韓国紙、朝鮮日報は22日、米国が中国に対し、国連安全保障理事会決議によ
る対北朝鮮制裁への積極的な参加を促すため、特使としてキッシンジャー元国
務長官の派遣を検討していると報じた。外交筋の話としている。
同筋によると、先週、韓国の李明博大統領が訪米した際に行われた協議で、米
側が高官を中国に派遣する方針だと説明、有力候補としてキッシンジャー氏の
名前が挙がったという。(共同)
(産経新聞 2009/06/22)
北「核で世襲」幻想捨てるべき…米新政権が譲るという誤算
もはや「覆せない(Irreversible)」合意がワシントンのキーワードだ。
米国は核交渉が再開する場合、非核化プロセスの最終段階である核廃絶から出
発しようとしている。北朝鮮のすべての核と核物質をテーブルの上にのせて、
廃棄と補償を協議しようとしている。
米国の暫定的な結論通り、北朝鮮が最後まで核を断念しない場合、米国は核の
不拡散をいかにして達成するのだろうか。答弁は衝撃的だ。オバマ政権の人々
は言葉を控えるものの、ブッシュ政権が初期に進めた北朝鮮の体制交代(Regime
Change)のほかに方法がない、という立場だという。
ぞっとする過去への回帰だ。より衝撃的なのは米国が「北朝鮮の体制交代」を
行動に移す場合、その直前に在韓米軍を、北朝鮮のミサイルの射程に入る韓国
から撤退させる方針だということだ。北核問題をめぐる事態が、米国の「北朝
鮮体制の交代に向けた措置」によって悪化すれば、米軍が撤退し、韓国の各都
市、産業施設、軍事基地が北朝鮮のミサイルのターゲットに入ることになるのだ。
北朝鮮が韓国を攻撃する場合、米国が核の傘と通常戦力で守ると確実に公約し
たものの、それが韓国の「被害ゼロ」を保証するわけではない。だから南北
(韓国・北朝鮮)が交わす進軍喇叭(らっぱ)のような強硬姿勢が非常に不安
に思える。
米国は北朝鮮に対話の扉を開けておいてはいるものの、制裁の局面で対話をも
の乞いする考えはない。北朝鮮に拘束中の米国人女性記者問題を核交渉に結び
つける考えもない。だから北朝鮮が希望するアル・ゴア元副大統領の平壌(ピ
ョンヤン)訪問にも冷淡だ。オバマ政権を「押せば押される」と誤算したのが
北朝鮮の失敗だ。
事態が非常に危うい。北朝鮮は現実を直視すべきだ。核兵器で強盛大国を実現
し、26歳の青年に世襲する権力の基盤を固めるという時代に反した幻想を捨
てねばならない。中国は「北朝鮮の崩壊より、核を持った北朝鮮の存続が有利
だ」という偏狭な国家利己主義を捨てるべきだ。対北制裁に積極的に加わり、
北朝鮮を交渉のテーブルに戻らせねばならない。
韓国と米国は中国を動かすことに外交力を集中すべきだ。韓米同盟と韓中関係
のバランスを取るべきだ。韓国は制裁の局面でも、対話を通じて南北関係を管
理していかねばならない。李明博(イ・ミョンバク)大統領は8月15日(独
立記念日)の演説で、北朝鮮が拒めない提案をしなければいけない。
(中央日報 2009/6/22)
上の記事が事実であるとすれば、今時、何の為に米国はキッシンジ
ャーを派遣するのか疑問とする処です。中国に安保理決議に協力さ
せるというのは、あまりにも漠然としすぎています。共和党政権の
元国務長官であり、米中接近と、ベトナム撤退を実現した中国の古
い友人で、バーゲニング外交の第一人者を送るには相応の理由があ
る筈です。
それに対する回答が二番目の中央日報の記事です。オバマ政権は、
北のレジームチェンジを決意しているというものです。
核廃絶を訴えたオバマに対して、北朝鮮は、オバマを甘く見すぎて
強く押しすぎたという内容です。北朝鮮との対話チャネルを開くの
にタイミング良く(?)発生した米国ジャーナリストの逮捕事件に対
しても、ゴア元副大統領が対朝交渉に乗り気な割には、オバマ政権
が奇妙に無関心な印象を与えているのも事実です。
記事にある、体制変更の実施前に、在韓米軍を撤退させるというの
は、もし本当であれば、米国が仕掛けるタイミングが誰の目にも明
らかになってしますので、眉唾かとも思います。
しかし、米国が、レジームチェンジだけを狙うのであれば、米軍を
動かす必要はありません。米国も、そして、実は韓国も、ボトムラ
インは、現状維持ができれば良いのであり、まともなインフラ整備
に幾らかかるか判らない最貧国の救済に手を出す気はサラサラない
のです。米軍によって北が解放されるよりは、北朝鮮の伝統的同盟
国であり、血の盟約を結んだ中国が自らレジームチェンジの手を下
す事で、引き続き、朝鮮半島の北半分を中国の勢力化に置いた方が、
中国にとって有利であるのは言うまでもありません。
特に、最近のミサイル発射実験と核実験に対する、中国の安保理決
議案参加で、北朝鮮は中国の事を米国追従勢力とまで非難している
と言うのでは、出来上がった核ミサイルの照準が北京に合わせられ
る事まで中国は、心配せざるを得ない事になりつつあります。
オバマにしてみれば、偉大な大統領として名を残す事にも繋がる核
廃絶の実現どころか、北朝鮮が核武装する事で、韓国や日本にも核
のドミノ的拡散が懸念される状態となり、少なく共、条約上の義務
に基づいて、韓国や日本に核を再配備せざるを得なくなるのでは、
北朝鮮によって人類の進歩が逆行を余儀なくされると感じて不思議
ではありません。
そうであれば、キッシンジャーのカバンの中には、北朝鮮のレジー
ムチェンジを中国が行うか、さもなければ、米国によるレジームチ
ェンジを黙認して欲しいというオバマからの親書が入っていてもお
かしくは無い様に思われるのです。
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