2009年6月18日木曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(余)

※写真は中国の移動式ミサイルの発射シークエンス

最初は三回で終了する予定でしたが、要約部分が字あまりになって
しまいましたが、「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」はこれで
全訳終了です。
今、pdfファイルにする準備を進めています。
原典にあってブログに載せられなかった写真や図なんかもpdfでは
全部ではありませんが復元したと思っています。
ミサイルを調べる時の基礎的な資料として使って頂ければ幸いです。

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SUMMARY(要約)
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弾道ミサイルはすでに広範囲にわたって使用されており、今後とも数的にも多
様性も増加し続けるだろう。弾道ミサイルで使用する目的で大量破壊兵器を入
手する事が可能になる事で、この脅威の重要性は著しく増加する。ロシアの戦
略ミサイル戦力が量的には縮小しているにもかかわらず、ロシアは、恐らく、
合衆国以外では最も大きな戦略弾道ミサイル戦力を保持し続けるだろう。新し
い弾道ミサイルシステム(SS-27 ICBMとSS-N-23 Sineva、及び
SS-NX-32/Bulava-30 SLBM)の開発には、高い優先順位が与えられている。
ロシアの当局は、新しい種類の極超音速飛行体が、戦略弾道ミサイルとして、
ミサイル防衛システムを突破するために開発されていると述べている。ロシアは、
また、新型のイスカンダール-E SRBMを輸出しようとしている。

中国は先進的な技術の弾道ミサイルを生産しており、弾道ミサイル技術を他の
国に売り込んでいる。中国は、非常に大きな戦域ミサイル配備計画があり、台
湾の隣接地に弾道ミサイルの大きな戦力を展開している。中国は、この戦力の
到達範囲を拡大しており、将来の地域紛争に外国が関与するのを防ごうと試み
ている。中国は既に、ICBMの比較的小さな戦力で合衆国を目標にできているが、
今後、中国のICBM戦力は、相当程度、成長すると見込まれる。

北朝鮮はテポドン2 ICBM/人工衛星打上ロケットの開発を続けており、IRBMの
開発も行っている。北朝鮮は弾道ミサイルシステムを輸出しており、今後も恐
らくそれを続けると思われる。

LACMの拡散は、今後十年で更に拡大する。少なくとも九ヶ国が、LACMの生産に
関与している。大多数の新しいLACMは、非常に正確で、通常弾頭を装備してお
り、輸出も可能である。ミサイルが通常弾頭しか装備していなくても、多くの
LACMの高い正確性は、目標に重大な損傷を負わせる事ができる。合衆国の防衛
システムは、多方向から同時に目標を攻撃する低空飛行のステルス型巡航ミサ
イルによって、非常に圧迫を受けるに違いない。

弾道ミサイル及び巡航ミサイルは、比較的低い運用経費、防御システムを突破
する可能性、及び国力の象徴として価値から、多くの国で攻撃用兵器として選
択され続けるだろう。それ故に、将来の軍事計画と作戦において慎重に考慮さ
れなければならない脅威であると言える。


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