2009年1月20日火曜日

パンダ・ハガーがいても、日本は対米協調による国益確保を目指すのみ


※代表的パンダ・ハガー Wikipediaより転載

<オバマ新政権>多すぎる親中派「パンダ・ハガー」に日本がヤキモキ―米紙

2009年1月16日、米ブルームバーグニュースは「オバマ政権に多すぎる『パン
ダ・ハガー』が、日本の日米関係に対する危惧を増長させている」と題した記
事で、米次期政権の中国重視に不安を募らせる日本の姿を紹介した。19日付で
環球時報が伝えた。 

「パンダ・ハガー」(=パンダにハグする人の意)とは親中派の蔑称。記事は、
「首相がころころ変わる日本」の麻生太郎首相が、オバマ次期大統領に対する
当選祝いの電話で「米国との関係強化を外交政策の最重要項目」と強調するな
ど、米国の日本離れを食い止めることに心を砕く日本の姿を紹介した。また、
日本の新聞社が次期国務長官に任命されたヒラリー・クリントン氏を筆頭に
「オバマ政権には『パンダ・ハガー』が多い」と危機感をもって報じたことも
伝えた。 

記事はまた、「日本の必死なアピール」として法律を改正してまでソマリア沖
の海賊対策に艦隊を送ろうとしていると指摘。小泉元首相による靖国神社参拝
で冷え切った中国や韓国との関係改善を図ろうと、安部元首相が最初の訪問国
に中国、次に韓国を選んだことも取り上げた。 

だが、かつて国家安全保障会議アジア担当上級部長と大統領特別補佐官を務め
たケネス・リバソール氏は、「オバマ次期大統領の対日政策は気候温暖化や北
朝鮮の核問題など『実務』が中心になる」と指摘。記事は、河野太郎・外務委
員長も「日米の親密な関係が薄れてきているのは事実」と認めた上で米国の中
国重視姿勢に「多くの議員が懸念を示している」と語ったと伝えた。

(Record China 2009/01/19)

バブルの時の日本がそうだったように、中国は今、自国のポジショ
ンに過大な自信を抱いているようです。
こういった米国通信社の配信記事を細かく伝える事によって、国民
にナショナリズム的高揚感を与えているとも言えます。勿論、政権
に対しては、支持増加要素になると言えるでしょう。
ところで、パンダ・ハガーがオバマ政権内に増えると、それが日本
にとっては、即悪なのでしょうか。私は必ずしもそうではないと考
えます。

米国にとって日本は経済面では競争相手であっても、安全保障面で
は、長年に亘る同盟国です。一方の中国は、安全保障面でライバル
であると同時に経済面でも、台頭してきたライバル国という事にな
ります。しかも、米国の議会制民主主義や人権規範とは、潜在的に
相容れない一党独裁体制、人権抑圧体制を引き続き堅持しています。

勿論、一党独裁体制、人権抑圧体制の国が米国と協調できない訳で
はありません。シンガポールの様に、中国とは実質的には異ならな
い国とも米国は協調していますし、米国は第二次大戦時には、ソ連
や中国と言った独裁国家を同盟国とし、それらより民主主義の度合
いの進んだ日本を敵とした事もある訳です。

しかしながら、米国にとって中国と日本、どちらが将来の米国にと
って脅威であるかを現時点で問えば、それは中国である事に殆どの
米国の政治家が同意するだろうと思われます。

米国の政治家がかってのソ連に対するのと同様に潜在敵国である中
国を重視する事はあっても、現時点でのナチュラル・アライは、日
本ある事は明白であり、それは、パンダ・ハガーであっても同様の
認識であると思われるのです。但し、そういう認識は、長年に亘る
行為の蓄積の所以であって、自然に放置してそうなる訳でない事は
言うまでもありません。米国で反日宣伝を行おうとする者にとって
日米の過去は、宣伝材料に事欠くものでない事を充分に認識してお
く必要があります。

マスコミの論調とは大いに異なりますが、私は米国の政治的経済的
に唯一の超大国としての地位は、予見できる将来に置いても、変わ
る事はなく、日本にとって協調する甲斐のある民主主義法治国家で
あると考えます。勿論、米国の100%が善である訳ではありませんが
同様のスコープで中国やロシアがヘゲモニーを取ったケースを比較
しても、米国が悪である、その度合いは、中ロに比べましであると
言えると思います。

日本としては、中国が、現体制が維持されるよりも、和平演変の結
果、人権を重視する民主主義法治国家へ体制が変化してくれる事が
望ましい訳であり、米国がその様な戦略性を持って中国の変化を促
すのであれば、それに越した事はないと言えます。私は、その結果
として、日本が米国のアジアにおける第二の同盟国になっても、そ
れはそれで歓迎できる事であるいと思います。

日本として絶対に避けるべきは、日本が米国と利害調整に失敗し、
あるいは、中国や第三国の反日キャンペーンに敗れる形で米国を敵
に回す事であると思います。その意味で、クリントン政権における
ジャパン・バッシャーの発生は、反面教師として、再び、その様な
議論が出て来ない様、注視する必要があると言えます。
昭和天皇は、英米を敵に回した松岡洋右を最後まで許す事がなかっ
たと言いますが、我々が最も警戒すべきは、左右何れの側からであ
っても対米協調を破壊する意図を持ったアジア主義者であると考え
る次第です。その意味で、福沢諭吉の脱亜論は今日的価値を引き続
き持っていると考えます。

それにしても、日本で代表的なパンダ・ハガーである河野太郎が「
日米の親密な関係が薄れてきているのは事実」と発言しているのは
問題であると思います。


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