2009年7月29日水曜日

民主が狙う大都市中高年サラリーマンの懐

※朝日新聞サイトより転載

「言われる筋合いない」鳩山氏、財源問題で反論

民主党の鳩山由紀夫代表は28日の宮崎市での街頭演説で、民主党公約に対す
る与党側の「財源が不明確」との批判に「言われる筋合いはない」と強く反発
し、「できるだけ細かく調査をして必要な財源を手当てした。必ず実現する」
と強調した。

自民党が衆院選マニフェスト(政権公約)に明記する方針の「2020(平成
32)年までに世帯あたり可処分所得平均100万円増」に関しては「衆院選
公約は『最大4年間で何をやるか』という国民との約束だ。10年以上先の話
をされても次の総選挙で問えない」と批判した。

(産経新聞 2009/07/28)

「あなた方に言われたくない」公約批判に鳩山民主代表

民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)に対し閣僚から「ばらまき」などの
批判が相次いだことに関して、鳩山由紀夫代表と岡田克也幹事長が28日、そ
れぞれ遊説先の街頭演説で反論した。

鳩山氏は宮崎県西都市で「与党は財源問題をおっしゃるが、あなた方に言われ
たくない。無駄遣いし放題でお金を垂れ流し、足りなければ国債を発行してき
ているではないか」と反論。「私たちはとことん無駄遣いをなくさせることに
力を注ぎ、本当に大事なところに資金的な手当てをしたい」と強調した。

岡田氏は神奈川県三浦市で「与党はしがらみの中でやっているからできないが、
(民主党は)予算を全部見直し何兆円ものお金をつくりだす」と表明。「天下
り団体に対する補助金や、特定の利害関係の人にだけ手厚いさまざまな制度、
そういうものを全部ゼロから見直す」と述べた。

(産経新聞 2009/07/28)


やはり痛い所、明確に反論できない所を突かれると、言葉が荒くな
ってしまうのは誰でも同じようです。

外交的には全方位土下座外交、国内的にも全方位ばら撒き政策と揶
揄されている民主党のマニフェストですが、仔細に眺めると、財源
は大都市居住の中高年サラリーマンであるのが判ります。その中で
も特に、子供が大学生以上になった世帯にしわ寄せが来る事になり
ます。

この世代は、子供の大学の学費や生活費に実際には高額の負担を行
っていますが、年功もあり、管理者層が多い事から、所得も他の年
代に比べ多めになっています。この為、配偶者控除、扶養控除の廃
止が重くのしかかる割りには受益サイドとしては奨学金(学費借入)
程度しかありません。

子育て層が、中学生までは、年額31.2万円、高校生の場合は、公立
高校の授業料無料化、私学の場合でも、年間12万円~24万円の補助
と手厚い教育費、生活費補助を受けるのとは、誠に対象的であると
言えます。

これに加えて、ガソリン税の暫定税率と高速道路の無料化がありま
す。これらの受益者の内、一番大きいのは輸送業者ですが、個人と
しては地方在住者という事になります。都市部で生活の足に車を使
っている人は、高速道路はあまり使いませんし、首都高や阪神高速
は、無料対象から外れています。

実は、この施策に対する財源の裏づけはありません。民主党の一部
議員からは、自動車保有者全員から一台に付き一律5万円徴収する
案が出ている程です。その案がダメな場合は、赤字国債、最終的に
は消費税という事になります。つまり、受益者負担の考え方がなく
なり、多数の都市生活者から少数の地方生活者への大規模な所得移
転が行われる事になります。ここでも、標的は、消費活動が一番活
発な層と言う事になり、結果的に、大都市に生活する中高年サラリ
ーマンが割りを食う事になります。

今回の衆議院選挙で情緒的に政権交代を求めるのも結構ですが、民
主党のマニフェストを見る限り、大都市部の中高年サラリーマンが
標的になっている事は冷静に評価する必要があると思われるのです。


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