韓国のミサイル戦力、北朝鮮の10%水準
「06年7月5日午前3時以降、7発の北朝鮮ミサイルが旗対嶺(キッテリョ
ン)基地から移動発射台を通じて30分間隔で発射された。 当時、盧武鉉
(ノ・ムヒョン)政権の青瓦台(チョンワデ、大統領府)は1発目の20分後、
米国からの通報でこの事実を知った」(外交安保研究院の尹徳敏・安保統一研究部長)
この言葉は現在の韓国ミサイル戦力の問題を圧縮している。 ▽北朝鮮がミサ
イルを発射できないほどの抑制力を確保していない▽ミサイル発射情報を独自
で確保できない▽したがって戦争が起きても北朝鮮ミサイルを先制攻撃したり
防御することができない--という点だ。
このため最近の北朝鮮ミサイル発射の動きと関連し、軍の一部では政府の「ミ
サイル戦略」に対して批判の声が強まっている。
匿名を求めた軍関係者は「軍が南北ミサイル火力評価をしたところ、『韓国は
北朝鮮の10%水準』という結果が出たと聞いている」と述べた。この関係者
は「ミサイルの部分で韓国は事実上、北朝鮮に対応無策」とし「軍も問題点を
把握しているが無気力だ」と語った。尹部長も「北朝鮮のミサイルの前で韓国
の在来式戦力は無意味になった」と述べた。巡航ミサイル開発、パトリオット
ミサイル導入など韓国の先端戦力確保努力にもかかわらず、現実はなぜこうな
っているのか。
北朝鮮には射程距離の順にフロッグ・スカッド・ノドン・テポドンのミサイル
がある。フロッグは短距離用で、テポドンは射程距離が2500キロ以上の長
距離であるため米国・日本用だ。韓国にとって実質的な脅威であるスカッドと
ノドンは2個師団で編成されている。1個師団は射程距離340-550キロ
のスカッドB(北朝鮮名・火星5号)とスカッドC(火星6号)600基で武
装している。別の師団には射程距離1300キロのノドン1号200余基があ
る。ここに国防白書が最近紹介した新型中距離弾道ミサイル(IRBM)が含
まれる可能性がある。政府当局者は「射程距離2500-4000キロの
IRBMは沖縄とグアムの米軍基地を狙うが、この基地は有事の際、韓半島増
援と関連があり、結局は対南用となる」と述べた。
韓国は06年10月創設の誘導弾司令部が保有する弾道弾ミサイル玄武(ヒョ
ンム)2、3と天竜(チョンリョン)などを改良した巡航ミサイルで対応する。
「K-2」と呼ばれる玄武2は開発15年目の1987年に実戦配備された韓
国初の地対地ミサイルだ。公開されていないが500基が生産されたという観
測がある。問題は180キロという射程距離だ。北朝鮮の放射砲を覚悟し、休
戦ライン付近に配備されているが、平壌(ピョンヤン)には届かず、北朝鮮全
域への打撃は到底望めない。それでK-3ミサイルが登場した。
98年に北朝鮮の人工衛星が打ち上げられた後、韓国はミサイル関連技術輸出
規制(MTC)に加入し、射程距離を延長した。これに基づき開発されたミサ
イルが‘K-3’と呼ばれる射程距離300キロの玄武3だ。100基が実戦
配備されたと伝えられている。これより長い射程距離の弾道ミサイルはない。
休戦ラインから300キロ以上の地域を打撃できる韓国の弾道ミサイルはない
ということだ。
このため問題が発生する。 短い射程距離だけではない。 北朝鮮はミサイル基
地を山岳の北側斜面に集中配備し、南からの弾道ミサイル攻撃から免れる点も
問題だ。両江道(リャンガンド)ヨンジョ洞のミサイル基地は中国側の傾斜面
にある。こうした事情を総合して射程距離1000キロのクルーズミサイル天
竜と玄武3の変形ミサイルなど巡航ミサイルが登場した。しかしいつ実戦配備
されるかは明らかでない。軍関係者は「量産の話は聞いたことがない」と語った。
玄武では地下ミサイル基地破壊が難しく、スカッド発射台が移動するため把握
が難しいという問題を解決するレベルで先端貫通型ミサイル「エイタクムス」
(ATACMS)も100基ほど導入された。しかしエイタクムスの射程距離
は300キロにすぎない。
要するに攻撃部門では、射程距離300キロの玄武3弾道ミサイル100基と
エイタクムス100基が、射程距離340キロ以上のスカッド・ノドン800
基に対抗するということだ。南のミサイルは平壌の北側に並ぶミサイル基地ま
で届かないが、北朝鮮は済州道(チェジュド)まで攻撃できる状況だ。スカッ
ドの正確度が落ちるとはいえ、外交部当局者、軍関係者ともに「スカッドは核
弾頭や生化学弾頭を搭載できるという点で怖い」と指摘する。
国防研究院懸案研究委員会のキム・テウ委員長は「これまで攻撃ミサイルには
投資が少なく、防御に比重が置かれたために生じた事態」とし「防御と抑制的
攻撃力の均衡を保ち、北朝鮮とのミサイルギャップを縮小する必要がある」と
述べた。抑制のためのミサイル戦力確保が第1段階であり、防御が第2段階と
いうことだ。
別の軍関係者は「この際、玄武3ミサイルとクルーズミサイルを大量生産し、
米国との射程距離再交渉を通して北朝鮮ミサイルへの対応を進めなければなら
ない」と提示した。
第17代国会国防委幹事を務めた黄震夏(ファン・ジンハ)議員(ハンナラ党)
も「北朝鮮ミサイルの脅威が強まっているため、玄武3などミサイルをさらに
開発しなければならない必要性が当然生じる」とし「北側に‘悪事を働けば何
倍もの罰を受ける’という点を知らせる必要性がある」と述べた。
国防研究院安保戦略センターのチャ・ドゥヒョン博士も「北朝鮮に‘攻撃すれ
ば亡びる’という認識を与えられるよう‘恐怖の均衡’を保つことが重要だ」
とし「弾道ミサイルを追加開発し、巡航ミサイルの弾頭重量を増やし、火力を
強化する問題を検討しなければならない」と話した。
(中央日報 2009/03/06)
進歩派10年支配の間、韓国の国防費は伸び続けました。ただ、日本
を仮想敵国と考えている様な、ミサイル駆逐艦や、強襲揚陸艦、潜
水艦の整備には熱心でしたが、北朝鮮に対抗する師団防空用のミサ
イル整備や、対砲レーダーの整備、戦力倍増要素となる師団、連隊
単位の情報システム構築や早期警戒機の導入には何故か及び腰であ
り、戦力整備の焦点が分散している様な印象を受ける事が多かった
のです。記事にもある様に、現在、北朝鮮が唯一、韓国に優越する
のが、弾道ミサイル戦力です。韓国はこれに対し、短距離ミサイル
である対空ミサイル、ナイキ・ハーキュリーズ改造の玄武2,3と
ATMCMSで対抗しているだけなのです。
弾道ミサイルに関しては、米国から韓国に対し、長く、射程距離に
関する制限が付けられていたと言います。恐らく、韓国から北朝鮮
を挑発する様な事態を避ける意図があったのかと思われますが、こ
の分野への韓国の参入は、意図的に遅らされた様にも思えます。
今でこそMDが実用化していますが、長い間、弾道ミサイルへの対
抗策は弾道ミサイルしかありませんでした。
ヨーロッパで、ソ連が移動式中距離弾道弾SS-20を配備したのに対
し、米軍は、パーシングS/MRBMの配備で対抗しました。この対比で
考えれば、北朝鮮のスカッド、ノドンに対しては、韓国は、パーシ
ングで対抗すべきであったのに対し、これへの対処を行われていま
せん。更に、北朝鮮の弾道ミサイルが、着弾までの時間が短い奇襲
兵器である為、その早期警戒態勢整備が重要になりますが、韓国は
これに対しても、充分な対応を取ったとは言い難いのです。
それに対して、対北朝鮮用の軍備としては、殆ど意味を持たない海
上兵力整備に1兆円(一隻、400億円の駆逐艦3隻、500億円の駆逐艦
6隻、1500億円のイージス艦3隻、800億円の強襲揚陸艦1隻)近い
資金を投入したのです。正面兵力整備の1兆円は非常に大きな金額
です。まさに国家の命運を決める資金であったと言えます。そして、
左翼政権は、意図的に日本との竹島問題での対立を煽り立て、日本
を仮想敵国視する事で、この無意味な投資を正当化したのだと言え
ます。それは、韓国の「主敵」北朝鮮から、国民の目を逸らす策略
であったとすら言えます。
その間、北朝鮮は、弾道ミサイルと核開発に「だけ」焦点を当てた
軍事力整備と自国民を犠牲にした外国援助の獲得の戦いを実施して
いたのです。それは、まさに金正日体制サバイバルの為の戦いであ
ったと言えます。
軍事力の整備には時間がかかります。一度失った時間は元には戻り
ません。今、韓国は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威の前に無力な姿を
晒らしていると言えます。その意味で、本当の脅威から目をそらし
続けた、韓国の左翼政権による対北軍事力整備の失われた10年の
本当の影響はこれから明らかになると言える様に思います。
環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/
var gaJsHost = (("https:" == document.location.protocol) ? "https://ssl." : "http://www.");
document.write(unescape("%3Cscript src='" + gaJsHost + "google-analytics.com/ga.js' type='text/javascript'%3E%3C/script%3E"));
try {
var pageTracker = _gat._getTracker("UA-6610190-1");
pageTracker._trackPageview();
} catch(err) {}
0 件のコメント:
コメントを投稿