2010年7月5日月曜日

7月1日現在の惑星探査機の状況

※図は、Cassini任務概要図。Planetary Society Blogより転載。

Planetary Society Blogの以下のエントリーからの転載です。
以下の原文URLにプロジェクトサイトへのリンクが多数ありますの
で、より詳細は知りたい方はそちらを参照して下さい。

What's up in the solar system in July 2010
http://planetary.org/blog/article/00002566/

昔々、小松左京の「さよならジュピター」を小説で読んでいた頃、
出だしの処で、惑星探査機や人工彗星(!)が多数、太陽系探査飛行
を行っているシーンにわくわくした覚えがあります。
上記のブログで、この7月1日現在で、全部で18機(!)の探査機が、
太陽系の各所を飛行しているのを知り、SFの未来が実現した様な感
慨を覚えます。とりわけ、その18機の内、2機が日本のものである
事は、素直に誇らしいと感じます。


内惑星空間

MESSENGER水星探査機(NASA)
巡航飛行中。水星の周回軌道への投入まで、一年を切った。

Venus Express金星探査機(ESA)
引き続き沈黙中だが、取得したデータについては、先月のフランスAussoisで
の国際会議で議論された。内容は、金星大気から宇宙に脱出する水素の分量が
酸素の分量と比べ、略2倍である事が確認されたというもの。

Akatsuki金星探査機(JAXA)
金星で待つVenus Expressとの合同に向け、経路を巡航飛行中。金星への到着は、
今年12月末の見込み。

IKAROS試験機(JAXA)
Akatsuki探査機と同じく金星への軌道を飛行中。セイルの展開と太陽発電とLCD
による表面制御とイベントの多かった先月に続き、今月はいよいよ帆走テスト
が行われる見込み。

Lunar Reconnaissance Orbiter月探査機(NASA)
軌道からの科学的月面撮影任務を遂行中。6月末で、月面撮影1周年となる。

Deep Impact彗星探査機(NASA)
6月27日に地球フライバイに成功した。これにより、103P/Hartley2彗星へ11月
4日に予定通り到着できる見込み。彗星観測は9月初旬から実施される。
なお、7月4日で、Tempel1彗星へのフライバイから5周年となる。


火星

Mars Explorあation Rover火星探査機(NASA)
火星南半球の冬至を過ぎた。これからは、夜が短くなる。7月4日で、Spirit探
査機は、2308日に、Opportunity探査機には、2288日となる。Spirit探査機は、
2210日(3月22日)から応答なし。
軌道周回機は、Spirit探査機からの信号受信を周回毎に試みている。
Opportunity探査機は、東向きに移動中でエンデバークレーターの縁から既に
1キロメートル以上離れている。

Mars Express火星探査機(ESA)
最近の観測結果について、火星の北部低地に水成岩が広く分布しているという
新発見の公表があった。

Mars Reconnaissance Orbiter火星探査機(NASA)
引き続き火星の科学観測を実施中。MARCI天気情報によれば、夏の盛りに北極冠
の氷が溶け火星大気中の水蒸気量が増加し、それが巨大火山の周辺で雲を形成
しているのが観測された。

Mars Odyssey火星探査機(NASA)
火星軌道上で一番長い寿命を保っている探査機である。


小惑星帯

Rosetta小惑星探査機(ESA)
小惑星21 Lutetiaへ7月10日に接近する予定で、再接近時には、3169キロまで
近づく計画。接近の様子やニュースは、Rosetta Blogで公開されている。
http://webservices.esa.int/blog/blog/5


土星探査

Cassini土星探査機(NASA/ESA)
土星軌道上で7年目に入った。これまでの6年間の観測に加え、更に7年間の観
測が行われる事になった。Cassiniは、134公転目をスタートした処で、中程度
に傾いた軌道を持っているが、7月7日の次回のタイタンフライバイで、土星の
輪の平面と等しい傾きに軌道修正を行う予定。


外惑星空間

International Cometary Explorer探査機(NASA/ESA)
2014年の地球接近に向け飛行中。地球接近時に軌道修正を行い太陽-地球のL1
を周回するハロー軌道に投入される。

Dawnケレス/小惑星探査機(NASA)
現在小惑星帯をイオンエンジンで順調に飛行中。2011年7月に小惑星ベスタに
接近する軌道に乗っている。

Stardust彗星探査機(NASA)
Tempel1彗星をフライバイするまで一年を切った。再接近は、2011年2月15日と
なる予定。

New Horizons冥王星探査機(NASA)
冥王星までの中間点である14.85天文単位を切った。冥王星~カロン系への接
近は、2015年1月~5月に行われる予定。7月1日に軌道修正が行われ成功した。


恒星間空間

Voyager1&2外惑星探査機(NASA)
引き続き順調に飛行中。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/









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