1960年の日米安全保障条約改定で合意した軍事行動に関する事前協議制度に関
し、有事の際の米軍による核兵器の日本本土への配備も対象にしていたことが
分かった。村田良平元外務次官(79)が日本経済新聞のインタビューで明らか
にした。核兵器を日本本土に配備する場合、事前協議はするものの、日本側は
配備に反対しないとした日米両政府の密約が存在すると証言した。
村田氏によると、密約には核兵器を搭載した米軍の艦船や航空機の日本寄港や
通過は事前協議の対象外とする内容も含んでいる。だが「意味は米国が核兵器
を日本国土内に恒常的に置くということだ」と説明。核配備を想定した「有事」
は「朝鮮、場合によっては台湾かもしれない。米ソの対決で万が一、米ソ戦争
すらありうる」と語った。
(日本経済新聞 2009/6/30)
日本が非核三原則(持たず、作らず、持ち込まず)を建前とせざるを
得なかった事は、今から考えれば、当時の政治情勢から見て妥当性
を持っていたとしても、実は極めてナンセンスとしか言いようがあ
りません。
言うまでもなく、当時は勿論、現在でも日本は日米安全保障条約に
より、米国の核の傘の下にあります。六十年安保の当時は冷戦の真
っ只中であり、ソ連は、米国の核の傘の有効性を損なわせる事が自
国にとっての利益であった訳ですから、非核三原則を厳格に日本に
守らせる事によって、日本周辺から、自国を攻撃する核兵器を排除
しようとしたのは当然の事でした。ソ連はそのツールとして、日本
のいわゆる進歩系知識人と称した実は共産主義シンパを結集したに
過ぎません。
日本政府の従来の答弁通りであれば、米国の核兵器を搭載した艦船
が日本に寄港する場合は、どこか(韓国やグアムの米軍基地)で、わ
ざわざ核兵器を下ろしてから日本に寄港し、日本を出発したら、ま
た、核兵器を装備する為に、そこへ寄港するという非合理な行動を
取らなければならなくなります。また、核兵器を搭載した艦艇は日
本領海を通過する事もままならなくなってしまいます。核の傘を有
効にする上で、これらが如何に非合理的な要求であるかは容易に想
像する事ができます。
更に、米国と共産主義国家群の間で、熱戦が予想される極東有事の
事態が発生した時は、日本が、攻撃を受ける可能性がある時期とも
言えます。朝鮮戦争でも、ベトナム戦争では、日本は、米国にとっ
て巨大な補給拠点として極めて重要な役割を果たしました。その様
な重要補給拠点を極東有事の際に、共産軍が無傷のまま残してくれ
ると考えるのは、お笑い草以外の何者でもありません。核抑止力が
機能していなければ、当然攻撃されていたに違いないのです。
実際には、ICBMやSLBMの能力の発展速度が、速かった事もあり、核
兵器、特に戦術核兵器の前進配置の必要性は、じょじょに低下しま
したが、核兵器の前進展開が抑止力として意味を持った時期があっ
たのも事実です。その様な事実を踏まえれば、非核三原則に基づく
日米事前協議で、日本国内への核兵器展開に、日本側がYesと応え
る局面がある事は想像できますし、中国や北朝鮮の核ミサイルが日
本を照準している事は自明である事から、現実的な必要性とは別に、
米国が日本防衛の為に報復用核兵器を配備する事で日本へ差しかけ
た核の傘の有効性を誇示し、中国や北朝鮮の核を抑止する必要性が、
今後もないとは言えないと思われます。
これらを勘案すれば、安保密約が存在に関する神学論争は極めて時
代遅れであり、日本にとって安保条約の有効性を高める方向で、非
核三原則についての政府見解を修正すべきではないかと考える次第
です。
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