※写真上は月周回軌道上の「チャンドラヤーン1号」
写真下は、月面突入探査機。いずれもSpace.comより転載
インド初の無人月探査機、月面着陸に成功 2年間調査
ニューデリー(CNN) インド初の無人月探査機「チャンドラヤーン1号」が14
日、月面着陸に成功したと、インド宇宙研究機関(ISRO)が発表した。今後2
年間をかけ、月面の様子を詳しく調べるほか、水や氷の存在についても調査する。
「チャンドラヤーン」はサンスクリット語で「月の乗り物」の意。10月22日に
インド南部スリハリコタの宇宙センターから打ち上げた。月面に着陸した14日
は、ジャワハルラール・ネルー初代インド首相の誕生日。元首相は1962年に近
代インドの宇宙計画を打ち出しており、ISROは歴史的な日になったと述べている。
探査機は米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)、ブルガリアからの機器
も積載している。観測結果は各国と共有し、今後の月探査に向けて活用する。
(CNN.co.jp 2008/11/15)
上記の記事は、少し、舌足らずな印象です。この記事を読むと、
まるで「チャンドラヤーン1号」が月面に軟着陸したのかと思わせ
ますが、実際には、「チャンドラヤーン1号」から小型探査機を放
出し月面に衝突させたというのが正確な表現だろうと思われます。
二年間調査を続けるのは、月周回軌道上にある母船である「チャン
ドラヤーン1号」本体です。
日本の「かぐや」は、重力観測とデータ中継用の子衛星である「お
きな」と「おおな」を放出しましたが、「チャンドラヤーン1号」
は、子衛星を月面に衝突させたと言う事になります。
なお、この月面突入探査機には、レーダー高度計、ビデオ画像シス
テム、大気密度観測装置の三種類の観測装置が積み込まれていまし
たが、個人的には探査機の四面に描かれたインド国旗が一番、月面
に届けたかったものだったのではないかと愚考します。
中国の「嫦娥1号」が、母衛星の月周回のみ、日本の「かぐや」が
子衛星と連携した月面裏側のリアルタイム観測を実現したのと比べ
れば、インドの「チャンドラヤーン1号」は科学観測機能も子衛星
の利用形態も日中の中間に位置づけられる様に思います。
日本の場合は、「ひてん」という予行演習がありましたが、中国も
インドも練習なしで、直接、探査機を月周回軌道に投入しており、
両国共に、恐らくは、弾道ミサイル誘導技術を元にした高度な衛星
誘導技術を保有している事が判ります。
JAXA「月探査ステーション」
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