2009年1月23日金曜日

あたご衝突事故 軍隊への尊敬がない国の悲喜劇



※写真は毎日新聞サイトから転載

イージス艦「あたご」衝突事故 海自の組織的責任認める

海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、横浜地方
海難審判所(織戸孝治審判長)は22日、「あたご」の所属部隊の第3護衛隊
(京都府舞鶴市)に勧告を言い渡した。刑事裁判の判決に当たる「裁決」で、
海自の組織的責任を認めたことになる。

審判では、あたごの乗員らが内規を守らなかったり、十分な見張りを行ってい
なかったなどずさんな航行が明らかになった。その上で、理事官側は「あたご
が動静監視不十分で、清徳丸の針路を避けなかった」と指摘。指定海難関係人
とした前艦長、舩渡健1等海佐(53)ら4人とあたごの所属部隊の第3護衛
隊(京都府舞鶴市)の計5者に勧告を請求していた。

一方、海自側は「衝突の1分前に清徳丸が大きく右転し、事故が起きた」と主
張。事故後に再発防止策などを徹底したとして勧告は不要と述べた。

事故は平成20年2月19日午前4時5分ごろ、千葉県・野島崎沖で発生。清
徳丸に乗っていた吉清(きちせい)治夫さん=当時(58)=と長男の哲大
(てつひろ)さん=同(23)=が死亡認定された。第3管区海上保安本部
(横浜)は、監視と回避行動を怠ったとして、業務上過失致死容疑などで衝突
時と衝突前の当直責任者だった3佐2人を書類送検した。

(産経新聞 2009/01/22)

この衝突は、起きるべくして起きた事故であると私は考えます。
勿論、「あたご」側にも海難審判で指摘された見張り体制の問題が
あるのも事実です。しかしながら、最大の問題は、漁船側に自衛艦
を避けるつもりが全くなかったという事です。
海軍は、自国船舶を守る事がその存在の最大の目的の一つですが、
守られるべき船舶の側が守っている船に対する尊敬がなければ、守
られる資格がないと言えるかも知れません。

今回審判で認定された航跡図では、時速約20kmでゆっくりと直進す
る「あたご」に対して「清徳丸」が、その二倍のスピードで航路前
方を横切ろうとした事が判っています。確かに海上衝突予防法では、
相手を右に見る船が衝突を避ける事になっています。
しかしながら、「あたご」と「清徳丸」では、大きさが全く違いま
す。「あたご」が、一万トン級であるのに対し、「清徳丸」は数ト
ンしかありません。当然の事ながら、速度も運動性も全く異なりま
す。運動性の良い小型船の方が、障害物を避け易いのは明らかです。
しかも「清徳丸」の僚船が「あたご」に対してジグザグに航行した
事も判っており、衝突を避けようとすれば、進路を推定し易くする
為に、ゆっくりと直進するのが実務上は、適切という意見もあるの
です。

更に、「清徳丸」と衝突したのが、例えば、「あたご」と同程度の
大きさの中型の貨物船であった場合、あるいは、相手が海上保安庁
の巡視船であった場合、「清徳丸」は、衝突コースを漫然と維持し
たのか、また、海難審判所が今回と同じ判断をしたのかについては
疑問が残ります。

相手が護衛艦であったからこそ、「清徳丸」は直進したのではない
かと思えるのです。もし、「清徳丸」に護衛艦に対する尊敬や畏れ
の念があれば、「清徳丸」は、「あたご」に進路を譲っているに違
いありません。審判所の意見の中でも指摘されている様に、「清徳
丸」は、衝突を回避する協力を行っていませんでした。
その点に、護衛艦に対する甘えと傲慢さが見えるとすら言えます。

今回の事故は、まさに戦後日教組教育によって、自衛隊を敵視する
思想を植え付けられた漁民によって引き起こされた自業自得の事故
であると言える様に、私には思われてなりません。


環球閑話日々の徒然まとめサイト


2009年1月22日木曜日

候補者から為政者へ変身したオバマ氏

※Reutersサイトから転載

封じた「CHANGE」 現実見据えた再生へ決意

米国の第44代大統領に就任したバラク・オバマ氏(47)は20日(日本時
間21日未明)の就任演説で、選挙戦で聴衆を高揚させた「変革(チェンジ)」
などの派手なキャッチフレーズを避け、国民の結束によって「米国の再生に取
り掛かる」と、重々しく呼びかけた。“肩透かし”に等しい地味な演説は、景
気後退など厳しい環境下で船出した政権の周辺から、虚飾や過剰な期待を排し
ておく政治判断によるようだ。

就任宣誓に続く20分足らずの演説で、選挙期間中にオバマ氏の代名詞ともな
った「変革」「希望」の使用頻度は、無関係の文脈まで含めても、それぞれ2
度だけにとどまった。

代わってオバマ氏が描いた米国の現状は、出口の見えないテロ組織との戦いや、
「一部の者の強欲と無責任」と厳しい決断の先送りが招いた「経済の激しい弱
体化」など、政権交代後もにわかに解決は難しい「本物の試練」だった。

オバマ政権の移行チーム関係者は、就任式典が近づいた先週末のあたりから、
演説が「責任と透明性」(ラム・エマニュエル新大統領首席補佐官、49歳)
を強調する地味で固い内容となることをメディアに根回ししてきた。オバマ氏
が敬愛するエイブラハム・リンカーン(1809~1865年)やジョン・F・
ケネディ(1917~1963年)ら、歴代大統領の名演説を「敢えて意識し
ない」とも伝えられた。

■「責任分担」明確に示す
就任演説は、大半の部分をオバマ氏自身がまず執筆し、その後、大統領選をと
もに戦い抜いた主任スピーチライターのジョン・ファブロー氏(27)と推敲
を重ねたとされる。だとすれば、就任演説への“期待値”を予め引き下げる広
報対応は、オバマ氏自身が「演説の名手」という評価に傷をつけてでも、厳し
い情勢認識や負担の大きな政策の方針をはっきり示し、国民に責任分担を求め
る必要があると決意した結果と読める。

オバマ氏が訴えようとしたのは、「家も職も失い、ビジネスは閉ざされた」と
いう灰色の現状から、国民が結束して「新しい責任の時代」に突き進むことで、
状況の好転を図るためのいわば道筋だ。

だが、政策に関する言及を見渡すと、「公的資金を管理する者は賢い使い方を
すべきだ」「監視システムがなければ、市場はコントロールを失う」など、オ
バマ政権のめざす政策は、国民や業界の間に痛みや不満が伴うものも多い。

安全保障についても、国際協調路線への転換を打ち出すのと同時に、現実のテ
ロの脅威には米国の武力で対処するという現実路線が盛り込まれた。就任演説
はオバマ氏の独自色ばかりに染めることのできない政権指導者としての苦衷が
色濃くにじんだようだ。(ワシントン 山本秀也)

(産経新聞 2009/01/22)

表題の割には、軽めの話題です。一昨日の夜、オバマ氏の就任演説
をライブで聴かれた方は恐らく少なかったのではないでしょうか。
かくいう私も、昨日勤めを終わってから、yahooの演説テキストを
見ながらABC提供動画で初めてオバマ氏の演説を聞いた次第です。
新聞各社から翻訳は出ていますが、英語でオバマ氏の魅力的な低音
の演説を聞いていると意外に、対位法を使ったり韻を踏んだりと言
った演出が多い事に気がついたりしました。

ただ、就任演説で一番気になったのは、オバマ氏が実に淡々と19分
のスピーチを終えた事です。National Mallに集まった200万人が期
待したフレーズ「Yes We Can !」という言葉が無いのは勿論の事、
フレーズの区切りでも、聴衆の歓声が沸きあがっている途中で、
その腰を折るような感じで、次のフレーズを始めてしまうと言った
具合です。

National Mallへの入場を許された人達は、大統領選挙で、オバマ
当選に貢献した民主党員が殆どです。寒風の中、大統領就任式を何
時間も待ち続けたのは、オバマ新大統領の演説を聞きながら、
「Yes We Can!」を連呼する事で、勝利に酔う事であったに違いあり
ません。オバマ氏も、それは良く承知していたに違いないのです。
そして、その期待に応える事は、全く容易な事であった筈です。
スピーチライターに、そう頼むだけで良かったのですし、民主党大
会での大統領候補受諾演説など、そういうスピーチは、今までも何
度も行っています。また、そういう機会に熱狂的な聴衆の反応を引
き出して来ているのがオバマ氏です。今回の演説でも、聴衆の熱狂
を引き出し、国民の一体感を形成するというオプションもあった筈
です。

今回、その様な草の根民主党員の期待を振り切って実に淡々とした
就任演説を行った事は、まさにオバマ氏が意図してその様なものに
したと明確に指摘できます。オバマ氏は大統領就任式にあがったの
でも、スピーチライターが悪かったのでもなく、寧ろ、候補者時代
の周囲の期待を切り捨てる様な演出をあえて行う事で、明白に為政
者としての役割に転換する事を意図したのではないかと思えるのです。

就任演説の内容そのものの中にも、それを思わせるフレーズがあり
ます。最初に、現実の暗さを指摘し、演説の後半で国民の努力でそ
れを変えて行こう、努力を継続したと後世の人から言われる様にし
ようと促しています。まさに、就任時に華やかな雰囲気で出発する
のではなく、寧ろ低く暗く出発する事で、目的達成への努力を促し
政権を通じた盛り上がりに繋げようという意図があったのかも知れ
ません。

その点で、為政者としてのオバマ氏は、上院議員一期のみという、
その政治経験の乏しさにも係わらず、意外にしたたかな人物である
事を予想させたと言えるのかも知れません。


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2009年1月21日水曜日

オバマ政権 期待度は高いが、支持急落の可能性も高い?


※宣誓するオバマ新大統領。時事通信サイトより転載

オバマ新大統領が就任演説、国民に米国再生への協力促す

米民主党のバラク・オバマ前上院議員(47)は20日正午(日本時間21日午前2時)
過ぎ、ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓後、就任演説し、米国の現状につい
て危機のまっただ中にあるがこれを克服し、将来も繁栄した強い国家であり続
けるとの決意を表明した。

新大統領はこの中で、米国は戦時下にあり、経済は弱体化し、短期間で解決出
来る問題ではないと国民の理解を求めた。その上でこれらの問題は必ず解決出
来るとして米国民に奮起を促し、米国再生へ共に取り組むよう呼び掛けた。

経済問題では、景気刺激のための大胆かつ迅速な行動が必要と強調。政府の活
動については、機能するかどうかが重要な問題であるとの認識を示した。

また、対テロ戦争の主戦場と位置付けるアフガニスタンの平和構築に全力を注
ぐと主張。多宗教を尊重し、相互利益や敬意に基づきイスラム社会との新たな
関係構築への希望を述べた。友人やかつての敵と協力しながら「核の脅威」の
ない国際社会を目指すとの考えも強調した。

イラク問題では、駐留米軍の撤退は責任ある形で進めるとも言明。地球温暖化
の進行を押しとどめる決意も述べた。

米国が直面する試練や打ち出す対応策は新しいものかも知れないとしながらも、
成功を生み出す勤勉、正直、勇気、忍耐、好奇心、忠誠や愛国心などの美徳は
昔ながらのものとし、真実でもあると強調。米国の歴史を通して進歩を生む源
の力にもなったとして、現在の試練に立ち向かうにはこの力が今こそ必要であ
ると国民に呼び掛けた。

(CNN.co.jp 2009/01/21)

オバマ氏の支持率は8割、就任時ではカーター氏以降最高

【ワシントン=本間圭一】オバマ次期米大統領の支持率が約8割に上ることが、
18日発表の各種世論調査の結果で分かった。就任時の支持率では、カーター
元大統領以降、最高となった。

18日付ワシントン・ポスト紙によると、カーター氏以降の大統領に関し、1
期目就任時の好感度を尋ねた調査で、オバマ氏は首位の79%。ブッシュ大統
領が62%、最下位はレーガン元大統領の58%。ニューヨーク・タイムズ紙
が18日発表した調査では、カーター氏以降の大統領の1期目就任時に「今後
4年間を楽観視する」と答えた人は、オバマ氏が首位で79%、ブッシュ大統
領が64%で最下位だった。
(読売新聞 2009/01/19)

世論調査では、オバマ氏は非常に高い支持率を得ていますが、この
支持率の高さは、期待度の高さとも言い換えられますので諸刃の剣
として働きます。つまり、オバマ政権の政策について、高率の支持
が得られる半面、期待を充足しない状況が続くと支持率が急低下す
る可能性が高いという訳です。政権発足時の支持率が非常に高かっ
たカーター政権は、イラン人質救出の失敗や人権外交で、支持率が
急低下した事が想起されます。

特にオバマ氏は、当初は、民主党でも、最もリベラルな上院議員と
いう評価を得ていました。ここでいう「最もリベラル」という言葉
は、必ずしも良い意味ではありません。最も左派的な議員という評
価である訳で、日本で言えば、社民党や共産党に相当する投票行動
を議会でとっていたと言う事です。

大統領選挙を勝ち上がっている時には、こういう過去の投票行動は
問題にされませんし、逆に、イラク侵攻に反対した点が評価された
事もありました。また、オバマ氏自身が、そのラディカルな指向を
大統領選挙中には封印したいた事、マスコミもあえてそういう傾向
を取り上げなかった事もありますが、オバマ氏が大統領としてそう
いうカラーを出してきた時には、多くの中間層やオバマ・リパブリ
カンがそっぽを向く可能性はかなり高いのではないかと考えます。

どの評論家も指摘していますが、国民に不評な政策は、政権発足後
100日以内のハニームーン期間に、済ませて置くに越した事はあ
りません。つまり、中高所得層に対する増税です。これには、選挙
期間中にも提起されていましたので、共和党支持層にも一定の支持
があります。しかし、経済が危機的状況の中で、増税をするのは、
大恐慌中に財政均衡を図って失敗したフーバー大統領の二の舞にな
りかねません。また、オバマ政権の経済チームもそういった事はす
る筈もありません。という事は、最初の100日以降に増税を行わざ
るを得ず、それが政権に対する不安要因になる事が考えられます。

更に、イラクやアフガニスタンからの撤退についても、国民の多く
が望んでいる政策ですが、責任を持った撤退を行おうとしても、イ
ラクのマリキ政権もアフガニスタンのカルザイ政権も政権基盤は磐
石とはとても言えない状況であり、下手をすればオバマの在任期間
中にイスラム原理派による政権転覆も起こる可能性も捨て切れませ
ん。そうなった場合にはオバマ政権への批判は高まらざるを得ませ
ん。

また、オバマ政権では、財政赤字対策や新政策財源として、ブッシ
ュ時代に膨張した、内国安全保障予算を削減する事が課題になると
思われます。また、ブッシュ時代に「ならずもの国家」に指定され
ていたイラン、シリア、北朝鮮とも宥和的にアプローチすると思わ
れますが、それを実施した後で、米国内でテロが発生した場合には、
オバマ政権は、窮地に立つ可能性すら考えられるのです。

これらを勘案すれば、オバマ政権は、その期待度の高さと比べ、政
策の自由度はそう高い訳ではなく、特に、オバマ氏がそのラディカ
ル指向を表に出した場合は、政策が裏目に出る可能性が寧ろ高いの
ではないかと懸念する次第です。

唯一、救いのあるのは、オバマ氏が自らをエイブラハム・リンカー
ンになぞらえている事です。リンカーンは自省する事の多かった人
物としても知られています。オバマ氏が、リンカーンのひそみに倣
って、自省を繰り返した上で、後世の批判に耐える政策展開を行う
事を切に希望したいと思います。



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2009年1月20日火曜日

パンダ・ハガーがいても、日本は対米協調による国益確保を目指すのみ


※代表的パンダ・ハガー Wikipediaより転載

<オバマ新政権>多すぎる親中派「パンダ・ハガー」に日本がヤキモキ―米紙

2009年1月16日、米ブルームバーグニュースは「オバマ政権に多すぎる『パン
ダ・ハガー』が、日本の日米関係に対する危惧を増長させている」と題した記
事で、米次期政権の中国重視に不安を募らせる日本の姿を紹介した。19日付で
環球時報が伝えた。 

「パンダ・ハガー」(=パンダにハグする人の意)とは親中派の蔑称。記事は、
「首相がころころ変わる日本」の麻生太郎首相が、オバマ次期大統領に対する
当選祝いの電話で「米国との関係強化を外交政策の最重要項目」と強調するな
ど、米国の日本離れを食い止めることに心を砕く日本の姿を紹介した。また、
日本の新聞社が次期国務長官に任命されたヒラリー・クリントン氏を筆頭に
「オバマ政権には『パンダ・ハガー』が多い」と危機感をもって報じたことも
伝えた。 

記事はまた、「日本の必死なアピール」として法律を改正してまでソマリア沖
の海賊対策に艦隊を送ろうとしていると指摘。小泉元首相による靖国神社参拝
で冷え切った中国や韓国との関係改善を図ろうと、安部元首相が最初の訪問国
に中国、次に韓国を選んだことも取り上げた。 

だが、かつて国家安全保障会議アジア担当上級部長と大統領特別補佐官を務め
たケネス・リバソール氏は、「オバマ次期大統領の対日政策は気候温暖化や北
朝鮮の核問題など『実務』が中心になる」と指摘。記事は、河野太郎・外務委
員長も「日米の親密な関係が薄れてきているのは事実」と認めた上で米国の中
国重視姿勢に「多くの議員が懸念を示している」と語ったと伝えた。

(Record China 2009/01/19)

バブルの時の日本がそうだったように、中国は今、自国のポジショ
ンに過大な自信を抱いているようです。
こういった米国通信社の配信記事を細かく伝える事によって、国民
にナショナリズム的高揚感を与えているとも言えます。勿論、政権
に対しては、支持増加要素になると言えるでしょう。
ところで、パンダ・ハガーがオバマ政権内に増えると、それが日本
にとっては、即悪なのでしょうか。私は必ずしもそうではないと考
えます。

米国にとって日本は経済面では競争相手であっても、安全保障面で
は、長年に亘る同盟国です。一方の中国は、安全保障面でライバル
であると同時に経済面でも、台頭してきたライバル国という事にな
ります。しかも、米国の議会制民主主義や人権規範とは、潜在的に
相容れない一党独裁体制、人権抑圧体制を引き続き堅持しています。

勿論、一党独裁体制、人権抑圧体制の国が米国と協調できない訳で
はありません。シンガポールの様に、中国とは実質的には異ならな
い国とも米国は協調していますし、米国は第二次大戦時には、ソ連
や中国と言った独裁国家を同盟国とし、それらより民主主義の度合
いの進んだ日本を敵とした事もある訳です。

しかしながら、米国にとって中国と日本、どちらが将来の米国にと
って脅威であるかを現時点で問えば、それは中国である事に殆どの
米国の政治家が同意するだろうと思われます。

米国の政治家がかってのソ連に対するのと同様に潜在敵国である中
国を重視する事はあっても、現時点でのナチュラル・アライは、日
本ある事は明白であり、それは、パンダ・ハガーであっても同様の
認識であると思われるのです。但し、そういう認識は、長年に亘る
行為の蓄積の所以であって、自然に放置してそうなる訳でない事は
言うまでもありません。米国で反日宣伝を行おうとする者にとって
日米の過去は、宣伝材料に事欠くものでない事を充分に認識してお
く必要があります。

マスコミの論調とは大いに異なりますが、私は米国の政治的経済的
に唯一の超大国としての地位は、予見できる将来に置いても、変わ
る事はなく、日本にとって協調する甲斐のある民主主義法治国家で
あると考えます。勿論、米国の100%が善である訳ではありませんが
同様のスコープで中国やロシアがヘゲモニーを取ったケースを比較
しても、米国が悪である、その度合いは、中ロに比べましであると
言えると思います。

日本としては、中国が、現体制が維持されるよりも、和平演変の結
果、人権を重視する民主主義法治国家へ体制が変化してくれる事が
望ましい訳であり、米国がその様な戦略性を持って中国の変化を促
すのであれば、それに越した事はないと言えます。私は、その結果
として、日本が米国のアジアにおける第二の同盟国になっても、そ
れはそれで歓迎できる事であるいと思います。

日本として絶対に避けるべきは、日本が米国と利害調整に失敗し、
あるいは、中国や第三国の反日キャンペーンに敗れる形で米国を敵
に回す事であると思います。その意味で、クリントン政権における
ジャパン・バッシャーの発生は、反面教師として、再び、その様な
議論が出て来ない様、注視する必要があると言えます。
昭和天皇は、英米を敵に回した松岡洋右を最後まで許す事がなかっ
たと言いますが、我々が最も警戒すべきは、左右何れの側からであ
っても対米協調を破壊する意図を持ったアジア主義者であると考え
る次第です。その意味で、福沢諭吉の脱亜論は今日的価値を引き続
き持っていると考えます。

それにしても、日本で代表的なパンダ・ハガーである河野太郎が「
日米の親密な関係が薄れてきているのは事実」と発言しているのは
問題であると思います。


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2009年1月19日月曜日

ガス供給再開するも敗者はロシア


※写真は、ロイターサイトからの転載

「19日にもガス供給」EUは不信感 露・ウクライナ

【モスクワ=佐藤貴生】ロシアがウクライナと欧州への天然ガス供給を停止し
た問題で、ウクライナのティモシェンコ首相は18日未明、「19日にも欧州
向けのガス供給が再開される」との見通しを語った。インタファクス通信が伝
えた。モスクワで首相と会談したプーチン露首相も同様の趣旨を述べた。ただ、
パイプラインの再稼働に必要なガスの費用をだれが支出するかなどは明らかで
はなく、欧州連合(EU)は両国の動きを慎重に見守る姿勢を崩していない。

プーチン首相は会談後、ウクライナ側がガスの通過料を昨年同様に抑えること
を条件に、「今年のウクライナ向けガス価格を、欧州向けのマイナス20%と
する」ことで合意したと述べた。ティモシェンコ首相は、ロシアとウクライナ
が19日、新たな合意文書に署名した後、供給が再開されるとしている。

ガスの欧州向け価格は1000立方メートル当たり450ドル前後とされるが、
両国が合意した今年の具体的な価格は明かされていない。また、ウクライナが
ロシアに対して6億5000万ドルに上るガス料金を未払いのままにしている
問題もあり、両国の対立がすべて解消されるかは不透明だ。

モスクワでは17日、EU関係者を招いて問題を協議する会議が開かれた。メ
ドべージェフ大統領は欧州の主要ガス企業でコンソーシアムを結成し、ウクラ
イナ国内のパイプライン維持に必要なガスを購入することなどを提案した。

しかし、EUは議長国チェコの閣僚らを会議に派遣するにとどめ、ロシア側と
距離を置く姿勢を示した。ロシアとウクライナによって何度か調停案を覆され
てきたEUの不信感はかなり根深いとみられる。EUは最近、早急に事態が打
開されない場合、「両国との関係を見直す」との厳しい姿勢を打ち出している。

(産経新聞 2009/01/19)

今回のロシアのヨーロッパに対するガス供給停止問題に絡んで、ロ
シアとウクライナの確執であるとか、料金の不払いであるという要
素を抜きにしても、ロシアは、そういった問題と無関係のヨーロッ
パ諸国に対し、供給責任を果たさなかったという事実は残ります。

元々、今回の欧州へのガス供給停止は、ウクライナのガス抜き取り
に対抗するというロシア流の大義名分がありましたが、その内容た
るや、ウクライナが抜き取ったとされた量を通常の供給量から削減
するという乱暴なものであり、ウクライナが、そこから、自国の必
要量を取得すれば、ヨーロッパ諸国への供給はますます削減される
しかない点で、ヨーロッパ諸国に共同でウクライナに外交圧力をか
けないとガス供給を停止するというロシアからの恫喝以外の何者で
もありませんでした。そして、その結果として二週間以上に亘り実
際にガス供給が停止してしまった訳です。

この様に、露骨にウクライナへの圧力をかけるという目的でロシア
は天然ガス供給を政治的武器として使用しました。これは2006
年に続いて二回目の事です。一回だけなら誤射かもしれませんが、
二回目ともなれば、どの国であっても、ロシアにガス依存度を深め
るとそれを梃子に圧力がある事を前提に外交を考えないといけません。
つまり、今後共、ロシアのガス供給に依存する事を選ぶ国は、基本
的にロシアの地域ヘゲモニーに従う事を積極的に選択した国と言う
事になります。

逆に言えば、ロシアの政治的圧力を嫌う国は、ロシアの天然ガスに
対する依存度を低下させる必要が出てきます。具体的には、天然ガ
ス供給国を多角化する事です。それによって、ロシアからの供給を
備蓄目的用にしてしまえば、供給ストップとなっても通常使用分は
影響を受けない事になります。また、エネルギー源としての天然ガ
スへの依存を低下させる必要も出てきます。この為には、一部の国
で既に始まった様に停止原発の再稼動や原発の新設まどが対策とし
て考えられます。
その一方で、ロシアが進めようとしているウクライナを経由しない
ノースストリームやサウスストリームと呼ばれるガスパイプライン
については、ロシアへの依存度を下げたいと思っている国は、現状
以上に建設に消極的になる筈です。

ロシアは、昨年12月に「ガス輸出国フォーラム」(GECF)を
開きOPECにならったガス供給に関する価格生産量調整用の国際
機関を作ろうとしましたが、今の処、国際金融危機もあって、創設
への動きは鈍いと言えます。また、天然ガスを高価格にすると、海
中に眠っているメタンハイドレードの開発を加速させる事にもなっ
てきます。

これらを勘案すると、今回のガス供給を梃子にしたプーチン外交は、
発動するタイミングとしては、必ずしも良いものではなく、逆に、
ロシアが更なるガス戦略を発動する事を前提とした欧州諸国の対抗
処置を招き、結果的にロシアの戦略オプションの幅を狭め、ガス輸
出量を低下させる悪手であると言える様に思います。


環球閑話日々の徒然まとめサイト


2009年1月16日金曜日

海賊対策 有効な策は航路帯防衛しかない!



※写真はAPサイトより転載

海自任務は護送限定 海賊対策、日本籍船を最優先

政府・与党は15日の「与党海賊対策等に関するプロジェクトチーム」で、海
上警備行動でアフリカ・ソマリア沖に派遣する海上自衛隊護衛艦の任務をあら
かじめ対象に決めた船舶の護送(エスコート)に限定する方針を決めた。保護
対象となる船舶から事前に申請を受け付け、国土交通省海事局が判断する。

護送対象を決定する際の優先順位は(1)日本籍船(2)日本人の乗船する船
舶(3)日本企業が運航管理する日本関係船舶や日本の貨物を積んだ外国船舶-
とする方向。日本籍船が92隻に対し日本関係船舶だけでも2200隻以上あ
り、日本籍船を最優先とする。

政府は護送について、護衛艦1、2隻を海賊多発海域の入り口に配置し、同海
域を抜けるまで護送対象船に伴走することを想定している。保護対象となった
船が複数ある場合には、海賊多発海域の通過時刻・場所を合わせてまとめて護
送する方針だ。

政府はこうした対処方針案を来週にも与党に提示、合意が得られれば月内にも
浜田靖一防衛相が海自に準備指示を出す。日本からの護衛艦派遣は3月になる
見通しで、4月からの任務開始を目指している。
(産経新聞 2008/01/16)

日本の護衛艦だけで船団護送をするという案が出ているようですが、
殆ど意味がないのではないかと思います。記事にもある通り、日本
関係船舶2200隻に対し、日本籍船舶は、わずか92隻しかありません。
また、日本籍船舶のみ護送して、その横にいる中国向けや、韓国向
けの船舶を無視するというのでは、国際的には、納得を得られる対
応ではありません。しかも、今回の場合、海賊相手の警察行為です
から憲法上の制約を理由にして他国船を保護しないという事は出来
ません。国際社会からは、準備の悪さを非難されるだけと言う事に
なります。

更に、船団を組ませる事自体が、非常に難しい事を無視しています。
少し考えれば判りますが、船団を構成する各船は、自分が船団のど
の位置にいて、前後左右の船とは、どの程度の間隔を維持しながら
どの位の速度で、どの方向に進むのかを知っていなければなりませ
ん。また、海賊が現れた場合は、どの方向に避けるかもキチンと決
めておかないと、船団を維持する事ができず、最悪、海賊を避けよ
うとして海上衝突事故を招く事になってしまいます。

しかも、各船は、これまで船団を組んだ経験もなく、操船性や加速
性もマチマチなのです。さらに船団の指揮をどの様に行うかも問題
になります。各国海軍は、信号旗による艦隊行動に慣れていますが
今時の商船は、頻繁な信号旗の交換の経験が事実上ありません。
恐らく、船団を組む事は不可能であり、勝手に走っている商船の横
を、ごくまばらに護衛艦が伴走するという程度になってしまう事が
容易に想像されるのです。

では、解決策が無いのかと言えば、そんな事はありません。各国の
護衛艦が受け持ち海域を決めて、その海域に関しては確実に安全を
守るという体制を構築する事が一番現実的です。今時の護衛艦は、
ペリコプターを搭載していますから、一隻で50km四方の海域を守る
事ができます。この50km四方のゾーンを多国籍護衛艦隊を構成する
各艦が作り、そのゾーンを連続させる事で安全な航路帯を作り上げ
る事ができます。

日本が護衛艦二~三隻を派遣するだけでは、商船の安全を守る事は
不可能です。国際的な艦隊の一部として同じ行動基準の下に航路帯
防衛を行う事しか海賊対策として有効でない事を念頭に置いて、派
遣に関わる法体制の整備を進めるべきであると考えます。

環球閑話日々の徒然まとめサイト


2009年1月15日木曜日

過剰報復が中東和平を促す皮肉


※写真は、時事通信サイトから転載

ガザ侵攻 「過剰報復」浮き彫りに 死者1000人超す

【エルサレム前田英司】イスラエル軍のガザ攻撃によるパレスチナ人死者が
14日、空爆開始からわずか19日で1000人を超えた。イスラエル国内で
パレスチナ武装勢力の自爆テロが続発し、激しい報復攻撃が繰り返された「第
2次インティファーダ」(反イスラエル抵抗闘争)当時を大きく上回るペース
で、「過剰報復」の実態が浮き彫りになっている。イスラエルは侵攻を「正当
な自衛」と位置付けるが、被害の拡大に国際社会の非難は日ごと高まっている。

イスラエル軍は先月27日、ガザを支配するハマスの「弱体化」を狙って空爆
を開始。ロケット弾攻撃の停止と、エジプト境界の地下トンネルを通じた武器
密輸の阻止を掲げて、3日夜には陸上部隊がガザ地区内へと侵攻した。攻撃は
連日、昼夜を問わず続き、これまでの空爆回数は2300回以上に達する。

イスラエルは、標的はハマスであり、市民ではないと強調する。攻撃の際には
事前にビラを巻くなどして警告し、住民の巻き添えを最大限、抑制していると
も説明している。しかし、ガザ市のシーファ病院で医療支援に当たったノルウ
ェー人医師は「死者の3分の1、負傷者の半数は女性や子供だった」と批判し
ている。

イスラエルのシャロン前首相が00年9月、エルサレムのイスラム教の聖地を
強行訪問して勃発した「第2次インティファーダ」はイスラエル、パレスチナ
双方の暴力の連鎖に発展した。この間のパレスチナ人死者はガザ、ヨルダン川
西岸の両自治区を合わせて3年間で計2480人。今回は、この1年当たりの
死者をすでに上回った。

死者数は、パレスチナの市民を巻き添えにする攻撃の激しさを示すものだ。欧
州連合(EU)の行政府、欧州委員会のミシェル開発・人道援助担当委員は「
(ロケット弾攻撃への反撃としては)あまりに不均衡だ」と非難している。

国際社会の過剰報復批判に対し、イスラエル側はハマスが市民を「人間の盾」
にしていると主張している。

(毎日新聞 2008/01/15)


過剰報復とは一体なんでしょうか?イスラエルのユダヤ人が、パレ
スティナ人程死んでいないから、過剰報復なんでしょうか?それと
もガザに侵攻したイスラエル軍の損害が少ないから過剰報復なんで
しょうか?それとも、ハマスの発射したロケット弾に比べ、イスラ
エルの報復の規模が大きいから過剰報復なのでしょうか?もし、そ
うであれば報復としてどの程度の規模が適性なのでしょうか。

元々、ハマスは、軍事的に勝利する可能性が全くないにも関わらず
イスラエルとの停戦延長に反対し、停戦期限後は1000発以上の
ロケット弾をイスラエルの一般市民に向けて発射したのが、今回の
イスラエルの反撃のきっかけになっています。ハマスとしては、勿
論、イスラエルが報復する様に仕向けていると言えます。

イスラエルの報復がハマスに対する嫌がらせ程度に留まっていたな
らば、イスラエルに一矢報いたと言う事で、パレスティナ人の溜飲
を下げると共に、イスラエルに対する敵愾心を醸成でき、且つ、ハ
マスに対するガザ住民の支持を一層堅固なものに出来るという訳で
す。その点で、イスラエルにとって、中途半端な報復は問題解決に
対して何ら有効な対策とはならず、ハマスを有利にするだけと言う
事になります。

現在イスラエルの報復は、ハマス戦闘員の根城となっている警察署、
ガザとエジプトの密輸ルートとなっている地下トンネル、ロケット
弾の発射拠点に対し行われているようです。しかし、ハマスは、非
戦闘員に隠れてイスラエル兵に対する攻撃を行っていますし、市街
地からロケット弾を発射する事で、コラテラル・ダメージ(付随的
被害)が一般人に出る様に仕向けています。そうする事で、国際世
論がイスラエル非難に向かう様に仕向けていると言えます。正しく、
旧日本軍が中国でやられた事と同じで、例えて言えば、イスラエル
は、今、南京事件の入り口にいる様なものと言えるでしょう。

イスラエルとして出来る事は、コラテラル・ダメージを可能な限り
出ない様な攻撃を行う事ですが、それが避けられないとすれば、一
般人の損害には目を瞑って、ガザの民衆やハマス戦闘員が士気を阻
喪する程の損害を与える迄、徹底的な攻撃を行う事です。そうする
事で、海外にいる好戦的なハマス指導者とガザで直接戦闘指揮を行
っている現場指導者や住民との間に間隙を生じさせ、ハマスを分裂
させる事が出来る様になります。そして、それが、ハマスの力を殺
ぐ事で、実質的な中東和平に道を開く事になると考えられるのです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/

2009年1月14日水曜日

オバマ・ヒラリー外交 ならずもの国家対策でお手並み拝見




※Daryl Cagle's Political Cartoonists Indexより転載

「スマートパワー」で指導力 ヒラリー国務長官 承認審議

【ワシントン=有元隆志】次期米国務長官に指名されたヒラリー・クリントン
上院議員の承認公聴会が13日午前(日本時間同日夜)、上院外交委員会で行
われた。クリントン氏は軍事力に加え外交を中心とした「スマートパワー」で、
国際社会において指導力を発揮したいとの決意を示した。クリントン氏は20
日にも上院本会議で承認され、オバマ次期政権の外交の「顔」として、イラク、
アフガニスタン問題や、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの交戦が続
くパレスチナ自治区ガザ地区情勢などの難題に臨む。

クリントン氏は書面で提出した冒頭証言で、「米国は差し迫った課題を単独で
解決できないが、世界は米国抜きでこれらの問題を解決できない」と指摘した。
そのうえで「われわれはスマートパワーともいうべきすべての手段を使わなけ
ればならないが、外交はその先頭に立つ」との決意を示した。

さらに、「外交政策は理念と現実の結合であって、硬直化したイデオロギーに
基づくものであってはならない」と述べ、ブッシュ政権の外交を批判した。

クリントン氏は民主党予備選で、敵対国との直接対話を主張したオバマ次期大
統領を「うぶで無責任」と批判するなど温度差があった。オバマ氏が敵対国の
指導者との対話に条件をつけるなど軌道修正したため、現在では2人の外交姿
勢に大きな違いはなくなった。クリントン氏はオバマ氏と足並みをそろえて外
交課題にあたる考えを強調した。

共和党のルーガー筆頭理事はクリントン氏の夫ビル・クリントン前大統領が設
立した財団が、慈善目的で外国政府から少なくとも4600万ドル(41億円)
を受け取っていた問題で、外交活動に影響を与えないためにも献金の透明性な
どを求めた。 

(産経新聞 2008/01/14)

記事にもある通り、オバマ氏は、敵対国との直接対話による解決を
図ったのに対し、クリントン氏は、それをナイーブと批判した経緯
があります。その一方で、クリントン氏の親中外交姿勢に対し、オ
バマ氏は意外な程、同盟国重視姿勢を明らかにしています。
クリントン氏は、外交について自信を持っている訳で、彼女がどの
程度自分の意見を抑えながら、オバマ氏の直接対話路線を推進でき
るか非常に興味深い問題であると言えます。

オバマ氏の直接対話路線に乗じる形で、北朝鮮はオバマ氏の大統領
就任式への参加を希望し、断られたという話も伝わってきています。
シリアにしても、イランにしても、オバマ政権が外交について先入
観がない(というか知識がない)発足直後を狙って外交攻勢をかけて
くる筈です。

ならずもの国家にとっては、自分の側の約束は履行する必要を感じ
ていませんから米国から少しでも譲歩を得られれば、それは外交上
の勝利という事になります。実は直接対話そのものが相手政権を認
知する事になるので外交的には譲歩を意味する事もあるのです。
ならずもの国家としては、そういう事情を知らなかったと思われる
オバマ氏の発言を梃子に何らかの果実を得られればもっけの幸いと
いう訳です。

オバマ氏の政権発足後の優先課題が経済対策である事は、万人が等
しく同意する所です。また、その次の課題がイラクからの撤退問題
である事は容易に想定のつく所です。唯一の超大国として同盟国関
係については経済協調で欧州が米国の足を引っ張る事さえなければ、
まず、問題はない筈です。その一方で、目下発火中であるというも
ののイスラエル-パレスチナ問題はもともと今日明日に解決のつく
問題でない事も明らかです。

そうであれば、外交上の課題は、ロシア、中国との関係とならず者
国家への核拡散問題という事になりますが、そこでクリントン氏は、
オバマの顔を潰さない様にしながら直接対話の公約を骨抜きにする
必要が出てきます。でなければ米国が外交上の不利益を蒙る事にな
りかねないからです。その点、イラクからの撤退問題も絡んで、な
らずもの国家対策には難しい対応を余儀なくされる様に思われるの
です。この問題をどの様に処理するかで、オバマ・ヒラリー外交の
実力の程が図れるのではないかと考えます。



2009年1月13日火曜日

F-22の対日輸出はない




※写真はRecord Chinaより転載

F-22戦闘機を対日輸出せよ!中国の軍事大国化に備え提言―米保守派

2009年1月10日、環球時報は米保守派がオバマ次期政権に新鋭戦闘機F-22ラプタ
ーの日本への売却を求めていると報じた。日米関係の強化と軍事大国化する中
国への対応が狙いだという。

8日、アメリカ公共政策研究所(AEI)のアジア問題専門家であるダン・ブルー
メンタル研究員はコラム「日米関係を強化せよ」を発表、その中で日本の次期
主力戦闘機としてF-22を輸出するよう提言している。

主力戦闘機の老朽化が進み、性能面でも中国の新鋭機Su-30に見劣りする自衛
隊にとって新型機導入は急務。しかし米議会はF-22の輸出を禁止していること
から選定は難航している。現有機改修という選択肢が濃厚になっている中、米
保守派は輸出解禁を求めて動いているという。ブッシュ政権下の急速な米中接
近が日本の警戒感をあおっていることもあり、F-22の輸出解禁は日米関係の再
強化にもつながるとブルーメンタル研究員は主張している。(翻訳・編集/KT)

(Record China 2009/01/12)


米国の保守系論者の一部には、F-22輸出を推進する動きがある
のかも知れませんが、国防総省がダメだししているようですから、
実施される事はまずないと考えざるを得ません。

オバマ政権でも現国防長官であるロバート・ゲーツが留任する予定
ですが、彼は、CIAの出身で、日本の防諜体制がザルであるとい
う認識を持っている様です。元々対日協調体制だったブッシュ政権
すら、実現しようとしなかったF-22の日本輸出を民主党政権が
容認するとも思えませんが、オバマ政権が、失業対策等の理由で、
もし、F-22の輸出を実現したとしても、中国へ最新鋭ステルス
機の機密情報が漏洩する事が懸念される訳ですから、高度のセキュ
リティ対策が行われる筈で、通常の整備以外の保守作業は全て米国
で行う位の購入条件は付けてくる可能性が高いと思われます。

ライセンス国産でない米国輸入機の稼働率はなかり低い事が知られ
ており、それに輪をかけたセキュリティ手順が追加されると自衛隊
が希望する高い稼働率が維持できる筈もない訳で、正に宝の持ち腐
れ。実質的に運用不可能になる可能性も低くありません。

記事では、現有のF-15は、Su-30に見劣りすると書かれて
いますが、戦闘機としては、同じ第四世代であり、電子兵装や、ミ
サイルも改善されており、更に稼働率で優位にあるので、全体とし
て見た場合、それ程、見劣りする訳ではなく、改修後は、対中、対
露装備としては相当期間、充分第一線で有用する筈です。

中国対策としては、寧ろ、係争地域である中国・台湾の近くに基地
を確保できるかどうかの方がより大きな問題であろうと思われます。
那覇配備であれば、F-22のスーパークルーズ能力が必要でも、
例えば、民間パイロット訓練空港として3000mの滑走路が既にある
下地島に基地を設置できれば、スーパークルーズ能力の必要はなく
なりますし、そこに充分なレーダー管制能力を付与すれば、戦術的
に優位な条件を確保する事も可能と思われます。

以前にも書きましたが、F-35も、F-22を無敵にしたステル
スウェポンキャリアとしての能力は持っていますし、E-767や
近接した基地レーダーによる管制誘導があれば、必ずしもF-22
でなければならない必然性は低いと思われるのです。ここは無理を
せず、F-35Aのライセンス生産や国産ステルス機の実現を目指
すべきであろうと考えます。



2009年1月9日金曜日

円高と新規参入者の挑戦を受けるH2Aロケット


※CGは、「いぶき」を打ち上げるH-2A 15号機
JAXAサイトから転載

H2Aロケット打ち上げ費用、過去最低の85億円

温室効果ガスの濃度を測定する人工衛星「いぶき」を搭載して21日に打ち上
げられる国産基幹ロケット「H2A」の打ち上げ費用が、過去最低の85億円
となったことが7日明らかになった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、昨年春打ち上げた同型ロケット
よりも約2割、24億円のコストダウンを図ったもので「信頼性を維持して点
検サービスを簡素化したため」(前村孝志三菱重工業名古屋航空宇宙システム
製作所技監・技師長)と説明している。
この日、都内で開いた「いぶき」の説明記者会見で、打ち上げ業務を担う三菱
重工の前村技監・技師長はロケット市場の打ち上げ費用について「H2Aクラ
ス(約4トン)は数年前まで70ミリオンドル(約70億円)だったが、最近
は資材の高騰で安いとされたロシア製ロケット『プロトン』でも90ミリオン
ドルといわれている。
(日刊工業新聞 2009年01月08日)

戦後日本の航空宇宙産業は、いつも不運に彩られています。
FAAの新基準を適用されてしまったMU-300しかり、売れそうになっ
た処で政府が製造打ち切りを決めたYS-11しかり。
ロケット打ち上げビジネスでも同様で、1ドル250円時代に国際水準
の打ち上げコストを目標に開発したH-2ロケットが完成した時に
は1ドル100円になっており、競争力が全く欠如したロケットになり
ました。それを踏まえて、コストダウンを目指したのが、H-2A
ですが、今度は、H-2の連続打ち上げ失敗が尾を引いて折角受注
したオーダーを逃してしまいます。
それでも、着実なコストダウンを重ねて、漸く今回の打ち上げで、
H-2A開発時の目標を達成したのですが、残念ながら、折悪しく
強烈な円高です。1年前なら、1ドル125円でしたから、今回の打ち
上げコストが実現できていれば、68ミリオンですから、なんとか
競争力を持てたのです。しかし、昨日のドル円レートは1ドル92円
です。ドルベースの打ち上げ費用は93ミリオンを超えてしまいま
す。

その上、打ち上げビジネスには、参入者が後を絶ちません。以下の
記事を見てください。

インド、衛星打ち上げサービスに本格参入:2009年内に4件

衛星製造・打ち上げの国際市場参入を狙うインド宇宙研究機構(ISRO)は、
2009年内に外国の衛星打ち上げを4件を請け負うという。
ISROは2008年12月、ヨーロッパ宇宙産業大手EADS-Astrium(フランス)と提携
し、ISRO製衛星W2Mの打ち上げを成功させたばかりだ。ISROの営業部門、アン
トリクス(Antrix Corporation Ltd)のムルティー社長は「ISROはシンガポー
ル、オランダ、イタリア、アルジェリアの衛星発射サービスを行う。この4件
の打ち上げはEADS- Astriumとは提携せずにISROが独立して行う」と鼻息が荒い。
ムルティー社長は契約上の守秘義務を理由に詳細は明かせないとしながらも、
「ISROが提供する打ち上げ価格は、衛星重量1kgあたり約2万ユーロ(約250万円)
だ。一般的な価格よりもかなり安く設定している」と語った。しかし、「打ち
上げ価格は競争、市場の状態、需要と供給などの要素により決定される」と強
調した。

(Voice of India 2009/01/07)

このインドの打ち上げサービスを使うと、今回の「いぶき」打ち上
げに相当する4トンの静止衛星の衛星の打ち上げコストは、80ミ
リオンユーロになります。ドルベースにすると110ミリオンで、
表面上は、H-2Aの方が安くなりますが、顧客獲得状況を見ると
実際には、かなりの大幅な値引きが行われている様子です。

また、先日、ご紹介したSpaceX社のFalcon9は、ほぼH-2Aと同
じ規模になりますが、打ち上げ費用の目標額は35ミリオンで、
H-2Aの半分以下です。こちらは、まだ試験機も上がっていませ
んが、打ち上げ費用の安さから既に衛星打上を順調に受注している
様です。競争相手が増える中、衛星打上のニーズは、衛星自体の長
寿命化もあって、減少しています。その為、打ち上げサービスその
ものは、信頼性とコスト削減を絶えず要求される事になります。そ
んな中でも、なおGXロケットに拘わるJAXAの状況認識の甘さとい
うか能天気さを感じてしまいます。いくら衛星打上げビジネスは
MHIに任せているといっても、MHIもビジネスですから、受注
できなければ、打ち上げビジネスから撤収せざるを得なくなります。
いずれにしても、昨年来の円高で、日本の衛星打上ビジネスは、ま
たしても見直しを迫られる事になりそうです。

2009年1月8日木曜日

「新発見の領有否認法令は、日本にとって痛恨の一撃」 ではない。




※SCAP(Supreme Commander for the Allied Powers)の担当範囲を示す
地図。担当範囲を機械的に線引きしているのが良く判る。

「1951年の独島除外法令」、日本が「領土とは無関係」と主張 

日本政府は、1951年に日本が独島を自国の付属島嶼から除外した法令を
公布した事実に関連して7日、「日本の法令、すなわち行政権が適用さ
れる地域の定義から、竹島(独島の日本名)を除外したものであり、領
土の範囲を決めたものではない」と主張した。 

このような公式立場は、朝鮮日報が2件の法令の発掘事実を初報道して
から6日ぶり、両法令に対する日本政府の立場を要請してから3日ぶり
に出たものだ。 

日本外務省の赤松武(あかまつ・たけし)国際報道官は7日、朝鮮日報の
電話取材に対して、「1951年の2件の法令は、(独島を日本領土に含め
た)1949年の関連法令を、当時日本を占領していた連合国軍最高司令部
(GHQ)の指令(SCAPIN)677号の規定に基づいて改正したものだ。行政権の
範囲と領土の範囲は必ずしも一致しないことがある」と述べた。1946年
に公布されたSCAPIN677号は、独島を日本の行政権行使区域から除くと
規定している。赤松報道官はまた、「SCAPIN 677号には、『この指令中
のいかなる規定も、領土に関する連合国の最終的政策を示すものと解釈
されてはならない』という内容がある」と述べた。 

しかし梨花女子大学の慎鏞廈(シン・ヨンハ)碩座教授(独島学会会長)は、
「GHQがSCAPIN677号で独島を日本領土から分離したのは、数ヶ月の調査
のすえ独島を鬱陵島の付属島嶼と判断した結果だ」と述べた。SCAPIN677
号はその中で「日本の定義(the definition of Japan)」という表現を用
いており、「日本の行政(Japanese administration)」ではなく「日本
(Japan)」としたのは領土に関する規定だからであって、1951年の両法令
は日本政府もこれを守ったという証拠だ、ということだ。 

慎教授は、「『領土に関する最終的政策を示すものと解釈されてはなら
ない』という規定は、『当該内容を修正できる』ということであり、こ
うした場合には必ず他の番号のSCAPINの明文を通じて修正せねばならな
いが、1952年のGHQの解体時までこれを覆したことが無い」と語った。

(朝鮮日報 2008/1/8)

韓国が大喜びで報道している日本側の法令ですが、外務省の言う通
りだと言う事は簡単に判ります。

まず、
「朝鮮総督府交通局共済組合の本邦内にある財産の整理に関する
政令の施行に関する総理府令
(昭和二十六年六月六日総理府令第二十四号)」

全文は以下を参照して下さい。秘密でもなんでもなく公開されてい
る文書ですので簡単に参照できます。

問題の箇所ですが、

「第二条 令第十四条の規定に基き、政令第二百九十一号第二条第一項
第二号の規定を準用する場合においては、附属の島しよとは、左に掲げ
る島しよ以外の島しよをいう。
一  千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発及び多楽島を含む。)
  及び色丹島
二  小笠原諸島及び硫黄列島
三  鬱陵島、竹の島及び済州島
四  北緯三十度以南の南西諸島(琉球列島を除く。)
五  大東諸島、沖の鳥島、南鳥島及び中の鳥島」

となっており、その後、日本に返還された、小笠原諸島及び硫黄列
島及び南西諸島、大東諸島、沖の鳥島、南鳥島及び中の鳥島が含ま
れており、更に、北方領土についてもロシアとの間で領土問題とし
て係争関係にあります。韓国側の主張によれば、この法令で日本領
から除外されていれば、日本側は領土権を放棄している事になるそ
うですが、事実として、現在は日本領となっていたり、ロシアとの
間で係争状態を維持している訳ですから、韓国の主張には全く根拠
はありません。

記事中にある梨花女子大学の慎教授の説も同様です。こんな事言っ
たり書いたりしていると世界に通用しないOINKな議論と言われ
る事になります。
ちなみにSCAPIN677の本文は外務省のサイトで参照できます。短い
文書ですので、全文引用しておきます。占領行政上での日本の領域
を定義したという以外の意味はありません。

連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号

1946年1月29日

1 日本国外の総ての地域に対し、又その地域にある政府役人、雇傭員そ
 の他総ての者に対して、政治上又は行政上の権力を行使すること、及、
 行使しようと企てることは総て停止するよう日本帝国政府に指令する。
2 日本帝国政府は、巳に認可されている船舶の運航、通信、気象関係の
 常軌の作業を除き、当司令部から認可のない限り、日本帝国外の政府の
 役人、雇傭人其の他総ての者との間に目的の如何を問わず、通信を行う
 ことは出来ない。
3 この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。
 日本の範囲に含まれる地域として
 日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30
 度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼
 日本の範囲から除かれる地域として
 (a)欝陵島、竹島、済州島。(b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之
 島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、
 南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。(c)千島列島、歯
 舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島.。
4 更に、日本帝国政府の政治上行政上の管轄権から特に除外せられる地
 域は次の通りである。
 (a)1914年の世界大戦以来、日本が委任統治その他の方法で、奪取又は占
 領した全太平洋諸島。(b)満洲、台湾、澎湖列島。(c)朝鮮及び(d)樺太。
5 この指令にある日本の定義は、特に指定する場合以外、今後当司令部
 から発せられるすべての指令、覚書又は命令に適用せられる。
6 この指令中の条項は何れも、ポツダム宣言の第8条にある小島嶼の最終
 的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない。
7 日本帝国政府は、日本国内の政府機関にして、この指令の定義による
 日本国外の地域に関する機能を有する総てのものの報告を調整して当指
 令部に提出することを要する。この報告は関係各機関の機能、組織及職
 員の状態を含まなくてはならない。
8 右第7項に述べられた機関に関する報告は、総てこれを保持し何時でも
 当司令部の検閲を受けられるようにしておくことを要する。



2009年1月7日水曜日

シーシェパード やはり海賊だった!




※調査船に無灯火で接近するスティーブ・アーウィン号
日本鯨類研究所サイトから転載

シーシェパード、第二共新丸行方不明者捜索を妨害

2009年1月7日

共同船舶株式会社 社長     山村和夫
財団法人日本鯨類研究所 理事長 森本 稔

第二期南極海鯨類捕獲調査船団が、行方不明になった目視調査船第二
共新丸乗組員の白崎玄(しらさき・はじめ)操機手(30歳)の捜索を行って
いたところ、日本時間1月6日午後8時00分頃、無灯火状態の船舶が突如
出現し、捜索現場に接近しているのを発見した。その船型を確認したところ、
シーシェパード所属のスティーブ・アーウィン号であると判明した。

スティーブ・アーウィン号は捜索中の船団に対し日本語で「行方不明者の
捜索に来た」と呼びかけた。これに対し、調査船団側は「つい先頃も調査
船団に妨害を加えたシーシェパードからの捜索の援助、捜索の協力等は
一切受け付けません。我々は我々独自で捜索を行います。」と返答した。
しかしながら、スティーブ・アーウィン号は「捜索が終わり次第、調査船団へ
の妨害活動を行なう」と宣言した後、捜索活動中の目視調査船第二共新
丸に0.2マイルにまで異常接近するなど、船団の捜索活動を妨害した。

「残念な事故が発生し、その捜索活動を行なっている最中であるにもかか
わらず、スティーブ・アーウィン号が捜索に来たとしつつ終了後は妨害を
加えることを明言した上で日本側の船舶の航行を妨害する行為をとった
ことに対し、強い憤りを感じる。シーシェパードは直ちにこうした行為を中
止すべき。」と共同船舶株式会社山村和夫社長が述べた。

「シーシェパード船は明らかに救難信号を利用して妨害活動にやって来
た。このような行為は人道的に許されるべきではなく、関係各国はコンセ
ンサスで採択されたIWCでの非難決議に沿って乗組員の安全を脅かす
執拗な妨害活動には断固たる処置をとる必要があると考える。」と日本鯨
類研究所森本稔理事長が述べた。


調査船団の目視調査船第二共新丸の白崎操機手が行方不明になって
いる件は、報道されている通りですが、調査船団を妨害しているシ
ーシェパードが、あろう事か、調査船団による白崎操機手捜索活動
も妨害している事が、日本鯨類研究所のプレスリリースで判明しま
した。

船乗りの倫理を表す言葉にシーマンシップというのがあります。意
味する範囲はかなり広いのですが、海と言う厳しい大自然に直面す
る職業である事から、遭難時の互助については、船員の国籍の如何
を問わず、徹底されています。

今回、シーシェパードが行った妨害行為は、正にこのシーマンシッ
プに悖る海賊行為であり、「鯨類の救助」という彼らのお題目が如
何にヒューマニズムに欠ける薄っぺらい精神の所産かという事が明
らかになったと思います。人命救助のための捜索活動を行っている
船舶に夜間無灯火で接近してくるのは、救助活動の妨害以外なんの
解釈もできません。彼らは海賊です。第二の犠牲者が出る前に、海
上保安庁は速やかに巡視船艇を派遣し、彼らを逮捕、拘禁すべきで
あると考えます。

新年年明けからジョークがうまい北朝鮮


※写真は軍部隊視察の真似をする金正日。こころなしか元気がなさそう。
時事通信サイトから転載

「日本には誠意通じない」北朝鮮の党機関紙

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は5日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮
総連)の傘下団体に対し昨年、税理士法違反容疑の捜査などが続いたことにつ
いて「政治的弾圧」と非難、「日本には誠意が通じない」と主張する論評を掲
載した。朝鮮中央通信が伝えた。
論評はさらに「日本には強力な自主権の行使だけが通じる」とした上で「日本
がわが国への軍事的挑発行為を強行するならば、無慈悲な報復を加えるだろう」
とけん制した。(共同)

(産経新聞 2009/1/5)

北朝鮮が日本に対しどの様な誠意を見せた事があるのかとあっけに
取られる方が殆どではないでしょうか。
暴力団が恐喝する時の常套句である「誠意を見せろ」と言う意味で
「誠意」を「恫喝」の意味で使っていると考えれば、
「日本には誠意が通じない」は「日本には恫喝が通じない」という
事になり、ご尤もと言えます。

朝鮮総連への強制捜査が「軍事的挑発行為」というのも、面白い冗
談と思いましたが、北朝鮮には朝鮮総連経由で核技術や核開発用の
精密部品や計測器が渡ったいう話もありますので、軍事的に意味が
ある位、影響度が高いと言えるかも知れませんので冗談ではないの
かも知れません。朝鮮総連への締め付けはもっと強化すべだろうと
思います。

ついでに言えば「無慈悲な報復」も是非加えて欲しいですね。ノド
ンでもテポドンでも、是非、日本本土に二発は着弾させて欲しいと
思います。一発だけなら誤射かも知れないという馬鹿な新聞社もあ
りますので....。実際に、実行されれば、一年以内に北朝鮮という
国家はなくなり、2000万人の朝鮮人が圧制から解放されますので、
日本の受難にも意味があるのではないでしょうか。

冗談はここまでにして、それにしても、昨日はyahooのトピックに
もなっていた記事なのに今日はyahooでトピック検索しても出てこ
ないのはどういう事なんでしょうかね。コレだから、三国人資本は
信用できない。(怒)

2009年1月5日月曜日

丑年のジョーク




いつも拝見している、かんべい先生のHPで、面白い丑年ジョークが掲載されて
いましたので、ご紹介します。



●封建主義
あなたは牛を2頭所有している。領主様がときどきミルクをお召しになる。

●社会主義
あなたは牛を2頭所有している。すべてのミルクは政府が巻き上げてしまう。

●共産主義
あなたは牛を2頭所有している。政府が1頭を召し上げ、それを隣の人に与え
てしまう。

●全体主義
あなたは牛を2頭所有している。政府が両方を取り上げ、あなたに面倒を見さ
せて、しかもミルクを売りつける。あなたは地下にもぐってサボタージュ活動
を始めるしかない。

●資本主義
あなたは牛を2頭所有している。1頭を売って代わりに雄牛を買い、牛の数を
増やして拡大再生産する。あなたはそれらを売り払って、引退してカリブ海に
移住する。

●ウォール街金融道
あなたは牛を2頭所有している。将来のミルクを担保にして債券を発行し、そ
れにサブプライムローンを組み合わせて高利回り高格付けの金融商品を組成す
る。ところがバブルが崩壊してしまう。

●ナニワ金融道
あなたは牛を2頭所有している。さらに牛を増やすために、高利回りを謳って
資金を集める和牛商法を始める。ところが危ない人のお金を預かってしまった
ために、淀川に浮かんでしまう。

●キリスト教
あなたは牛を2頭所有している。あなたは1頭を残して1頭を隣の人に与える。

●共和党
あなたは牛を2頭所有している。隣の人は1頭も持っていない。で、それがど
うしたの?

●民主党
あなたは牛を2頭所有している。隣の人は1頭も持っていない。あなたはそれ
を申し訳なく感じて、税金を上げようとする政治家に投票する。政治家は税金
を上げるので、あなたは牛を売らなければならなくなる。政治家はその税金で
牛を買い、隣の人に与える。あなたは正しいことをしたと実感する。

●アメリカ企業
あなたは牛を2頭所有している。1頭を売って株主に利益を還元し、残った1
頭で4頭分のミルクを搾り取ったところ、死んでしまったので驚いた。

●フランス企業
あなたは牛を2頭所有している。でも3頭目がほしいからストライキに出かけ
る。

●日本企業
あなたは牛を2頭所有している。10分の1のサイズで、20倍のミルクを出
す牛に改良する。

●ドイツ企業
あなたは牛を2頭所有している。100年生きて、月に1回しか食べず、自分
でミルクを絞るような牛に改良する。

●イタリア企業
あなたは牛を2頭所有している。でもどこに居るのか分からない。まあ、昼飯
にしようか。

●メキシコ企業
あなたは牛を2頭所有していると思っている。でも、牛がどんなものか知らな
い。まあ、昼寝にしようか。

●ロシア企業
あなたは牛を2頭所有している。数えてみたら5頭になっていた。数えなおし
てみると今度は12頭だ。まあ、数えるのは止めてウオッカを開けようか。

●中国企業
あなたは牛を2頭所有している。おおい、メラミンをもって来い。

●インド企業
あなたは牛を2頭所有している。あなたはそれを深く崇拝する。

ウォール街金融道の処は、「バブルが崩壊」の所を、「牛が急死し
てしまいバブルが崩壊してしまう」とした方が、良いかも知れません。
ちなみに日本企業の改良とドイツ企業の改良のどちらが、いい改良
か少し真面目に考えましたが、答えは、取得費用と維持費用とミル
クの価格によって変わる事が判りました。一見、日本企業の方が良
さそうに見えるんですが....。


2008年12月29日月曜日

民間会社が国際宇宙ステーションへ補給。本当に上手くいくの?






※、CG上はSpaceX社のDragon補給機、CG下は、Orbital Sciences社のCygnus補給機。

NASA、国際宇宙ステーションへの補給業務で米民間2社と正式契約

NASAは23日、スペースシャトルの退役が予定されている2010年以降の国際宇宙
ステーション(ISS)への物資補給業務をSpaceX(Space Exploration 
Technologies)とOrbital Sciencesの米民間2社と正式契約を行ったことを発
表した。

SpaceXは契約費用16億ドル(1440億円)で2016年までに12回の打ち上げを実施、
Orbital Sciencesは同19億ドル(1710億円)で2016年までに8回の打ち上げを
実施する見通し。

打ち上げにはそれぞれ、SpaceXはFalcon 9ロケットとDragon補給機を、Orbital 
SciencesはTaurus IIロケットとCygnus補給機を使用する。Falcon 9/Dragon、
Taurus II/Cygnusともに現在のところまだ開発中で初飛行実験も行われていな
いが、Falcon 9ロケットは2009年第1四半期中に、Taurus IIロケットも2009年
末までに最初の打ち上げ実験が行われる予定で、両社共に技術的な裏付けは確
かなものがあることから、実現はほぼ確実と見越したことが今回の正式契約の
運びとなったようだ。

両社のロケット開発が成功した場合、米国の物資の40~70%は、2社のロケッ
ト/補給機によってISSまで届けられることとなる予定。NASAはISSへの補給業
務を米国内の民間企業に委託することにより、ロシアを中核とするISSの国際
パートナーへの依存度を減らす。
(Technobahn 2008/12/24)

上手くいけば、良いのですが、眉に唾をつけそうになってしまうと
いうのが本音です。

実際に、SpaceX社のFalcon 9ロケットとDragon補給機も、Orbital 
Sciences社のTaurus IIロケットとCygnus補給機も完成予想図があ
るだけで、ロケットの試験機すら打ち上げられていないのです。
両者共に、第一段エンジンの地上燃焼テストレベルはクリアしてい
る様ですが、常識に従えば、完成というレベルには、まだ遠い様に
思われます。

しかし、Falcon 9ロケットは2009年第一四半期中(あと三ヶ月!)に、
また、Taurus IIロケットは、2009年末までに、最初の打ち上げ実
験を行われるとの事。開発に全く問題がなかった場合のみ、このス
ケジュールを守れるのでしょうが、宇宙開発はスケジュール遅延の
連続ですから、今回も同様の事態に至らないか、他人事ながら心配
になってしまいます。

それでも、実績のあるロシアのZenitロケットの一段目のロケット
モータを使用するOrbital Sciences社は、まだ良いのです。
SpaceX社のFalcon9は、野心的というより無謀に近いプロジェクト
である様に思います。Falcon9は、Falconロケットの一段目に使わ
れているMarlinエンジンを9本束ねた構成になっています(H-IIBの
一段目に、LE-7Aを二基束ねるのにJAXAが何年かかったかを思い出
せば、困難さを想像できます。)が、肝心のFalconロケットは、今
まで、4回の発射実験で成功したものは一回だけなのです。それでも
契約したNASAの太っ腹の太さに感服してしまいます。

記事にもある通り、SpaceX社は契約費用16億ドル(1440億円)で、
2016年までに12回の打ち上げを実施し、Orbital Sciences社は、同
19億ドル(1710億円)で、2011年から2016年までに8回の打ち上げ
を実施する見通しです。ISS(国際宇宙ステーション)まで輸送する
荷物の量は、各々、20トンになっていますので、一回当たりの輸
送量は、SpaceX社で、1トン弱、Orbital Sciences社は、1.25
トンになります。(但し、Dragon補給機は一回当たり最大で、2.5
トン、Cygnus補給機は、同じく、2.3トンの輸送容量があります。)

これに比べると、日本のHTVの輸送量は、一回で、最大6トン、欧
州のATVは、一回り大きく最大8トン弱ですから、それに比べると、
一回当たりの輸送量はかなり小さくなります。

ただ、その分一回当たりの打ち上げ費用は、補給機込みで、Falcon9
は、1.3億ドル、Taurus IIは、2.4億ドルで、HTVやATVに比べると、
概ねロケット打ち上げ費用のみで、補給機費用込みの打ち上げ費用
が賄える事になります。但し、打ち上げ重量1トン当たりのコスト
では、HTV一号機の場合、46.7億円(H-IIB打ち上げコスト140億円、
HTV本体140億円)に対し、今回の契約では、SpaceX社が72億円、
Orbital Sciences社が85億円で、それ程安くはありません。最大キ
ャパシーで見積もった場合は、各々この半額になりますが、意外に
HTVも健闘していると言う事でしょうか。

民間事業者が安価な打ち上げ手段を持つ事は、宇宙と一般市民の距
離を縮める事にもなりますので、本当に成功を祈りたい気持ちなの
ですが、スケジュールがあまりに野心的すぎる点、逆に、民間事業
の芽を摘む事にならないか懸念する処です。




2008年12月26日金曜日

護衛艦ソマリア派遣 今のままでは自衛隊は日本商船隊を守れない!




※写真はAFPサイトから転載

日本から護衛艦派遣 ソマリア沖 麻生首相、対応明言

政府は25日、海上警備行動発令によるアフリカ・ソマリア沖での海賊対策に
ついて、日本から新たに護衛艦を派遣する方針を固めた。インド洋に派遣され
ている海上自衛隊の護衛艦を活用すると補給活動に支障が出る可能性があり、
海賊対策に特化した派遣の方が、より実体的な任務が行えると判断した。ただ、
派遣準備に十分な時間が取れないなどの問題もあり調整を急ぐ。

麻生太郎首相は同日夜、首相官邸で記者団に対し「取り急ぎ日本も対応すべき
だ。取り急ぎということであれば海上警備行動で対応する」と述べ、海警行動
の発令で海自艦艇をソマリア沖に派遣することを正式に表明した。

さらに首相は「他国の船は助けませんではいかがか」と述べて、海賊対策の一
般法の早期制定に意欲を示した。

政府は護衛艦1、2隻に補給艦1隻の陣容を検討。ソマリア沖の海賊多発海域
に艦を配置し、通行する日本関係船舶から危険情報が入った場合に現場に急行
することを想定している。

また、一義的に海上での治安維持を担当する海上保安庁との連携を強化するた
め、日本で海上保安官を同乗させて出航する。武器使用については、警察官職
務執行法を準用し威嚇射撃や海賊側と同程度の武器での応戦を認める。

アジア諸国のうち、中国は海軍艦艇をソマリア沖のアデン湾に派遣、海賊対策
で各国と足並みをそろえる姿勢を強めており、日本の存在感を示す意味でも海
賊対策に特化した護衛艦の派遣は重要となりつつある。ただ、日本籍船の護送
任務を優先する外務省と、海域での警護を念頭に置く防衛省との調整はついて
おらず、年内にも派遣する政府調査団の報告を踏まえ、さらに検討を進める。

(産経新聞 2008/12/26)

}}}

外務省が何も判っていない事が良く判るのが、記事の一番最後の部
分です。国土交通省の海事レポートに書かれていますが、実は、我
が国商船隊を船籍別にみていくと、パナマ籍1,563 隻(商船隊全体
に対するシェア70.3%)、6,106 万総トン(同68.7%)、リベリア
籍109 隻(同5.0%)、443万総トン(同5.0%)など、いわゆる便
宜置籍船がほとんど(平成19年度版海事レポート概要P18)であり、
日本船籍の船は、全体で2200隻の内、わずか95隻。割合にして0.5%
以下でしかないのです。

外務省の言う日本籍船だけを護送する事が如何に無意味か良く判る
と思います。法改正が行われていない現時点では、海上警備行動発
令で救える船は、殆ど存在しない日本籍船しかなく、我が国商船団
の大半を占める便宜地籍船を守る事はできないのです。

その意味で麻生首相の「他国の船は助けませんではいかがか」と言
う発言は間違いです。「我が国の商船隊を守る為には、外国籍船を
守らなければならない」というのが実情なのです。

では、海賊に襲われた、日本の船会社のパナマ船籍船を海上自衛隊
が救う場合は、これに加えてどんな問題があるでしょうか?

実は日本籍船と便宜地籍船では、大きな違いがあります。船の世界
には旗国主義というのがあります。以下はWikipediaからの引用です。

旗国主義(きこくしゅぎ)とは、刑法の場所的適用範囲に関する立
法主義の一つで、自国船舶・自国航空機内における犯罪に対しては
犯人の国籍を問わず自国の刑法を適用するもの。日本の刑法では刑
法第1条2項の規定で旗国主義を採用している。なお、旗国主義は国
家の領土主権の効果が自国船舶・自国航空機内にも及ぶと構成する
ものであるから属地主義の一種ということができる。


つまり、僅かな日本籍船は、日本国の刑法を適用できるが、便宜地
籍船では、日本国の刑法は適用できないのです。
ですから、日本船籍の船が襲われた場合は、日本国刑法を適用して
逮捕可能なのですが、外国籍船、例えばパナマ船籍の船の場合は、
日本の主権が及びませんし、パナマの官憲が海賊を退治してくれる
訳でもありません(パナマは船舶を所有、置籍する為の税金を低く
抑え、船籍登録を促すだけの機能しか持っていません)ので、自衛
隊が海賊を捉えても、本来、法執行を行うべき主体に引渡しができ
ない事から、折角捉えた海賊を釈放せざるを得なくなります。

加えて、自衛隊が、この記事が書いている様な海賊側と同程度の武
器での応戦をした場合にも大いに問題が発生する可能性があります。
つまり、ソマリアの海賊が、実は、軍隊が使用する様な重機関銃や
ロケット弾で自衛隊を攻撃し、自衛隊が同程度の兵器(実際には、
バルカン・ファランクスか自動小銃しかありませんが)で応戦した
場合、ソマリアの海賊の武装の程度を知らない(知ろうとしない)日
本のマスコミは、武器使用の不適切をあげつらい、現場の指揮官(
護衛艦の艦長)に非難を集中する可能性が極めて高いと言えるでし
ょう。

この様な、事態を避ける為には、交戦規則をきちんと定める必要が
ありますが、根拠法が現行の自衛隊法の海上警備行動だけでは、現
場が納得できるほど明快な交戦規則を本当に作れるのか、非常に疑
わしいとしか言えないのです。

結論から言えば、今回の海上警備行動発令だけで、できる事は非常
に限られており、多国籍海賊対策オリンピックに参加する事に意義
があったいう程度の効果しかないと言えます。
護衛艦は、実際には、日本商船隊を保護する事はできず、自艦が海
賊に攻撃されても、碌に応戦も出来ず、ただ逃げまわるだけと言う
事になりかねません。
しかも、それ以上の事を行えば、今度は護衛艦長が処分の対象にな
ってしまうという悲惨な結末に至る可能性も高いのです。

現場にそんな状態を押し付けるだけでは、政治はやるべき事を行っ
ているとは言えないでしょう。それだけに政治はシビリアンコント
ロールを実現する為にも、自衛隊法の改正を一日も早く実施する必
要があると考えます。

こういう恩知らずな国が隣国であるという不幸




【社説】世界の通貨戦争…北東アジアの協調が解決策だ

国の経済がぐらつくと、その国の通貨も価値が墜落するのは避けられない現象
だ。いまの米国のドルがそれだ。米国の巨大な貿易・財政赤字に加え、ゼロ金
利まで加勢し、ドルの体面は話にならない。各国の外貨準備高でドルの割合が
目立って減っており、国際債券市場ではユーロ建て債券がドル建て債券を圧倒
している。より安全な通貨に集まるが金の生理だ。低い利子率に為替差損まで
覚悟して国際資金がドルに集まり続けることを期待するのは無理だ。こうした
流れならば世界の通貨戦争は避けられない。 

もちろんドルの存在感が短期で崩壊しないのは明らかだ。しかしドルの覇権に
対する挑戦は徐々に大きくなっている。フランスのサルコジ大統領は、「ドル
はこれ以上唯一の基軸通貨ではない」としてユーロを含む多極体制への転換を
求めた。こうした自信は通貨の価値が大きく高まったユーロを背景にしている。
ドルの覇権にとって最大の脅威となるのが中国だ。中国は2兆ドルの外貨準備
高を武器に、「われわれが米政府債券を買い続けるとは期待しないように」と
圧迫している。中国はまた、香港・マカオはもちろん、東南アジア諸国連合
(ASEAN)10カ国の貿易で人民元取引を初めて認めた。人民元の国際化
を進めようとする措置だ。日本もまた手をこまねいてばかりいるわけではない。
ただ日米同盟を意識し、公開的な動きを差し控えているだけだ。円共栄圏は日
本の長い夢でもある。 

世界の通貨戦争が激しくなる場合、韓国も火の粉が降りかかる。ドル安は国際
原材料価格を刺激し、再度ハイパーインフレを呼び起すかもしれない。機軸通
貨が揺さぶられることに備え、外貨準備高と決済通貨を多様に分散させる必要
もある。そうすればウォンの安定を期待することもできる。 

しかし世界の主要通貨の角逐戦は、韓国に新たなチャンスでもある。韓国が日
米中との通貨スワップに相次いで成功したのも、これら3カ国の神経戦による
反射利益だという点は否定しがたい。基軸通貨が変われば世界経済の地形図が
根本的に変わることになる。これに備え韓中日の北東アジア連帯に格別に神経
を使うべきだ。今のところ、最も効果的な解決策だ。3カ国の通貨スワップ限
度をあらかじめゆったりと確保し、アジア通貨基金(AMF)創設も加速すべ
きだ。もちろん最も重要な防護壁は内部の免疫体系だ。強力な製造業と強固な
金融システムこそ世界金融の津波からわれわれの生存を図る最高の防波堤にな
るのだ。   

(中央日報 2008/12/26)

まず、現状認識がおかしいですね。
この記事は米国とドルがぐらついていると冒頭に述べ、フランスの
サルコジ大統領が「ドルが唯一の機軸通貨ではない」との発言を引
用していますが、皮肉な事に、実際に通貨危機に陥って下落してい
るのはドルではなく、ウォンであり、ユーロなのです。
「国の経済がぐらつくと、その国の通貨も価値が墜落するのは避け
られない現象だ。」とするならば、韓国は自国を一番心配しなくて
はいけない事になります。

ウォンが売り圧力をかけられ、危機感を感じた韓国が必死になって
頭を下げて回ったからこそ、米国にせよ、日本にせよ、中国にせよ
通貨スワップ増額を了解し、一応の危機回避が得られているに過ぎ
ません。日本にせよ、中国にせよ、現時点で韓国が通貨危機を起こ
し経済破綻する事にメリットがなかった事から、今回は協力してい
ますが、韓国がそれを日中を手玉に取った韓国の外交手腕の勝利な
どと認識しているのであれば、今後もお付き合いする必要は無い訳
です。その点は、韓国は痛切に認識する必要があります。
韓国自身が、その弱さを認識して、自国の経済体質を改善しなけれ
ば、危機は何度でも韓国経済を襲うことになるでしょう。その時に、
いつも米国や日本や中国が韓国に協力するかどうかは、危機が去っ
た後に韓国がどの様に発言し、行動するかによるのだろうと思うの
です。