、北朝鮮が核保有に成功すれば、イラン、シリアが後に
続く事は目に見えています。そうなると、第二第三のカーン博士や
裏ネットワークが出現しておかしくありません。一部の報道によれ
ば、北朝鮮は、「米国を嫌っている国」への核拡散の意図があると
伝えられています。北朝鮮は、現在でさえ、ニセ札、覚醒剤、ニセ
タバコ、武器等の非合法製品の輸出に手を染めているとされていま
す。既に地下組織への販売ルートは整っており、今度は、核兵器も
製品リストに加わる事になります。

米国にとっては、許しがたい事でしょうが、これは同時に中ソにと
っても許しがたい事態である筈です。中ロ両国はある種の「帝国」
であり、国内に少数民族問題や民族紛争を抱えています。北朝鮮や
その他のならずもの国家やテロ組織から、中ソの現政権に反対する
勢力に核兵器が流れないという保証はどこにもなく、中ロ両国が、
反対勢力を厳しく弾圧する抑圧体制を敷いているだけに、それに対
する反対派も先鋭化していると言えます。それだけに非政府組織に
よる核使用の可能性は、米国に対するより、中ロの方がより高いと
すら言えるのです。

これに加え、現在のNPT体制下で、中ロは持てる国としての特権を
認められています。しかしながら、北朝鮮に続く国が増加する事で
核保有国の特権が空洞化する事になり、最終的には、特権そのもの
に意味がなくなる事になります。そして、現在の国連常任理事国が
全て核保有国である事に見られる様に、核兵器を保有する事による
非核保有国に対し軍事的にもっていた絶対的な優位が、核の保有量
の違いという相対的な優位に転化してしまう事にもなりかねないの
です。
総合国力で考えれば、米、英、仏は、経済的にも高い国力がありま
すが、中、ロは軍事力がその総合国力に占める割合が高いだけに
NPT体制の崩壊による影響はより深いと言えます。

以上の二点から考えても、中ロが今回の安保決議で北朝鮮への強い
制裁決議を回避した事は、まさに天に唾する行為であるとしか言え
ない様に思われてなりません。


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2009年6月10日水曜日

北朝鮮はこのところ、何を主張しているのか?

※写真は、産経新聞サイトより転載

テポドン発射から核実験まで、密度の濃い期間の電波浴をお楽しみ
下さい。当初は人工衛星発射と言っていたのが、核実験後はミサイ
ル発射と言っているのが、ご愛嬌です。(ミサイル発射というのが
短距離ミサイルの事であれば別ですが...)

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【盧前大統領死亡】「自殺は計画的政治虐殺だ」 北の対韓機関

北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」は9日、韓国の盧武鉉前大統
領の自殺について「米国と、南朝鮮(韓国)の親米・保守勢力による計画的な
政治テロ、政治虐殺だ」と文書で主張した。朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮メディアが盧氏の自殺を「政治テロ」と断言、米国非難と関連づけて報
道したのは初めて。(共同)
(産経新聞 2009/6/10)
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北朝鮮:挑発行為受ければ核兵器行使と警告-AP通信

AP通信は9日、北朝鮮が挑発行為を受ければ核兵器行使を伴う「容赦ない攻
撃」を実施すると表明したと報じた。
(Bloonberg 2009/6/9)
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【北核実験】「決して見過ごせない」 北朝鮮が日本の制裁強化に警告

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は8日、日本が北朝鮮の2回目の核実
験実施を契機に単独制裁の強化を検討していることを「決して見過ごせない」
と非難、「強力な対応措置が伴うことを警告する」との論評を掲載した。朝鮮
中央通信が伝えた。
論評はまた「われわれの核実験やミサイル発射は正当防衛措置」「核実験は朝
鮮半島やアジア、世界の平和に寄与」などと主張した。(共同)
(産経新聞 2009/6/9)
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「全面戦争は時間の問題」 北朝鮮紙、韓国に警告

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は6日、韓国が米国主導の大量破壊兵
器拡散防止構想(PSI)への全面参加を決めたことについて「われわれの自
主権への挑戦で売国行為」と非難、「PSI参加が武力衝突と全面戦争へとつ
ながるのは時間の問題だ」と警告する論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮は今年2月にも、同通信の論評で「物理的衝突だけが時間の問題として
残っている」と韓国をけん制したことがあるが、今回は「全面戦争」まで言及
し韓国のPSI参加に強い反発を示した。
この日の論評はまた、「無分別な挑戦には強力な報復で立ち向かうのが、われ
われの革命的気質であり、想像もできない報復打撃で残るのは灰だけだ」と強
調した。(共同)
(産経新聞 2009/6/6)
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【盧前大統領死亡】「李明博政権が追い詰めた」 北朝鮮紙が非難

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は5日、韓国の盧武鉉前大統領の自殺
に関連し、李明博政権が盧氏を「心理的に圧迫して死に追いやった」と非難す
る論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮メディアが、盧氏の自殺と李政権非難を関連付けて取り上げるのは初めて。
論評はまた「朝鮮半島の平和は、われわれの自衛的な核抑止力で守られている」
と強調、「米国の核の傘が韓国を守っている」との李政権の主張は「現実を判
断する初歩的な能力もない者の詭弁(きべん)」と指摘した。(共同)
(産経新聞 2009/6/5)
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【北核実験】北、軍事的強硬対応は正当と論評

 ラヂオプレスによると、北朝鮮の朝鮮中央放送は28日夜、韓国の大量破壊
兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加表明に対し、北朝鮮軍部などが27
日に「軍事的な強硬対応」を発表したことを「極めて正当なものだ」と主張す
る論評を放送した。
論評はまた、「わが国は、米帝と李明博一味(韓国の李政権)のわずかな敵対
行為にも、直ちに強力な報復打撃を加えるだろう」と強調した。(共同)
(産経新聞 2009/5/29)
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「日本全土が報復圏内」「修羅場に」と警告 北朝鮮

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は29日、自民党内で敵基地攻撃能力
保有論が取り上げられ、麻生太郎首相が法的な可能性に言及していることなど
を「再侵略の野心の表れ」と非難、「日本が再侵略戦争を起こすなら、全土が
報復打撃の圏内となる」と警告する論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
論評はまた、「日本の主要都市である東京、大阪、横浜、名古屋と京都には、
日本の人口の3分の1以上が住み、工業の基幹部分が集中している」とした上
で、「強力な反撃が行われれば、日本は修羅場になるだろう」と強調した。(共同)
(産経新聞 2009/5/29)
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【北核実験】国連決議あっても「認めない」と北

北朝鮮の外務省報道官は29日、2回目の核実験実施に対し国連安全保障理事
会が決議や決定を出しても「認めない」と言明、制裁決議などが採択された場
合は「さらなる自衛的措置が不可避となる」と警告する談話を、朝鮮中央通信
を通じ発表した。
報道官はまた、今回の核実験は「衛星打ち上げ」に対する安保理議長声明やそ
の後の制裁に対する「自衛的措置の一環」と強調。「事態がここ(核実験)ま
で進んだのは、米国と追従勢力にすべての責任がある」と述べ、米国などを非
難した。
さらに北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)やミサイル関連技術輸出規制(MT
CR)などの国際法の規制を受けずに「国家の最高利益が侵害される場合には、
核実験やミサイル発射をいくらでも行う権利を有している」と主張した。(共同)
(産経新聞 2009/5/29)
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【北核実験】北朝鮮が米国と国連を批判「二重基準」

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は28日、米国が核問題や人権問題な
どで「自国に従う国には問題があっても黙認し、従わない国々には強圧的に対
応する二重基準の政策を展開している」と非難する論評を掲載した。朝鮮中央
通信が伝えた。
論評はまた、国連安全保障理事会に対し「公正性を失い二重基準政策に走れば、
国際機構としての存在意義を失うことになる」と指摘した。今回の核実験には
触れなかったが、安保理の制裁論議をけん制したとみられる。(共同)
(産経新聞 2009/5/28)
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【北核実験】北朝鮮の「宣戦布告」声明文の要旨

北朝鮮の朝鮮中央通信が27日伝えた朝鮮人民軍板門店代表部の声明文の要旨
は次の通り。
1、韓国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)全面参加をわれわれに対する
  宣戦布告とみなす。
1、われわれの船舶に対する取り締まり、検査など、いかなるささいな敵対行
  為も、わが共和国の自主権への容認できない侵害とみなし、即時に強力な
  軍事的打撃で対応する。
1、わが軍はこれ以上、休戦協定に拘束されない。休戦協定が拘束力を失えば、
  朝鮮半島は直ちに戦争状態に戻り、わが革命武力は軍事的行動に移る。
1、黄海上の米韓軍艦および一般船舶の安全航海を担保できない。
(産経新聞 2009/5/27)
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【北核実験】北、包囲網に反発「直ちに強力な軍事的打撃で対応する」

北朝鮮の朝鮮人民軍板門店代表部は27日、韓国が米国主導の大量破壊兵器拡
散防止構想(PSI)への全面参加を26日に決めたことを「宣戦布告と見な
す」と非難する声明を、朝鮮中央通信を通じ発表した。
核実験実施で今後予想される国際的な圧力包囲網へのけん制とみられる。
声明は、PSIに伴う北朝鮮船舶への臨検などは「わが国への容認できない自
主権侵害と見なし、直ちに強力な軍事的打撃で対応する」と表明。さらに朝鮮
戦争休戦協定について「もはや拘束されなくなり、わが革命武力は軍事的行動
に移るだろう」とした上で、黄海の南北境界水域での船舶の安全航行や、同水
域で韓国領となっている五つの島の法的地位も「保証できなくなる」と警告し
た。(共同)
(産経新聞 2009/5/27)
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【北核実験】「強大な国力を誇示」と強調 平壌で祝賀大会

北朝鮮の朝鮮中央通信によると、平壌で26日、2回目の核実験の成功を祝う
市民大会が開かれた。大会では朝鮮労働党の崔泰福書記が演説、「強大な国力
を誇示した」と「実験成功」の意義を強調した。
崔書記は「今回の核実験は、米帝の核先制攻撃の脅威と制裁圧力策動がさらに
甚だしくなっている状況で、共和国(北朝鮮)の最高利益を守り、国と民族の
尊厳と自主権を固守するための快挙」とも指摘した。
ラヂオプレスによると、祝賀大会を報じた北朝鮮の朝鮮中央放送は「すべての
演説者は、偉大な領袖・金日成同志の誕生100周年にあたる2012年に強
盛大国の大きな扉を開くという党の崇高な構想と意図を輝かしく実現していく
ことを強調した」と伝えた。
北朝鮮では2006年10月の1回目の核実験の際も、平壌をはじめ全国各地
で祝賀大会が開かれた。今年4月に長距離弾道ミサイルを発射した際も、平壌
の金日成広場で「人工衛星打ち上げ成功」を歓迎する市民大会が開かれた。
(産経新聞 2009/5/27)
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【北核実験】「敵視政策に変化なし」 北朝鮮紙、オバマ政権を非難

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は26日、オバマ米政権が北朝鮮に対
し「ブッシュ前政権の無謀な軍事的圧殺政策をそのまま踏襲している」と主張、
「敵視政策に少しも変化はない」としてオバマ政権をあらためて非難する論評
を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
論評は25日に行った2回目の核実験には言及しなかったが、「われわれには
核兵器より威力ある一心団結(の体制)があり、必勝不敗の軍事力がある」と
し、「米帝の先制攻撃策動に備え、万端の戦闘準備態勢を備えている」と強調
した。
また労働新聞は26日、2回目の地下核実験の「成功」を伝えた25日の朝鮮
中央通信の報道を1面に掲載した。2006年10月の核実験の際は、実施を
伝えた同通信の報道を3面に掲載していた。(共同)
(産経新聞 2009/5/26)
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【北核実験】北朝鮮の党機関紙「当然の選択」

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は25日の論評で、核再実験と大陸間
弾道ミサイル(ICBM)の試射は「帝国主義侵略勢力の軍事的脅威の強まり
に対抗し、朝鮮半島の平和と民族の安全を守るための当然の選択」と強調した。
同紙はまた別の記事で「平和的な核エネルギーの開発と利用は、今日の世界で
一つの流れとなっている」と主張した。
いずれも同日の核再実験実施には言及していないが、掲載当日に実験が行われ
た点が注目される。(共同)
(産経新聞 2009/5/25)
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【北核実験】「脅し続けるなら、新たな核実験も」北朝鮮当局者

在モスクワ北朝鮮大使館当局者は25日、イタル・タス通信に対し、北朝鮮が
核実験を実施した事実を確認した上で、「米国やその同盟国が北朝鮮に対する
脅しを続けるのなら、新たな核実験を行う可能性がある」と述べた。
(産経新聞 2009/5/25)
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【北核実験】「地下核実験を成功裏に実施」北朝鮮発表全文

25日の朝鮮中央放送と平壌放送は正午の定時ニュースで、第3項目に、朝鮮
中央通信社が報道した「いま1度の地下実験を成功裏に実施」との発表を伝えた。
全文は以下の通り
     ◇
わが方の科学者、技術者らの要求に従い、共和国の自衛的核抑止力を各方面か
ら強化するための措置の一環として、主体98(2009)年5月25日、い
ま1度の地下核実験を成功裏に行った。
今回の核実験は、爆発力と操縦技術において新たな高い段階で安全に実施され、
実験の結果、核兵器の威力をさらに高め、核技術を絶えず発展させる上での科
学技術的問題を円満に解決することになった。
今回の核実験の成功は、強盛大国の大きな扉を開くための新たな革命的大高潮
の炎を力強く燃え上がらせ、150日戦闘に一丸となって立ち上がったわが軍
隊と人民を大きく鼓舞している。
核実験は、軍事優先の威力で国と民族の自主権と社会主義を守護し、朝鮮半島
と周辺地域の平和と安全を保障する上に寄与するであろう。(RP)
(産経新聞 2009/5/25)
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北朝鮮紙が論評「国民のための政治期待できず、日本の未来明るくない」

北朝鮮の内閣などの機関紙「民主朝鮮」は21日、民主党の代表交代や、鴻池
祥肇前官房副長官が週刊誌に女性問題を報じられ辞任したことなど、最近の日
本の政局を紹介しながら、「今後の選挙結果がどうなるか断定できないが、国
民のための真の政治は期待できず、日本の未来は明るくない」との論評を掲載
した。
北朝鮮メディアが、民主党の小沢一郎代表の辞任と鳩山由紀夫幹事長の代表就
任を伝えるのは初めて。
論評は「今後行われる衆議院選挙は、麻生太郎首相と鳩山代表の対決になる見
通し」としたが、政権交代の行方と日朝関係には言及しなかった。(共同)
(産経新聞 2009/5/21)
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北朝鮮が道路管理を要求 違反すれば罰金

韓国統一省は21日、北朝鮮の中央特区開発指導総局が先月末、開城工業団地
にある道路の管理義務と罰則を明記した細則草案を送付してきたことを明らか
にした。
中央日報によると、草案には44の条項が記載され、大半が韓国側に順守を求
める内容。環境汚染や道路を損傷させる恐れのある車の通行を禁止し、入居す
る企業に道路使用料を徴収、自転車道や街路樹などを備えた「最上級」の道路
を建設することも韓国側に求めている。違反した場合には最高1万ドル
(約94万円)の罰金を科すとしている。
同省は、草案について「現在、南北間で協議を進めている」としている。
(産経新聞 2009/5/21)
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「戦争で南朝鮮は火の海、廃虚に」北の委員会が報道官談話

北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」は18日、韓国の外交通商省
が北朝鮮の核問題や「衛星」打ち上げを国連などで非難し南北関係を破綻させ
たと主張、「このままでは戦争が起き、南朝鮮(韓国)が火の海、廃虚となる
のは避けられない」と警告する報道官談話を出した。朝鮮中央通信が伝えた。
韓国の李明博政権が南北関係の進展と核問題を一体化させ、北朝鮮との懸案に
ついて、国連や日米などとの多国間外交を通じて取り組もうとする姿勢をけん
制したとみられる。
談話は、外交通商省が韓国政府の中でも「最も悪質で無分別な反民族的集団」
と非難。開城工業団地で韓国側職員が拘束されている問題を、国連人権委員会
に持ち込もうとしていることについても「立場をわきまえず介入している」と
批判した。(共同)
(産経新聞 2009/5/19)
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米に対話前の謝罪要求 北朝鮮

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は19日に掲載した対米論評で「米国
は(北朝鮮との)対話を持ち出す前に、これまで合意した内容を覆し、わが国
の自主権を侮っていることについて謝罪すべきだ」と主張、米オバマ政権に対
北朝鮮政策の根本的な転換を求めた。朝鮮中央通信が伝えた。
論評は「オバマ政権がスタートして以降の(対北朝鮮)政策は、過去(の敵視
政策)と少しも変わらず、より凶悪な方法で強化されている」と非難。米国が
北朝鮮との対話を呼び掛けるのは「火を放つのに有利な条件をつくるためのジ
ェスチャーにすぎない」と指摘した上で「米国の侵略策動に対処し、自衛的な
核抑止力をさらに強化するのはわれわれにとって最重要の課題だ」と強調した。
(共同)
(産経新聞 2009/5/19)
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北朝鮮、相変わらず「衛星は現在も稼働」

北朝鮮の朝鮮中央通信は18日、先月打ち上げられた試験通信衛星「光明星2
号」が現在も軌道で正常に稼働しているとする記事を配信した。社会主義経済
建設で科学者や技術者が大きな役割を果たしている、と紹介する記事の中で主
張した。
一方、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は同日、米韓の対北朝鮮政策を批判した
論評で、オバマ米政権もブッシュ前政権の敵視政策を継続していると主張。
「向き合っても得るものはあるのか」とし、政策転換がない限り対話には応じ
ない立場をあらためて示した。(共同)
(産経新聞 2009/5/18)
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北朝鮮、開城工業団地の契約無効を宣言

北朝鮮は15日、南北経済協力事業として運営されている開城工業団地の契約
無効を一方的に宣言し、韓国側に提示した賃上げなど新たな条件を受け入れる
意思がなければ団地から撤退してもよいとの立場を表明した。韓国の李明博政
権への揺さぶりが狙いとみられる。
北朝鮮は4月21日に開かれた南北政府間協議で、工業団地の土地使用料支払
いの前倒しと従業員の賃上げなど契約の全面的な見直しを韓国側に通告。2回
目の南北協議の日程調整が進められる中、韓国側が工業団地内で3月末に拘束
された韓国人男性職員の釈放問題に関する協議開催を求めていた。
北朝鮮側は、これに「不当な問題」と反発。日程調整が難航していた。
韓国政府は15日午前、南北協議を18日に開くことを北朝鮮側に提案したと
ころ、この日午後になって北朝鮮側から契約無効の通知文が届いたという。通
知文は「今後の事態がどのように険悪に発展するかは、全面的に南側の態度に
かかっている」と警告した。
これに対し、韓国統一省報道官は論評を発表し、「無責任な行動だ」と北朝鮮
を非難。「北朝鮮の一方的な措置を受け入れられない」として、南北協議に応
じるよう北に求めた。
2000年に締結した南北間の合意により、工業団地は、韓国の政府や民間企
業などが7300億ウォン(約550億円)を投資して開発。韓国の進出企業
は現在約90社で、北朝鮮の従業員約3万9000人と韓国側関係者
約1000人が勤務している。
(産経新聞 2009/5/15)
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北の朝鮮中央通信、米に核軍縮率先を要求

北朝鮮の朝鮮中央通信は12日、「米国が核軍備競争を終息させようとするな
ら、世界最大の核保有国である自らの核政策を直ちに是正すべきだ」と米国に
核軍縮を率先して行うよう要求する論評を出した。
オバマ米大統領が4月にプラハで行った核軍縮演説には言及しなかったが、同
演説を念頭に置いた論評とみられる。
論評はまた「核を持った相手には核だけが通用する」とした上で「日増しに露
骨になる米国の核戦争策動に対処し、われわれが自衛的な核抑止力を備えるこ
とは正当だ」と主張した。(共同)
(産経新聞 2009/5/13)
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「オバマ政権と向き合っても成果ない」 北労働党機関紙

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は12日、「衛星打ち上げ」に対する
国連安全保障理事会の議長声明の不当性を強調、「国連安保理が直ちに誤りを
認め謝罪しなければ、核(再)実験と大陸間弾道ミサイルの発射試験を含む自
衛的な対応措置を講じざるを得ない」とあらためて警告する論評を掲載した。
朝鮮中央通信が伝えた。
論評はまた、オバマ米政権が「ブッシュ前政権と同じ旧態依然の(対北朝鮮)
敵視政策を展開している」と非難、「そのような相手と向き合っても成果はな
い」と主張した。(共同)
(産経新聞 2009/5/12)
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「南北対話は論議の余地なし」 北朝鮮、韓国に反発

北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」は9日、報道官談話を通じ、
韓国政府が北朝鮮の人権問題を提起したことについて、「わが方(北朝鮮)の
尊厳と体制を全面否定したものだ」と非難し、「われわれを公然と中傷、冒涜
し、露骨に否定した状態で北南間の対話について論議する余地すらない」と主
張した。韓国の聯合ニュースが伝えた。
4月21日に開催された南北の政府間協議を受け、次回協議は早ければ来週中
にも開催されることが予想されていたが、今回の談話からは、協議が開催され
るかは不透明だ。
米ワシントンで4月下旬に開かれた北朝鮮の人権弾圧に抗議する行事「北朝鮮
自由の週」に、今回初めて韓国政府を代表して諸成鎬(チェ・ソンホ)北朝鮮
人権大使が参加。韓国政府の対北人権政策の方向性と北朝鮮の人権改善に向け
た政府の取り組みを説明した。
北朝鮮は談話の中で、この行事に参加した諸大使が「脱北者定着村建設」に触
れたことなどをとくに問題視し、「われわれの度重なる警告にもかかわらず、
反共和国(北朝鮮)人権騒動で一層狂奔している」と批判した。
(産経新聞 2009/5/9)
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北の専門機関が「光明星2号」目的は達成と発表

北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会は7日、試験通信衛星「光明星2号」の打ち
上げから1カ月過ぎたことを受け、「試験通信の目的を十分に達成した」など
とする報道官談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
談話はまた「今後の実用衛星発射のための科学技術的な土台作りに大きな進展
があった」と指摘。時期は明示しなかったものの、実用衛星打ち上げを計画し
ていることも示唆した。
4月5日に打ち上げた「光明星2号」が軌道に進入、通信が行われていると専
門機関が強調することで、「平和目的」との主張を支える狙いがあるとみられ
る。長距離弾道ミサイルの発射だったとする国際的な批判には触れなかった。
(共同)
(産経新聞 2009/5/8)
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北朝鮮が米政権を名指しで初非難 「わが国への敵視政策に少しも変化はない」

北朝鮮の外務省報道官は8日、「オバマ米政権がスタートし100日間の政策
動向を見守ったが、わが国への敵視政策に少しも変化はないことが明白になっ
た」と述べ、オバマ政権を名指しで初めて非難した。朝鮮中央通信を通じ語った。
報道官はまた、「われわれを変わりなく敵視する相手と向き合っても、何も生
まれない」と指摘、米国の政策転換がない限り対話する意向のないことを示唆
した。
北朝鮮は4日、外務省報道官が朝鮮中央通信を通じ、「現在の米政権」との表
現でオバマ政権非難を開始した。6カ国協議再開に向け、7日から日中韓など
参加国への歴訪を始めた米国の北朝鮮担当、ボズワース特別代表の動きをけん
制する狙いもあるとみられる。(共同)
(産経新聞 2009/5/8)
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「力には力で対抗」北朝鮮機関紙がオバマ外交を非難

北朝鮮の内閣などの機関紙「民主朝鮮」は7日、オバマ米政権の外交政策を
「本質においてブッシュ前政権と少しも変わらない単独主義的政策を実施して
いる」と非難した上で、「米国の力の政策には力で対抗するのがわれわれの固
い意志、信念だ」とする論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮は4日、外務省報道官の談話を通じてオバマ政権への本格的な非難を開
始しており、同紙の論評も非難攻勢の一環とみられる。
論評はまた「米国は自分の力を過信して国際的な正義と公正を踏みにじる国際
社会のごろつき」などと主張した。(共同)
(産経新聞 2009/5/7)
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金総書記、列車で2カ月間移動生活「人民経済が心配で家に帰って安心して眠れない」
労働党機関紙

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は7日の論評で、金正日総書記が経済
再建や国民生活向上のため「昨年末から約2カ月間、家に戻れず列車で生活し
ながら、人民経済のさまざまな部門で現地指導を続けている」とする発言を伝
えた。
発言時期は今年2月の「意義深い祝日」としており、同月16日の金総書記自
身の誕生日での発言とみられる。
金総書記は「この2カ月は旧正月など祝日も多く、家で家族と休みたいという
思いもなくはなかったが、人民経済が心配でそうはできなかった」と述べ、経
済再建までは「家に帰って安心して眠れない」と話したとも伝えた。(共同)
(産経新聞 2009/5/7)
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「意識かすむ時もある」金総書記、疲労を吐露

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は4日付で、金正日総書記がある党実
務者と面談した際、「仕事が多く疲れることは事実だ。私がどんな仕事もてき
ぱきと片付けると話す人もいるが、そうではない」とした上で、「時には数時
間も精神を集中し考えようとすれば、意識がかすむ時もある」と語ったとする
記事を掲載した。
発言時期は「ある年の暑い夏の昼食時間」としたが、健康が悪化したとされる
昨年8月かどうかは不明。金総書記が自らの健康状態に立ち入り、心情を吐露
する発言が紹介されるのは異例。
同紙はまた、金総書記が「長時間考えた末、明け方に明白な答えを探し当てる
喜びは何事にも替え難い」と話し、「一生涯、仕事に没頭しようと思う。これ
が私の最大の幸福であり喜びだ」と語ったとも伝えた。(共同)
(産経新聞 2009/5/5)
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北朝鮮が米政権への本格非難開始 「政策に変化なし」

北朝鮮の外務省報道官は4日「現在の米政権」の対北朝鮮政策はブッシュ前政
権と「少しも変わりはない」と指摘、オバマ政権を初めて本格的に非難する立
場を朝鮮中央通信を通じ表明した。
北朝鮮は「衛星打ち上げ」に対する国連安全保障理事会の議長声明採択後、使
用済み核燃料棒の再処理着手や核再実験の方針表明など段階的に緊張をエスカ
レート。この過程でも米国を非難してきたが、北朝鮮当局が公式に「現在の米
政権」とオバマ政権を念頭に非難の対象として言及したのは初めて。(共同)
(産経新聞 2009/5/4)
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国民総動員態勢を提示 「150日戦闘」と北朝鮮

北朝鮮は4日、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」の社説を通じ、経済分野を中心
に国民総動員態勢を図る「150日戦闘」を全国民に提示した。今年9月の建
国記念日や10月の党創建記念日を目標にした経済再建策とみられるが、一定
の成果を示すため今後、核再実験や長距離弾道ミサイルの再発射などの動きを
本格化させる可能性もある。
北朝鮮で期間を区切り生産や建設の目標達成を促す経済運営方式は「速度戦」
と呼ばれており、これまで1970年代の「70日戦闘」「100日戦闘」や
80年代の「200日戦闘」などが代表的。最近では、2005年の党創建
60周年を前に「100日戦闘」が展開された。
社説は今回の「150日戦闘」が、故金日成主席の生誕100周年となる
2012年に「強盛大国」を建設するための「闘争を左右する」と意義を強調
している。(共同)
(産経新聞 2009/5/4)
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「盗人たけだけしい」 韓国人拘束非難に北が反論

北朝鮮の開城工業団地を統括する朝鮮中央特区開発指導局の報道官は1日、北
朝鮮当局による韓国企業、現代峨山の韓国人男性職員の拘束を韓国が非難して
いることについて「盗っ人たけだけしい」と反論した。朝鮮中央通信を通じ表
明した。
男性職員は北朝鮮の政治体制を非難したとして拘束された。報道官は職員が
「われわれの自主権を侵害し、法に抵触する重大な行為を犯した」として拘束
の正当性をあらためて強調、「引き続き詳しく調査している」とした。
さらに、韓国が非難を続けるなら「事態はさらに厳しくなり、開城工業団地の
事業にも不利になる」とけん制した。(共同)
(産経新聞 2009/5/1)
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6カ国関連条項を除外 非同盟閣僚級会議でと北朝鮮

北朝鮮の外務省報道官は1日、キューバで4月30日閉幕した非同盟諸国会議
の閣僚級会議で採択された最終文書で、これまで記載されてきた6カ国協議を
含む朝鮮半島関係の条項が除外され、同協議が「もはや必要なくなった」とす
る北朝鮮の主張が会議で理解を得た、と表明した。朝鮮中央通信を通じ述べた。
報道官はまた、「会議の参加国は、破綻(はたん)した(韓国との)北南関係
も言及する必要がないと認めた」とした。北朝鮮は今回の会議に、朴宜春外相
率いる政府代表団を派遣している。(共同)
(産経新聞 2009/5/4)
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大阪生まれの李明博大統領非難 北朝鮮紙「民族の魂を大阪に埋めた」

北朝鮮の内閣などの機関紙「民主朝鮮」は23日、韓国の李明博大統領が日本
の歴史教科書検定問題を非難しない姿勢を見せているとした上で「生まれると
同時に民族の魂を大阪に埋めた」李大統領を「除去する(退陣させる)闘争を
強化すべきだ」と主張する論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
論評は日本の歴史認識を問題視しない李大統領は「日本の反動勢力の再侵略の
野望に同調しているとんでもない親日逆賊だ」と批判した。
北朝鮮メディアは、今年1月にも李大統領を「日本に忠実な日本人」と批判し
たことがある。(共同)
(産経新聞 2009/4/23)
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「繁栄のため、疲れても我慢する」 金総書記の発言紹介

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は17日、試験通信衛星「光明星2号」
打ち上げの意義を取り上げた論評で、金正日総書記が国家繁栄のため「疲れて
いても我慢する」と語ったとのエピソードを紹介した。
発言時期は不明だが、金総書記は「人間は体を気遣わねばならないが、私には
そのような時間はない」とした上で「私も疲れれば眠気に襲われるが、祖国と
人民の運命を背負っているという使命感、われわれがより多く仕事をしてこそ
国が繁栄し、人民が幸福になるという責任感から」と理由を説明したという。
論評はさらに「核保有国の空に打ち上がった光明星2号は帝国主義の敵との決
戦で勝利を宣言した戦勝の祝砲」と強調した。(共同)
(産経新聞 2009/4/17)
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【北ミサイル】「この程度の情報力でミサイルを迎撃するのか」 北「労働新聞」

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は10日、試験通信衛星「光明星2号
」打ち上げの意義を扱った論評で、「電波妨害をはじめ、あらゆる障害の中で
も、衛星から発せられる信号は各地ではっきりと観測されている」と指摘した。
論評は、「われわれの衛星を否定しようとする(日米韓などの)卑劣な策動は
現在も続いている」と主張。また発射をめぐる日本の誤情報発表について、
「この程度の情報力で(北朝鮮の)ミサイルを迎撃するのか、というあざけり
を受けざるを得なかった」と批判した。
同日の「労働新聞」は、通常より2面増やした8面で構成、9日に平壌で行わ
れた最高人民会議第12期第1回会議の結果を伝えた。(共同)
(産経新聞 2009/4/10)
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軌道に沿い周回

「『銀河2号』により『光明星2号』を軌道に進入させることに成功した。
『銀河2号』は『光明星2号』を自らの軌道に正確に進入させた。『光明星2
号』は40・6度の軌道傾斜角で、地球から最も近い距離が490キロメート
ル、最も遠い距離が1426キロメートルの楕円軌道に沿って回っており、周
期は104分12秒だ。衛星は自らの軌道に沿って正確に回っている。衛星か
らは不滅の革命頌歌「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」の旋律と測定資
料が470メガヘルツで地球上に伝送されており、衛星を利用してUHF周波
数帯域で中継通信が行われている。衛星は宇宙の平和利用のための科学研究事
業を推進し、今後、実用衛星発射のための科学技術的諸問題を解決する上で決
定的な意義を有する。偉大な領導者、金正日同志の雄大な構想に従い、父なる
領袖(故金日成主席)の誕生100周年にあたる2012年までに、何として
も強盛大国の大きな扉を開くための新たな革命的大高潮の炎が全国に強く燃え
広がっている激動の時期に収められた宇宙科学技術の飛躍的な発展を象徴する
今回の衛星発射の成功は、総進軍の道に一丸となって奮い立ったわが人民を大
きく鼓舞している」(4月5日、朝鮮中央通信)
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「平和的衛星打ち上げに難癖をつけることは、国際宇宙条約が当事国に同等に
付与している主権国家の自主的権利に対する乱暴な蹂躙(じゆうりん)行為で
あり、国際法に対する無知の表れだ。国連安保理でわが方の人工衛星打ち上げ
問題が取り上げられること自体が、すなわち6者会談(6カ国協議)の崩壊を
意味する」(4月1日、民主朝鮮)
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「日本は、衛星が打ち上げられた場合、独自の追加制裁を講じ、国連安保理に
上程するだろうとわめいている。彼らは衛星を迎撃すると豪語し、騒ぎ立てて
いたが、今や運搬ロケットから段階別に分離する『残骸(ざんがい)が日本の
領土に落ちた場合のみ』と言葉を変える哀れな境遇となった。日本が迎撃をし
ようがしまいが、わが方は恐れない。日本が迎撃へと進んだ場合、わが軍隊は
最も強力な軍事的手段によってすべての迎撃手段とその牙城を無慈悲に粉砕す
るであろう」(3月31日、朝鮮中央通信)
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「国際社会は、主権国家の平和的衛星打ち上げについて共感し、期待を表して
いる。わが共和国は、他のすべての衛星打ち上げ国と全く同様の国際的手続き
と慣例に従い衛星を発射する。これを広範な国際社会が評価している」
(3月29日、労働新聞)
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「国連安保理が議長声明であろうと、たった一言でも非難する文書のようなも
のを出すのはもちろん、上程して取り上げること自体が乱暴な敵対行為だ」
(3月26日、北朝鮮外務省)
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「米国とその一部追従勢力は、衛星運搬ロケットが長距離ミサイルと技術が区
別されないため、わが方が衛星を発射すれば自分らにとって脅威になるという
論理を展開し、国連安保理で問題視しなければならないと騒いでいる。米国、
日本をはじめ、わが方の衛星発射に言いがかりをつける国々はすべてわが方よ
り先に衛星を打ち上げた国々である。衛星発射の技術が長距離ミサイル技術と
同じならば、それらの国々こそミサイル技術も先に開発し、より多く蓄積して
いることを物語っている。国連安保理が他国の衛星発射問題を取り扱い問題視
したことはない」(3月24日、北朝鮮外務省)
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「日本反動らは最近、敵国の弾道ミサイル発射を即座に探知できる早期警戒衛
星まで開発しようとしている。彼らの世界征服の野望がどの程度まで至ってい
るかを如実に示している」(3月23日、労働新聞)
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「衛星迎撃への即時対応打撃戦は堂々たる自衛的措置である」
(3月12日、労働新聞)
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「平和的衛星に対する迎撃は戦争を意味する。迎撃に対しては、最も威力ある
軍事的手段による即時の対応打撃で応える」(3月9日、朝鮮人民軍総参謀部)
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「(衛星発射は)国際的に公認された自主的な権利だ。わが共和国はすでに、
久しい前に堂々たる衛星発射国となっていた」(2月27日、朝鮮中央放送)
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