2008年12月5日金曜日

韓国の最新鋭潜水艦「鄭地」が就役



※写真は、中央日報サイトから転載

海軍最新鋭の214級潜水艦「鄭地」が就役

潜水艦「鄭地」(海軍作戦司令部提供)=2日、釜山(聯合)
【釜山2日聯合】海軍作戦司令部は2日、釜山基地で214級潜水艦「鄭地」(1800
トン級)の就役式を行った。
高麗時代に倭寇を撃退した鄭地将軍の名を取ったこの潜水艦は、純粋な国内技
術で建造された214級潜水艦としては「孫元一」に次いで2隻目となる。
全長65.3メートル、幅6.3メートル、最大速度は20ノットで、40人の搭乗が
可能だ。ハープーンミサイルや魚雷・機雷などの先端武器を搭載し、対艦・対
潜戦、攻撃機雷の敷設、敵基地封鎖・遮断能力を備える。現存するディーゼル
潜水艦のうち最も優れていると評価され、韓国海軍の水中戦力で中核となる。
長期間水中作戦が可能な非大気依存推進(AIP)装置も搭載している。

(YONHAP NEWS 2008/12/2)

2007年6月に進水し、以降、艤装と公試を行ってきた、韓国の最新
鋭潜水艦「鄭地(ジョン・ジ)」が就役しました。

「鄭地」は、韓国がKSS-II計画の元に整備を進めている「孫元一
(ソン・ウォンイル)」級の二番艦で、現時点で9隻が計画され、
内6隻が予算化されています。三番艦「安重根」も建造中で、全て
が、完成すれば、韓国の潜水艦保有数は、「張保皐(チャン・ボコ)」
級9隻と合わせ18隻となり、日本と並ぶ、世界でも有数の新鋭艦
を揃えた有力な潜水艦隊が出現する事となります。

「鄭地」を含む、「孫元一」級は、ドイツHDW社の最新の212A
型潜水艦の輸出用である214型潜水艦であり、現代重工業がノッ
クダウン生産を行っています。

最初に建造された、214級は、ギリシア海軍向けの「パパニコリス」
でしたが、ギリシア海軍による公試中に、以下の様なトラブルに見
舞われた事から、ギリシア海軍は引き取りを拒否しました。
・予想以上のスクリューのキャビテーション
・AIP推進機関用燃料電池セルの異常加熱
・悪天候時に海上航走した時のローリング過大
 (50度に達したという報道もあります。)

ただ、2008年5月現在これらのトラブルも修理され、修理後の公試
で、トラブルの解消が確認できた所から、近日中にギリシア海軍が
引き取りを行う見込みです。

韓国でも「孫元一」の公試時にスクリューキャビテーションの大き
さが問題視され、推進軸を交換するという報道もありましたが、現
時点では、大きな問題になっていませんので、トラブルは解決され
たと見られます。

214型潜水艦は、212型の様な非磁性鋼やX字舵を使っていま
せんが、その分、安価であり、統合型ソナーやAIP、自動化戦闘
システム装備は、最新のものが使用されています。212型と比べ
れば安価ですが、それでも一隻、300億円を超える水準であり、
運用する上での保守技術も高度になっている関係で、今の所、採用
を決めたのは、ギリシア、韓国、トルコと言った、先進国あるいは、
その一歩手前の、ある程度の技術力を保有する諸国に留まります。

ただ、その分、戦力化できた時には、相当の実力が発揮可能であり、
自衛隊の最新鋭潜水艦と比べても、船体が小さい事による行動期間
の潜在的な短さはあっても、それ以外は勝るとも劣らない有力艦と
見込まれています。

韓国海軍は近年、イージス艦の整備を始め、急速にその戦力を向上
しつつありますが、海上自衛隊と比較すると、主力水上艦艇の少な
さは否めない所があります。しかしながら、現在の海軍では、水上
艦艇よりも潜水艦の方が真の戦力であると言える面もあり、その点
では質量共に、海上自衛隊には、有力なライバルが出現したと言え
そうです。

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