イラン、新世代ミサイルを実験発射
【11月12日 AFP】
イランが12日、新世代型の地対地ミサイルの発射実験を実施したと、モスタフ
ァ・モハマド・ナッジャル国防軍需相が発表した。
同日イランのファルス通信が伝えた。
国営テレビでは中距離弾道ミサイル「シャハブ(Shahab)3」と同程度の大き
さのミサイルの映像が放映された。同相は「エンジン2基を搭載した複合固形燃
料式の2段式ミサイルで『Sajil』と命名された」と説明し、実験は成功したと
述べた。
射程距離2000キロと公表されている先行開発の「シャハブ3」は欧州南部にも
到達可能だが、イスラエルを含む中東および圏内の米軍基地の最大の脅威と
なっている。
* 2008年11月12日 19:50 発信地:テヘラン/イラン
ロシアが新型ミサイル配備 欧州内の飛び地、米MD計画へ対抗
【モスクワ=佐藤貴生】ロシアのメドべージェフ大統領は5日、クレムリンで
今後の施政方針を示す一般教書演説を行い、米国が東欧で進めているミサイル
防衛(MD)計画への対抗措置として、西部カリーニングラード州に新型ミサ
イルを新たに配備する計画を表明した。また、グルジア紛争をめぐる米国の対
応を批判するなど、今後とも厳しい対米姿勢で臨む方針を明らかにした。
大統領は演説で、「北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大のほか、ロシア
を取り囲むように進む米国のMD計画がここ数年の対立の原因だ」と述べ、
「ロシア国民の安全を守るため」、欧州にあるロシアの飛び地、カリーニング
ラード州で予定していた3つのミサイル部隊の撤廃計画を撤回し、3部隊を継
続して駐留させると言明した。
さらに、新型の地対地ミサイルシステム「イスカンデール」を配備すると述べ
るとともに、ポーランドとチェコに配備される米MD施設に、電波妨害を同州
から実施すると語った。
ロシアは8月のグルジア紛争勃発(ぼっぱつ)後、南オセチア、アブハジアの
両地域のグルジアからの独立を承認したが、「われわれはこの地域から後退し
ない」と明言し、強気の姿勢を示した。
内政面では、憲法を改正し、大統領の任期を現行の4年から最大6年に延長す
べきだと主張した。改正時期は不明だが、現在でさえ強大な大統領権限を一層
強化する考えとみられる。
(産経新聞 2008/11/5)
北朝鮮、サンプル調査を拒否=核問題の先行き流動化も
【ソウル12日時事】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省スポークスマンは12
日の談話で、核申告の検証問題に関連し、検証方法を(1)現場立ち入り(2)文書
の確認(3)技術者からの聞き取り?に限定すると強調、日韓などが求めるサンプ
ル調査を拒否する立場を明確にした。韓国の聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮が核施設でのサンプル調査を拒否する姿勢を示したことで、今月にも開
催されるとみられていた6カ国協議首席代表会合を含め、核問題の先行きが流
動化する可能性も指摘されている。
(時事通信 2008/11/12)
大統領選出者であるオバマ氏には不運な事に、次期大統領に選出さ
れて以降、「ならずもの」国家群から米国への挑戦が続いています。
最初に挑戦したのは、新冷戦の立役者であるロシアのメドベージェ
フ大統領です。米国の東欧へのMD配備に対抗するとして、ドイツ
とポーランドに挟まれたロシアの飛び地に、短距離地対地ミサイル
「イスカンデール」を配備すると表明しました。
続いて、昨日(11/12)、「ならずもの国家」に指定されていた北朝
鮮が、交渉で合意していたとされる核施設でのサンプル調査を拒否
する事を明らかにしました。同盟国である日本の反応をあえて無視
して強行した、あのテロ支援国指定解除はなんだったのかと思わせ
る動きです。
更に、同日、イランが新型中距離弾道弾の発射試験に成功した事を
発表しました。イランが発電用原子炉向けとして進めているウラン
濃縮プロジェクトが成功すれば、この中距離弾道弾に、核弾頭が搭
載される事はまず確実であり、米国にとっては、中東情勢を更に不
安定化するものとして、また、柔らかな下腹であるヨーロッパを射
程に収める新たな脅威として、さぞ、不快な事であろうと思います。
一見、オバマ氏は「不運」にも、当選そうそう、これら「ならずも
の」国家群の挑戦を受けている様に見えますが、実は、これらの動
きは、「まさしく」オバマ氏が大統領に選出されたからこそ発生し
たものなのです。
宥和的なオバマ氏が何故、「ならずもの」国家群の挑戦を受けなけ
ればならないのでしょうか。
それは、オバマ氏が選挙運動中に、「ならずもの」国家との無条件
の話し合いを表明していたからに他なりません。
話し合い、つまり、交渉を行う場合は、ギブ&テイクが前提となり
ます。つまり、交渉開始前に、既成事実を積み上げて置く事が、交
渉時に切れるカードを増やす事になり、交渉上の優位を齎します。
言い換えると、短距離弾道弾配備の中止や、サンプル調査の実施や、
新型中距離弾道弾の開発中止を行う替わりに米国から色々な譲歩を
引き出す事が出来る事になります。
オバマ氏は、無条件に話し合う事を「ならずもの」国家への善意と
して表明した訳ですが、「ならずもの」国家群は、リアリストとし
て行動した事で、オバマ氏に対し強烈なしっぺ返しを行ったと言え
ます。勿論、オバマ氏はこれを理由に話し合いに入らないというオ
プションもありますが、それでは、「変革」の公約に違反した事に
なり、オバマ大統領の存在意義を失わせてしまいます。自業自得と
も言えそうですが、オバマ氏は、大統領の座を得た替わりに、米国
の国益を損ねたと言えなくないように思われるのです。
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