※写真は、GSLV F01。ISRO Webサイトから転載
4月22日のエントリーでインドのGSLVロケットの打ち上げ失敗
について取り上げましたが、最近、Spaceflight Nowにその原因分
析についてのニュースが掲載されましたので抄訳の上、ご紹介します。
インド、ロケット打ち上げ失敗の原因を第三段のポンプと特定
今年4月にインド最強のロケットの打ち上げが失敗した原因について、インド
宇宙研究機関(ISRO)は、自国製の第三段エンジンのターボポンプの故障による
ものである事を7月9日に公表した。
GSLVロケットは、4月15日に、インド東海岸から打ち上げられたが、この
70.6百万ドル(64億円)のテスト打ち上げは、発射後5分で中断を余儀なくされた。
ISROは発表の中で、初飛行となったGSLVの国産の第三段エンジンは、
液体水素用ターボポンプの故障により、必要な推力を発生させる事ができなか
ったと述べている。
ISROは、問題の原因が2つの潜在的原因によるものである事を突き止めた
としている。
原因シナリオによれば、特定のシール場所の複数の箇所で、過度の圧力上昇と
高熱による疲労の為、ローターの固定具とタービンケースが断裂したものと思
われる。
第三段の点火シークエンスは離陸の294秒後に予定されていたが、ロケットか
らの加速データによればメインエンジンと2台の姿勢制御スラスターは2.2秒
間計画通りに作動している。
「しかしながら、メインエンジンの燃焼室への液体水素の供給が行われなかっ
た為に、推力の増加は予定通り行われなかった。」
液体水素用ターボポンプは、正常に起動され、一度は34,800回転のほぼ最高回
転数に達したが、その一秒以内に回転数が下がり始め、その後、完全に停止した。
そして、第三段の故障により、ロケットは制御不能のスピンに陥り、インド洋
上空の大気圏に突入した。
この打ち上げの主な目的が、新しい第三段のテストであったが、GSLVは、
通信/航法実験衛星を搭載していた。
また、ロケットの新しい航法システムと複合材料製のペイロードカバーは、
4月の打ち上げで正常に動作した事が確認されている。
インドは、2001年から2007年に打ち上げられた五機のGSLVの打ち上げに使
われたロシア製の第三段エンジンに換わる低温エンジン(液酸液水エンジン)を
開発している。
ロシア製の第三段エンジンは、2001年から2007年の打ち上げで、二回、小さな
異常を生じており、この結果、ペイロードが投入された軌道が、予定と若干異
なるものとなった。
2006年の打ち上げでは液体燃料エンジンのブースターが原因となって、発射直
後に劇的な爆発が発生している、
しかし、その他の三回の打ち上げは、完全に成功している。
ロシアは1990年代にインドに7基のエンジンを売却しており、その内、二基の
エンジンは、今もISROに保管されている。
ISROによれば、次の二回のGSLVの打ち上げでは、古いロシア製の第三
段が使用されるが、一年以内に国産第三段低温エンジンを使った打ち上げが計
画されている。
(Spaceflight Now 2010/07/09)
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