※写真はFlight Internationalサイトより転載。
クレジットはSenior Airman Julius Delos Reyes/US Air Force
ステルス戦闘機F22、オバマ政権で生産中止?
【ワシントン=小川聡】日本政府が次期主力戦闘機(FX)候補としている最
新鋭ステルス戦闘機「F22ラプター」に関し、米国防総省が、オバマ次期政
権下で生産が中止される可能性があるとして、米議会が決めた調達予定の履行
を遅らせていることが分かった。
F22は、技術情報漏えいへの懸念から事実上の禁輸措置が取られているが、
日本は米側に、F22取得の働きかけを続けてきた経緯がある。生産中止とな
れば、FX選定作業は抜本見直しを迫られることになる。
米議会は今会計年度前期分(08年10月~09年3月)に、F22の調達費
用を20機分(1億4000万ドル)計上した。しかし、国防総省はオバマ次
期大統領が就任する来年1月20日以前は、4機(5000万ドル)の取得に
とどめるよう、空軍に指示したという。
19日の下院軍事委員会の空・陸軍力小委員会で、ジョン・ヤング国防次官は
「次期政権が購入しないかもしれない飛行機の現時点での購入は、納税者に無
駄なお金を使わせることになるかもしれない」と、理解を求めた。
(読売新聞 2008/11/22)
現在、航空自衛隊で使用されているF-4EJ改の代替機となる
次期戦闘機(FX)の導入は、防衛省の希望するF-22が米議会で
輸出を禁止されている事から先送りされ、F-15Jの近代化改造
機数を増加させる事で帳尻を合わせています。
上記の記事が正しければ、米国での調達が、ここまで減少するとロ
ッキード・マーチン社は製造ラインを停止せざるを得なくなります。
元々、米国でも、生産予定数を183機から拡大しなければ、2010
年にもライン停止を余儀なくされるとロッキード・マーチン社は空
軍に通告していた訳ですから、空軍からの発注数が激減し、且つ、
輸出が引き続き禁止されている以上、ライン停止も止むを得ないと
言う事になります。
一度、製造ラインが停止すると、ラインの復活には、巨費がかかる
為、F-22の生産再開は不可能になります。
米空軍からすれば、同様のコンセプトの機体がロシアで開発中であ
る中で、所要量の380機に程遠い半分程度の調達に留まるのは、
将来に対し、不満と不安が残る所です。
とは言え、オバマ政権がイラク撤退と合わせ国防費の削減を指向す
るのはまず確実であるとするならば、日本としては、FXとしては、
F-35を選定するしかない事になります。JSFも開発が必ずし
も順調ではありませんでしたが、先ごろ(11/13)、初飛行から二年半
を経て、漸く超音速飛行に成功する等、基本形であるF-35Aの
開発は漸く軌道に乗ったかに見えます。
F-35Aを調達する事にした場合、実際の調達できるのが、先行
して発注した各国の後になるのは仕方のない事です。そうであれば、
その条件の中で、F-35Aが導入できる迄、延命を可能とすべく
F-15Jの改造対象機数と改造範囲を再検討すべきであろうと考
えます。
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