2008年12月10日水曜日
中国は尖閣諸島上陸作戦で日本に完勝できる!
※画像は海上保安庁サイトから転載
中華系メディア「尖閣諸島上陸作戦で日本に完勝できる」
香港のテレビ局、鳳凰電視台はこのほど、「中国人民解放軍が魚釣島(尖閣諸
島の中国語名)に進攻すれば、日本に完全勝利できる」などとする記事をウェ
ブサイトに掲載した。
台湾メディアの記事を引用した。解放軍の海軍陸戦隊と陸軍機械化師団が共同
作戦を実施すれば、日本の自衛隊よりはるかに強力な戦闘力を発揮し、尖閣諸
島を「回収」できるという。
台湾軍関係者によると、中国解放軍は浙江省の島しょ部に台湾、東シナ海、南
シナ海の島への上陸作戦などにも対応できるよう、大規模な訓練基地を築き、
訓練を続けている。
同基地での訓練により、中国解放軍はすでに台湾島北部への上陸作戦能力、尖
閣諸島への「快速な」上陸作戦の能力を得たという。
なお、8日朝には中国の海洋調査船が尖閣諸島付近の日本領海内を航行してい
るのを、日本の海上保安本部(沖縄)の巡視船が発見。領海外への速やかな退
去を求めたが、中国船は午後になっても退去しなかった。
(サーチナ 2008/12/8)
簡単に結論だけを書きますと、中国が尖閣諸島への上陸作戦を決意
し、実施すれば、戦わずして、勝利できるでしょう。
自衛隊の戦力が、記事にあるような中台連合軍の戦力と比べてどう
のこうのと言う分析も必要ありません。
日本の立場は、尖閣諸島に関する領土問題は存在せず、日本側が実
効支配を行っているというものです。中国が奇襲の形で上陸すれば、
実効支配は、中国側に移ってしまいます。そうなった時には、領土
紛争がある事を日本側は認めざるを得なくなります。しかし、一度、
紛争が起きてしまうと日本は武力を行使する事はできません。
憲法第九条が効いてきます。
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希
求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保
持しない。国の交戦権は、これを認めない。
つまり、領土紛争は国際紛争であり、日本は国際紛争の解決手段と
しての武力の行使を放棄しているのです。
武力を使用しようとすれば、尖閣諸島への中国の侵攻は、本土上陸
と同じであるとして防衛出動命令を出す必要があります。しかし、
中国が尖閣諸島以外に侵攻する意図はなく、一方的休戦を宣言して
しまえば、日本国内の親中派勢力、野党のみならず、与党内でも、
防衛出動命令の発動に反対する声が強く出てくる事は確実です。
懸賞論文に応募した空幕長の第二次大戦についての認識が政府見解
と異なるからと、即首にした腰抜け政府が、内外の反対を押し切っ
て防衛出動を出せると考えるなど、お笑いぐさでしかありません。
その一例が、竹島です。終戦後、韓国が実効支配した後は、日本は
入島した漁民さえ排除できず、今に至っても問題解決ができていま
せん。尖閣諸島も一度占拠されると、これと同様の事態に至ると考
えるのが適切と思われます。
さて、一度、中国が尖閣諸島を実効支配してしまうと、その後の回
復は難しくなる事は、指摘した通りですが、中国は尖閣諸島を奇襲
的に確保できるでしょうか?
現状は、海上保安庁が尖閣諸島への上陸阻止行動を行っていますが、
海上自衛隊がそれに連動して動いていると報道された事はありませ
ん。
勿論、中台側の動きについて、事前に知りえた場合は、別ですが、
そうでない場合は、戦闘艦に支援された上陸用舟艇が中隊規模の兵
力を上陸させるケースを考えると、それが中台いずれのものであっ
ても、それを阻止する事は、海上保安庁の巡視船艇にはできないと
考えます。
海上保安庁は、所詮警察組織です。その大型巡視船ですら、搭載兵
器は35mmや40mmの機関銃でしかなく、相手側が海軍艦艇であれば、
対抗できない事は自明であるからです。しかも、地図を見ていただ
ければ判りますが、尖閣諸島の位置は、沖縄からより、中国本土や
台湾の方が近く、奇襲的な侵攻は行い易いと言えます。
また、最初は、少数の艦艇で上陸部隊を揚陸し、その後、戦闘艦艇
がバックアップするという形を取られると、事前準備の検知がより
難しくなるので、余計に上陸阻止態勢を取りにくくなります。
中台両国ともに、こういった事情は良く判っていると思います。で
は彼らがそれをしないのはどういう理由でしょうか。
簡単に言えば、尖閣諸島を占拠する事は簡単でも、その後の日本と
の関係を考えると、不利益だからやらないと言えます。
将来、日本との関係による利益よりも、尖閣諸島を領有する事の、
直接、間接の利益の方が大きいと中台が判断する様な事態になれば、
ためらいなく、尖閣諸島占拠は実行されると考えるべきだと思いま
す。勿論、尖閣諸島を占拠しても、日本からのリアクションが大き
いものではないと予想できた場合も同様です。
それだけに、日本は尖閣諸島のみならず自国領域の確保に強い関心
を持っているという意思を継続的に示す必要があります。その為に
は、中台による我が国領空領海の侵犯に対しては、断固とした外交
的抗議を行う事、また海上保安庁の警備行動やそれと連動した自衛
隊の領域警戒行動を実際に示す事が重要であると考えます。
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