※図表は、JAXA Webサイトから転載
小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)のTCM-3、
地球外縁部からWPAへの誘導目標変更完了について
日本時間2010年6月5日13時44分にTCM-3が正常に実施されたことを確認しまし
た。この運用により、地球外縁部から豪州WPA内着陸想定地域への誘導目標変
更が完了しました。
探査機の状態は良好です。
※TCM:Trajectory Correction Maneuver(軌道補正マヌーバ)
※WPA:Woomera Prohibited Area(ウーメラ実験場(立入禁止区域))
(JAXA 2010/06/05)
いよいよ、6月13日の「はやぶさ」の帰還まで、あと一週間を切り
ました。
2005年11月。「はやぶさ」は小惑星イトカワに着陸し、そのサンプ
ルを収集しました。その後のトラブルで、帰還計画は大幅な変更を
余儀なくされましたが、「はやぶさ」は、数々の困難を克服し、地
球帰還への旅を続けてきました。「はやぶさ」の目的は、小惑星の
サンプルを地球に持ち帰る事で、太陽系天体と地球を無人探査機が
往復するのに必要な技術を実証する事にあります。これからが将に
「はやぶさ」の正念場なのです。
過去二ヶ月の間、「はやぶさ」は、TCM-0からTCM-3までの4回の軌
道補正マニューバーをイオンエンジンを使用して完璧にこなしてき
ました。
この4回の軌道補正で、最初は、大まかに地球軌道を捉えているだ
けだった「はやぶさ」は、地球を西から東に掠めるコースを取る様
に、その軌道を修正しています。TCM-3が終わった現在では、目標
は地球外縁からさらにウーメラ実験場上空へ突入する様にピンポイ
ントの正確さで誘導されています。しかし、400万キロの彼方か
らでは、広大なウーメラ実験場も点にしか見えません。突入四日前
に行われるTCM-4では、ウーメラの更に内部に精密誘導する為の軌
道修正が行われます。
不安の要素は、まだまだあります。酷使されているイオンエンジン
には、TCM-4をやり抜いて貰わないといけません。ただ一個残って
いるリアクションホイールにも、あと僅かですが、頑張って貰わな
いといけません。突入の三時間前に行われる帰還カプセルの分離は
正確なタイミングで行われないといけません。そして、それ以上に
帰還カプセルそのものが、惑星間航行速度から大気圏内で急速に減
速する事による高熱に耐え、さらにパラシュートを放出し開傘まで
機能して貰わないといけないのです。これらの作業に、やり直しは
ありません。ただ一回しかないタイミングで実施されなければなら
ないのです。
満身創痍の「はやぶさ」がミッションを500%達成する為には、残っ
たステージで全ての部品が正しく動かなくてはなりません。
「はやぶさ」の現状からすれば、それには今まで以上の奇跡が必要
なのかも知れません。ただ一度だけのチャンスに全てが上手く動か
ないといけない事が連続する一週間です。
一つ一つの作業とその結果に手に汗握りながら、「はやぶさ」の無
事の帰還を見守りたいと思います。
2010/06/09追記
TCM-4は無事完了し、あとは、再突入三時間前の帰還カプセル分離
を待つばかりとなりました。イオンエンジンは無事運用を終了しました。
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