※写真はJAXAサイトからの転載
<はやぶさ>エンジン再起動成功 軌道を地球に向け
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4日、世界初の小惑星の岩石採取に挑戦
した探査機「はやぶさ」が、地球帰還に向けたメーンエンジンの再起動に成功
したと発表した。同日午前11時ごろ(日本時間)、4基あるエンジンのうち
1基を再起動し、同35分、正常に動いていることを確認した。はやぶさは軌
道を地球に向けて変え、順調にいけば来年6月、当初予定より3年遅れて地球
付近に帰ってくる予定だ。
はやぶさのメーンエンジンは、電気推進の「イオンエンジン」。燃費がよく長
距離の航行に耐えられる。これまでに設計寿命(1万4000時間)を大きく
超える3万1000時間稼動している。
はやぶさは03年5月に打ち上げられた。05年11月、地球と火星の間を回
る小惑星イトカワに着陸。表面の岩石採取を2度試みた。その「成果」を積ん
で、地球から約3億キロのかなたを航行している。
これまでに姿勢制御装置3台のうち2台が壊れ、姿勢制御用燃料がすべて漏れ
るなどのトラブルに見舞われた。イオンエンジンの燃料となるキセノンは地球
帰還に必要な量があるという。
地球付近まで戻ることができれば、高度数万キロで帰還用カプセルを切り離し、
オーストラリアの砂漠に落下させる。総航行距離は三十数億キロに及ぶという。
(毎日新聞 2009/02/06)
最初にお断りしておきますが、地球帰還までの日数はかなりいい加
減です。「やまと」にひっかけたジョークという事でご容赦下さい。
今まで事実上の冬眠状態であった「はやぶさ」ですが、小惑星「い
とかわ」と地球との位置関係が、帰還に際して燃料を一番節約でき
る関係になった為に、冬眠から目をさまし、地球帰還コースに進路
をとったという事です。(正確に言えば、既に「いとかわ」の軌道
からは離脱していましたので、第二期軌道変換とJAXAでは言ってい
ます。)
小惑星への着陸と離陸を世界で始めて成し遂げた「はやぶさ」です
が、その直後に姿勢制御用の燃料が全て洩れるという大トラブルに
見舞われ、地球帰還は不可能と思われましたが、イオンエンジン用
の燃料であるキセノンガスを直接噴射するという荒業で、緊急姿勢
回復を成し遂げ、地球との交信を回復しました。ただ、この間に、
電気が全て放電され衛星を制御しているコンピュータもリセット状
態になっていたりと満身創痍の状態である事は今も変わりません。
姿勢制御も姿勢制御系の噴射エンジンは使えず、三つの内、ただ一
つ残ったリアクションホイールを騙し騙し使っている状態で、これ
が、故障すれば、地球への帰還は全く不可能となります。その点で、
イオンエンジンの再始動成功は良いニュースではありますが、全く
予断を許さない状況はこれから地球帰還まで続いていきます。「は
やぶさ」の運用を行っているJAXAの「はやぶさ」運用チームは、今
まで同様、気の抜けない日々が続く事になります。
非常な困難の中にある「はやぶさ」ですが、既に、科学専門誌「サ
イエンス」が一冊丸々で、その成果を特集する程の成果を上げてい
ます。その点では、地球帰還とサンプルリターンは、「はやぶさ」
の成功を大成功にするものと言えます。
ISAS広報の任にある的川教授をして、「こんなにrobustでtoughな
のは見たことがない」と言わせた「はやぶさ」であり、「はやぶさ」
運用チームです。数々の困難を克服した実績には既に太鼓判が押さ
れていますが、今後共、頑張って頂き、「はやぶさ」の地球帰還と
サンプルリターンを是非成功させて欲しいものだと思います。
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