国籍法衆院通過 法務委実質3時間、審議不十分の声
未婚の日本人の父と外国人の母の間に生まれ、出生後に認知された子の日本国
籍取得要件から「婚姻」を外す国籍法改正案は18日の衆院本会議で全会一致
で可決、参院に送付された。今国会で成立の見通しだが、これに先立つ同日の
衆院法務委員会の質疑では、与野党双方の議員からさらなる慎重審議を求める
声が出ていた。国家の構成員を決める改正案の重要性に比べ、国会での扱いの
あまりの拙速ぶりが目立った。
「重大法案についてはきちんと審議をすべきだ」(自民党の稲田朋美氏)
「もう少し慎重に時間をとりつつやってもらいたい」(民主党の石関貴史氏)
「徹底的にやるべきだ」(社民党の保坂展人氏)
18日の法務委では委員たちから審議の不十分さを指摘する意見が相次いだ。
改正案は偽装認知など闇ビジネスを誘発する懸念が指摘されるが、実質的な審
議はこの日午前に3時間行っただけ。改正案に慎重な自民党の赤池誠章氏が採
決に反対し、委員を村田吉隆氏に差し替える場面もあった。
採決が急がれたのは、自民、民主両党が12日、改正案を会期末までに成立さ
せる方針で合意したためだ。「与野党で合意したものをほごにはできない」
(与党議員)と、国民とは直接関係のない国会対策上の事情が大きい。
各党の法務委メンバーなど関係各議員のもとには、改正案に抗議し、慎重審議
を求めるファクスやメールが殺到した。その中には、DNA鑑定の導入や、父
子の同居・扶養の事実確認の必要性を訴えるものが多かった。このため、18
日の法務委では(1)父子関係の科学的な確認方法を導入することの要否と当
否について検討する(2)虚偽の届け出を行った者に対する制裁が実効的なも
のとなるよう努める-などの付帯決議を行った。だが、「努力目標」の付帯決
議では、国民の不安払拭(ふっしょく)には至りそうにない。
国籍法改正案は、最高裁が6月、同法の「婚姻要件」を違憲と判断したため準
備され、今月4日に閣議決定された。だが、次期衆院選対策で地元に張り付い
ていた多くの議員は法案の内容を知らないうちに、手続きは終了していた。
(産経新聞 2009/11/19)
国会での審議を期待を込めてみていた人にとってはショックが大き
かったかも知れません。しかも、反対者がいたにも関わらず、法務
委員会は、反対委員を差し替え、本会議は全会一致での通過と納得
がいかない向きも多いかと思います。私も全く同じです。
どの国でも、議会の審議方法や決議方法は独特のものがあり、初め
て、そのやり方を知った人間には戸惑うばかりです。ただ、実際の
議会の運営方法を批判しても仕方ありません。今まで、新聞記事だ
けで政治を眺めていた人間が、実際の法律の作り方を実体験した訳
ですから、そういう議会のルールを利用して、悪法の成立や、法律
改悪に抵抗する方法を学んでいくしかありません。
その意味で、今回の国籍法改正については衆院通過には間に合いま
せんでしたが、今度は参議院での委員会審議があり、本会議がある
訳ですから、政党を問わず、参院法務委員会の委員や各々の選挙区
選出の参議院議員に対して、国籍法の慎重な審議を訴える事が重要
であると思います。
議員だって馬鹿ではありません。委員会審議で法の不備を指摘すれ
ば、政府側委員(今回の場合は法務省の役人)だって、無視する訳に
はいかないのです。法案の実質的な審議は委員会で行われます。各
党の法務委員会委員に、対して、ブログのコメント欄、FAXを使
った意見表明を行いましょう。どの議員も基本的には、日本の国を
悪くしようとは考えていません。国籍法不備による、治安の悪化を
望んでいる議員はいないと考え、できる事をやりましょう。
もし、法案が参議院を通過しても、落胆する事はありません。法を
実際に運用する手順は政令で定められます。今回、付帯決議で指摘
された項目がどの様に政令に盛り込まれたかもフォローしていく必
要があります。また、法改正後に外国人の認知が異常に増加してい
ないかも継続的に調査を行う様にしなければありません。その上で
法改正が必要であれば、議員を動かしてドイツ型の修正案を通過さ
せていけば良いのです。
一回だけのチャレンジで、あきらめてはダメです。国籍法改正に対
しては長期戦で戦っていきましょう。
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