2009年3月23日月曜日

捏造だった「中国艦追跡」記事


※写真は中国のキロ級潜水艦。インドも同型艦を保有している。

「中国艦を追跡」記事は捏造 中国当局が掲載2紙を処分

中国海軍の駆逐艦が国籍不明の潜水艦に追跡されたとの報道は捏造(ねつぞう)
だったとして、中国当局は記事を掲載した中国紙2紙に対し罰金などの処分を
科した。中国新聞出版報が19日までに報じた。

処分されたのは四川省の「華西都市報」と山東省の「青島早報」。両紙は今年
1月、海賊対策のためアフリカ東部ソマリア沖に派遣されている中国海軍の駆
逐艦が潜水艦に追跡されたとの記事を掲載。記事はフリーライターが華西都市
報向けに執筆した虚偽のもので、青島早報は華西都市報から有料で記事の提供
を受けたという。

19日付の香港紙によると、記事は2月上旬、中国の各大手ニュースサイトに
も転載された。記事中で潜水艦がインド海軍所属だった可能性を示唆していた
ため、インド政府が報道を否定するなど反響が広がっていた。

(産経新聞 2009/3/19)


実は私もすっかりこの捏造記事にひっかり以下のエントリーを書い
ています。

「本来の仕事もちゃんとやってるインド海軍と中国海軍」(2009/2/5)

エントリーの内容は、中国艦隊を追跡したのがインド海軍であれば、
ソマリア沖の海賊対策ではあっても、格好の音紋採取の機会と捉え
た可能性がある事。また中国艦隊も潜水艦の追跡を探知したのであ
れば、日常業務として潜水艦探知を行った点で、両海軍共に、やる
べき仕事を果たしていると評価しています。

捏造という結果だけをみれば、インドの原潜でもない通常動力潜水
艦が15ノット程度とは言っても、中国艦隊を追跡するかどうかと
いう評価の点で問題だったのですが、以下の様に書く事で合理化し
てしまった点、誤りであったと感じる処です。

「静粛性に優れる通常潜水艦であっても、最高速度に近いスピード
を出せば、当然、盛大に騒音を撒き散らす事になる為です。今回は
艦隊速度が遅かった為に、シュノーケル航行でも追跡可能と判断し
たのではないかと思われます。そして、その機関音を中国海軍に捉
えられたと言う訳です。」

中国海軍、インド海軍共に、新興海軍であるとは言っても、両国共
に原潜の運用経験がある等、決して侮れる存在ではありません。
また、中国が自国で原潜建造している様に、インドもソ連の技術協
力で、原潜の自国建造を行っているという情報もあります。

今回の記事は、捏造という事になりましたが、インド洋を自国の管
制下に置こうとするインドの国防方針と、自国向けの海上交通路と
して死活的重要性があると認識している中国の意思が、衝突してい
る海域である事は事実であり、今度は、本当に、インド海軍の原潜
が中国艦隊を追跡する事も起こりえるのではないかと考える次第で
す。


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